なんじゃこりゃ?「笑劇」の衆院選区割り案 直接往来できる道路もないのに同じ広島3区! さとうしゅういち

衆議院議員選挙区画定審議会(俗称・区割り審議会、会長・川人貞史・東大名誉教授)は6月16日、10増10減の新しい小選挙区の区割り案を総理に勧告しました。(※衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告

わたしが住んでいる広島県では7つあった小選挙区が6つに減らされます。広島県は人口の社会減が全国でも最悪レベルですから、これ自体は致し方ないことです。「ああ、来るべきものがきたか」という感想です。そして、その勧告のまま、10増10減の公選法改定案が11月18日、成立。上記勧告通りの区割りになることが確実になりました。

海田市駅の跨線橋から同駅ホームと安芸区福祉センター=奥の茶色の建物群をのぞんで。海田町と安芸区は入り組んでいて街は渾然一体だ

◆安芸区が安佐北区などと同じ広島3区?!の「笑劇」

しかし、問題は区割りの中身です。人口が少ない広島4区と5区を解体して、基本的には新しい4区(東広島市、竹原市、大崎上島町、呉市、江田島市、熊野町)に統一。4区のうち、府中町、海田町、坂町をわたしが住んでいる現1区(中区、東区、南区)にくっつけます。

そして、衝撃ならぬ「笑劇」だったのは安芸区を3区(安佐南区、安佐北区、安芸高田市、北広島町、安芸太田町)にくっつけるということです。

安芸区は、むしろ、生活圏は海田町、坂町、府中町などと一緒です。陸上自衛隊の海田駐屯地は安芸区と海田町にまたがり、海田町内の海田警察署が所轄です。海田町の海田市駅前に安芸区の福祉センターもあるくらい、入り組んでいるのです。

そして、もう一つは、安芸区と安佐北区は確かに接しています。だが両者を直接往来できる道路はありません。ひょっとするとイノシシやクマは行き来しているかもしれませんが車や登山の装備のない人間が行き来する状況ではないのです。

現3区に事務所をおく筆者が万が一衆院選立候補の場合(そのつもりは現時点ではありませんが)はどうなるでしょうか? 選挙カーを回すとなると、たとえば現3区の安佐南区の事務所から1区を経由して安芸区へ向かうしかありません。1区を通過する際は無言で通過していくか、それとも自分の名前を封印して「比例での所属政党名」だけを叫ぶか。いずれにせよ間抜けな話です。安芸区は筆者に妻の実家もあり、水害でのボランティアの経験もあるので、地盤という意味では筆者に少し有利かもしれませんが、ここで取り上げるのは、そういう問題ではありません。地域として一体性のないところを選挙区にするというのはいかがなものか、ということです。

それくらいなら、行政区画を分断することになりますが、たとえば、東区を分けるという手もあります。東区なら3区とも1区とも地域的なつながりはあります。東区の筆者の自宅の前を通過するバスも安佐北区、すなわち3区に向かっています。

現4区の海田町から北方の現3区をのぞんで。人や車が通常の装備で往来できる道路などない山岳地帯だ。選挙運動中に、こんなところを超えていたら熊かイノシシに襲われるのがオチだ

◆弁護士、東大教授……こんな「笑劇」的な区割りを考えた錚々たる先生方

それにしても、どういう方々がこんな「笑劇」的な区割りを考えたのか? 委員の名簿を拝見してぶったまげてしまいました。

東大教授の加藤淳子先生、東大名誉教授の川人貞史先生、弁護士の住田裕子先生ら、錚々たる先生方です。こんなばかげた区割りを勧告して、先生方の名声に傷がつかないか、筆者は心配です。実際は総務省の官僚が下案をつくってそれを先生方が一定議論して了承するのでしょうけれども、それにしてもです。

◆そのまま通す議員も情けない

議員も議員です。いくら、いわゆる閣法=政府提出の法案といえども、こんな明らかにおかしな区割りをそのまま与党の議員が認めてしまうというのも「情けない」の一言です。国会議員同士で話し合って修正することもできたはずです。まさに、立法府が形がい化し、行政府の追認機関になってしまっているということです。

◆根本には小選挙区制自体の問題

しかしです。そもそも、小選挙区制自体がこういう、余計な問題を引き起こしているのではないでしょうか?

たとえば、筆者の事実上の故郷の東京。23区なんて、行政区がいくつも分断されて訳がわからない状態です。それこそ、区議や都議より選挙区がせまい国会議員と言うのもいかがなものでしょうか?区議や都議より対象となる有権者が狭い人が、国政に関する議論をするというのも違和感を覚えます。筆者も立候補を複数回しているから分かるのですが、国会議員なら国民全体、県議会議員なら県民全体を考えないといけないと頭ではわかっていても、やはりそうはいっても無意識に問題意識は地元を優先になってしまうし、現実に得票にはそのほうが効率的なのも事実です。

まだ、昔の3-5人の議員を選ぶ中選挙区制のほうが、ある程度選挙区が広く、選択肢も広かったとおもいます。中選挙区制なら、たとえば、河井克行受刑者のような人は同じ自民党の議員に負けて落選しているでしょう。実際に広島3区でも「本当は岸田総理のファンで克行受刑者なんて大嫌いだが、自民党だからやむを得ず投票していた。」という方を多数、筆者は存じ上げています。

◆地方の衰退に拍車

そもそも、人口だけで議員定数を考えるというのも本当に公平なことなのか?これも考えていただきたいことです。地方の議員を削減して、都会の議員を増やす。そうなれば、都会の声がますます強まり、地方には不利になる。それにより、地方の衰退、東京一極集中に拍車がかかる。その結果ますます、一票の格差が広がる。

このような指摘を筆者が国政レベルでは支持する「れいわ新選組」はしています。
【声明】公職選挙法改正案に反対する理由(れいわ新選組 2022年11月10日)

◆投票価値の平等は比例代表制が一番

しかし、そもそも、投票価値の平等を追及するなら、比例代表制が一番です。比例代表制ならそもそも一票の価値の不平等も起きようがありません。ブロック別の比例代表制なら、人口の増減で定数の増減は必要です。しかし、えらい先生方が、一生懸命区割りを考えた上で広島3区のような「衝撃」ならぬ「笑劇」を起こすことはありえません。

ノルウェーの場合は県別の比例代表制で、有権者が政党の提示した名簿順位をいじれるような仕組みです。この仕組みを利用して、ノルウェーでは女性を上位に有権者が名簿をいじって女性議員をふやした歴史があります。これなら、個人もえらぶことができます。支持政党でもいやな議員はおとすことができます。筆者はあらためて、ノルウェー式の比例代表制をベースとした選挙制度改革を提起します。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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新自由主義県政が広島に残した惨状を再確認  地域産別組合定期大会に参加して さとうしゅういち

筆者は2000年から2011年までは広島県庁の職員として勤務し、現在は広島市と安芸郡の民間の介護施設計二か所で介護福祉士として働いています。

しかし、自治体の介護保険制度のもとで働く公務関係の労働者ということで、広島県内の自治体労働者の皆様と同じ地域産別組合加盟の労働組合に参加しています。

そして、先日の定期大会でその地域産別組合の執行委員を拝命いたしました。この産別組合(広島自治労連)は全労連系の組合です。世間一般では共産党系とも言われますが、筆者自身はこれまでも何度もご紹介している通り、れいわ新選組のオーナーズ会員であり、共産党支持者ではありません。ただ、県内でそれなりに労働者のためにたたかう組合でなおかつそれなりの勢力があるということでこの組合を選ばせていただいています。

筆者は県庁職員時代には連合加盟の「自治労」広島県職員連合労組で長きにわたり、支部役員をさせていただきました。連合と全労連、両方で役員というのは、おそらくほかにも例を見ない「珍記録」と思いますが、所属組織に関係なく、その場所で、自分の良心に従い、しっかり活動をさせていただきたいとおもいます。

◆筆者も思い切って発言

さて、先日、その広島自治労連の定期大会がありました。この大会でわたしも役員を拝命することになりました。

皆様もご経験と思いますが、世間にはいろいろな団体の総会や大会があります。通常、まず執行部から前年度の活動報告、決算報告・監査報告、質疑応答、そして今年度の活動方針案、予算案の提案、そして質疑応答というのが流れです。今回の大会ももちろん、その通りの流れです。ただ、連合系労組時代はほとんど討論らしい討論もなく、筆者が一人で発言などと言うこともよくありました。孤立を恐れる筆者ではありませんが、とはいえ、発言にはエネルギーもいります。

筆者も、最初は皆さんの発言・討論を伺って勉強のつもりでした。とくに、女性の非正規公務員、自治体関係公益法人の職員の皆様の痛切な現状報告や、いきいきと意見を述べられている様子に触発され、思い切って挙手して発言機会を求めました。
県庁時代と現在の介護現場時代の経験を踏まえ発言させていただきました。

まず、最初に「わたしは、広島県庁職員だった時代には連合系自治労の支部役員をさせていただいた。大会などでは、女性の参加者も少なく、発言もほとんどなかった。それとくらべるとこちら(自治労連)は女性の発言者の方が多く、生き生きと発言されているのに感激した。」とまず感想を述べさせていただきました。

その上で、「広島県の前知事(藤田雄山、故人)はわたしが県庁職員だった時代に86あった市町村を23に減らすという市町村合併を強行した。県は市町に権限を委譲したという理由で、市町は合併して効率化したという理由で職員の総数を合併前より減らしまくった。わたしの在職中はまだ大阪維新は存在しなかった。しかし、広島県は実は、維新でさえもここまではしないひどい新自由主義だった。」と回想。

「しかし多くの県民が気づいていない。きちんと労組が先頭に立って世論に訴えるべきだと感じた。」と指摘。

その上で、「岸田さんの介護労働者賃上げは全く不十分である、安倍さんはコロナで5万円くれたけど我が施設は岸田さんになってからクラスター二度発生もなんの手当もない。賃上げも他業界も一応給料アップの中焼け石に水だ。」と指摘しました。

そして、「なかなか、組合に入ってもらうのは難しいが、例えば『公務員は給料が高すぎる』という民間労働者の仲間がいれば、『いやいや。俺らの給料を公務員並みに引き上げていくのが大事じゃないかな』とやんわりいうなど、地味なところからでも取り組んでいる。一緒にがんばろう」と呼びかけました。

◆欠員相次ぎ、非正規で穴埋め常態化──女性が多い職場から危機感

さて、この筆者の発言と前後して、県内各職場からは「人が足りない」という報告のオンパレードでした。そして、欠員は非正規で埋めるということが常態化している状況が報告されました。

そして、非正規なのに重責を負わされる実態が全部の自治体や公益法人共通でありました。特にある自治体の給食調理員はなんと8割が非正規だそうです。コロナで休む人が多く出る中で、綱渡り状態で業務を回しているとのことです。

特に女性が多い職場が狙い撃ちにされてそうなっていることがよく浮かび上がりました。

◆市町村合併→公務員数削減による惨状の報告

また、筆者が県庁職員だった時代に目撃した市町村合併後、職員が減らされた上に仕事は県から押し付けられてから15年余りたっています。筆者が当時、懸念した通り、その悪影響が今出ており、市町は惨状を呈しています。

病気や死亡などで退職が相次ぐのに補充されない自治体。給料水準が十分でないため、県や他県の自治体に受験者が流れてしまっているそうです。

別の山間部の自治体では、職員の2割が精神疾患で仕事をしながら療養中という惨状です。その自治体では病気になって本庁で勤務が難しくなった人を支所に回しているそうです。その結果、支所が療養中の人であふれ、業務に支障をきたしています。

◆大阪維新真っ青の広島の新自由主義、十数年たってつけ噴出

まさに、広島県の前知事・藤田雄山(故人)が総務省いいなりで進めた大阪維新の会も真っ青な新自由主義。そのつけが十数年たって噴出していることを痛感しました。

そして、その状態を現知事の湯崎英彦さんも、その湯崎さんを推薦する自民、公明や立憲民主党、連合など国政野党や大手労組も是正しようとしていません。さもなければ、こんな惨状にはなっていないでしょう。

2004年の合併で1市3町3村が1市になった三次市。衰退は加速する一方、公務労働者への負担は過重に。筆者撮影

筆者も、参院選再選挙2021や参院選2022で特に合併が大きく進んだ(その結果公務員も大幅に減った)地域を遊説し、その衰退ぶりに改めて憤りをおぼえているところです。

もはや、「ガツン!」という勢いで公務員を正規で増やすくらいの覚悟がないと、医療、福祉、防災、教育などあらゆる分野で県民の安全、安心も守れないし、地域の衰退も加速するだけだ、と改めて痛感しました。

2021年秋に発足したデジタル庁の進める行政のデジタル化もどんどん県民のニーズが複雑化する中で、業務を効率化して負担を軽減するならいいのですが、そうではなく、「行政職員数の半減」に悪用されたら大変です。これはIT導入による職員削減を岸田政権がもくろんでいる介護現場においても共通の課題です。IT化で負担は軽減しつつ、すでに少なすぎる公務員は正規で補充し、行政ニーズの多様化に対応する。これが当面、あるべき方向ではないでしょうか?

筆者は、政治活動と労働運動、車の両輪で新自由主義に対抗していく決意を新たにしました。基本的に、どこに属しようが筆者自身の主張や姿勢に大きな変更はなく(もちろん、時代に合わせてアップデートはしますが)、与えられた場所で頑張るだけです。

公務員を引き下ろしてスカッとするのではなく、労働者全体を底上げし、せめて正規公務員並みに、ということです。

民間の立場からいわれのない公務員バッシングには反撃します。官民を超えた労働者同士での「集団的自衛権」の行使は積極的に行います。

逆に公務員の皆様におかれても、介護、保育、医療を含む民間の労働者の待遇改善にもご協力いただけるよう伏してお願い申し上げる次第です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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勤務先で3度目のコロナ発生! 重篤な基礎疾患にもかかわらず病院から「強制送還」される入居者たち さとうしゅういち

筆者は、広島1区の介護施設(本稿では以下弊社とします)と、広島4区(安芸郡)の介護施設で介護福祉士として働いています。

◆これまでのクラスターも「野戦病院」状態だったが

ちなみに、これまでたびたびご紹介した外国人労働者の流出が起きているのは広島4区の介護施設です。(※関連記事)

こちらの4区の施設でもクラスターは2022年9月に発生しています。筆者は、クラスター発生に伴い、欠勤者が出たために、夜勤のピンチヒッターに入りました。

台風が九州から中国地方を襲った日にも、電車が止まっているため、暴風雨のなか、自転車で駆け付けたのを記憶しています。そうしないと、施設が回らないから、と思ってかけつけました。このときは、全身がずぶぬれになり全部着替えたのを覚えています。

夜勤の時は、台風に伴う熱帯性の暑くて湿った空気の中、防護服着用で一晩を過ごし、汗びっしょりになったのを覚えています。

さて、広島1区の弊社では、2022年2月と8月にクラスターが発生しました。8月のクラスターでは入居者様13人、職員8人の21人が感染確認。入居者様の4人に1人以上が感染し、うち二人が救急搬送。職員も不足が続き、広島弁でいえば「わやくちゃ」な状況でした。(※関連記事)

2月のクラスターは、弊社で初のクラスターで入居者様6人、職員2人が感染。このときも職員不足とのダブルパンチで、野戦病院のような状態になりました。(※関連記事)

いずれも、入居者様に、食事を個室で取っていただきました。そして、食堂に入居者様が来ておられるときは食事介助をまとめてすることができましたが、これらの時はそうはいきません。普段よりむしろ必要職員数が増えた上に、職員も倒れた状況でした。

◆弊社の前に救急車が!?

さて、筆者は、2022年11月9日に弊社に勤務した後、10日は、地元安佐南区での政治活動のあと、夜は11月11日は4区の介護施設で1日勤務。12日は、人手不足により、急遽4区の介護施設で半日勤務。13日は、広島市内で組合活動。14日は広島4区の介護施設で1日勤務。

こんなあわただしい日程をこなしていました。そして、15日。わたしは午前中、妻の通院に付き添い、午後から弊社に出勤しました。

すると、弊社の前に救急車が止まっています。いったい何事かと思って、同僚に聞きました。入居者様の一人が12日にコロナに感染が確認。その入居者様(仮にAさんとします)は、体温こそ38度とまだ「軽症」の部類ですが、酸素飽和濃度が低下するなど、いわゆる中等症に近い状態になっていたそうです。それに加えて、若手職員1名がコロナへの感染が確認されていました。

ただ、12日から、このAさんのケアに当たっていた同僚たちからすれば、Aさんの入院で、他の入居者への拡散の可能性が低下してほっとしていたのも事実です。過去2度の弊社クラスターでも、軽症で要介護度が低い方が、元気なゆえに、他の入居者様の部屋を訪れて、いわゆるスーパースプレッダーになってしまったからです。ただちに、以降の入浴は中止。Aさんの居るフロアの人は全員個室で食事となりました。

ところが、ほっとしたのも、つかの間です。今度は、翌16日、別のフロアの入居者Bさんの感染が発覚しました。

◆手術直前にコロナ発覚、弊社に「強制送還」

Bさんは、泌尿器系の重篤な病気があり、それが悪化していました。そこでこの日、同じ区内の大型病院で手術の予定でした。もちろん、この16日の朝、施設を出発した時点ではコロナ感染は確認されていません。

ところが、Bさんは、病院の「関所」で引っかかってしまいます。すなわち、手術前に、PCR検査を受け、15分から30分で結果が出る関所で、コロナ感染が確認されたのです。

その病院には、コロナ病棟ももちろんあります。このBさんは、重篤な泌尿器系の病気がありますから悪化が心配です。当然、コロナ病棟に回されるかと思いきや、なんと、弊社に「強制送還」されてきたのです。

Bさんの「強制送還」により、Bさんのフロアの入居者様は全員個室で食事をとっていただくことになりました。

またまた、「てんやわんや」の状況です。「そのまま入院してくれれば、弊社の負担は軽減されるのに。」と多くのスタッフが思ったのは間違いありません。

◆なぜ「強制送還」されたのか?

なぜ、コロナ病棟もある病院から、Bさんは「強制送還」されたのでしょうか? その一つの理由は、入院には依然として、保健所を介在させる必要があるからです。保健所に感染を登録して、そして、保健所の指示に従って入院などもする。そういう仕組みだからです。

もう一つの理由は、今は、以前の第一波やデルタ株の時と違い、オミクロン株やその変異株です。ワクチンの効果もあって重症化率は低い一方で、感染者の数はけた違いです。したがって、県としても、コロナそのものの症状がないBさんの場合は、入院の対象にならないわけです。

もちろん、医療機関の負担を減らすためにはやむを得ない措置というのは理解します。ただ、おかげで、また、弊社など介護施設内での感染が広がる危険が出てきます。

◆経済優先というなら、それによる介護現場の犠牲には補償を!

もうひとつは、岸田政権は、安倍政権、菅政権以上に、経済優先の姿勢です。もちろん、観光業、飲食業など、これ以上、緊急事態宣言などしたら、もたない、というのも理解します。他方で、それにより、介護現場には大きなしわ寄せがきているのです。

安倍政権はそれでも、介護現場に勤務する労働者に一人5万円の報償金を出しました。しかしながら、岸田政権では一度もそういうことはありません。介護労働者の給料3%アップはされましたが、物価上昇、あるいは他業界の賃上げ、インフレ手当の支給などの中で実質的には相殺されてしまっています。

地元の岸田総理には経済優先で行くなら、その分、負担が来る介護現場にも手厚く。せめて、これだけは、強くお願いするものです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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広島の外国人労働者が流出する理由 「労組代表」の筆者の説明で納得の町幹部 さとうしゅういち

介護福祉士である筆者は、広島県安芸郡の介護施設(以下、弊社とします)に派遣される形で勤務しています。また、広島県内の自治体労働者や公共関連の労働者で構成される「広島自治労連」の執行委員をこの10月から拝命しています。

以前、ご紹介したとおり、弊社では外国人労働者が多く働いておられます。しかし、最近、次々と辞めていかれます。賃金のより高い東京に行かれるのです。すぐに新人の外国人労働者が入ってこられるのですが、数か月でまた東京の介護施設へ転職される、という傾向が最近定着してしまっています。円安の中で、政情不安もある母国への送金をより多く確保するため、東京へ、という彼女たちの選択ですので引き留めることはできません。そんな中、筆者は、地元の自治体に対して、この問題について、改善をお願いする機会をいただきました。

筆者の属する労働組合「自治労連」が加盟している「広島県労連」が事務局となっている「国民大運動実行委員会」は、「自治体キャラバン」と銘打って毎秋、自治体首長と議会を表敬訪問し、労働や医療、福祉、教育など様々な課題の改善をお願いしています。

今回、11月8日に安芸郡内の自治体を訪れる「キャラバン」があるということで、「外国人労働者流出問題」を取り上げたいと考えていた筆者は参加させていただきました。組合の会議で、「誰か行く人はいませんか?」と募集していたので渡りに船と考えていた筆者は「あ、俺、行くわ」と手を挙げた次第です。この鹿砦社通信含めて様々な媒体でこの問題を取り上げたり、街頭演説で訴えたりする。これも大事です。

実は、11月3日に、広島県庁前で筆者の組合も参加する「県民大集会」があり、筆者も参加しました。その開会前に、医療労働者の組合・医労連が、「医療・介護職員の大幅増員と夜勤の改善」を求める署名活動をされていました。

筆者も「乱入」し、マイクを握り、「外国人労働者も広島の介護現場から流出している。日本人がやりたくないことは外国人もやりたくないのだ。いまこそ、ガツンと待遇を改善し、大幅増員で環境も改善を。」などと訴えました。しかし、やはり、行政・議会にもきちんと働きかけることが大事です。そこで、今回このキャラバンに参加した次第です。

11月8日、この日はまず、わたしにとり、組合の上司でもある広島自治労連の浜崎書記長が代表して、要請書を先方の首長(代理で担当部長)、議長(代理で事務局長)に提出しました。

提出した要請書では、国保料や介護保険料について、減免の充実や減免の周知徹底、事業主にも国保の傷病手当を求めています。物価の高騰については、医療や介護などの事業所への支援の充実を求めています。最低賃金については、1500円に引き上げることを求めています。子ども医療費については、県としても、小学生以上にも助成を行うことを求めています。存廃問題が焦点となっているJR芸備線などについては、国の責任で維持するように求めました。

その後、参加者から具体的に要請が行われました。病院の経営者からは、年間で数千万円、光熱水費の負担が増えているとの訴えがありました。医療者の団体からは経済的困窮からがんの治療などが手遅れになって亡くなった人が続出していることへの対策を求めました。

また、医療関係の労働組合役員からは「弊社ではここ数年で10円しか時給が上がっていない」と窮状の訴え。最低賃金を上げることで、韓国では一時は混乱が起きたが、現在では一人当たりGDPでも日本を抜いている、と指摘。賃上げの必要性を力説しました。

わたしは、自分の勤務先の安芸郡の弊社から東京に外国人労働者が次々と流出している問題を主に取り上げました。
(前回記事参照)

「このままでは介護現場は持たぬ。3%の政府の賃上げでは到底足りない。介護現場の大幅賃上げに協力していただきたい。」

「弊社の場合、日本人スタッフが最低賃金ギリギリ、外国人労働者がその約1割増し、派遣のわたしが1100円。それでも、外国人労働者は出て行ってしまう。円安の中で、ちょっとでも故国に送金をしないといけない彼女たちのことを思えば止められない。最近では、外国から広島に来てしばらくして東京の給料が高いことを知って弊社を辞めていく方も多い。すぐにやめられてしまうと、戦力として育たない。」

「もちろん、最低賃金と同額の時給の日本人については、若者は入ってこず、年金が足りないから働かざるを得ないという年配の方が多い。」と訴えました。

◆自治体側も筆者の要望で外国人労働者の「真相解明」

安芸郡のこの自治体では実は町長さんも外国人登録が伸び悩んでいることを「なぜだろう?」と気に掛けて、この日対応された部長さんに分析を命じていらっしゃったとのこと。そうすると、介護現場の労働者において転出が多いことがわかったとのことです。

部長さんは、わたしの発言をお聞きになって、「そういうことか?!よくわかりました。」と、納得されていました。

また、最低賃金を全国一律1500円にすることについて「東京は物価が高くて生活費も高いのでは?」という当局の方からの疑問に対しては、同行した組合幹部の方から、「東京では住居費は高いけれども、公共交通が発達している。地方はクルマに依存せざるをえず、維持費がかかるので生計費はあまりかわらない」と補足。

わたしからも、東京で育ち、県庁職員時代は山間部で仕事をした経験から、「東京は、実は安い飲食店も多い。わたしは2000年に東京から広島に来たが期待ほど安くなかった。しかし、さらに山間部に赴任すると、メシを食うところは少ないし、あっても広島市より高い。地元の商店に並ぶものも高いし品質もいいと言えない。だから、地方の最低賃金も上げないと結局、外国人も日本人の若者も流出してしまうと思う」くと、納得されていました。

今回、自治体幹部の方とも、実体験に基づいて要望をしていくことの重要性を感じました。

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広島から東京へと流出する介護施設の外国人労働者たち 円安も背景に加速する労働現場の崩壊 さとうしゅういち

◆日本人の時給より1割高い外国人労働者たちが東京の介護施設に引き抜かれる現実

最近、筆者の勤務先の介護施設で外国人労働者が、東京の介護施設に引き抜かれる動きが加速しています。

筆者の勤務先では、実を申し上げると外国人労働者の時給は日本人直雇用職員より1割程度高めです。

なお、筆者自身はピンチヒッターの派遣社員ということで派遣手数料を引いた手取り時給でも、外国人労働者よりさらに高めの時給をいただいております。それでも、県庁職員時代に比べたらはるかに低いし、はるかに仕事がきついことは体感しております。

日本人よりも高めの時給を外国人に出している介護施設。しかし、それでも、外国人が東京へ流出してしまうのです。この秋、複数の外国人労働者が辞めて、東京の大手医療法人系介護施設に転職することになりました。筆者も彼女たちとは長い間一緒に仕事をさせていただいたので、一抹の寂しさは感じます。

利用者様はもっと感じておられます。「**ちゃんは辞めるのではないよね?」と何度も筆者に質問してこられ、筆者も困惑してしまいます。外国人労働者ご本人も慣れているところの方で仕事するほうが、やりやすいとはおもいます。

他方で、彼女たちの選択はやむを得ないと思います。それはそうです。東京の介護現場では、介護職員が世間一般のから比べたら給料が低いと言っても、地方の我々から見たら驚くべき給料の高さです。

彼女たちは、ここでもそうですが、会社の寮で生活しています。遊びに行くこともほとんどありません。休みも取らずに、ずっと真面目に働き、お金をためて故郷に送金しているのです。

もちろん、東京は広島に比べたら物価は高い。ただ、遊ばずに暮らすだけであれば、そんなにお金を使うわけではない。給料が高い東京で働いて故国に送金した方が効率的なのは明白です。

現在、ご承知の通り、大変な円安です。広島の給料のままでは、故郷への送金が大きく目減りしてしまいます。

そこで、より給料が高い東京へ目が向くのも当然です。

◆東南アジアの労働者から見れば、働く場としての日本の魅力は低い

また、東京のこの大手医療法人系介護施設では研修体制も充実しています。実を言うと、彼女たちの母国は政情不安です。日本で長く働くことを視野に入れると、なおさら資格を取りやすいところへ、というのもわかります。

そういう要素はあるにせよ、やはり、円安で、広島の給料では、故郷に十分な送金ができないというところが、東京への移動の背景にあるのは、ご本人と話していてもよくわかります。ご本人のためを思えば仕方がありませんし、東京でのご活躍をお祈りするとともに、故郷の政情安定化(独裁で安定するという意味ではなく健全な民主主義という意味で)を心からお祈り申し上げる次第です。

しかし、このままいけば、外国人労働者が東京へと流出し、広島の介護現場はさらに崩壊しかねません。ほかの業種でもそういう動きになる可能性は高い。さらに、彼女らの場合は日本語を最初の外国語としておぼえたということで、日本になるべく居たいとは思います。だが、これから、外国で働こうという例えば東南アジアの労働者から見れば日本は選択肢として著しく魅力は低い。

それどころか、マスコミでも報道されている通り、オーストラリアなどに、いわゆるワーキングホリデーで行き、日本では考えられないような給料を稼いで戻ってくる、という日本人も増えるのは必至です。

新たに外国人労働者を入れるどころではありません。

◆きちんと労働者のために動く労働運動が必要

まず、介護現場を維持していくには、岸田政権は、これまでの3%にとどまらず、介護労働者の給料を引き上げることです。冷静に考えれば、日本人がしたがらないような給料・労働条件の仕事は結局、外国人もしたがらないのは当然すぎます。

もうひとつは介護業界だけに限らず、日本全体を見ても、「どうせ、外国人労働者を安く入れればいいから、給料は低くても大丈夫」という時代は終わったということです。

日本がいわゆる実質実効為替レートで最も円高だった1994年に当時の日経連(現・経団連)が「新時代の日本的経営」で派遣社員や有期雇用を増やすことを打ち出しました。それ以降、円高対応として、とにかく、労働者の給料を低く抑えることに日本の経済界は狂奔。それを前提とした企業経営や経済の在り方をつくってしまいました。

本来であれば、技術革新や時代に合わせた新機軸を打ち出すなどすべきだったのをサボってしまった。労働者を安く使い捨てることに依存してしまった。その結果、技術者はどんどん流出し、いつのまにか技術力でも韓国や中国に逆転されてしまった。

介護にしても、例えばオーストラリアでは、要介護者を介護者が持ち上げるような介護はさせていません。日本は逆に言えば腰痛を引き起こす特攻隊のようなことを介護労働者にさせています。日本は低賃金労働を前提とした古臭い国になってしまったのです。

過去20~30年のこうした誤りを総括する。ただ、資本側はそれを自分からやることはない。岸田政権が、賃上げとか、所得倍増とか言っていたのが、あっという間にしりすぼみになり、むしろ、安倍政権さえよりも新自由主義的になってしまったのは良い例です。

野党、それも労働組合に支援されているのに公務員賃下げに賛成するような「労働貴族」ではない野党が強くなる必要がある。そして、きちんと労働者のために動く労働運動が必要である。そのことも、この秋の「外国人労働者流出事件」を契機に強く感じました。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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LINE Pay(ラインペイ)の異常で夕食が買えない! 賃金の電子マネー支払いは時期尚早! さとうしゅういち

◆LINE Payが立ち上がらない! このままじゃ夕食が買えない!

2022年10月17日夕方。広島県安芸郡内の介護現場での仕事から帰宅途中のわたしは、広島駅構内の飲食店でテイクアウトを注文しました。

事前にラインで連絡を受けた妻の希望通りの弁当をお店の人に注文。支払いは、いつも通り、電子マネー「LINE Pay(ラインペイ)」で行おうとしました。

ところが、画面がいつまでたっても立ち上がらないのです。何度試しても「正常に起動しませんでした」というものメッセージが出るばかりです。

LINE Payはリアルの銀行のATMと違い、電話の窓口もありません。お店の人に何度も謝りながら試してみました。

まず、筆者のスマホがおかしいのかと思い、立ち上げなおました。しかし、ダメです。

「ここは、電波が悪いのでは?」というお店の人の指摘で、店外にいったん移動して試しました。だが、どうあがいてもうまくいきませんでした。結局、LINE Payでの支払いをあきらめ、クレジットカードで決済しました。

これらのトラブルのおかげで、帰宅が遅くなり、妻に苦言を呈される(笑)など、散々な一日でした。

◆電話の窓口もないLINE Pay

LINE Payには電話の窓口もありません。わかりやすいところに問い合わせ窓口の表示もありません。帰宅後、筆者は、カスタマーサポートをネット検索でようやく発見しました。そこで、夕方のトラブルについて、問い合わせを行いました。すると、翌朝になって以下のような返事をいただきました。

LINEおよび関連サービスをご利用いただきありがとうございます。

LINE Payカスタマーサポートです。

このたびはご不便をおかけし大変申し訳ございません。

2022年10月17日(月)18:00~19:18の間、LINE Payのサービス画面が全般的に表示できない不具合が発生しておりました。

なお、現在は復旧し、正常にご利用いただける状態です。

万が一現在もご利用に問題が発生している場合には、お手数をおかけいたしますが、あらためて問題の詳細をご連絡いただけますと幸いです。

お客さまには大変ご迷惑をおかけしてしまいましたこと、また、ご連絡が遅くなりましたことを重ねて深くお詫び申し上げます。

今後とも、弊社サービスをよろしくお願いいたします。

おりしも、この日は、みずほ銀行のネットバンキングのシステム障害のニュースもまた流れていました。

やはり、現金というものはそうはいっても、ありがたい。そのように痛感しました。

◆給料を電子マネー支払い?!

さて、岸田政権は、今年度にも給料を現金払いから電子マネー支払いに変える制度を導入することを検討しています。

9月19日、「電子マネー」による賃金の支払いについて、厚生労働省は、従業員の同意を前提としたうえで「電子マネー」を扱う業者が安全性を担保した場合に認めるとした新たな制度の案を示しています。

労働基準法では賃金は現金で支払うことを原則としています。ただし、過去に起きた強盗事件などの教訓もあって、口座振り込みを労働者の利益のために認めているというのが現状です。今回は、厚生労働省は「利便性を高めるために、今年度に「電子マネー」で行うことを認める」としています。

同省の案では、企業が従業員の同意を得た場合は電子マネーを扱う「資金移動業者」が開設した口座への賃金の支払いを認めるとしています。「同意を得た場合」といいますが、労働組合がこれだけ弱いいま、制度が導入されれば、企業経営者のいう通り、導入されてしまうのは目に見えています。

また、資金移動業者は、安全性を担保するために一定の要件を満たしたうえで、厚生労働大臣から指定を受ける必要があるとしています。

この要件の案には、業者が破産したときに全額または100万円以上が数日以内に支払われるなど速やかに保証されること/不正に引き出される被害があったときに利用者に過失がなければ全額補償されること/少なくとも1か月に1回は手数料の負担なく換金できることなどが含まれています。

しかし、10月17日の夕方に筆者が遭遇したようなアプリの不調で買い物ができなくなる事態が起きる現状が、今年度末までに改善することはまず考えられません。しかも、電話ですぐ対応してもらえる窓口すらないのです。

とてもではありませんが、LINE Payを含めて電子マネーはまだまだ現金と同等の扱いは難しいと感じます。そんな中での給料の現金払いではなく電子マネー払いはちょっと怖すぎます。

また、そもそも、コンビニの店頭での公共料金にしても、家賃などの支払いにしいても、電子マネーではなく現金でしかできない状況があります。

給料は現金支払いを原則とし、実際は強盗対策などもあって、銀行口座に振り込みとする。電子マネーには本人が銀行口座からチャージしたい額だけチャージする。

こうした現状を変更することに生じるリスクやコストを上回る便益は今の段階では見出せません。

◆リスクを上回る便益がないものまで先走る岸田政権

岸田政権は、デジタル化を看板政策の一つにしています。筆者もデジタル化そのものを否定はしません。例えば、筆者も、政治活動や市民運動では、zoomを利用した会議など、デジタルの便益を大いに受けています。そして、いろいろな産業でもデジタル化は必須です。例えば、ロシアのウクライナ侵略などを背景に食料価格が暴騰する中で、食料自給率の向上のためにも、農業でのITの活用は必要でしょう。はっきりいって、IT化が必要な分野では日本はむしろ遅すぎるくらいです。

しかし、給料の電子マネー払いは、現時点では、リスクを上回る便益はないのです。問題は、こうしたリスクを上回る便益がないようなことまで、岸田政権が先走っていることです。筆者は、引き続き、労働者の暮らしを守る立場からこの問題について注目していきます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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このままでは利用者家族も「詰み」に! 安倍さんよりひどい岸田さんの介護こわし オンラインおしゃべり会で反撃探る さとうしゅういち

2022年10月14日、筆者の主催でオンラインおしゃべり会「岸田政権と介護 『岸田圧勝』の衆院選1周年に検証する!」を開催させていただきました(要領は宣伝チラシの通り)。

岸田総理は2021年10月14日、衆議院を解散し、事実上衆院選2021がスタート。介護職員給料アップなどの政策もウケたこと、野党が自滅したこともあり、自民党は議席数の上では圧勝しました。それから1周年を記念したイベントでもあります。

ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。

◆衆院選圧勝で野党批判弱め、再分配投げ捨て?の岸田さん

まず、岸田総理(写真)の地元有権者で介護福祉士・元広島県庁職員のわたしから、以下の提起をさせていただきました。

・衆院選2021で圧勝した岸田さんに対して野党や労働組合も批判を弱めてしまった。その結果、参院選2021も圧勝し、当初の再分配強化路線を投げ捨てているのではないか。

・給料アップは2022年2月から実施もたった3%であり、10月からは国費ではなく介護報酬からすることになり、利用者負担に上乗せされる。これは労働者と利用者の分断につながる。IT導入による人員基準緩和を岸田政権は検討しているが、夜勤など削減の余地ないと思う。

・本来、負担軽減にのみITは活用すべきだ。それなくして人員削減はさらなる介護崩壊になる。

◆危険すぎる2024年介護保険改定案

そして、岸田政権・財務省は以下の2024年へ向けて以下のような介護保険の改悪をしようとしている、とおさらいしました。そして、法案として提出される前に、政府に圧力をかけていく必要がある、と強調しました。

・利用者負担原則2割

※安倍政権の2014年に消費税増税も2015年に2割負担導入→2018年に3割負担も一部導入。保険事故に対して8割しか給付しない。これは保険として意味がなくなる。庶民はサービスを受けるなという意味。

・ケアプラン有料化

・要介護1と2訪問サービス・通所サービスの総合事業への移管

そして、そもそも、総合事業=サービス提供者の多様化=という大義名分はあるが少数の先進事例を除き、ほとんど実現していない。高邁なボランティア精神をお持ちの方がおられるのは素晴らしいことだが、全体には当てはまらない。結局単なる切り捨てになり、これらは結局介護の社会化を崩壊させる、と指摘しました。

大昔、介護=女性、とくに嫁の任務というジェンダーバイアスがありました。1990年代、樋口恵子さんらフェミニストらが中心となって介護の社会化を求め、それを体制側がうまく利用してつくったのが介護保険だったと指摘。だが、女性を中心とする介護労働者の犠牲の上にあるという問題がある、と指摘。

さらに、今度の改悪案でサービスも受けられなくなり、ヤングケアラー爆増法案になりかねないと危機感をあらわにしました。そして、コロナのもとで、負担がかかっているなかで、さらに負担がかかり、ご家族も「詰み」になってしまう、と指摘しました。

総合事業とは2015年の介護保険改定で導入され、2017年4月から全自治体でスタートし、要支援のサービスを介護保険からまず切り離しました。

多様なサービスを受けられるようにするというのが大義名分です。たしかに、世田谷区など、確かに総合事業の先進事例もあるにはあります。実際は多くの自治体でそうなっていません。それだけの力量のある自治体もないのが実情です。財源も人も減らされる中で難しいのです。

2024年の介護保険改定へ向けて財政審議会は要介護1と2の訪問介護や通所サービスも総合事業へ切り離そうとしています。しかし、要介護1と2の人ならではの介護する側も気を遣う面があるのです。また、人工透析などで訪問介護をたくさん利用せざるを得ない人もいます。地方自治体の財源や人員の充実もないままの介護保険からの切り離しは大惨事を招きかねません。

◆「子どもの味方」のつもりのシルバー民主主義批判がヤングケアラーを爆増させる笑劇

財務省や事実上の財務省政治部隊の維新が追い風として利用しているのがシルバー民主主義への批判です。このシルバー民主主義批判についても筆者は取り上げました。

そもそも、現状の日本が本当の意味でのシルバー民主主義なのでしょうか? なぜ、先進国でもずば抜けて多くの割合の高齢者が仕事をしているのか? その多くが年金不足を背景に仕事をしているのか? 筆者の同僚の介護職員でも結構、高齢者、それも後期高齢者もおられる。また、「チューブでぐるぐる巻きの高齢者が財政を圧迫している」論もあり、今でも健在です。

しかし、実はそんな人など、ほとんど筆者の勤務先の介護施設でもいません。食事が困難になったら看取りへ向かっていくのが普通です。しかし、「高齢者がみんなチューブでぐるぐる巻き」という誤解を悪用して、高齢者たたきを維新などはしてきた。高齢者予算を削って子どもを応援するふりをしているが、介護社会化崩壊でヤングケアラー爆増という笑劇になりかねないと斬りました。

そもそも介護保険料を取って事実上増税をし、消費税は社会保障のためと称して増税なのになぜ、こんな状況なのか? そして、そもそも、昔はヘルパーも公務員(東京特別区)や公社(広島市)だったのになぜ、今はこんな惨状なのか? そもそも公費の使われ方がおかしいのではないか? 当面は積極財政をしつつ、超大金持ち・超大手企業への課税再強化が必要ではないか?となどと、提起しました。

◆介護破壊・分断への危機感 参加者からのご意見

東京都のデイサービスや居宅介護支援事業所を経営する男性からは、「介護保険の2割負担や要介護1.2の介護保険の切り離しが強行されれば訪問サービスや通所サービスが崩壊してしまう」、と危機感をあらわにされました。

広島県東部の男性からは、「所得制限で児童手当を切られた人からは、5万円給付の多くが高齢者向けというニュースを見て、高齢者を憎んでしまうかもしれない。実際には高齢者も負担を増やされているのにも関わらずだ。まさに、政府は人々を分断しようとしているがそういう政府の思惑に乗ってはいけないと思う。」と感想。

千葉県の女性は、「要介護3の母親を在宅で介護しています。認知症はないとのことですが、デイサービス(通所介護)やショートステイを利用しています。現在でも、働かずに母親を介護しており、家計は苦しい状況です。」「現状でも、デイサービスやショートステイの費用は高すぎると感じる。」と訴えます。「もし、この負担増が強行されたら?」との質問に対して、「考えたくない。」とおっしゃいました。

◆介護サービスの質に現状でも不安の声

また、ショートステイに母親を預けているが、母親から、「ショートステイの職員からきつい言葉をかけられた。」と電話をもらうとのこと。「給料が低くて、人も少なく大変なのだろうけど、これでは安心して預けられない。」と不安を述べられました。

これに対してわたしからは「正直、きつい声掛けをする職員も見ていて少なくない。肝を冷やすこともままある。」と現場職員として報告。

この女性は、「介護サービスを利用する人の家族同士のネットワークがほしい。そういう団体を紹介してほしいが、ケアマネに聞いても『ない』と言われる。どうなっているのだ?」とおっしゃいます。

◆金儲けの原理に介護を置くこと自体が無理

これに対して、わたしは、「ケアマネも精一杯の状況だ。全部が全部とは言わないが、グループ企業のサービスを受けさせることが精いっぱいで、利用者や家族にとって何がいいかということは忘れさせられている。わたしが目撃した同僚のケアマネの中でも利用者や家族のことを考えているケアマネは経営者に嫌がらせをされて、中にはお坊さんに転職した例も見ている。」と回想。

「そもそも、今の仕組みでは、経営者もそうせざるを得ないというのはある。経営者、ケアマネ、そして利用者・ご家族が国や経団連によってバラバラされているともいえる。」

「金儲けの原理に介護を置くことに無理がある。ケアマネを金儲けの原理の仕組みに置いたままにするのではなく、例えば公務員にすべきではないのか?」などと提起しました。

◆分断食い止めるため、再度原理原則の共有化を

広島県の病院職員の男性からは「介護の社会化と言われていたが、実際はサービス化にしかなっていない。また、介護利用者・家族、介護経営者、介護労働者でもあまり統一した方向性が共有されず分断されているのではないか?」との提起をいただきました。

わたしからは「今回の岸田政権・財務省による改悪案を止めさせることはもちろん大事。だが、間違った選択をずっと(日本は)してきた。その結果、分断が進んできた。その間違ったところへ戻って検証すべきではないのか? 介護保険そのものがどんどん改悪されてきたと同時に、そもそも、消費税増税を社会保障に全額使うという約束も守られていないし、さらに戻れば、介護保険料を取ってサービスを減らされるとはどういうことかということだ。昔は訪問介護を公務員や公社でやっていた。それが介護保険導入で民間になったが、本当にそれでよかったのか? そういうことも含めて介護の社会化の原理原則に立って検証すべきだ。また、介護の社会化がなぜ必要か、きちんと共有化していくことが大事ではないか。」と応じました。

また、大阪府の社民党員の男性からは、「分断されないように労働組合に入ろう、という呼びかけも街宣でしている。」と分断を防ぐための労働組合の役割についての提起もいただきました。

◆都道府県から国に声を!リアルでもネット署名の宣伝を

今後については、わたしから、「まず、緊急に都道府県議会や都道府県知事に、今回の岸田政権による介護壊し案をやめさせるよう、国に声を上げてもらう要望活動も大事ではないか? 切羽詰まった皆様の声を都道府県に上げよう。市町村だとなかなか国にモノ申すのは難しいが都道府県なら市町村よりは国にモノ申しやすい。」

「例えば、介護をする家族を応援する条例をつくっている県もある。そういう所に対しては今回の介護保険改悪の政府の目論見が貴県の政策を台無しにしてしまう、という説得の仕方もしていくべきだとおもう。県民の命を守る立場に立つよう求めていこう。」との提起させていただきました。

その上で、当面の取り組みとして、公益社団法人 認知症の人と家族の会様が取り組んでおられるネット署名に協力して、世論を高めていくことを呼びかけました。
そして、街宣などでも、この署名への協力を呼び掛けるチラシをつくって配ることなども提起させていただきました。今後、ご協力をよろしくお願いいたします。

キャンペーン・介護保険:負担が2倍で使えない!~原則自己負担2割化、ケアプラン作成の有料化、要介護1と2の保険外しなど負担増に反対します~ ・ Change.org https://chng.it/fCfk6kZFQj

〈要望項目〉

・介護保険の自己負担を原則2割負担にしないこと

・要介護1・2の訪問介護・通所介護を地域支援事業に移行しないこと

・ケアマネジメントの利用者負担導入(ケアプラン作成の有料化)をしないこと

・介護老人保健施設・介護療養型医療施設・介護医療院の多床室(相部屋)室料負担を新設しないこと

また毎週金曜日の以下の時間は当面、この介護保険改悪をやめさせるとともに、社会化という本来のあるべき姿にしていくということを課題の中心としておしゃべり会をさせていただきます。

よろしくお願いいたします。
20時~
ミーティングID: 411 718 3285
パスコード: 5N6b38

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

3年ぶりの賃上げ、広島県の人事委員会が勧告 適切な労働条件保障で不足する県内現場公務員の補充を さとうしゅういち

筆者の元職場である広島県の人事委員会は10月4日、県職員の月給を0.21%、期末・勤勉手当(ボーナス)を0.10カ月分それぞれ引き上げるよう湯崎英彦知事と県議会の中本隆志議長に勧告しました。 

右が広島県庁=知事・湯崎英彦さん、左の低い建物が広島県議会=議長・中本隆志さん(筆者撮影)

◆公務員がモノを言えぬことの代償措置としての人事委員会勧告

人事院/人事委員会勧告は公務員が労働基本権を制限されていることの代償措置です。

公務員労働者にも警察、消防、刑務、海保、防衛などの労働者を除き、団結権はあります。たとえば、わたしが現役の公務員時代に入っていた「自治労」、祖母が高校教師時代に支部で婦人部長をしていた「日教組」が代表例ですし、皇室労働者にも「宮内庁職員組合」があります。しかし、いずれも団体交渉権、争議権はありません。

また、公務員は国家公務員法・地方公務員法に基づき政治活動が、公職選挙法に基づき選挙活動が制限されています。これにより、公務員労働者は世論に叩かれても反撃しにくいわけです。

こうしたことの代わりに、国家公務員については人事院が、地方公務員については人事委員会がそれぞれ、民間の給料を調べて勧告を出すことになっています。

実際は国の人事院が調べて夏に人事院勧告を出し、それを国が地方自治体の首長に送り、基本的に地方自治体の人事委員会もそれに沿った形の勧告を出す流れになっています。

◆人事委員会勧告を無視、乱脈県政の付け回しで給料カット 自民系前広島知事

しかし、現実には広島県知事、特に(もちろん、広島は超ウルトラ保守王国ですので)自民党参院議員ご出身の故・藤田雄山前知事は00年代、人事院勧告を破りまくって賃金をカットしてきた時代もあります。

これは、藤田前知事がご出身の慶応義塾大学の先輩の自民党大物県議に忖度して、もう重厚長大産業が頭打ちだというのに山を削って工業団地をつくったり、海を埋め立てたりする、という類の投資効果の薄い公共事業を県単独でして財政危機になったという背景があります。その付けを反撃ができない職員に回しただけでした。公務員バッシングと言えば大阪維新の会が有名ですが、広島県では自民党がとうの昔にやっていたことです。

◆復興財源を「公務員給料カット」で賄う「痛恨の敗着」 旧民主党政権

暴挙は広島の自民党だけではありません。民主党政権(2009-2012)は、東日本大震災のあと、公務員給料を削って復興財源にあてました。民主党は公務員労働組合の推薦を得ながら公務員労働者を裏切った形です。すでに、長年の行革で人員が減らされた上に災害対応でてんやわんやだったのです。さらに給料引き下げで追い打ちをかけました。安倍晋三さんが政権を奪還することで、この公務員給料カットは廃止されました。安倍さんは安倍さんで官僚に忖度させるという問題ありまくりの総理でしたが、公務員労働者の給料だけは守ってくれました。このことは民主党政権の崩壊、その後の国政選挙での立憲民主党苦戦にもつながっています。あの時こそ、積極財政で復興財源をねん出すべきでした。それこそ、復興すれば、財政出動した分の投資効果があるわけですから。「公務員給与カット」は「痛恨の敗着」でした。

◆コロナ下で対照的な菅・岸田両総理

なお、人事委員会勧告をそのまま遵守することがよいとは限らぬ場合があります。コロナ災害で民間の給料がイレギュラーに下がった2020年。この時は、人事院勧告は引き下げ勧告でした。しかし、菅政権は、公務員の給料は据え置きました。これは当時の民間の給料低下がイレギュラーだったこと、そして公務員もコロナ対応で大変だったことに菅さんも配慮したのでしょう。コロナ感染爆発も背景に、支持率低迷の菅さんでしたが、このあたりは、そうはいっても自民党とはいえ、それなりには苦労した地方の中流家庭出身の感覚ではあったのでしょう。

しかし、岸田さんは、一転して勧告通りの引き下げに転じ、維新はもちろん、立憲、国民など組合推薦の政党も賛同。反対はれいわ、共産だけでした。

人事院勧告だからといって、このイレギュラーな民間給料乱高下があるときに公務員までそれに従わせるとどうなるか?公務員の給料を逆に基準としている民間企業も多くあります。そういうところの給料引き下げにつながる。まして、岸田さんは給料の引き上げによる経済底上げを政策の一丁目一番地にしておられたはずであり、残念です。

◆広島県内で顕著な公務員叩きの悪影響

公務員を叩いて、数を削減した結果は、コロナや災害時に支障をきたしています。広島の場合は、前出の故・藤田雄山知事(任期1993-2009)が総務省のレールに乗って市町村を86から23に減らしました。それと同時に県は市町村に権限を委譲したということで、市町村は合併したということでそれぞれ、公務員を削減しました。そのつけがいま、回ってきています。

そもそも、公務員が多い方が、若い人が公務員という形で毎年、地域に入ってきます。それが地域に元気をもたらします。地元にお金を落とすという点、そして若い人、特に女性の方が公務員という形で一定程度地域にとどまったり、東京など都会からやってきたりすることで、地域の気風がアップデートされる面は実感します。

逆に言えば、筆者がかつて県庁職員として担当した地域でも、公務員が減らされた影響でさびれた感があります。広島県を含めて日本の大部分の地域では、東京のようにグローバルな企業が若い人を引き付けるわけでもありません。公務員削減はまさに、地域にとり、自爆行為なのです。

あるいは、正規公務員をへらしたぶん、結局、非正規公務員を増やしたり、外部委託を増やしたりすることに追い込まれています。前者については、人の差別、使い捨てという問題が大きくなっています。後者については、経営者の利益の分、結局割高になるし、県外法人に委託すれば県外にお金が流出する問題もあります。平川理恵・教育長の官製談合疑惑は、教育長が故郷である京都のご友人に県費で仕事をつくってあげたのではないか?というものです。この問題も「県費をわざわざ県外に流出させたのではないか?」という視点からも批判できます。

◆政治家による現場公務員叩きは反則技だ

いずれにせよ、現場公務員が労働基本権や選挙運動、政治活動を制限されてモノを言えないことに便乗して政治家が公務員バッシングをすること自体、反則技です。

一般市民が公務員バッシングをしたくなる気持ちは、筆者も民間の介護労働者に転じて以降、よくわかっているつもりです。現実問題として、広島県庁職員だったときよりも介護福祉士として働いている今の方が圧倒的に労働はきついし給料は低い。松井一郎さんら、大阪維新の会の皆様などに言われなくても「公務員より低すぎる労働条件の労働者」がたくさんいることくらい、筆者はよくわかっています。

他人に目を転じれば、農業など食料を生産する皆様は原材料価格の高騰で苦しんでおられます。こうしたことは枚挙にいとまがありません。

しかし、政治家は、そうした状況に悪乗りして票集めに悪用するのではなく、きちんと公務員の給料の決まり方を説明すべきです。また、災害時の危機管理も含めて現状の行政を回していく上でどの程度の公務員が必要なのか? 地域経済にとってどうなのか? 丁寧に説明していくのが政治家(大臣や首長、議員)の役目でしょう。不当なバッシングから現場公務員を守るべきところは守るべきです。

その上で、給料や労働条件が低すぎる方を正規公務員並みに引き上げていく政策を打つべきではないでしょうか? 民間の介護や保育の労働者も、もちろん、現場の非正規公務員も、農家の方も、公務員並みの暮らしができるようにすべきです。給料アップや農業でいえば所得保障・価格保障などを図っていくべきなのです。

人事委員会勧告を受けて、正規公務員に適切な給料を出すとともに、人手が足りない部署には公務員を正規で補充していく。そのことを筆者は強く知事の湯崎さん、議長の中本さんに強く求めます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号

伊方原発裁判「行政・資本寄り」裁判長降板/瀬戸内の島にカーボンリサイクル施設完成 広島発・原発ゼロへ光明か さとうしゅういち

◆爆心地選出なのに安倍さん以上に原発推進の総理

筆者の地元で爆心地も抱える広島1区選出の岸田総理。岸田総理は、GX(グリーントランスフォーメーション)と称して、島根原発3号機の再稼働はもちろんのこと、新規原発建設も含む原発推進姿勢に転じました。

ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰や、気候変動対策にも悪乗りした形です。311以降、安倍晋三さん率いる自民党でさえ、脱原発依存を掲げ、原発依存度の低下は選挙公約としてきました。それを選挙でマニフェストに掲げることもせずに、原発拡大路線に転換したものです。

しかしながら、原発というものは、日本においては、特に実は誰も責任を取らないしろものです。6月18日、最高裁は福島原発事故における国の責任を否定。また、現体制でも原子力規制委員会でさえ「合格」とはいうけれど「許可」を出すものではありません。こんなものは論外であるのは変わりありません。

そして、ロシアとウクライナの先頭にザポリージャ原発が巻き込まれ、人類はひやひやしている状況です。こうした中、世界で最初の戦争による核被害の爆心地選出の総理が原発推進に舵を切るとは、全日本人、全世界の人に、筆者は広島市民、とりわけ広島1区の有権者として大変申し訳なく思います。

いっぽうで、こうした中、原発ゼロへ向け、希望を持てる動きも県内ではあります。ご紹介しましょう。

◆「権力・資本寄り」男性裁判長が降板──伊方原発広島裁判

一つは、筆者も原告である伊方原発運転差し止め広島裁判の広島地裁の男性裁判長が前回第28回の口頭弁論から交替したことです。これまでの男性の裁判長は、以前、ご紹介した産業廃棄物処分場をめぐる裁判の仮処分申請裁判でも、裁判長を務めていました。

その男性裁判長は、業者に処分場建設作業再開を認める判断を出してしまいました。

そして、本裁判、すなわち伊方原発広島裁判の不当判断を出し、伊方原発三号機の再稼働を認めてしまいました。

9月14日の法廷後、新しい裁判長の姿勢について報告する伊方原発広島裁判原告弁護団(筆者撮影)

ところが、その男性裁判長が6月8日の第28回口頭弁論から姿を消しました。女性裁判長に変わっていたので、筆者も含めてすこし、参加者はどよめいていました。

女性裁判長がどのようなお手並みか。9月14日に開催された口頭弁論で、すこし片鱗が明らかになってきました。少なくとも「前任の男性裁判長よりは、まじめに証拠を調べよう」という姿勢がみられることです。

女性裁判長は、原告側が求める証人調べに積極的に応じ、来春以降、行われる可能性が高まりました。原告弁護団によると、件の男性裁判長なら「ほかの伊方原発を巡る類似の裁判で出た証人は本法廷としては呼びたくない。」という姿勢が見え見えだったそうです。

裁判長交代でひょっとしたら、「伊方原発運転差し止め判決」という朗報をみなさまに広島からお届けできる可能性が少し上がったのかもしれません。

◆国立研究開発法人NEDOのカーボンリサイクル施設が大崎上島に

もうひとつは、広島県中部の瀬戸内海に浮かぶ島に国のカーボンリサイクルの施設ができたことです。大崎上島には中国電力の石炭火力発電所(試験プラント)があります。大崎上島は広島県内の最大の都市・広島市と福山市の中間にあります。2000年に当時としては最新式の石炭火力発電所ができたのですが、トラブルが相次ぎ、2011年から休止状態にあります。

現在は、中国電力と電源開発の共同出資で2017年3月運転開始の高効率の石炭ガス化複合火力発電所の試験実証機が稼働しています。ガス化した石炭により動かすガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて発電するものです。

石炭火力と言えば、皆様も気候変動対策の敵のように思われるでしょう。毎回の気候変動枠組条約締約国会議(COP26などと報道されている会議)においても日本は石炭火力への固執で「化石賞受賞」などと報道されていることを皆様もご記憶と思います。

しかし、ロシアのウクライナ侵攻も背景に天然ガス価格も高騰している中で、日本国内でもまだまだ埋蔵量がそれなりにある石炭を使い、なおかつエネルギー変換効率も高い石炭ガス化複合火力発電所は、再生可能エネルギー100%への「中継ぎ」として有力なのではないのでしょうか?

そして、さらに、2022年9月、この大崎発電所の敷地内に、国立研究開発法人であるNEDOのカーボンリサイクル施設ができました。

発電所から出るCO2を分離・回収し、
・鉄などを触媒にして二酸化炭素からプロパンガスを作る基礎研究
・二酸化炭素を吸収させてコンクリートを固める技術を使って、ダムや橋などの大規模な工事にも活用する研究、
・二酸化炭素を藻の培養に使い、藻から抽出した油を航空機の燃料などに活用する研究
などを行うそうです。

https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101530.html

こうした技術革新が進めば、原発に頼らず、なおかつエネルギーの安定供給を確保しつつ気候変動対策も進めることができます。

広島県選出の岸田総理。あなたとわたしの地元である広島で、こうした素晴らしい技術革新を国がお金を出して進めているのですよ?

ロシアのウクライナ侵攻に便乗して短兵急に原発を新増設しようとしても完成にはどうせ、10年以上かかります。それよりも、地元で開発が進んでいる技術を活かしていきませんか?

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)
タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年11月号

この秋、噴出し続ける広島政治・行政の積年の膿 ガツンと物申す気風で大掃除を さとうしゅういち

この夏の後半から秋にかけて、広島の政治・行政の膿が噴出しています。

◆噴出する膿1 総理腹心の石橋議員ら、旧統一協会と深い関係

まず、旧統一協会問題です。この間、岸田文雄総理自身の地元の腹心ともいえる衆院議員が旧統一協会と関係が深いことが明らかになりました。

岸田総理腹心の石橋林太郎衆院議員の政治活動用ポスター。広島3区で筆者撮影

石橋林太郎衆院議員は、広島県議会議員を経て河井克行受刑者の自民党離党に伴う、広島3区の自民党広島県連の公募に応募。過去に日本維新の会の衆院議員だった方、あるいは候補者だった方を押さえて、自民党の公認候補に選ばれました。ただ、この広島3区は、自民党の不祥事で議席が失われるということで、連立与党の公明党から候補を出すことが自公の本部間で決定。比例ブロック衆院議員だった斉藤国交大臣が3区の公認候補に選ばれました。そして、衆院選2021では、石橋さんが自民党の比例中国1位で当選。斉藤国交大臣も不利という当初の下馬評を覆して3区で当選しました。

その石橋林太郎衆院議員は実はお父さんの良三さん(県議)時代から統一協会と親密でいらっしゃいました。お父さんも広島の日韓トンネル推進組織のリーダーをされていたことが、一連の「文春砲」であきらかになりました。さらに、石橋議員の腹心ともいえる読売新聞記者出身の市議も統一協会との関係が明らかになりました。ただ、これらのことは、そもそも、地元では有名だったのですが、地元のマスコミがほとんど取り上げてこなかった。それだけのことです。

◆噴出する膿2 知事の湯崎さん腹心の教育長の不祥事

そして、もう一つの膿は、筆者の元職場・広島県庁内の不祥事です。すなわち、湯崎さんが肝いりで連れてきた平川教育長による官製談合疑惑です。
(※https://www.rokusaisha.com/wp/?p=43780

平川教育長がご自分の地元・京都のNPO法人「パンゲア」を事業への公募で優遇した、というよりも「文春砲」が正しければ「教育長がお友達に県費で仕事をつくってあげた」疑惑というほうが相応しい展開になっています。

教育長ご自身は、疑惑発覚の直後には「問題ない」と木で鼻を括ったようなことを記者会見でおっしゃっていました。

しかし、追加の文春砲が出てくるにつれて、教育長は追い込まれます。そして、ついに9月中旬、「外部の専門家による調査をさせる」と約束せざるを得なくなりました。最初に「問題ない」と断言してしまってこの展開は、一番まずい展開です。

◆アンチ河井系の与党回帰で自民党が盤石に……安倍暗殺直前の広島情勢1

さて、いわゆる河井事件発覚の前、河井案里さん、そして夫の克行受刑者は、自民党広島県連主流派からは孤立しており、自民党・公明党推薦の広島県知事の湯崎さん、市長の松井さんとも関係が悪いことで有名でした。

そのため、自民党の県議や市議でも、国政選挙の時は、極端な場合「わしは河井が大嫌いじゃけん、野党候補を応援する」と半ば公言している地方議員もいらっしゃいました。その反映で広島3区を中心に、「地方選挙は自民だけど、国政は野党」という有権者の方が多かったのが広島の特徴でした。

ところが、案里さん・克行被告の失脚、そして地元の岸田総理の誕生によりそういう議員も、斉藤国交大臣支持で固まりました。かつて、日本維新の会で活動されていたような元候補者も自民党の公募に応募するような状況も起きたのです。これが、2022年7月8日の「安倍暗殺」直前の広島の情勢の特徴でした。

◆アンチ知事・市長系の議員の失脚で知事・市長の「安倍化」加速……安倍暗殺直前の広島政治情勢2

また、一方で、河井案里さんを参院選2019で応援し、なおかつお金を河井夫妻からもらっていた自民系議員には、知事の湯崎英彦さん、市長の松井一実さんに批判的な方が比較的多かったのです。

皮肉なことですが、河井疑惑の追及で、知事も市長も大助かりになった。

このお二人、とくに知事の湯崎さんは、8.6の平和記念式典のあいさつは毎年それなりに素晴らしいことでは有名です。一方で、県政の中身では問題山積です。一言でいえば「安倍化」しているのです。

筆者の家の前の高速道路5号線二葉山トンネル問題では木で鼻を括ったような対応が続いています。説明しないで逃げるというのはまさに、故・安倍晋三さんうりふたつです。

産廃処分場問題では全国でも、大甘の姿勢が目立ちます。実はいわゆる産廃税は導入していますが、立地を規制するような条例がないために、効果は限定的なのです。(https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/zei/1177301663057.html

その結果、安佐南区で産廃処分場を外資が購入して大幅拡張したり、三原市では水源地のど真ん中に平気で処分場が許可されたり、ということが起きています。外資など企業のやりたい放題に大甘。まさに安倍晋三さんそのものです。

◆「河井にはそれなりに厳しく、知事・市長に甘い」広島のマスコミ・野党第1党は反省を

しかし、なぜ、こんなことになってしまったのか?

政策論議不在の広島の政治の構造については、筆者はこの12年間、ずっと街頭などで訴えてきました。政策論議が不在だから、「河井夫妻のようなお金か」、「総理、知事、市長のような組織か」の政治になってしまうのです。

そして、その構造の責任の一端は、広島のマスコミにもある、と筆者はみています。

すなわち、以前から、広島県内各社の姿勢は、自民党広島反主流派であった河井案里さん克行受刑者に対してはそれなり厳しいけれども、岸田総理や知事の湯崎さん、市長の松井さんに批判的な報道はほとんど見られません。

なお、安倍晋三さんに対しては、その政治姿勢や2度の水害時の危機管理に対してそれなりに批判的な姿勢もあったように記憶しています。

確かに、露骨に金をばらまいた河井夫妻=広島自民反主流派は最悪の金権政治家ではある。しかし、一方で、河井批判の陰で旧統一協会を含む組織がちがちの政治をやってきた総理、知事、市長ら自民系主流派の問題点の追及がおろそかになったのではないでしょうか?

野党も広島の場合、野党第1党は事実上、労働者のほんの一部でしかない重厚長大大手企業の労働組合のための党であり、知事や市長の議案に反対することはほとんどありません。したがって、知事や市長の問題点を街頭などで訴えるのも日本共産党さんと筆者くらいです。最近では、社民党さんもそれなりに街宣をがんばっておられるようですが。マスコミや野党第1党の知事や市長に対して腰が引けた対応という要因が解消されないと、今後もまた、膿がたまっていくことでしょう。

◆とにかく総理、知事、市長にガツンとモノ申し続けよう!

こうした中、筆者は、9月16日朝、広島市安佐南区中筋駅で街宣(文末写真左)。

「多くの方を苦しめた旧統一協会の広告塔になった安倍さんの国葬はおかしい。国もせっかく、旧統一協会問題電話相談をしているのに、安倍さんを国葬で持ち上げたら統一協会の宣伝になってしまい、逆効果だ。」

「安倍さんは河井事件では、1.5億円の最終責任者なのに最後まで何も語らないで亡くなってしまわれた。亡くなられたことはお悔やみするが、何も説明責任を果たさなかったのは許しがい。2014の大水害ではゴルフ、2018の大水害では宴会やカジノ法案優先という、まずい危機管理で広島県民に迷惑をかけた方だ。」
と指摘しました。

広島県知事の湯崎英彦さんに対しても、「湯崎さんがそういう人の国葬とやらに参加するのも納得できない。いま、県議会開会中なのだし、それこそ、統一協会で苦しんでいる特に2世、3世などの方を救う追加の補正予算とか検討されてはどうか?」と水を向けました。

生前、不祥事も多く、さらに広島を襲った水害時の危機管理がまずかった安倍さんの国葬強行で、いままで「岸田さんにそれなりに期待しておられた方」でも岸田さんへの失望が広がっていくのが感じられます。こうした皆様の思いにもこたえていきたいものです。

筆者は、2023年統一地方選挙・広島県議選を前に、特に元上司でもある知事の湯崎さんに対してガツンとモノ申し、海の大掃除をしていく先頭に立っていく覚悟です。具体的には、毎週日曜日に安佐南区イオンモール広島祇園前、そしてフジグラン緑井前で街宣をおこなっています(文末写真右)。当面は知事の湯崎さんの「安倍化」をただしていくとともに、国葬参加に反対、旧統一協会被害者も含む「何があっても心配しないで良い広島」を訴えていきます。

◎筆者の今後の街宣の予定

9月25日(日)10時 イオンモール広島祇園前
10月2日(日)10時 緑井フジグラン前
※以降、毎週交互にイオンモール広島祇園前と緑井フジグラン前で街宣
11月6日(日)午後 安佐南区内 勉強会 食料問題と広島 外部講師

[写真左]9月16日朝、広島市安佐南区中筋駅で街宣。[写真右]毎週日曜日に安佐南区イオンモール広島祇園前

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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