震災以来、強調されている「絆」。復興が進まない被災地と、夏の電力不足を心配する大都会では、すでに大きな意識の差が現れている。そして被災地でも、原発被災者の受け入れでは、簡単に「絆」とは言えない様相もある。

福島第一原発から30キロ付近、広野町のコンビニ店員は言う。
「複雑ですよね。被災者を受け入れるのは当然でしょうが、このあたりは閉鎖的なんで、長い時間をかけてできあがった自治を壊されるのが嫌だ、という意見もあるんです」
苦悩の表情を浮かべる。それっきり黙り込んだ。それ以上は聞くなと顔に書いてある。

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