1995年の国松孝次警察庁長官(当時)狙撃事件をめぐり、アレフに名誉毀損で訴えられて敗訴した東京都が控訴したらしい。この件に関しては、時効成立後に特定の団体を犯人視した警視庁に非があるのは明らかで、今回の控訴は「恥の上塗り」「税金の無駄使い」とみるのが常識的な考え方だろう。
が、実を言うと、筆者個人は正直、この控訴をちょっと歓迎していたりする。それは、ある人物が裁判に証人として登場するチャンスが再びめぐってきたことによる。
その人物とは、中村泰(ひろし)氏。中村氏は72歳だった2002年、名古屋市で現金輸送車を襲撃して現行犯逮捕され、その後、2001年に大阪市であった現金輸送車襲撃事件の容疑でも逮捕・起訴されて無期懲役判決を受けた。そして現在は、岐阜刑務所で服役中の「老スナイパー」である。