広島県福山市の景勝地・鞆の浦の美術館「鞆の津ミュージアム」が開催している絵画展「極限芸術~死刑囚の表現~」が話題を呼んでいる。死刑囚約30人が獄中で描いた300点以上の絵画を展示し、4月20日にスタートして以来、約2カ月で来館者が4000人を突破。異色の絵画展ながら家族連れやカップル、女性同士の来館も多く、芸人のカンニング竹山さんや俳優の井浦新さん、同・大西信満さん、アレフ広報部長の荒木浩さんら各界の著名人も次々に訪ねてきて、連日活況を呈している。

そんな評判の絵画展の中でも、ひときわ注目を集めているのが、ここに掲載した「国家と殺人」という作品だ。作者は、一貫して無実を訴えながら2009年に死刑確定し、現在は再審請求している和歌山カレー事件の林眞須美さん(51歳、大阪拘置所で拘禁中)。ほとんど赤と黒だけで描かれた独特の抽象画だが、マスコミが同展の話題を報じる時はいつもこの作品がトップで紹介されてきた。見る者に何かを強く訴えかける力があり、一度見たら忘れがたい印象を残す作品だ。

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