検察官「ちょっと注意しときますけども、被害者の女の子はね、あなたにさらわれて、相当な精神的な痛手をこうむっているんですよ」
被告人「はい」
検察官「そういう方々はね、あなたがなぜ、こういうことをしたのかが聞きたいんですよ」
被告人「はい」
検察官「それを聞いて、自分がこんな理不尽な犯罪の被害に遭ったことが納得できるのか、できないのか、そこから立ち直りが始まるんですよ」
被告人「はい」
検察官「そういうことは理解していますか」
被告人「はい。もちろん、理解した上で、その……」
検察官「自分がやろうとしたことをきちんとここで話そうと考えていますか」
被告人「はい」

去る9月19日、広島地裁であった、ある刑事裁判の被告人質問。男性検察官が反対尋問の途中で突如、被告人が嘘をついていると決めつけたようなことを言い、とがめるように詰問し始めた。被告人は、小玉智裕氏(21)。昨年9月、広島市内で小学6年生の女の子をナイフで脅して旅行カバンに閉じ込め、タクシーに乗車して連れ去ろうとしたが、運転手に犯行がばれて捕まった大学生(当時)である。

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