若さとベテラン入り混じり、王座争うM-ONE興行!

2016年11月23日にデビューしたMASATOと柊斗が6戦目でWPMF日本王座狙うも、スーパーバンタム級の柊斗は計量失格の波乱。医科大学生MASATOがウェルター級で王座獲得。「KNOCK OUTイベント」の主軸のRIKIXジムからベテランの長谷川健がライト級で王座獲得。

◎M-ONE 2018 2nd 6月3日(日)新宿フェイス 16:30~19:26

主導権支配して、どの距離からでも攻めに出たMASATO
MASATOの前蹴りが喜入衆の距離感を狂わす

◆第9試合 第5代WPMF日本ウェルター級王座決定戦 5回戦

1位.MASATO BRAVERY(BRAVERY/25歳/66.35kg)
VS
3位.喜入衆(フォルティス渋谷/39歳/66.68kg)
勝者:MASATO BRAVERY / TKO 3R 1:19
主審:チャンデー・ソー・パランタレー

MASATOの前蹴り中心のけん制が目立つ第1ラウンド、時折ハイキックも繰り出す。喜入はいつもながらのパンチとローキックが力強い。第2ラウンド、続く攻防が激しくなり、組み合うとヒジ振るうMASATOはインパクト強い攻め。喜入は続けてパンチ・ローキック中心の展開。第3ラウンドには、MASATOのヒジがヒットし喜入の額をカット、喜入の決死の猛攻が始まるが、レフェリーが出血具合を見てドクターを要請。ストップ勧告を受入れレフェリーストップとなりました。

MASATOの左ヒジ打ちが喜入衆の顔面にヒット
MASATOが王座獲得、右はウィラサクレックWPMF日本支局長
渡辺優太の左ローキックが柊斗の左太腿を潰しに掛かる

◆第8試合 第8代WPMF日本スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦

2位.渡辺優太(PKムエタイ/28歳/55.34kg)
VS
バンタム級4位柊斗(WSR・F西川口/18歳/56.35kg)
勝者:渡辺優太 / TKO 2R 2:02 / 主審:ソンマーイ・ケーオセーン

柊斗が前日計量で900gオーバー。当日再計量は16:00に行なわれ57.7kg
この試合は、渡辺が勝利した時のみ王座を認定となります。

初回は両者ローキックからミドルキックへ繋ぐけん制で様子見のラウンド。第2ラウンド、渡辺のローキックが決まりだす。蹴り応えあったか、左内腿を蹴ると呆気なくダウンする柊斗。続けて狙い定めた左太腿にローキックを続けると再びダウンした柊斗。そのままレフェリーがノーカウントのストップとなりました

足が麻痺してしまい、ヒザをついてしまう柊斗
渡辺優太が王座獲得、次は他団体チャンピオンと勝負か
2度右ストレートを喰らったDAIJUはダメージ深くレフェリーに支えられる

◆第7試合 第7代WPMF日本ライト級王座決定戦 5回戦

DAIJU(尚武会/36歳/61.23kg)VS 長谷川健(RIKIX/34歳/61.23kg)
勝者:長谷川健 / TKO 2R 1:27 / 主審:北尻俊介

初回、DAIJUのパンチとローキックの手数が長谷川を上回るが、長谷川の右ストレートでスリップ裁定ながらDAIJUが尻餅をつく。これで勢いに乗りかけた感じの長谷川だったが、第1ラウンド終了。次も長谷川がパンチで攻勢を掛け、接近すると膝蹴りも繰り出す。懸命に打って出るDAIJUだが、長谷川の優位の距離となって右ストレートをヒットするとDAIJUは一気に後退。すかさず組み合って更に右ストレートを打ち込むとDAIJUは倒れ込み、ダメージ深くレフェリーが試合をストップしました。

DAIJUの突進を防ぐ長谷川健の右ローキック
長谷川健が王座獲得、セレモニーでチャンピオンベルトを巻かれる

◆第6試合 スーパーバンタム級3回戦

島んちゅ泰(Y’ZD 沖縄/55.05kg)
VS
MITSURU(WSR・F三ノ輪/55.25kg)
勝者:MITSURU / 判定0-3 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:ナルンチョン28-29. ソンマイ28-29. チャンデー28-29

MITSURUの左ミドルキックが島んちゅ泰にヒット

◆第5試合 58.0kg契約3回戦

疋田拓巳(T’s KICKBOXING/57.65kg)VS 酒井洋一(WSR・F西川口/57.55kg)
勝者;酒井洋一 / 判定0-3 / 主審:北尻俊介
副審:ナルンチョン28-30. ノッパデーソン28-29. チャンデー29-30

◆第4試合 スーパーライト級3回戦

嵐士(AKT/63.0kg)VS 池上貴将(WSR・F西川口/63.0kg)
勝者:嵐士 / TKO 3R 0:34 / 主審:ソンマーイ・ケーオセーン

パンチと上下の変化をつけた蹴り合いから池上貴将の左ローキックを返した嵐士の左ハイキックが池上の側頭部にクリーンヒット、バッタリ倒れた池上は担架で運ばれました。

嵐士の左ハイキックが池上貴将にクリーンヒット
この日も輝いていた2名のラウンドガール

◆第3試合 53.0kg契約3回戦

大崎草志(Struggle/52.75kg)VS 福間光佑(WSR・F三ノ輪/52.6kg)
勝者:大崎草志 / TKO 3R 1:45 / 主審:チャンデー・ソー・パランタレー

◆第2試合 57.0kg契約3回戦

JACK(WSR・F三ノ輪/55.95kg)VS 鮫島博人(WSR・F荒川/56.7kg)
勝者:鮫島博人 / 判定0-3 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:チャンデー26-30. ソンマイ27-30. 北尻26-30

◆第1試合 67.0kg契約3回戦

TAMAJIRO(尚武会/67.0kg)VS 関川翔平(WSR・F三ノ輪/66.4kg)
勝者:関川翔平 / 判定0-3 / 主審:ナルンチョン・ギャットニワット
副審:チャンデー28-30. ソンマイ28-30. 北尻27-30

《取材戦記》

柊斗の計量失格でこの王座決定戦は、グローブハンディと減点1が課せられる条件となっていましたが、「ハンディは付けないことになりました」と審判団より連絡がありました。これは渡辺優太陣営からの「ハンディは不要」という要望だったようですが、これはプロボクシングルールと同様で、タイトルマッチに於いてはハンディは付きません。更に公式計量後での両者の体重差制限があり、「どうせ失格なら思いっきり増量してやろう」という思惑は許されません。また更に、グローブハンディは数年前から廃止されている様子で、失格側にグローブを重くすること自体に異論があるようです。

キックボクシング系での、タイトルマッチに於いても失格者に付けられること多いグローブハンディや減点は、タイトルマッチ制度のあらゆる見直しも必要かと思うこの競技です。

柊斗は2000年4月生まれで、2009年に誕生したM-1ジュニア(後にWPMFジュニア)格闘技で、25kg級から55kg級まで制覇し、2016年11月23日プロデビュー。計量失格と敗北で王座は遠のき、今後も試練は続くでしょうが、幼児期から鍛えられた力を今後見せて欲しい新世代組の選手です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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