言うまでもなく、この国は地震大国です。記憶に残るのは1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大地震、そして2016年、私のふるさと熊本で起きた熊本地震です。この4月14日、16日で6年です。

2016年4月14日の夜、ちょっと体調が芳しくなく早めに床についたところ、同志・安間弘志から電話があり叩き起こされ、「なんだい、しんどくて寝てるのに」と文句を言ったところ、「すぐにテレビをつけて見ろ」と言ったことを思い出します。もう6年か、阪神大震災から27年、月日の経つのは速い。

熊本地震の死者は、関連死も含め273人、郡部中心なのに大きな被害で、また広範囲です。九州の地震ではこれまで最大の被害だと思われます。

大きな被害を受けた、地震直後の熊本城

しかし阪神大震災の死者は6500人ほどで、うち私が住んでる西宮だけで1146人、被害の大きさが判ります。都市部の地震なので当然かもしれません。阪神大震災にしろ東日本大震災にしろ「大」が付くのに熊本地震には「大」が付かないのは死者が(阪神大震災や東日本大震災に比べ)少ないからでしょうか。

関西にしろ熊本にしろ地震はないといわれていましたが、考えてみると、熊本には阿蘇山がありますから大地震があってもおかしくはありません。というより、日本列島が火山だらけですから、いつどこで地震が起きても不思議ではありません。しばらくして帰郷しましたが、小さな頃から日々その雄姿を見て育ってきた熊本城、震源地の西原村、阿蘇へ行く途中の東海大学農学部学生のアパートは荒れ放題で、泥棒にもかなり入られたとのです。こういうのは絶対に許せません。

そして、先祖代々の墓がある、江戸時代から続くお寺も、本堂、山門も全壊。墓場も多数の墓が倒れていました。私のところの墓は前年秋に従兄弟と折半で200万円かけて改築したのですが、てっきり倒れているかと想像していたところ無事でした。きっちり仕事をしてくれた墓石屋に、茶菓子を付けてお礼の手紙を送った次第です。

松岡家の墓がある墓地。多くの墓石が倒れている

その後、徐々に被災から回復しつつありましたが、2年余り前から新型コロナで、同級生らも、この歳になって苦労しています。

もうひと踏ん張って帰郷したいと夢想する昨今です。

風よ吹け吹け 雲よ飛べ
越すに越されぬ田原坂
仰げば光る天守閣
涙をためて
ふりかえる ふりかえる
ふるさとよ    
(『火の国旅情』より)

ほぼ再建成りライトアップされた最近の熊本城(撮影:熊本在住のホシハラカツヤ氏)

避難所に貼ってあった寄せ書き

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