カセットテープ、生産中止寸前の波紋

2011年10月、洪水が襲い、タイに工場を持つ日本の車や精密機器のメーカーは大打撃を受けた。
車は部品が足りず、精密機器メーカーはフィリピンやインドの工場に製作を振り替えざるを得なくなったのだ。
これと連動して、実は、国内ではただ2社、作っていた「日本マクセル」と「ソニー」のうち、「ソニー」がカセットテープを作れず、ついに生産中止となった。「日立マクセル」は、急いで生産ライン復帰を試みている旨がホームページに記載されている。

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週刊新潮の「福島第一原発・刺青作業員グラビア」を斬る

思わず卒倒しそうになった。
7月26日号の「週刊新潮」で「東電は知らない?! 福島第一原発の刺青作業員」と題して、刺青が入った作業員を盗撮したようなショットが出てきた。
「やっていることがもはや幼稚園レベルです。中学生男子が女子にスカートめくりをしているようなイメージですね」(教育者)

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警察にとってはおいしい、威力業務妨害

まず、あまり報道されていないが、フジテレビに脅迫ファクスを送り付けたとして、警視庁東京湾岸署が7月21日、新潟市東区、無職岩田洋一容疑者(49)を威力業務妨害の疑いで逮捕した。岩田容疑者は2009年以降、数百回にわたってフジテレビや芸能事務所などにファクスを送っていたという。
警視庁組織犯罪対策課の刑事、Yが言う。
「今どき、起訴できる事件が多ければ多いほど助かるのは本音だよ。電話やファックスだと証拠が残るから、簡単に威力業務妨害がなりたつ。喧嘩とかだと目撃証言だけになるからな」
要するに、本音としては「すぐに逮捕できる案件がほしい場合、威力業務妨害はおいしい」ということだ。

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和歌山カレー事件、発生から14年の歳月

「わしが何を言うても、『家族だから、かばってるんやろ』と思う人もいるからなあ……」
7月28日、大阪市内の会場で開かれた林眞須美さん(51)の支援集会。久しぶりに会った眞須美さんの夫・健治さん(67)が休憩時間中、そんなことを言っていた。
1998年7月25日、和歌山市園部で開かれた自治会の夏祭りで、何者かがカレーにヒ素を混入し、60人以上が急性ヒ素中毒で死傷した和歌山カレー事件。殺人罪などで逮捕・起訴され、一貫して無実を訴えながら2009年5月に死刑判決が確定した眞須美さんは今も無実を訴えて再審請求中だ。

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DSP統一で、インディーズ映画がピンチ

「簡単にいうと、映画を作る際、もはやフィルムは過去の産物となりました。今はDSPという形式のハードディスクにデータを落とし込むやり方が主流で、あらゆる映画館はDSPに統一しようという動きがあるというのです」(インディーズ映画関係者)

映画は、その昔、8ミリ、16ミリ、32ミリなどとフィルムの種類があり、それぞれに画質の粗さや、音域の広がりが異なっていた。
約10年前だったろうか、映画会社ができたての映画を劇場に届けるとき、映画をハードディスクで記録した「DSP」を届けるのが当たり前となった。このやりかただと簡単にソフトを開けない。別便で送られてくるパスワードが必要となるからだ。

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日本サッカー男子がスペインに快勝したのは「奇跡」か

報道によれば、7月26日にロンドン五輪にて、日本男子が優勝候補のスペインを1-0で撃破した勝利を「グラスゴーの奇跡」と呼んでいるようだ。
日本全体で1996年のアトランタ五輪で強豪ブラジルを破った「マイアミの奇跡」から16年。決勝トーナメント進出を大きくたぐり寄せ、44年ぶりのメダル獲得にも期待が膨らんだことについて、サッカーファンのみならず日本中が浮かれているようだ。

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東電OL殺害事件の冤罪説はなぜ受け入れやすかったのか

再審開始決定に対する東京高検の異議申し立てについて、31日に東京高裁の決定が出る東電OL殺害事件。今では誰もが知っている有名な冤罪事件だが、15年前の事件発生当初は何よりも被害女性のプライバシーに世間の関心が集まっていた。
慶応大学を卒業し、東京電力に総合職として勤めるエリートOLだった被害女性。彼女は夜になると、渋谷区円山町界隈のホテル街の路上で客を引く売春婦という裏の顔を持っていた。事件発生当初、マスコミはそんな彼女のプライバシーを競って報じ、週刊誌の中には彼女の全裸写真を掲載したところもあったほどだった。

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わいせつ物取り締まりは、国家のサービス?

自分のヌードの画像と動画を撮影しネットを通じて販売した、広島市の保育士補助の21歳の女性が7月18日に京都府警に現行犯逮捕された。
18歳未満の少女が裸の画像を送り、購入した側が「児童買春・ポルノ禁止法違反」で逮捕される例は多い。送った側の少女が書類送検された例もあった。
今回の件は、女性が21歳だったことから、「誰も迷惑してないのに」「表彰されてもいいのでは」という声がネット上で挙がっている。

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反骨のジャーナリスト・日隅一雄氏が遺したもの

7月22日、弁護士・ジャーナリストの日隅一雄氏を偲ぶ会がしめやかに行われた。
昨年の3.11の大震災直後、東電本社の会見場は混乱を極めていた。何か記者に聞かれるたびに「確認します」「持ち帰ります」とくり返す広報課長に「あなたたちに責任があるとは言いません。これはとても大事なことなんです」と詰め寄る記者がいた。

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電気があっても、失われる命がある

私が心から尊敬する坂本龍一「教授」の、「たかが電気」発言を、様々な人々が叩いている。
抽象的な意味で言った言葉を叩くのは意味がない思うが、脱原発の立場からも、ちょっとまずかったかな、と思う。
電力不足になるから原発が必要、という電力会社の宣伝に乗ってしまっているからだ。
大飯原発が稼働してから、関西電力は3つの火力発電所を止めた。電力は足りているのだ。

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