7月12日に急性呼吸不全のため亡くなった大橋巨泉さんの妻、寿々子さんが「薬の誤投与」、つまりモルヒネ系の薬の過剰投与が原因で亡くなったのは残念だという趣旨の発言をして物議をかもしているという。
以下、寿々子さんが出したコメントの一部である。
「どうぞ大橋巨泉の闘病生活に『アッパレ!』をあげて下さい」
皆様方も良くご存知のように夫は自他共に許す“わがまま”と言われ、痛い事やつらい事、待つ事、自分の意に染まない事は“避けて通る”というわがままでした。
そんな夫が2005年に胃がんを手術、2013年には第4期の中咽頭がんで3度の手術と4回の放射線治療、昨秋には2度の腸閉塞と手術を、そして4月の在宅介護の鎮痛剤の誤投与と続いても、12日までの約11年間の闘病生活を勇敢に戦って来ました。特に4月からの3ヶ月間は死を覚悟し、全てを受け入れ、一言の文句も言わず、痛みも訴えずに、じっと我慢をしてくれました。
先生からは「死因は“急性呼吸不全”ですが、その原因には、中咽頭がん以来の手術や放射線などの影響も含まれますが、最後に受けたモルヒネ系の鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい」と伺いました。もし、一つ愚痴をお許しいただければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです。

大橋巨泉さんは約11年間の闘病生活を勇敢に戦っていた。4月以降は死を覚悟して穏やかだったという。だが死後にこのような騒ぎを予測しただろうか。
その後、週刊現代8月6日号でも医者に対する無念と悔恨のコメントを出している。
この件では、筆者は経営していた編集プロダクションで亡くなった2011年に元社員を思い出す(亡くなってから1年後に知る)。その年の年賀状には「娘が生前お世話になりました」といきなり出だしから書いてあった。なんの飾り気もない普通ハガキはただでさえ元旦のポストに不似合いだったので嫌な予感はした。
5年ぶりに連絡がきたと思いきや、年始から訃報である。翌日、驚いて履歴書をひっくり返し、彼女の連絡先をひっぱりだして九州の実家に電話してみると「娘は胃痛を訴えていました。上京して緊急入院したのですが、入院させてつぎの日の朝、娘のアパートで寝ていると、病院から『娘は亡くなりました』と連絡がありました」と母親は娘そっくりの声でたんたんと語った。結局、医者や看護婦に「なぜ死んだのか」と問うてもはっきりした原因はわからず、裁判しようとして弁護士に相談しても「医療ミスは立証が難しい」として訴訟をあきらめたという。
私たち患者は医者を“選ぶ”ことしかできない。選ぶ以上、運命をたくす『覚悟』が患者にも求められると思う。
6月、歌舞伎役者の市川海老蔵が「妻の麻央が乳ガンです」と記者会見で告白して話題となった。このように病状を「公開」した彼には、医者とともに病と闘う覚悟がみてとれる。また、古くは元フジテレビのアナウンサーの逸見政孝氏が93年9月に、テレビカメラの前で「私が今、侵されている病気の名前、病名は……がんです」と自ら進行胃がんであると告白、これからの闘病を決意した顔にも医者への信頼がみてとれた。逸見氏とはよく出張中の列車でいっしょになる機会があり、当時テレビ局のかけだしADだった筆者にも声をかけてくれるやさしい人だったので、その「覚悟」の強さを語気から感じて強さを感じたし、よほど信頼できる医者がついているのだな、とうらやまさしささえ感じた。
こうした「闘病」の覚悟を決めるまでにはたいへん重く、それでいて執拗な生命への執着があるにちがいない。そしてその対局に(悲しいことではあるが)病院が保身のために行う「医療ミス」の隠蔽などがあると思う。
たとえば東京女子医大では、2001年3月2日、患者の心臓手術中に人工心肺装置の事故が起こり、患者は2日後の3月4日に死亡。遺族は医療ミスだという告発文書を受けて大学に調査を申し出た。内部報告書では「助手が吸引ポンプの回転を上昇させたことが原因である」としてあるため警察が捜査に踏み切ったが、カルテは大学側に改ざんされていた。
言葉は悪いが藪医者だろうと名医だろうと医者は私たちの運命を握る。
つまり、大橋巨泉さんの薬投与の件から私たちが学ばなくてはならないのは、患者が「医者に身をゆだねる」=「死をも含めてゆだねる」という覚悟に立って治療にのぞめるかどうではないだろうか。
その点で多くの人が見逃しているが「かかりつけ」の医者の役割は大きいと思う。案外「最初のチェックゲート」として「かかりつけ医」の重要性について日本では過少に、あるいは軽く語られているのが残念だ。
かかりつけ医ではデンマークが先端をいっている。デンマークでは、税で医療費をまかなう。医療は2つの階層に別れており、「かかりつけ医」と「病院医療」とにわけられる。患者はまずゲートキーパーであるかかりつけ医に登録し、そこを通過しないと専門医療を受診できない。かかりつけ医はグループ開業が多く7割をしめる。かかりつけ医は、ヨーロッパのなかでは比較的高収入で、1万デンマーククローネ(経費支払い後の年収税引き前で1400万円)ほどだそうだ。眼科や耳鼻科についてはかかりつけ医を通さずに受診でき、柔軟に適用されている。
保険制度上、患者にとって2種類の仕組みがある。98.4%の患者は、ひとりのかかりつけ医に登録している。この場合、受診のつどの追加料金は払わなくてすむ。残りの1.6%の人は、追加料金はかかるが、かかりつけ医を固定せずに病院に所属しない専門医を受診できる制度を利用している。
かかりつけ医は、今後、日本が患者が高齢化を進めて嫌でも向き合う「介護」の問題と密接に連携している点でも重要だ。
果たして大橋巨泉さんのかかりつけ医はどうだったであろうかと思う。もしきちんと大橋さんの面倒を見ていたらとしたら人生としてはおそらく幸福だ。そしてもうひとり、末期を看取った専門医が誰の紹介にせよ、全力を尽くしたと思いたい。
大橋さんの人生を多く知るかかりつけ医もしいたら今回の騒動をどう見るだろうか。案外、当事者だけではく、私たちが見逃している点について鋭い見解を述べるかもしれないと想像する。つまり、大橋さんの死ぬ間際、誤投与があったかどうか判断するには、仮にかかりつけ医がいなかったとしても、大橋さんの人生に関わってきた医者の全員の見解が必要だと筆者は思う。このくらい、この問題は重く、亡くなる間際の治療機関だけ区切って議論すべきではないと思える。
実は筆者は09年に「具合が悪くなるととりあえず診察してもらう」筆者のかかりつけ医のT先生が亡くなり、途方に暮れた。逆流性食道炎や過敏性腸炎の治療履歴が10年にわたり記載されたカルテは『特別な事情がないかぎり』当然もらえず、病院は閉鎖。別な病院でいちから病状を説明するはめになり、めんどうくさいというよりも「きちんと理解してもらえるのか」という恐怖すら覚えた。
胃腸に関してT先生は、「名医」ということで地元のさいたま市では通っている内科胃腸科の先生であり、けっきょく僕は過敏性腸炎についてのかかりつけ医で信頼できる人にはいまだに当たっていない。今、不眠症であることすら、通っている内科胃腸科医には伝えていない。
さて、このところ原稿を書いている版元からやたらマイナンバーの提出を求められるようになったが、(この制度は政府に個人情報を監視されているようで好きではないが)唯一、このマイナンバー政策の延長にある「カルテ(医療情報)の共有」には賛同できる。端末からマイナンバーから引っ張るカルテの番号を全国の病院で共有できれるなら、全国どこの医者にかかろうと病歴から薬の投与歴からすべて出る。転院しても患者は病状をゼロから説明しなくてすむのだ。このようなプロセスで考え、かかりつけ医の重要性を、大橋さんの死と薬の誤投与から一気に思いおこした。
大橋さんが亡くなった瞬間に思いを寄せれば「あの先生にまかせたのだから、どうなろうとあとは天命だ」と大橋さんの立場となったら、『覚悟』は決まっただろうか。もしもかかりつけ医の紹介ではなく、たとえばことわりづらい上司からの紹介の医者に診てもらって、医療ミスでもし筆者が死ぬのなら、そんなつらいことはないはずである。
大橋巨泉さんの死を改めて悼む。投与すべき薬の種類や分量は、医学的な範疇なのでそこは触れない。ただ、果たして最後の最後、大橋夫妻は本当に覚悟を決めて治療をのぞめる医者と出会えたのか。市川海老蔵、逸見政孝らの顔を思い浮かべて、そこを心配してしまう。
幸いにも、大病をしたことがない私は、しかし油断がすぎてこのところメタボで糖尿病寸前だ。「いい死に方」をするために「信頼できるかかりつけ医」を今日もまた探す毎日である。
(伊東北斗)
2014年に神戸市長田区で小1の女児が失踪し、バラバラの遺体となって見つかった猟奇的殺人事件が起きてから9月23日(=遺体が見つかった日)で2年が過ぎた。殺人や死体遺棄などの罪に問われた君野康弘被告(49)は今年3月18日、神戸地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けたが、年月が過ぎても事件の現場に刻まれた傷跡は生々しいままだ。 ◆金網が醸し出すワケアリ感 私が事件の現場を歩いたのは、君野被告に死刑判決が宣告されてからちょうど一週間後の今年3月25日のことだった。判決によると、君野被告は2014年9月11日、自宅アパート近くの路上で被害女児に対し、わいせつ行為をするために「絵のモデルになって」と声をかけて自室に誘い込んだ。そして女児の首をビニールロープで絞めたうえ、首を包丁で少なくとも4回刺して殺害。遺体を切断し、複数のビニール袋に入れて、近くの雑木林などに遺棄した――とされている。 現地を訪ね、まず何より痛ましく感じたのは、女児の遺体が遺棄された雑木林が金網のフェンスで囲まれていたことだった。この近くに住んでいる男性によると、「事件後に神戸市が土地を買い取って、誰も中に入れない状態にしたんです」とのことだが、金網のフェンスで囲まれた雑木林には、なんともいえないワケアリ感が漂っていた。このまま雑木林が放置されたら、周辺の住民はいつまでも事件の痛ましい記憶を消し去ることができないだろう。 ◆被告の自宅アパートには大量のツタが…… しかし現地には、それ以上に生々しく事件を思い出させる場所があった。それは、君野被告が暮らしていた殺害現場のアパートである。ゆうに築30年は経っていそうな古びた建物の外壁には、生い茂ったツタが張りついていて、なんとも不気味な様相を呈していた。とりわけ君野被告が住んでいた部屋やその広々としたベランダには、大量のツタがまるで意思を持っているかのようにまとわりついていた。大家が手入れをせず、放置しているのだと思われるが、これでは次の借り手は到底見つからないだろう。 外から様子を窺ったところ、アパートにはまだ一室、住人がいる気配のある部屋もあったが、それ以外は空き部屋のようだった。私には、このアパートの大家も事件の被害者であるように思えた。 ◆事件に残された疑問 一方、君野被告は裁判員裁判の死刑判決を不服とし、現在は大阪高裁に上告中である。君野被告は公判で自分が犯人であることを認めつつ、誘拐の動機については、わいせつ目的だったことを否定し、「女児と話をしたかっただけ」と主張しており、控訴審でもこの主張を維持するとみられる。実際問題、君野被告は犯行前にアダルトサイトをかなり熱心に観ていたとされ、性的に興奮していたと考えられる一方、女児にわいせつ行為をしたという事実はないようなので、事件の真相がすべて解明されたかというと疑問も残る。この事件については、今後も折をみて、取材結果を報告したい。 ▼片岡健(かたおか けん) これこそ世紀の「くだらない座談会」として、ギネスにでも遺すべきだろう。なんと週刊新潮の8月11・19日合併号では「特別読物 原子力の専門学者座談会 御用学者と呼ばれて」シリーズで、「反原発」に「反対」する学者たちの座談会が開かれているが、テーマは「もんじゅ」でタイトルは『なぜ「もんじゅ」が日本の平和と環境に資するのか!』というタイトルが打たれている。 参加しているのは高木直行教授(東京俊大学大学院)、澤田哲生助教授(東京工業大学)、奈良林直教授(北海道大学大学院)、河田東海夫(原子力発電環境整備機構=MONO元理事)の4人が「もんじゅ」こそが環境と平和に資すると平気でのたまう。 記事を抜粋する。記事はまずこんな前文から始まる。 原子力規制委員会が引導を渡したのは昨年11月のことだった。高速増殖炉「もんじゅ」について、機器の点検漏れが数多く発覚したことなどを理由に、今の原子力研究開発機構(JAEA)は信用できないので、それに代わる新しい運営主体を探すよう、文部科学大臣に勧告したのだ。もんじゅはプルトニウムとウランの混合酸化物、MOX燃料を使い、発電に使ったプルトニウム以上の燃料を生み出す「夢の原子炉」を実用化すべく建設されたもの。日本の核燃料サイクル戦略の中核に位置づけられていたが、それが存続の危機に追い込まれたのだ。規制委員会が突きつけた回答期限のメドは「半年」。すでに半年を超え、8ヶ月が経過したが、新しい受け皿の具体案は示されない。「もんじゅ」は消滅するのか。もはや必要ないのか。澤田哲生氏を進行役に、専門学者たちが議論を交わした。 この馬鹿野郎たちの議論の前に解説すると、「もんじゅ」について原子力規制委員会が「運営母体を変えろ」と勧告したのに続いて、今年1月にIAEA(国際原子力機関)が実施するIRRS(総合規制評価サービス)の監査が入ったと澤田氏が指摘している。そう、まずはIRRSの監査の基準がなっていないという議論から始まる。規制委員会の田中俊一委員長が「核燃料サイクルや高速増殖炉開発の意義を十分に納得していない」と高木氏は吠える。 そして議論は「もんじゅを再稼働するのには、電力会社の協力が必要だ」という最悪の論調に走っていく。 奈良林氏の言葉を抜粋する。 この国はもんじゅの再稼働に141億円をつぎ込もうとしている。これだけの金があれば、いくつ被災者住宅が建つというのか。 もんじゅは、1995年にナトリウム漏れ事故を起こしている。 あいた口がふさがらないことに、河田はこんな発言をしている。 『高速増殖炉は軽水炉とはまったく体系がちがいます。それに、もんじゅは研究開発のための原子炉ですから、一生懸命に稼働率を稼ぐ必要はなく、保全計画が適正であるのを検証しつつ、一歩ずつ前に進めばいい。ミスが全然ないように学びながら作りあげていくものです。だから規制庁による点検漏れだ、違反だという指摘は、基本的にはフィロソフィーが違うのかなと。規制のあり方を一度ゼロベースに戻すべきです。また、もんじゅに関わっていた人は「運転する自信はじゅうぶんある」と言います。ですから、きちんと実働しながら、それを紙の体系とすり合わせていくことが大切だと思います。』 おいおい、何度も事故を起こした車の運転手が「自信が十分にある」「学びながら運転します」といえばあんたたちはその車に乗るのか。 ナトリウムが漏れたということは、拡大すれば端的にいえば体のタンパク質がとけていくかもしれないということで内蔵疾患の原因にもなりかねない。 座談会の学者たちよ! そして「週刊新潮」の人間たちよ! (渋谷三七十) キックボクシング創設50年の過去において、数年毎に一人は革命を起こす輩が現れてきました。大きな節目では、キックボクシングを創った者、衰退から脱する為、統合団体を興した者、そして有り触れた新団体ではなく、新展開に打って出たのが元・日本フェザー級チャンピオン、小野寺力氏でした。 2005年10月、小野寺氏自身の引退興行から始まったNO KICK NO LIFE興行を今年6月まで継続し、これを基盤として始まったKNOCK OUTですが、新日本プロレスの業績をV字回復させたことでも有名な (株)ブシロードの強力なパートナーを得たことが最大の原動力となりました。 9月14日(水)に渋谷のTSUTAYA O-EASTで行なわれた「KNOCK OUT発表記者会見」ではステージ上に(株)ブシロード代表取締役社長・木谷高明氏、ブシロードから新たに立ち上げた興行会社(株)キックスロード代表取締役社長・花澤勇佑氏、RIKIXジム代表・小野寺力氏、スペシャルサポーター・紗綾氏、初回興行出場予定選手・那須川天心、梅野源治、両選手が並びました。 設立経緯については、2年ほど前に、木谷高明氏が友人から紹介されたという小野寺氏との交流から始まり、NO KICK NO LIFE興行のTOKYO MX TVでの放送に至り、その結果、高評価を得たことに繋がります。 初回興行は12月5日(月)、東京ドームシティ(TDC)ホールに於いて、梅野源治、那須川天心、T-98(今村卓也)、大月晴明が出場予定となっています。来年は年間6回の興行が予定されており、TDCホール、大田区総合体育館を中心に開催。出場選手は各団体、ジム・プロモーションの協力体制を作り上げていくというものです。来年1月より、TOKYO MX TVにて毎週レギュラー放送も決まっています(時間枠は未定ながら、30分枠が妥当の模様)。 記者会見で木谷高明氏が語られた中、インパクトある重要点を簡潔に纏めますと、 「日本は今、国を挙げてスポーツビジネスのGDPを上げようとしており、アメリカのスポーツマーケットは60兆円ある反面、日本は5~6兆円しかなく10対1以下です。KNOCK OUTは最初の2年くらいは赤字だと思いますが、いずれスポーツコンテンツとして世界に売れて、大きなビジネスになると信じています。そうなれば選手のギャラも上げることができます。」 「今、キックボクシングは上位概念が無く、プロレスならWWEがあり、総合格闘技ではUFCがありますが、キックは世界でも団体が乱立していて、可能性の話としてしっかりした上位概念が作れればとんでもないビッグビジネスになるということです。」 「選手のチケット手売りをやめさせ、誰が出るか発表しなくてもチケットが売れるようにしたい。手売りをやってる限り先は無く、手売りは供給側の事情で、お客さんの需要側に立ってないことです。」など。 この発表記者会見後、1試合のみの公式試合、実質KNOCK OUTの最初の試合となります。森井洋介はタイトル歴も豊富なベテラン選手。高橋一眞は4月にNKBフェザー級王座決定戦で村田裕俊(八王子FSG)に敗れているところ、村田でなく高橋一眞が選ばれたところに、このイベントに相応しいと判断された期待感があります。 ◆59.5kg契約 5回戦 全日本スーパーフェザー級チャンピオン.森井洋介(ゴールデングローブ/59.4kg) 勝者:森井洋介 / TKO 1R 2:50 / カウント中のレフェリーストップ 開始早々からパンチとローキックの激しい攻防でした。高橋のパンチが森井の顔面を捕え、蹴り負けない展開。「なかなかやるなあ」と思わせたところ、森井も高橋の出方を読めた頃、高橋のヒザ蹴りに左フックを合わせ、スリップダウン裁定ながら高橋にダメージ与えました。更にパンチ連打で2度のダウンを奪い、高橋は立ち上がろうとするも、足に来てフラつき崩れ落ちたところをレフェリーストップ。勝負に急ぎ過ぎの感がありました。昔の5回戦慣れした選手ならKO率高い選手でも初回からラッシュしなかったと思いますが、KNOCK OUTを意識せず、初回は様子見に進めてもよかったと思います。 12月5日(月)東京ドームシティホールにて開催の「KNOCK OUT 」での決定カードは、 他、那須川天心、梅野源治が出場予定で、今村卓也は現・タイ国ラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級チャンピオンであり、10月9日(日)に現地・ラジャダムナンスタジアムで初防衛戦が予定されています。また梅野源治は10月23日(日)にディファ有明でのREBELS興行で、タイ国ラジャダムナンスタジアム・ライト級王座挑戦試合が控えており、こちらも王座奪取して、KNOCK OUT主催者としては二人の日本人ラジャダムナン現役チャンピオンを揃えたいところでしょう。 スターボーイは元・WPMF世界スーパーフェザー級チャンピオンで、今年3月12日のNO KICK NO LIFEで梅野源治にヒジ打ちでダウンを奪って引分けた選手。 森井洋介も高橋一眞をKOし、12月5日出場を希望、「打倒ムエタイで強い選手とやらせて貰えれば激しい良い試合ができます」とアピールしました。 公式リングアナウンサーに選ばれたのはNO KICK NO LIFEでも登場したハリー杉山氏、テレビ解説者に元・ラジャダムナン・スーパーライト級チャンピオンの石井宏樹氏が務めます。 木谷高明氏の会見で、興味深かったのは競技時間の長さや放送時間帯についてでした。 「人が集中して試合を観ていられるのは6~7試合が限界です。通常はこの試合数でいく予定です。」 また放送時間帯についても「MX TVでの放送も深夜に至らない、サラリーマンが帰宅して何か面白いものやっていないかチャンネルを選択している時、偶然キックを見つけてチャンネルを合わせる可能性ある時間帯を目指したいところです。」と語られたところなど、帰宅後、テレビ欄も見ていない一般人がリモコン持ってチャンネルを選ぶ中での偶然性を狙うところは、さすがの感性でしょう。 “6~7試合”も、前座からメインまで5回戦を組み合わせた全32ラウンド以内が妥当なところと感じます。 前途洋洋と船出したKNOCK OUTですが、既存の団体等がどういう反応を示すか、今は若いジム会長が増えた時代で団体の垣根もあまり感じず協力的なジムが多いので、マッチメイクもあまり難しくないでしょう。イベントとしての“大成功”率は高いと思いますが、競技として、「プロボクシングを越えられるか」という視点で見ていくのも重要なことかと思います。KNOCK OUT興行だけで克服できる問題ではありませんが、その先陣を走るKNOCK OUTがキック業界を率いることになれば新たな面白い時代に入るでしょう。 [撮影・文]堀田春樹 ▼堀田春樹(ほった・はるき) 出直しとなった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催! 鹿砦社も協賛企業として出資、さらに先着1000名に特製エコバッグと、抽選で100名に『島唄よ、風になれ!~「琉球の風」と東濱弘憲』を提供! 当初、5月15日に開催予定だった「琉球の風2016」が、いよいよ10月2日(日)に開催の運びとなりました。 今回で8回目、4月の熊本地震で休止(延期)を余儀なくされましたが、実行委員長が経営する結婚式場も被災を受けながら、地元熊本の方々、沖縄のアーティストの方々のご支援にて、出直し開催の運びとなりました。 ◆内田勘太郎さん(元・憂歌団)、南こうせつさん、島袋優さん(BEGIN)、宮沢和史さんらも駆けつけ出演決定! 5月には予定になかった、沖縄に移住されている内田勘太郎さん(元・憂歌団)、南こうせつさん、島袋優さん(BEGIN)、お馴染みの宮沢和史さんらが急遽駆けつけてくださることになりました。当初からの予定の夏川りみさん、かりゆし58、ネーネーズも駆けつけます。 また、沖縄からは、なんと100人でツアーを組んできてくれることになりました! 義に篤い琉球人の友情を感じさせます。義援金も集めていただき、持参いただけるとのことです。 鹿砦社関係も、100人には到底及びませんが(笑)7人+αが駆けつけます。また、例年好評の特製エコバッグを先着1000名にプレゼントするのみならず、今年は5回までの記録集『島唄よ、風になれ!』(通常版)を抽選で100名にプレゼントします。太っ腹やで! ◆故・東濱弘憲君が遺した「琉球の風」 このイベントは、父が沖縄・与那国島出身、戦後すぐに熊本に流れて来た父を持つ、私の高校の同級生の東濱弘憲君(故人)が、みずからの琉球の血を自覚し始めたものです。 東濱君は熊本で生まれ育ちましたが、高校時代は、まったくのワルゴロで、こういうことを真面目に考えるような男ではありませんでした。高校卒業後、熊本を離れ、職を転々としながら(マグロ船にも乗ったこともある)、あるいはガンに罹ったりし、そうした中で、彼なりに考えた末に、帰郷し熊本で沖縄料理店を開き、お店での小さなライブを重ね、また沖縄に何度も通いつめ現地のアーティストの信用を得ながら、遂に2008年、沖縄島唄の大御所・知名定男先生を総合プロデューサーに開始されたものです。1回目には、名曲中の名曲『島唄』の宮沢和史さんも出られ、これまでほぼ常連で出演されてきました。「琉球の風」の功労者の一人です。 しかし、1回目、2回目は大赤字、熊本という地方都市で大きなイベントを開催する難しさを思い知らされました。 ◆宇崎竜童さんの男気に感謝! ようやく第3回目、宮沢和史さんに加え、BEGIN、われわれの世代には馴染み深い宇崎竜童さんが出演し、ようやく黒字に転化、以降、ほとんど赤字かトントンでアップアップしつつも、「黒糖ドーナツ棒」で急成長した大口協賛企業「フジバンビ」はじめ多くの支援を得て、これまで継続してきました。東濱君の想いに答え、われわれ鹿砦社も協賛企業の一角として支えてきました。 実行委員会が宇崎さんに、出演料を払おうとして口座番号を教えてほしいと連絡したところ、「教えません」と一喝されたとのこと、1回目、2回目の赤字に苦慮してきた実行委員会に配慮された宇崎さんの男気がうかがえるエピソードです。 このかん、東濱君は再度のガンに倒れ、2012年4月逝去、通夜・葬儀には500人以上の人たちが参集し、多くの人たちに愛された彼を象徴する出来事でした。 ◆今年の「琉球の風」は熊本震災復興と共に! そうして多くの心ある方々のサポートで継続してきた「琉球の風」ですが、今年は、あの熊本地震の直後でもあり、特別の意味を持ちます。復興への象徴として――。 私個人にとっても、生まれ育ち少年時代を過ごした、わが故郷・熊本が呻吟する中で、復興への記念すべき「琉球の風2016」になれば、と願います。 今からでも熊本行きのチケットを買い、駆けつけてください! ▼松岡利康(鹿砦社代表) 9月8日に定例会見でNHKの籾井勝人会長が、会見で今年の「第67回NHK紅白歌合戦」に、年末での解散を発表したSMAPの出場を「当然、出てもらいたい」と熱望したのには「裏」がある、とNHK関係者は指摘する。なにせ自らジャニーズ喜多川社長を説得してもいいとすら発言した。 これは来年の1月に行われる「NHK会長選」に続投するための好感度とりパフォーマンスとみるむきが多いが、実は「本気だ」という局内の声。「1月に会長選があるので、続投したい籾井会長としては、少しでも点数を稼いでおかないとならない。このままでは籾井会長は辞任、経団連が推薦する人材に交替で落ち着きそうな気配だ」(放送ジャーナリスト) 籾井会長は、独善的な人事を断行する「強硬派」として知られる。今年の4月に発表された人事では、理事10人のうち、空席だった2人を含めて合計6人が入れ替えとなった。会長側近ながら、事業計画について意見画異なる理事を再任しないなど、独断専行がNHK内の反発を招く。 実際、ありとあらゆるルートを辿ってジャーニー喜多川社長との「接見」を探っているようだ。籾井会長は、2013年12月に経営委員会で選出された。三井物産、ユニシスと大企業を渡り歩いた手腕が期待された。 「ですが、尖閣・竹島問題で『日本の立場を国際放送で明確に発信していく、国際放送とはそういうもの。政府が『右』と言っているのに我々が『左』と言うわけにはいかない』と偏った発言をして物議をかもすなど、『舌禍』問題がついてまわりました。そのたびに側近は火消しに奔走。局内では〝自演炎上会長〟などと揶揄される始末です」(同) SNSでは「NHK籾井会長が辞任するまで受信料不払いします」というスレッドが立つほどに嫌悪している視聴者も一部いる。NHKの歴代会長は経営委員会で決まるが、政府・与党幹部の胸先三寸で選ばれてきた面がある。自民党長期政権の時代には内閣のポスト配分と同じようなものだったと指摘され、実際、九州旅客鉄道(株)相談役の石原進委員長をはじめとして元・三菱商事(株)代表取締役副社長執行役員だった上田良一や阪神高速道路株式会社取締役会長など自民党のシンパで委員も固まっている。 NHK会長の座は「実質的に閣僚と同義」という見方も。今、NHKへは風当たりが強い。ワンセグ受信料も払うようにとの見解でさいたま地裁で裁判をしている。石原進経営委員長は9月13日、将来的にテレビ放送をインターネットで同時に見られるようにする方針を示しつつ「公共放送を維持していくためには、ネット配信であっても何らかの受信料をいただく必要がある」と話している。 続投となると籾井会長が打つ奇手「SMAPの紅白出場」は続投へのバネとなるか。それとも滑るのか。NHKに「スポーツ新聞等で、籾井会長が『SMAPに紅白に出てほしい』としてジャニーズ事務所と交渉すると言っていたが、すでに交渉したのか」と聞いたが、「スポーツ新聞等の報道は承知していませんが、NHKの公式ホームページで発表されたことがすべてです」とした。 またジャニーズ事務所に「その後、NHKからSMAPに対して紅白歌合戦への出演オファーはあったのか」と聞いたが、コメント依頼書を送ってもファックスでの回答はなかった。SMAPが紅白に出場という期待を持たせて失敗したときの風あたりは強い。「ファンは冷めていて、『SMAP』の今のギクシャクとした共演ぶりを見て『5人が歌うのは無理』と見ている。先日、ファンに150ページ以上のボリュームがあるメンバーの盛りだくさんな写真集が送られたそうだが、これが〝最後のファンサービス〟となるだろうね」(芸能記者) さて1月、NHKの会長のイスに座っているのは誰だろうか。 (伊東北斗) ずいぶん以前の話だが、「反・反原発」路線で売っている『週刊新潮』の1月28日号で、「特別読物 第12弾 原子力の専門学者座談会 御用学者と呼ばれて」の連載で「高速増殖炉もんじゅと日本の核燃料サイクル」と題して、東京工業大学・澤田哲生助教授、東京都市大学大学院・高木直行教授、東京大学大学院・岡本孝司助教授、北海道大学大学院・奈良林直教授らが「もんじゅ」をテーマに語っていた。 まだまだ腐った「原発推進メディア」はたくさんある。ひとつとして許すことはできない。機会があれば、紹介しよう。 (渋谷三七十) 森村誠一、野沢尚、東野圭吾、池井戸潤などを輩出した“売れっ子作家製造器”とも呼ばれる「第62回江戸川乱歩賞贈呈式」(日本推理作家協会主催・後援・フジテレビ/講談社)が9月9日18時から帝国ホテルで行われたが、この手の文学賞を彩るために呼ばれる「銀座の艶っぽいホステス」が群がったのは、フジテレビ社長の亀山千広社長や講談社の野間省伸ではなく、大御所作家で選考委員の有栖川有栖、池井戸潤、今野敏氏らでもなく、337名の中から大賞に選ばれ、『QJKJQ』で受賞した新人作家、佐藤究(きわむ)だった。 「例年、念入りにフジテレビの亀山社長や野間社長や大御所作家に挨拶するのですが、今年、招待された銀座のホステスたちは、挨拶は数分程度で、さっそく『金の卵』と化ける可能性もある新人作家、佐藤のところに並ぶ編集者の列に入ってきたのはびっくりした」(文芸雑誌記者) とくにフジテレビの亀井社長は活気あふれる受賞式とは正反対でどんよりとした雰囲気。日帯(6~24時)視聴率で、TBSに抜かれて民放4位に転落、破棄がないフジテレビの亀山千広社長は「年々、受賞作が映像化しづらい作品になっておりまして。特に今回の受賞作は、本の帯に『私の家族は全員、猟奇殺人鬼』とある。テレビでは絶対できません」と冗談交じりに、あいさつの弁。その声には張りがなく「体調が悪いのか」とささやかれる始末。負のオーラがばらまかれているのか、近寄るのは男ばかりで、ポツネンとひとりたたずむ姿も。 いっぽうで吉本興業の警備員だったという異色の受賞者、佐藤は「私も今回応募した337名と同じくただ書き続ける日々を送ってきました。書くことは私の古い友人です。作家は、サーカスの曲芸師です。ここはトランポリンやブランコなどを行うサーカスをする楽しい場所です。楽しんでいってください」といっぷう変わった挨拶で聴衆を引きつけていた。 和服姿の美女ホステスがこっそり教えてくれる。「今時の出版社社長や落ち目のフジテレビの社長や、ベテラン作家などに営業しても、もうひいきの店は決まっているし、新人作家は大化けしてベストセラー作家になって大枚をお店に落とす可能性があるのです。だから店どうしの争いも激しいのです」(同) 佐藤への挨拶の順番を巡って割り込む和服ホステスもいて、「ちょっと、私たちが並んでいたのです」と押し返される場面も。いっぽうで野間社長も旧知の男性とばかり話しており、あまり女性を受け付けない雰囲気をかもしだしていた。 「さながらこの会場は現在の不況が凝縮されていた。出版社もテレビ局も銀座の店で遊ぶ余裕がなく、結局、当たれば億単位で稼ぐ“作家”のほうが銀座ホステスにとって“くどくべき相手”だということです。その証拠に、夜8時ごろはもう例年だとほぼ解散なのに,佐藤の“出待ち”をしているホステスもいた」(同) 同賞は、講談社の編集者ががっちりと佐藤をプロテクトしており、佐藤のほうは挨拶してきた連中に名刺を渡さない。 「佐藤が気に入った相手がいれば出版者の編集者であれ、銀座のホステスであれ、広告代理店スタッフであれ、佐藤のほうから連絡するのが受賞式でのマナーであり、ルールです」(同) さて、凋落のフジテレビ亀井社長は、つぎの予定があるのか早々と会場をあとにした。 この作品は、一家全員がシリアルきらーというかなりエキセントリックな作品だが、ふたりが推薦したようだ。 池井戸潤の選評を紹介する。 だが、その謎解きは肩すかしだ。その後の展開も、この小説世界を支える枠組みやルールを後だししている印象を受け、果たしてこれが周到に準備された小説ともいえるか、という疑問を最後までぬぐえなかった。 だが、これはあくまで私一己の読み方である。選考委員のうちふたりがこの小説に最高点を与えて評価するというのであれば、それを拒むものではない。受賞者の今後の活躍をおおいに期待したい。 いい選評だ。審査委員の今野敏は、「終盤の主人公の少女と実父とのエピソードには思わず涙しそうになった」と語っている。 このところ「文学賞」は、最初からテレビドラマ化しやすい作品に受賞させるようになった。さらに同じおもしろさなら「現代劇よりも時代劇」を、「笑える話よりも泣ける話」を選ぶようにトレンドが変化してきた。ゆえに「本来なら受賞する作品も、落選する可能性がある」と日本推理作家協会のわが師匠も話していた。 さて、「家族全員が殺人者」というストーリーで羽ばたく佐藤氏は、もともと吉本興業の警備員をしていたという変わり種だ。 もともと江戸川乱歩がポケットマネーでつくったこの賞は、森村誠一、東野圭吾、西村京太郎、鳥羽亮ら偉大な作家たちを生み出してきた。この賞の存続を強く望む。 そして92年から後援で参加しているフジテレビよ! 亀山社長よ! 現在、不況にあえぐ出版社は無名の作家は初刷り1000部なんてザラ。ファンが確実に集まる江戸川乱歩賞受賞作家に「夜の女」がなびき、凋落の出版社やテレビ局らは相手にされない時代が到来したのだ。 (伊東北斗) 外部との交流を厳しく制限され、獄中生活の実相が世間にほとんど知られていない死刑囚たち。その中には、実際には無実の者も少なくない。冤罪死刑囚8人が冤死の淵で書き綴った貴重な文書を紹介する。7人目は、鶴見事件の高橋和利氏(82)。 ◆80代まで生き永らえた原動力 今年2月に発売された私の編著「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(鹿砦社)には、高橋氏も手記を寄稿してくれている。その手記は次のような冒頭の一文が非常に印象的である。 〈八十一歳。私をこの歳まで生き永らえさせているものは、足の先から頭の天辺にまで詰まり凝り固まっている司法権力への失望と満腔の怒りだ〉 横浜市鶴見区の小さな金融会社で、経営者の夫婦が殺害される事件が起きたのは1988年6月20日のこと。ほどなく殺人の容疑で検挙されたのが、現場の金融会社に出入りしていた電気工事会社の経営者で、当時54歳の高橋氏だった。それから28年。この間に高橋氏は無実を訴えながら死刑判決が確定し、再審請求も退けられているが、裁判の過程では、冤罪であることを示す数々の事実が浮き彫りになっていた。それゆえに高橋氏は、司法権力に対し、〈満腔の怒り〉を抱くに至ったのである。 ◆捜査や裁判を舌鋒鋭く批判 そもそも、高橋氏がこの事件の犯人ではないかと疑われた原因は、事件の日に現場の金融会社を訪ね、被害者夫婦が殺害されているのを目撃しながら、警察に通報せず、その場にあった現金を持ち逃げしたことによる。つまり、第一発見者が犯人にすり替わってしまったのだが、この経緯を見る限り、高橋さんにも落ち度はある。 しかし裁判では、事実上唯一の有罪証拠である自白には、様々な不自然な点が見つかった。しかも、高橋さんは取り調べに対し「凶器のバールやプラスドライバーはゴミ集積場に捨てた」と自白しているにも関わらず、なぜか凶器は見つかっていない。しかも、現場の金融会社は事件の4カ月前にも窃盗に入られ、融資の借用証や不動産の権利証などの重要書類を盗まれているなど、「別の真犯人」が存在することを窺わせる事情も色々存在したのである。 それゆえに高橋氏の捜査批判、裁判批判の舌鋒は鋭い。 〈取り調べの凄まじさは話の外で、思うだけで抑え難い怒りでむかついてくる。(略)大声で罵倒、椅子、机を蹴り、足や脇腹を蹴り、髪を掴んで振り回し、体重をかけて覆いかぶさり机に押さえ付ける。そうしたことをいくら裁判官に訴えても、証人として出廷した警察官が捜査段階での暴力や脅しはなかったと証言しているのだから、そういう事実はなかったのだ。(略)裁判官には洞察眼の欠けらもない。被告に向けるのと同じ疑いの眼を、なぜ証人の警察官にも向けて見ようとはしないのか。〉 ◆妻が語る冤罪死刑囚の実像 手記だけを読むと、雪冤に執念を燃やす高橋氏について、読者は気難しい人物なのではないかという印象を持ちそうだ。しかし、妻の京子氏によると、実際の高橋氏は会社に入ってきたカマキリを追い払うことすらできない優しい性格の人だったという。前掲書では、事件の詳細のほか、京子氏へのインタビューにより高橋氏の誠実な人柄も浮かび上がっている。 ▼片岡健(かたおか けん) 日本テレビ「24時間テレビ39 愛は地球を救う」でパーソナリティとして活躍したジャニーズの「NEWS」が業界関係者に見直されている。メンバーがつぎつぎと離脱する窮地の連続を経験しながら、なんとかエンターテイメント界で生き残った「NEWS」が涙ながらに歌うテーマ曲「フルスイング」もよかったという視聴者からの電話やネットの書き込みも多数あった。 「マーケティング会社によれば、これで好感度がグッとあがりました。もしかすると今年いっぱいで終了する『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のあとがまにもってくる候補としてのしあがったと思います」(プランナー) なぜ、ここにきて「NEWS」がクローズアップされるのか。 「とくにドラマ『盲目のヨシノリ先生』で、盲目になる国語教師を演じた加藤シゲアキを支えるリハビリ指導員を演じた小山慶一郎の演技が高い評価。これは視聴率20.5%をマーク。強姦致傷で逮捕された俳優の高畑裕太容疑者の代役で急遽、2日間で撮影したものだが、ネットでは『急遽の代役とは思えない演技で感動した』『同じNEWSのメンバーどうしだから息がピッタリ』といった絶賛の声も多数、視聴者センターに寄せられたようですし、SNSで展開されました」(芸能関係者) そもそも「どうして落ち目のジャニーズの「NEWS」を抜擢するのか」という厳しい声があいついだのが、今回の「24時間テレビ」のキャスティング。だが『NEWS』自身にとっては『SMAP』解散の余波を受けて、ジャニーズの稼ぎ頭を争う戦国時代に売り込みには絶好の機会だったのだ。 「この『NEWS』は苦難の道を歩んできたグループです。03年に9人で『バレーボールワールドカップ2003』のイメージソングを含むシングルでデビューしたものの、すぐに森進一の息子の森内貴寛が脱退。05年は内博貴が飲酒で謹慎。06年は正月あけで草野博紀が飲酒で活動を自粛し、5月にこの事件をきっかけにグループの年内活動休止が発表されました。これに嫌気がさして内と草野が脱退。07年にようやくグループ活動を再開しますがなかなかCDは売れず。2011年にすでにソロとして活動していた山下智久と『関ジャニ∞』とかけもちしていた錦戸亮も脱退して解散の危機を迎えます。なんとか4人はグループ継続を誓い、ここまでこぎつけたのです」(同) この間、グループとしてはなく、それぞが「個」の力をつけてグループ全体の力を押し上げた。加藤シゲアキは小説『ピンクとグレー』を執筆し、20万部を超えて映画化、手越祐也は好きなスポーツの知識を活かして『手越祐也&城彰二の『サッカーアース』(日本テレビ)でキャスターを務めたり、ファッションリーダーとしても王子キャラを確立、また小山慶一郎はニュース番組『news every.』(日本テレビ)でキャスターを務めるクレバーな立ち位置を確保。また増田貴久は舞台での演技に定評があり、ソロ曲を多数リリースし「Miso Soup」でTegomass(手越祐也とのユニット)としてスウェーデンでデビュー。それぞれ個の力を発揮して独自にファンを開拓して生き残ったきた希有なグループです。グループが売れてから『個』が売れてきた『SMAP』とは真逆の軌跡ですよ』(同) かくして、今回の「24時間テレビ」で「SMAPのあと番組を埋める役回り」に緊急浮上してきた『NEWS』について「あの子たち、がんばっているじゃないか」とジャニー喜多川社長がテレビを見た感想を側近に漏らしたという情報もスタイリスト経由で入ってきた。 「ところがそう話は一足飛びに行かない。『SMAP×SMAP』が来年の春に終了する予定で動いていたフジテレビはジャニーズ事務所に対してそうとう不信感が残っている。あとがまのタレントは、報道されているように『SMAP』の元女性マネージャーとも、次期社長といわれる藤島ジュリー景子からも中立的な立場をとる『KinKi Kids』が有力だといわれるが24時間テレビの勢いをかって『ジャニーズ事務所』アレルギーが残る編成筋に『NEWS』を押し込めるかどうか。いちまつの不安は残りますけどね」(スポーツ紙記者) フジテレビに「年内で終わる『SMAP×SMAP』(フジテレビ)のあとがまのタレントとして『NEWS』が浮上しているようだが」と聞いたが「まだ番組が年内に終了することしか決まっていません」とその先の予定については決まっていないと強調した。 (伊東北斗)タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
投稿日: カテゴリー 伊東北斗, 芸能
神戸・長田小1女児殺害事件 発生から2年が過ぎても生々しい現場の傷跡
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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原発推進インチキ・メディアを斬る!《6》もんじゅ利権の具『週刊新潮』座談会再び
『今、電力会社は自分の発電所の再稼働問題で手一杯。再稼働が進めば余力もできるでしょうが、今がタイミング的に一番まずい。再稼働がなかなか進まない点は、IRRSがいみじくも言っています。今の原子力規制庁と規制委員会は、新規則基準を作るまではよかったが、規制の運用が〝初期段階〟だと。日本の規制は世界から見ると小学生だというのです。だから、もんじゅを安全にする指導もできず、無駄な書類ばかり作らせている。』
直近では、7月下旬に、点検漏れが新たにあったとして報道された。もんじゅは今や「瑕疵つき物件」なのだ。
福島の被災者住宅のど真ん中で座談会をやってみよ。
それができないなら、すぐにお詫びと訂正記事を出せ。『NO NUKES voice』最新第9号発売中! 特集〈いのちの闘い〉再稼働・裁判・被曝の最前線
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キックボクシングの新イベント「KNOCK OUT」開催決定!
.VS
NKBフェザー級1位.高橋一眞(真門/59.5kg)
スーパーウェルター級超 5回戦
T-98(=今村卓也/クロスポイント吉祥寺)vs長島自演乙雄一郎(魁塾)
&
5回戦(ライト級超を想定)
大月晴明vsスターボーイ・クワイトーンジム(タイ)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」Kindle版配信開始!『ヘイトと暴力の連鎖』!
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「琉球の風2016」が10月2日、熊本で復活開催! ふんばれ熊本! 必ず行くぞ!
なお、「琉球の風2016」の報告は、直後に「デジタル鹿砦社通信」で行います。『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(「琉球の風」実行委員会=編)
『NO NUKES voice』最新第9号! 特集〈いのちの闘い〉
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SMAP紅白出場を強弁し、会長職続投に執着する籾井NHK会長の醜態
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原発推進インチキ・メディアを斬る!《5》『週刊新潮』の呆れたもんじゅ座談会
なんてことはない。掲載当時は「もんじゅ」の運営を原子力規制委員会が、日本原子力研究開発機構(JAEA)にかわる主体にゆだねるように馳浩文部科学大臣に勧告した頃だ。要するに、「もんじゅが必要」という論調にもっていきたいのが見え見えの呆れた座談会だ。日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を再稼働させると、少なくとも5800億円の費用がかかると文部科学省が試算していることがアナウンスされている。冗談も休み休み言ってくれよ、週刊新潮! 吐き気すらするこの記事を抜粋しよう。
澤田 仮に、今回の勧告でもんじゅが廃炉に向かうとしたら、日本のエネルギー政策、原子力政策にどんな影響が及ぶでしょうか。核燃料サイクルはフランスのアストリッドと協力してやる話もあるようですが、国内の六カ所村などの再処理施設はどうなるのか。エネルギー小国の日本がもんじゅを捨てるのは、あまりにもったいないと思います。
岡本 エネルギーを司る役所は経産省と文科省に分かれますが、今回の勧告に監視、経産大臣は「もんじゅは文科省の所管です」とにべもなく語っている。経産省は、核燃料サイクルを推進しているはずですが、地震が多い日本では使えないフランスのアストリッドに期待しているのか。そもそも、もんじゅがつぶれたらアストリッドもありません。
高木 経産省はもんじゅに見切りをつけ、アストリッドとの協力で核燃料サイクルを進めるというのでしょうか。でも、もんじゅをやめた時点で多くの人は、日本が高速増殖炉開発をやめたと思いますよ。
奈良橋 もんじゅをやめてしまうと、日本では二度と高速炉を建設できないと思います。ナトリウムを流して高速炉を運転するのは特殊な技術で、日本は30年かけてナトリウムを使える人を育ててきた。それを絶やしてしまえば、アストリッドと協力しても、日本側から適切なアドバイスをする人がいなくなってしまう。(『週刊新潮』2016年1月28日号)
おいおい「週刊新潮」よ、いや新潮社の諸兄よ! チェルノブイリの被害を描いてノーベル文学賞をとったベラルーシの女性作家、スベトラーナ・アレクシエービッチ氏の『チェルノブイリの祈り――未来の物語 』(岩波現代文庫)を読んで感想文を書け。そして福島の被災者住宅に個別配付し、悔い改めよ! もしくは、「もんじゅ」の再稼働を署名で止めろ!
『NO NUKES voice』vol.9! 特集〈いのちの闘い〉再稼働・裁判・被曝の最前線
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「江戸川乱歩賞は賞金が1000万円だが、かつて東野圭吾が『1000万円なんてはした金』と第60回の江戸川乱歩賞贈呈式で言い放ったことがあるように、売れっ子になれば『一晩に数百万を銀座に落とす』のも夢じゃないからね」(同)
現実と幻想が交錯するストーリーで、その境界線が曖昧なことが読み味なのかもしれない。小説は自由なのだから主人公を含め家族全員が殺人鬼という設定があってもいいし、殺人鬼が犯人を追って密室殺人に挑むというのなら、それはそれでおもしろい。
ドラマ化しにくいのはわかるが、てめえの挨拶が終わるやすぐ帰るという姿勢はいかがなものか。色とりどりの女優たちがエロスで彩る昭和映画史!大高宏雄『昭和の女優 官能・エロ映画の時代』
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《冤死の淵で》高橋和利氏(鶴見事件) 手記に綴った司法権力への満腔の怒り
【冤死】
1 動詞 ぬれぎぬを着せられて死ぬ。不当な仕打ちを受けて死ぬ。
2 動詞+結果補語 ひどいぬれぎぬを着せる、ひどい仕打ちをする。
(白水社中国語辞典より)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
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落ち目のジャニーズ起死回生──SMAPの後継候補はNEWSか?
メンバー間がゴタゴタした『SMAP』が去り、すでにメンバーのゴタゴタをひととおり乗り越えた『NEWS』が『SMAP×SMAP』に乗り出せば、「雨降って地固まる」で爽やかな印象が残りそうだが、現実はいかがだろうか。タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
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