東電の会見に行ったが、相変わらず5時30分に会見をやるかどうか決定し、6時から記者会見という段取り。フリー記者は、記者会見があろうとなかろうと、5時30分には行かないとならないという、そら恐ろしいシステムだ。
記者が茨城あたりから来て、記者会見が空振りだったら、すごい無駄足だ。

さて、東京電力が20日発表した福島第一原発事故に関する社内事故調査の最終報告で、東電は昨年の中間報告と同様、震災が「想定外」で、事故につながったことを強調している。
「言い訳だらけの報告書であきれかえった。何が頭に来るって、全部で500ページ以上もあって、打ち出すのに1時間かかる。これこそ電力の無駄ではないのか」という声が多数届く、社内事故調査の最終報告書。

福島市の県自治会館では、事故調査委員会の委員を務める東電の山口博常務が記者会見した。震災直後は限られた通信手段と情報しかなく、地元への連絡が遅れたと説明している、
「情報をどう隠すか、相談していたというほうが正確だろうね」(東電の下請け社員)
情報を隠したとする指摘については、「意図はなかったが、説明不足などから情報公開に消極的とも受け取られる事例が散見された」と釈明した。
「そもそも、東電に事故報告書を送ってくれと問い合わせても『ホームページに書いてあります』の一点張りでした。じゃあ、福島の原発被災者でホームページを見ることができない人は、相手にしていないということとなる。失礼ではないか」(電気通信記者)

東電は、これまで言い訳に言い訳を重ねる練習を積み重ねたのだろう。
事故前も最新の知見に基づく地震・津波対策を取っていたとし、山口常務は「想定を超える事象に思いが至らなかったのは非常に残念に思う」と話をしている。
これに対し、富岡町の遠藤勝也町長は「事故の教訓や反省が書いていない。道義的責任を感じない報告書だ」、飯舘村の菅野典雄村長は「多くの住民が大変な思いをしていることを自覚しているとは思えない。おごりが抜けきってないのではないか」と憤った。
原発のふもとの怒りは凄まじい。
南相馬市の桜井勝延市長も「(津波で)電源が全て切れたから対応が遅れたと言っても、言い訳でしかない」と厳しく批判した。きわめてあたりまえの言い分だと思う。

そんな中、東電の社員の報酬を上げる、という信じがたい報告も東電のホームページにはあった。過日会ったフロント企業の知人でさえ、「東電のやりかたはヤクザよりひどいな」と吐き捨てた。
はっきり言って、東電の言い分は、理解できないどころか、外国人と話をしているような気の遠さを感じる。

(渋谷三七十)