好評を頂いている『反差別と暴力の正体』の在庫がついにゼロになった。残りは書店でまだ売れておらず、あなたに買われることを待っている残部少々である。やや自慢のようになるが、増刷をかけなければ『反差別と暴力の正体』は、近く必ずプレミア価格が付与され、ネット上で取引されることになるだろう。

ここでは詳述しないが、直接、間接の「反発」も今回は散発的に見られた(見当違いの指摘がほとんどではあったが)。また11月28日大阪地裁で行われたM君が李信恵氏をはじめとして5氏を訴えた裁判の開廷前に、廊下で開廷を待っていると、被告(反訴原告)の伊藤大介氏がM君に近づき「何を気持ち悪い視線で見てるんだ!」「メンチ切ってるんじゃないよ!」と毒ついてきた(「M君の裁判を支援する会」ツイッターより)のも、追い詰められた彼らの焦りの表れといえよう。

 

2016年11月28日付け「M君の裁判を支援する会」ツイッターより

2016年11月28日付け神原元弁護士ツイッターより

沖縄、高江で抗議行動に参加していたとされる、しばき隊のメンバーが次々に逮捕されている。中には東京で沖縄県警に令状逮捕され、沖縄まで移送されたと言われている人物もいる。

鹿砦社特別取材班は沖縄県警の、この逮捕弾圧を糾弾し、被逮捕者の早期釈放を求める。逮捕された人間がしばき隊の人間であろうが、なかろうが権力の弾圧に与するような姿勢を鹿砦社は断じて取らない。沖縄現地の闘いと連帯し、不当長期勾留が続く山城博治さんの奪還同様に、しばき隊であろうが逮捕されている人々の奪還も求める。

まかりまちがっても「逮捕してくれてお巡りさんありがとう」などといった、社会運動の大原則を踏みにじる言動に鹿砦社は1ミリも与しないし、認めない。しばき隊にも人権があり、権力からの不当弾圧には、正面から抗議し被逮捕者の奪還を戦うべきだと考える。

しかし、ここで考えてほしいのは、鹿砦社の原則的な立場と、しばき隊がいまだに拘る言説の軽薄さの差異である。のりこえネットTVでは現地レポーターとして横川圭希氏などまで登場するようになっているが、横川氏は昨年経産省前で3名が不当逮捕された際、勾留理由開示公判のあと知人たちに「警察の逮捕には全く問題はなかったんだから」、「救援連絡センターがその場面の動画を上げるなって言ってきた。わけわからねぇ」と発言していた。

訳が分かっていないのは横川氏である。有料メルマガを配信し、いつのまにかしばき隊の隊列に加わった横川氏は、いまだに、いい歳をして〈権力対反権力〉の基本的構図すら理解できていないようだ。のりこえTVに出演した横川氏や現地での行動報告者の発言には司会の辛淑玉氏ですら「今何を言っているのか見ている人にはわからないと思うんだけど」と、ムッとして発言の要領の悪さを指摘される一幕もあった。

 

 


◎[参考動画]のりこえねっとTV「-高江特派員報告-とことんノーへイト!」(のりこえねっとTube 2016年11月22日ライブ配信)

相変わらず分かっていないのだ。極々基礎的なことが理解できていない。結果的にそれが沖縄現地の人々の足を引っ張ることに繋がってはいまいか。しばき隊連続逮捕劇が意味するも、それはもう権力はしばき隊が不要になった。いや邪魔ですらあるから「一掃してしまおう」との意思だ。本気になれば権力は遠慮などしない。

数年にわたり警察権力、なかんずく公安警察と懇ろであったしばき隊には、つけが回ってきたということだ。国会前で闘う学生や市民を「あいつら過激派だから逮捕してくださいよ」と警察に懇願した、あの許しがたい大罪が、今警察の翻意によって、しばき隊に襲い掛かっているのだ。彼らは可及的速やかにこれまで展開してきた運動の過ちを反省し、総括すべきだろう。

問題とする社会現象のすべてに「ヘイト」の冠をつけて語ろうとする無理無茶に早く気が付くべきだ。綱領なき(しかし暗黙の病理的体質を持つ)運動は、一度解体をして再構築するしかないだろう。

そうでなければならない理由のカギが『反差別と暴力の正体』には詰め込まれている。残部僅かである。一刻も早く書店へ!

(鹿砦社特別取材班)

『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』(紙の爆弾12月号増刊。11月17日発売。定価950円)

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