『反差別と暴力の正体』は私たちの予想を超えて広く読まれている。編纂に関わった者としてはありがたい限りだ。そして予想通りながら読後感の多くに「正直びっくりした」「何か重たい気持ちが残った」が共通している。本書に綴った事実の羅列は、たしかに性悪の作家が敢えて、最悪の終末を用意した小説のようである。

しかしながら事実はそのように進行し、現在も加害者たちは同様の行為を継続しているのだから手に負えない。しかも一部の人間どもはさらに精鋭化しM君や鹿砦社への露骨な敵意を剥き出しにしつつある。

当該人物の名誉毀損攻撃はすべからく保存してあることは言うまでもない。鹿砦社の「言論弾薬庫」には次々と新型兵器が搬入され続けている。このようなことはわれわれの望む手法ではないが、これ以上の攻撃が続くようであれば、小型の迎撃ミサイルの1発くらいは発射せねばならない局面がやって来るかもしれない。

事件の周辺では、どす黒い思惑を持った連中が蠢いている。その中でまた不思議な動きが先日あった。M君に対して、驚くべき〈裏切り〉を行った趙博(通称パギヤン)が知人を介してM君に「会いたい」と打診をしてきたのだ。

仲介を依頼された知人はM君を助ける立場で一貫した発言を続けている方であり『反差別と暴力の正体』に仮名で登場する方だ。謎解きのような気分でツイッターを「ネットパトロール」して頂ければ、読者諸氏にもその書き込みは容易に発見することが可能だろう。ただ膨大な書き込みから当該箇所を見つけるのには骨が折れる作業なので、書き込まれたのは12月1日とだけ、ヒントを差し上げておく。

この書き込みの中で当該の方は「パギやんが謝罪を行ったのは、彼がツイッターの事情がよくわからないまま暴力事件のまとめサイトを作ったことで、ひどいツイートを集めてしまったことで混乱を招いた点について謝罪したのであって、事件への批判について謝罪をしたのではないということです。つまり印象操作です」と書いておられる。しかし事実は違う。「事件への批判について謝罪をしたのではない」は嘘だ。証拠を示そう。下記の趙博による《■李信恵さんへの謝罪文■》をご覧いただきたい。これは本年5月7日に趙博自身が当人のフェイスブックに書き込んだものだ。

この中で趙は、
「5月5日の会談で、私の『確信』はすべて根拠のないことが充分にわかりました。傷つき孤立しているCさん(著者注:M君を指す)を思う余り、私は彼の情報だけを頼りにしてきたのです。しかし、今その誇張と虚偽が判明した以上、私は李信恵さんに謝罪するしかありません(以下略)」
と書いている。

趙博による■李信恵さんへの謝罪文■

趙博による■李信恵さんへの謝罪文■

 

 

  
趙は事件後自ら「事件のことを知りたい」とM君に接近してきて、表面上は親身にM君のことを心配し、M君も趙に信頼をおいていた。しかし、5月初頭に趙は上記にある通り、腰を抜かすような〈手のひら返し〉を行う。この時も趙はM君を自分の事務所に呼び出し、何らかの話をしようと企図していた。過去に支援してもらった恩義を感じていたM君も「男と男の話をして来ようと思います」と趙の誘導に乗りかけていたが、取材班と松岡がそれを思いとどまらせた。当時松岡と趙の間で交わされたのが、下記のやり取りだ。

▼2016年5月6日 18:52 (※趙博から松岡及び複数の人たちに送られたメール)

昨日、李信恵とじっくり話しました。先ず、信義の問題として私が謝罪します。次に、被害者たるM君(著者注:元文ではM君の本名)の誇張と嘘がはっきりしました。今日、彼と会う約束でしたが「精神的にしんどいので日を改めて欲しい」とのことでした。僕は逃げたと判断します。ともあれ、大阪の運動を潰すわけにはいかないので、僕が悪者になります(笑)。李信恵たちとの信頼関係は全然壊れていませんので、ご心配なく

▼2016年5月7日 7:31(※趙博への松岡からのメール)

趙 博 様
拝復 メール拝受いたしました。 人の心の変わりようとはこんなものかと驚くばかりです。残念です。30年余りの付き合いのある私の親友も「わからんなあ」と頭を抱えておりました。 M君は真に趙さんを信頼していたんですよ。一夜でガラッと趙さんの態度が変わり、彼の精神的打撃は察するにあまりあります。何か一夜で趙さんが心変わりするほどの重大なことがあったのでしょうか? M君は直前まで趙さんに会いに行くつもりでしたが、私たちが止めました。彼が逃げたのではなく私たちが逃がしたのです。一昨年の12月、何かあると察し逃げていれば、くだんのリンチ事件は起きなかったわけで、今回も何か起きそうな予感がしましたので、会いに行くのを止めた次第です。特に精神的に参っている中で一人でのこのこ出かけていけば、自らの意に沿わないことにでも従わざるをえなくなりかねないからです。趙さんはどういう意図で彼を呼ばれ何を話されようとしたのでしょうか? 「誇張と嘘」──趙さんはこれまでM君の「誇張と嘘」に騙されていたんですね? また、私たちも彼の「誇張と嘘」に騙されているのでしょうか? 彼の「誇張や嘘」とは具体的にどのようなことでしょうか、教えてくだされば幸いです。 果たしてM君の「誇張と嘘」とはいかなるものか、臭いものに蓋がされることなく、裁判や報道などで、その〈真実〉が明らかになることを願ってやみません。 李信恵さんら加害者3人の謝罪文、事件翌朝の悲惨な写真、録音テープなどもあるのに、M君に「誇張や嘘」があるとは到底思えません。 私もこの歳になると争い事や暴力の匂いがあることから避けたいと思い生きてきたところ、ひょんなことで、この問題に関わるようになりましたが、これだけの証拠もあるのに「誇張や嘘」があると言われると、逆に私は〈真実〉を知りたいと思います。この件に限らず、私の信条として、あくまでも被害者や弱い立場の者の側に立ち、今後も陰に陽にM君をサポートしていく所存です。 趙さんは近々に「謝罪文」を出される由、大きな関心を持って拝読させていただきたいと思っています。 趙さんの更なるご活躍を祈っています!

敬具
5月7日 鹿砦社 松岡利康

その時、趙博に多大の期待をしていたM君のみならずわれわれの驚きと落胆は大きかった。この悔しさは忘れることができない。

5月のGW前後、4月28日に『週刊実話』がM君リンチ事件のことをコラム記事で小さく報じたところ加害者側が『実話』に抗議、『実話』はあえなく「謝罪・訂正文」をそのHP上に出し形勢逆転、機を見るに敏な趙は、それまでの勢いはどこに行ったか、加害者側に寝返った。その後、高島章弁護士や『世に倦む日日』らが、李信恵らの「謝罪文」、辛淑玉文書、そしてリンチ場面の生々しいテープ起こし、リンチ直後のM君の顔写真らを公開、一気に形勢再逆転、さらにくだんの『ヘイトと暴力の連鎖』『反差別と暴力の正体』出版によって形勢はM君側に大きく傾いてきている。そうした情況での、今回の「話し合い」の申し出、いくらなんでも虫が良過ぎるのではないだろうか!? 他のところでも、趙の似たような言動の情報が寄せられているが、風見鶏はやめろと言いたい。

趙博は「浪速の歌う巨人」と自称しているが、一連のコウモリ的行為を表するならば「浪速の謡う虚人」と言われても仕方ないのではないか。どれだけM君の精神を無茶苦茶にすれば気が済むのだ。

われわれ取材班は趙博の裏切りの連続に、たとえようもない腐臭を感じる。

(鹿砦社特別取材班)

在庫僅少『反差別と暴力の正体――暴力カルト化したカウンター-しばき隊の実態』

重版出来『ヘイトと暴力の連鎖』!