◎司会
◎伊東北斗(芸能記者) 
◎ミスターX(中堅放送作家)

 

商業出版の限界を超えた問題作!

◆なんだったのか、石田純一の都知事出馬会見

伊東 「消された」といえば、石田純一の都知事出馬会見こそが、なんだか知らないうちに野党が話をうまくつぶして、鳥越俊太郎を担ぎ出したということがあった。

ミスターX 石田は出馬会見で「野党統一候補に私をしてくれれば、出馬してもいい」と会見。上から目線で民進党や共産党をあおって「ふざけるな、つぶせ」という話になった。片岡 あのときは、石田純一がCMやテレビ番組のペナルティを払う寸前に出馬を取りやめ。あれもなにか中途半端な決意でますます政治離れが加速していった印象です。蓋をあければ、ただたんに奥さんの東尾理子が「当選しても落選してもどちらにしても茨の道になる。覚悟はあるの?」とセリフにだまりこんだとか。

伊東 そもそも「不倫は文化」と言い放つタイプで、独特の日本語を話すから記者が彼の言葉を理解するのにすごく時間がかかった。そんなので都民に政策や情熱が伝わるわけはない。記者会見がすごく下手だ。

◆とびぬけて好印象だった「TOKIO」山口達也

 

[増補新版]ジャニーズ50年史(ジャニーズ研究会)

ミスターX 最近は「記者会見スキル」というのが定着したね。言い換えれば「記者の追求をごまかす」というスキル。

伊東 ファンキー加藤が親友のアンタッチャブルの柴田の奥さんと不倫して、「記者会見での対応が真摯」「慰謝料を一括で払った」と変にヒーロー扱いされているのが気持ち悪かった。また、その直後に三遊亭円楽も不倫して謎かけでマスコミをたのしませるなどして「大人の記者会見」が評価された。

ミスターX 不倫という不道徳が責められるべきなのに、記者への対応の良しあしでなんとなく「罪の深さ」が決まるのは本質からずれているような気がしています。「TOKIO」の山口達也も「なんでも聞いてください」とさわやかな会見をして、記者がひとりひとり帰るのを見届ける礼儀のよさ。これで悪く書けなくなったという(笑)。

伊東 山口の場合は、とっくに別居していましたが、奥さんが「ほかに女を作らないように」と近所に住んで監視していたというちょっと不気味な夫婦生活が長く続いていました。

ミスターX まあ山口は人となりもいいですし、三十路にはもてる。キャバクラでも「山口さんて優しい」ともてまくっていましたからね。銀座の高級クラブで記者というと「山口くんを連れてきて」と三十路近いホステスにいわれることも。とびぬけて好印象です、はい。

◆高畑裕太のレイプ未遂事件

伊東 正反対なのが、高畑裕太のレイプ未遂事件です。あれは被害女性が男に相談した直後、すぐに逮捕となった。「これは事件にしよう。警察とマスコミを呼べ」という段取りで母親の高畑淳子から金をむしりとろうと瞬間的に段どったのという噂が千里を走った。

ミスターX のちに高畑裕太が警察から解放された映像を見たが、「報道陣をにらんでいた」とされていたが、あれはただ茫然自失としていただけ。だが母親と会うや否や「仕事なくても貯金で暮らせるよね」と確認したというからどこまでもノー天気な体質なんだか。

伊東 高畑淳子クラスになれば、マネージャー的な仕事をやっていれば食えると思う。別に金の心配をする必要はない。

司会 都内の豪邸は完成したようです。

ミスターX あそこも近所から「高畑裕太は住むのかどうか」という問い合わせがけっこう高畑の事務所に入ったようです。なんせ自分の部屋にひとめ惚れした女を力づくで引き込むという強引さ。年頃の娘がいる親御さんなら心配でしょうがないでしょう。

 

『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

◆成宮寛貴の報道で、「俳優を守る」という態度に徹したテレビ朝日

司会 『相棒』(テレビ朝日)などで注目されている伸び盛りの元俳優、成宮寛貴については、告発している男性が「愛憎劇をメディアで展開している」という印象ですね。

伊東 これは『FRIDAY』が第4弾までも準備していて満を持して出したスクープです。僕のところにも、成宮のコカインの話は来ていましたが、「結局、FRIDAYがネタを買ったか」という感想です。つぎからつぎへとテレビ局から成宮の態度が悪い、という話を聞きます。僕も成宮が試写会で足を投げ出して不良っぽい態度をとっている姿を観ました。

ミスターX あのコカイン吸引写真は各週刊誌に持ち込まれたが、なにせ告発者が「コカインをやっていた」という証言はあったが、過去のものであり、麻薬取締法違反は現行犯じゃないと逮捕されないというジレンマがある。

伊東 理論的には「今はやっていません」といえば罪とならない今の法律にも問題があると思うが、どうだろうな。ただ、テレビ朝日は年末に成宮が出ている『相棒』の再放送を断行した。逮捕されていない以上は「推定無罪」であり、再放送をやめる必要はない。このあたりには愛情を感じた。

ミスターX ただどうだろうな。テレビ朝日には「成宮が出ている『相棒』は出すな」というクレームが視聴者センターに殺到していたが、オペレーターは「逮捕されているわけではないですし、放送する価値はあると判断しました」とすでに想定問答を終えたマニュアル対応をしているだけ。テレビ朝日としては大麻取締法違反で逮捕された高樹沙耶の作品が再放送できないから、アドバルーン的に成宮が出ている回を放映して反応を見ているのでしょう。

伊東 テレビドラマだからこうなっているのであって、映画だったら数億で済む話ではないです。撮影してあった映画がないのが不幸中の幸いです。

司会 この時代、繰り返し同じ作品を楽しめるサイトがたくさんあり、そちらのほうの課金も少額じゃないから、重大な問題ですね。

◆ASAK逮捕に見る警察捜査のずさんさ

司会 ASKAが「盗聴されている」と警察に通報して、逆に覚せい剤取締法違反で逮捕された報道は「情報ライブ 宮根屋』(読売テレビ)で「逮捕されそうです」とASKAが話していたのが先で、逮捕があとだったので驚いたです。

伊東 この一報は海外で知りましたが、なんで報道がびしばし出てから逮捕されるのか順番が逆で、そこをメディアが誰も指摘しないのか、不思議で仕方がなかったです。ASKAが「盗聴されている」としている集団は一般的には「妄想」となっているが、万が一、実在したらマスコミは責任とれるのか、という印象です。

ミスターX ASKAの場合は、某暴力団が「余計なことを話すな」というけん制で人づてに「余計なことを言うなよ」というメッセージをさまざまな形で伝えています。その伝え方に問題があったのではないか、と僕は見ています。なにかこう、暗号めいたメールを送るとか、ひと言だけ携帯で言って切るとか。そうした行為を『なぞの盗聴集団』とかんちがいした可能性について僕は追跡しています。

ミスターX でも僕が聞くかぎり、新曲のできはいい。不起訴になって、ライブの話もにわかに聞こえてきた。まあ、「ASKAの話をふっても反応しなくなった」というCHAGEとは二度と組んでやらないと思うけど。

伊東 おもしろい話があって、これはカラオケ配信会社に聞いたんだけど、ASKAが世間をにぎわせるタイミングでは、カラオケで「CHAGE & ASKA」の曲が歌われる回数が激増。「余計な、粉などないよね~」など替え歌をサラリーマンらが楽しむらしい。

ミスターX 「YAH YAH YAH、いまから一緒に、ラリってみようか」とかね。

司会 今年はいずれにしても「不倫にドラッグ」に。芸能界にとっては大殺界でしたね。

伊東 記者にとっては、おいしい状態でしたけどね。

◆紅白スキャンダルと地上波TV「終わりの始まり」

ミスターX 最後は、「第67回紅白歌合戦」の出場歌手が来年1月に記者に確実にマークされる。

伊東 見出しが立ちやすいですから。僕もさる大物歌手をマークしています。

ミスターX 最後の最後までNHKは交渉すらまともにしていないのに「SMAPが出る出る詐欺」を押し通していた。あのまま「出るかも」と期待させて視聴率を稼ぐ作戦だったのは見え見え。そもそも「5人で歌いたくないから解散」なのに、どうして「紅白だから5人で歌おう」という話となるのか。籾井勝人会長はよほど「たつ鳥あとを濁しまくり」でNHKスタッフの評判は最悪。早く退陣してくれ、と現場社員たちは指折り数えていますよ。

伊東 元三菱商事副社長で、経営委員の上田良一氏が今度のNHK会長だが、「NHK離れが激しい」世間の信頼をどこまで取り戻せるかが注目したい。

ミスターX まあ、民放局が元気がなくて、脚本家も地上波を見切って独自に番組を作り始めたオンラインテレビ局「Netflix」や「Hulu」などに企画をもちこみはじめた。制作会社も「ネット番組のほうが予算が出るかも」という見方を始めている。

伊東 いよいよ、地上波が「終わりの始まり」かな。

司会 そんなわけで今年もさまざまなビッグニュースが飛び出すかも。みなさん、そのときは、濃い取材や情報提供をよろしくお願いします!

(伊東北斗)