あけましておめでとうございます。
本日より、デジタル鹿砦社通信を再開いたします。

昨年は、東日本大震災と福島原発事故という、未曾有のできごとが日本を襲いました。
被災者たちの苦しみを尻目に、政争に明け暮れる政治家たち。安全の手だてを怠った全くの人災である原発事故に関しても、東京電力、原発を推し進めてきた政治家たちが、何の責任もとらずに居直っています。「原発は安全だ」と言い続けてきた学者たちも同様です。

昨年明らかになったのは、そんな負の面だけではありません。
数多くの人々が、自分に何かできることはないか、と被災地にボランティアに駆けつけました。言論で、街頭デモンストレーションで、原発はもうやめようという声が広がりました。デモは大きな広がりを見せ、初めてデモに参加する若者も多くを占めました。ただ単に危険だからやめようというに留まらず、危険なものを一部の人々に押しつけてきた反省、そのことに今まで無自覚だったという自責が、行動の原動力になっていることが伺えます。

世の中を変えるのは、民衆だ。そんな忘れられかけていた言葉を思い出した、1年でもありました。というよりも、信じられるのは、民衆だけなのです。津波で壊れてしまった港や、放射能で汚染されてしまった田畑や牧場を前にして、絶望しかかりながらも、なんとか生きる方向に手を伸ばそうと頑張っている東北の人々の姿が、何よりも強くそのことを訴えかけてきます。

2012年は、その力がより強くなってほしい。
希望のある社会に変わる一歩を踏み出す年に、なってほしい。
読んでくださる皆様にとっても、よい年になるように。
そんな願いを込めて、デジタル鹿砦社通信を再開いたします。

(F.Y)