企業再生支援会社スピードパートナーズが、全日本プロレスを完全買収した。
実質オーナーとなる同社の白石伸生社長(40)が、昨年11月1日に全日本の株式を100%取得。同氏は業界トップの新日本プロレスに「1年で追いつく」と宣戦布告。3年後に4大ドームツアーの実施をぶち上げた。
「プロレスに思い入れがある社長が就任してくれてホッとしています。これからどんどん全日本プロレスを盛り上げていってほしいです」(ファン)

「全日本プロレス」は、1972年(昭47)10月21日、ジャイアント馬場が東京・町田市体育館で旗揚げした老舗だ。
ジャンボ鶴田や天龍源一郎、四天王と呼ばれた三沢光晴、川田利明、小橋建太、田上明ら名選手を輩出。ファンク兄弟もブッチャーも、人間風車ことビル・ロビンソンもいいが、個人的には、ジャンボ鶴田と天龍の死闘が記憶に残る。また、小橋健太のムーンサルトや三沢光晴のタイガードライバーなど迫力ある技も多くの観客を酔わせた。

全日本プロレスは、残念なことに99年にジャイアント馬場が死去し、00年に三沢光晴が率いるノアと分裂した。02年9月に、新日本プロレスを退団した武藤敬司が移籍し社長に就任。現在、3冠ヘビー級王者船木誠勝ら22人が所属。フリーでバーニングの秋山準らが参戦している。内田雅之社長、武藤は会長を務めている。
「しかし、今のプロレスの最大の弱点は、魅力的な悪役がいないこと。今後、個性的なヒールが登場することを願いますね」(ファン)
さまざまな思惑の中で新生「全日本プロレス」がスタートする。老舗の復活に期待したいところだ。

(鹿砦丸)