「ホンダはアイルトン・セナの事故死の後遺症があるせいか、F1への取り組みはなかなか腰が引けていた。だが、エンジン開発を行っている可能性があるのはファンにとってはうれしいニュースだと言えます」(モーター・ジャーナリスト)
F1では、2014年からターボエンジンが復活する。2015年から、エンジン供給という形で、ホンダがF1に復帰を検討している、というニュースが世界を駆け巡っている。

ホンダのレースへの参加は、22歳で独立し、修理工場を経営し始めた創始者、本田宗一郎が自らの手で創ったレーシングカーでレースに出場したことに始まる。1936年にはピストンリングの生産を始めて、修理工場から製造業へ転身、48年にはモーターサイクルの製造を開始し、本田技研工業株式会社が誕生した。いわば「ホンダとレース」はもはや切っても切れない。レースをしないホンダは、本来の姿ではないと思う。

「ホンダは、フェラーリのF1エンジンを開発した技術者のジル・シモン氏とエンジンを開発しています。シモン氏はかつてホンダがエンジンを供給したBAR・F1の創立者が率いる企業で、F1の新ターボエンジンの開発を行った経験もあるだけに、勢いがあるエンジンが組み立てられるでしょうね」(F1ファン)

「日本の自動車が海外で売れなくなってきているからPRをしていきたい」というホンダの戦略も読み取れる。
「韓国や中国の自動車メーカーと対抗するには、高い技術を世界に見せ付けることが大切となる。自動車輸出数を増やしたいのでしょう」(自動車メーカー社員)
かつて「ホンダ・ミュージック」とまで呼ばれた、精緻で早いエンジンがお目見えするタイミングが近い。果たしてハンドルを握るのはどのF1ドライバーだろうか。

(鹿砦丸)