コメンテーターとして出演していた勝谷誠彦氏が、読売テレビの『たかじんのそこまで言って委員会』を降ろされたのは、TPP反対を唱えたことに絡んでのことだったようだ。
一方政府は22日、安倍晋三首相のTPP交渉参加表明を踏まえ、TPP関係主要閣僚会議の初会合を国会内で開いた。

「TPP参加は農家にとって大打撃だ。海外から安い品を輸入できるなら、消費者はこぞって買うだろう」(福島県の農家)
政府はTPPに参加した場合の経済効果について、実質のGDP=国内総生産を3.2兆円押し上げる効果があるとする一方で、農林水産物の生産額は3兆円減少するなどとした試算をまとめている。
「トヨタ、日産などの車メーカーとか、米倉経団連会長の住友化学などはけっこうおいしい思いをするのだろうが、漁業とか農業は大損を喰らう可能性があるね。いったいどうしてこうなっているのか説明を願いたい」(漁業関係者)
政府の試算によると、現在TPPに参加している11か国との間で関税がすべて撤廃された場合、安い輸入品によって消費が増加するほか、工業製品の輸出が増えることなどで、年間で実質のGDPを3.2兆円、率にして0.66%押し上げる効果があるという。

その一方で、コメや小麦、砂糖など主な農林水産物33品目については、関税が撤廃された場合、国産から安い外国産に置き換わるなどして、現在のおよそ7兆円の生産額が3兆円減少するのだ。
「これからアメリカの食品や医薬品だってどんどん輸入されていくはずだ。こうなったらアメリカ産の製品の不買運動でも起きるのではないだろうか。政府としては一定の経済効果があると見ているようだが、誰がなんのために始めたのかね、このTPPってやつは」(食品メーカー社員)

初の日米首脳会談ではアメリカに最大限の譲歩をしてもらい、安倍総理がオバマ大統領に、交渉に「聖域」があるかのようなリップサービスをた。しかし、それを材料に総理は国内の反対派を抑え、交渉参加への道を拓いた。しかしアメリカは「聖域」を保証しているわけではない。すべては交渉をやってみなければ分からない仕組みで、交渉力がなければ「聖域」は守れないのである。

TPP参加で、漁業や農業が大打撃を受ける。バイオコーンや遺伝子組み換えで作られた大豆などが日本の食卓に並ぶのだろうか。
「対抗するには鎖国しかないね。パソコンは東芝、グーグルは見ないでヤフーにする。マクドナルドでなく、モスバーガーでハンバーガーを食べる。そうして国益を守るしかないかも」(会社員)
TPP参加で「純国産」ブランドが生き延びることができるかが試されている。同時に安倍総理の外交力も試されている。今後も目が離せないといえるだろう。

(鹿砦丸)