『真実と暴力の隠蔽』定価800円(税込)

松岡 『真実と暴力の隠蔽』が発売されて3週間になります。予想はしていましたが反響が大きいようですね。

 読者の皆さんもそうだと思うんですが、9項〈「カウンター」周辺のキーマンに松岡が直撃! 明かされる「しばき隊」の内情〉。これはたしかにゲラを読んでいない僕たちも腰を抜かしました。発売直後から吊るし上げ状態の木下ちがや氏の登場と、発言はまさに“爆弾”でしたね。

 でも不思議だよね。木下氏はあれだけ論理的に語っていたのに、「全面屈服」だもんな。かなりキツイ仕打ちを受けているんじゃないかと、心配になるよ。

松岡 それについては先日も書きましたが、木下氏からは私も、教えられることが多かった。会う前までは「しばき隊NO.3」との評判に、私も少し構えてもいましたが、清義明さんとの座談会で、すぐに打ち解けました。

 その超特大スクープを社長がどうやって実現したのかはともかく、木下氏が鹿砦社の取材に出てきてくれたことは高く評価すべきだよ。

 それについての異論は「しばき隊」内部以外にはないんじゃないかな。僕はどうして鹿砦社の取材と解かっていて、木下氏が座談会に参加していただけたのか、その意図を考えるべきだと思うんですよ。野間ら「しばき隊」主流派(?)から、鹿砦社はとんでもない出版社のように罵倒されているわけじゃないですか、連日。リンチ事件関係の書籍だってそれまでに3冊出し、それも3冊とも送っているわけで、鹿砦社のスタンスは明確なわけです。学者である木下氏が既に出していた3冊を全く読まずに、取材に応じてくれたとは考えられない。

 

木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより

 まあ、「木下査問」は見せしめ的に続くのだろうけど、俺たちとしては、彼の発言した事実にこそ注目してもらいたい。それから木下氏から「SOS」が来れば支援は惜しみませんよね、社長?

松岡 もちろん、彼が原則的な助けを求めてきたらその準備はあります。

 木下炎上ばかりが話題になっているけど、『真実と暴力の隠蔽』には同じくらいに重要な情報が満載なんだけど、その存在が薄まっているのが残念ですね。グラビアの1頁目のコラージュだけでも、表現が見つからないほどの「殺意」ですよ。

 それは言えるね。グラビアで言えば、あの比類なく悪質なコラージュもそうだけど、李信恵の無茶苦茶なツイッターへの書き込みや、野間が右翼と仲良く談笑してる写真。さらにはエル金が自己弁護のメールをC.R.A.Cのメーリングリストに送った(これは第6項に掲載)ものへの野間「事件隠蔽指示」メールも掲載した。これらもかなりの資料的価値はあると思うんだ。読者の皆さんには是非「読み飛ばしてほしくない」ポイントとして挙げておきたいな。

 これは書籍とは直接関係ないけれども、金展克さんが「M君リンチ事件」直後に明確に隠蔽を指示した師岡康子弁護士のメールを公表した。これは大事件だよ。岩波書店から『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)を出している弁護士が、「ヘイトスピーチ対策法」を通すためには「暴行被害者の口を塞げ!」と言って隠蔽を図るんだから。「ヘイトスピーチ対策法」は「M君リンチ事件」隠蔽を前提条件として成立した「言論弾圧法」だともう決めつけるしかない!

 そんなに軽いものでしょうか? 師岡康子弁護士は徹底的に「事件隠蔽」に関わった経緯と意図を説明する義務がある。M君に直接謝罪すべきじゃないかと思いますね。

 師岡は今後ターゲットとして追わないといけないね。でも、『真実と暴力の隠蔽』には他にも読み落とされたら困る内容があるじゃない。被害者M君の手記「リンチの悪夢に苦しめられた日々」は、彼が「過酷な経験をしたにもかかわらず、格調高く意見表明をしている」と評価が高いね。

 逆に6項で網羅的に紹介した〈「カウンター」界隈の差別・反人権暴言集〉は、違う意味でインパクトがありますよね。まさか野間が「この糞チョソン人」とか「なんだ南洋土人か」といったド真ん中ストライクの差別表現を使っている人物だと知っていた人は少なかったんじゃないかな。

 A君から見ればそうかもしれないけど、世代の近い俺から見れば、野間の化けの皮なんかちょろいもんだよ。あんな奴がどうして朝日新聞や東京新聞はじめ、メディアに取り上げられるのか?と思うでしょ。答えは簡単。メディアが野間レベルまで凋落している、ということです。もっとまともな人はいくらでもいるのに、わざわざ持ち上げる。まあその辺りの事情は7項〈隠蔽に加担するマスメディア〉で詳しく紹介しているけど。

松岡 発売前から一部を極秘扱いしたのは、やはり間違っていなかったようですね。

 9項がなくても爆弾だらけですからね。

 タイトなスケジュールで編集しているから、誤植やなんかもあるし、そのうちまとめて訂正と修正のお知らせをするとして、『真実と暴力の隠蔽』を出したことにより、またしても新たな大事件が持ち込まれたね。

 正直、暴力事件はもううんざりなんですけれど……。これも酷いですね。

 しかも暴力を振るっているのが大学教授だからな。こいつはもう暴力常習犯と言わなきゃいけない。

 誰なんですか?

 はいこれ資料ね。水曜日までに記事まとめてくれよな、B。

 は、はい……。え! 関西学院大学! アメフト部は日大との問題で、まともだったじゃないですか?

 アメフト部とこの教員は関係ないだろが。酷いだろ?

 「M君」より命危なかったんじゃないですか? 被害者の方?

 可能性は高いね。さあ原稿頼むぜ!

 はい。

松岡 最後になりますが、やはり私も参加した、くだんの座談会が注目を集めてるようですが、6項に掲載したエル金がC.R.A.Cのメーリングリストに投稿したメールは、是非読者に読んでいただきたいですね。エル金が「李信恵さんはM君に(この部分は本文では隠されている)軽くビンタを一発だけしました」と明確に李信恵の暴行を認めた記述をしています。M君が李信恵はじめ5名を訴えた裁判の証拠にも、実は出しているのです。考えてください。これは身内向けのメールですから「嘘」を書く必要はない。M君を悪者扱いするための虚偽はありますが、エル金が身内である、李信恵の「ありもしない」暴力を書く必要はどこにもないですよね。そういう場所で明確に「軽くビンタ」をしたと書いている。これ以上の証拠はないと思いますが……。

 社長、「裁判は水物」って社長が書いてたじゃないですか。その証拠じゃないですけど、大阪地裁であの「世紀の誤判」を出した、長谷部幸弥裁判官が大阪高裁に栄転していますよ。

一同 やっぱり裁判所に期待するのか無理か……(一同嘆息)。

(鹿砦社特別取材班)

『真実と暴力の隠蔽』 定価800円(税込)

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鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541