連続不審死事件で、男性3人への殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)裁判員裁判の裁判員選任手続きが5日あったが、出頭した61人中、半数近い28人が辞退を申し出、うち27人について認められた。

判決予定の4月13日までの裁判員の在任期間が、過去最長の100日だというのだから、それも当然だろう。
辞退が多いことを予想して、さいたま地裁は330人を候補者としたが、調査票から70歳以上の高齢者や学生を除き、249人に呼び出し状を送付していた。
5日に、裁判員、補充裁判員それぞれ6人ずつ計12人が選ばれた。

裁判員には日当が出る。裁判員候補者・選任予定裁判員については、1日当たり8000円以内、裁判員・補充裁判員については、1日当たり1万円以内だ。

学生にとってはいいアルバイトといった感じだが、学生ははじかれてしまった。
抽選に漏れた無職の男性が残念がっていたが、裁判への興味だけでなく、日当への関心もあったかもしれない。

仕事を持っている人なら、1日1万円以上稼いでる者は、よほどの義務感や興味がなければ、辞退したくなるのではないか。
有給休暇をとって裁判に参加した場合は、どうなるか?
これは受け取るのが「日当」であるというところが、ミソ。裁判員の職務に対する報酬ではないのだ。二重に報酬を受け取ることにはならず、何の問題もない。
だがやはり、100日も有給休暇が取れる会社は少ないだろう。

あるいは、日給が1万円に満たない仕事をしている場合は、やってみたいと思うかもしれない。
非正規雇用の多い今、低賃金で社員と同じくらいの責任の仕事をしている契約社員も多い。
そんな場合、休みが取れるのか?
これは休みを取らせないと、会社が違法ということになる。
裁判員制度に参加することは「公の職務」であり、労働基準法第7条で保障されている。
「使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公民の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない」と書かれている。

金銭目的での3人の殺害となると、これまでの判例からは、死刑になる可能性の極めて高い事件だ。
しかも本人は、殺人については否認している。
これを判断する責任の重さから考えると、1日1万円はどう考えても釣り合わない。
「報酬」ではなく「日当」と断っているのは、そういう意味もあるのだろう。

今まで、どんな女性が死刑判決を下されているかは、『女性死刑囚』を読んでほしい。

(F.Y)