楽天は、4月22日付けで國重惇史副会長(68)が「一身上の都合により」辞任したと発表した。同時に國重氏は、子会社である楽天証券や楽天カード、楽天インシュアランスプランニング、楽天生命の取締役、楽天銀行の会長も辞任した。

國重氏は住友銀行出身で、楽天の金融事業や企業買収などで貢献してきたと同時に、ウラ社会やトラブル解決にも長けた「剛腕」であったからだ。まさに楽天が躍進する立役者でありグループの「ナンバー2」「三木谷浩史会長の右腕」だったが、その辞任の理由である「一身上の都合」は、やはり今週発売の「週刊新潮」なのか?

5月1日号の「週刊新潮」には、『人妻を妊娠させた 楽天No.2「國重副会長」愛のメール春夏秋冬』という記事がある。國重は、6、7年前に知りあった43歳の主婦とダブル不倫。愛のメールが暴露された上に、キスをしている写真まで暴露されている。

「まあ、はっきりいって社内の勢力争いに巻きこまれたのでしょう。取締役常務執行役員の島田亨や取締役常務執行役員の杉原章郎などは、社内の人心を掌握している國重にいい思いを描いていなく『次期社長が國さんなんて冗談じゃない』とくだを巻く姿がたびたび居酒屋で目撃されていますから」(楽天関係者)

昨年11月には、國重氏はこの女性に対して暴力沙汰を起こしたため女性は連絡を絶つも、頭を丸めた國重氏の謝罪により2人は復縁。その後、女性は妊娠するが、國重氏が別の女性と浮気していたことが発覚。結果、流産してしまったという。

週刊誌の記者として楽天の不動産取得についてタレ込みがあったとき、裏取りに動いたことがある。楽天の本社では、広報スタッフではなく、國重が顧問弁護士を従えて待ち構えていた。とにかくスキャンダルについては全面否定で、取材内容を録音するという徹底ぶりだった。いくつか裏社会についての楽天が不動産取得に関与した噂が出ており、ひとつでも認めれば記事は掲載予定だったが、あまりにも全面否定するので、記事を見送った経験がある。

國重氏が「書いたら、確実に訴訟します。うちは勝ちますよ」と自信たっぷりに言い放つ。このとき、連絡を入れると編集部は即座に「掲載見送り」を即断したのだ。
のちに、この不動産スキャンダルは、名う手のジャーナリストが追跡して書籍にもいくつか書かれているが、楽天との約束があるので中身については、ここには書かない。

ただ、残念なのは、裏社会とも丁々発止でやりとりができる「やり手」である男がまたひとり、去ったことだ。楽天の広報は「國重は役職を辞任しましたが、まだ楽天グループの社員です」という。愛人を妊ませて暴力をふるったのは事実かどうには興味がない。「裏社会」にも「表社会」にも通じたやり手が消えるのを惜しむ。再浮上を願いたいものだ。

(ハイセーヤスダ)