前回に引き続き、たばこは何でできてるの?ランキングの後半に突入!

◆第6位 糖類

糖類 5-17mg(平均使用重量) 1-2%(シガレット一本あたりを占める割合)

コーンシロップ、デキストリン、フルクトース、ブドウ糖、転化糖、ショ糖、ソルビトールなどが保湿剤・香料としてタバコ葉に添加されている。JTの場合だとタバコ農家から葉を集荷して、ブレンドする際に添加され、乾燥、貯蔵して1年以上熟成するのを待つようだ。

糖類によって、吸わないでおいたままタバコの火が消えなくなる。保湿もするが、燃焼を維持するような役割も持っている。大航海時代にタバコと出逢った西ヨーロッパ各国でタバコの香料添加は始まっているが、中でも砂糖の類を添加した記録が多い。

 

◆第7位 プロピレングリコール

プロピレングリコール 2.6-8mg(平均使用重量) 0.3-0.9%(シガレット一本あたりを占める割合)

 

こちらもなんだか『?』な添加物である。某辞書ペディアによれば、

・無色・無味・無臭で吸湿性の油状液体。
・生物への毒性が低く、無味無臭であることから、保湿剤、潤滑剤乳化剤不凍液、プラスチック中間原料、溶媒として用いられる。
・ 保湿性や防カビ性に富み、医薬品化粧品おにぎりの品質改善剤。
注射剤・内服薬・外用薬の溶解補助剤として調剤に用いられている。
・ 皮膚および眼に対して軽度の刺激性を持つ。低用量では慢性毒性が見られない。

保湿剤・防カビ剤として使用されているということですね。JTの電話の人も、「おにぎり、うどんに普通に使ってるから安全です」みたいなこといってました。モチモチっとした湿潤な感じを維持するんですね。

 

◆第8位 セルロース

セルロース 4-6mg(平均使用重量) 0.1-0.7%(シガレット一本あたりを占める割合)

粒子が絡み合い容易に成型できるなどの理由から錠剤の結合剤の医薬品添加物として広く用いられている。
化学式がC6H10O5で炭水化物の一種。巻紙も同様の成分だが、こちらは結合剤としてタバコの葉の中に添加されているセルロースだ。紙や木のクズがつなぎとして入っているようなものだ。

 

◆第9位 その他たばこ添加物

その他たばこ添加物 0.6-1.6mg(平均使用重量) 0.06-0.1%(シガレット一本あたりを占める割合)

その他ってなによ?ってな話だが、おそらくJTが成分を公開したくない(タバコ添加物表示の義務がない)ものなのだろう。ほんの少量であることから化学合成のケミカル香料などが「その他」としてこの中に含まれているのだと思われる。
電話取材でも、各銘柄の香料の配分に関しては「わかりかねます」の一点張りであった。

 

◆第10位 巻紙のり

巻紙のり 0.2mg(平均使用重量) 0.014%(シガレット一本あたりを占める割合)

JTの巻紙のりの成分は酢酸ビニルですな。これはつまり木工用ボンドのようなものだ。某辞書ペディアによれば、「特徴的な甘い香りを有する」「ヒトへの発がん性が疑われる物質と評価されている」「マウス実験で食道がんを発生した報告があるが、実際にヒトで発がん性を示す証拠は得られていない」。

ヨーロッパのタバコメーカーだと天然のアカシア樹液を原料とした糊が使用された巻紙もあるが、JTではボンドを使っているというわけだ。

第1位 タバコ葉
第2位 フィルター
第3位 水
第4位 巻紙
第5位 グリセリン
第6位 糖類
第7位 セルロース
第8位 プロピレングリコール
第9位 その他たばこ添加物
第10位 巻紙のり

以上がJTで製造している全てのシガレットに使用されている添加物の重量別ランキングである。

 

◆番外編 ハチミツ、ハチミツエキストラクト

ハチミツ、ハチミツエキストラクト 0-2.3mg(平均使用重量) 0-0.3%(シガレット一本あたりを占める割合)

英国には、「The history of honey is the history of mankind. (はちみつの歴史は人類の歴史)」という古いことわざがあるようで。食用、薬用、蜂蜜酒、芳香剤、化粧品など、ハチミツは食べる以外のいろんなことに使われているんですな。タバコ添加物としては砂糖と同じく保湿剤と香料の役割を果たす。

古代エジプトにはキフィーという煉香(お通夜の時に燃やす、お焼香のようなもの)にハチミツを使用していたそうな。

「タバコにハチミツが添加してあるんですよ!」
と聞いたら現代人はびっくり、古代人は納得ってか。

日本で最も売れているシガレットであるメビウス(マイルドセヴン)はハチミツの使用量が多いですから、ハチミツの香りは日本人好みなんですかね。

セヴンスター、ピース、キャビン、わかばなどにもハチミツは使われている。

もっとこういう具体的な銘柄ごとの個性を知っていたら、タバコの楽しみ方も広がるのになあ。やはりタバコ産業に関しては事実上の専売制で、各家庭で手作りするなんてこともありませんから、たばこの工場が何をしているのか想像もつきません。

JTがシガレットをどのように作っているのか、この目で確かめるため、いよいよJTタバコ工場に見学に行って参ります!

◎ランキング前半記事
《紫煙革命09》シガレットは何でできてるの?ランキング前半

▼原田卓馬(はらだ・たくま)
1986年生まれ。幼少期は母の方針で玄米食で育つ。5歳で農村コミューンのヤマギシ会に単身放り込まれ自給自足の村で土に触れて過ごした体験と、実家に戻ってからの公立小学校での情報過密な生活のギャップに悩む思春期を過ごす。14歳で作曲という遊びの面白さに魅了されて、以来シンガーソングライター。路上で自作のフンドシを売ったり、張り込み突撃取材をしたり、たまに印刷物のデザインをしたり、楽器を製造したり、CDを作ったりしながらなんとか生活している男。早く音楽で生活したい。
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