4月18日に、夜9時から、テレビ朝日が放映した「アンサー Answer~警視庁検証捜査官」というドラマを見て卒倒しそうになった。高岡早紀がゲストで出ていてなかなかの芝居をしているではないか。高岡が4月18日に放映されたドラマに出ているということは、テレビ界の常識としてドラマは4、5週間前には撮り終えているから、少なくとも3月中旬には撮影現場にいたことになる。ところが、その時期、高岡周辺では母親が社長を務めている「バニラポット」という会社で投資家たちを焦げ付かせる騒ぎが起きており、「金をだまし取られた」として投資者たちが騒ぎだし、広告塔となっていた高岡が愛知県警に任意で事情を聴かれた、という報道が流れていた。

「スポーツ紙や週刊誌が書いたのは、専務としてバニラポットという会社に参加していた高岡の内縁の夫であるX氏が少なくとも5人の知人からそれぞれ数千万円単位のお金を出させたまま、昨秋から姿を消して連絡がつかないことで、高岡が借金を肩代わりせざるを得ない。だから各メディアは借金返済のための、高岡AV出演を既成事実のごとくおもしろがって書き立てたのです」(スポーツ紙記者)

ネットも含めてスポーツ紙や週刊誌は、高岡がドラマ「アンサー」を撮影していたころ、「高岡は失踪している。愛知県警に事情聴取もされた。ゆえにAV出演の準備か」とこぞって書いた。つけくわえるなら、19日に放映された日本テレビ系の「たぶらかし~代行女優業・マキ~」第3話にもゲスト出演している。
「要するに、各メディアがAV出演か、と騒いでいたころに、高岡はドラマのロケを快調にこなしていたことになります」(芸能プロダクション社員)

確かに、高岡が所属するエイベックスは、高岡の行方を掌握していなかった時期があるようだ。ということは記者からのコメントにも応じられない時期があった。それを差し引いても感じるのは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という芸能記者ムラの精神である。誰かが「高岡は今、内縁の夫の借金を督促されている。危ない」という。その証拠に内縁の夫が詐欺で告発寸前じゃないか→高岡は借金まみれになる→AV出演も近しという愚かな先読みである。だれも真実を突いていないまま、「真実であるかのような」記事が並ぶ。

もう少し解説すれば、高岡の騒動は、タレントを管理しきれないエイベックスの「だらけた体質」を象徴している出来事だともいえる。
「エイベックスは、もはや烏合の衆です。だれもコントロールする人間はいなくて、みんな勝手に動いています。その原因は松浦勝人社長のワンマン経営にやる気をなくしていることもさることながら、タレントをコントロールできる凄腕の番頭格が、ライバル社につぎつぎと流れていなくなってしまっているのです」(テレビ局関係者)

まあマネジメント会社のお家事情は置いておこう。
問題は、マスコミ、もといマスゴミの「一点集中報道」のおろかさだ。
高岡の騒動には、日本人が陥りやすい「ムードに流される体質」が如実に表れている。

「高岡早紀は犯罪に触れるようなことは別に何もしていませんよ。内縁の夫が投資させた相手に訴えられているのは、会社であり、社長である高岡の母です。確かに高岡早紀が広告塔になったのはまずいと思いますが」(エイベックスに近い芸能関係者)
正論である。騒ぐのはもういいかげんにしようじゃないか。
繰り返すが、あらゆる芸能マスコミは、取材対象の女優がドラマを撮影しているかどうかすら、つかんでいなかったのだから。

(渋谷三七十)