国連の大陸棚限界委員会は4月27日、太平洋の4海域を日本の大陸棚として認定した。ここには、沖ノ鳥島がある。「島」が「岩」かで論争が続いていたが、島と認められた形だ。
一方、中国外務省の劉為民報道局参事官は28日夜、沖ノ鳥島は岩にすぎないとする中国側の立場を繰り返し、「国際法に基づけば排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の基点とはならない」と主張した。
中国中央テレビ(CCTV)も、28日夜の報道番組で沖ノ鳥島の問題を尖閣諸島購入問題と合わせて批判的に報じている。

沖ノ鳥島は、東京から 1,740km 南方、フィリピン海プレートのほぼ中央に位置するが、東京都小笠原村に属している。国連による認定の陰の功労者は、石原都知事であるとの声も、ネットでは挙がった。
尖閣諸島購入と相まって、2つの国境警備の任が石原都知事の肩に掛かってくる、ということになるのか。

私が教えているスクールに、「愛国キャバ嬢」の小説を書いている生徒がいる。愛国心の強いキャバクラ嬢、ミホが大活躍する、愉快な物語だ。

沖ノ鳥島は、高いところでも標高数十センチほどしかないので、満潮となると東小島と北小島の2つの頂を残して海に沈んでしまう。
それゆえに中国は岩だと主張しているわけだ。「愛国キャバ嬢」の中では、中国海軍が事故と見せかけて、沖ノ鳥島を爆破してしまう。なくなってしまえば、「島か岩か」の論争もなくなる。
後の動きは現実を反映して、政府は中国から大使を引き上げるなどの抗議をするが、自衛隊も防衛出動せず、米軍も動かない。どこの国の領土もなく、そこは公海でしかなくなったことを誇示するように、中国の軍艦はゆっくりと北上してくる。

これに怒るのが、石原都知事である。志願者を募り、自分の所有するクルーザーやヨットを繰り出し、中国軍艦への抗議を組織する。
先頭で、帆に日の丸が描かれたヨットに乗って、ビキニ姿で怒りの拳を振り上げているのが、愛国キャバ嬢、ミホである。
ミホのナイスプロポーションもあって、この図が世界に配信されると、国際世論で中国を批判する声が大きくなり、中国の軍艦は引き上げていく、というお話しである。

これは小説だが、現実にそういう展開になるかというと、はなはだ疑問だ。
尖閣購入にしても、都の財政を自分のお財布と思っているからするのであって、石原氏が自腹を切るわけではない。大事な自分のクルーザーやヨットを、日本のために使おうなとどいう気はさらさらないだろう。
石原知事が功労者だというのは、いささか疑問なのだ。

(FY)