AV出演強要容疑逮捕の波紋──女優契約規制強化がヤクザ抗争の新たな火種に

今年の6月に「無理矢理にAVに出演させられた」として若い女性が告発、都内の芸能プロダクションの元社長ら3人が労働者派遣法違反(有害業務就労目的派遣)などの疑いで逮捕された件がAV業界に激震を与えている。

このことで火がついた新しい動きがヤクザ界にある。AV女優の「出演する際の条件」が、「山口組分裂」で毎月のように傷害事件が勃発している抗争の「新しい火種」になりつつあるという。

「AV業界には、女優が出演する際に、本当に本人の意志なのか、確認するマニフェストの書類が膨大になった。また『~を強要しない』という文言も散見できる。ヤクザが企業舎弟として、水面下ではびこる業界としては一見して相反する〝コンプライアンス〟が求められるようになって当然『脱ヤクザ』の動きも強まります。女性の権利を守るNPOや弁護士たちが被害の声を拡大していることもあり、メーカーや女優のプロダクションには、『契約解除』の書類が続々と届くようになったのです。これでは販売のノルマが減り、売上げも激減。苦肉の策として、メーカーや女優を預かるプロダクションも『出演保証人』をつけて契約、仮に女優が出演を渋った場合にその『保証人が代償を払う』というシステムです」(AV関係者)

だがそうそう簡単に『女優がもし飛んだ(逃げた)場合に、強面のAV関係者から責任を詰められることがわかっていて保証人になる御仁は、おめでたいか、『下心』がある。

「下心だけではいいのですがライバルの組関係者がわざわざ『出演保証人』を仕掛け人として送り込んできて、揉める火種になっているケースがあるのです」(同)
どういうことか。
「もし女優の取り合いになったとしよう。女優の取り合いで不利な局面に遭っている企業舎弟がメーカーが、自分たちより有利なメーカー相手に『仕掛け人』として出演保証人を送り込む。送り込んだ『出演保証人』が殴られたり、拉致されりしたら、『どう落とし前をつけるのか」とつけこんでシェアを奪い取ることができる。そうしたヒットマンがつぎつぎと『出演保証人』として潜り込んでいるという状態」(同)

この10月9日に、和歌山県和歌山市にある飲食店で神戸山口組『四代目山健組』傘下の『五代目紀州連合会』会長らと六代目山口組『四代目倉本組』系組員が衝突し、『五代目紀州連合会』会長は殴られて死亡。山口組と分裂した神戸山口組は、分裂したとしてもこれまではうまくAV業界では「共存」してきた。メーカーが山口組で、プロダクションが神戸山口組だったしても「利益」が目的なら組んできたが、そんなことは言っていられないほど緊迫している。

「警察庁が山口組と神戸山口組を特定指定抗争団体に指定しそうなんです。これが指定されると、組員はコンビニに行くときでも監視がつく。そうした身動きがとれない状態になる前に、この抗争にケリをつけたいのが両者の本音でしょう」(ヤクザ雑誌ライター)

AVの被害者支援団体にはAV出演に関する相談が120件以上寄せられているという。この状況は実はAV女優たちにとって存外、追い風だ。

「出演したい女優たちのうち『複数の出演保証人を見つけたら、初主演作品はボーナス30万円出す』などしてAV業界サイドも必死さが伝わってくる」(AVライター)
だが、見方をかえれば、AV女優はなにか気にいらないことが撮影などで起きたときに「支援団体に駆け込んでメーカーやプロダクションを訴えれば、出演料とともに、慰謝料をもらえて二重にお得だ」と考える女優が出てくるかもしれない。

「AV女優も出演保証人も、それなりに身体検査を慎重にしないといけない。ただでさえ、出演に神経質なのに、抗争の火種となる可能性があるのは頭が痛い」とAVメーカーのスタッフ。

実際、AVメーカーの売上げは少し下がり始めた。

「もしAV女優の出演が火種になったら、警察もAV業界に目をつけていっそう暴力団関係者は締め出しを食らう。規制に規制が重なり、業界はやせ細る。もしかしてこの業界はぺんぺん草が一本も生えなくなるかも」(同)

果たしてあなたが見ているそのAV女優、『複数の出演保証人』がついているか、それとも『無保証』か。いずれにしても、ヤクザ抗争の新しい火種が、女がよがるAV業界に転がりこんだのは確かだ。

(伊東北斗)

 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!
  とどまることなく繰り返される芸能人の薬物事件! その過去から最近の事例まで網羅した決定版!『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』

出版は「まだまだ喰える」と錯覚すら覚えた東京国際ブックフェア

東京ビックサイトにて9月23日から25日にかけて行われた「第23回東京国際ブックフェア」に行ってきた。

これは、出版社たちが力を入れている本や、印刷技術の最先端を展示するフェアであり、年々、参加する出版社が減っているで今年はどんなものだろうと気になっていたものだ。

◆ 講談社の猫本に見る「一点突破主義」

気になったのは、まずあの天下の講談社が、小説からノンフィクションまであらゆるジャンルの本を出しているのに、「猫関連本」にしぼって、猫本ばかりを展示して勝負してきたことだ。もはやこうした「一点突破主義」でないと出版社は生き残れない。その証拠に、趣味本から旅行本までカバーしている枻出版が横で展開していてそれなりに客を集めていたが、猫本ほどは売れていなかった。

◆「自由価格競争」時代に入った雑誌・書籍

つぎに、特筆すべきは、もはや雑誌や書籍の価格が「自由競争」の時代に入ったのではないか、という点だ。第二出版販売と八木書店が「自由価格本」のコーナーを作っていたが、2、3割安い本が飛ぶように熟れていた。

もはや八木書店が展開しているような自由価格競争は地方のスーパーなどでは常識で「本や雑誌は固定価格」の時代は過ぎようとしている。一部では「時限販売」などと呼ばれているが、たとえば、取り次ぎの日本出版販売は、この夏、「時限販売」と称して、一部の雑誌をテスト的に値引き販売したが、好結果に終わっており、この先も期待できる商売のやりかただ。

このフェアで配布された資料によると、もはや書籍を電子販売している出版社は4割を超えたようだ。
そのわりに「電子書籍は紙の書籍の売上げを埋めない」とする出版関係者が多い。

だが希望はある。過日、山口組弘道会系のヤクザと飲んでいたが、「最近の若いやつが本を読み始めた。やはり極道とてバカじゃあいけない」と話をしていた。

ヤクザこそ、法律に精通し、なんとかして暴力団排除の情勢の中を生きなくては、ならない。

◆出版の世界は「まだまだ喰えるのではないか」と錯覚すらしてしまうフェア

またこの日は、「告白」でデビュー、もはや「イヤミスの女王」となった湊かなえさんが講演、ふだんから世話になっている出版社の担当編集、取り次ぎ担当者、そして営業担当者を呼んで「本ができるまでのプロセス」を参加者にわかりやすく展開していた。

なんと双葉社は、「告白」の映画が決定してきたときに、文庫本が80万冊売れたという前提で膨大な予算の宣伝費をつぎこんでいた。もちろん文庫本は210万部を超える大ヒットとなり、映画も大当たりで38億円を稼ぎ、日本アカデミー賞でも4冠を達成、2010年の興業収入で7位となった。

かくして、出版の世界では「まだまだ喰えるのではないか」と錯覚すらしてしまうフェアだったが「本自体は昨年より売れていない」(参加した版元関係者)という声もある。

世知辛い出版不景気が続くが、やはり200万部突破するようなヒット作を生むべく努力したいものである。

▼小林俊之(こばやし・としゆき)
裏社会、事件、政治に精通。自称「ペンのテロリスト」の末筆にして松岡イズム最後の後継者。師匠は「自分以外すべて」で座右の銘は「肉を斬らせて骨を断つ」。

 7日発売!タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

日本キック連盟の巻き返し──天下布武・武士シリーズ!

豪快なKO勝利もあり、存在感大きかった34歳桃井浩

◎武士シリーズ vol.4
10月2日(日)後楽園ホール17:30~21:15
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

《ハイライト》

◎今年2月、ゴンナパーに判定負け、6月、翔センチャイジムに負傷による棄権TKO負けと白星が無い大和知也が中尾満を圧倒し、エース格の面目躍如。

◎高橋一眞に雪辱果たして王座に就いた村田裕俊が複数団体同級チャンピオンの久世に判定勝利。

◎興味深かった高橋三兄弟次男・亮21歳と佐々木雄汰16歳のルーキー対決。互いに持ち味出した戦いで高橋亮が判定勝利。

◎桃井浩が劣勢の判定負けながら力出し切ったラストファイト。

主要6試合

◆64.0kg契約5回戦

NKBライト級チャンピオン.大和知也(SQUARE-UP/63.75kg)
VS
中尾満(エイワスポーツ/63.85kg)
勝者:大和知也 / KO 1R 2:45 / 3ノックダウン

ローキックのけん制からボディへ右ストレート、更にコーナーに詰め連打でダウンを奪い、巻き返しに出てくる中尾と打ち合いの中、連打で2度目のダウンを奪い、効いていない様子の中尾だったが、仕留めに掛かる大和は連打の中、右ストレートで3度目のダウンを奪い久々の圧倒KOでの完勝。

距離を詰めるにも勢いがあった大和知也のボディブロー
他団体チャンピオン下し、更なる上位を目指す村田裕俊

◆58.0kg契約5回戦

NKBフェザー級チャンピオン.村田裕俊(八王子FSG/58.0kg)
VS
WMC日本フェザー級チャンピオン.久世秀樹(レンジャー/57.8kg)
勝者:村田裕俊 / 判定3-0 / 主審 馳大輔
副審 前田49-47. 川上49-48. 佐藤友章49-48

序盤は久世がムエタイ技で積極的に出てヒジ打ちで村田の額を切ることに成功。後半は村田がローキック主体にジワジワ巻き返し、久世の勢いが衰えるがまま、村田の判定勝利。

勢いの違いが出始めた後半の高橋亮のミドルキック

◆53.7kg契約5回戦

NKBバンタム級チャンピオン.高橋亮(真門/53.6kg)
VS
WPMF日本スーパーフライ級チャンピオン.佐々木雄汰(尚武会/53.6kg)
勝者:高橋亮 / 判定3-0 / 主審 鈴木義和
副審 前田50-49. 川上49-48. 馳50-48

高橋亮は三兄弟の中で最初に王座に就いたNKBとしても有望な存在。佐々木雄汰は16歳でWPMF日本スーパーフライ級王座に就いたスーパールーキー。ムエタイ技で佐々木が上回り、素早さ、ヒジ打ち、転ばしも上手いが高橋は冷静に様子見。3Rには佐々木を空回りさせるキックスタイルの高橋のパンチで佐々木は鼻血を出す。後半に得意とする戦法を活かした高橋が勢いを増した展開で判定勝利。再戦すればまた向上した面白い戦いになりそう。

キックボクシングスタイルの高橋亮が優ったボディブロー
凡戦となったが、一発の破壊力はKOのチャンスもあった田村と西村

◆NKBミドル級5回戦

1位.田村聖(拳心館/72.15kg)vs6位.西村清吾(TEAM-KOK/72.45kg)
引分け 1-0 / 主審 佐藤友章
副審 川上49-49. 馳49-49. 前田50-49

決定打が少ない中、パンチのクリーンヒットが当たると勢い増すかと見入っても、スタミナ切れのパッとしない中、KOを期待した観る側は長い5ラウンドとなった展開。

劣勢が続くもラストファイトを悔いなく戦った桃井浩

◆ライト3回戦

NKBライト級2位.桃井浩(神武館/61.0kg)vs増倉敦(TRY-EX/61.1kg)
勝者:増倉敦 / 判定0-3 / 主審 鈴木義和
副審 馳28-30. 佐藤友章28-30. 前田28-30

桃井浩のラストマッチは増倉に攻められっぱなし。2Rにはちょっと逆転は無理かと思うほど手数が減り、3Rは踏ん張って反撃もスタミナ切れ。しかしラストマッチとしての力を出し切る意地を見せた感動も残りました。

◆NKBフェザー級3回戦

4位.高橋聖人(真門/57.0kg)vs6位.安田浩昭(SQUARE-UP/57.05kg)
勝者:高橋聖人 / 判定3-0 / 主審 川上伸
副審 前田30-27. 佐藤彰彦30-28. 馳30-27

技が多彩な高橋聖人がしだいに圧倒。安田はパンチで出るしかない劣勢に。やや見過ぎで勢い弱まる高橋も攻勢を維持し判定勝利。

※他、5試合は割愛します。

技の多彩さで安田を圧倒した高橋聖人
他団体チャンピオンを意識したアピールの大和知也

取材戦記

「キックボクシング業界がこれから盛り上がっていきますので、いろんな大会に出れるよう頑張ります。他の団体とか他のチャンピオン倒しますので宜しくお願いします。」(大和知也の勝利者インタビュー)

「NKBの盾になって他団体のチャンピオンをバタバタ倒していくので応援お願いします。」(村田裕俊)

 こうした発言が出てきたのは、NKB自体が「KNOCK OUTイベント」を意識したり、交流戦が出来るようになってきたゆえだと思います。この団体の選手にも新たな目標が出来ることで活気が出て来た証しともいえそうです。

「KNOCK OUT」による波紋は団体によって違った形で出ていると思いますが、NKBにおいてもこのように他の選手にとっても同様の意識があるでしょう。初戦は敗れた高橋一眞も再度出場を狙っていることでしょうし、売り出し中の高橋三兄弟の飛躍に期待が掛かります。

武士シリーズVol.5は12月10日(土)17:30より後楽園ホールにて、NKBフェザー級タイトルマッチ.チャンピオン村田裕俊が同級2位.優介(真門)を迎え初防衛戦を行ないます。他団体交流戦を目指す村田が上昇気流に乗った勢いで初防衛を果たせるか期待のかかる防衛戦です。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

 7日発売!タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!
  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

「ピース」綾部祐二ハリウッド進出の「裏事情」

お笑いコンビ「ピース」の綾部祐二が来年春から本格的にハリウッド進出をめざすというが、これには報道されない「裏事情」があるという。

「昨年、第153回の芥川賞を『火花』でとった相方の又吉直樹の扱いが受賞以後はまったく変わり、コンビで一緒にいても、明らかにスタッフが先に又吉に気を使っているのが手にとるようにわかる。受賞以後はライブにしても、テレビ番組にしてもスタッフが又吉に『楽屋は寒くないですか』『ちょっと収録が押して(伸びて)いてすみません』といちいち断りを入れるように。いっぽうで綾部にはそうした気遣いはない。そうした空気を読み『もうあいつ(又吉)とはいっしょにいたくない』『なんか切なくなってくるわ』と後輩芸人や親しい関係者に漏らすようになった」(芸能関係者)

そして1年ほど前から「英会話のレッスンに通うなどして、本格的にハリウッド進出を考え始めた」という綾部は又吉と少なくとも『同格』をめざそうとする姿勢が基本としてある。

「相方と一緒にいると本当に自分が惨めになる」と綾部が漏らし始めるのは受賞後、綾部に対して『又吉先生はどれくらい忙しいですか』と出版関係者が接近して又吉と接触するためのクッション扱いされたり、軒並み親しい文化人が『又吉さんと対談したい』などという話がつぎつぎと舞うこんできたのは事実です。そのたびに綾部はうんざり顔で『事務所に相談を』と返すのですが、表情は暗かったです」(同)

かといって「ピース」としてコンビ間がギクシャクしたわけでも仲が悪化したわけでもない。ルミネtheよしもとなどで行う吉本興業主催のライブは、きちんとこなしていたし,コンビ間の連絡もスムーズにとれていた。

「それは表面的な話。ライブなどで強く突っ込んだり、トーク番組で又吉の知られざる一面を話すと、すぐに『綾部は又吉に嫉妬していると書かれる』と綾部がこぼしていたこともある」(同)

又吉が受賞したとき、その快挙に「相方として嬉しいですよ。でもみなさんが思っている以上に格差が半端ない。不安になってます」と吐露した綾部。

「受賞後に本のオファーも綾部にはたくさんあったが吉本興業に届くのは、『又吉のことを書いてくれ』という企画書ばかり。本人にはかなり見せていない企画書もある。だから吉本としては『なかったこと』として処理されているはず」(同)

綾部が又吉に決意を伝えたのは6月ごろ。又吉はかねて米国進出を勧めていただけに「行ったらええんちゃうん。勝負してきなさい」と即決したと報道されている。
だが綾部が最終的にハリウッド進出を決意したのは、又吉が所属している吉本興業に「綾部がアメリカにいる間、僕がそのぶん稼ぎますからと豪語したのを耳にしたからですよ」とお笑いに詳しい演芸ライターは言う。この話を伝え聞いた綾部は「よし」と即断。すべてのCMと番組を降板する腹を決めた。

昨年の秋に『 別れたら好きな人』(フジテレビ)で昼ドラ主演が決まりこの大抜擢について綾部は「又吉大先生のおかげです。ありがとうございます」と恒例のヨイショをしていたが、実際のところはやるせない気持ちであふれていたはず。

「このドラマでも打ち上げで『又吉先生のおかげでいいドラマに出させていただき』などと語っていたましたが、その目は笑っていませんでした。綾部はいい演技センスを見せることもあるから、ぜひ一発、ハリウッドで当てて帰ってきてほしい」(フジテレビ関係者)という声も。

綾部は又吉作品に「俳優として使ってくれれば」と自虐ネタで笑いをとっていたが、又吉が頭を下げて使いたくなるような役者となるか。

ジャラシーをエネルギーに変えて、『ハリウッドで成功したお笑い芸人』となり帰国する日を夢見て、残した仕事を綾部はこなしていく。

(伊東北斗)

  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

内戦続く南スーダンに自衛隊をPKO派兵する安倍と稲田の悪魔のような真意

ANN2016年10月9日

綿密に注意深く、原則的な悪事は企図され、真意とは全く異なる言辞を纏いながら5年、10年と時間をかけひたむきな準備が進められる。いかなるステップも当初は踏み外されてはならない。まだ、周りには「目」があったのだ。連中がどのように美辞麗句でその一歩を称賛し、また国際社会の一部にも同意を求める働きかけをしても、揚げ足を取られればその野望が水泡に帰す可能性だって無くはなかった。「目」はたしかに奴らの魂胆を見抜き、最大級の注意で凝視していた。

ANN2016年10月9日

◆はじまりの1992年カンボジアPKO

私が今話題にしようとしているのは自衛隊によるPKO活動だ。1992年カンボジアに送られたPKO自衛隊部隊は「日本軍が第二次世界大戦以降、武器を携行して初めて他国に足を踏み入れる」ことに対して、相当の注意と批判を覚悟していた。この場合の「注意」とはカンボジア現地で自衛隊の犠牲者を出さないことと、自衛隊による発砲により、現地での被害者を出さないことだ。もっとも私は憲法を読む限り「PKO」(平和維持活動)などという欺瞞に満ちた名前であれ「海外派兵」が認められる余地など全くないと考え、さらにPKOは本格的軍事行動解禁への一里塚と感じていたから、絶対反対の立場だった。

ANN2016年10月9日

カンボジアでPKO活動を行った自衛隊は小火器(拳銃、小銃)だけを携行し、当然のことながら「戦闘」を前提とした作戦や計画は公的には準備されていなかった。ポルポト政権下でクメールルージュが虐殺を行い収拾がつかないアジアの国、カンボジア。そのイメージが自衛隊の初「PKO」を可能ならしめた理由のひとつにはあろう。確かにカンボジア内戦は混乱を極めた。ポルポト派、シアヌーク派、ヘンサムリン派などが、時に米国、時に中国、ソ連といった大国を後ろ盾にし、隣国ベトナムでの戦争の余波もあり混乱が繰り広げられた。

ANN2016年10月9日

◆南スーダンを知らない私たち

と、カンボジアの混乱とその大雑把な衝突勢力、背後関係については、曖昧ながら語ることが出来るけれども、例えばボスニア紛争や、南スーダンの内戦、あるいはイエメン内戦の理由と勢力構成を簡略にでも説明できる人はどのくらいいるだろうか。シハヌーク殿下と言えばなんとなく顔が浮かび、ポルポト派と聞けば「虐殺」のイメージが定着してはいる。

他方どうして今、南スーダンで内戦が起こっているのか、南スーダンはいつ、どうしてスーダンから独立したのか、その背後で操る大国がどこで、どのような権益をめぐって争いが起きているのか。それらを熟知している人が一体どれほどこの国にいるだろうか。

知られていない。私だって自信をもってとても語ることはできない。地理的にも情報量も「遠い国」南スーダン。だから自衛隊の初めての「戦闘の地」となる可能性の場所として敢えて「南スーダン」は選ばれたのではないかと私は訝る。


◎[参考動画]「駆けつけ警護」判断へ 稲田大臣が南スーダン訪問(ANNnews2016年10月9日)

◆「駆けつけ警護」と「PKO参加5原則」の明らかな齟齬

ANN2016年10月24日

「駆けつけ警護」が間もなく閣議決定されるという。「駆けつけ警護」とは一体どのような行動を指すのであろうか。

防衛白書は、
いわゆる「駆け付け警護」は、PKOの文民職員やPKOに関わるNGO等が暴徒や難民に取り囲まれるといった危険が生じている状況等において、施設整備等を行う自衛隊の部隊が、現地の治安当局や国連PKO歩兵部隊等よりも現場近くに所在している場合などに、安全を確保しつつ対応できる範囲内で、緊急の要請に応じて応急的、一時的に警護するものです。

いわゆる「駆け付け警護」の実施にあたっては、参加5原則が満たされており、かつ、派遣先国及び紛争当事者の受入れ同意が、国連の活動及びわが国の業務が行われる期間を通じて安定的に維持されると認められることを前提に、「駆け付け警護」を行うことができることとしました。

これらが満たされていれば、「国家」又は「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することはないので、仮に武器使用を行ったとしても、憲法で禁じられた「武力の行使」にはあたらず、憲法違反となることはありません。
http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2016/html/nc018000.html

と解説している。

ANN2016年10月24日

しかしこの防衛白書は昨年成立した「戦争推進法案」(正式には安保法制と呼ぶらしい)に立脚したものではない。ここで重要なポイントは「参加5原則が満たされており」の5原則である。外務省によると5原則とは、

1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること
2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。
3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。
4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。
5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/q_a.html#05

と定義されている。

◆「紛争当事者の間で停戦合意が成立」していない南スーダン

ANN2016年10月24日

では南スーダンでは「紛争当事者の間で停戦合意が成立」しているであろうか。してはない。戦闘は続いている。2014年に一旦政府と反政府勢力の間で停戦合意がなされたが、その後停戦合意は崩れ、首都ジェバでは今年夏からだけで300人以上が死亡している(正式な犠牲者数は不明だが戦闘が継続していることは国際的に了解されている状態だ)。

さらに7月11日~12日にかけては、すでに派遣されている自衛隊の宿営地から100mの至近距離で戦闘が行われ、自衛隊は防弾チョッキ、ヘルメットを装着し、身を低く構えていたという。岡部俊哉陸上幕僚長は7月21日の会見で、「宿営地近くでの発砲にともなう流れ弾が上空を通過しているという報告は受けていた。弾頭は日本隊を狙って撃たれたものではないとみている」と「実戦」が行われていたことを認めている。

◆7時間の南スーダン滞在で稲田防衛大臣が掌握した実情とは?

ANN2016年10月24日

稲田防衛大臣は10月8日に7時間だけ南スーダンを訪問し、「(治安が)落ち着いていることを見ることができ、関係者からもそういう風に聞くことができた。持ち帰って政府全体で議論したい」と述べている。わずか7時間の滞在で実情が掌握できるものであろうか。(治安)が落ち着いているというのであれば、南スーダンの政府関係者や、各国のNGOなどと今後の対策について、せめて意見交換くらいはしないものだろうか。

ANN2016年10月24日

私の想像だが、南スーダンの治安状況を鑑みれば「7時間以上の滞在は危険」と防衛省、もしくは政府が判断したのだろう。また、あきれたことに11日参議院の予算委員会で民進党の大野元裕議員の「戦闘ではなかったのか」との質問に稲田は「戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたは物を破壊する行為」とした上で、南スーダンの事例は「こういった意味における戦闘行為ではない。衝突であると認識している」と答弁している。

稲田のこの答弁は注意深く記録され、記憶されなければならない。純粋な言葉の意味において稲田の「戦闘」の乱暴な「言葉の定義変え」は犯罪的である。どの辞書を開いたら「戦闘」の定義を「国際紛争」を前提としてのみ限定しているというのだ。国内における「戦闘」(内戦)は稲田の定義によれば、「戦闘」ではなく、すべからく「衝突」ということになる。内戦はすべて衝突?そんな馬鹿な解釈があるか。


◎[参考動画]稲田防衛大臣、「駆けつけ警護」訓練を視察(ANNnews2016年10月24日)

◆戦闘が継続している南スーダンに自衛隊を「派兵」させるという実績

要するに岡部俊哉陸上幕僚長が7月21日の会見で述べた通り、戦闘は継続している。したがってPKO5原則に照らせば自衛隊の派遣は出来ない。しかし、政権は是が非でも「駆けつけ警護」を伴った自衛隊の「派兵」実績を作りたい。どうするか。言葉の定義を曲げてしまうのだ。現状認識の議論では太刀打ちできない。屁理屈で「治安は安定している」と言い張ったところで、奴らも戦闘が継続していることはわかっている。そこで「言葉の定義変え」だ。近年政権の得意とする常套手段だ。

現状が法制や憲法に合致せずとも政策を通したい。その際法律に従うのではなく、言葉の意味を変えてしまうのだ。そうまでして奴らは何を目指しているのか。日本から距離と情報量の少ない南スーダンで。奴らは自衛隊の犠牲者が出ることをまさか期待をしてはいまいな。「国際社会のために、日本の名誉を守り平和に貢献した尊い犠牲」とか「この卑怯な暴力にひるむことなく、日本は引き続き国際社会で責任ある態度を断固として取り続けてゆく、そのためには憲法についての議論も深めなければならない。国民の皆さんの真剣な議論を期待する」などといった、予定稿が安倍の上着の内ポケットには準備されてはいまいか(錯覚か)。

奴らの策謀の本質を射抜く「目」の力が弱い。「目」はどこに行った(本当はどこに行ったのか私は何となく心当たりがあるけれど)。「目」を取り戻せ!

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

  『NO NUKES voice』第9号 特集〈いのちの闘い〉
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

捜査難航の横浜・大口病院「点滴殺人事件」は本当に殺人事件なのか?

横浜市の大口病院で点滴を受けた高齢の男性入院患者2人が相次いで死亡した「点滴殺人事件」は、表面化してから1カ月以上過ぎても容疑者が捕まらない。テレビや新聞では、警察の捜査が難航している様子が伝えられているが、もうそろそろ、こんな疑問が指摘されてもいい頃だろう。この事件はそもそも、本当に殺人事件なのだろうか――。

事件の舞台となった大口病院(横浜市)

◆思い出される「あの事件」

報道によると、大口病院で点滴を受けて亡くなった2人の入院患者、西川惣藏さん(88)と八巻信雄さん(88)の体内からはいずれも医療用消毒液「ヂアミトール」に含まれる界面活性剤の成分が検出されたという。神奈川県警は何者かが注射器を使って点滴にヂアミトールを混入し、2人を中毒死させたと殺人事件とみて、捜査を展開しているとのことである。

しかし、物証は乏しく、捜査は難航。さらに事件後、ナースステーションにあった約10個の未使用点滴袋のゴム栓部分にも針で刺したような小さな穴があいていることがわかり、そのうちのいくつかからは消毒液の成分が検出され、無差別に患者を狙った犯行である可能性も浮上。そのため、動機から犯人を絞り込むこともできないでいる――。

とまあ、報道されている捜査状況を見る限り、容疑者が検挙されそうな雰囲気はまったく感じられないが、こうした情報から、私の脳裏には、かつて日本全国を騒がせた「あの事件」が蘇ってきた。1998年7月に起きた和歌山カレー事件である。

◆1998年の過ち

夏祭りのカレーに何者かがヒ素を混入し、それを食べた60人以上がヒ素中毒に罹患、うち4人が死亡した和歌山カレー事件では、当初、和歌山県警科捜研がカレーに混入された毒物を青酸化合物と誤認。これにより、無差別の大量毒殺事件という見立てで大々的に報じられ、のちに原因毒物が青酸化合物ではなく、ヒ素だったと判明しても、マスコミはその見立てを改めなかった。

そして事件発生の1カ月後、現場近くに住んでいた主婦の林眞須美(55)が事件前にヒ素を使って保険金詐欺を繰り返していた疑惑が浮上すると、マスコミは一斉に犯人と決めつけた報道を展開。結果、眞須美は無実を訴えながら死刑判決を受けたが、動機は未解明のままで、やがて冤罪疑惑が持ち上がる。そうなってからようやく、毒物に関する知識のない人間には「白い粉」にしか見えないヒ素ならば、犯人は殺害目的ではなく、「いたずら」や「いやがらせ」でカレーに混入した可能性もあるのでは・・・という疑問が指摘されるようになった。

「点滴殺人事件」とか「入院患者連続殺人事件」などと報道されている大口病院事件で、同じ過ちが繰り返されている恐れはないだろうか。

◆「傷害致死事件」の可能性

実際、大口病院事件の捜査が難航する中では、「過去にヂアミトールが人体に注入されたケースは少なく、どの程度の量を投与すると死に至るのか明らかではない」(毎日新聞ホームページ10月23日配信記事)などという報道も出始めた。それはつまり、他ならぬ犯人もヂアミトールを点滴に混入することにより、患者が死ぬとは思いもよらなかった可能性もあるということだ。本当にそうならば殺意は認定できないので、この事件は殺人事件ではなく、傷害致死事件ということになり、想定される犯人像も当然変わってくる。

もちろん、神奈川県警はそういう可能性も踏まえて、捜査を展開しているだろう。しかし、テレビや新聞の報道で「殺人事件」と決めつけられている状態と、「本当に殺人事件なのか」という疑問も提示されている状態では、警察のもとに集まる情報も違ってくる。捜査の難航が続く中、この事件を「殺人事件」と決めつけるのは、そろそろやめたほうがいいのではないか。

大口病院の正面入口の貼り紙。外来診療は現在、すべて休診中

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

 「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

《本間龍08》 完全黙秘「焦土戦術」を展開する電通の本丸にメディアは切り込めるか?

新入社員の労災認定記者会見から始まった電通の激震は、様々な拡がりを見せ始めた。労働局による10月14日の強制調査を受け、将来的な刑事訴追を何としても避けたい同社は、遂に10月24日から22時から朝5時まで全館消灯という、なりふり構わぬ異例の措置に打って出た。

さすがにこれは話題を呼び、テレビを含め多くのメディアで報道された。現実に目の前にある仕事量を減らさずに22時消灯にしても、自宅や他所での隠れたサビ残が増えるだけだが、とにかく目に見える形で労働局や厚労省に白旗を掲げて見せるという、電通一流の派手なパフォーマンスであるといえる。

テレビメディアの殆どはこの22時消灯を論評抜きで伝えていたが、朝日や東京新聞などの活字メディアは、現役や元社員の「サビ残が増えるだけで、何の解決にもならない」という証言を掲載し、その効用に疑問を呈している。


◎[参考動画]電通本社 夜10時に一斉消灯 過労死自殺受け(NHK2016年10月25日)

◆電通が高橋まつりさん自殺にいまだ一度も正式に謝罪しない二つの理由

NHK2016年10月25日
NHK2016年10月25日

しかしこのブログで再三指摘している通り、電通は高橋まつりさんの自殺に関してまだ一度も正式に謝罪していない。また、労働局による強制調査に関しても、公式な見解や会見を開いていない。同社は株式を上場しているれっきとした株式会社であり、ステークホルダーに対する説明責任もあるはずだが、それさえもしていないのだ。

電通自身がスポンサー企業広報に指南している「広報危機管理マニュアル」では、事件や事故に際して企業広報は迅速に情報を公開し、メディアの問い合わせには誠実に対応すべし、と教えている。また、責任がはっきりしている場合は、最高責任者(社長)がきちんと謝罪することが何よりも重要だとしている。それなのに、電通は完全にその真逆をやっているのだ。

これには2つの理由があると思われる。前回も書いたが、電通は高橋さんの自殺に関して会社としての責任を認めていない。認めていないから謝罪など出来るはずがない。だからこそ、広報は「遺族と協議中なので、個別質問には答えられない」と判を押したような回答に終始しているのだ。亡くなってから一年近く経つのに、何を延々と「協議」することがあるのか。

そしてもう一つは、沈黙することによって一切の情報を提供せず、それによってメディアの後追い報道を阻止しようという戦術をとっているのだ。

◆国内メディアを舐めきっている電通

電通は一般消費者を相手にしていないので、多少イメージが悪化しても、ただちに業績に響かない。しかし、謝罪や記者会見を開けば今以上に報道され、労働局の刑事訴追に繋がる恐れがある。さすがに刑事訴追や行政処分となれば、官公庁の競争入札や随意契約から締め出されるから、直接株価に影響する。それを未然に防ぐためには、「情報を提供しないことによる報道阻止」という戦術に出ているのだ。大昔からある、戦争で侵入してきた敵軍に兵糧や水を与えないため、敢えて田畑を焼いて井戸に毒を投げ込む「焦土戦術」のようなものだ。

もちろん、この戦術はメディアを舐めきっている電通だからこそ出来るやり方だ。他の企業なら、情報を出さない姿勢を猛烈に批判されるし、社長は社員の自殺や強制調査の責任を強く問われる。また、社長や自殺した社員の部署責任者への突撃取材なども行われる。しかし、今までの処、電通に対してそれをやったメディアはない。いうなれば今までの報道も、まだまだ堀の外側で騒いでいるに過ぎず、城の本丸には全く切り込めていないのだ。

報道メディアは、本人らの証言が取れない限り、憶測や予想で記事にすることはない。相手はそれを知っていて、黙秘することによって火事の沈静を狙う。そこを、地を這うような取材でひっくり返すことこそメディア側の使命なのだが、「まさかウチに対してそこまではやらないよな」と電通に完全に舐められているのだ。

◆2020年東京五輪の仕切役である電通の企業責任が国会で問われる日

民進党の石橋通宏参院議員(10月25日参院厚生労働委員会)

しかしそれでも、少しずつ「電通によるメディアの統制」という城壁に穴を穿つ動きは拡がっている。3年前にも男性社員が過労死し、労災認定されていたことをNHKが報じ、各社が追随して一斉報道された。

また、厚労省が過去3回にわたり電通を、育児をしながら働きやすい環境づくりに取り組む「子育てサポート企業」に認定していた茶番も明るみに出て、厚労省はこれを取り消す方針だ。さらに14~15年にかけて、東京本社や関西支社での違法な長時間労働があったとして、管轄の労基署から是正勧告を受けていたことも明らかになった。

塩崎恭久厚生労働大臣(10月25日参院厚生労働委員会)

そして遂に国会では、民進党の石橋通宏参院議員が10月25日の参院厚生労働委員会で「厚労省は電通と5年で約10億円の契約実績がある。過労死を出す企業については、状況が改善するまで契約を見直すべきだ」と指摘、塩崎大臣が対処を言明する事態となった。

まさに、このような国会での追及こそ、電通が避けたい「本丸への攻撃」なのだ。労働局による刑事訴追が決定すれば、他の官公庁の業務にも支障が出るし、場合によっては電通社長の参考人質疑もありえる。

刑事訴追を受けるような企業がなぜ広告業界でトップに立ち、官公庁の膨大な業務をはじめ2020年東京オリンピックの仕切役になっているのか。一体、日本の広告業界の構造はどうなっているのか。そしてどうしたら、このような一企業の寡占と横暴を排除できるのか。国民注視の国会の場で追及すべく、メディア各社は臆せず報道を続けるべきだ。


◎[参考動画]2016年10月25日の参議院厚生労働委員会では石橋通宏議員(民進党)が電通と厚生省の契約見直し検討を提起した(電通に関わる質疑答弁は動画09分30秒前後~19分30秒前後まで)

▼本間龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。博報堂で約18年間営業を担当し2006年に退職。著書に『原発プロパガンダ』(岩波新書2016年)『原発広告』(亜紀書房2013年)『電通と原発報道』(亜紀書房2012年)など。2015年2月より鹿砦社の脱原発雑誌『NO NUKES voice』にて「原発プロパガンダとは何か?」を連載中。

  『NO NUKES voice』第9号 好評連載!本間龍さん「原発プロパガンダとは何か?」
  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

任期延長をめぐる安倍晋三と朴槿恵の相違 2021年9月まで安倍政権の悪夢

安倍晋三と朴槿恵。この二人には共通点が多い。最大の相似要素は、ご存知のとおり世襲政治家の末裔であることだ。

安倍は農林大臣などを歴任した安倍晋太郎の息子にして、元首相岸信介の孫にあたる。
朴槿恵は元大領領、朴正煕の娘である。軍事独裁政権で民主運動家を散々弾圧したのが朴正煕であった。

両国の歴史上、朴正煕も岸信介も国民から、決して評価の高い最高権力者ではない。しかし残念かつ不幸なことに、両国は「決して評価の高くない」最高権力者よりも、さらに悪質で劣化の激しいその末裔に、再び大統領、首相の地位を与えてしまっている。

◆朴槿恵は自身の能力不足を露骨に口にしながら任期延長を主張

毎日新聞2016年10月26日
朝日新聞2016年10月24日

そして密儀でも交わしたようにこの二人は最高権力者としての任期延長を主張し始めた。

韓国の大統領任期は韓国憲法により、1期5年までで再選は認められていない。朴槿恵は10月24日「1987年に改正された現行憲法について、「韓国政治は大統領選を実施した翌日から再び次期大統領選が始まる政治体制によって、極端な政争と対決構図が日常になってしまった」と指摘。「(任期5年1期という)大統領単任制で政策の連続性が失われ、持続可能な国政課題の推進と結実が難しく、対外的に一貫した外交政策をとることも困難が大きい」と語った。 ※朝日新聞2016年10月24日 

歴代韓国の大統領で、任期半ばにここまで露骨に自身の能力不足を口にした人物は数少ない。

「大統領選を実施した翌日から再び次期大統領選が始まる政治体制」とはよく言い切ったものである。すべての政治活動は権力闘争の一端だ。しかしその中で最も強い権力を手中に収めている人物が、かような発言を行うのは、韓国の憲法が定める規定に問題があるのではなく、朴槿恵自身の政権運営能力が欠如していることを自白しているに過ぎない。

◆来年3月の党大会で党則改正を正式決定する安倍自民

2014年自民党広報
2012年自民党広報

他方、日本の憲法に首相の任期規定はないが、実質的には衆議院議員の投票により選出されるのが首相であるから、現在の議席数を鑑みれば、残念ながら自民党の総裁任期=首相任期ということになる(勿論政権交代の可能性や自民党分裂の可能性がないわけではないが)。現在自民党の総裁任期は党の規定により「2期6年」(1期3年)と定められているが、8月に安倍はそれを「延長したい」と言い始めた。

当初は党内からも異論があった。岸田外相や石破茂らが疑問や異議を唱えていたが、ついに自民党は10月26日、総裁任期について議論する「党・政治制度改革実行本部」の総会を開き、本部長の高村正彦副総裁が示した現行任期の「連続2期6年」を「連続3期9年」に延長する案を了承した。近く総務会にはかり、来年3月の党大会で党則改正を正式決定する、と発表した。 ※毎日新聞2016年10月26日 

◆状況が大きく異なる日韓首脳「任期延長」
──2021年9月まで安倍政権という日本の悪夢

2015年自民党広報

もっとも二人の目指すもの、「任期延長」は同じでも、その足元の状態は大きく異なる。目出度くも日本は大マスコミが政権批判を行わないので、「暴政の牽引車」安倍の支持率が5割以上もあるけれども、朴槿恵の支持率は10月28日現在18%だ。

相次ぐスキャンダル報道により、国民がその実情を知り得るという点で、日本のマスコミは残念ながら韓国の政権批判機能よりも格段に退行している。朴槿恵が浴びせられるスキャンダルやスクープの数に比すれば、安倍に対しての国内報道機関の批判はなんとか弱く、腰が引けていることであろうか。

そして、朴槿恵の思惑は恐らくは成就しないが、安部の模索する自民党総裁の任期延長は実現するだろう。

仮に安倍がこのまま3期目を全うすればその任期は2021年9月までとなる。悪い冗談、いや悪夢はたいがいにしてくれ。

韓国も日本も少子高齢化、経済状態・財政赤字の悪化、資本の寡占化という同様の問題を擁している。経済規模や人口は日本と異なるけれども中国、朝鮮との関係などより深刻な問題に直面する韓国にはそれでも、大きな変化を望む声が日本よりは大きくある。

2016年自民党広報

大学では学生がストライキに立ち上がり、労組が大規模なゼネストを打ったりしている(こういったニュースも日本ではほぼ報じられない。したがって日本にいるとよほど意欲がなければ隣国の実情もマスコミから知ることはできない)。

18%の支持率という死に体大統領と、是が非でも東京オリンピックを首相で迎えたい、改憲主義、好戦主義首相。不幸な時代には頭脳の貧しい指導者が似つかわしいのか。それとも最悪の時代を迎えるにあたって、この二人を最高権力者の座に導いた有権者こそが指弾されるべきなのであろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

  『NO NUKES voice』第9号 特集〈いのちの闘い〉
 タブーなきスキャンダル・マガジン『紙の爆弾』!

組んだ「相棒」が悪かった? 高樹沙耶大麻取締法違反容疑をめぐる背景人脈

元女優の高樹沙耶容疑者が25日、沖縄県石垣市で乾燥大麻を数十グラム所持していたとして、大麻取締法違反の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に現行犯逮捕されたことを、各メディアが大々的に報じ、メディアやネットはもう〝祭り状態〟だ。

 
高樹沙耶『心の楽園に住む』(2004年集英社be文庫)

高樹容疑者と、同罪で逮捕された同居している男2人は、石垣市の高樹容疑者の自宅で大量の乾燥大麻を隠し持っていた疑いも浮上。報道されていない事実として大麻栽培に絡めて高樹は「移住した石垣島でクラブを設営、大麻フリーにしたいという願望があった」と芸能関係者。

「どこかだまされやすい性格の高樹は、アーティストの中西圭三と離婚して、慰謝料をがっぽりもらったとかんちがいされて投資家やプランナーが寄りついて来ましたが、実際の生活はそんなに豊かではありません。金遣いがとにかく荒かった。高樹はバブル時代に湯水のごとく金を使って遊んでいたタイプで高級ブランドの香水や服には目がなかったようです」(同)

高樹容疑者は5年前に石垣島に移住し、リゾート施設を昨年2月にオープン、自宅では男性2人と暮らしていた。そのうちの男性のひとりに、「クラブ計画」をそそのかされたようだ。石垣島で「大型のクラブを作り、観光の目玉にしたい」と地元のツアー会社にも働きかけていたという高樹だが、まったく一枚の企画書も作らずに相手にされなかったとも。

 
高樹沙耶『マイ・ブルー・ヘヴン』(2003年毎日新聞社)

今年の参院選に出馬するも政策が「医療用大麻の合法化」だったが、これは我田引水で、自分たちが大麻を楽しめるきっかけにすぎないと見られても仕方がない。石垣島の住民も「元女優さんということで観光客が住居を見に来たりしていましたが。私たち島の住民までもが大麻をたしなんでいるのではないかと見られるのがとても嫌ですね」(40代男性)と迷惑の声が多数。石垣島に移住した後、高樹は自身のブログで「大麻草検証委員会」の幹事就任を表明し、島に大麻草を植えたことが発覚、一度は石垣島を追われた。

「参議院選挙に落選してから、高樹は奇行が目立つようになり、明け方の4時ごろに道路をビキニ姿でひとりで疾走していた目撃談もあります。逮捕直前は、かなり大麻にのめりこんでいっていたのではないでしょうか」(同) 

しかし、高樹容疑者は「私のものではありません」と容疑を否定しているという。
「裏社会的にみると、脱法ドラッグが軒並み摘発されて、ドラッグ愛好家たちの大麻に対するニーズが高まって、大麻を売ればすぐに現金になったのは確か。もしも仮に販売まで手がけていたとしたら、かなり悪質だ」(警視庁関係者)

このにわか大麻ブームにのり「大麻を楽しめるクラブ」を隠密にオープンしようとしたとしたら、あまりにも浅はかだ。

ネットでは「大麻の島」などと書き込まれている石垣島だが、実際に、島へのツアーをキャンセルする客も増え始めた。

「じょじょにですが、島へのツアーはキャンセルは出てきましたが、まだ打撃が出るレベルではありません」とJTB関係者。

沖縄県観光協会関係者は「今回の高樹容疑者の事件は石垣島のイメージを悪くしたと思う。観光客数に影響が出なければいいが」と嘆く。また「観光客が減ると思うがやはり今回の事件は痛いか」と「石垣市観光文化課」に聞いてみたが「ニュースで見て残念だと思いましたが、起きてしまったことはしかたがありません」(職員)とのことで声色からがっかり感が漂うのは否めない。

かつて女優としての絶頂期だった80年代に「沙耶のいる透視図」「チ・ン・ピ・ラ」などで摩訶不思議な独特の色香に夢中になったファンや、最近では『相棒』の料亭の女将役での雰囲気ある演技が魅力だったが「大麻クラブ」は絵に書いた餅。もしもクラブを男性がもちかけていて高樹がその気になっていたとしたら組んだ「相棒」が悪かったとしか言い様がない。

(伊東北斗)

  とどまることなく繰り返される芸能人の薬物事件! 過去から最近の事例まで網羅した決定版!『芸能界薬物汚染 その恐るべき実態』
  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!

T-98(今村卓也)がタイのラジャダムナンスタジアムでムエタイ王座初防衛の快挙!

ボディブローもダメージを与える有効技

T-98(今村卓也)が10月9日、日本人として初の(外国人として2人目の)現地ラジャダムナンスタジアムで防衛を果たす快挙、更なる証しに挑戦です。

◆タイ国ラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級(154LBS)タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.T-98(今村卓也/クロスポイント吉祥寺)
VS
挑戦者.プーム・アンスクンビット(タイ)

勝者:T-98 / TKO 3R / カウント8でレフェリーストップ

一瞬の隙を突いたヒジ打ちは要注意。やはり上手い現地のランカー
一瞬、危なかったプームのハイキック
ダメージを重ねたT-98の右ローキック

開始からT-98が右ローキックで、圧力かけるように前へ出る展開。足効かせて勝利を導く狙いがあるような流れでした。プームは、ヒジ打ちのタイミングやハイキック、組んで転ばす技はやはり上手で、後半にいくほど厄介さを感じさせます。

T-98のローキックは見た目地味にもコツコツ強く蹴り続け、ボディブローもヒットさせ、ひとつひとつの攻防に絶対劣勢に立たない、ダメージを与えられる打撃は何でも出す圧力を続けました。

力尽きたプームは心折れた表情で立てず

プームが組んでヒザ蹴りで出てきてもT-98は応戦し負けない蹴り合い。コツコツ蹴り続けた右ローキックで、3Rに最後の強烈な一発を食らって限界にきたプームはあっけなく崩れ落ちてしまい、キツさを表情に出してギブアップ状態。レフェリーはカウント途中で止め、T-98のTKO勝利。

T-98は感じていたプレッシャーから開放されたように喜び飛び跳ね、応援に来ていたリングサイドのファンに手を振っていました。

プレッシャーから開放された喜びのT-98

T-98は6月1日に後楽園ホールに於いて、REEBLS興行でのラジャダムナンスタジアム・スーパーウェルター級級王座挑戦し、チャンピオン.ナーヴィー・イーグルムエタイ(タイ)に判定勝ちし王座を獲得。日本人5人目となるラジャダムナンスタジアムのチャンピオンとなりました。

今回の防衛戦は前チャンピオンのナーヴィーとのダイレクトマッチが予定されていましたが、直前にプーム・アンスクンビットに変更となりました。

これでT-98は現役ラジャダムナン・スーパーウェルター級チャンピオンとして12月5日の「KNOCK OUT興行」に出場し、長島自演乙雄一郎と対戦することになります。

取材戦記

二大殿堂のラジャダムナンスタジアムに対するルンピニースタジアムでは、過去にムラッド・サリとダミアン・アラモスのフランス人選手2人がスーパーライト級で王座に就いています。

ラジャダムナン王座にタイ人以外の外国人が就いたのは過去、藤原敏男(ライト級)、小笠原仁(スーパーウェルター級)、武田幸三(ウェルター級)、石井宏樹(スーパーライト級)、ジョイシー・イングラムジム(ウェルター級)とT-98で6人目。現地ラジャダムナンスタジアムで防衛に成功したのは、ジョイシー・イングラムジム(ブラジル)に次ぐ2人目でした。ジョイシーが2度目の防衛を果たした時の相手がナーヴィー・イーグルムエタイで、ジョイシーが王座返上後にナーヴィーが王座決定戦で奪取していました。

ムエタイ二大殿堂王座は、その王座を奪取すれば、その階級で頂点に就いたと証しとなりますが、真のチャンピオンに達したと認められるには、賭け屋(ギャンブラー)と言われる観衆の大声援による支持が証しとされます。

現地で日本人チャンピオンの手が挙げられる
現地での堂々の防衛で勝者コールを受ける

タイは民族的に身体が小柄で、ボクシング、ムエタイにおいても軽量級が激戦区で、線引きするなら60kgに満たないクラス(スーパーフェザー級)までを指されます。そこで頂点を極めるのは至難の業で、日本人挑戦者も過去7人が挑戦していずれも撥ね返されており、センスや実力があっても獲れなければ無名のまま。その中には梅野源治も江幡ツインズもいます。

60kgを超えると中・重量級であるが故、層が薄いと言われるムエタイ王座ですが、そんな重量級の選手にとって、王座奪取してもより付加価値を付けなければ世間に認めてもらえない厳しさがあります。

T-98がまず目指したのは、「現地で防衛してこそ本物のチャンピオン」と言われる称号で、その第一歩に成功。更には今後、賭け屋の支持を多く受けなければならない難度な道程です。

過去の外国人ラジャダムナンチャンピオン全6人の内、藤原敏男氏は唯一、タイのトップクラスとの現地での激しい試合が賭け屋の支持を多く受けたチャンピオンでした。1977年4月、現地でノンタイトル戦ながら現役チャンピオンに判定勝ちする快挙を果たした後、王座奪取は1978年3月18日の後楽園ホールでしたが、初防衛戦は期間が3ヶ月弱での6月7日、現地ラジャダムナンスタジアム。短い期間で初防衛戦を迎え大声援の中、接戦の判定負けを喫しました。「藤原は勝っていた」という賭け屋の支持も多く、防衛は成りませんでしたが、藤原氏の名声は今も語り継がれるほど、現地のファンも当時のランカーもレフェリーも記憶に残る名選手でした。

藤原敏男氏の知名度には及ばないですが、これに次ぐ実績を残したのが、ブラジルのショイシー・イングラムジム(ジョス・ロドリゲス・メンドーサ)。彼は2013年7月、ラジャダムナン・ウェルター級王座を現地で奪取し、2014年9月、日本で田中秀弥(RIKIX)の挑戦を退け初防衛し、2015年6月、2度目の防衛戦で再び現地でナーヴィー相手に防衛を果たす、現地で獲って現地で防衛する実績を残ました。いずれも技術と駆け引きで優って勝つのは難しいと言われる判定勝ちでした。ノンタイトル戦で緑川創(藤本)も下している、日本でも名を知らしめた選手です。

T-98に懸かる期待は藤原氏とジョイシーの二人を超えること。対戦候補となるジョイシーは現役のトップクラスでいます。前チャンピオン. ナーヴィー・イーグルムエタイも現地での再戦を待っているでしょう。更に日本人同士のラジャダムナンタイトルマッチも計画されているという、日本を含め、外国にも強豪はまだいる重量級です。

チャンピオンベルトという物的証しの上に、一人一人のファンが集まって大群集となるファンの支持力が真のチャンピオンの証しとなり、そこではノンタイトル戦であっても大群衆は注目します。T-98は重量級であっても自身の名声を高める戦いは今後も続き、層が薄いと言われている現状でも、好カードで現地防衛を重ねることが一番価値を残すでしょう。

控室側にある撮影ブースで、応援の旅に付いて来てくれた仲間と記念撮影

《追記》

8月31日(水)、現地でのラジャダムナンスタジアム・ミドル級タイトルマッチで、チャンピオンのコムペットレック・ルークプラバートを4R、ボディブローで倒し、TKO勝利したユセフ・ボーネン(フランス)が、ラジャダムナンスタジアムの外国人7人目のチャンピオンとなっています。

また10月23日(日)、ディファ有明でのREBELS興行で行なわれた、ラジャダムナンスタジアム・ライト級タイトルマッチで、チャンピオンのヨードレックペット・オー・ピティサックを、判定3-0で破った梅野源治(PHOENIX)が、ラジャダムナンスタジアムの外国人8人目のチャンピオンとなっています。

[現地撮影]Mr.Pornchai Udomsomporn (weekly MUAY TU)
[文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

  商業出版の限界を超えた問題作! 全マスコミ黙殺にもかかわらず版を重ねた禁断のベストセラーが大幅増補新版となって発売開始!
  日本最後の遊郭飛田新地、そこに暮らす人びと、数奇な歴史、新地開業マニュアルを取材した渾身の関西新地街完全ガイド!