【急報‼】安倍晋三の暴力団スキャンダル事件を追っていたジャーナリストが、不思議な事故に遭遇し、九死に一生を得た! 誰かが謀殺をねらったのか?

◆安倍総理の暴力団交際・選挙妨害依頼時件

本サイトでは初出かもしれないが、ここにきて安倍晋三の暴力団スキャンダルが再燃している。1999年に下関の安倍総理(当時は衆議院議員)の自宅と後援会事務所が何者かによって火炎瓶放火され、3年後に主犯の会社経営者K氏と暴力団組員が逮捕された事件である。

裁判で明らかになったのは安倍事務所と会社経営者が、下関市長選挙において選挙妨害を謀議したこと。その対価の支払いをめぐって揉め、会社社長K氏が暴力団組員に火炎瓶攻撃を依頼したというものだった。事件から19年になる今年5月に出所してきた主犯の会社経営者K氏が「わしはハメられた。再審をするつもりだ」として、安倍事務所と交わした念書(確認書2通・願書1通)を、事件当初から取材してきたジャーナリストY氏に渡したのだった。K氏は大手週刊誌でも、この事件の裏側にあるものを暴露することになった。

◆忽然と姿を消したK氏

ところが、週刊誌の取材の直前になって、元会社経営者Kは忽然と連絡を断ったのである。そればかりではない。みずからのネットニュースやウェブ媒体で、この事件を報じてきたジャーナリストのY氏が8月7日の夜、不思議な事故に遭ったのである。

Y氏とともにこの事件を取材してきたT氏によると、「Y氏は『新宿のスタジオアルタの地下階段を降りようとしたところ、体が飛ぶようにして転落』したとのこと。右肩骨折、頭部7針を縫う重傷を負い、本人は『誰かに押された記憶はないが、どうしてあんなところで飛ぶのか』と話しているという」Y氏は酒を飲んでいたわけではない。

この事故の一週間前に、Y氏は「誰かの妨害なのかよくわからないが、前のツイートで紹介した安倍首相重大疑惑の講演映像と、公開した3つの証拠文書がブロックされ見えないとのことなので、古い「アクセスジャーナル」の方も紹介しておく。同じものを載せている。拡散願います」と、ツィートしていた。まさに「誰か」が動いているのであろう。ちなみに、Y氏は武富士事件の取材の過程で、自宅を放火されるという体験もしている。総裁選挙を9月20日に控えたこの時期に、こういう事故(事件?)が起きたのは見過ごせない。

◆過去にも記事もみ消しが

上記の安倍晋三暴力団スキャンダルについては、過去に共同通信が記事にしようとしたことがあった。それまで、休刊となった『噂の真相』などで報じられてきたが、これでいよいよ全国的に報道されるはずだったところ、共同通信の上層部が記事を潰したのだった。その背景には、平壌に開設されたばかりの共同通信の事務所に影響があるのではないかと、安倍総理(第一次政権)に忖度したものだと言われている。

その後、月刊『現代』でその顛末が報じられたものの、社会的には「安倍は被害者」ということになっていた。ところが、今回は念書が出てきたことで、安倍晋三および安倍事務所の「反社会的勢力」との交際が白日のもとに曝される可能性があるのだ。この事件のもう一方の主役である暴力団とは、特定危険指定暴力団として、警察庁の最重点壊滅対象となっている工藤會なのである。

その工藤會と「密接交際者」であったタケナカシゲル(「誰も書かなかったヤクザのタブー」鹿砦社ライブラリー)が、次号『紙の爆弾』10月号(9月6日発売)で工藤會の自民党人脈を暴露する予定だ。そこには、思いがけない人物の名前も登場するという。なお『紙の爆弾』が発売される前に事態が動けば、このサイトで詳報する予定だ。

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)

著述業・雑誌編集者。主な著書に『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『真田一族のナゾ!』『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

タブーなき『紙の爆弾』9月号
横山茂彦『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

長州レジームから脱却を! 関良基『赤松小三郎ともう一つの明治維新』の衝撃

◆明治維新の過ちが混迷の原点

安倍政権に牛耳られた日本は、断末魔の様相を呈している。国会内でくりひろげられるウソ、はぐらかし、傲慢な態度。

役人は忖度し、公文書を改ざん=歴史偽造を実行しても甘い処分しか受けていない。一部の金持ちはどんどん肥え太り、貧しい人はより貧しくなる。そのうえ生活保護の削減で、関連する行政サービス(40以上)が低下し、保護受給世帯ばかりかほかの人々の生活も苦しくなる。

完全に日本は分断されている。いったい誰のせいか?
それは「安倍のせいだ」という人が多い。

確かにその通りで、貧困を拡大させ、国の基本法である憲法に明らかに違反する法律(安保法制、秘密保護法、共謀罪など)を次々と制定施行してきたのが安倍政権である。

「個別の問題に取り組むのではなく、安倍政権そのものを打倒しなければならない」

保守的な人まで含めて、この共通認識が定着したのは、安保法制反対運動が起きていた2015年夏頃だろう。

だが、もっと深いところに現在の日本の混迷と危機があるのではないか。それは、明治維新そのものが今日の安倍政権の暴走にみられる日本の危機をもたらせている、ということだ。

 
関良基『赤松小三郎ともう一つの明治維新──テロに葬られた立憲主義の夢』(作品社2016年)

そのことを明示してくれたのが、歴史的名著『赤松小三郎ともう一つの明治維新~テロに葬られた立憲主義の夢』(関良基著・作品社刊)である。

この本が提示することをひと事で言い表すと、こうである。

《江戸時代末期に芽生えた立憲主義・議会制民主主義の夢をテロリストたちがつぶし、彼らが権力を握った。そして維新後に専制政治を打ち立て、第二次大戦の敗戦をも生き延び現在に至り、暴走している》

これを著者は「長州レジーム」と名付ける。つまり、この長州レジームをつぶさないかぎり、国民・住民・市民は安心して寝られない、と筆者は思う。

◆150年ぶりの大チャンス

筆者は、かなり長い期間にわたり、現在の日本社会の問題は、敗戦後の改革が徹底しなかったことに原因があると考えていた。

だから、日本をよりよい方向に改革するには、1945年までさかのぼらなければならない、と。

ところが昨年(2017年)3月、共謀罪に反対する集会の会場で、ある人に出会ったときにハットしたのである。

「もう一回、1945年に立ち返って日本を抜本的に改革しないとダメですよね。72年ぶりの真の政権交代が必要です!」
 
と私がいうと、こんな言葉が返ってきた。

「いや、150年ぶりですよ。政権交代どころか150年ぶりに市民革命の大チャンスがやってきた。世界情勢をみても日本国内を見ても・・。アメリカの支配層も割れている」
 
この「150」という数字を聞いた瞬間、私の頭の中でパチっとスイッチが切り替わったような感覚に襲われた。150年前といえば、明治維新である。

以来、それまで見えなかったものが見え、聞えなかった声が聞こえ、新しい視点や人物、情報などが筆者の視野に入ってきた。

◆歴史から消された巨人・赤松小三郎とは?

その中で出会ったのが、歴史的名著『赤松小三郎ともう一つの明治維新──テロに葬られた立憲主義の夢』(関良基著、作品社刊)に他ならない。

一読した筆者は、声も上げられないほどの衝撃を覚えた。

明治維新150年を目前にして数年前から、明治維新を批判的に分析・批評する本が相次いで出版され、「明治維新イコール善という神話」に強い疑念の声が増しているのは事実だろう。

しかし、この本が突出しているのは、全国民(国中之人民)を対象とした普通選挙で選ばれた議員が構成する議会を国権の最高機関と位置付ける構想を著した人物に光を当てたこと。

その人物とは、信州上田藩の藩士・赤松小三郎であり、彼の思想と生涯を丁寧に追い、現代の日本と照らし合わせたのが、この本なのだ。

赤松の建白書類では、明文化はされていないものの、女子の参政権も認めていると考えられる。江戸時代のことだから、世界最先端の思想と言ってまちがいない。

赤松の構想では、国軍(陸軍2万8000人、海軍3000人)を創設する。最初は武士がその任にあたるが、有能な者を育てたうえ志願制度に切り替え、軍人に占める士族出身者の比率を減らしていく。

国軍とは別に民兵制度も提唱しているのが特筆に値する。一般国民はふだんは各自の仕事を行い、居住地域で教官により定期的に軍事訓練を受ける。訓練は男女平等に課せられる。

著者の関氏は「小三郎が女性参政権を認める立場だったと推定する根拠はここにある」と述べている。

◆「維新の志士たち」がテロでつぶした立憲主義の夢

驚くのは、赤松小三郎の先進的な構想を認める人たちがたくさんいたことだ。つまり、道理をわきまえた改革者たちの間では、立憲主義は常識になっていた事実は「重い」。明治維新前の慶応年間に!

こうした動きをテロで葬ったのが、まさに長州テロリストたち。彼らによる「長州レジーム」が2018年の現在も続いていることが日本の最大の危機ではないか。

維新で権力を握った彼らが、どのように専制支配体制を固め、現在の安倍政権に至ったのか。近代日本の出発点とされる明治維新そのものに誤りがあったと思わざるを得ない。

そして現在、安倍政権は、長州レジームを暴力的に強化しようとしている。長州テロリストの末裔たちが安保関連法制、秘密保護法、共謀罪、刑訴法改悪・・・と違憲立法を強行し、最終的には憲法改正で大日本帝国を復活させようともがいている。

いま、道理のある人間、心ある人間がやるべきことは、長州レジームを終わらせることである。

かなり危険なところに日本は追いやられているが、一発逆転するチャンスが来ている。

なぜなら、多くの人々が「おかしい」と心の底、奥深いところで気づき始めているからだ。

こんなことを思わせる本だ。最後に著者の関良基氏の言をひいておこう。

《近代日本の原点は明治維新にあるのではない。
江戸末期に提起された立憲主義にある》

長州レジームから日本を取り戻すための必読書である。

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本書の著者、関良基氏の講演案内

■8月18日(土)第107回草の実アカデミー■
 
長州レジームからの脱却
2018年のいま、
テロリストたちに葬られた立憲主義を実現させる
 
講師 関良基氏(拓殖大学教授)
日時 2018年8月18日(土)
   13:30開場、14:00開演 16:40終了
場所 雑司ヶ谷地域文化創造館 第2会議室
http://www.toshima-mirai.jp/center/e_zoshigaya/
交通 JR山手線徒歩10分 地下鉄副都心線「雑司ヶ谷駅」2番出口直結
資料代 500円
主催 草の実アカデミー


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▼林 克明(はやし・まさあき)
ジャーナリスト。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、新党結成の動きなどを取材している。『秘密保護法 社会はどう変わるのか』(共著、集英社新書)、『ブラック大学早稲田』(同時代社)、『トヨタの闇』(共著、ちくま文庫)、写真集『チェチェン 屈せざる人々』(岩波書店)、『不当逮捕─築地警察交通取締りの罠」(同時代社)ほか。林克明twitter

『NO NUKES voice Vol.16』総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す
『紙の爆弾』9月号

李信恵氏、木下ちがや氏の「正式和解」の茶番劇を嗤(わら)う        鹿砦社代表・松岡利康

例年にない猛暑のこの夏、例年になくいろいろなことが相次いで起きます。しかし、どれも私たちにとっては悪いものではなく、むしろ快哉を上げるようなもので、一つ起きるごとに勢いが増していくように感じます。例えば直近のものから挙げれば、――

8月6日、13年前に鹿砦社を地獄に落としたパチンコ・パチスロ・ゲーム機大手の旧「アルゼ」(現「ユニバーサルエンターテインメント」)創業者(元)オーナーの岡田和生氏が香港で逮捕されました。これについては本通信8月9日号を参照。

関西カウンターの理論的支柱で、最近も著書を出版した金明秀関西学院大学教授による同僚教授暴行事件について、ようやく大学当局も解決に乗り出し夏休み明けまでに調査委員会を設置することを約束しました。入試が近づき〝第二の日大〟化を懸念する関学はきっと前向きな解決策を取ることでしょう。こちらも本通信でたびたび採り上げていますので繰り返しませんが、関心は大きいですね。

また、金明秀教授が関西カウンターの理論的支柱なら、東京の理論的支柱といえる師岡康子弁護士による、いわゆる「師岡メール」が、これを受け取った金展克氏によって公にされ、「人権派弁護士」によるM君リンチ事件の一端が明らかになりました。こちらも本通信6月7日号をご覧ください。なお、師岡弁護士には質問状を送っていますが、回答期限を過ぎてもなんの回答もありません。「人権派弁護士」ならきちんと答えよ!

ところで、M君が李信恵氏らリンチの現場にいた5人を訴えた民事訴訟の一審判決後しばらく事態は静かに推移していましたが、騒がしくなったのはリンチ事件関係書籍第5弾『真実と暴力の隠蔽』発売直後からです。

特に木下ちがや氏(ハンドルネーム「こたつぬこ」)、清義明氏、そして私の座談会の記事が予想以上の反響で、木下氏は、かつての仲間からも非難轟轟、雨霰の攻撃を受けています。日本共産党に所属するといわれる木下氏、共産党特有の厳しい〝査問〟もあったものと推察されますが、あっけなく屈してしまいました。

 

挙句の果てに何を勘違いしたのか私たちに「家族ならび関係者への謝罪を要求します」とまでの、訳の分からない要求には失笑するしかありません。私たちは一度も木下氏の家族に言及すらしていないのに、どうして家族に「謝罪」しなければならない理由があるというのでしょうか。

また、李信恵氏の側も、これ以上ことを荒げることのできない事情もあったと思慮され、双方の利害や打算で「正式和解」になったものと思われます。〝大人の事情〟かどうか、外部から眺めるとすっきりしない「和解」です。

同書に掲載した座談会は、全体の3分の1ほどで、全体のテープリライトも終えていますし音声データも手元にありますので、場合によったら公開してもなんら構わないと思っています。両氏や周囲がこれ以上ああだこうだ屁理屈をこねるのであれば、いつでも公開する用意があります。

 

それにしても、木下ちがや氏ともあろう研究者――著書もあり、一時は「しばき隊No.3」ともいわれシールズを指揮・指導した人が、こんた体たらくでは、研究者としても社会運動家としても、また人間としても信用されないでしょう。無量光(ハンドルネーム)がいみじくも言うように「終わったな」ということでしょうか。

木下氏は、これから一生涯、このままでは李信恵氏にバカにされながら過ごさなければならないでしょうし、「しばき隊No.3」どころか「No.100(以下)」の地位に甘んじなければならなくなるでしょうが、それでもいいのでしょうか? 木下さん、屈辱を感じないですか?

座談会記事を読まれたならば、私がみずからの都合の良い方向に話を「誘導」(伊藤大介氏)していったのではなく、清義明氏の司会で、木下氏自身が清氏や私に意気揚々と、自説を能弁に語られたものであることはご理解いただけるでしょう。木下氏がそれを〝否定〟するのであれば、あの一連の発言は一体何だったのでしょうか!? 口から出まかせでしょうか? 木下氏は、これまでの様々な発言を、都合が悪くなれば、〝あれは「事実無根」だった〟と仰るのでしょうか?

この件については、M君リンチ事件の現場にもいて、大阪地裁で一番多い賠償金を課せられた伊藤大介氏が私をくどくどと非難されています。

 
 

「諸悪の根源は鹿砦社の松岡」だって!? 言うに事欠いていい加減なことを仰らないでください。伊藤さん、あなたはアレコレ御託を並べるよりもM君リンチ事件について、リンチの現場にいた最年長者としての責任を感じないんですか!? あなたが止めればリンチにはならなかったんじゃないんですか!? 血の通った人間としての対応をすることが先決ではないんですか!? 

今からでも、くだんの座談会で意見が一致した李信恵氏、エル金、凡3人の「謝罪文」に立ち返り、真摯に謝罪することから始めるべきではないでしょうか? 伊藤さん、男だったら、屁理屈を並べて醜く開き直るのではなく潔くなろうじゃありませんか!?

また、池田幸代という、社民党・福島みずほ参議院議員の元秘書だった人も、鹿砦社を非難しています。

 

「鹿砦社のやり方は本当にロクでもない」だって!? だったら、集団で凄惨なリンチをやった人たちはどうなんですか?「本当にロクでもない」のは、李信恵氏や上記伊藤大介氏らリンチの加害者らではないんですか?「わざと社会運動内の仲間割れをするような方向に持っていこうとするのは言語道断」だって!? じゃあ、集団リンチは許されるの? 集団リンチこそ「社会運動内の仲間割れ」ではないんですか? 池田さん、ぜひお答えください。

池田さんは「しばき隊」の活動に深入りし過ぎて福島議員の秘書をクビになったといわれますが、本当はどうなんですか? 沖縄で検挙され家宅捜索も受けたという噂も聞きますが、こちらも事実ですか? お答えいただきたく存じます。

私は木下氏らと座談会を行い(会場は清氏が手配し同氏が司会)、その後、食事し(こちらも高級な日本料理屋を清氏が手配。ちょっと高かったな〔苦笑〕)、さらにはラウンジにまで行き終電近くまで話し込んで、想像した以上に柔軟で話が分かる人だと感じ好感を持ちました。

話の内容もほぼ事実のようで、かつ本質を衝いていて、こういう人が話し合いに出てくればM君リンチ事件も解決の途に就くのではないか、と思った次第です。誤解を恐れず申し述べれば、座談会の後書きでも書いているように、私たちは好意を持って座談会をまとめ、よかれと思って掲載したのです。木下氏には「武士に二言はない」ぐらいの気持ちを持ってほしいものです。

李信恵・木下ちがや両氏が「正式和解」したって、あの時の木下氏の発言からして、どのように「正式和解」したのか、不可解で信じることができません。木下氏も〝あっちの世界〟でしか生きられないと悟られたのでしょうか? 木下氏は、大学の非常勤講師だけでは食っていけなくて、病院の職員をもされているということですが、この病院は共産党系の病院でしょうか? だったら、こちらを辞めたら明日の食い扶持にも困りますよね? 実はそんな卑近な理由かもしれませんが、それだったらあまり自信の持てないことを言わないことですね。

木下氏の発言には、聞くべきところも多々あり、簡単に「謝罪」してほしくありませんでした。

李信恵氏との「正式和解」という名の茶番劇――M君リンチ事件の解決は、また本質から遠くなったと感じざるをえません。いや、大きく逆戻りしたと思います。

本件とは関係ありませんが、冒頭に挙げた岡田和生氏逮捕に至るまで(最初の書籍『アルゼ王国の崩壊』を出版してから)15年もの月日がかかりました。4冊の告発書籍(その後、総括本を2冊出しているので計6冊。最初の本から6冊目まで6年掛かりました)での内容がようやく証明されたと言えますが、これまでリンチ事件関係では5冊の書籍を出版し、ここに来て事件や、その後の隠蔽工作の全貌がはっきりと見えてきました。

まだ2年半です。しかし活字にして残しておけば、例えばロイター通信が岡田の賄賂疑惑を取材するのに鹿砦社の本を読み、ここから私たちに連絡してこられ、私たちも協力しスクープになり、今回の逮捕劇に繋がったように、必ずや心ある方々の目に止まり、将来的に「あそこが日本の社会運動が解体していくターニング・ポイントだったんやな」と評価される時が来るものと信じています。

隠蔽に陰に陽に関わった著名人やカウンター/しばき隊のメンバーらは、口では「反差別」や「人権」を語りますが、裏ではその実態の醜悪さ、偽善者ぶりが明らかになってきました。君たちよ、少しは恥を知れ!「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」にも意地があるぞ!

『真実と暴力の隠蔽』 定価800円(税込)

忘却と記憶 ── 8月15日 何を忘れ 何を記憶し続けるか 

わたしたちは 忘れる能力と 覚える能力を 持っている 
『忘却と記憶』 何を忘れ 何を記憶し続けるか 
それによって生き方が 決まっていくように思うのです

書家、龍一郎先生の手になる、鹿砦社カレンダー8月の言葉だ。

書=龍一郎

8月は、6日、9日そして15日と戦争にまつわる「記憶されるべき」日が続く。「何を忘れ」、「何を記憶」できているだろうか。時代は、社会は、そしてわたしたちは、あなたは、わたしは。「記憶」は能動的な脳の活動で、「このことを覚えておこう」と決めれば、それを忘れないように「記憶」の刻む方法は様々ある。記憶力に自信がなければ大切なことばを紙に書いて、机の前に貼っておけばいやでも目に入るから、なかなか忘れにくいだろう。

他方「忘れる」ことは意識せずとも起こりうる現象だ。その対象に興味や関心、執着せねばいられない事情があれば「忘却」は起きないけれども、自分とあまり関係が深くないと(潜在的にでも)認識していると「忘却」はすぐにやってくる。そしてある種の心の傷に対しては、時間経過による「忘却」が、心理的な防御作用として機能もする。

いつだったか、知人と「戦争」のありさまについて話をしたことがあった。正義感の塊のようであった知人は「戦争」を概念としても、その細部も批判の対象とし、頭の固いわたしよりも、相当注意深く「戦争」を警戒しているようだった。しかしわたしの感覚はやや異なっていた。戦争映画や戦闘場面を記録した、あるいは演じた映画や映像は、戦闘のリアリティーをわたしたちに教えてくれていることは間違いない。けれども今日のハイテク化された戦争は別にして、前時の戦争は毎日、24時間が緊張の連続ではなかったのではないか。とわたしは反論した。

もちろん、1943年以降、国内でも日常が、急激に「戦争」めいたであろうことは知っている。空襲を受け、児童は疎開し、学徒動員まで至れば日々戦争の諸相に彩られていたことだろう。

だがその前、すでに日本が中国で戦争を始めていた1930年代はどうだったであろうか。あるいは真珠湾攻撃を受けた以後、終戦まで米国本国での「戦争」の日常とはどのようなものであったであろうか。おなじ「戦中」にあっても1943-45年の日本と、日本の1930年代や米国の終戦までの日常は大きく異なるのではないか。

遠くの戦場で兵隊は戦争をしているが、本国の市民は戦況を伝えるニュースに、一喜一憂することはあっても、大規模な徴用があるわけではなく、日々食べるものに困るわけではない(凶作による飢饉を除く)。街では夜遅くまで酒場が賑わい、娯楽もある。空襲などは想像もしないし、農民は日々耕作に精を出し、都市の給与労働者は毎日会社に通う。そんな日常だって「戦争中」の一断面である。一見戦争の悲惨さと無関係で、非対称のようなこのような「戦争中の日常」も、わたしは「忘れてはいけないこと」ではないかと感じる。なぜならば、70余年前の話としてではなく、今日時代は1930年代に極めて似た様相を、描き出していると感じるからだ。

もちろん日本はいまどの国とも戦争をしてはいない。けれどもあたかも「次に戦争」が待っているか(あるいは準備しているか)のように、法律も軍備も世論も根拠なく交戦的な方向へと移ろっているからだ。諸法制の戦争準備化については、あらためて述べるまでもないだろう。毎年5兆円を超える軍事費の高止まりも同様だ。世論はどうか?大きな書店に入って『紙の爆弾』が並べられている周辺の月刊誌を見まわしてほしい。どうしてここまで狂信的になりたがるのか、と宗教の匂いすらする右翼系の月刊誌が山積されている。

 
2018年8月8日付け弁護士ドットコム

そしてついに文科省は2020東京オリンピック期間中に「授業を避けてボランティアに参加しやすくするように」大学などに「通知」を出すまでに至っている。(2018年8月8日付け弁護士ドットコム

東京オリンピックでは、11万人のボランティアという名のタダ働きが酷使されることがようやく批判の的になってきたが、文科省が大学などに直接「授業はやめてボランティアを」と働きかけるのだ。形式は「通知」ではあるが、実質的には「命令」に等しい。ここに戦争へつながる「総動員」の事前訓練を見る、と感じるわたしは極端にすぎるだろうか。

小学生から、大学生、そしてもちろんスポンサー企業に関連のある労働者は、きょうも真面目に会社で自分に与えられた仕事をこなす。あなたの会社はなにを作っていますか?あなたの会社はどんなサービスを売りものにしていますか?あなたの勤務する東京都は都民の福利を重視していますか?オリンピックが至上命題のように仕事の軽重が逆転してはいませんか?そしてなによりもこの光景、どこかおかしいと疑う、気持ちの余裕はありますか?

あれよあれよという間に、中国戦線が泥沼化し、敗戦が必定な太平洋戦争に突入したとき、軍人の中にだって「この戦争2年なら何とか持ちこたえるが、それ以上責任は持ちかねる」と明言した海軍指揮官がいた。庶民一人一人の心の中はどうだったのだろうか。戦争をはじめるのは国家だけれども、戦争を遂行するのは庶民である。「何を記憶し続けるか」は人によって重要性が異なろう。わたしは「みんなで○○しよう」というのが嫌いだから、わたしの主観を読者に押し付けたくはない。ひとりひとりが考えよう。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

『紙の爆弾』9月号
『NO NUKES voice Vol.16』総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す
大学関係者必読の書!田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)

開港から40年の三里塚(成田)空港〈18〉支援労働者の立場とは? 航空機用ジェット燃料の輸送をめぐって

学生が観念的で、頭デッカチなのは仕方がないことである。その大半が気分だからだ。どんな雰囲気で闘いに参加するのかは、二木啓孝さんのインタビューを参照(『NO NUKES Voice』最新16号)されたい。もちろん学生にも学生としての生活があり、大学の単位を取れなければ、卒業と就職はおぼつかない。だがその現実を感じさせない、自由な時間が学生生活なのであろう。かく言うわたしは、8年間も大学に在籍した。二度も逮捕されたが処分は受けなかったし、保釈の身柄引受人は在籍する大学の教授だった。学内の主流派の党派とは対立していたが、三里塚の英雄ということで敬意を表されていたように思う。いわく「あれは要塞戦戦士の横山」であると。学生革命家などお気楽なものだといえば、たしかにそうかもしれない。お気楽ではあったが、ずいぶんと犠牲を強いられた記憶はある。「滅私奉公」を「滅資奉紅」と呼び換えても、費やした時間はかけがいのないものだ。ふつうの若者が愉しんだ甘い青春とは、あまり縁がなかったと思う。

ところで、かくもお気楽な学生活動家にたいして、労働者の場合はそうはいかない。78年の開港阻止闘争では逮捕者の6割以上が労働者で、その多くが公務員だったことに、政府自民党は衝撃を受けていた。逮捕された労働者の場合は三里塚の裁判闘争とともに、多くの場合に解雇撤回闘争を強いられた。

 
国鉄千葉動力車労働組合HPより

◆クビを覚悟の生産点の闘争とは?

ところで、労働者の場合は、職場・生産点での闘いが、その試金石になる場合がある。三里塚闘争における鉄道労働者の場合がそれだった。空港および航空機にはジェット燃料が不可欠で、三里塚空港の場合はそれを運ぶのが動労千葉の鉄道労働者たち。つまり支援の最大勢力である中核派が虎の子にしている労働組合なのである。

ここに大きなジレンマが発生する。空港反対運動に参加しながら、空港に不可欠のジェット燃料を運ぶ。だったら、空港の命脈を握っているのだから、空港を機能させないカギになるではないか。と考えるのは単純すぎる。当時はまだスト権のない国鉄(公務員)である。違法なストをやれば必ず処分が待っている。すでにスト権ストや順法闘争などで、大量の処分者を抱えている労組にとって、組合が潰れてでもジョット燃料を運ばないのか、という問題である。わたしの弁護人だったH弁護士は隠れ中核派とも公然たる幹部党員ともいわれた人だったが「動労千葉がジェット燃料を止める? そりゃあ、組織が吹っ飛ぶねぇ」と笑っていたものだ。

 
国鉄千葉動力車労働組合HPより
 
国鉄千葉動力車労働組合HPより

軍艦を修理する反戦労働者

生産点の労働者というのは、かようにジレンマを抱え持っている。たとえば米海軍の横須賀の母港化に反対している造船労働者も、ドックで米艦船の修理をすることになる。海上自衛隊に反対している労働者も、自衛隊艦船の部品をつくることがある。軍艦を修理しない闘い、すなわち職場生産点での反戦闘争をするのであれば、就業を拒否してしまうか? それは無理な注文であろう。横須賀の修理ドックは、そのほとんどが自衛隊の艦船を受け入れていたのだから。同志がいたので、その言葉を紹介しておこう。「ぼくらは自衛隊の護衛艦も修理してるからね。能書きだけで、組合の活動なんてできないんだよ」機関紙の編集部として、彼を取材したときのことである。

三里塚に話をもどすと、反対同盟の農民たちは「動労千葉はジェット燃料を運んでいるじゃないか」「ちっとも、われわれの支援になっていない」と、ことあるごとに指摘したものだ。それに対する、支援党派の動きもあった。社青同解放派がジェット燃料を積んだ貨物車両を襲撃したのである。もちろん鉄道労働者に危害を加えたわけではないが、中核派にとっては労働者の職場を襲撃した、ということになる。この件では現地集会で両派がゲバルト寸前になった。じっさいにジェット燃料輸送を拒否する動労千葉のストライキ支援で、津田沼電車区に行ったことがある。ただし一日だけのストであって、組織を賭けた政治ストができたわけではない。

◆勝利をめぐる戦術とは?

 
レーニン『なにをなすべきか?』

およそ革命運動にとって、最後の勝利(武装蜂起による権力奪取)いがいは、運動の目的は陣地戦である。組織的な地平を獲得する以外には、闘争それ自体はほとんどが敗北であろう。しかし、やがて軍隊のなかに作られた革命細胞が部隊の大半を掌握し、工場がゼネラルストライキで操業を停止する。そしていよいよ、政治危機にさいして革命党本部が蜂起を支持する(レーニン「何をなすべきか」)。もはや警察力では革命の側に組織された軍隊を抑えられず、街頭では政府打倒お民衆蜂起がはじまる。と、ここまで来なければ、おそらく労働者は生産点で政治ストを行なうことはできない。いや、形だけの政治ストなら日本の労働者も経験してきたが、合法的なスト権の行使にすぎない。三里塚闘争は少なくとも、組合の存亡をかけた闘いへの選択肢を提起したという意味で、やはり歴史的な闘いだったのであろう。そこでは、具体的な勝敗をめぐる戦術が明白だったのだ。そのリアルさに、夢みがちな新左翼の活動家たちは魅せられたのではないか。(つづく)

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)

著述業・雑誌編集者。3月横堀要塞戦元被告。主著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)、『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

最新『紙の爆弾』9月号!「人命よりダム」が生んだ人災 西日本豪雨露呈した”売国”土建政治ほか
横山茂彦『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)
『NO NUKES voice Vol.16』総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す

翁長雄志知事逝去と次期沖縄県知事選・現場の危機感

8月8日沖縄県の翁長雄志知事が亡くなった。癌で入院し治療を受けていることは報道されており、先月27日に公の場所に姿を見せたときには、顔の肉もかなり落ちており病状の深刻さがうかがわれた。これほどの体調では、政府との厳しい対立や、次期知事選を闘うことが無理であろうことは明白に思われたので、「沖縄次期知事選に早急に候補者擁立を」を書こうかと思った矢先、67歳で翁長知事は逝去されてしまった。

沖縄県HPより

◆極右政党の代表選びなどより沖縄県知事選挙に注目

 
翁長知事が、台湾東部地震見舞金を贈呈(2月19日)

沖縄を除くと、知事選挙や国政選挙も「なにかが変わる」期待を抱かせてくれる機会ががぜん少ない。ましてや自民党の次期総裁選などに、わたしは全く関心がない。誰が自民党の総裁になろうが、どうせ期待できる変化など起きはしないのだから。安倍でも、石破でも関係ない。自民党内で抜き差しならない亀裂が起こり、自民党分裂か? とでもなれば少しは気がかになるかもしれないが、端からわたしと対局な人たちの集団が、代表選びで(それが不幸にも「首相」選びになってしまう)騒ごうが、揉めようがわたしにはまったく関心がわかない。

加えて自民党総裁選挙は、国民の権利たる投票権が与えられた選挙でもない。極右政党の代表選びに過ぎないのだから、あんなものを大きく報道する意味もよくわからない。「竹下派が自由投票にした」しようが、岸田が出馬しないだの、マスコミの政治部記者にとっては見押すことのできないトピックかも知れないが、この暗澹たる政治状況の中「自民党総裁選挙」どのような意味があるのかを、解説してほしいものだ。

それに対して、翁長知事逝去にともなう沖縄県知事選挙には、注目があつまろうし、わたしも度外視できない。名護市長選挙をはじめ、ここのところ、あの狭い沖縄県には中央からホットラインができたように、利益誘導の直撃弾が投下され、公明党の手の平返しにより、「ドミノ現象」が起こっている。沖縄の知事選は47分の1のできごとではなく、間違いなくマスコミがどのように伝えようがそれ以上の文脈で、国内外からの関心と影響を保持する。

◆「琉球新報」「沖縄タイムス」紙面の風向きが怪しい

 
安室奈美恵さんへの沖縄県県民栄誉賞表彰式(5月23日)

先に故翁長知事のお顔を写真で見たときに、「一刻も早く、次の候補者を擁立すべきだ」と考えたのは、もちろん翁長氏の健康状態が最大の原因であったけれども、理由はそれだけではない。近年「琉球新報」や「沖縄タイムス」の紙面には、登場する必要のない人物らが顔をだすようになり、どうも風向きが怪しいのだ。

沖縄には弁の立つ論者が少なからずおり、彼らこそが「識者談話」を寄せればよいものを、どうしたわけか、わたしからみれば、ほとんど「沖縄」の将来に寄与するとは到底思えない人物たちの登場回数が増している。具体名はあげないが、SNSを中心に本末転倒な主張を展開する、「あの一派」と言えばお分かりいただける方にはご理解いただけるであろう。たまに沖縄に足を運んで「琉球新報」や「沖縄タイムス」を読んでいると「おい、大丈夫か」とイライラすることがある。

◆現場の危機感は増すばかり

まあ、そんなことは表層的な出来事ではある。が、翁長県政を成立させ、稲嶺名護市長を当選させながら、結局のところ、沖縄は日本政府に押しまくられている。もちろん、辺野古で、高江で粘り強い闘いが諦めることなく継続され、全国からの注目や支援も途切れてはいない。けれども県政や知事、市長に基地増設反対派が当選しても、全国から機動隊を動員して、工事は止まらないし、現場の危機感は増すばかりだ。

その背後には他の地域と異なり、極めて順調な沖縄経済の成長があるのではないか、と想像する。この数年で沖縄島に、どれだけコンビニエンスストアが林立したことか。イオンモールが何件オープンしたことか。沖縄を訪れる観光客は年々増加の一途で、空港に到着してからレンタカーを借りるまでの待ち時間は、訪れるたびに長くなっている印象がある。

◆沖縄の自然は美しい。でも、30年ほど前は「もっと美しかった」

 
平成30年沖縄全戦没者追悼式(6月23日)

もちろん沖縄の人々が観光業で潤うのは、結構なことではあるが、沖縄の観光資源は、第一に「美しい自然」であろう。怒涛のように訪れる観光客はエメラルドグリーンの海に、全身日焼け止めを塗りたくって身を沈める。最南端から最北端まで1日あれば悠々移動できる、沖縄島の幹線道路の渋滞は毎日だ。

そして、何よりも気がかりなのはかつて全国1位だった沖縄の寿命が、年々そのランクを下げていることだ。1975年全国1位だった平均寿命は、その後下降の一途をたどり、2017年には35位にまで落ち込んでいる。

様々な分析があり、簡単に結論は出せないが、食生活と生活様式の変化が何らかの影響を与えていることは間違いないだろう。さらに「基地だよ、基地。復帰の時からどれだけ負担が減ったの? 増えてるじゃない。いまは全国の77%だよ」と米軍基地の負担を理由に挙げる県会議員もいる。

[資料]都道府県別にみた平均寿命の推移(PDF)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/tdfk15/dl/tdfk15-03.pdf

沖縄の自然は美しい。でも、30年ほど前には「もっと美しかった」と当時を知る人は異口同音に語る。経済成長は結構だけれども、それで人々の寿命や、自然の美しさが消えてしまったら、なんの意味があるだろうか。

沖縄を汚さないために、今後はなるべく沖縄に足を踏み込むことはやめにしよう、と昨年考えた。だが沖縄への注視をやめるわけではない。何の興味もわかない極右政党と代表選の何倍も沖縄知事選には注意を注ぐ。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

最新『紙の爆弾』9月号
『NO NUKES voice Vol.16』総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す
大学関係者必読の書!田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)

私の内なるタイとムエタイ〈37〉タイで三日坊主!Part.29 ビザ申請と凱旋門

ビエンチャンにあるタイ領事館の門

◆タイ領事館へ向かう

いよいよ旅の本命、ビザ申請に向かいます。

ビエンチャンで泊めて貰うワット・チェンウェー。着いて間もないそのクティに私物を置いて出掛けるのは不安だが、蚊帳類以外、すべての荷物を持って行くのは面倒過ぎる。カメラやフラッシュなども重いが貴重品なので持って出ます。

藤川さんと路地に出ると、すぐにトゥクトゥクの方から寄って来た。タイ領事館まで1500ラオスキープ。ってどれぐらい高いのか分からず、50タイバーツで交渉成立。15分程乗った中、だんだん市内に入ると2ヶ月前に見た風景が蘇えってきます。

ちょっと早めにタイ領事館に着き、14時の開門を待って中に入ると、早速、藤川さんと窓口に並ぶ。ビザ申請用紙をお願いすると、オバサン係員から2枚渡される。

藤川さんと一緒に申請するものだと旅に出る前から思っていたから、藤川さんに1枚渡すが、何やら書く様子が無い。

「何で書かないんですか」と言うと、藤川さんは「ワシは1年ビザ有るから」だと。
「はあ? じゃあラオスまで何しに来たんですか?」と私。
「お前の為に来たんやろが!」と藤川さん。

旅慣れない私を引っ張って来てくれたことには心強く、助かっている。その反面、外泊を渋る我が寺の和尚さんに、私を利用して、たいした用も無いのに旅に出るつもりだったなと思うと腹立たしくなってきた。

「じゃあ余った申請用紙は次に来る日本人の為に参考資料としてとっておこう」と言って頭陀袋に入れようとしたら、藤川さんがサッと奪いやがる。
「ワシかて後に来る友達の為にとっておく」と言う。
「このクソジジイ!何から何までセコいこの野郎!」と思って睨みつけていると、
「早よ書けや!」とフイをついて促される。

凱旋前にて、藤川さんに撮って貰ったが下手糞、トリミングして整える。カメラはコニカのビッグミニ

◆ビザは1年!?

私が申請しようとするノンイミグレントビザは、留学や興行などは3ヶ月という制限があります。更なる長期のビザについては分からないが、藤川さんのような1年ビザは、より難しい条件があるでしょう。

ビザ申請用紙には要請する期間を書く欄があります。
そこで「“1年”って書いてみい」と言う藤川さん。
「いい加減なお役所仕事の奴らは隣の奴とベチャクチャ喋りながら中身をよう見んとハンコ押しよる奴も居るかもしれん。間違うて1年ビザが貰える可能性あるから“1年”と書いてみい!」というものだった。

さすがセコい考え。いい加減な役所仕事の心理を読む、ずる賢い人生の経験値である。しかしお役所の奴らはそんな損なことはしないだろう。少なく間違えることあっても多く間違えることは無い目敏い連中だ。

でも私もちょっとセコい気持ちが沸いて「1年」と書いておく。そして窓口に持って行くと、オバサン係員は「提出は明日の朝」と言う。

「先に言えよこの野郎!」と野郎ではないが心の中で呟く。タイ語にしてもラオス語にしても英語にしても、申請用紙貰った時にこのオバサンはそんな発言は絶対にしていない。

そしてこの翌朝に提出した時は、今度は「2枚書け!」と言う。だから2枚くれたのか。その1枚は藤川さんが奪い取ったから仕方なく、別のオッサン係員に「もう1枚ください」と丁重にお願いします。

ようやく書いて提出すると今度は「何しにタイに残るんだ?」の質問。この黄色い袈裟を見て分からんか、もうムカムカ苛立ちながら応え、「寺のニーモンに呼ばれているから早くして欲しい」と言って手数料500バーツ払ってようやく引換券受取る。

毎度お役所仕事にはイライラさせられる現状であった。ビザ申請までは以上である。

凱旋門近くを車にけん引されるボート

◆ラオス入国者の義務!?

前日に申請用紙だけ貰った後、領事館を出た後、ガイドブック見ていた藤川さんが「凱旋門とタートルアン行こう」と言い出す。

せっかく来たラオス、観光もしておかないと勿体無いが、黄衣を纏っていてはとても観光気分にはなれない。でもせっかくビエンチャンまで来たのだから、まず歩いて近くの凱旋門に向います。

凱旋門はフランスの凱旋門を真似て建てられた、地元では“パトゥーサイ”と言われる記念塔。2ヶ月前は伊達秀騎選手や小林利典選手、アナン会長とこの前で写真を撮ったが、今回は一人黄衣姿で撮りました。

ここからトゥクトゥクに乗って、金色の仏塔のタート・ルアン寺院に向かう。ここも有名な観光地である。ひと通り見たところで藤川さんが、「“ラオス入国者はパックツアーを除いて在住証明を提出しなければならない“とガイドブックに書いてある。入国管理局行こう!」と突然言い出す。

私は面倒で「行かなくても大丈夫でしょう」と応えると、
藤川さんは「じゃあ出国時に何か問題あったら交渉してや?」と言い返して来る。
私は「知りませんよ、そんなこと!!」と怒鳴ってしまった。
藤川さんは「そんなら今行こうや、今分かってしまえば後は楽やろ!」

いつも言ってることは正しいんだよなあ、藤川さんは。でも私に何かワザと面倒なこと言い出すようで、苛立つ気持ちになってしまうのだ。これも修行か。

凱旋門目指す藤川さんの後姿
タートルアンで出会った比丘達と

◆ビエンチャンで出会った比丘たち

そこで入国管理局へ向う為、トゥクトゥクでも止めようかとしていると、走って来たタクシーの運ちゃんらしき人に呼び止められ、「あの比丘が呼んでいます!」と指差された先には二僧の比丘、一僧は紫色の袈裟を纏っている。

「どこから来たの? これからどこに行くの?」と人懐っこく問いかけてくるのは、紫袈裟比丘。もう一僧は背が高く結構若いがラオスにある寺の和尚さんらしかった。

「入国管理局へ行きます」と伝えると付き合ってくれることになり、彼らのタクシーで、入国管理局へ向かいました。ここで「このツアー会社に行って聞いてください」と指されたのは、バンコクで旅行代理店に提出した時に、パスポートにホチキス止めされていた名刺のツアー会社。それはすぐ近くにあるようで、そこへ歩き出したところ、私らを見かけた近くのホテル従業員のオバサンが「ニーモンです」と言ってホテルのロビーへ招かれソファーに座るよう促されました。

我々4僧とタクシーの運ちゃんにまでジュースが出され、私は喉がカラカラで、多分皆同様で有難い寄進だった。それはファンタオレンジの味、着色料バッチリの昔ながらの正にオレンジ色。冷えていて味も懐かしく美味しかった。

ホッと一服できたところで、紫袈裟の比丘先導に短めのお経を唱えると、私にも出来る、日々やっている範疇の読経で、有難そうにワイ(合掌)して聴いているオバサン。こんな寄進に出会った場合に、一人でもすぐ出来る経文は更に覚える必要があると思ったところ。

そしてツアー会社に入ると、御丁寧に紫袈裟の比丘が尋ねてくれて、「2週間以内の滞在は入国管理局への在住申請は要らない」という。ガイドブックは古いもので、すでに改訂されていた様子。面倒でもやることやって問題無いと分かれば、後は安心なのは確かだった。

ここからこの紫袈裟の比丘らのタクシーで、我々の泊まっているワット・チェンウェーまで送ってくれてお別れ。紫袈裟の比丘は明日、タイのウボンに帰るらしい。ここまで付き合ってくれたことには感謝を伝える。優しい奴らで有難かった。また会うことはないだろうが、住所聞いておけばよかった。またウボンに尋ねて行けたら楽しいだろうに。

この後、ワット・チェンウェーの比丘やネーン(少年僧)、デックワット(寺小僧)達との触れ合いにまた感動が生まれていきます。

我々が泊まる寺へ送ってくれた比丘とタクシー
ボロボロのタクシーである

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

最新『紙の爆弾』9月号!「人命よりダム」が生んだ人災 西日本豪雨露呈した”売国”土建政治ほか
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

暑い夏に熱い戦いが繰り広げられたWINNERS 3rd!

石原將伍のパンチで倒すKOへの執念、免れたアムヌアイデット

計量をウエイトオーバーした選手は2名。一人は再計量でパス。もう一人は2kgオーバーで諦めた様子。これだけ暑いと選手は減量がしやすくも体調管理も大変かなと思う夏です。

この日、注目されたのはNKBとの交流戦は3試合。この日は新日本キックの2勝1分となりました。NJKFと日本キックイノベーションとの交流戦も1試合ずつ行なわれました。

◎WINNERS 2018.3rd / 2018年8月4日(土)後楽園ホール17:00~21:05
主催:治政館ジム / 認定:新日本キックボクシング協会

蹴りから入ってパンチへ繋ぎたい石原將伍
パンチの距離になるとすかさず組み付くアムヌアイデット、首相撲でもなくクリンチとも違う凌ぎ技

◆15. メインイベント 58.5kg契約 5回戦

日本フェザー級チャンピオン.石原將伍(ビクトリー/58.5kg)
VS
アムヌアイデート・ウォー・ワンタウィー(元・BBTVバンタム級4位/タイ/56.5kg)
引分け 三者三様 / 主審:椎名利一
副審:仲48-49. 少白竜48-48. 宮沢49-48

5月に続くメインイベンターとなった石原將伍が、毎度求める強い相手として選ばれたアムヌアイデット。やりづらい相手であることは初回でその実力が垣間見れました。石原のパンチの強さを感じ取ると、その距離を潰し、多彩に変化をつけて蹴ってくる。

石原のバランス崩しておいてハイキック狙うアムヌアイデット

中盤からはパンチを掻い潜り、しつこく組み付いて来るようになり、石原のパンチがヒットし難く攻め難さが増す。アムヌアイデットは素早く蹴り足を掴んで転ばせたり、軸足を払って転ばせたりはさすがのムエタイ戦士、組み付きが多く、逃げの体勢に入ったと見えるアムヌアイデットではあるが、返しの蹴り技はしっかり見せる。

石原のパンチもヒットは少ないが連打で追い詰める印象度は互角の展開。ムエタイ的には蹴り技で凌いだアムヌアイデットの攻勢と見られがち。しかしこんな選手も攻略しないとタイでは通用しないという。続く試練を克服して、まずラジャダムナンスタジアムランキング入りを目指し、新日本キックのエースを確固たるものにしたい石原の挑戦は続く。

石原のパンチを警戒しつつ蹴りの距離を保つアムヌアイデット
内田雅之が懸命に挽回に出たローキックの相打ち

◆14. 61.5kg契約3回戦

日本ライト級1位.内田雅之(藤本/61.25kg)
VS
マーパロン・ソー・ブンヨード(元・ラジャダムナン系バンタム級C/タイ/60.4kg)
勝者:マーパロン / 判定0-3 / 主審:桜井一秀
副審:椎名27-30. 少白竜27-30. 宮沢27-30

第1ラウンドに接近戦でヒジ打ちをまともにアゴに貰ってしまいダウンした内田。マーパロンは体幹がしっかりした蹴りを繰り出す。蹴りが堅そうで終始バランスが良かった。マーパロンの圧力に押されたままの内田もローキック、パンチを返すが流れを変えることは出来ず、終了に至る。

マーパロンの右ミドルキックに苦戦に陥る内田雅之
マーパロンが判定勝利、内田はうつむき気味に下がる
馬渡の接近戦での飛びヒザ蹴り。ニシャオは日本に来て苦しい試合となった

  
 
◆13. 55.0kg契約3回戦

日本バンタム級2位.馬渡亮太(治政館/55.0kg)
VS
ニシャオ・ソー・ジンジャルンカンチャン(タイ/55.0kg)

勝者:馬渡亮太 / TKO 3R 2:24 / カウント中のレフェリーストップ
主審:仲俊光

初回の様子見の中でも徐々に圧力掛けて行く馬渡。スロースターターのニシャオの蹴りを上回っていく馬渡のスピード。接近戦でボデイブローやヒジ打ちを落とす。

馬渡の組み合ってのヒザ蹴りに押されっぱなしになくなっていくニシャオ。その表情にゆとりが無い。

ニシャオは逃げ切ることも出来ず、馬渡の前蹴りをアゴに受けてロープにもたれるところをパンチ連打を浴び、ロープダウンを取られて崩れる。

一旦立ち上がるも、赤コーナーで崩れ落ち、カウント中のレフェリーストップとなる。

先手を打って勢い増した馬渡の蹴りに下がる一方となった苦しいニシャオ

◆12. 73.0契約3回戦

日本ミドル級1位.今野顕彰(市原/72.7kg)
VS
ロンドユー・シンセンデート(タイ/72.6kg)
勝者:今野顕彰 / 判定3-0 / 主審:少白竜
副審:椎名30-28. 桜井30-29. 仲30-28

初回から飛ばしていく今野。ローキックからのパンチのリズムを作り、優勢を維持する。蹴りの強さはロンドユーが優るが、距離をとって調子付かせない。積極的に打って出たに今野が判定勝利。

今野顕彰が先手を打って出たパンチ連打でロンドユーを追う
1年ぶりに雪辱を果たし、応援者に笑顔を見せる今野顕彰
打ち合いに移る中、西村清吾の右ストレートが政斗にヒット

◆11. ミドル級リミット契約3回戦

NKBミドル級チャンピオン.西村清吾(TEAM KOK/72.2kg)
VS
日本ウェルター級1位.政斗(治政館/71.8kg)

引分け 0-1 / 三者三様 / 主審:宮沢誠
副審:少白竜29-30. 桜井29-29. 仲29-29

注目されたNKBとの交流戦。NKBミドル級チャンピオンの西村は、ウェルター級の政斗を捻じ伏せたいところ。

初回は両者の意地か、パンチとローキック、ミドルキックの交錯が続く。

政斗が西村清吾を追って右ミドルキックをヒット

第2ラウンドは同様の展開が続くが、両者の距離が縮まるとヒザ蹴りが加わり、パンチのヒットも増していく。第3ラウンドも力を出し来るように打ち合いに出て行く両者。若い政斗の勢いが増したか、西村がやや下がるもパンチをヒットさせる印象を残す。

各ラウンドの採点がジャッジによって正反対に分かれるほど優勢を見極め難い応戦は5回戦で戦うべき、トップクラスの交流戦でした。

政斗vs西村清吾。結果は引分けとなって健闘を称え合う両者

◆10. フライ級3回戦

日本フライ級2位.幸太(ビクトリー/53.0→52.8kg=2.0kgオーバー、減点2)
VS
JKイノベーション・フライ級6位.多根嘉輝(直心会/50.8kg)
勝者:多根嘉輝 / 判定0-3 / 主審:椎名利一
副審:少白竜27-30. 宮沢27-30. 仲27-30(減点2点含む)

タネ・ヨシホ(多根嘉帆)の兄・多根嘉輝は、素早い動きで積極果敢に幸太を攻めるも、ウェイトオーバーしてきた幸太は重かったか、内容的には僅差判定勝利。

◆9. 58.0kg契約3回戦

日本フェザー級7位.渡辺航己(JMN/57.8kg)
VS
日本フェザー級8位.金子大樹(ビクトリー/58.0kg)
勝者:渡辺航己 / 判定3-0 / 主審:宮沢誠
副審:椎名30-28. 仲30-28. 桜井30-29

◆8. ライト級3回戦

日本ライト級7位.大月慎也(治政館/61.0kg)
VS
サックシット・ラジャサクレック(タイ/60.8kg)
勝者:大月慎也 / 判定3-0 / 主審:少白竜
副審:椎名30-28. 仲30-29. 宮沢30-28

◆7. 55.0kg契約3回戦

日本バンタム級6位.田中亮平(市原/54.8kg)
VS
NKBバンタム級5位.海老原竜二(神武館/54.55kg)
勝者:田中亮平 / 判定2-0 / 主審:桜井一秀
副審:椎名30-29. 少白竜29-29. 宮沢30-29

組み合ってのヒザ蹴りは少なく、キックボクシングらしい、パンチと蹴りの攻防が徐々に増していき、第3ラウンドに田中亮平の右ヒジ打ちが海老原竜二の左目尻辺りにヒットすると瞼が少々腫れ上がる。更に打ち合いが激しさ増す中、田中が押し切り、このラウンドをジャッジ三者が指示した田中亮平が僅差の2-0ながら判定勝利。

◆6. ライト級3回戦

日本ライト級9位.興之介(治政館/61.23kg)
VS
NKBライト級5位.パントリー杉並(杉並/60.35kg)
勝者:興之介 / KO 1R 1:11 / 主審:仲俊光

パントリー杉並が新日本キックのリングでどう戦うかが注目された中、厳しい結末となってしまいましたが、キックの見え難いタイミングを知ったところでしょうか。短い期間でのKO負けが続いた為、しっかり休養を取って再起して貰いたいところです。

◆5. ウェルター級3回戦

日本ライト級8位.和己(伊原/66.68kg)
VS
NJKFスーパーライト級7位.野津良太(ESG/66.55kg)
勝者:野津良太 / KO 3R 2:16 / 10カウント
主審:椎名利一

◆4. バンタム級2回戦

翼(ビクトリー/53.4kg)vs山野英慶(市原/53.52kg)
勝者:翼 / TKO 1R 1:15 / カウント中のレフェリーストップ

◆3. 61.5kg契約2回戦

又吉淳哉(市原/60.9kg)vs羅向(ZERO/61.0kg)
勝者:羅向 / 判定0-3 (18-20. 18-20. 18-20)

◆2. フェザー級2回戦

睦雅(ビクトリー/56.4kg)vsRYUICHI(トーエル/56.9kg)
勝者:睦雅 / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-19)

◆1. 女子50.0kg契約2回戦

祥子(JSK/47.9kg)vsIMARI(LEGEND/49.2kg)
勝者:IMARI / 判定0-3 (19-20. 19-20. 19-20)

本日のMVP(武田幸三賞)は圧勝KOした馬渡亮太

《取材戦記》

後楽園ホールは競技によって、または団体によっても会場の雰囲気がガラッと変わる特徴があります。新日本キックボクシング協会に於いても、興行ごとの微妙な雰囲気の違い、それは出場選手だけでなく、リングアナウンサーやスポンサーの顔触れの違いが微妙に空気を変えているでしょう。

選手が主役のリング上では、武田幸三が現役だった頃は、それだけで治政館ジム主催であることが滲み出ていましたし、その後は蘇我英樹(市原)がメインイベンターとなり、蘇我英樹と時期が重なりますが、志朗(治政館)もメインイベンターとして躍り出て来て活躍。現在は、日本フェザー級チャンピオンとなった石原将伍(ビクトリー)がここ2戦連続メインイベンターを務め、強い相手を求めた戦いぶりに存在感が出て来た風格を感じます。

来月、9月2日(日)はTITANS NEOS.24が後楽園ホールで開催。江幡睦(伊原)、勝次(藤本)、斗吾(伊原)、HIROYUKI(藤本)、リカルド・ブラボー(伊原)、重森陽太(伊原稲城)が出場。伊原プロモーションらしさが現れる出場メンバーの興行となります。リングアナウンサーは誰だろう。今や常連となった生島翔さんかな。

NKBとの交流戦が静かな注目があり、斗吾はNKBミドル級1位.田村聖(拳心館)を迎え撃ちます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

官民ファンドは全て赤字! アベノミクス「成長戦略」の無責任

 
2018年7月30日付朝日新聞

政府は14ある官民ファンドを、再編成する検討に入った。この官民ファンドなるものは、アベノミクスの三つの矢のうち、リフレ(異次元の金融緩和=お札を大量に刷る)・財政出動(国債を大量に発行し、大型予算を組む=借金)・成長戦略のひとつ、つまり投資部門ということになる。

地域活性化、企業の海外展開の支援、ベンチャー企業の支援などを官民の投資で行なう「第2の財布」とも呼ばれてきた。再編成しなければならなくなったのは、無駄遣いや損益が発生しているからにほかならない。

◆運営費の増大は天下りがほとんどではないか

その実態は、こんなものだ。「産業革新機構」が1兆2,483億円の損益(ようするに赤字)、地域経済活性化支援機構が3,433億円の損益。以下、14すべてのファンドが赤字なのである。このうち第2次安倍政権発足後(2012年以降)に立ち上げたファンドが12もある。つまり安倍政権の第三の矢である「経済成長戦略」の実体がこれなのだ。

官民ファンドといえば、何か特別のプロジェクトのように考えがちだが、税金を投じた省庁の外郭団体にほかならない。血税をここにプールして地域や企業を支援しながら、しかしそのほとんどが赤字に陥っているというのだから、見過ごすことはできない。

 
株式会社農林漁業成長産業化支援機構HPより

たとえば、会計検査院から10億円の含み損を指摘された「農林漁業成長産業化支援機構」(農林水産省所管)は、食品加工や販売を手がける農家を支援する目的で2013年に設立されているが、実態はつぎのとおりだ。300億円を出資し、役職員は50人、運営経費は40億円に達している。経済効果は不明である。

通信インフラの海外進出支援の目的で設立された「海外通信・放送・郵便事業支援機構」(総務省所管)は、格安スマホの「フリーテル」を展開するプラスワン・マーケティングに13億円を融資したが、同社は昨年暮れに経営破綻した。

「海外需要開拓支援機構(クールジャパン)」(経済産業省所管)はアニメの海外配信を手がけるベンチャー企業に出資したが、3億円の損失を出している。このベンチャー企業はバンダイナムコホールディングスに売却され、海外配信を中止している。日本文化の発信という支援の目的は果たされなかったのだ。

クールジャパン機構HPより
 
クールジャパン機構HPより

◆新たな外郭団体にすぎなかった官民ファンド

これらのファンドは5年から20年の設立期間を設定し、最終的には国に資金を返すことになっている。ファンドの投資が成功すればともかく、失敗した場合に経営責任は問えるのか。会計検査院が今年4月に公表した検査結果によると、昨年3月段階で6つのファンドが投資や融資の回収が出来ない状態だという。国が出資したお金の半分も投資できていないファンドは8つもある。

ようするに、民主党政権のもとで縮小、ないしは廃止された各省庁の外郭団体・第三セクター・箱モノ行政を、成長戦略のファンドとして復活したにひとしいのだ。民間のビジネスを知らない元官僚たちによる、ずさんな運営と無駄遣い。こんなものがアベノミクスの実態なのだということを、われわれ有権者は知っておく必要がある。

あらためて外郭団体など作らずとも、自治体レベルで地域の活性化に成功している例は少なくない、とくに6次産業化(1次=農業・2次=農産物の加工・3次=流通販売)は、生産と販売を一箇所で行なう(田んぼの真ん中にレストラン)ことで、観光農業化に成功してもいる。そこには必ずキーマンがいて、推進者は農家であったり行政マンであるケースも少なくない。霞ヶ関官僚などという、まるで実業には役に立たない人々に任せるよりも、地域や業態を知っているキーマンを探すこと。そして経験に基づいた大鉈を振るうことこそ、成長戦略ではないのか。

財務省HPより

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)

著述業・雑誌編集者。主著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)、『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

8月7日発売『紙の爆弾』9月号!「人命よりダム」が生んだ人災 西日本豪雨露呈した”売国”土建政治ほか
横山茂彦『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

【緊急NEWS!】私を嵌め逮捕 ― 長期勾留 ― 有罪判決を強い、鹿砦社に壊滅的打撃を与えた旧アルゼ創業者(元)オーナー・岡田和生氏の逮捕に思う 鹿砦社代表・松岡利康

岡田逮捕を報じる8月6日付けロイター電子版
同じく朝日新聞8月7日朝刊

例年にない猛暑のさなか、今夏はいろいろなことが慌しく起きます。こちらも例年にないことです。特に『真実と暴力の隠蔽』出版以降、木下ちがや氏らとの座談会での同氏の発言問題、師岡康子弁護士メール問題、金明秀関西学院教授暴行・不正問題、M君リンチ事件控訴審、鹿砦社と対李信恵氏の訴訟……詳細はこれまでの本通信で報告していますので、ここでは省きます。

そうして、ここに来て、私、および鹿砦社にとって衝撃的なニュースが飛び込んできました。

13年前の2005年7月12日早朝、パチスロ・ゲーム機大手の旧「アルゼ」(現「ユニバーサルエンターテインメント」。UE社)の創業者(元)オーナーらによる、「名誉毀損」名目の刑事告訴で、神戸地検特別刑事部が鹿砦社本社、東京支社、松岡の自宅を一斉に急襲し大掛かりな家宅捜索を行い、私を逮捕したのです。以後私は192日間もの長期勾留、そして有罪判決、さらに民事訴訟でも600万円余りの損害賠償を下されました。突然のことでもあり、鹿砦社は壊滅的打撃を蒙りました。この年の4月、『紙の爆弾』を創刊したばかりで4号を出したばかりでした。

ちなみに『紙の爆弾』は、ただ一人残り踏ん張った中川志大によって維持され現在に至っています。中川が出版界で信用があるのは、逃げずにたった一人で踏ん張ったことによっています。仮に今後、『紙の爆弾』や鹿砦社に同様の弾圧が来ても、地獄に落され地獄を見た私たちは耐えれる自信があります。

松岡逮捕を報じる朝日新聞(大阪本社版)2005年7月12日付け朝刊

それまでに、鹿砦社はアルゼについて4冊の書籍を発行し、パチンコ・パチスロ・ゲーム機業界で話題になっていました。これは、ゲーム機大手SNKとアルゼの抗争で、当時SNK本社ビルの1~2階でパソコンショップを開いていて、アルゼによるSNKビルの差し押さえで閉店を余儀なくされた、鹿砦社の大株主A氏による情報提供によるものでした。詳しくは4冊の書籍をお読みください。

鹿砦社のアルゼ告発書籍

アルゼは当時、退職して間もない警視総監が顧問に就いたり、警察天下り企業として有名で、私が逮捕された時でもキャリアが雇われ社長で証人尋問にも出廷しました。もちろん、告訴人の岡田氏や女性元幹部も出廷し、私が「蛇蝎のような執拗さで」(女性元幹部の言)アルゼや彼らの名誉を毀損したということを白々と「証言」したのです。13年前の真夏の出来事が昨日のことのように想起され、思い出すだに涙が出ます。

今回の岡田氏の逮捕の詳細はまだ判りませんが、今後、起訴され有罪判決を受けるということにでもなれば(すでに起訴されていることもありえます)、フィリピン・マニラで進行中のカジノや、米国ラスベガスで取得しているカジノ機器製造・販売のライセンスは取り消しになる可能性もあります。特に米国のライセンスは厳格です。UE社の現幹部が一番懸念するのはこのことだろうと察せられます。

これまで、私たちも取材に協力したロイター通信や朝日新聞の報道でも一部明らかになっていますが、フィリピン・マニラでのカジノ開発では政府高官らへの賄賂が取り沙汰されてきました。FBIが動いたとの報道もありました。ロイターや朝日の報道はほぼ事実だと思われますが、うまく切り抜けてきました。

カジノ設置をめぐる不正を報じる朝日新聞2012年12月30日付け朝刊

このかん、岡田氏は香港に居を移し、フィリピン・マニラでのカジノ開発に専念していたと推察されますが、日本国内では水面下で、子飼いの幹部や実の子どもらによるクーデター計画が進行し、昨年の取締役会、株主総会で、みずからが設立し育てた会社から放逐されるに至っています。

ところで、「因果応報」という諺があります。人を嵌めた者は、いつか自分にはね返り、今度は人から嵌められる――古人はよく言ったものです。

岡田氏は、私や鹿砦社だけでなく、似たようなことをたびたび行っていたといわれます。岡田氏のUE社からの放逐、そして今回の逮捕劇にも蠢いた輩がいたものと思われます。

私の「名誉毀損」逮捕劇には岡田氏以外にも、驚くべき失脚劇がありました。「松岡の呪いか、鹿砦社の祟りか」と揶揄される所以ですが、2つの事例を挙げておきます。

2005年4月、大坪弘道検事が神戸地検特別刑事部長に赴任してきます。そして、最初にやった仕事が私の逮捕でした。その後、宝塚市長逮捕、神戸市議会の大物議員の逮捕と続き、大坪検事は大阪地検特捜部長に栄転しますが、厚労省郵便不正事件おいて証拠隠滅で現職の特捜部長が逮捕され失職するという前代未聞の事件に巻き込まれます。

大坪検事逮捕を報じる朝日新聞2010年10月2日付け朝刊

また、大坪特刑部長の下で主任検事として動き私に手錠を掛けた宮本健志検事(鹿砦社の地元甲子園出身!)は、私らの逮捕事件後、徳島地検次席検事に栄転したところ、深夜に泥酔し一般市民の車を破損させ検挙され(示談成立し立件されず)、戒告・降格処分を受けます。

宮本検事不祥事を報じる徳島新聞2008年3月26日付け朝刊

やれやれ〝立派な〟人たちに翻弄されました。幸いに心あるライターさんや取引先の方々のご支援で再興することができましたが、今は笑って当時のことを語ることができるようになりました。

岡田氏、および事件の今後の推移に注目したいと思います。

8月6日付けのUE社のメッセージ
『紙の爆弾』9月号