人はなんのために、本を読み絵を眺めるのか

たまに、「いつも、どんな本読んでるの?」と聞かれることがある。
いつも読んでいる本というのはない。
このところ読んだ本の著者を並べてみると、清水潔、山本周五郎、ヘッセ、大城立裕、モーパッサン、姫野カオルコ、門田隆将、ドストエフスキー、池上泳一、古賀茂明、エリカ・ジョングとなっていて、やはり「こういう本をいつも読んでます」と言えるような統一性はない。ライターの読書は、だいたいこんなものだろう。

ちなみに、前からちょくちょく読んでいた姫野カオルコは、デビュー作がおもしろいと聞いたので、『ひと呼んでミツコ』を出張先のホテルで読んだのだが、笑って頭を壁に強打してしまった。要注意である。
2人の女性を股にかけるお調子者の男を、お得意の深刻な語り口で描く、ドストエフスキー『虐げられた人びと』もけっこう笑えるので、タイトルの暗さで敬遠しないほうがいい。

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宮沢りえの17歳のヌード写真集を持っていたら、逮捕される時が来るのか

とうとう、児童ポルノの単純所持が禁止されるかもしれない。
現行の児童買春・児童ポルノ処罰法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)では、児童ポルノを提供、製造、頒布、公然な陳列、輸入、輸出することが禁止されている。
それが単純所持、ただ持っているだけで罰せられるようになるという。

ゴールデンウィーク明けにも、改定案の審議に向けて衆議院理事懇談会にて討議が行われる予定とのこと。委員会で審議が始まるのは6月になる見通しだ。マンガ・アニメなど創作物の性犯罪への影響についての調査研究に関する項目が外れるのは、ほぼ確実で、残る問題は「単純所持の禁止」だ。強行採決を避けたい与党は、単純所持禁止の落としどころを巡って、野党との調整を進めているという。

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「遅刻したらすぐ謝るべきだ」の、心理学的説明が、そんなにも欲しいのものなのか

ライターであるからには、ベストセラーを出してみたいと思っている。
それは読者に心から受け入れられるようなもので、ちょっと読めば役に立つと思わせる自己啓発本やビジネスノウハウ本ではなく、と言いたいところだが、後者でもいいと思っている。稼いだ金を、本当に書きたい本のために使えばいいのだから。

昨年、後者に当たる本の執筆の依頼が来た。
監修者として名前が出るのは、テレビにも出ている心理学者。その人の既刊にあることを自分のアイディアで膨らませて書くという仕事だった。

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子供にスマートフォンを持たせることは、問題なのか

時代も変われば生活も変わる。大人の生活が変われば子供の生活も変わる。
小中学校で、子供の持つスマートフォンが度々問題になっているようで、各自治体や教育現場では使用の制限を呼び掛けている。不要であれば子供に持たせない、夜間は使用させないなど各家庭にも協力を求めているという。

過去に携帯電話やポケベルが普及した時も同じような話を聞いた。制限したり使わせない方向でいつも動くことに疑問を持つ。今の時代、必須とは言わないが、大人になればほとんどの人が使用するものだ。特に若い世代ほど、スマートフォンを持たない人のほうが珍しい。いずれ使うものなら、学校が教育の場である以上、使い方を勉強させたほうがずっといい。

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「ヘイト・スピーチ」は今に始まったことか

「在特会」の活動や、排外主義と民族差別を煽る雑誌や書籍の流行などの「ヘイト・スピーチ」について、『紙の爆弾』でも特集が組まれたが、この背景には、極右の安倍政権下にある政治情勢と、不景気による大衆の不満、およびこれに迎合して商売する出版業界であると、既に指摘されている。

しかし、これは今に始まったことなのだろうか。
これについて、1960年代に大学生だった人から言われたのだが、その当時から、今の「ヘイト・スピーチ」は行われていたのだそうだ。

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「残業代ゼロ法案」で、ブラック企業という言葉はなくなる

当たり前のことだが、労働基準法で一日の労働時間は8時間、週に40時間と定められている。それを越えれば違法だ。しかしその労働時間内だけで社員を働かせている会社は稀だろう。もしかしたら日本には存在しないかもしれない。残業で働く方が当たり前になっているのは、所謂36協定が存在するからだ。そのため殆どの人は残業をして働くのが当たり前と思っている。

これだけのことでもわかるように、労働基準法はザルで抜け穴だらけだ。ブラック企業と呼ばれる会社は、この抜け穴を駆使して、あるいはザルな法律だから守る必要も無いと、高を括り平然と無視している。

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不倫暴露が原因ではない? 楽天の國重副会長辞任で混迷する「跡目争い」の熾烈

楽天は、4月22日付けで國重惇史副会長(68)が「一身上の都合により」辞任したと発表した。同時に國重氏は、子会社である楽天証券や楽天カード、楽天インシュアランスプランニング、楽天生命の取締役、楽天銀行の会長も辞任した。

國重氏は住友銀行出身で、楽天の金融事業や企業買収などで貢献してきたと同時に、ウラ社会やトラブル解決にも長けた「剛腕」であったからだ。まさに楽天が躍進する立役者でありグループの「ナンバー2」「三木谷浩史会長の右腕」だったが、その辞任の理由である「一身上の都合」は、やはり今週発売の「週刊新潮」なのか?

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土佐電鉄、南スーダン、危機に瀕している憲法9条にノーベル賞は届くのか

このところ、憲法9条が話題になることが多い。
4月9日には、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会(事務局・神奈川県相模原市)に、ノルウェー・オスロのノーベル委員会から連絡があり、憲法9条が正式に候補になったと報じられた。

一方、高知では、毎年の憲法記念日に「守ろう9条」というメッセージを車体に掲げた「平和憲法号」と名付けられた路面電車を市民団体が走らせてきたが、「意見広告と取られる」として、土佐電鉄が今年は中止することを決めた。

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与那国の経済活性化の方法は、自衛隊誘致しかなかったのか

日本の最西端、沖縄の与那国島で、19日から、陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に向けた施設建設工事が始まった。1972年の返還以降、沖縄県に自衛隊の基地が新設されるのは初めてだ。
日本全国に行っている筆者だが、与那国は、最も魅力的な場所だ。異国に来たと、感じさせる。

沖縄には、交番のない島、信号のない島も珍しくない。
大きな祭りなどがあると、警備のために警官がやってくる。
「いつも島ではノーヘルでバイク走らせてますけど、今日はおまわりさんがいるんで、皆さん、ヘルメット被ってくださいね」
そう言って主催者が笑わせたりする。
交番がなくても問題がないことに、島の人々は誇りを持っている。

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原発推進国、アメリカやフランスの安全基準でも、日本には動かせる原発はない

原発を「重要なベース電源」と位置づけた、安倍内閣。原発の新規性基準は世界で最も厳しいと、安倍総理は言っているが、果たしてそうだろうか?
今なお原発を推し進めている国と、比べてみよう。

フランスでは、メルトダウンした際に、炉心を受け止め外に出さない、コアキャッチャーという設備を原発に設けることになっている。溶け落ちた核燃料が圧力容器の底を突き破って下に落ちても、それをキャッチして安全な容器に誘導して一気に冷却するというシステムだ。ヨーロッパの他の国々でも、コアキャッチャーの設置は義務づけられている。
日本には、コアキャッチャーのある原発はない。
ヨーロッパの基準でなら、日本には動かせる原発はない、ということになる。

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