3月7日に佐村河内守の会見があってから、ワイドショーでは、弁護士、心理学者、音楽家、耳鼻咽喉科の医師まで参加して、バッシングの祭りが続いた。
それに比べて、マスメディアであまり報じられないのが、389日ぶりに保釈され、3月13日に第3回公判が開かれた、片山祐輔被告についてだ。
佐村河内守を“天才”に仕立て上げたのもマスメディアなら、片山被告を“犯人”に仕立て上げたのもマスメディアであるにも関わらず。
片山氏を尾行したマスメディアは、逮捕前日に猫カフェで猫と戯れる彼の姿まで撮って、NHKなどがそれを放映した。

「原発さえなければ」 映画『遺言』に映された酪農家の無念を、どう受け止めるのか
これは、日本人すべてが受け取るべき「遺言」だろう。
映画『遺言』は、福島第一原発の至近で暮らしていた、酪農家や農家の人々を追ったドキュメントだ。
放射能を浴びた牧草を食べた牛の乳は、出荷停止になった。
捨てるしかない牛乳も、牛の健康のために絞り続けるしかない。
餌をやり、牛舎を掃除するという作業を、酪農家の人々は淡々とやり続ける。
牛の一頭一頭に、名前を付けている人がいる。
牛のすべてに思い出がある、と語る人々がいる。
出された端から料理を食べる、日本の夫の家事協力度は世界最低レベル
経済協力開発機構(OECD)の調査で、男性の家事参加は世界でも最低のレベルとの結果が出た。参加に協力的とされたノルウェーでは、男性は約3時間、女性は3時間半の家事労働。
日本では、男性は1時間2分にとどまり、女性は約5時間を家事に費やしていた。
ノルウェーと日本というと、労働環境が違うという反論が出てきそうだ。
異常に長く職場に拘束される日本の働き方では、家事への参加は難しい、という見方だ。
まやかしの議論ばかりが横行する「集団的自衛権」、護憲派はそれでいいのか
「憲法を解釈するのは私だ」として、安倍晋三首相は集団的自衛権の行使を可能にしようとしている。
集団的自衛権は、世界でどのように機能してきたか。
9・11事件のあったアメリカが、アフガニスタンを軍事攻撃する際、北大西洋条約機構(NATO)が、これに参加したのは集団的自衛権によってである。
さかのぼれば、アメリカがベトナム戦争を行ったのも、集団的自衛権による。
南ベトナム解放民族戦線による内乱を、同盟国であるベトナム共和国(南ベトナム)が、ベトナム民主共和国(北ベトナム)から攻撃を受けているとして参戦したのだ。
BEGINと共同して「一五一会」を生み出した、矢入一男さんが音楽に残したもの
「ヤイリギター」の社長、矢入一男(やいり・かずお)さんが5日、多臓器不全のため死去した。81歳だった。ポール・マッカートニーも「K・ヤイリ」ブランドを愛用していた。
沖縄・石垣島出身のバンド「BEGIN」と共同して、三線とギターを融合させた、全く新しい4弦楽器「一五一会(いちごいちえ)」を開発したことでもヤイリギターは知られている。
ずっとギターを握っていたBEGIN。2000年に『ビギンの島唄-オモトタケオ-』を出してから、三線を持つようになった。
三線を弾くようになると、指は5本なのに、なぜギターの弦は6本なんだと疑問に思う。
一方、三線を弾いていると、もっと低音がほしい、音の広がりがほしい、と思う。
そこでギターを4弦にしてチューニングを三線のようにしたら、どちらの悩みも解消した。
決して満足しないストーンズ(その2)
反体制、暴力、ドラッグ。こういったロックのイメージを決定付けた、あるいは体現したと言ってもいい。そんなローリング・ストーンズだが、ライブを観れば必ずしもそんなレッテルがくだらないことだとわかる。
音楽に対してはストイックなグループだ。ステージ上で楽器を破壊することも無ければ、暴力的に暴れることもない。以前、ミックがノリで、歌いながらドラムセットを蹴ったことがある。ライブ終了後、チャーリーがミックの元に駆け寄り「俺のドラムセットに2度と触れるんじゃねえ」と激怒したという話がある。それ以来他のメンバーの楽器に手を出すようなことはない。
「ロス疑惑」以後の三浦和義
今は亡き三浦和義氏は「ロス疑惑」によって自らが人権侵害を受けた経験から、人権問題に関わるようになった。特に、無実を叫びながら逮捕された人たちの救援に尽力してきた。しかし一方で、その言動が問題になることが度々であった。
1つは奇行により騒がれることだった。2度にわたり万引きの疑惑を持たれたのだが、これはどちらも短気を起したことが原因だった。
まず、書店でのことだ。彼が代金を支払わず本を持って出る様子が防犯カメラに映り、このため警備員が駆けつけたところ、会計ではなく注文などをするカウンター前にいた。ここで支払いができると思ってしまったと言うので、盗む気はなかったと考えられるから嫌疑不十分ということになったが、そもそも、会計をしようとしたら他の客が並んでいたので、待つのが嫌だからと別のカウンターへ行ったと言うのだ。
決して満足しないストーンズ(その1)
ロックバンドの代名詞とも言える、ローリング・ストーンズが日本にやってきた。1960年代結成のバンドを、今尚こうして観ることができるのは奇跡に近い。東京ドームで3日間、また演ってくれることを神に感謝したいところだが、粗暴な振る舞いや歌う曲の内容から悪魔とも呼ばれた彼らなので、悪魔にも感謝したい。
アップテンポな「Get off my cl0ud」でライブの幕を開け、数々の名曲を披露する。メンバーの殆どが70歳を越えているが、驚くべきエネルギーだ。特にミック・ジャガーはすごい。東京ドームに広く取られたステージ上を縦横無尽に走り回る。1塁側ベンチから3塁側ベンチまで、またバックネットの辺りからマウンドの辺りまで、所狭しと駆け回ってはシャウトし、踊る。「Emotional rescue」では1曲通して裏声で歌い続ける。途中上着を脱いでシャツ1枚となるが、その細い身体に年齢からは信じられない筋肉がついているのがわかる。
『錯乱の時代を生き抜く思想、未来を切り拓く言葉』で語る上祐史浩【ブックレビュー】
公安調査庁の今年発行の「内外情勢の回顧と展望」に、鹿砦社の『終わらないオウム』が表紙の写真入りで紹介されていた。
『終わらないオウム』では、鈴木邦男の司会で、上祐史浩と徐裕行が語り合っている。
このような本の出版は、「生き残るための挑戦」として、「脱麻原」を喧伝するためのメディアの活用と、公安調査庁は見ているようだ。
オウム真理教は「Aleph」に改名して活動していたが、 2007年に上祐史浩が率いる「ひかりの輪」が分かれて活動を始め、現在に至っている。
これを公安調査庁は路線対立による分裂と見て、「ひかりの輪」の脱麻原の姿勢は信者獲得ためのポーズだとしている。
一般の人々の見方も、それに近いのではないだろうか。
受信料を取る理由をNHKから剥ぎ取る、会長、経営委員らの素晴らしい「ご活躍」
NHK経営委員でありながら、新右翼、野村秋介氏の朝日新聞社での自殺を礼賛した追悼文を書いた、長谷川三千子。過去にNHK受信料を不払いしたことを誇る文章を書いていたことを、毎日新聞が見つけて報じた。
長谷川氏の手紙は、月刊誌「正論」2005年7月号、元獨協大学名誉教授の故・中村粲(あきら)氏のコラム「NHKウオッチング」で紹介されている。
卒業式の国旗掲揚・ 国歌斉唱問題を取り上げた05年3月放送のNHK「クローズアップ現代」について、長谷川氏が次のように綴っている。
「本当に酷(ひど)うございましたね。私も生まれて初めて NHKに抗議電話をしようといたしましたらば、すでに回線がパンク状態でございました。ちやうど自動振替が切れましたので、NHKが回心するまで不払ひを続けるつもりでおります」
旧仮名遣いなのは本人の趣味だろうが、「回心」というのは改心と違い、キリスト教で過去の罪を改め神に心に向けることだ。
NHKに対して、キリスト教の神に心を向けろと言うのか。こうなると、野村秋介氏を礼賛したのも、滑稽に見えてくる。
長谷川氏はNHK経営委員である前に、埼玉大学名誉教授で、しかも専攻は哲学。
日本の知性は、これで大丈夫なのかと心配になってくる。