安倍首相が26日、靖国神社を参拝した。
福岡で取材していて出会った、中国女性の言葉を思い出す。小泉純一郎が参拝した後だった。
「人は死んだら皆仏になるという日本の宗教観も、私たちは知っています。だけど、お互いの文化の違いを踏まえて、首相だけは参拝しないでくれ、というのが暗黙の了解なんです。大臣や議員が参拝しても全然かまわない。暗黙の了解を踏みにじって、首相が参拝するから怒るんです」
彼女の親は、家に警備がつくほどの中国共産党の幹部だ。
彼女は上海で秘書をしていたが、ある時思い立って日本に来た。焼鳥屋で働きながら日本語を覚え福岡の大学に入学。卒業してアパレルの会社に入った。アパレル業界で中国語と日本語ができれば敵無しだ。店長として働いている。
根性もあり、クレバーな女性だ。怜悧な口ぶりで、語ってくれた。

辺野古問題で思う、大メディアの特定秘密保護法への騒ぎ方
安倍政権がごり押しして通した特定秘密保護法がひどいということは、今さら言うまでもない。
だが、『朝日新聞』に代表されるような大メディアが、これに声を大にして反対するのを見て、違和感を覚えたのは私だけだろうか。
沖縄県の仲井真弘多知事が、普天間基地の移設先として、名護市辺野古の埋め立てを承認した。
普天間には昨年の10月から、オスプレイが配備されている。
そもそもの普天間移転の理由は、住宅街に接していて危険だからだ。そこに、事故が多く危険性が指摘されているオスプレイを配備する。移設問題が膠着しているのを見ての、国家的な嫌がらせである。
これに怒った沖縄の人々は、配備前の9月29日、普天間基地のすべてのゲート前に車を並べてふさぎ、座り込んで抗議した。非暴力の直接行動である。
翌30日、沖縄県警によって実力排除が始り、「ウチナンチュー同士で、なんでこんなことしてるんだよ!」という悲痛な叫びが上がる。
機動隊に囲まれながら、沖縄で歌い継がれている反骨の歌『安里屋ユンタ』を、涙ながらに歌う女性もいる。
琉球朝日放送の三上智恵さんが監督した映画『標的の村』にその様子は収められ、今も公開が続いている。
利益を求めない音楽家たちが支えるバーチャルアイドル、初音ミク
2013年はボーカロイドが発表されてから10周年を迎えた年だった。ボーカロイドと言えば初音ミク、というのは今やバーチャルアイドルと知られ、知名度は一般にも浸透するほどになった。
元々ボーカロイドは単なる「音源」であり、人声を合成して歌っているかのように作成するデータでしかない。電車内で「次は~駅です。お出口は右側です」と機械的にアナウンスする声と原理的には同じものだ。シンセサイザーで疑似的に楽器の音を作り出すのと一緒で、ボーカロイドという技術にキャラクターもなければアイドル性もない。
年賀状のご用はありませんか?
年賀状だけで繋がっている古い友人も少なくなくなり、何枚かの年賀状を出す。
以前に住んでいたアパートで、隣に住む若い男は郵便局に勤めていた。
年賀状を買ってほしい、と頼まれたので、彼から買った。だが郵便局で買うより安くなるわけではない。
彼は30代で、シナリオを書きたいという志望を持っていた。
初めて飲んだ時に、松山大学の出身だというので、「松山はいいとこだよね」と言うと、「え!? 来たことあるんですか?」と、目を剥いた。
同席していた年輩者が、「おいおい、いらしたことがあるんですか? だろう」とたしなめたが、それで話は萎んだ。
初対面なら、出身地などから話を広げるのは定番のパターンだと思うが。
「どんなシナリオ書いているの?」と訊いても、はっきりとした答えはない。
どうもソリが合わない。向こうもこっちを嫌っているだろうと思っていたが、たまたま顔を合わせたら、パソコンの調子が悪いから、と頼まれて見てあげた。
傑作ノンフィクションで黙殺された吉展ちゃん事件犯人の「反乱」
天皇誕生日の12月23日は、東條英機らA級戦犯7人が巣鴨拘置所で処刑された日でもある。これは歴史通の間ではよく知られた話だが、1971(昭和46)年のこの日、他にも1人、有名な人物が処刑されている事実は歴史通の中でも知る人はマレだろう。その人物とは、あの「吉展ちゃん事件」の犯人、小原保(享年38)である。
この昭和を代表する誘拐殺人事件については、関連書籍や関連映像作品も少なくない。中でも傑作と名高いのが、元読売新聞記者のノンフィクション作家・本田靖春が1977年に上梓した「誘拐」(文藝春秋)だ。
「誘拐」は、1963年3月に東京都台東区の入谷南公園で被害者・村越吉展ちゃん(当時4歳)が誘拐されてから小原が処刑されるまでの顛末を時代の空気感まで再現しながら克明に描いた壮大な作品。小原を自白に追い込んだ警視庁の名刑事・平塚八兵衛ら捜査員たちの奮闘のみならず、犯人・小原保の不遇な人生の軌跡も丁寧に描いているところに感動の最大のツボがある。
サッカーの名門、ACミランが本田に年俸7億7千万円を払うワケ
12月末でCSKAモスクワ(ロシア)との契約が満了する、日本代表MF本田圭佑のACミラン(イタリア)入団が正式に発表された。背番号は、ファンタジスタ、つまり万能型でファンを魅了する選手でなおかつエースを意味する“10番”。3年半の契約期間で、年俸は約7億7,000万円。
「メッシやクリスチャーノ・ロナルドにも匹敵する厚待遇です。このところ、ACミランは財政難で、大物選手を他チームに放出してなんとか経営を維持できていますが、本田がもってくるはずの日本スポンサーの金は一説には10億円を超えるとも言われます。まさにACミランにとって本田は金になる打ち出の小槌だったのです」(サッカー記者)
裁判員裁判で無期懲役を宣告された冤罪受刑者の手紙
私のもとには日々、全国の刑務所や拘置所の被収容者から手紙が届く。その多くは無実の罪で獄中生活を強いられている冤罪被害者だ。今回紹介する田中龍郎さん(62)もその一人である。
田中さんは山梨県のショーパブで働きながら、高校生の長男と二人で暮らしていた2010年2月、新聞配達員の知人女性を殺害し、現金約57万円を奪ったとして強盗殺人の容疑で逮捕、起訴された。一貫して無実を訴えたが、2011年11月に最高裁に上告を棄却されて、無期懲役判決が確定。現在は山形刑務所で服役している。
盛大に開かれた、鹿砦社大忘年会2013
年末恒例となった鹿砦社大忘年会が、今年も盛大に開催された。
会場は7・12の8周年懇親会と同じ、東京都下の割烹料理屋の大広間。
鹿砦社の集まりではおなじみの、受刑者のアイドル、女性デュオPaix2(ぺぺ)に、冒頭で歌ってもらい、「♪元気出せよ」「いいじゃんか!!」と、気勢が盛り上がったところで、つづいて日本料理のコースで会食となった。
ストーカーに晴れの舞台を奪われた、ミス・インターナショナルの孤独な闘い
12月17日、東京で開催された2013ミス・インターナショナル世界大会に、前年度の優勝者である吉松育美さんの姿はなかった。たった一人の男の行為、そしてそれに翻弄されてしまった主催者の“決断”により、彼女の晴れ舞台は奪われてしまったのである。
通常、前年度のミスは世界大会のあらゆる行事へ参加し、次のミスへの戴冠までが任務となる。しかし、今年の世界大会に吉松さんの姿はなく、なぜか2008年度のミスがその任務にあたっていた。不思議に思っていたところ、ファンの皆さまへの報告とし、12月11日付けで彼女のブログとフェイスブックに驚くべき内容が投稿された。それによると彼女は、大手芸能事務所の役員だという男から、脅迫や嫌がらせ、ストーカー行為を受け、ミス・インターナショナルの協賛企業や、彼女の家族にまで被害が及んでいるという。
その後の会見などで明らかにされたのは、ミス・インターナショナルとなった際に、ある芸能事務所への所属を迫られたが、そこが反社会的勢力との繋がりがあると噂されていることから、吉松さんは“倫理的に”所属を拒否した。それが一連の被害の発端のようだ。
お散歩JKに、夢はあるのだろうか?
警視庁が、「JKお散歩」で働いている女子高生の補導に乗りだした。
1週間ほど前には、お散歩相手になった女子高生にお金を渡してセックスした54歳の男性が逮捕された。合意の上だったのだろうが、これは児童買春・ポルノ禁止法違反にあたる。
「JKお散歩」とは、1時間7000円前後の料金で、女子高生と散歩できるというサービスだ。秋葉原で制服や私服の少女がチラシを撒いている。神田明神や東京ドームシティに行ったり、ファミレスで話したりする。
16日から、警察官がチラシを撒く少女達に声をかけ、年齢やアルバイトの内容を聞いて補導することを始めた。
女子高生がマッサージする「JKリフレ」が労働基準法違反で摘発されてから、出てきたのが、「JKお散歩」だ。
散歩するだけだから、今のところ取り締まる法律はない。
だが、店舗の中で行われていた「JKリフレ」と違い、1対1になる「JKお散歩」では買春の交渉は行われやすい。そんなのはいやだ、と断る女子高生がほとんどだが、自分から誘いかける者も決して少なくない。