WBCムエタイジュニアリーグ開催、優勝者決定! MVPはU15の山口瑠選手!

小学校低学年31kg未満 宮崎遼二vs稲田滉大
MVP 山口瑠

8月24日(土)豊島区立雑司が谷体育館にて開催されました、『WBCムエタイジュニアリーグ第5回全U15、第4回U18全国大会』の全19階級の王者が決定。

熱戦を繰り広げた選手の中から、最優秀選手(MVP)にはU15中学生50kg未満で優勝した山口瑠選手が獲得し、タイ国政府観光庁より3泊4日バンコク観光・ムエタイ観戦ツアーが贈呈。他に敢闘賞、各クラス1名計4名、フェアプレー賞各クラス1名計4名が受賞。

◎WBCムエタイジュニアリーグ第5回全国大会 / 8月24日(土)12:00~
会場:豊島区立雑司が谷体育館
主催:WBCムエタイジュニアリーグ実行委員会

◆WBCムエタイジュニアリーグ、第5回U15、第4回U18全国大会決勝

◆U15 小学校低学年(3年生、4年生)

25kg未満決勝   ×中森琉海vs駒木根稔和○

28kg未満準決勝  ○小野琥大vs大出琥太郎×
     決勝  ○中山幸亮vs小野琥大×

31kg未満準決勝  ×戸部汐汰vs稲田滉大○
     決勝  ○宮崎遼二vs稲田滉大×

34kg未満決勝   ×高山翔星vs大矢凉夏○

小学校高学年31kg未満 竹中悠獅vs大久保世璃

◆U15 小学校高学年(5年生、6年生)

28kg未満決勝   ×松本来人vs島田晋作○

31kg未満準決勝  ○大久保世璃vs上窪聖 ×
     決勝  ×竹中悠獅vs大久保世璃○

34kg未満準決勝  ×細美樹斗vs曽我昴史○
         ○小林栄絢vs沖井朔斗×

     決勝  ○曽我昴史vs小林栄絢×

37kg未満     ×鈴木咲耶vs竹内征汰○
     決勝  ×岩本慎vs竹内征汰○

40kg未満準決勝  ×成尾歩斗vs高橋ルキヤ○
         ×志賀野真人vs宮里阿連○
      決勝  ○高橋ルキヤvs宮里阿連×

45㎏未満優勝   生田瑠玖

小学校低学年28kg未満 中山幸亮vs小野琥大
中学生37kg未満 比嘉暖人vs藤井昴
中学生50kg未満 山口瑠vs坂本嵐

◆U15 中学生

34kg未満準決勝  ○小佐野航vs辻畑元気×
         ○桜井嵐vs清水龍月×
     決勝 ○小佐野航vs桜井嵐×

37kg未満準決勝  ○比嘉暖人vs岡林昊×
         ×杉浦輝vs藤井昴○
決勝 ×比嘉暖人vs藤井昴○ 

40kg未満準決勝  ×井上大和vs酒寄珠玲葵○
決勝 ×長洲優人vs酒寄珠玲葵○

45kg未満準々決勝 ○大久保琉唯vs前田大尊×
          ×安野竜信vs林裕人○

      準決勝 ○大久保琉唯vs林裕人×
          ○下地絃斗vs佐藤勇波×
       決勝 ×下地絃人vs大久保琉唯○

50㎏未満準々決勝  ×浦田拓真vs山口瑠○
      準決勝 ×齋藤龍之介vs山口瑠○
          ○坂本嵐vs下地奏人×
      決勝  ○山口瑠vs坂本嵐×

中学生55kg未満 小林亜維二vs上田咲也
高校生57kg以下 田中大翔vs山内歩希

55kg未満準決勝  ○小林亜維二vs片原樹×
         ×桜井竜馬vs上田咲也○
     決勝  ○小林亜維二vs上田咲也×

60kg未満決勝   ○川崎海宗vs左近颯大×

◆U18 高校生

52kg以下準々決勝 ×谷川瑠太vs阿部温羽○
     準決勝 ○若原聖vs阿部温羽×
         ×酒寄珠璃vs加藤真○
      決勝  ×若原聖vs加藤真○

57kg以下準決勝  ○田中大翔vs松岡優太×
         ×横山太一郎vs山内歩希○
     決勝   ○田中大翔vs山内歩希×

高校生52kg以下 若原聖vs加藤真

《各表彰者》

MVP
山口瑠(拳心會館)中学生50kg未満

敢闘賞
宮崎遼二(日本空手道 拳竜会)小学校低学年31kg
高橋ルキヤ(日本空手道 拳竜会)小学校高学年40kg未満
藤井昴(治政館 江戸川道場)中学生37kg未満
加藤真(魁塾)高校生52kg以下

敢闘賞=左から高橋ルキヤ、宮崎遼二、加藤真、藤井昴

フェアプレー賞
中山幸亮(team AKATSUKI)小学校低学年28kg未満
大久保世璃(K-1GYM WOLF)小学校高学年31kg未満
小林亜維二(新興ムエタイ)中学校55kg未満
田中大翔(不死鳥)高校生57kg以下

フェアプレイ賞=小林亜維二、中山幸亮、大久保世璃、田中大翔

《取材戦記》

幼少期から始まる戦いと、35歳から始まるオヤジファイトやキックなど、幅広い選択肢のある時代です。

今回のイベントは、プロのリングに立つ前の、ジュニアキックの全国大会。他のアマチュアジュニア大会で、10年前から始まったWINDY SuperFightでは、那須川天心や吉成名高が活躍し、プロ入り後、十代のうちからメインイベンターとなり、ムエタイ殿堂王座や世界のトップクラスの王座を獲得するなどの活躍の裏には、幼少期からキック・ムエタイに馴染む戦いの場があったことに由来します。

WBCムエタイ日本傘下に於いては2015年から始まったU15大会、翌年はU18も開催、ここから近い将来のプロでのメインイベンターの出現が期待されます。

判定結果が下される前、とりあえず勝ちをアピールする者。勝者コールの瞬間、歓喜の雄叫びを上げる者。接戦の末、勝者となって驚く者。負けて泣いてリングを降りる者。プロでも見られる喜怒哀楽が、このジュニアたちにも表れる人間模様でした。しかしこのジュニアたちはまだ十代でのアマチュア段階。ここで挫けることなく、負けることも重要な糧として、また鍛え直されることでしょう。

表彰選手と役員集合

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩 編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

ウソまみれの「東京五輪」に「開催反対」を唱える政党がなぜ出てこないのか?

2020年東京五輪で実施されるマラソンスイミングのテスト大会が11日、東京・お台場海浜公園で行われ、高い水温に加え、水質問題では選手から悪臭に懸念が示された。(時事通信8月11日配信)

2020年東京五輪・パラリンピックのテスト大会を兼ねたパラトライアスロンのワールドカップ(W杯)は17日、会場となる東京・お台場海浜公園のスイムコースの水質が悪化したとして、スイムを中止してランとバイクのデュアスロンに変更された。大会実行委員会によると、16日に実施した水質検査で大腸菌の数値が国際トライアスロン連合(ITU)が定める上限の2倍を超えた。(共同通信8月17日配信)


◎[参考動画]大腸菌が基準値超え…トライアスロンでスイム中止(ANNnewsCH 2019/8/17公開)

◆「復興五輪」?「コンパクトな五輪」?

2019-2020 licensing road map

無謀にも灼熱地獄の中で予定されている東京五輪・パラリンピック。上記報道の通り東京湾の汚染により「海に入れない」状況が生じることが証明された。そうでなくとも(東京在住の方には失礼当たるが)東京湾の汚れ具合は周知の事実で、あんなところで、よく海水浴をするな、としきりに感心していた。東京湾の海底にはヘドロが堆積し、福島原発から垂れ流されるストロンチウムなども漂着しているのではないか。

そうまでして、東京五輪にしゃかり気になるのは、どういう人たちだろうか。その筆頭は、日本政府だ。「復興五輪」(ちょっと考えれば「復興」と「五輪」はまったく関係ないことは誰にでもわかろう。外国人労働者を本格的に差し向けなければ足りないほど、作業員の不足が著しい、福島第一原発事故現場の収束作業に当たることができる人が、五輪のための建築現場などに大幅に吸収されている)。

もうこれ以上アスファルトで埋め尽くす場所はない、といっても過言ではないほど舗装の行き届いた東京。1969年とはわけが違うのに、金の使い方は当時の比にならない。「コンパクトな五輪」を謳っていたいた当初の姿勢は見せかけで、運営費だけでも3兆円かかると大会実行委員会は開き直りだした。最終的にはもっとかかるだろう。実行委員会のある理事は「これほどスポンサーの皆さんとスムースに仕事ができるのは実にありがたい」と述べていた。

そりゃそうだろう。朝日・毎日・読売・産経・日経に加えて北海道新聞までがスポンサーになっている東京五輪に、根源的な批判が向けられるはずがない。。その他のスポンサー数や業種も「よくぞここまで便乗するな」とあきれるほどだ。便乗企業の商品化カタログは180頁にわたる(https://tokyo2020.org/jp/organising-committee/marketing/licensing/)。引出物のカタログでも180頁の商品カタログに、庶民はそうそうお目には書かれまい。

そして、存在自体が反自然の観点からは「犯罪」ですらある、「東京」という町である。大きなポスターだけでも結構威圧感があるのに、最近は広告表示が液晶にかわった。東京駅で新幹線を降りて改札口を抜けると液晶に写される動画広告に、気分が悪くなるので、わたしは下ばかり向いて歩く。

◆「万博」だの「五輪」などは、すべて行き着く先が「政治」である

ところで、この国は、こういう「乱痴気騒ぎ」をやっている場合だろうか。福島をはじめとする東日本大震災の被災者の方だけではなく、広島、熊本、など自然災害の被災地は全国に及び、いまだに仮設住宅で暮らしている方々、あるいは仮設住宅を追い出されて。青色吐息でこの猛暑の中暮らしている方々が何万人もいるではないか。

自然災害と人災の被災国日本は、

《日本国憲法第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。》

を享受できていない人たちが、膨大に目の前にいるじゃないか。

「万博」だの「五輪」などは、すべて行き着く先が「政治」である。いま、既成政党で「東京五輪」に明確に「開催反対」を唱える政党があるだろうか。わたしは、日本人のこういった「集団主義」に虫唾が走る。逃げ出したくなるがそうもいかないから、数少ない読者諸氏に訴えるしかない。毎年夏の暑さは「命にかかわる」レベルが当たり前になった。そんな中で意味のない金を使い、広告代理店や、一部大企業を儲けさせる、イベントに“庶民”が何かを期待する「愚」はもうそろそろ終わりにしよう。

この国際化が進んだ時代に、恥ずかしくも隣国への侵略史を直視できない日本が、五輪を開催しても何の意味もない。便乗商法で儲かる企業と、一部のアスリート。そして「踊らされる」庶民が騒ぐ。新聞もテレビも五輪一色。そういう時に、悪政や、儲けにさとい連中は着々と準備を進めるのだ。

いまからでも遅いか、遅くないかは関係なく、無駄と浪費、弱者切り捨ての「東京五輪」に反対の意を再度明らかにする。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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田所敏夫『大暗黒時代の大学──消える大学自治と学問の自由』(鹿砦社LIBRARY 007)

波乱の幕開け、ジャパンキックボクシング協会、石川直樹は倒される!

5月12日のジャパンキックボクシング協会プレ旗揚げ興行に続いて、正式旗揚げ興行が開催。お笑いトリオのジャングルポケットの太田博久さん、斉藤慎二さんのお二人がリングアナで登場。

ジャパンキック協会設立御挨拶は武田幸三氏、ドスの効いた力強い声が響いた

◎KICK ORIGIN / 2019年8月4日(日)後楽園ホール 17:00~21:05
主催:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

◆第12試合 メインイベント 52.5kg契約 5回戦

石川直樹の左ヒジ打ちはかすった程度、カウンターで大崎孔稀の左フックがヒット

JKAフライ級チャンピオン.石川直樹(治政館/32歳/52.15 kg)
   VS
WMC日本スーパーフライ級チャンピオン.大崎孔稀(OISHI/19歳/52.5kg)
勝者:大崎孔稀 / TKO 3R 1:22 / 主審:仲俊光

大崎孔稀の実兄・一貴は、ルンピニースタジアム王座にも挑戦した経験を持ち、兄弟揃ってムエタイ技術を持つテクニシャンで、石川直樹は大崎孔稀との首相撲争いが注目されていた。

序盤、大崎が強い前蹴りで石川を突き放し転ばす。石川の返しの前蹴りはやや浅く、大崎の距離の取り方が上手い。石川は大崎のリズムに付き合ってしまい、首相撲からのヒザ蹴りへ繋いでもバランス良く蹴るに至らず、いきなりの大崎の左ボディーブローを貰ったり、組み合った瞬間、大崎の転ばしに掛かかるなど、ムエタイ技で苦戦してしまう。

第3ラウンドにはヒザ蹴りに出たところへ大崎の右ストレートでノックダウンを喫し、更に接近して左ヒジ打ちに合わされた大崎のカウンターの左フックで2度目のノックダウンを喫すると、ダメージ大きい石川は、カウント中に止められ、新団体における認定チャンピオンベルトを巻かれたばかりで屈辱TKO負けとなった。

大崎孔稀の前蹴りで石川直樹を突き放す
いきなりの左ボディーブローも狙っていた大崎孔稀
大崎孔稀が石川直樹を倒した

◆第11試合 ジャパンキック協会バンタム級王座決定戦 5回戦

1位.馬渡亮太(治政館/19歳/53.52kg)vs5位.阿部泰彦(JMN/41歳/53.5kg)
勝者:馬渡亮太 / KO 2R 2:24 / 主審:椎名利一

阿部泰彦も王座挑戦の経験は2度あるが、2003年と2007年のこと。「若くて勢いのある馬渡に向かっていく姿を見て欲しい」と言う。昇り龍の馬渡と親子ほどの年の差がある阿部では勢いの差は有り過ぎたが、阿部は成長著しい馬渡に試練を与えられるか、そんな期待も持たれた試合ではあった。

試合は馬渡が早くからスピード差で主導権を握った展開。阿部を上回る蹴りパンチヒジのヒット。組み合えば阿部にもヒザ蹴りがあるが、馬渡を慌てさせるには至らない。馬渡は第2ラウンドもスピーディーにヒットを決め、2度右ヒジ打ちで阿部からノックダウンを奪い、このラウンド、何とか持ち堪えたい阿部だったが、再度、馬渡のヒジ打ちを貰って崩れ落ち、3ノックダウンによる馬渡のノックアウト勝利となった。

斉藤慎二さんのコールに乗って、ジャパンキックの若きエース格、馬渡亮太登場
馬渡のヒザ蹴りは何度も阿部を襲った
馬渡がノックダウンを奪ったのは効かせるヒットのヒジ打ち
不覚にも新人のヒジ打ちを喰らった瀧澤がノックダウン

◆第10試合 フェザー級3回戦

JKAフェザー級1位.瀧澤博人(ビクトリー/28歳/57.15kg)
   VS
WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン.新人(E.S.G/30歳/57.0kg)
勝者:瀧澤博人 / TKO 2R 2:24 / 主審:松田利彦

国内フェザー級トップクラス同士で、互いに負けられない立場。初回、様子見の蹴りやパンチに強烈なヒットは無いが、接近戦で新人のヒジ打ちが入ると瀧澤はノックダウン。

呼吸を整え立ち上がり、瀧澤はやや下がり気味の展開が続くも、当て勘鋭いのは瀧澤の方。時折、接近すると瀧澤の距離を計るようなヒジ打ちが軽くヒット。

第2ラウンドには接近して来る新人の額に、瀧澤の狙った強いヒジ打ちがヒットすると、新人の額から流血しドクターがストップ勧告するとレフェリーが受入れ試合終了。2試合連続で瀧澤博人が“ヒジ打ちの名手”と言える貫禄の勝利となった。

ヒジ打ちが優っていたのは瀧澤の方、この後、額を切る強いヒットになる
瀧澤のヒジ打ちで深い傷を負った新人の額から勢いよく出血

◆第9試合 73.5kg契約3回戦

JKAミドル級1位.今野顕彰(市原/36歳/73.4kg)
   VS
NKBミドル級チャンピオン.西村清吾(TEAM KOK/41歳/73.4kg)
引分け0-1 / 主審:桜井一秀
副審:椎名29-29. 仲28-29. 松田29-29

昨年10月に日本キックボクシング連盟興行で対戦した両者で、西村清吾が2-1判定で勝利しているが、今回も差が付き難い展開が続いた。単発ながら互いにパンチのヒットが多かったが、距離を詰めての主導権を奪う強いヒットは無い静かな戦いが続き、ポイント振り分け難い引分けとなる。重量級においては交流戦が充実している団体間で再々戦が期待される。

度々ヒットがあった今野と西村だが、差の付き難い展開だった

◆第8試合 62.0kg契約3回戦

JKAライト級4位.興之介(治政館/30歳/61.5kg)
   VS
キム・ボガン(韓国/22歳/60.8kg)
勝者:興之介 / 判定2-0 / 主審:少白竜
副審:椎名30-29. 桜井29-29. 松田30-29

◆第7試合 バンタム級3回戦

JKAバンタム級3位.翼(ビクトリー/23歳/53.2kg)
   VS
NKBバンタム級4位.海老原竜二(神武館/28歳/53.2kg)
勝者:翼 / 判定3-0 / 主審:椎名利一
副審:松田29-28. 桜井29-27. 少白竜30-27

初回のパンチとローキックの攻防から翼のヒザ蹴りでノックダウンした海老原だったが、凌ぎきるとパンチのヒットを増やし始める。

翼も打ち返し、ダブルノックダウンに繋がりそうな互いの強いヒットが続くが、やがて打ち疲れでスタミナ切れそうな中、このまま判定まで持ち堪えた。

新団体設立に伴ない5月のプレ興行から始まった、前半戦のベストファイターに贈られるヤングライオン賞はこの両者に贈られた。

ヤングライオン賞獲得となった海老原竜二と翼の攻防

◆第6試合 スーパーバンタム級3回戦

JKAバンタム級4位.田中亮平(市原/29歳/55.2kg)
   VS
WMC日本スーパーバンタム級2位.加藤有吾(RIKIX/19歳/55.25kg)
勝者:加藤有吾 / 判定0-3 / 主審:仲俊光
副審:椎名28-30.桜井28-30. 少白竜29-30

◆第5試合 ライト級3回戦

JKAライト級5位.大月慎也(治政館/33歳/60.7kg)vs野崎元気(誠真/24歳/61.23kg)
勝者:野崎元気 / KO 2R 2:22 / 3ノックダウン / 主審:松田利彦

◆第4試合 ヘビー級3回戦

JKAヘビー級1位.ショーケン(山田/33歳/94.2kg)
   VS
ゴリ・セノオ(月心会チーム侍/44歳/89.8kg)
勝者:ショーケン / KO 1R 1:17 / 3ノックダウン / 主審:桜井一秀

ヘビー級として力強いノックアウトシーンを見せ付けたショーケン。この新団体ヘビー級ではトップに立つ選手。

※前座3試合は割愛します。

直闘の涙の理由は“勝って獲りたかった”

《取材戦記》

新たに分裂して出来た団体とは感じ難い、新日本キックの名残ある雰囲気。しかしそこは元からある治政館ジム主催の活気ある興行でもあった。

また、他団体首脳陣の顔触れがリング周りにあり、新団体としての姿勢、協力態勢が表れている、今後の興行でも新日本キックを上回る交流戦を充実させていく印象があった。

新日本キックではランカー中堅クラスだった直闘が、この新団体で王座決定戦へ抜擢されるも、対戦予定だった永澤サムエル聖光が脱水症状による体調不良で出場不可能となり、戦わずしてチャンピオンベルトを巻かれてしまった。

国内王座が更に乱立するのは仕方無いにしても、初代から早々にチャンピオンに任命される“認定チャンピオン”も作られるなど、団体レベルで都合のいいルールを作り上げるから、反対論が出てももう止めようがない。

いずれにせよ、国内すべての団体タイトルは、日本の国レベルタイトルには追いつかないローカルタイトルであり、他の認定団体チャンピオンとの対戦や「KNOCK OUT」などのビッグマッチ興行へ選出される出場権でしかないが、そういう立て構造の図式が成り立つのも自然の成り行きかもしれない。

そんな直闘がチャンピオンベルトを腰に巻いて貰い、涙を流したのは、うれし涙ではない、くやし涙だった。勝ってチャンピオンベルトを巻きたかったのだろう。永澤選手には「体調戻して早くこのリングに戻って来て欲しいです。」と語り、真のタイトルマッチにおける決着戦を願ったが、この日、戦わずしてベルトを巻くより、後日へ延期して改めて王座決定戦をやることがプロスポーツのやり方だと思う。

ジャングルポケットのトリオのうちの御二人、太田博久さん、斉藤慎二さんはリングアナウンサーとしての存在感は大きかった。低い太い声で力強い。毎回やればいいと思うが、本業が忙しければそうはいかないのが芸能人。ジャパンキック協会も短期で新顔に替わるリングアナでなく、団体の、興行の顔となるメインリングアナウンサーを育てる方がいいだろう。

ジャパンキックボクシング協会の次回興行は、11月9日(土)新宿フェースに於いて昼夜の2部制で行なわれる予定です。新日本キックにおける昨年組まれた今年分の年間スケジュールで会場が押さえられているので、来年はジャパンキック協会としての年間予定が多く組まれることでしょう。

KO賞とMVP賞を獲得した大崎孔稀
勝ってチャンピオンとなった馬渡亮太、ジャパンキック協会初代バンタム級王座獲得

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

「投げさすべき」発言で物議の張本勲氏、甲子園への思いと自分自身の負傷歴

MAX163キロの大船渡高校・佐々木朗希投手が高校野球岩手県大会決勝で監督の判断からケガの防止のために登板回避し、敗退した一件をめぐっては、プロ野球解説者の張本勲氏が世間の批判にさらされている。出演番組『サンデーモーニング』(TBS)で、「絶対に投げさすべき」「けがを怖がったんじゃ、スポーツやめたほうがいいよ」などと根性論的な発言をしたためだ。

近年のスポーツ界では、「選手ファースト」の考え方が一般的になっている。そんな中、あのような発言をすれば、批判されるのも無理はない。

ただ、私自身は、張本氏の経歴からして、あのような意見になるのは当然だと思うし、張本氏の意見も1つの意見として尊重されるべきだと考えている。

◆理不尽な形で甲子園出場の望みを絶たれた高校時代

 
『誇り 人間 張本勲』(著・山本徹美/1995年講談社)。不屈の半生が詳細に綴られている

張本氏の経歴の中で、まず見逃せないのは、高校時代に甲子園を目指しながら理不尽な形でその望みを絶たれたことだ。

張本氏は広島市の公立中学を卒業時、地元の野球名門高校である広島商業か、広陵高校への進学を希望し、学業成績からして合格確実とみられていたが、まさかの不合格。野球があまり強くない地元の高校にいったん進学したが、甲子園出場の夢を諦め切れず、大阪の野球強豪校である浪華商業へ転校した。この野球留学では、兄と姉が生活を切り詰め、学費をねん出してくれたという。

しかし、転校してしばらくすると、浪華商業の野球部は不祥事のため、1年間の対外試合禁止処分に。最上級生になってからも、部内で暴力事件が起きた際、濡れ衣を着せられて休部処分を受け、チームは夏の甲子園に出場したのに、張本氏は出場できなかったのだ。

張本氏は、「サンデーモーニング」で次のように述べていた。

「1年生から3年生まで必死に練習してね、やっぱり甲子園が夢なんですよ。私らの時代はね、夢が欲しくてね、小雨の降る路地で泣いたこともあるんです。耐えて、耐えて」

張本氏としては、甲子園に出られるチャンスがありながら、それを自ら手放すに等しい行為は理解できなかったのだろう。

◆野球ができなくなるほどの負傷を2度乗り越えた

張本氏の経歴でもう1つ見逃せないのは、自分自身の負傷歴だ。

張本氏の利き手である右手は、幼い頃に負った火傷の後遺症で、小指と薬指、中指がくっついた状態だ。そのため、中学で野球を始めた時、投手を希望したものの、満足にボールが投げられなかった。しかし、張本氏はそれでも投手を諦めず、左投げを練習してマスターし、四番投手として県大会で優勝するまでになったのだ。

だが、そこまで努力し、左投手として頭角を現しながら、張本氏は高校時代、今度は左肩を故障してしまう。浪華商業のOBである立教大学の捕手がぶらりとグラウンドにやってきて、「受けてやろう」と言われたので、張り切って投球練習をしたのが原因だ。気づけば、300球近くも投げ込んでしまい、左肩を壊してしまったのだ。

「野球をやるからには四番で投手」と考えていた張本氏は、この負傷をした当初、野球をやめることまで考えたという。しかし、監督から「お前には並外れた打撃力があるやないか」と励まされ、奮起。猛練習により、打者として大成したのだ。

このように張本氏は野球自体ができなくなるような大きな負傷を繰り返しながら、その都度諦めずに乗り越え、3000本安打という偉業を成し遂げた。この成功体験がおそらく、「けがを怖がったんじゃ、スポーツやめたほうがいいよ」という言葉の背景にあるのだろう。

そうはいっても、佐々木投手が張本氏と同じ道を歩む必要はまったくないし、むしろ、大船渡高校の監督が教え子の将来性を考え、登板回避させたのは英断だと思う。だが、スポーツ選手はどんなに細心の注意を払っても、選手生命を失うようなケガをすることもある。そういう時、心に刺さるのは、「ケガをさせないことを第一に考える人の言葉」より、「ケガを乗り越えた先人の言葉」だと思う。

だから、張本氏の意見も1つの意見として尊重されるべきだと私は考える。

※参考文献:『誇り 人間 張本勲』(著・山本徹美/講談社)

▼片岡健(かたおか けん)
全国各地で新旧様々な事件を取材している。著書『平成監獄面会記』が漫画化された『マンガ「獄中面会物語」』(著・塚原洋一/笠倉出版社)が8月22日発売。

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

ムエタイオープン45、次なる大舞台へ繋げるか、3つのタイトル戦!

上原真奈が圧倒的に攻める

NOWAYは昨年7月22日に獲得した王座の初防衛成る。馬木愛里と、女子の上原真奈が新たに王座獲得。でもまだまだ中間点の国内下位王座である。

8月18日開催の「KNOCK OUT」興行へ、出場予定選手5名(ぱんちゃん璃奈、今村卓也、安本晴翔、与座優貴、壱センチャイジム)の紹介がありました。このイベントは国内トップ選手が集結する中、皆、「いちばん目立つ良い試合したい」と、ほぼ共通したトップ争いとともに、そこには選ばれてビッグイベントのリングに立つことへの責任感を持つ意識がありました。

各プロモーターが独自路線を行く、世間からは知られ難い小さな興行から、それぞれの兵が選抜されて、大企業がスポンサーとなり、テレビ局が取り上げるほどのビッグイベントのリングに上がり、名を売るパターンが定着した現在。その大舞台を目指す前段階のひとつ、MuayThaiOpenでも、壱(いっせい)は完勝して、このビッグイベント「KNOCK OUT」へ出場し、火出丸(クロスポイント吉祥寺)と対戦予定。

この日、本場タイの二大殿堂のひとつのルンピニースタジアム管轄下となる、ルンピニージャパンの、更に下部となるMuayThaiOpenタイトルを獲得した馬木愛里と上原真奈も、当然更なる上位とビッグイベント出場を目指すことでしょう。

◎MuayThaiOpen45 / 2019年7月28日(日)新宿フェース16:00~20:05
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニージャパン(LBSJ)

圧倒する壱だが、ミンクワンも逃げ技のひとつ

◆第12試合 54.0kg契約3回戦

LBSJバンタム級チャンピオン.壱センチャイジム(センチャイ/53.85kg)
   VS
ミンクワン・チュンクエージム(タイ/53.9kg)
勝者:壱(=いっせい)センチャイジム / 判定3-0 / 主審:河原聡一
副審:北尻30-29. 少白竜30-28. 神谷30-28

ミンクワンは下がり気味に、壱(=いっせい)の出方を窺がいながら、接近戦ではヒジをタイミングよく振って来たり組んで転ばそうとして、さすがにムエタイテクニックに長けているが、壱は積極的にパンチと蹴りで前進してミンクワンをロープに追い詰める展開が続き、攻撃力で圧倒し判定勝利を掴む。

先手を打ったり打ち終わりを狙ったり、壱の攻めは強かった
ロープ際でパンチを打ち込む壱

◆第11試合 MuayThaiOpenフェザー級タイトルマッチ 5回戦

左ストレートを打つNOWAY

チャンピオン.NOWAY(NEXTLEVEL渋谷/57.05kg)
   VS
千羽裕樹(スクランブル渋谷/57.1kg)
勝者:NOWAY / 判定3-0 / 主審:田中浩明
副審:河原49-47. 少白竜49-47. 神谷49-48

千羽がローキックを蹴ってきても、奥足へ強く蹴り返すNOWAY。更に手数多く攻める勢いが上回ると、ヒジ打ちで千羽の額を切ることにも成功。

千羽も突破口を開こうとアグレッシブに打ち合いに出るが、NOWAYは冷静にかわし、攻勢を維持したまま判定勝利し、初防衛成功。

常に前進し続けたNOWAYの左ミドルキック

◆第10試合 MuayThaiOpenウェルター級王座決定戦 5回戦

最後の前蹴りでセーンケンのボディーを突き刺す

馬木愛里(岡山/66.2kg)vsセーンケン・ポンムエタイジム(タイ/66.0kg)
勝者:馬木愛里 / TKO 2R 0:56 / 前蹴り、カウント中のレフェリーストップ
主審:北尻俊介

1ラウンドから馬木愛里がハイキック、ローキックのけん制から突き刺すような前蹴り主体で様子を探り、パンチと蹴りの交錯の中、セーンケンは馬木の威力に圧されたまま。前蹴りはかなりプレッシャーを与え、セーンケンは表情に表れずもボディーがやや効いた様子。

第2ラウンドには馬木愛里は狙いを定めたか、再び強い前蹴りをボディーに突き刺すと、セーンケンは耐え切れず倒れ込み、レフェリーがカウント中にストップした。

前蹴りでセーンケンを突き放す馬木愛里
堪らず倒れ込んで追い討ちかける馬木、割って入る北尻レフェリー
まだ通過点の馬木愛里、まだ上位を目指すのは当たり前

◆第9試合 ライト級3回戦

下東悠馬(TSKJapan/60.9kg)vs亜努(新宿スポーツ/63.4kg)
勝者:下東悠馬 / 判定3-0 / 主審:神谷友和
副審:河原29-28. 北尻30-28. 田中30-28

亜努が2.17kgオーバーにより試合中止が検討されるも、特別ルールで行なわれることになった模様。試合は手数足数多いが、強烈なヒットは無い緩やかな攻防の末、順当に下東悠馬が判定勝利。

◆第8試合 スーパーフライ級3回戦

バンサパン・センチャイジム(タイ/51.55kg)vsMASAKING(岡山/51.65kg)
引分け0-1 / 主審:少白竜
副審:神谷29-30. 北尻29-29. 田中29-29

◆第7試合 スーパーフライ級3回戦

白幡裕星(橋本/51.8kg)vsペットウボン・チュンクゥエージム(タイ/51.85kg)
勝者:白幡裕星 / 判定3-0 / 主審:河原聡一
副審:神谷30-29. 北尻29-28. 少白竜30-29

◆第6試合 ウエルター級3回戦 

高木覚清(岡山/66.55kg)vs斎藤敬真(インスパイヤード・モーション/65.85kg)
勝者:高木覚清 / KO 1R 2:26 / 3ノックダウン / 主審:田中浩明

◆第5試合 スーパーバンタム級3回戦 

稔之晟(TSK・Japan/54.55kg)vs森岡悠樹(北流会君津/55.1kg)
勝者:稔之晟 / 判定2-1 / 主審:北尻俊介
副審:田中30-29. 河原29-28. 少白竜29-30

◆第4試合 MuayThaiOpen女子ピン級(100LBS)王座決定戦 5回戦(2分制)

上原真奈(NEXTLEVEL渋谷/45.3kg)vsミレー(ペルー/HIDE/45.35kg)
勝者:上原真奈 / 判定3-0 / 主審:神谷友和
副審:田中49-48. 河原49-48. 北尻49-48

上原が積極的に出て、徐々にパンチと蹴りが増していき、ミレーも諦めない打ち合いに出るが、僅差ながらも展開は上原真奈が攻勢に攻め続け王座獲得。

諦めないミレーとの攻防が続く

◆第3試合 女子フライ級3回戦(2分制)

ルイ(クラミツ/50.5kg)vsRAN(MONKEY☆MAGIC/50.55kg)
勝者:ルイ / 判定3-0 / 主審:少白竜
副審:田中30-28. 神谷30-28. 北尻30-28

◆第2試合 62.0kg契約3回戦 

加藤雅也(TSK・Japan/61.5kg)vs飯島直己(キック・フィットネスOZ/61.7kg)
勝者:飯島直己 / 判定0-2 / 主審:河原聡一
副審:少白竜29-29. 神谷29-30. 北尻28-29

◆第1試合 フェザー級3回戦

山下勝義(クラミツ/56.9kg)vs青木大(キック・フィットネスOZ/56.85kg)
勝者:青木大 / TKO 1R 2:24 / ハイキックでダウン後、右ストレートから連打、ノーカウントのレフェリーストップ / 主審:田中浩明

初防衛し、協力者や応援団に感謝を述べるNOWAY

《取材戦記》

NOWAYは本名の井上の頭の“イ”を後ろにもっていくと“ノウエイ”となることから、バンドマン時代のこのアーティストネームを使っているという。

昨年7月にヒジ打ちTKO勝利でチャンピオンとなり、ベルトを巻いてもらう時、センチャイプロモーターに、「ベルトに相応しいムエタイ戦士になる」と約束したという決意が今回もアグレッシブな前進とヒジ打ちを見せた38歳NOWAYの成長。

日本の統一した王座が存在しない中、この日本国の下部タイトルとしか言えない国内王座は10以上(認定組織)。ひとつの団体で2段階に分かれた上位と下位の王座や、ルール分けした王座があるのはもう異常な状態。

その中で強者を集結させた「KNOCK OUT」のようなビッグイベント興行が幾つか存在するが、段階的に目標となるものが存在して盛り上がることは、昭和の低迷期には想像できない世界が広がっている訳で、時代を経たキックボクシング界の成長なのでしょう。しかし、決して順風満帆とはいかない業界であることは確かなキックボクシング界である。

MuayThaiOpen.46は9月29日(日)新宿フェースにて開催されます。

センチャイジムの若きエース、壱はKNOCK OUT出場

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

月刊『紙の爆弾』9月号「れいわ躍進」で始まった“次の展開”
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

飯村誓に続く試練! NJKF若武者会主催DUEL.19

新人の域を越え、日本ランカーを倒すまでの出世は早くても、ムエタイの壁には撥ね返される選手は多い。今年、飯村誓はタイ選手に2連敗して更に今回、タイでの戦歴が多い儀部快斗と対戦。

◎DUEL.19 7月21日(日)大森ゴールドジム17:15~19:35
主催:NJKF若武者会 / 認定:NJKF

◆第9試合 メインイベント スーパーフライ級3回戦

誓の前蹴りをキャッチする儀部快斗

NJKFフライ級2位.誓(=飯村誓/ZERO/51.8kg)
   VS
儀部快斗(エクシンディコンJapan/51.75kg)
勝者:儀部快斗 / 判定0-3 / 主審:竹村光一
副審:少白竜28-30. 宮本28-30. 君塚29-30

初回のパンチとローキックの様子見から、誓の打つタイミングを見計らって儀部快斗が蹴るタイミングなどリズムを作っていく。

第2ラウンドには儀部快斗がヒジ打ちで誓の右目尻を小さくカットさせ、誓にやや心理的に影響あるかに見えたが、誓はアグレッシブに攻めるも、儀部快斗が主導権を握った展開は変わらず、的確さで優った判定勝利。

儀部快斗の右ハイキックと誓のローキックが交錯
しぶとさではマリモーが上、パントリーが攻め倦む

◆第8試合 セミファイナル スーパーライト級3回戦

NJKFスーパーライト級5位.マリモー(キング/63.4kg)
   VS
NKBライト級5位.パントリー杉並(杉並/62.75kg) 
勝者:パントリー杉並 / 判定0-3 / 主審:中山宏美
副審:少白竜28-29. 宮本29-30. 竹村29-30

パンチとローキックのアグレッシブなパントリー杉並の攻勢も、しぶといマリモーの打たれ強さと返し技のローキックがしつこい。

第2ラウンドにはマリモーがヒジ打ちをヒットさせ、パントリー杉並の右目尻を小さくカットしたが、影響はほぼ無さそうで攻防は激しくなり、パントリー杉並の連打で出る勢いは衰えず、僅差ながら判定勝利。

パントリー杉並の連打でマリモーを圧倒
パントリー杉並がアウェイで勝利

◆第7試合 68.0kg契約3回戦

NJKFウェルター級3位.JUN DA雷音(E.S.G/67.35kg)vs渡邊知久(Bombo freely/67.6kg)
勝者:JUN DA雷音 / 判定3-0 / 主審:君塚明
副審:少白竜30-29. 中山30-29. 竹村30-29

◆第6試合 フェザー級3回戦

NJKFフェザー級7位.小田武司(拳之会/56.75kg)vs?太朗(DTS/57.1kg)
勝者:小田武司 / 判定3-0 / 主審:宮本和俊
副審:君塚30-29. 中山30-28. 竹村29-28

◆第5試合 フライ級3回戦(2分制)

EIJI(E.S.G/50.8kg)vsRISING力(己道会/50.6kg)
勝者:RISING力 / 判定0-3 / 主審:少白竜
副審:君塚28-30. 中山29-30. 宮本28-30

◆第4試合 58.5kg契約3回戦(2分制)

上田祐也(E.S.G/58.45kg)vs田中崚(VALLELY/58.05kg)
勝者:上田祐也 / TKO 3R 0:45 / 主審:竹村光一

互いの左ストレートの相打ち気味に、上田がクリーンヒットさせ、田中を一発で沈めレフェリーがストップした。田中崚は暫く立ち上がれないダメージで、一瞬で終わる怖さの試合だった。

上田祐也と田中崚のパンチが交錯した瞬間
倒された田中崚は暫く動けなかった

◆第3試合 女子キック(ミネルヴァ)スーパーバンタム級3回戦(2分制)

菅原麻子(トイカツ/55.1kg)vsKAEDE(LEGEND/55.05kg)
勝者:KAEDE / 判定0-3 / 主審:中山宏美
副審:竹村28-30. 少白竜27-30. 宮本27-30

◆第2試合 女子キック(ミネルヴァ)45.0kg契約3回戦(2分制) 

ピーポー梨乃(STRIFE/44.1kg)vs七瀬千鶴(138KICKBOXING/44.95kg)
勝者:七瀬千鶴 / TKO 1R 0:28 / 主審:君塚明

七瀬の左ミドルキックで苦痛の表情を浮かべた梨乃はしゃがみ込むとそのままレフェリーストップされた。

七瀬千鶴の左ミドルキックがピーポー梨乃のボディーにヒット

◆第1試合 女子キック(ミネルヴァ)アトム級3回戦(2分制)

亜美(OGUNI/46.0kg)vs愛裟(PON/45.5kg)
勝者:亜美 / 判定3-0 / 主審:宮本和俊
副審:竹村30-28. 君塚30-28. 中山30-27

儀部快斗もアウェイで判定勝利

《取材戦記》

この日、都内でビッグイベント興行が重なる中、単にいちばんお付き合いの縁が深いだけのNJKF若武者会主催のDUELプロ興行に訪れました。

しかし、16時30分開始予定のプロ興行が45分遅れの17時15分開始。アマチュア試合が朝10時開始で108試合あったようで、タイムスケジュールの組み方に最初から無理があるように感じられました。

先月の松谷桐vs仲山大雅戦同様に、年齢的に高校生vs大学生の構図となる誓vs儀部快斗戦。歳の差は3歳差でも18歳と21歳では大きな人生経験の差があるように感じられました。

その儀部快斗は、5月12日の石川直樹にヒザ蹴りの猛攻で敗れた試合から復活。飯村誓にとってはすぐ先の目標となるNJKF王座は、今年18歳となる者同士の松谷桐がNJKFフライ級チャンピオンである以上、挑戦する日までこれ以上の連敗は避けたいところ。“誓”が正式リングネームですが、文中、意味を間違いやすいので本名で載せています。

パントリー杉並は、ホームリングとなる日本キック連盟興行でもパンチ主体のアグレッシブな試合で、徐々にランクを上げていた。マリモーは華やかさは無いがシブとく打たれ強い。こんなタイプは昔にも居たなあと思う二人の戦いだった。

リングネームの由来をいつか聞こうと思っていたが、この日の試合を前にNJKFの公開インタビューで、「“パントリー”はお笑いの養成所に通っていた頃のコンビ名」と発表されていた。昨年はKOによる連敗があり、トップクラスに躍り出ることはなかなか難しいが、打たれないこと重視して今後の上位挑戦に期待したい。

マリモーのリングネームは“何となく”付けたそうだが、これはキングジムの向山鉄也会長の仕業っぽい気がする。変なリングネームいっぱい付けてきた人だから。今度改めて聞いておきましょう。

NJKF次回興行は9月23日(月・祝)に後楽園ホールで「NJKF 2019.3rd」が開催されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

創業50周年!タブーなき言論を! 月刊『紙の爆弾』8月号
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

重森陽太がWKBA世界王座獲得、誰もが目指す王座へ、メジャー化は叶うか!

前蹴りでラックチャイの突進を止めた重森陽太
軽いパンチだが、ラックチャイと相打ちとなった瞬間の重森陽太

勝次が返上した日本ライト級王座は髙橋亨汰が獲得。

◎MAGNUM.50 / 7月7日(日)後楽園ホール17:00~20:45 
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会、WKBA

◆WKBA世界ライト級王座決定戦 5回戦

重森陽太(前・日本フェザー-級C/伊原稲城/60.8kg)
   VS
ラックチャイ・ジャルンクルンムエタイ(タイ/60.55kg)
(ラックチャイはアマチュアムエタイ60kg級チャンピオン経験有り)
勝者:重森陽太 / 判定3-0 / 主審:椎名利一
副審:少白竜50-46. 桜井50-46. 宮沢50-46

右ローキックで攻める重森陽太

重森は突き刺すような鋭い前蹴りでラックチャイの突進を阻み、自分の距離を掴んでパンチや蹴り、ヒジ打ちを叩き込んでいく。

重森は中盤以降も前蹴りを多用し、ラックチャイのバランス崩させる展開が続くが、接近すれば組みに来るラックチャイ、この体勢になると本領発揮のバランスの良さが表れるが、重森も不利な体勢にはならず、ヒザ蹴りも蹴り負けない。

最終ラウンド、倒すに至らない展開と前進衰えないラックチャイのタフさが印象付いてしまうが、それでもポイントは大差で圧倒した展開の勝利となった。

日本バンタム級とフェザー級の2階級制覇を果たしている重森は世界と合わせて三つめのベルト獲得となった。

3度のダウンを奪ってKO勝利の江幡睦

◆54.0kg契約 5回戦

WKBA世界バンタム級チャンピオン.江幡睦(伊原/54.0kg)
   VS
トーン・ハーブタイジョンジム(元・スラタニー県フライ級C/タイ/54.0kg)
勝者:江幡睦 / KO 1R 2:41 / 3ノックダウン / 主審:仲俊光

毎度のスピードある蹴りで、様子見ながら一気に倒しに掛かるような睦の勢いの中、ローキックからパンチの連打でロープ際に詰めたところで左ミドルキックをボディーにヒットさせるとトーンは蹲ってしまいノックダウンとなるが、トーンはまだ心は折れていない様子で立ち上がる。

組み合えば崩しに掛かる上手さを見せるトーンだが、睦の勢いは増していき、コーナーに詰めてのパンチ連打、離れても蹴りの上下の使い分けで、続けて左ミドルキックをボディーヒットさせ計3度目のノックダウンを奪い、ノックアウトに繋げた。
マイクを持つと、10月20日、後楽園ホールに於いて、ラジャダムナンスタジアムの王座挑戦が決定したことをファンに報告した。

コーナーに追い込み、右ストレートを打ち込む体勢の江幡睦
髙橋亨汰の左ストレートで内田雅之がダウン

◆日本ライト級王座決定戦 5回戦

1位.内田雅之(藤本/61.1kg)vs3位.髙橋亨汰(伊原/61.23kg)
勝者:髙橋亨汰 / 判定0-3 / 主審:少白竜
副審:椎名47-49. 桜井47-49.仲48-49

序盤は探り合いながら互いに主導権を奪いに打って出る攻防。

第2ラウンドには、高橋がヒジ打ちで内田の右眉辺りを小さいがカットさせ、更に左ストレートで内田をグラッとバランス崩させると、高橋が積極性を増し、再び左ストレートで、内田からノックダウンを奪う。

ダメージは軽そうで体勢を立て直し、第3ラウンドは内田のヒジ打ちが強くヒットし、高橋の額を深くカット、ここから流れを変えたい内田はペースを上げていくが、高橋はハイキックで内田の顔面を襲いリードを譲らない踏ん張り。

終盤、激しくなる攻防の中、内田の強引な蹴りとパンチ、ヒジ打ちを狙って出て行く。高橋も内田の顔面へ前蹴りをヒットさせ内田の突進を止める勢いがあった。ダウンの差を縮めるには至らなかった内田は惜しい敗戦。高橋は新しい時代を担うチャンピオン誕生となった。

髙橋亨汰の左ハイキックを受けながらバックハンドブローを繰り出す内田雅之
額を切られながらの攻防、髙橋亨汰の前蹴りが内田のアゴを捕える
念願の王座獲得で号泣する髙橋亨汰。お母さんの祝福を受けて更に号泣
伊原稲城ジム栗芝貴会長と並ぶ重森陽太

◆72.6kg契約 3回戦

日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原/72.5kg)vs小原俊之(キングムエ/72.1kg)
勝者:斗吾 / 判定3-0 / 主審:宮沢誠
副審:椎名29-27. 少白竜30-27. 仲30-26

蹴り合いの様子見からコーナーで組み合うと小原が強引なヒジ打ちの連打で斗吾の右頬をカットさせ、これで怒り心頭となった斗吾がパンチで圧倒し、右ストレートでノックダウンを奪う。

小原の踏ん張りで斗吾も打ち合いに応じ、ノックアウトには繋げられなかったが、連打で追い詰めた斗吾が大差を付けた判定勝利。

◆67.0kg契約 5回戦

日本ウェルター級チャンピオン.リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原/66.7kg)
   VS
助川秀之(Turning Point/66.8kg)
勝者:リカルド・ブラボ / 判定3-0 / 主審:桜井一秀
副審:宮沢50-46. 少白竜50-46. 仲50-47

序盤から重いパンチと蹴りの交錯が続く両者。ブラボのパンチがヒットすると、リズムに乗って連打で追い詰める。

第4ラウンドにはノックダウンを奪う寸前までいくが、倒すには至らない。助川は劣勢になりながらも耐え切り、ブラボが大差判定勝利。

メインクラス最終2試合のリングアナウンサーを務めた生島翔さんの代打、お父さんの生島ヒロシさん

◆70.0kg契約 5回戦

喜多村誠(前・日本ミドル級C/伊原新潟/69.9kg)
   VS
ペッダム・ペットプームムエタイ(タイ/68.4kg)

勝者:喜多村誠 / 負傷判定2-0 / テクニカルデジション 1R 1:00 / 主審:宮沢誠
副審:椎名10-10. 桜井10-9. 少白竜10-9

ミドルキックの蹴り合いから縺れ合って倒れた両者だったが、喜多村が後ろ向きからペッダムのアゴ辺りに圧し掛かかってしまい、ペッダムはもがき苦しみ立ち上がれず、ここでレフェリーは試合終了を宣告。

裁定はルールの在り方とレフェリーの判断によって結果は分かれるところ、ここでは偶然のアクシデントと判断され負傷判定が行なわれ、わずか1分の試合ながら、2-0で喜多村誠が勝利。

◆51.5kg契約3回戦

泰史(前・日本フライ級C/伊原/51.5kg)
   VS
WBC・M日本フライ級チャンピオン.仲山大雅(RIOT/51.5kg)
勝者:仲山大雅 / 判定0-3 / 主審:仲俊光
副審:椎名28-29. 宮沢29-30. 少白竜28-29

先手を打つ仲山のタイミングいいパンチと蹴りがヒットする。仲山の上手さが目立つが、ラウンドが進むと泰史は仲山の動きが読めるようになったか、泰史のパンチのヒットも増えてくる。しかし巻き返すには至らず、仲山の柔軟な技が目立った印象が残る。

◆63.0kg契約3回戦

日本ライト級2位.渡邉涼介(伊原新潟/62.95kg)vsイ・クロウ(Kick In The Door/62.75kg)
勝者:イ・クロウ / TKO 2R 2:29 / 主審:桜井一秀
渡邉の顔面負傷によるドクターチェック中の陣営によるタオル投入による棄権

◆62.0kg契約3回戦

日本ライト級4位.ジョニー・オリベイラ(ブラジル/トーエル/61.35kg)
   VS
ルンピニージャパン・スーパーフェザー級1位.角谷祐介(NEXT LEVEL渋谷/61.65kg)
勝者:角谷祐介 / 判定0-3 / 主審:少白竜
副審:宮沢29-30. 桜井29-30. 仲29-30

◆フェザー級3回戦

平塚一郎(トーエル/57.15kg)vs仁琉丸(ウルブズスクワッド/56.5kg)
勝者:平塚一郎 / 判定2-0 (29-29. 30-29. 30-29)

《取材戦記》

喜多村誠vsペッダム戦は、あの事態で終了ならば、プロボクシングなら試合の前半に起きたもので負傷引分け、ムエタイなら負傷裁定は無いので、ペッダムの試合続行不能による喜多村のTKO勝利となる。また、試合は成立しているので無効試合(災害や暴動などの収拾付かない事態)とはならない。昔だったら、アクシデントで負傷したものは、立ち上がれない時点でノックダウン扱いとなり、カウント数えられたものである。いずれにしても喜多村の負けにならない限り、異議申し立てる声を上げる者はいないだろう。

追い続けたラジャダムナンスタジアム王座の挑戦が決まったことを報告する江幡睦

重森陽太が語った、WKBAをメジャーにしたい想い。「このベルトが誰もが目指すベルトとなるように、ドンドン試合して、このベルトの価値を分かり易く証明していきたい」と語る。

それは以前から江幡睦も塁も同じ想いを持っていた。古く遡れば1993年に日本ライト級チャンピオン(MA日本キック時代)だった飛鳥信也(目黒)氏がWKBA世界戦に挑む時、提唱した日本統一論でもあった。このベルトを目指して皆が挑戦して来れば、必然的にここが頂点となる。

しかし現在もこの理想には近づいていない。それは統一を目指しながら実現できない国内王座が増え過ぎたことや、いずれのチャンピオンも、防衛戦の相手や場所・日時を決められる訳ではないことに繋がる。それでも新しい時代に新しいスターの重森陽太の目指す新たな挑戦に期待したい。

江幡睦が10月20日に後楽園ホールに於いてタイ国ラジャダムナンスタジアム・バンタム級王座へ4年ぶり4度目の挑戦が決定。現チャンピオン、サオトー・シットシェフブンタムがそれまで王座を維持していれば、このサオトーが来日することになる。江幡ツインズと同じく、サオトーも双子の兄弟が居て、サオエーク・シットシェフブンタムが居るようです。

這い上がる力、奪いに行く力が試される時、それが江幡ツインズであり、新日本キックの今である。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

創業50周年!タブーなき言論を! 月刊『紙の爆弾』8月号
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

ベテラン記者の技!レジェンド大集合の宴「舟木昭太郎氏喜寿を祝う会」!

レジェンド勢揃い

レジェンド達が集まるパーティーを開くことの凄さ、その羨ましい立ち振る舞い!──。先月のことになってしまいましたが、6月8日(土)、新宿京王プラザホテルに於いて行なわれた、「舟木昭太郎氏喜寿を祝う会」は盛大に130名あまりの格闘技関係者を集めて行なわれ、舟木さんの長き取材経験と実績を称える、同じ時代を生きた選手、ジム関係者で賑わいました。

発起人代表の新日本木村ジム・木村七郎会長、実行委員長の具志堅用高氏、渡嘉敷勝男氏、大熊正二氏、藤原敏男氏、富山勝治氏、シーザー武志氏、猪狩元秀氏、増沢潔氏、佐竹雅昭氏が並び、3年前から行なわれている舟木さんのトークショーで集まる面々は慣れたトークをドンと展開。

乾杯の御発声は新日本木村ジム・木村七郎会長
左から富山勝治さん、舟木昭太郎さん、関口修平さん、木村七郎さん

舟木昭太郎さんは大学を卒業後のフリーライター時代からプロボクシング、キックボクシングを取材し、日本スポーツ出版社へ入社後のゴング誌では昭和のプロボクシング全盛期と言える15回戦制世界チャンピオンから、キックボクシング生誕以降を生で見て来た取材の先駆者でした。

舟木昭太郎氏は「私が今ここにあるのは、多くの格闘家、関係者のお陰であります。とりわけ鬼籍に入られた野口修社長(野口プロモーション)、大山倍達総裁(極真空手)、金平正紀会長(協栄ジム)、梶原一騎先生(作家)と夫人高森篤子さん、そして、病床にある黒崎健時会長(黒崎道場)等の支え、皆様の導きがあったればこそです。御礼の言葉もありません。」

御存命、御健康であれば、会いたかったであろう先人の名前を披露し、感謝の気持ちを伝えられました。

全日本系のスター・島三雄さん、田畑靖男さんも祝いに御参加
具志堅用高実行委員長の祝辞

この舟木さんとレジェンド達との長年の物語は多様にある中、並んだ顔触れが祝辞を述べ、代表的にいちばん実体験から来る貴重なお話となった具志堅用高さんは、高校卒業して沖縄を発ち、プロデビューまでの経緯はかなり有名なところで、ゴング誌の取材を通じて舟木さんと出会い、「世界戦に挑む前の山中湖でのキャンプでは舟木さんが付きっきりで密着取材されました。

私生活では十代の頃から世間をあまり知らない遊びたい盛りに、後に世界チャンピオンになっても舟木さんから、“あれは駄目、これは駄目”とずっとマネージャー以上に、親父並に指導されました。」と語る。

「舟木さんに人生教えて頂きましたよ。私生活が変わり真面目になりましたねえ。引退してからは一緒に温泉に行ったり、一緒にお酒を飲んだり、楽しい思い出いっぱいあります。」と続けて語った具志堅さん。

具志堅用高さんの傑作トークが続く
大熊正二(小熊)さんもファンの前へ久々の御登場だった

2006年、そんな舟木さんの人生最大の危機が起こる。そこにたまたま居合わせた具志堅さんは、
「私が調子悪い時、キックボクシングの以前のコミッションドクター(日本系TBS)だった矢吹芳一先生の信濃町診療所でよく看て貰うんだけど、たまたま舟木さんが風邪をひいて診察に来ていた時に偶然会って、舟木さんの何だか顔が赤いな、何か静かだなと思ってたら、だんだん顔色が悪くなって、私は普段、選手の試合の動きとか練習の動き見て調子が分かるから、舟木さんを見てこれは大変だと、診療所で間に合う範疇ではない一刻を争うから、救急車呼ぶより自分の車ですぐ、外苑のインターにバァーンと乗って新宿の出口でバァーンと降りて、新宿ヒルトンホテルの隣の東京医科大まで飛ばして時間的に救急車より速かったあ。

とにかく元気な佐竹雅昭さん、“栄光の架け橋”を歌う

病院着いて受付け通り越えてロビーで“急患だ急患だ、お願いします!”と叫んだら、看護婦や医師が集まって来て私を取囲んで、みんな私が急患だと思ったんだね。“違う違うこの人(舟木さん)だ”と、でも騒いだことがよかったんだね。すぐ処置に掛かってくれて舟木さんは集中治療室に運ばれました。」

脳梗塞だった舟木さんは無事全面回復し、「具志堅さんは命の恩人です。あんな迅速な救いが無かったら私は後遺症が残っていたと思う。」と語る。

何が因で、また縁によって果に繋がるか、命を救ったのはこの仕事に就き、レジェンドを世に広め続けた縁が導いた結果となったのでしょう。

いつも大きな声と滑舌いい佐竹雅昭さんのトークは評判がいい
現役時代にクイズダービーに出演したコンビ、具志堅さんと富山さん

「これからのボクシング界のキーワードはレジェンドだ!」と30年以上前に舟木さんに言われたと言う祝辞を述べた参加者の一人は、「舟木さんが“日本名ボクサー100人”という新しい本の企画を考え、レジェンドを作り上げた先駆者です。」という、その先を見据えた発想は、その後、乱立していくチャンピオンの枠を越えたレジェンドが、今こそ希少価値ある存在となった時代でしょう。

選手の引退後、記者としての退職後、互いが歳を重ねた今、キックボクシング創生期から取材して来た格闘技記者はごく少数。レジェンドの取材を通して業界の裏側も見て来たであろう、ここがいちばん羨ましいところ。

富山勝治さんは渋く“皆の衆”を歌う
富山さんの歌に聞き入る周囲
イタズラ好きコンビ、渡嘉敷さんを杖で攻める藤原敏男さん
渡嘉敷さんもユニークさで笑いを誘う

渡嘉敷さんが「長生きしてください。次は米寿、100、200、300歳まで生きた人はいませんから!」と語ったギャグでしたが、傘寿、米寿、卒寿、白寿、紀寿、100歳を超えた長寿には、108歳の茶寿、111歳の皇寿、120歳の大還暦、250歳で天寿というものもあるそうです。

ボクシング評論家の郡司信夫さんは90歳まで執筆に務められました。これを越えるであろう舟木さんが企画する今後のイベントで、まだまだ語り続けて頂きたいものです。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

創業50周年!タブーなき言論を! 月刊『紙の爆弾』8月号
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

NKBフェザー級王座決定戦で髙橋亮がNKB2階級制覇! PRIMA GOLD杯決勝戦は10月12日、田村聖vs清水武戦に決定!

左ミドルキックを繰り出す高橋亮
左ローキックをヒットさせる高橋亮、上下の打ち分けが上手い

◎出陣シリーズvol.4 / 6月15日(土)後楽園ホール 17:15~21:20 
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

◆第14試合 メインイベント 第16代NKBフェザー級王座決定戦 5回戦

NKBフェザー級1位.ひろあき(=安田浩昭/プラスα/57.0kg)
   VS
NKBフェザー級3位.髙橋亮(真門/57.0kg)
勝者:高橋亮 / 判定0-3 / 主審:前田仁
副審:竹村光一47-50. 鈴木義和46-50. 佐藤友章46-50

ハイキックは狙い過ぎたが、圧力掛け続けた高橋亮

蹴りの鋭さや試合運びは高橋亮が上手だが、ひろあきは強い右クロスカウンターがあり、一発当たればそれだけで勝利を導く怖さがある。高橋三男・聖人との初戦(2017年12月16日)はこれで倒したこともあり、緊張感ある対峙となった。

ひろあきの強打を警戒しつつも、高橋亮もパンチの強打は無くても的確さは十分あり、先に当たるジャブやストレート、当たれば痛そうな素早いローキック、ミドルキックが炸裂。ひろあきは左瞼が腫れ、鼻血を出すほど高橋亮のパンチがコツコツ当たっていた。

第4ラウンド、高橋亮は一発KOを狙うハイキックを出すのはちょっと早過ぎたか、聖人との2戦目(2018年6月16日)で倒されたハイキックが教訓となっていたひろあきにはヒットしても浅く、ノックアウトには結び付けられなかった。やや不完全燃焼となるも、各ラウンドを抑えた大差判定勝利で王座獲得。高橋亮は「倒す技は幾つも考えていた」と言うが、「力み過ぎました」と反省点を述べていた。

パンチでも負けてはいない左ストレートを打ち込む高橋亮
左ヒジ打ちを打ち込む高橋亮、細かい技が冴える

◆第13試合 PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント準決勝3回戦

右ストレートカウンターで今野を倒すイレズミの田村聖

NKBミドル級1位.田村聖(前・C/拳心館/72.2kg)
   VS
ジャパンキック協会ミドル級1位.今野顕彰(市原/72.5kg)
勝者:田村聖 / KO 2R 2:24 / テンカウント / 主審:佐藤友章

トーナメント初戦(4月13日/準々決勝)で、吉野健太郎をKOした田村聖。井原浩之をヒジ打ちでカットし、ダウンを奪う判定勝利した今野顕彰。

距離を取った蹴りとパンチを打ち込むタイミングは今野が先手を打つペースで始まるも、田村が一気に距離を詰めパンチを打ち込むと今野はやや貰って効いてしまい、ロープ際へフラつくように下がってしまう。

これで出難くなった今野、第2ラウンドにはパンチの交錯が見られるも、田村のパンチで切られたか、今野の左目尻から出血。終始冷静に距離を見計らっていたのは田村。今野の右ストレートで出るところへ逆に右ストレートをカウンターで打ち込んだ田村がノックアウトで倒し切った。

あっさり倒した田村聖と見上げる今野顕彰
決勝戦は清水武vs田村聖に決定

◆第12試合 PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメント準決勝3回戦

清水武の左ローキックが小原俊之にヒット

清水武(元・WPMF日本SW級C/sbm TVT KICK LAB/72.5kg)
   VS
J-NETWORKミドル級3位.小原俊之(キングムエ/72.25kg)
勝者:清水武 / ヒジ打ちによる瞼のカットでドクターの勧告を受入れレフェリーストップ
主審:鈴木義和

トーナメント初戦(準々決勝)、郷野聡寛をヒジ打ちで終わらせた清水武。西村清吾を左縦ヒジ打ちでノックダウンを奪取し終わらせた小原俊之。

第1ラウンドはローキック中心に静かな展開からパンチに繋ぐ交錯が続き、第2ラウンドに、清水がここでもヒジ打ちで小原の右眉尻辺りと額をカット、2ヶ所とも傷は小さいが、第2ラウンドに入っての打ち合いで清水のパンチとヒジ打ちが何度か小原の顔面をかすめていたが、今度はヒジ打ちで右目瞼を深く切り、これがストップの直接的原因となって試合を終わらせた。

やがて接近戦になり、清水武のパンチが当たりだす

◆第11試合 64.0kg契約3回戦

NKBライト級1位.棚橋賢二郎(拳心館/63.85kg)
   VS
セーンアーティット・ワイズディー(タイ/63.6kg)
勝者:セーンアーティット / 判定0-3 / 主審:竹村光一
副審:佐藤28-30. 鈴木28-30. 前田28-30

(セーンアーティットはフェザー級で元・ルンピニー系6位、元・ラジャダムナン系5位)

棚橋はローキックのけん制から強打を狙っていくが、セーンアーティットが柔軟なかわしと距離感を上手く利用したキレ味ある蹴りとヒジ打ちの返し技で大きく上回る判定勝利。

棚橋のパンチは貰わず、ムエタイ技が冴えるセーンアーティット

◆第10試合 ウェルター級3回戦

NKBウェルター級2位.稲葉裕哉(大塚/66.6kg)vs蛇鬼将矢(テツ/66.3kg)
引分け 0-1 / 主審:前田仁
副審:佐藤29-29. 鈴木29-29. 竹村28-29

◆第9試合 55.0kg契約3回戦

NKBバンタム級2位.高嶺幸良(真門/54.6kg)
     VS
NJKFバンタム級6位.鰤鰤左衛門(CORE/54.5kg)
勝者:鰤鰤左衛門 / 判定1-2 / 主審:竹村光一
副審:佐藤29-30. 前田30-29. 鈴木29-30

◆第8試合 スーパーライト級3回戦

NKBライト級3位.野村怜央(TEAM-KOK/63.4kg)
   VS
ジャパンキック協会ライト級7位.大月慎也(治政館/63.15kg)
勝者:大月慎也 / 判定0-3 / 主審:鈴木義和
副審:佐藤27-30. 前田27-30. 竹村27-30

◆第7試合 バンタム級3回戦

古瀬翔(ケーアクティブ/53.45kg)vs TOMO(K-CRONY/53.52kg)
勝者:TOMO / 判定0-2 / 主審:佐藤友章
副審:前田29-29. 鈴木28-29. 竹村28-29

◆第6試合 女子キック(ミネルヴァ)スーパーフライ級3回戦(2分制

TAMA(ReBORN経堂/51.9kg)vs sasori(テツ/52.16kg)
勝者:sasori / 判定0-3 / 主審:竹村光一
副審:前田25-30. 鈴木25-30. 佐藤25-30

◆第5試合 フライ級3回戦

山野英慶(市原/51.06kg)vs則武知宏(テツ/50.8kg)
勝者:則武知宏 / TKO 3R 1:48 / レフェリーストップ
主審:鈴木義和
山野英慶はリミット超オーバーウェイトにより減点1

◆第4試合 フェザー級3回戦

森田勇志(真門/56.4kg)vs渉生(アント/57.15kg)
勝者:森田勇志 / 判定3-0 / 主審:前田仁
副審:鈴木30-28. 竹村29-28. 佐藤30-28

◆第3試合 フェザー級3回戦

山本太一(ケーアクティブ/57.1kg)vs藤平泰地(花澤/56.1kg)
引分け 0-1 / 主審:佐藤友章
副審:鈴木28-28. 竹村28-29. 前田28-28

◆第2試合 バンタム級3回戦

五嶋龍太郎(真門/52.9kg)vs剣汰(アウルスポーツ/53.52kg)
勝者:五嶋龍太郎 / TKO 2R 2:39 / カウント中のレフェリーストップ
主審:鈴木義和

◆第1試合 ライト級3回戦

小笠原裕史(TEAM-KOK/61.1kg)vs哲太(Team S.A.C/60.6kg)
勝者:哲太 / 判定0-3 / 主審:前田仁
副審:佐藤24-30. 竹村24-30. 鈴木24-30

バンタム級に続き、フェザー級を制覇した高橋亮。次は兄が持つライト級王座?

《取材戦記》

高橋三男・聖人が返上したNKBフェザー級王座を次男・亮が獲得し、いずれはライト級も目指し3階級制覇すると言う。現在、ライト級は長男・一眞が王座に君臨する

「三兄弟でリーグ戦やれよ!」という身内間のジョークには3人とも笑って否定したが、兄弟対決は本当はやるべきではない。だが、王座の譲り合いとなる返上も望ましくはない。

他団体に見られる、“後輩に道を譲る”という選択肢が幾度かありましたが、個人競技たるもの、同門であっても上がってくる後輩は本来、返り討ちにすべきもの。下克上が起こればそれは世代交代の時。一概に選手を攻められず、本人の意思に関係なく、返上させられたという話も聞くが、王座たる頂点をビジネス優先に進め、好カードの面白さを奪ってはならないだろう。

PRIMA GOLD杯ミドル級トーナメントは10月12日に決勝戦を迎えます。この4ヶ月の期間が空くのは勿体無いところ。調整試合でも挟めそうなほど間が空くが、他のイベントの陰に隠れ、ファンが忘れそうになるほど熱が冷めないことを願いたい。

高橋兄弟2人のチャンピオンがそれぞれ王座を防衛し続けたら、現在無冠の三男・聖人はどうなるか。まさかウェルター級王座を狙うなんてことは有り得ないが、「KNOCK OUT」をはじめとする国内ビッグイベントに進出するでしょうか。

仮に、ライト級辺りでPRIMA GOLD杯トーナメントが大人数参加で行なえば盛り上がることでしょう。それこそ兄弟対決もトーナメント制なら仕方無いところです。

出陣シリーズvol.5は9月29日(日)大阪・すみのえ舞昆ホールに於いて開催。出陣シリーズvol.6は10月12日(土)後楽園ホールに於いて開催。出陣シリーズvol.7(ファイナル)は12月14日(土)後楽園ホールに於いて開催されます。

数年前から交流戦で盛り上がって来た日本キックボクシング連盟とNKB、高橋三兄弟をメインに何が行なわれるでしょうか。

PRIMA GOLD杯トーナメントに登場したラウンドガール

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

創業50周年!タブーなき言論を! 月刊『紙の爆弾』7月号
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

春日部パフォーマンス「絆」! ムエタイ戦士3名を迎え撃つ日本の若手戦士たち

2013年から始まった「絆」興行も12回目を迎え、日本の各ジムがトレーナー兼選手として招聘した第一線級を退いたタイ選手でも充分なベテラン技でムエタイを披露。日本滞在が長く、勝利者インタビューで日野リングアナウンサーが日本語で感想を聞くと、片言ながら日本語で照れながら「ありがとうございます。また頑張ります」程度の受け答えでもしっかり応えてくれるタイの選手達でした。

ノックアウトを狙うような技は少ないが、ダメージを与えるよりバランスを崩させる技、踏み込んだ前足を払う、蹴ってきた軸足を払う、足を掴んで吹っ飛ばす崩し、突進を拒むジャブのような前蹴り、どこを狙うか分からない素振りからのヒジ打ち、ヒザ蹴り。裏の裏をかくような相手のフェイントを見破ってフェイントを掛ける上手を行く技。若い日本人選手3名はムエタイ戦士の巧みな技に、ムエタイ技術を学ばせて貰ったような実戦での展開。タイ3戦士とも日本に慣れて、日本の選手を育てる役割を果たす、そんな指導者のような存在だった。

追い詰めるとジョッキーレックの左ミドルキックを浴びてしまう誓
組まれると動けない。ヒザ蹴りを喰らう誓

◎絆 Ⅻ
2019年 6月9日(日)
埼玉県春日部市ふれあいキューブ 16:00~20:15
主催:PITジム / 認定:NJKF

◆スーパーフライ級5回戦

ジョッキーレック・DRAGON(タイ/51.9kg)
   VS
NJKFフライ級2位.誓(=飯村誓/ZERO/52.0kg) 
勝者:ジョッキーレック / 判定3-0 / 主審:竹村光一
副審:君塚50-49. 松田50-48. 中山50-48 

蹴り足を取られ、吹っ飛ばされる誓

ジョッキーレックは過去にHIROYUKI、岩浪悠弥、佐々木雄汰といった国内チャンピオンを降してきた実力を持つ36歳。“ジョッキーレック・ポー・ポンスリン”が本来のリングネーム。

18歳の飯村誓がパンチを狙ってもジョッキーレックはスウェーでかわし、接近するとジョッキーは首相撲でしっかり組んでヒザ蹴りを出してくる。組んでから崩し倒すのが上手いジョッキーレック。中間距離では何を出してくるか読み難いムエタイ技に翻弄される誓。

第5ラウンドは勝ちを確信したら下がるパターンは仕方ないが、誓が出てくれば余裕の応戦。ムエタイの奥義見せたジョッキーレックだった。

誓のハイキックを軽くかわす余裕のジョッキーレック
ユットvs日下滉大。ロープ際でユットのパンチを貰ってしまう日下滉大

◆56.0kg契約3回戦

NJKFバンタム級3位.日下滉大(OGUNI/55.9kg)vsユット・ZEROジム(タイ/55.6kg)
勝者:ユット・ZEROジム / 判定0-3 / 主審:多賀谷敏朗
副審:君塚27-30. 竹村27-30. 中山26-30 

初回から積極的に蹴りが出る日下だが、ユットは余裕で見ながら、かわしたり蹴り返したり、更にガードの空く日下へパンチを打ち込むタイミングを見計らう。第3ラウンドには日下は蹴りに行ったところにユットの素早い右ストレート貰いノックダウンを喫する。軽いヒットだがフラフラと倒れ込む。上手さが目立ったユット。更にロープ際で蹴りを出したところへユットの右ストレートを浴びると2度目のノックダウン。倒しきるほどラッシュは控えた感じの大差で判定勝利を掴んだユットだった。

ユットと打ち合う日下滉大
ユットの右ストレートを浴びてしまう日下滉大
ポンと打ち合う吉田凛太朗

◆59.5kg契約3回戦

NJKFスーパーフェザー級7位.吉田凛太朗(VERTEX/59.3kg)
   VS
ポン・ピットジム(タイ/58.4kg)
勝者:ポン・ピットジム / 判定0-2 / 主審:松田利彦
副審:多賀谷29-30. 竹村29-29. 中山28-29 

吉田は正攻法な蹴りで前進気味に攻めるが、ポンは下がり気味でも圧力あるヒットが目立つ。組み合えばポンが吉田の頭をを押さえ付けて優位な態勢に持ち込んでヒザ蹴りを加える。吉田がパンチ連打で出るとポンは距離とって迎え撃つ。吉田のガードが空けばハイキックで顔面をかすめる。僅差ながらポンが上手さで優った。

ポンの右ストレートを浴びる吉田凛太朗

◆女子キック(ミネルヴァ)45.5㎏契約3回戦(2分制)

WPMF日本ピン級3位.田中“暴君”藍(PCK連闘会/45.3kg)vs祥子(JSK/45.3kg)
勝者:田中“暴君”藍 / TKO 2R 1:21 / レフェリーストップ
主審:君塚明 

◆女子キック(ミネルヴァ)48.0㎏契約3回戦(2分制)

アトム級1位.佐藤レイナ(teamAKATSUKI/47.8kg)
   VS
ライトフライ級6位.後藤まき(RIKIX/47.8kg)
勝者:後藤まき / 判定0-3 / 主審:中山宏美
副審:多賀谷28-29. 君塚29-30. 松田28-29 

◆女子キック(ミネルヴァ)スーパーフライ級挑戦者決定トーナメント準決勝3回戦(2分制)

ライトフライ級4位.佐藤”魔王”応紀(PCK連闘会/51.9kg)真美(TeamlmmortaL/51.8kg)
勝者:真美 / 判定0-2 / 主審:竹村光一
副審:中山29-29. 君塚28-30. 松田28-29  

同日、大阪市平野区で行なわれているNJKFミネルヴァ実行委員会西日本主催興行で、もう一方の準決勝で聖愛(魁塾)が楓(LEGEND)を破り、決勝戦は真美vs聖愛となります。

佐藤応紀vs真美。女子キック、ミネルヴァの戦いに勝ち上がった真美

◆55.0㎏契約3回戦

篠田兼一(DANGER/54.9kg)vs NJKFバンタム級4位清志(新興ムエタイ/54.8kg)
勝者:清志 / 判定0-3 / 主審:多賀谷敏朗
副審:中山27-30. 君塚28-30. 竹村27-30 

◆80.0kg契約3回戦

J-NETWORKライトヘビー級6位.中平卓見(北眞館/80.0kg)
   VS
クイック・チョップリー(打撃武道我円/78.0kg)
勝者:中平卓見 / TKO 1R 1:15 / カウント中のレフェリーストップ
主審:松田利彦 

◆ウェルター級3回戦

NJKFウェルター級7位.佐野克海(拳之会/66.68kg)
   VS
星裕久(ワイルドシーサー高崎/66.4kg)
勝者:佐野克海 / 判定2-0 / 主審:君塚明
副審:松田29-29. 多賀谷30-28. 竹村30-28 

◆52.0kg契約3回戦

清水保宏(北眞館/51.2kg)vsナカムラン・チャイケンタ(teamAKATSUKI/51.8kg)
勝者:ナカムラン・チャイケンタ / KO 2R 2:58 / テンカウント
主審:中山宏美

◆スーパーバンタム級3回戦

紺野大(DRAGON/55.1kg)vs雅(クローバー/55.0kg)
勝者:雅 / 判定0-3 / 主審:竹村光一
副審:松田29-30. 中山28-29. 君塚28-30 

大場総vs希望。タイを主戦場に戦うプロボクシングの大場総

◆70.0kg契約3回戦

中川達彦(打撃武道我円/69.6kg)vs謙(PIT/69.0kg)
勝者:謙 / 判定0-2 / 主審:多賀谷敏朗
副審:竹村29-29. 中山28-30. 君塚29-30 

◆ボクシングルール59.0kg契約3回戦

WBCアジア・スーパーフェザー級13位.大場綜(チームバカボン横浜西/58.3kg)
   VS
希望(D-TRIBE/56.8kg)
引分け(3R終了無判定) / 主審:松田利彦

大場綜はJBC管轄下のジムには所属せず、タイで実績を積み上げてきた選手。タイでのインターナショナル・スーパーフェザー級王座も獲得する経験を持つ。日本国内ではキックボクシング系のリングでボクシングマッチに出場している様子。

御挨拶に立つ権守幸男議員

《取材戦記》

今回、リングネームでちょっと不便に思うことがありました。実力を発揮したムエタイ3選手は在日タイ人で、タイで登録されるリングネームとは違った日本式リングネームで出場する場合がありますが、頻繁にリングネームを変えることは、過去の戦歴を調べ難いものとしてしまいます。

ポン・ピットジムは過去“ポンチャン”と言うリングネームで試合しており、来日経験豊富で国内チャンピオンクラスを下すベテラン選手。パンフレット製作者によって作られるものはしっかりインタビューや経歴、過去数戦の戦歴が載せられること多くなりましたが、過去の経歴や来日戦績を公表することは大事だなと思います。

松永嘉之プロモーターの御挨拶

各々の興行プロモーションによってはWebサイトで出場選手の詳しい戦歴・経歴が載せられるところもあるようですが、日本のキックボクシングの団体となる協会や連盟などの集団レベルではルールを基準とした管理・規制が行き届かない問題点。

プロボクシングでは昨年4月より、日本で試合するタイ人選手のリングネームは本名に限定されています。タイ人選手が複数のリングネームを使い分けることや、同一人物で複数の戦績が存在し、実力の無い選手、無気力試合をする選手を招聘する側が審査を逃れる手段であったところ、規制が厳しく改訂された訳です。但し、世界戦を戦うレベルの著名選手が来日した場合は特例でリングネームが認められるようです。

JBCのような管理体制がしっかりしたコミッションなら国内戦績・経歴がすべて管理されるところで、キックボクシング界も現在は団体単位でも、しっかりした体制造りが求められるところです。

マイクを持って立つラウンドガールの未来さん

毎度のラウンドガールを務める未来(みく)さんは今回は珍しくマイクを持ってちょっとだけ御挨拶。次の登場の埼玉県議会議員の権守幸男氏をコール。

権守氏は松永嘉之興行プロモーターと幼稚園からの同級生、とは何度か触れましたが、今回も演説慣れした御挨拶にリングに上がられました。選手が命を削る思いで今日まで練習してきて戦いに挑んでいることに敬意を表された権守氏。いつもは業務に追われ、早々に会場を後にすることもありましたが、今回はゆっくり最後まで観戦・歓談されました。

絆XIIIは来年6月14日(日)と1年後になってしまいますが、春日部パフォーマンスが行なわれます。 

ラウンド板を持ってファンに応える未来さん

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

創業50周年!タブーなき言論を! 月刊『紙の爆弾』7月号
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』
上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!