今日は、なんの日か? 3月4日。見たまんま、「さんしんの日」なのだ。
「さんしん」とは、言うまでもなく、沖縄の芸能・文化に欠かせない楽器、三線。
元琉球放送の上原直彦さんの提唱により、1993年から、3月4日が「さんしんの日」となった。沖縄ではもちろんのこと、日本の各地、ハワイ、シカゴ、ブラジル、ロサンゼルス、南アフリカ、インド、フランス、北京、タイ、上海、ドミニカ共和国などでも、各種のイベントが開催されてきた。

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若い頃、ミュージシャンになりたかった。だが、天性の音痴であった。だから、自分でチューニングする必要のないキーボードを選んだ。それでも、音感をつける必要があると思って音叉を持ち歩いていたことがある。ムダな抵抗だった。
音楽家が表現者としていちばん素晴らしい、とうらやむ気持ちが今でもある。
成功すれば、その楽曲はテレビやラジオ、インターネットを通じて、あまねく広がっていく。ライブをすれば、その場で観客からの反応が得られる。

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先にも紹介した『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(鹿砦社)だが、限定1000部で、DVD付きの特別限定保存版が出た。
熊本市内の沖縄料理店「ゆがふ」の店主、東濱弘憲の一声で始まった、フェスティバル『琉球の風』は、今年で6回を重ねた。
東濱弘憲は昨年4月24日、逝去した。がんの再発が告げられたのが、その2年前。病と闘いながら、『琉球の風』の開催を続けていた。

同書には、出演者やゆかりのあるアーチスト、宮沢和史(THE BOOM)、宇崎竜童、島袋優(BEGIN)、ネーネーズ、鳩間可奈子、藤木勇人、大島保克、内田勘太郎、新良幸人、下地勇、よなは徹、ボブ石原、のインタビューも収められている。
この顔ぶれを見るだけで、このフェスティバルの質の高さが分かるだろう。

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熊本で行われたフェスティバル『琉球の風2013』に参加してから、下地勇というアーチストにはまっている。沖縄の宮古島のことば、宮古口(ミャークフツ)で、彼は歌う。
『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』でインタビューに応えてくれた宇崎竜童は、下地勇の歌は、最初聴くと、シャンソンみたいに聞こえる、と言っていた。

ヒット曲『おばぁ』を聴くと、確かにシャンソンみたいだ。
『おばぁ』の歌詞の一部を文字にすると、「ヴ’ ヴぁが つ^ふい^ い^ずぬ まあすにぬ いつ^ばん む’ まむぬてぃ」となる。
標準語にはない、Vの音があるのだ。「つ^」などと表記されている文字は、zzzzやssssの発音を伴う。

宮古口で、神や蟹は仮名で書くと「かん」だが、神はkam?で、蟹はkanだ。
標準語にはない発音が宮古口には多く、その連なりはフランス語の音によく似ている。
なにしろ、「畑」は「パリ」というのだ。

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知名定男と夏川りみの歌う「十九の春」が、熊本の空に響く。
奇跡のデュオに、2000人を超える聴衆が、聴き入った。
9月29日、熊本フードパルで開かれた、フェスティバル『琉球の風2013 ~島から島へ』でのことだ。
知名定男は、フェスティバルのプロデューサー。沖縄民謡界を代表する唄者の1人であり、レゲエを島唄に取り入れた「バイバイ沖縄」を発表し人々を驚かせ、ネーネーズをプロデュースするなど、後進の育成にも力を注いできた。
夏川りみは、知名定男から楽曲の提供を受けているが、2人が同じステージで歌う姿は、なかなか見られるものではない。

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来る、9月29日、『琉球の風2013 ~島から島へ~』フェスティバルが熊本で開かれる。
THE BOOM、新良幸人withサンデー、 大島保克 、下地勇 、かりゆし58、夏川りみ 、金城安紀、 知名定人 、よなは徹、村吉茜、関島秀樹、琉球國祭り太鼓九州各支部が出演する。
沖縄音楽好きなら、えっ、こんな粒ぞろいのアーチストが一堂に会するの!? と驚き、胸の鼓動が高くなるに違いない。そう感じたら、今から熊本を目指そう。

そして、なぜ熊本で? という疑問が湧くだろう。
それを解き明かすのが、発売されたばかりの『島唄よ、風になれ! 「琉球の風」と東濱弘憲』(鹿砦社)だ。
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