オーストラリアでは1953年までヘロインも合法だった。それが非合法化され、大麻、コカイン、スピード、アイス、エクスタシーなどすべての麻薬とひとくくりにされ、刑法で取り締まられる「対麻薬戦争」が始まった。「対麻薬戦争」では麻薬所持者、使用者は警察に取り締まられ、司法に裁かれ、罪人として監獄につながれる。この戦争で麻薬は撲滅できたかと言えば逆で、ここ30年ほど、このやり方で問題は解決しないのではないか、失わなくていい命を奪っているのではないか、要らないところに税金が濫用されているのではないか、というように根本的な政策の転換を求める声があがってきた。「対麻薬戦争は失敗であり、われわれはこどもたちを殺し、犯罪者にしている」と結論し、すべての麻薬の非犯罪化を求める報告書が4月3日に連邦議会に提出され、麻薬をどう扱うのか、社会のなかでの議論がいっそう高まっている。