小雨が降り、風が吹きすさぶ新潟市で戦争法案(安保関連法案)に反対するデモが行なわれた。
出発前にはもう先導車に施された装飾は全て吹き飛んでしまい、ただの軽トラックになっていた。
コーラーも今回が初めてだと言っていたが、慣れていない人々が動き出しているという良い例である。


[動画]若者憲法デモin新潟 – 2015.6.28(4分13秒)

新潟駅前を北西へ向けて出発したデモ隊は、萬代橋で強風に煽られながら信濃川を渡り、白山公園前まで約1時間の行進を行なった。
雨ということもあって街にそんなに多くの人が歩いていなかったのだが、それでもデモ隊を応援してくれる人は何人もいた。
デモを見た女子高校生達からも「集団的自衛権」「安保」「自衛隊」などの単語を使っての会話が聞こえてきた。

国民の「戦争法案」への関心は高いだけでなく、こうして「若者デモ」という新たな現象が発生してきている。
この新潟のデモに関して言えば、若者は10名程度で全体としては「大人」の方が多かった。
しかし、主催したのは若者で、普段の新潟市のデモには若者はほぼいないため凄い変化だと私は感じた。


ところで、私は全国各地のデモを撮影して回っているのだが、なるべくその地域の特色を出すように心がけている。
新潟は酒どころだけあって、街に日本酒の看板や酒瓶の展示があったので動画や写真に入れ込んでみた。
各地の人々の想いは、その土地の風景とセットで届けるべきもので、街の記録と共にデモを撮影し広めることに努めている。
その場所でデモをすることを選んだ人々を全面的に肯定したいと思ってのことだ。



ローカル・ムーブメントは確実に起こっている。
今、多くの大人たち、そして若者たちが彼らの街で声を上げている。

[2015年6月28日(日)・新潟県]

▼秋山理央(あきやま りお)
1984年、神奈川県生まれ。映像ディレクター/フォトジャーナリスト。
ウェブCM制作会社で働く傍ら、年間100回以上全国各地のデモや抗議を撮影している現場の鬼。
人々の様々な抗議の様子を伝える写真ルポ「理央眼」を『紙の爆弾』(鹿砦社)で、
全国の反原発デモを撮影したフォトエッセイ「ALL STOOD STILL」を『NO NUKES voice』(鹿砦社)にて連載中。

《ウィークリー理央眼》
◎《008》札幌攻防戦!ヘイトスピーチを撮影せよ!
◎《007》戦争法案に反対する若者たち VOL.3 渋谷
◎《006》戦争法案に反対する若者たち VOL.2 札幌
◎《005》戦争法案に反対する若者たち VOL.1 京都
◎《004》若者に影響された沼津の戦争法案反対デモ
◎《003》自民党街宣へのカウンターin福岡・天神
◎《002》福島/名古屋ヘイトデモ反対行動
◎《001》150回目の首相官邸前抗議

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