ミャンマーの『民主化』は本当か!? ヤンゴンで生活してみた 19

ミャンマー(ビルマ)中部で先月から問題になっているイスラム教徒と仏教徒の衝突では、数十人の死者を出し、1万人以上が非難を余儀なくされた。日本ではあまり多く報道されていないが、住民の衝突により戒厳令が敷かれた地域もあり、ミャンマー人はこの問題をかなり深刻に受け止めている。
旧首都ヤンゴンでも、イスラム居住地域で、住民が刃物を持って自警活動を行うなど、緊張感が高まった。13人の死者が出たヤンゴンのモスクの火事は、ヤンゴン管区の調査で火災原因は漏電と断定された。が、イスラム教徒に恨みを持つ人間による放火でないかという噂も飛び交った。

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石垣・成田、空港反対同志で飲んだ酒

沖縄を旅していて石垣島に行った時のことだ。
図書館に行って調べてみると、書店で買ったガイドブックには載っていない資料館があることが分かった。
「南嶋民俗資料館」というのだ。さっそく行ってみた。
資料館は門が閉ざされている。「表の民俗玩具店で声をかけてください」と札が下がっている。
玩具店に回り、座っている主人に声をかけると、嬉しそうな顔をして立ち上がった。
玩具店のほうを閉めて、資料館に案内してくれる。

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社長が夜逃げ! あるIT企業社員の手記 (18)

「逃げたかな」
尚坂がポツリとつぶやいた。ほぼ間違いないだろう。土曜日に出社した人が異常はなかったと言っていることから、日曜日に必要なものを、持ち出せるだけ持ち出したと思われる。

少し遅れて土方さんが出社してくる。事情を聞くなり猛烈に怒り出し、何やら大声で怒鳴り散らしている。その脇でイーダ社員はひたすら電話対応に追われている。

午後二時過ぎにようやく電話が鳴らなくなった。あらためて現状を把握すると、給与明細や社員の雇用契約書類は無くなっている。しかし請求書類や登記簿、株主名簿などは丸々残っていた。夜逃げするにも性格が現れることを知った。

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天国でも金はいるのか?

「金を振り込んでくれ」と親父から電話があって、「なんだよ。死んだんだからもういらないんじゃないの」と言ったら、「いやあ、天国でも、いろいろ金がかかるんだよ」と答える。マヌケでだらしなくふざけた親父だったが、悪人というわけではない。天国に行けたのか、と安心し「天国は円でいいのか、今は安くなっちゃってるけど」と訊いたところで目が覚めた。

命を授けてもらったんだから、親孝行はしなくてはいけない、とは思うが、いったいどこまでやったらいいんだろう? とは、よく考えたことだった。
父親は小さな建設会社を経営していたが、資金が足りなくなると用立てたり、どこからか金を借りる時の連帯保証人までならなくちゃいけなかったんだろうか?

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新作発表で期待が高まる「1Q84」映画化?

村上春樹の書き下ろし小説「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が12日、全国一斉発売される。版元の文芸春秋社は8日、異例の50万部の発行を決めた。
それでも、「1Q84」の時のように、予約しないと手に入らない、店頭では目にすることができない、という状態がしばらくは続くのではないか。

一方、「1Q84」の人気も、文庫化されたこともあって再燃している。
ネットでは、「もし映画になったらどんな配役がふさわしいか」が盛り上がっている。
青豆には、長谷川京子、井上真央、野波麻帆の名が上がっている。天吾には、小澤征悦、瑛太、藤原竜也。ふかえりには、蒼井優、成海璃子、多部未華子、といったぐあいだ。
また、女優の杏は、映画化されるなら、青豆をやってみたい、と自ら語っている。

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NHK「八重の桜」はなぜわかりにくいのか

「八重の桜」は、主役に綾瀬はるか、長谷川博己、西島秀俊らスターをそろえながらも、なぜゆえにこんなにわかりにくいのだろうか。
「主役の西島が演じる、八重の兄、山本覚馬ばかりが目立つドラマになってしまった。はっきりいって池田屋襲撃もいまひとつだったし、登場人物が多すぎるのかもしれない」(テレビ局関係者)
NHK大河ドラマは、当初は別の計画があったが、福島県会津出身で、同志社を創設した新島襄の妻となった八重の生涯を描いた作品となることで、「福島の人々を元気づける」という意味合いもあり、スタートした。

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『AKB48 解体全書』【ブックレビュー】

総選挙といえば、AKB48。衆議院のそれを思い浮かべることはない、という時期があった。
逆に、不祥事といえば国会議員だったが、最近では、AKB48を連想することが多くなった。
なんといっても、峯岸みなみの坊主頭、前田敦子の尻出しが、衝撃すぎる。

罪深いのが、河西智美の「児童ポルノ問題」だ。
東京都青少年健全育成条例の問題で、いったい何を議論していたのか、という話だ。
実際に被害者の存在しない、コミックやアニメを、児童ポルノとして取り締まるのは、表現の自由に反する、というのが、出版社や表現者の主張だった。
この問題では、河西智美の露わな乳房の乳首部分を、自分の手で覆わされる役をさせられた男児という、現実の被害者がいる。

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ミャンマーの『民主化』は本当か!? ヤンゴンで生活してみた 18

ミャンマー(ビルマ)では民主化の一環である行政改革で、国民がパスポートを取りやすくなった。
20年ほど前、ミャンマーでパスポートを取得する際、多くのミャンマー人は直接政府機関に申請するのでなく、パスポートを取得する専門業者に頼んでいた。なぜなら、パスポートを取るためには、海外の就業先の保証人を立てることなどが必要で、自分の力だけでパスポートを得るのが極めて困難だったからだ。
専門業者に頼むと、半年くらいでパスポートを取得できる。しかしこのシステムでは、業者ごとにパスポート取得代金が異なってしまう。
そこでこのたび、政府機関に行って2300円ほど支払い、申請すれば、誰でもパスポートが取得できるようになったのだ。日本では当たり前に存在する行政サービスだが、ミャンマーでは極めて画期的と目されている。

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表現の自由を脅かす、宮崎学氏のコミック訴訟敗訴

暴力団を扱った雑誌や漫画の販売中止を福岡県警が県内のコンビニに要請したのは、表現や出版の自由を保障した憲法に違反するとして、作家の宮崎学さんが県に550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁(原敏雄裁判長)は3月29日、請求棄却の一審福岡地裁判決を支持、宮崎さんの控訴を棄却した。対象となったのは竹書房のコミック「四代目会津小鉄 髙山登久太郎」だった。

「原作を読んでいないで判決を出している感がする。冗談ではない。これでは表現の自由を損なうおそれがある」(識者)
これでは、テレビで「仁義なき戦い」すら見ることができなくなるのではないか、と思う。
「原作から漫画にするのは、たいへんな労力がいる。漫画家をも冒涜しているのではないか」(出版関係者)
もちろん、ヤクザが主人公の小説や漫画がすべていいとは思わない。
だが、言論や表現の自由をふみにじった判決である。

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社長が夜逃げ! あるIT企業社員の手記 (17)

次の月曜日。

先のことを考えては憂鬱になり家を出るのも億劫だったが、落ち込んでばかりはいられない。気分一新、今日から気合を入れていこう、と自分に鞭打って出社する。
「おはようございます」
社内は騒然としている。電話がジャンジャンと鳴り響く。
「お世話になっております。株式会社△△ですが、お宅のシステムに昨日から繋がらないんですけれども」
月曜の朝からサーバートラブルか。やれやれだなあ。回線の不調等でサーバーが止まってしまうことは稀にある。
「申し訳ありません。すぐ調査しますので、また折り返します」
と電話している間にまた別の電話が鳴る。みると何人もずっと電話の対応ばかりしている。どうなってるんだと思っているところに、尚坂が声をかけてくる。
「サーバーがね、殆どなくなってんのよ」
なくなってる、とはなんだ。

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