SFの巨匠、レイ・ブラッドベリの死を悼む

世界的に知られる巨星が、墜ちた。「華氏451度」などで有名な米国のSF小説の巨匠、レイ・ブラッドベリ氏が6月5日夜、ロサンゼルスで死去した。享年91歳。長く闘病生活を送っていた。現代のありとあらゆるSF小説家に影響を与えた巨星について、ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は「現代のSF小説を小説の主流に押し上げた」とたたえた。

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福島原発からの「撤退」の水掛け論をしている場合か

国会の福島第一原発事故調査委員会で、関係者の聴取が行われている。
9日に野村修也主査は、「総理大臣官邸と発電所が直接やり取りするという、本来、法律が予定していないと思われる情報伝達が行われ、発電所に対して情報入手のために頻繁に電話が入るという事態が起こったことに対し、問題意識を持っている」と指摘した。まだ報告書をとりまとめる前の段階で、ある程度踏み込んだ見解を示している。

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いい人じゃないか、『創』編集長

月刊『創』の編集長であり、創出版の代表である、篠田博之氏から、電話があった。
住所が変わってないかどうかの確認。パーティの案内状を送りたいからとのこと。
意外と、いいとこ、あるじゃないか。

『創』には、不快な思いをさせられたことがあった。
2008年のことだ。阪本順治監督『闇の子供たち』は、バンコク国際映画祭での上映が決まっていたが、直前になって上映禁止になった。映画はアジアにおける児童の人身売買をテーマにしたもので、子供たちを救うNGOボランティアを、宮崎あおいが熱演していた。
映画の舞台になっているのも、実際に撮影されたのも、タイだった。これが上映されるのは国辱だ、とタイ側は言うのだが、そう感じるのは、タイで児童の人身売買が行われているのが事実だからだ。

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斬首に値する、東電・清水元社長の言い分

「バカバカしくて、聞いてられないね。帰る」と外電記者は会場をあとにした。
6月8日、東京電力の清水正孝前社長が、国会が設置した福島第1原発事故調査委員会(黒川清委員長)の参考人聴取に応じた。3時間にも及ぶ質疑応答でわかったことは、清水は「原発の状況は、現場の人たちが一番わかっていることだから」とまったく責任を感じていないことだ。その詳細な中身は大手メディアに譲ろう。
150人を超える記者たちから、ため息が連続していた。これは、いったい誰がなんのためにやっている茶番なのだろうか。

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二枚舌コンビ、自民と民主が「消費税増税」協議へ

テレビを見ていて、今年のニュースでもっとも唖然とした映像が目に飛び込んできた。なんと「消費税と修正協議」を民主党は自民党と始めるという。
「すわっ、ご乱心か、谷垣総裁」と永田町の記者たちはいろめきたった。
「いったい、なんのために野党がいるのかね。この前まで『小沢を切らない限り修正協議には応じられない』と言っていた自民党の谷垣総裁は、それまでの発言と、今のありようをどう説明するのかね」(全国紙政治部記者)

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『漫画実話ナックルズ』が隔月化、本格漫画伝承の難儀

複数の情報筋によると、どうやら月刊雑誌『漫画実話ナックルズ』(ミリオン出版)が夏から隔月となるようだ。
「事件や芸能ゴシップを漫画にする手法は画期的だった。一時期は実売が10万部を超えたこともある。カストリといっては失礼だけど、よく頑張った雑誌だと思う」(週刊誌記者)

いうまでもなく、『漫画実話ナックルズ』は、アウトローを主体に据えて、暴走族や不良にスポットを当ててきた画期的な雑誌である。そこから派生した『漫画ナックルズGOLD』も多くの優れたコンテンツを擁していた。好きな作品に、映画『仁義なき戦い』を別の視点から見た『もうひとつの仁義なき戦い』などは、楽しみで仕方がなかった。
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『この人に聞きたい青春時代』【ブックレビュー】

ここ数年、大学を卒業しても就職ができないことが騒がれているが、なにがそんなに問題なのだろうか? 大学は学問をやるところで、就職斡旋所ではないのだ。問題なのは、「勉強していい大学に入って、大きなお役所か企業に入れば、楽して暮らせるんだ」などと言って、子供を勉強に駆り立てている、親や世間だろう。
学校を出ても就職できない時代など、過去にいくらでもあった。そんな時こそ、若者は自らの手で道を切り開いたのだ。
それをはっきり示してくれるのが、『この人に聞きたい青春時代』(鹿砦社)だ。

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週刊誌の終わりが近づいている

「今年から2015年にかけて、定年が5年伸びた“団塊の世代”が社会から消える。そうなれば、もっと週刊詩は売れなくなる」(流通アナリスト)

日本ABC協会(Japan Audit Bureau of Circulations=新聞雑誌部数公査機構)による2011年下半期(7~12月)の雑誌販売部数は以下の通りだ。
(1)『週刊文春』49万2844
(2)『週刊現代』43万3423
(3)『週刊新潮』38万9948
(4)『週刊ポスト』33万3830
(5)『週刊大衆』17万4048
(6)『週刊朝日』13万4934
(7)『週刊アサヒ芸能』11万9655
(8)『AERA』8万6293
(9)『サンデー毎日』6万6605
(10)『ニューズウィーク日本版』4万3205

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さようなら最後の映画人、新藤兼人

最後の映画人が、巨星が墜ちた。新藤兼人監督が5月29日に旅立たれた。享年100歳。まずはご冥福を祈る。
映画というよりも、キネマという世界からスタートした新藤監督は、徹底して「自分が撮りたい作品」を追及した。
それでいて「頼まれた仕事は断らない」ことで知られる。また「近代映画協会」の設立者の1人であり、シナリオ作家育成などにも力を注いだ。
もはや映画にとって、なくてはならない重鎮だった。
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小沢一郎の本音を代弁してみよう

民主党の小沢一郎元代表は5月31日、国会内で開かれたグループ会合で「国民の理解と支持は、われわれにあると確信している」と述べ、改めて消費税増税関連法案に反対する姿勢を明確にしている。
おそらくもう1回くらい会談があると、永田町では言われている。

よく聞かれることなので、今回は、本人になりかわって一気に説明しよう。
すなわち、小沢一郎の本音である。まあ、頭の中で小沢一郎が話しているのを想像してほしい。

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