大学院生M君に対する凄絶なリンチがあったことは厳然とした事実です。これが、あたかもなかったかのように偽造されようとしています。M君が必死で録音したリンチの一部始終の音声データも、李信恵らによるリンチがなかった証拠のように偽造されようとしています。三百代言という言葉がありますが、古人はよく言ったものです。

◆私たちは短期間に集中的に取材し5冊の本を世に出し真実を確信した

この写真を見て、「リンチはなかった」「ただの喧嘩」と思う人はいないでしょう。「反差別」「人権」を語る者がやることではない! なんとも思わない人は人間の血が通っているのか!?(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

李信恵や、彼女の周囲の人たちは、私たちが精魂込めて取材し編集、製作した出版物に対して、きちんと論評したり批判するのではなく、「デマだ」「嘘だ」「ゴミだ」「クソだ」等々と、まともに批判にならないレベルの悪罵を投げつけ誹謗中傷してきました。李信恵や代理人の神原元弁護士らは、いわば“あら捜し”をするために熟読したでしょうが、李信恵の仲間や周囲の人たちは、それら5冊の本をきちんと読んだ形跡はさほど感じられません。

私たちは、全くの白紙の状態から、また李信恵らやリンチ被害者M君に対する利害関係もなく、取材、調査に取り掛かりましたが、白紙の状態から始めたのが良かったと思います。李信恵には私怨、遺恨などなく(今でもありません)、むしろ、李信恵に繋がる団体(首都圏反原発連合。略称「反原連」)やカメラマン(秋山理央)には毎月相当額の金銭的支援をしてもきましたし、さらに李信恵に繋がる元当社社員には李信恵ら関係の裁判の傍聴には申し出があれば早退を許可するなど便宜も図ってきました。このリンチ事件や李信恵らの背後関係も知らず、「差別に反対する」という大義名分に私なりに理解を示してきたつもりでした。

そうした私なりの、いわば“良心的な”振る舞いも、李信恵らによる蛮行を知ることによって打ち砕かれました。さらに取材すればするほど、調べれば調べるほど、李信恵やこの周囲の人たちの運動に強い疑問を抱かざるをえませんでした。前出の前田教授が「脱力感に襲われる」と嘆いたのは理解できます。

それでは(前項とダブるところもありますが)私たちの取材や調査、そして出版の目的や意義は何だったのでしょうか? まずは、孤立し村八分にされネットリンチに晒され続け治療費さえもらっていなかったリンチ被害者M君の救済・支援です。弁護士さえも、断られ続けていました。そして、このリンチ事件の真相究明です。事実関係や真相を知らないと善悪の判断もつかないからです。

李信恵のツイート。このツイートひとつとっても彼女の人間性が表れています

しかし、李信恵や関係者らによる隠蔽活動はかなりのもので壁は厚く感じられました。私たちがこの事件を知るまで1年余りも経ち、隠蔽の“イチジクの葉”は幾重にも重ねられていました。綿密な取材・調査によって、これを一枚、一枚剥いでいく作業に着手しました。

手前味噌ですが、私たちの取材には、手を抜かず徹底的にやることでメディア業界、出版界では一定の評価があります。中途半端な取材をやっていては、この業界では淘汰されます。大小問わず、中途半端な気持ちと取材故に淘汰された出版社を何社も知っていますし、鹿砦社は徹底した取材をやって来たからこそ、淘汰されずに50年も生き延びてこれたのです。

それでも、近年評価が高い、いわゆる「文春砲」には敵いません。以前、文春編集部とは交流がありましたが、鹿砦社以上に人も金もかけ取材は徹底しているのに感心しました。また、他の大手雑誌とも一緒に仕事をした経験もありましたが、私たちもこれらから学んでいますし、決して特異なものではありません。

李信恵側は準備書面で長々と真実(相当)性について“講釈”を垂れていますが、長年の出版人としての経験から多くの訴訟を経験し、小出版社でありながら1億円以上もの訴訟費用を費やしてきた鹿砦社にとっては“常識”の類いで、この訴訟とは直接関係のないことに紙幅を費やす意味が理解できません。

私たちは2年ほどで5冊の本を発行してきましたが、短期間に5冊も出版したテーマや企画はこれまでにほとんどありません(例外的には4冊の本を出したパチスロ大手アルゼ告発シリーズぐらいです)。しかし、李信恵側が言う「本件では、不定期の雑誌やインターネットの報道記事であるから迅速に報道する必要はない」との認識は誤っています。本件リンチ事件は「迅速に報道する必要」があるからこそ、不定期の雑誌の増刊号(第4弾本『カウンターと暴力の隠蔽』のみCDを付けたこと等で書籍扱い)やインターネットなどで連続的に報じてきたわけです。私たちが、この忌まわしいリンチ事件を知ったのは事件からすでに1年以上経っていましたし、日毎に忘却されることを考慮すると、「迅速に報道する必要」がありました。

それに加え、M君が李信恵らリンチの現場に同座した5人を提訴し、この支援の意味からも、当初は裁判のポイントとなる期日の前後に発行することを目指し取材を徹底し真相究明に努めることが急務となりました。さらに法廷という、社会から閉ざされた空間での争いにせず広く社会に訴えるためにも雑誌の増刊号として緊急出版する必要があり、また出版物の編集・製作には数カ月かかりますから、ポイントポイントでインターネットを使い報道することも必要でした。

リンチ隠蔽に蠢いた人たち。この人たちの表情や目を見よ!(『カウンターと暴力の病理』巻頭グラビアより)

◆リタイアを考えていたところでリンチ事件を知って被害者救済・支援と真相究明を決意し早速動き始めた

私は長年出版の仕事に携わり、体もガタガタになり(特に目の疾患で一時失明の恐怖を感じたこともあり高額注射を繰り返しており、こうした長い文章を書いたり読んだりするのには難儀します)、そろそろリタイアを考えていたところで、誰もが知る著名人、研究者、国会議員、「知識人」、「ジャーナリスト」らが多く関係する隠蔽活動に対し、「相手に不足はない!」と思い、いささか大袈裟に言えば、これまでの出版人生の〈総決算〉を懸けたものとしてやることを決意いたしました。

私の呼びかけに、少なからずの人たちが取材班に結集してくれました。中には、大手消費者金融「武富士」(この時の武富士側代理人の一人は吉村洋文現大阪府知事です)との裁判で勝訴したことで有名な、ジャーナリスト・寺澤有も応じてくれ、第2弾本『反差別と暴力の正体』で、寺澤の居住地の東京から遠く四国まで遠征取材し具体的かつ詳細なレポートを寄稿してくれました。取材記録には記事にしていないこともあるということです。

これまで(本件以前)の取材活動で、本人に取材することはなかなか困難でしたが、今回は何としても李信恵本人に取材するように取材班に指示し、これはできました。李信恵もみずからの「陳述書」で記している通りです。まともに答えず逃げています。

次いで李信恵を除く4人ですが、伊藤大介には寺澤が事務所を訪問し取材を試みました(『反差別と暴力の正体』153ページ)。なぜか丁寧に対応され抱き込み策を取られたようです。松本英一には、こちらも寺澤が取材を試みました。2度ほど自宅を訪問したそうですがいずれも留守でした。その後、松本みずから連絡があり、その様子は『反差別と暴力の正体』(152~153ページ)に記載されています。寺澤は李信恵にも取材を申し込みましたが拒否されたそうです。こうした経緯について寺澤は、必要であればいつでも証言すると言ってくれています。

「エル金」こと金良平と「凡」こと李普鉉には、直接暴行の加害者ですし、すぐに暴力を振るうということもいろいろな人たちから忠告されましたので、私としては責任者として取材に動いてくれる者を危険に晒すわけにもいかず苦慮し私たちもかなり用心しましたが、なんとか直接取材を試みようと決断しました。金良平には自宅アパートを訪問しましたが、もぬけの殻で、第1回弁論直前まで住所が特定できませんでした。当初訴状も届かず裁判所も苦労したようです。もう一人の李普鉉については、そうこうするうちに裁判が始まり、裁判への影響を考慮し、リンチの中心人物でもないし、あえて取材を止めたのです。強引にやれば裁判妨害などと詰られることも懸念しました。李信恵以外にも積極的に取材を試み、私たちなりに最大限の取材・調査に尽力した次第です。今後も必要があれば取材を試みるにやぶさかではありません。

また、寺澤有が、李信恵らの仲間の石野雅之の自宅を訪れ取材を試みようとしたところ警察を呼ばれましたが(同書151~152ページ)、取材スタッフにこの懸念がありましたので、以後は直接取材の対象者をさらに絞っていきました。

もう一つ付言しておきますと、リンチの舞台となった大阪北新地のワインバーにも、取材班や寺澤も訪れ経営者に話を聞いていますし、先の前田教授も電話で話を聞かれたそうですが、この善意の市民を事件に巻き込むのは憚られ、話の内容を記事にはしていません。記事にすれば、確かにM君の訴訟でも少しは有利になったかもしれませんし現在進行中の訴訟でも有利に作用するとは思います。そうすると、これまでの経緯から、例によって李信恵らの仲間、「カウンター」とか「しばき隊」といわれる連中に店や経営者が攻撃されることもありえます。そういう理由で、あえて私たちはバーの経営者が苦労してオープン(事件当時オープン直後だったとのことです)し維持されていることを慮り胸の内に留めておいています。裁判所や読者には、このことを配慮いただきたく願う次第です。

李信恵の暴言の一部。ほんの一部でも、よくこんなにも暴言を吐けるものです(『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアより)

◆総ページ800ページに及ぶ5冊の本に異議があるのなら言論には言論で反論せよ!

そうして、できるだけ多くの関係者、特に著名人、積極的に動いた人らを中心に直接取材を試みました。途中から、出来上がった本も付けて「質問書」、あるいは「取材依頼書」を郵送いたしましたが、自分から回答を寄せてくれた人はほんの少数でした。これは本に掲載している通りです。

この事件について、これまで5冊の本にまとめ世に出していますが、発行部数も少なく、隠蔽活動に関与した人たちも真摯に対応せず、李信恵や仲間らによって隠蔽された“イチジクの葉”を剥いでいく作業は困難を極めました。

それでも、私たちの粘り強い取材、調査、そして出版によって理解者や協力者も少しずつ現われ、日本の反差別運動、健全な社会運動に大きな汚点となった、このリンチ事件の真実が徐々に明らかになったと考えています。

確かに「文春砲」など大手メディアに比べれば格段に劣り、私たちの力不足もあり、まだまだ取材したい人たちすべてに取材できたわけではありませんが、これまでの私の出版人生の中で、5冊の本になるほど、これだけ取材、調査した事件は他にありません。主要な資料、重要資料は、かなり本に収録できたと自負しています(その後入手し未掲載の資料は第6弾本に収録予定です)。特にリンチ被害者M君が必死に録音した音声データをCDにして付けるなど、これまでほとんどありませんでした。CDを付けたことに対しては李信恵らも驚いたことと思います。

これら5冊の本を合計するとなんと800ページほどになります。これだけやったら「一般読者の普通の注意と読み方」をすれば、事件の真実性、あるいは真実と信じるに足ると認識できるのではないでしょうか。これだけやって、真実(相当)性がないと言われれば、どうしたらいいのでしょうか? 

李信恵らも、言うに事欠いて「クソ鹿砦社」「鹿砦社はクソ」などと、とても差別に反対し人権を語る者とは思えない汚い言葉を言い放ち裁判所に不法行為を認定(上告を取り下げ確定し賠償金を支払った)されたり、「ゴミ」だ「デマ本」だと反論にもならない言葉を連呼するのではなく、このリンチ事件が反差別運動、社会運動に与えた深刻な問題を真摯に反省し、異議があれば言論には言論で反論すべきだと思いますが、いかがでしょうか? 私の言っていることは間違っていますか? (文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

安倍総理の「卑怯な法案」すなわち検察庁法の捻じ曲げが国民世論の前に頓挫し、その法案が意図していた黒川検事長の定年延長も、ほかならぬ本人の違法行為(賭け麻雀)でお釈迦になった。納税者が自粛を余儀なくされていたときに、公僕たる者が御用新聞記者たちと密接交遊の博打に興じていたのだ。まさに噴飯物の顛末だが、さらに追及の手を休めてはならない。


◎[参考動画]【news23】賭け麻雀 黒川検事長が辞表提出(TBS NEWS 2020年5月22日)

なぜならば、安倍政権は黒川「容疑者」を訓告(注意)処分で免罪し、6000万円の退職金で慰労しようというのだ。本来ならば逮捕・起訴処分相当の賭博罪の犯罪者にたいして、大企業並みの退職金で報いようとしているのだ。
さっそく告発の動きがあったので注目したい。

「辞職した黒川弘務前東京高検検事長(63)が知人の新聞記者らと行った賭けマージャンは賭博罪に当たり、立件するべきだとして、市民団体が26日、黒川氏と記者ら3人に対する告発状を東京地検特捜部に提出した。」(共同通信. 2020/05/26 11:42)

この告発によって、検察が黒川の逮捕・立件に動かないとしたら、この国の司法は闇である。賭け麻雀について、じつは2006年に鈴木宗男議員が外務省職員のあいだで麻雀賭博が行なわれている(週刊誌の投稿欄による)との指摘があり、その答弁で「賭博罪が成立しうるものと考える」と、安倍政権は麻雀賭博の定義を答弁しているのだ。

また、防衛省では平成26年ごろから28年ごろにかけて、陸上自衛隊青野原駐屯地内で賭け麻雀を行なった事件がある。このときは自衛隊員9人が停職処分となり、一部書類送検されている。すなわち「懲戒処分」を受けているのだ。

「週刊文春」(6月4日号)によれば、黒川元検事長は10年以上前から、新橋や虎ノ門、時には渋谷にまで足を延ばして、雀荘に足しげく通っていたことが分かった。「黒川さんは、週に1~2回、多い時には週3回もいらっしゃいました」(雀荘の元店員の証言)というのだ。軽い遊びとしての賭け麻雀などではなく、その常習性・犯罪性は明らかだ。

にもかかわらず、今回は5月22日の衆院法務委において、法務省の川原隆司刑事局長は、黒川元検事長が参加した賭け麻雀のレートが1000点当たり100円の「点ピン」だったとして「必ずしも高額とは言えない」と答弁。森雅子法相も「常習とは一般に賭博を反復累行する習癖が存在すること。そのような事実は認定できなかった」などと、犯罪性を打ち消す答弁を展開したのだ。これでは法の正義は地に堕ちたも同じである。

◆法務省が賭け麻雀を「合法化」

つまり賭け麻雀は、法務省によって「合法化」されたのだ。「日刊ゲンダイ」(5月25日)によると、《SNSでは「堂々と賭けマージャンしよう」という呼びかけが広がっている。》という。

《ツイッターでは、「【祝レート麻雀解禁!】検察庁前テンピン麻雀大会」と題し、参加者を募集する人まで現れた。「1000点100円=黒川レート」なんて言葉も出現している。皮肉を込めたイタズラかもしれないが、参加者に「政府は黒川レートならOKなんでしょ」と反論されたら、捜査機関はどうするのか。》

まさに法が実行されない、犯罪容認政権による犯罪奨励がまかり通っているといえよう。


◎[参考動画]黒川前検事長に告発状(テレ東NEWS 2020年5月26日)

◆産経リークと官邸内部の暗闘

ところで、黒川賭博事件は、産経新聞の政治部のリークだと判明している(関係者談)。社内人事で社会部に敗れた政治部が、腹いせ的に「週刊文春」に垂れ込んだというものだ。政治部「記者クラブ」の御用記事体質にどっぷり漬かっている産経政治部にどれほどの正義感があったのかはともかく、ジャーナリズムとしての自浄作用があったのは僥倖である。

そして官邸サイドでは、菅義衛官房長官がやり玉にあがっているという。黒川の身体検査が不十分で、その責は人脈的に菅長官にあるというわけだ。

その菅義偉官房長官は26日の記者会見で、黒川弘務元検事長の退職金が「自己都合退職の扱いになって、退職手当は減額された」と釈明した。また「一般論」とした上で「(黒川氏と同様の)勤続37年の東京高検検事長が自己都合退職になった場合、定年退職よりも800万円程度低くなる」と述べた。

公表されていないが、退職金は約5890万円と試算される。この「自己都合」ではなかった場合は約6727万円だったとみられる。菅官房長官は黒川の退職金を「削る」ことで、自分の責任を明らかにしたのであろうか。

それにしても、黒川「容疑者」への訓告(注意)処分は、辞任による「自己都合退社」となったのだ。なんと都合のいいことか。

刑事訴追されるべき賭博常習者が自己都合退職で(庶民にとっては)高額の退職金を受け取るというのは、とうてい看過できるものではない。検察庁は黒川元検事長を逮捕・訴追せよ。検察への国民の信頼感の回復とは、まさにこのことにかかっているのだ。

◆誰が処分を決めたのか

それでは、誰が黒川元検事長の処分「訓告」を決めたのか、である。

安倍総理はこう明言してきた。

「検事総長がですね、検事総長が、事実、事案の内容等、諸般の事情を考慮して処分をおこなったわけでございます」(5月22日、衆院厚生労働委員会)。


◎[参考動画]総理「責任は私にある」黒川氏に退職金で野党批判(ANNnewsCH 2020年5月22日)

ところが、同じ日に森雅子法相は記者会見で、

「最終的に内閣で決定された。私が検事総長に『こうした処分が相当』と伝え、総長から訓告処分にする、との知らせを受けた」と説明したのである。

安倍総理は「検事総長が決めた」と言い、森法相は「内閣で決定した」というのだ。

この閣内不一致ならぬ事実関係の齟齬について、森法相は25日の参院決算委員会で発言を修正する。

「法務省内で協議を行い、任命権者である内閣とも並行して協議しました。検事総長に法務省から『訓告相当だ』と伝え、総長からも『訓告相当だ』と連絡があった」自身の「内閣で決定」発言を軌道修正したのだ。安倍内閣に特有の、総理の発言に合わせた(忖度した)発言修正である。

醜い責任の押し付け合い、発言の修正はもはやどうでもいい。問題なのは黒川元検事長の常習賭博罪(3年以下の懲役)を、法の番人として立件できるかどうかに、この国の民主主義・法の下の平等がかかっているということだ。


◎[参考動画]黒川氏の訓告処分 森大臣「勤務態度など考慮」(ANNnewsCH 2020年5月26日)

冒頭に「この告発によって、検察が黒川の逮捕・立件に動かないとしたら、この国の司法は闇である。」と書いていたところ、5月27日の午後になって、安倍総理への告発が不受理となった。以下のとおりだ(朝日新聞報を要約)。

安倍総理主催の「桜を見る会」について、憲法学者らが1月に安倍総理を背任の疑いで告発した件で、東京地検が告発を不受理にしていたことが分かった。26日の衆院法務委員会で、共産党の藤野保史氏が明らかにした。不受理の通知は1月31日で、「代理人による告発を受理できない」などの理由だったという。

藤野氏は「森友問題などでも代理人による告発が行われて受理されているのに、なぜ受理しなかったのか」と質問。法務省の川原隆司刑事局長は「捜査機関の活動内容に関わる事柄なので、答えは差し控える」として「一般に、告発については刑事訴訟法の規定をもとに代理を認めないと解している」と答弁した。

手続きの形式問題で、告発を受理しなかったというのだ。ふたたび、畳みかけるような国民的な運動が必要だ。

すでに安倍総理が1億5000万円の血税を投じた政治家夫婦(河井克行・案里夫妻)の外堀は埋まっている。そしていままた、6000万円の血税が、安倍総理の法的担保であった元検事長、賭博常習者の退職金として支払われようとしているのだ。

水に落ちた犬は叩け! 桜を見る会における公職選挙法違反、政治資金法違反の「容疑者」安倍晋三を取り調べよ! 検察は黒川元検事長を賭博罪で取り調べよ。その先に、安倍晋三本人の逮捕・公訴が待っている。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)

編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。医科学系の著書・共著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)『ホントに効くのかアガリスク』(鹿砦社)『走って直すガン』(徳間書店)『新ガン治療のウソと10年寿命を長くする本当の癌治療』(双葉社)『ガンになりにくい食生活』(鹿砦社ライブラリー)など。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

《6月のことば》雨にぬれて ひとり 紫陽花 凛と咲く(鹿砦社カレンダー2020より/龍一郎・揮毫)

コロナ旋風は収まりつつあるようですが、日本社会は根底から覆りました。

不謹慎な物言いですが、おそらく夏から秋にかけて倒産、事業停止、失業など大不況がやって来るのではないかと懸念しています。その後は増税です。

ひとり閉じ篭って思い詰めると悲観的になりますが、明るく前向きに進んでいきましょう!

われわれはこれまで多くの修羅場を乗り越えてきましたので。

もう紫陽花の季節です──。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 終わらない福島第一原発事故

高笑いする会話が多くの支援者を引き寄せた「オモロイ坊主」藤川さん

◆仏門に関わった仲

これまでに仏門に関わった人や藤川さんと関わった人とどれだけ出会っただろうか。どこかで何らかの原因があり結果がある。人生は因果応報である。

2007年夏頃、加山至という人から突然メールが届いた。誰かはすぐに分かった。加山氏が御自身の名前の検索から藤川さんのオモロイ坊主を囲む会ホームページの、私の仏門日記に辿り着いたようだった。

加山至さんは由井太氏と1989年4月にTBSの新世界紀行「アジア秘奥三国探検」で、バンコクのワット・パクナムで渋井修氏の指導を受けて出家し旅に出た人である。

私が出家に興味を深めた番組で、当時の旅の様子を聞きたかった私はお会いさせて頂きたいと申し出て対面に至った。そして当時の番組の進行、旅の様子の大変貴重なお話を伺うことが出来た上、テレビの中のスターに出会った嬉しい想い。加山至(芸名=加山到)氏は役者が本業で、度々ドラマにも登場し、舞台演劇出演とその稽古を続ける日々が多い人であった。

そしてお二人の師匠となる渋井修さんは藤川さんの師匠でもある。1990年頃より、タイからカンボジアに渡った渋井修さんは比丘として、ポルポト派に虐殺された人々の霊を慰めながら、在籍する寺で現地の子供達に日本語を教えて居られる様子だったが、後々には還俗されたという藤川さんの話だった。

各々が進む道もそれぞれだが、我々もそんな遠くて近い縁がある仲であった。

歩け歩け、疲れを引きずる巡礼の途中、左が加山至氏、右が由井太氏

◆サネガン・ソー・パッシンは可哀想な死に方やった

サネガン氏との出会いは立嶋篤史選手と一緒に

藤川さんの支援者は出家後、タイに於いても日本人会をはじめ、年を追うごとに多くの人脈が広がっていた。キックボクシングとは立嶋篤史くんと出会うまで何の縁も無い藤川さんだが、支援者に導かれて訪れた、バンコク・スクンビット通りで“居酒屋まり子”を経営するオーナーさんとの出会いがあった。このまり子さんは日本でヌードダンサーとして生計を立て、ベトナムの戦争時代に米軍キャンプで踊ってからアジア各地を回ってタイへ渡り、ムエタイボクサー、サネガン・ソー・パッシン氏と知り合い、互いが再婚に至った人だった。

サネガン氏は日本系(TBS系)キックボクシングで、沢村忠や富山勝治と荒っぽいファイトを全国ネットで盛り上げた知る人ぞ知るチンピラボクサー。日本でも目黒界隈で事件を起こしたエピソードも多い。その風貌と日本で稼げた恩があるせいか、水商売に苦戦する日本人のまり子さんを支える用心棒にもなり、持ちつ持たれつ助け合う仲となっていた。大酒飲みで肝臓を悪くしたらしいが、評判悪いサネガン氏を診ようとする病院は無く、行く先の町医者や病院で門前払いを受け、最後に訪れた病院のドアノブに手を掛けたまま倒れ、そこで息絶えたという。

そんな事情を知った藤川さんから聴いた話だったが、サネガン氏にはタイ人の本妻との間に息子が二人居て、まり子さんのお店を手伝うこと多いという。私が沢村忠vsサネガンのビデオを藤川さんに渡したことがあるが、そのビデオをまり子さんのお店で観て、二人の息子は腹を抱えて笑っていたという。私はまり子さんも二人の息子さんも会ったことは無いが、藤川さんによると、「父親によく似た人相悪い二人やったが、悪い評判も無い真面目ないい子やったで!」と笑う。

私も一度だけ、1993年8月にバンコクで知人の結婚披露宴でサネガン氏に会ったことがあるが、人相は悪いが、すでに目が優しくなった笑顔で接してくれた想い出がある。しかしその3年後に永眠されていた。また改めてジックリお会いして日本での試合のこと聴きたかったが、すでに遅かったのだった。

日々、読経する姿の藤川さん(左)(2003.3.11~21)

◆早死にの運命!?

「このワシの身体は誰のもんや?、お前の身体は誰のもんや?、お前のもんか?、お前が死んだら、その身体はどうなるんや?、土に還る訳やろ、つまりは地球のもんやろ、ワシらはこの地球から栄養を摂った身体を借りて今生きとる訳や、そんな諸行無常の世の中、いつかは返す時が来る訳やな、みんな平等に与えられた命や、それを全うして人生のゴールを目指さんとイカンのや。こんないろいろ仏教のお経の中に書かれとるんや、それをひとつひとつ読み解いて関西弁にしたら漫才のネタみたいなオモロイこと書いてあるで。『山に登ったら岩肌に足をぶつけて血が流れて痛かった』とかごく当たり前のような文言も、それは即ち御釈迦様も血の通った普通の人間だった訳で、その2500年前に生きた人間として今、生きている人への導きとなる仏教は、葬式で亡くなった人を送るお経だけやないんやで!」

そんな藤川さんのいろいろな声が頭を過ぎる。いろいろなことを教えてくれた(勝手に喋ってたこと多いが)このジジィは小学校以降、クラスで1~2位のトップクラスを取って来ただけあって感性や探究心は良くも悪くも高いレベルにある。地上げ屋で荒稼ぎ、酒と女遊びに欲しい物は何でも手に入れた日々から人間は欲が尽きないことを知り、唆されて一時出家に導かれると今度は仏陀の生き方に惚れ込み、仏教専門書を読み漁る日々。尚且つ、地上げ屋時代の営業力も発揮する支援者の拡大技。何でも欲張って人の150年分の知識や欲求を詰め込み過ぎたから早死にしたのかとさえ思う。

私はこんな生き方真似出来ない。運が良ければ、せいぜい藤川さんよりのんびり長生きすることしか勝れないだろう。

日々、托鉢に向かう神聖な時間

◆藤川さんの最終章

この「タイで三日坊主!」は当初から仏教の在り方や御釈迦様の残した教えを説く高度なものではありませんでした。三日坊主の私は寺に居ても藤川さんと正反対。その貪欲な学習はしておらず、出家前も還俗後も現在も相変わらず三日坊主です。それでも今後、私の経験談や藤川さんの発言と活動を通じて、修行寺や学問寺の敷居の高い寺ではない、タイの一般的お寺の様子を感じ、タイで出家してみたい人が居れば参考になる程度として捉えて頂ければ幸いです。それは藤川さんが望む、私への依頼でもありました。

「お前の文章読んで一人でも出家に興味持って、出家してみたい人が居れば、それはまた仏教の発展に繋がるんやからな。ワシの悪口でもええから思いっきり書け!」とも言われており、そんな機会をデジタル鹿砦社通信さんに導いて頂き、再び寄稿となってものの、私の出家体験談から藤川さんの活動へ、論点ズレする纏まりのない展開になって行き過ぎたので、この辺で「タイで三日坊主!」は終止符を打つことにします。

最後に、ザ・ドリフターズの志村けんさんの突然の訃報に誰もが驚いたことでしょう。

人生はいつ終止符がやってくるか分からない。志村さんが残した功績は計り知れない大きいものでしたが、まだまだ動けるはずだった身体でやり残したことは沢山あることでしょう。我々もこのように突然の人生の終止符がいつ訪れるか分からない日々を、悔いの無いよう送らねばならないというのが藤川さんが語って来た、これまで大勢の人々への贈る言葉でもあります。

今後、藤川さんの残した足跡から新たな展開が見られた場合は、また機会を与えて頂ければ拾ってみたいと思います。これまで長く諄い物語にお付き合い頂き有難うございました。[完]

夕方のリラックスした姿での会話はオモロイ坊主そのものだった(2003.3.11~21)

◎[カテゴリーリンク]私の内なるタイとムエタイ──タイで三日坊主!

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]

フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

最新刊!月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

一水会代表 木村三浩 編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

上條英男『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い』。「伝説のマネージャー」だけが知る日本の「音楽」と「芸能界」!

◆M君リンチ事件に対する私の基本的スタンス
 
李信恵らが関わった集団リンチ事件を偶々知った時、リンチ直後の被害者M君の顔写真を見、リンチの最中さんざんM君が殴られる音声データを聴いて、正直仰天しました。

そして、社会運動、反差別運動において、こんな酷い暴力沙汰が、いまだにこの民主社会日本で行われていたこと、にもかかわらずメディアがなぜか報じず隠蔽され闇に葬られようとしていることに義憤を感じました。

私なりにリスペクトし、なかには講演に招いてきた「知識人」や「ジャーナリスト」らが、この野蛮なリンチ事件の加害者を叱責するのではなく、逆に、あたかも「反差別運動の旗手」として李信恵を祀り上げていることに違和感、嫌悪感を覚えました。いやしくも老出版人として、この事件の実態と真実を世に知らしめ被害者救済・支援をしなければならないと素朴に感じました。

私たちの世代、つまり1970年前後に学生時代を過ごした者は、学生運動内の内ゲバや連合赤軍のリンチ殺人事件などを、いやがおうでも見てきました。私が知っている人や、尊敬する先輩(現在ニューヨーク州立大学教授)の親友もリンチの犠牲になり亡くなっています。私もノンセクトの学生運動の末席を汚しましたが、早朝ビラ撒き中に、武装した連中に襲われ重傷を負い入院した経験がありましたし、私の1年先輩でノーベル賞作家の甥のSさんは、酷寒12月の早朝襲撃され激しいリンチを受け瞳孔が開き一時は医者も見放した事件もありました(奇跡的に一命は取り止めました)。

有田芳生参議院議員

ちなみに、李信恵と昵懇で、このリンチ事件直後に来阪し、以後隠蔽活動の一端を担っているとされる有田芳生参議院議員は、大学は違いますが私と同期で、私やSさんらを襲撃した組織(神原・上瀧弁護士が支持する政党の学生組織)に属し、この中心的活動家でしたが(襲撃事件に直接関わっていたかどうかは不明ですが、彼の大学は当時、私の大学の近くに在り全国屈指の拠点で、毎週2、3度多勢で情宣に登場し、時に集団で暴力的に襲撃してきましたので、何らかの関わりがあると推察するのが普通でしょう)、今回のリンチ事件で李信恵を擁護し嘘をついて隠蔽活動の一端を担っているのを見、さらには脅迫目的で四国の自動車販売会社・合田夏樹社長の自宅を訪問しようとした(訪問したが家人留守とされる)事件で、宣伝カーを貸し出したりして蠢いていることから、「相変わらずだな」と感じた次第です。

合田夏樹脅迫事件を追った寺澤有作成のイラスト(『反差別と暴力の正体』巻頭グラビア)

合田夏樹脅迫事件資料(伊藤大介のツイート)

その後、そうした反省から、この国の社会運動や反差別運動内で暴力による制裁やリンチなどなくなっていったはずだと思っていました。かつての悪夢が甦ってきました。幸いにM君が学生時代にラクビーをやっていたということで死に至ることはありませんでしたが、死に至っても不思議ではありません。上記のSさんと同じケースです。ひ弱な私だったら死んでいるでしょう。

私も今年69歳、来年には70歳です。出版人としてのみならず人間としても老境にありますが、それなりに名の有る「知識人」や「ジャーナリスト」らの体たらくを叱責しなければ死んでも死に切れません。

私は偶々知ったこの集団リンチ事件に対して、学生時代に体験し見聞きした内ゲバやリンチ事件と重ね合わせ、みずからの問題として追究してきましたし、リンチ被害者M君の苦しみには到底及ばないものの、私なりに思慮してきました。M君が李信恵らを訴えた訴訟は、一応全て終結しましたが、鹿砦社関係の訴訟もありますし、この国の社会運動内においてなぜ暴力が発生するのか、その根絶は可能なのか?──このリンチ問題への関わりを契機に、もうしばらく思慮していきたいと考えています。

◆鹿砦社の出版活動への信頼度

この通信の読者のみなさんならご存知のように、鹿砦社は創業して昨年で50周年でした。東京と西宮双方で開いた記念集会には多くの方々がお祝いに駆けつけてくださいました。

さらに、鹿砦社の100パーセント子会社(株式会社エスエル出版会)に編集・発行を委嘱し被告が発売する月刊社会時評誌『紙の爆弾』誌が、この4月発行号で創刊15週年を迎えました。また、同誌の増刊号として季刊で発行する反原発雑誌『NO NUKES voice』も6月発行号で24号に至り6年が経とうとしています。こちらにも多氏斉々の著名な方々が寄稿やインタビューに応じてくださっています。鹿砦社が創業50周年を迎えることができたのも、月刊社会時評誌『紙の爆弾』が創刊15周年を迎えることができたのも、『NO NUKES voice』が多くの著名人も寄稿・インタビューに応じてくださり創刊6周年を迎えることができるのも、鹿砦社の出版活動への信頼があるからこそだと信じています。

また、私も、出版の仕事に携わって40年が過ぎました。あっというまに、もうすぐフェイドアウトする時期になろうとしています。

鹿砦社、及びこの代表の私は、そうした長い歴史を踏まえ、M君リンチ事件の問題について一人の血の通った人間として関わってきましたし、今も〈社会運動と、リンチという内部暴力〉に対して思索を続けています。やはり健全な社会運動、とりわけ李信恵が関わるとされる反差別運動に、李信恵らが連座したリンチなど不要で害悪でしかないということだけは断言できます。この点、李信恵はどう考えるのでしょうか? 

◆李信恵や神原弁護士らは私たちを口汚く罵るのではなく、真摯に反省し被害者の身になって考えてあげてください──屁理屈はどうでもよい、このことが先決です

私は血の通った人間として、李信恵みずからが連座したリンチ事件に、なんら反省もなく開き直る李信恵と、彼女を守るため必死に論を張る神原、上瀧両弁護士を弾劾し反省を求めます。まずは被害者の身になって考えていただきたいと申し述べるのはおかしいですか? 神原弁護士に至っては、私(たち)に対して「私怨と妄想に取りつかれた極左の悪事」とまで詰っています。「極左」とは公安用語だと聞いてきましたが、まがりなりにも「左派」を自認する神原弁護士が使う言葉ではありません。

さらに、それが「手が込んでるだけに、右翼のそれより質が悪いね。売名と集金が動機に加わればなおのこと。文字通り、魑魅魍魎だね、こいつら」とまで詰っています。「売名と集金」だって? いやしくも私は「売名と集金」でM君救済・支援をやってきたわけでは断じてありません。失礼な物言いです。支援会に集まったカンパについては、大川弁護士が厳密に管理し私たちは1円のお金にも触れていませんし公明正大に公に報告しています。「売名と集金」──どういうことか説明してください。M君関係の2件の訴訟以外には心ある皆様がカンパしてくださった浄財を使ってはいませんし、李信恵らとの鹿砦社の訴訟は、鹿砦社自身の資金で賄っているということも明言しておきます。

また、弁護士たる者が使うには不適当な「こいつら」とは誰のことを言っているんですか? いい加減にしていただきたいものです。

ちなみに「集金」云々を言うのであれば、李信恵の裁判支援会の会計報告はなされた形跡がありませんが、どうなっているのでしょうか? 李信恵や、この裁判の代理人を務めた上瀧弁護士らは明確に答えるべきです。(文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

原発事故以降、福島県が行っている「県民健康調査」。甲状腺検査ばかりに目が向きがちだが、調査のひとつに「こころの健康度・生活習慣に関する調査」がある。福島県内の市町村のうち広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、南相馬市、田村市、川俣町、伊達市のうち特定避難勧奨地点に指定された区域に2011年3月11日時点で住民登録をしていた約20万人を対象に続けられている調査(調査票に記入する方式)で、設問の中に「放射線の健康影響」や「放射線の次世代影響」(遺伝的影響)もある。今回は、依然として根強い被曝リスクに対する不安に着目したい。

5月25日午後に福島市内のホテルで開かれた第38回県民健康調査検討委員会。新型コロナウイルス感染拡大防止の一環としてweb会議形式(委員は全員リモート参加)で行われたが、席上、2018年度「こころの健康度・生活習慣に関する調査」の結果も報告された。

web会議形式で行われた第38回県民健康調査検討委員会。議題は甲状腺検査にとどまらない

配布資料によると、自身や津波、原発事故の被災で生じた「トラウマ反応」に関する設問では、支援が必要と判断された人の割合は9.7%だった。2011年度の21.6%と比べると半減しているが、ここ3年は横ばい。依然として10人に1人は地震や津波、原発事故によるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の可能性がある事が分かった。

また、「放射線の健康影響」については、「可能性は極めて低い」と「可能性は低い」が合わせて66.4%に達した(2011年度は51.9%)。一方で「可能性は高い」と「可能性は非常に高い」の合計は33.5%で2011年度の48.1%と比べると減ったが、依然として3人に1人が被曝による健康影響を心配している事が分かる。

「放射線の次世代影響」(遺伝的影響)を懸念する回答も2011年度の60.2%より減って36.0%だったが、こちらも下げ止まり。依然として不安が少なくない。自身の放射線被曝が子や孫に遺伝して悪影響を及ぼすのではないか──。事故発生から9年が経過しても3人に1人が遺伝的影響への不安を抱いているというデータは非常に重い。「中通りに生きる会」が東電を相手に起こした損害賠償請求訴訟でも、この点に触れた原告が複数いた。しかし、国も福島県も遺伝的影響を否定するばかりで不安に寄り添わない。

「こころの健康度・生活習慣に関する調査」では、原発事故による被曝の健康影響や遺伝的影響について、依然として3人に1人が不安視している事が分かる

高村昇委員(長崎大学・原爆後障害医療研究所教授)は、一貫して放射線被曝の遺伝的影響を否定している。

今年2月の第37回会合でも「前もたしか申し上げた記憶があるんですけれども、例えば母子健康手帳の中に情報を入れていくであるとか、そういったものを含めた情報発信というものも今後お願いできればというふうに思います」と発言。不安払しょくを促していた。今回、筆者は記者会見で高村委員に認識を質したが、答えはやはり全否定だった。

「例えば広島であるとか長崎の原爆被爆者の二世調査ですね。こういったもの。あるいはチェルノブイリもそうですし、ガン治療で放射線治療をなさった方。いろいろな人における遺伝的調査というのは行われていますけれども、これまでのところですね、そういう意味では放射線の遺伝的影響は証明されていない。これは現時点での科学的な重要な知見だというふうに思います」

「さらに言えば、福島県における外部被曝線量を考えるとですね、福島において遺伝的影響が起こり得るか。私は考えにくいだろうと、これまでの科学的知見から考えても言えるのではないかというふうに私は思います。前回会合で母子手帳の話をしましたけれども、そういったこれまでの知見をふまえた説明をこれからもきちんと継続してする事が必要ではないかと考えております」

ちなみに、高村氏は7月にもオープンするアーカイブ施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」の初代館長に就任した。「リスクコミュニケーション」の重要性を説き、遺伝的影響を含めた被曝リスクを全否定する人物が原発事故を後世に伝える施設の初代館長に就任するあたりに、福島県の被曝リスクへの向き合い方が表れている。

一方、遺伝的影響が生じる可能性を無視してはいけないという意見もある。

内科医として2011年4月から毎月のように福島に通い、診療や健康相談を続けている振津かつみさん(チェルノブイリ・ヒバクシャ教援関西)もその1人。2018年2月に福島市内で開かれた 「飯舘村放射能エコロジー研究会」 の第9回シンポジウム「原発事故から7年、不条理と闘い生きる思いを語る」にパネリストとして参加。福島県だけでなく周辺自治体も含めた「被曝者健康手帳」の必要性を強調した上で、次のように語っている。

「放射線被曝の遺伝的影響は、マウスなどの動物実験では証明されています。差別につながるとの指摘もあって非常にデリケートな問題ですが、ヒトでも次の世代への影響が起こり得ると考えて対策を講じていくという姿勢が被害の拡大を防ぐことであり、本当の意味で被害者の人権を守ることにつながるのです。科学というのはそういうものだと思います」

振津さんは、2019年7月に行われた原水爆禁止世界大会の福島大会でも「原発事故が起きた途端に『大した事は無かった』という動きが始まりましたが、原発事故から10年になるのを前に、被災者に必要な生活再建支援を打ち切り、切り捨てていく姿勢が強まっています。どうはね返していくかが問われています」と発言。放射線被曝の健康影響について、「人権」の側面からこう語った。

「国策で進められてきた原発の事故で被曝で強いられました。日本の法律では、一般公衆の年間被曝線量限度は1mSvです。福島県中通りでも、少なくとも2011年1年間だけで大半の人が1mSvを超えています。明らかに法律に違反した人権侵害です。ただちに健康上の問題は無いかもしれませんが、リスクを負ったという事なのです」

▼鈴木博喜(すずき ひろき)

神奈川県横須賀市生まれ、48歳。地方紙記者を経て、2011年より「民の声新聞」発行人。高速バスで福島県中通りに通いながら、原発事故に伴う被曝問題を中心に避難者訴訟や避難者支援問題、〝復興五輪〟、台風19号水害などの取材を続けている。記事は http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/ で無料で読めます。氏名などの登録は不要。取材費の応援(カンパ)は大歓迎です。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 菅直人元首相が語る「東電福島第一原発事故から九年の今、伝えたいこと」他

私たちは唯一の脱原発雑誌『NO NUKES voice』を応援しています!

私たちが「カウンター大学院生リンチ事件(別称「しばき隊リンチ事件」)について第5弾本を発行したのは、ちょうど2年前の2018年5月28日でした。以降2年間、出版物を出さず、わずかにこの「通信」で時折節目節目でコメントをする程度でした。このかんにリンチ事件被害者M君が加害者5人を訴えた民事訴訟は、控訴審、最高裁も終わり、満足のいく内容ではありませんでしたが、M君勝訴で終結しました。

また、鹿砦社がリンチ事件の中心人物・李信恵による誹謗中傷、暴言に対し訴えた民事訴訟も、李信恵の不法行為を大阪地裁‐高裁も認め鹿砦社勝訴で終結しました。

さらに、対李信恵訴訟は、結審を前にして李信恵が「反訴」を起こし、これが反訴とされず「別訴」として現在も大阪地裁で審理中です。もう一つ、“隠れしばき隊”として業務時間の大半を使いこっそりと業務外のツイッターや私的メールを繰り返していた鹿砦社元社員・藤井正美に対する訴訟も係争中で、これも反訴してきて、今後も続いていきます。M君の訴訟にしろ対李信恵、対藤井正美の訴訟にしろ、しばき隊の守護神・神原元弁護士が代理人に就いており、どうやら反訴という手法は神原弁護士の戦術のようです。

この2年間、私たちは手を拱いていたわけではありません。本を出せなかったのは、2018年後半は私の重篤な目の疾患により編集作業ができない状態だったこと、2019年になると鹿砦社創業50周年記念行事(東京と関西双方で)と記念出版『一九六九年 混沌と狂騒の時代』刊行、後輩の書家・龍一郎講演などに追われたことによります。2020年の本年も、私たちが10年来応援している女性デュオ「Paix2(ぺぺ)」の「プリズン・コンサート」と称する獄内ライブ活動500回記念出版の作業に追われて来ました。

決して、くだんのリンチ事件を忘れていたわけではありませんが、不器用な私たちは、並行して複数の仕事を遂行することが十分にできないことで、あっというまに、気づいたら出版物を出していませんでした。

このGWを挟んでPaix2のプリズン・コンサート500回記念出版も一段落し、さらには、くだんの対李信恵第2訴訟もさらなる陳述書を執筆する必要に迫られ、次の本(第6弾)の準備もあり、これまでの資料を整理し5冊の本を再読し、思いつくまま書き綴ってきました。

私たちの力不足もあって、くだんのリンチ事件、及びこれから派生した諸問題は、なんら本質的に解決がついておらず、このままでは、同種同類の事件が起きることを懸念しています。加害者らや、この支持者らに真摯な反省などありませんから。

この問題について、いわゆる「ジャーナリスト」や「知識人」といわれる徒輩の体たらくを見るにつれ、放置しておけない! と、取材、検証作業を再開することにしました。

幸い、この2年間、対李信恵、対藤井正美との訴訟を進めながらも(これらの訴訟があったお蔭で問題意識は持続できました)、いささか距離を置いて思索してきました。そうして、リンチ事件の被害者救済・支援と真相究明に関わり始めてから5冊の本を出す過程では気づかなかったことがありましたが、この2年間で気づいたことも少なからずありました。

そうして思いつくまま文章を書き綴ってきました。言いたいことが堰を切ったように出てきて長大なものになりました。ここでは、もちろん一挙に掲載できませんので、分載していきます。(本文中、M君を除いては基本的には敬称は省かせていただきましたが、他意はありません)

◆李信恵らに、血の通った人間の心があるのか!? みずからの「被害」なるものを強弁するのではなく、まずは真摯に反省せよ!

李信恵が関わり連座した集団リンチ事件、みずからが中心になって惹き起こした、この事件に、彼女はいまだに何の反省もなく、開き直っている感が私には否めません。このかんの相次ぐ訴訟や社会的批判で少しは反省したかと思っていましたが、そうではなかったようです。これは、最近提出された彼女の2020年4月8日付け「陳述書」を一読しても、反省や人間としての誠実さなどは感じられません。あたかも自分が鹿砦社の出版物の「被害者」であるかの態度を強弁し、李信恵らによる暴虐の被害者=M君への謝罪の気持ちが、ただの一言もないのは彼女の人間性故でしょうか。自分が鹿砦社の出版物で「被害」を受けたというのであれば、まずはM君への謝罪が最優先になされるべきではないでしょうか。

李信恵は鹿砦社の出版物やこの通信の記事による「自分の受けた被害」で、「苦しい気持ちになりました。」「不安と苦痛でいたたまれません。」「恐怖に苛まれました。」「恐怖心でいっぱいになりました。」「これら記事を読んで泣き崩れました。」「非常に不安になりました。」「不安感や苦痛はとうてい言葉にできません。」「怒りと悲しみでいたたまれなくなります。」「私に対する強い悪意を感じ、非常に恐ろしいと感じています。」等々言いたい放題です。いい加減にしろ! 集団リンチの被害者M君が言うのであれば判りますが、集団リンチ事件に連座した彼女が言うのには違和感があります。

李信恵らは「リンチ」という言葉が嫌いのようですので、集団暴行傷害事件と言い換えてもいいですが、いずれにしても大の大人が5人で深夜に大学院生M君を呼び出し、集団で(うち2人を直接の暴力行使役として)暴行を加え、まさに半殺しともいうべき瀕死の重傷を与え、何の介抱もせず、救急車やタクシーも呼ばず師走の寒空の下に放置し立ち去った事実には変わりはありません。5人の中には、あまり注目されていませんが、格闘技の達人(松本英一)もいました。強面(こわもて)で鳴る伊藤大介と共に、いわば“用心棒”的な役割を果たしたといえるでしょう。

そもそも李信恵らが嫌う言葉「リンチ(linch)」とは何なのでしょうか? 『広辞苑』(第七版。2018年)には「法によらない私的制裁。私刑」とあります。ですから、李信恵ら5人が連座した暴行傷害事件は、まさしく〈私刑=リンチ〉です。〈私刑=リンチ〉以外の何物でもありません。

私は、全く白紙の状態で、この事件の被害者M君の救済・支援と真相究明に携わって頂度4年、あらためて李信恵の人間としての不誠実さを感じています。

李信恵「謝罪文」の1ページ目(全7枚)

事件直後、李信恵はM君に署名と捺印のある手書きの「謝罪文」を出し活動自粛も約束しています。曲がりなりにも謝罪と反省の気持ちはあったものと察します。ところが、しばらくすると、これを撤回し、「リンチなどなかった」「自分は無関係だ」等々と翻意しています。ならばなぜ「謝罪文」を出したのでしょうか? 李信恵さん、なぜですか?

李信恵さん、リンチ事件から一夜明け酔いが覚めた時、「しまった!」と思いませんでしたか? 自筆で書かれた「謝罪文」に嘘はないものと信じます。人間として、天地神明に誓って、どうですか? 自分は暴力を振るっていないとかを言い張ることも、あなたにとって重要でしょうが(少なくとも到着したM君に最初に「なんやねん、おまえ!」と詰め寄り胸倉を掴んだことは李信恵自身も認め、これがリンチの口火を切ったことは確かでしょう)、リンチの現場に李信恵ら5人が居て、M君が殴られ続けているのを止めもせず、悠然とワインをたしなみ、さらには、あろうことか、それをSNSで流しています(『カウンターと暴力の病理』の巻頭グラビア参照)。まともな人間がやることではありません。

さらには、重傷を負った被害者M君を師走の寒空の下に放置して立ち去っています。なぜ救急車を呼ばなかったのですか? 偶然ながら、私は、リンチ現場の隣のビルに同郷の知人が飲食店を出していて、同郷人や同窓会の集まりなどで時折行っていたのですが、すぐ近くにタクシー会社の営業所があります。電車がなくなるまで遅くなったら私も利用していました(1年に1、2度ですが)。にもかかわらず、李信恵らはなぜタクシーに乗せようともしなかったのでしょうか? これだけの瀕死の重傷を負った被害者を見て、なぜ救急車を呼んだりタクシーに乗せなかったのでしょうか? 李信恵さん、ぜひお答えください。

こうしたことを見るだけでも、李信恵らに血の通った人間の心、人権や良心があるとは、私には到底思えません。

◆私李信恵らは、私たちがリンチ被害者M君を救済・支援してきた意味と想いを誤認しています

辛淑玉書簡の1ページ目(全7枚)

また、李信恵の、いわば姉御分の辛淑玉は事件直後、「Mさんリンチ事件に関わった友人たちへ」という長文の書簡を書き配布しました。ここで辛淑玉は「これはリンチです。まごうことなき犯罪です」と李信恵らを強く叱責しています。これは自らの若い頃の体験に基づいた、いわば魂の叫びといったもので、読む者を感動させます。私も胸打たれました。重要なので裁判の書証として提出予定です。しかし、遺憾ながら、これものちに撤回されます。

このように、辛淑玉はじめ李信恵の周囲の人たち、「カウンター」といわれる人たち、「反差別」運動に関わる人たちも、事件直後は「なんということをやってくれたんだ」と思ったということは容易に想像できます。裁判所が好んで使う「一般読者の普通の注目と読み方」をすれば、そうではないですか?

おそらく事件直後は、李信恵にも謝罪や反省の気持ちは多少なりともあっただろうし、李信恵の周囲の人たちにも、辛淑玉の書簡のように良心の欠片はあったものと思われます。

しかし、M君は、一部の知人を除き彼を応援する者は皆無に近く、私たちと知り合うまでの1年余り孤立しさらなるセカンド・リンチ(ネット・リンチ)を受けたり村八分状態にありました。おそらくこれを見透かして李信恵らは「謝罪文」や活動自粛の約束を撤回したり開き直ったものと推認されます。卑怯極まりありません。今の世の中に村八分は許されません。村八分は差別ではないんですか?

李信恵らは日頃から頻繁に「人権」という言葉をあまりにも軽々しく使っていますが、前述の如き行為は、逆に一人の人間の人権を蔑ろにするもので、そこには血の通った人間としての真摯さや誠実さといったものは感じられません。それはそうでしょう、あれだけの暴虐をやっておきながら(あるいは連座しておきながら)、自己弁護や弁解ばかりで、人間としての真摯さや誠実さを見ることができないからです。いかがですか、李信恵さん!

私たちは、原則的にいかなる差別に反対し、たった一人の人間の人権をも尊重するというスタンスを堅持し、このように日頃から努めてきました。差別に反対し人権を尊重するという崇高な営みに関わる人には尊敬の念を持ってきましたし、これは今も変わりはありません。だがしかし、かつて「エセ同和」といった言葉があったように、世の中にはエセや偽物があることも見極めなければなりません。美辞麗句やキレイ事に惑わされてはなりません(が、けっこう騙されたり誤認します)。

私は、李信恵が真に人権を大事にするというのならば、まずは「謝罪文」の地点に立ち返って欲しいと願っています。これは私が繰り返し述べていることです。私たちは、私たちが言っていることや出版物などに書き連ねていることに間違いはないのかと自問自答しつつ、謙虚にこの問題に関わってきましたし、綿密な取材と調査を行い事実を積み上げてきました。もし間違いなどがあれば指摘してほしいとも幾度となく申し述べていますが、5冊も本を出しても、事実関係などについて、きちんとした批判や反論などは皆無です。李信恵や彼女の訴訟代理人の神原、上瀧両弁護士には著書も複数あり、出版ができる環境にあるにもかかわらず、なぜ「言論には言論で」批判、反論されないのでしょうか?

反論らしき反論は、鹿砦社が李信恵による誹謗中傷、暴言に対して起した訴訟の反訴(→別訴)でようやくなされました。この時点ですでに4冊の本が出版されていました。

しかし、これはあくまでも、裁判所という限られた場での議論にすぎず(それも、ずっと非公開で進められてきました)、公の議論ではありませんし、4冊の本が既に出版された後で時期的にも遅いんじゃないでしょうか。鹿砦社による訴訟の対抗上反論したものといえます。

さらに私は李信恵が「謝罪文」の地点に立ち返り李信恵らが和解のテーブルに就くのであれば、このために汗を流すのを厭わないことも、何度となく申し述べています。いたずらに諍い合っても社会運動、なかんずく反差別運動にとっては決して有益ではない、むしろ無益だと考えるからです。一例を挙げれば、―

松岡 もう今年いっぱいで、事件から三年が経つわけでしょう。やはり『このまま裁判を続けていっていいのかな』と思うのは一つです。M君本人は、『裁判を続ける』という気持ちがあるんだろうけど、一定のところで何らかの手打ちをしないとね。
 清(義明)松岡さんがそういうことを言うとは思わなかったな。
 松岡 僕はそう思うし、そういうことを本にも書いているじゃないですか。
   いや、僕も手打ちさせたほうがいいと思う。
 木下(ちがや) いや、俺もそう思う、絶対そう。
 松岡 なぜかというと、これヤクザの抗争じゃないんですよ。やはり社会運動の中でのトラブルなわけだから、そうしないと絶対『反差別運動』に良いことはない、と思うんですよね。
 木下 まったくないです。」(『真実と暴力の隠蔽』170ページ)

リンチ被害者のM君は瀕死の重傷を負ったわけですから李信恵らリンチ現場に同座した5人に対して多かれ少なかれ恨みつらみなどがあることは致し方ないとしても、私、および私の呼びかけで取材などに協力してくれた者らには最初から私怨や遺恨などありません。ましてや、私たちはリンチ事件に対する被害者救援と真相究明に携わるまで李信恵を知らなかったわけですから彼女に私怨や遺恨などあるわけがありません。

こうしたことを李信恵らは全く理解していないようです。

◆李信恵の「唾棄すべき低劣さは反差別の倫理を損なう」!

私は、このリンチ事件に対しては、李信恵はじめリンチ現場に同座した5人全員に〈連帯責任〉があると考えています。常識的に見、「一般読者の普通の注意と読み方」をすれば共謀関係もあったものと推認できますし、私たちはそう確信しました。M君が起こした民事訴訟や刑事事件で、確かに李信恵(と伊藤大介、松本英一)は損害賠償や罪を免れていますし共謀関係も認められませんでした。

だからといって、法的云々以前に人間としての責任を免れることはありませんし、この点は裁判所や検察庁は判断を誤っていると私は思います。法律とは、あくまでも人間の幸福追求のためにその行為の是非を公正に判断するためのものであり、一人の暴力の被害者を救済するための一つの手段として法律があり裁判所があるのではないでしょうか? 裁判所の法的判断で罪を逃れたからといって、人間としての言動が全て判断されたり放免されたわけではないのです。

こうした意味で、一部の識者も指摘するように(一例として前田朗東京造形大学教授執筆「反差別運動における暴力(二)」参照)、リンチ被害者M君が李信恵を訴えた一審大阪地裁(及び上級審)判決は「不自然な事実認定」「結論を先取りするために強引な認定」と批判される由です。

この論文において前田教授は李信恵(本文では「C」と表記)に対して「唾棄すべき低劣さは反差別の倫理を損なう」とまで非難されています。

前田朗論文「反差別運動における暴力(二)」(『救援』2018年5月10日号)

李信恵が在特会らのヘイト行為を訴えた訴訟で上瀧弁護士らは弁護団を結成し、前田教授は上瀧弁護士ら弁護団から依頼を受けて裁判所に「意見書」を提出するほど強く関わりましたが、「それだけに、本件訴訟(注:M君が李信恵を被告として訴えた民事訴訟)の経緯と内容を見ると脱力感に襲われる」と記し、「被告(注:この場合、李信恵)らの弁護人には知り合いが多い。かねてより敬愛してきた弁護士たちであるが、彼らはいったい何のために何をやっているのだろうか。依頼人のために仕事をしただけかもしれないが、あまりにも情けないという自覚を有しているだろうか。差別と暴力に反対し、人権侵害を許さない職業倫理をどう考えるのか。」と上瀧弁護士らを強く叱責しています。

それでいながら前田教授は、東京在住の故か本件リンチ事件の実態をほとんどご存知なかったようで、私が3冊の本を送って初めて実態を知り、そのショックは文面に表われている通りです。おそらく本音でしょう。李信恵の周囲の人たちや弁護士らをよく知っていながら、件のリンチ事件をご存知なかったというのも、上瀧弁護士らが「意見書」まで書いてくれた前田教授にリンチ事件の存在を言わず、李信恵らによる、事件をなかったことにしようとする隠蔽活動がうまくいっていたのでしょうが、悪いことは必ずバレます。(尚、この論文は「三」まであり、私とのやり取りで質問に答えず途中で逃げたり、のちのち態度が豹変しますが、少なくとも「二」までは真っ当な意見だといえます。)

◆李信恵は、まずは「謝罪文」に立ち返れ!

李信恵さん、あなたの「陳述書」には反省の念が感じられません。あなたに一片の良心があれば、今からでも「謝罪文」の地点に立ち返り、血の通った人間として真に反省されることを強く望みます。先の前田教授に「唾棄すべき低劣さは反差別の倫理を損なう」とまで叱責された李信恵さん、あなたが、真に差別に反対し、一人の将来ある若き大学院生の人権を尊重するというのであれば、今からでもやるべきことは歴然です。李信恵さん、あなたは鹿砦社の本で「被害」を受けたとか「不安や苦痛」「恐怖心」でいたたまれなくなったなどと被害者然としていますが、最大の被害者はM君です。このことを決して忘れないでください。

神原元弁護士のツイート

みなさん方も、第4弾本『カウンターと暴力の病理』の巻頭グラビアに掲載されているリンチ直後の顔写真をご覧になり、CDにして付けている音声データをお聴きください。まさに地獄絵、阿鼻叫喚です。みなさんも人間なら、これらを見聞きして何も感じないのなら人間ではありません。判決文でよく使われる「一般読者の普通の注意と読み方」をされたらいいだけの話です。

李信恵らはこのCDについても、あろうことか、これが李信恵の無実や、リンチ事件の首謀者でないこと等々を証明する証拠だと論理をすり替えています。狡知に長けた神原弁護士の智恵かもしれませんが、李信恵らはどこまで神経が腐っているのでしょうか、常人には到底理解できません。おそらくこの音声データがリンチの証拠として世の中に公開されたので、逆にリンチがなかったことの証拠と言い張ることで、形勢逆転を狙ったものと思われます。

私たちは、李信恵らが関わった、M君に対する集団リンチ事件について、リンチ被害者M君の救済・支援、そしてこの集団リンチ事件を負の遺産として主体的に反省し今後の社会運動のために活かすために、この事件の真相究明をするという、シンプルな想いこそ、この事件に関わる私(たち)の目的で、李信恵を貶めようとかいうような邪悪な政治的目的はありません。神原先生、あなたは私たちに対し、「私怨と妄想にとりつかれた極左の悪事」などとツィートしておられます。傷つき孤立した青年の魂の叫びを聞き、治療費はじめなんの弁済もなされず村八分にされていたことについて、救済・支援をし、真相究明をすることが「私怨と妄想にとりつかれた極左の悪事」ですか? 取材班や支援会で、多少なりとも学生運動に関わった者は私だけですから、おそらく私に対して詰(なじ)っておられるものと思わざるをえませんが、これはどういうことでしょうか? ぜひ私の面前で説明してください。

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検察庁法の改正案が国民的な批判にさらされ、今国会での成立を見送られるに至った一連の騒動は、ますます事態が混とんとしてきた。法が改正されたら、検事総長の座に長く君臨する可能性を疑われた「政権の守護神」こと黒川弘務東京高検検事長が「文春砲」により失脚したためだ。

しかし、この間に検察OBたちが法案への反対を表明し、ヒーロー扱いされたことの問題性は、社会の多くの人に見過ごされたままだ。そこで引き続き、当欄でこの問題に言及しておきたい。

今回言及するのは、法案に反対した検察OBたちが法務省に提出した意見書で、ロッキード事件の捜査や公判を自画自賛したことに関してだ。問題の意見書は、朝日新聞デジタルに全文が掲載されているので、必要に応じて参照して頂きたい。


◎[参考動画]“検察庁法改正案”攻防が激化……検察OBが反対表明(ANNnewsCH 2020/05/15)

◆検察の証拠は「刑訴法一条の精神に反する」

検察OBたちが意見書でロッキード事件の捜査や公判を自画自賛したことに関して、筆者はすでに当欄で以下2点の問題を指摘している。

【1】ロッキード事件で逮捕、起訴された元首相の田中角栄氏は裁判で一、二審こそ有罪とされたが、最高裁に上告中に死去したために有罪が確定しておらず、田中氏を有罪扱いした意見書の内容は「無罪推定の原則」に反すること(5月18日付け記事)

【2】意見書を法務省に持参した元検事総長の松尾邦弘氏は、退官後、三井物産に社外監査役として天下っているにも関わらず、三井物産の同業他社である丸紅の元社長らが逮捕、起訴されたロッキード事件の検察捜査を絶賛しており、公正さを疑われても仕方がないこと(5月22日付け記事)

これだけ見ても、検察OBたちの意見書が稚拙なものだったことはおわかり頂けると思われる。これに加え、今回新たに言及するのは、ロッキード事件の捜査、公判を通じて大きな問題になった「嘱託尋問」に関してだ。

この事件では、ロッキード社で副社長などを務めたコーチャンらがアメリカで行われた「嘱託尋問」で、田中氏らへの贈賄を証言し、この証言は日本の検察が田中氏らの有罪を立証するための有力な証拠となった。しかし、この嘱託尋問は、日本の検察がコーチャンらを起訴しないことを確約し、最高裁も刑事免責を保証したうえで行われたものだった。当時は日本に刑事免責の制度は無かったから、本来、そんな証言を日本の裁判で証拠にすることは許されない。

実際、田中氏らと共に立件された秘書官の榎本敏夫氏の裁判では、最高裁が榎本氏の有罪を維持した一方で、判決(https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/355/050355_hanrei.pdf)でコーチャンらの証言の証拠能力を否定している。その中でも特筆すべきは、大野正男判事が補足意見でこの証言を事実認定の証拠とすることを次のように厳しく指弾したことだ。

〈公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ事案の真相を明らかにすべきことを定めている刑訴法一条の精神に反するものといわなければならない〉

これは、コーチャンらの証言を法廷に示した検察の有罪立証に向けられた批判だとも受け取れる。このような批判を受けたロッキード事件の担当検事たちが退官後、再び公の舞台に出てきて、この事件の捜査や公判を自画自賛するのは、本来、大変恥ずかしいことなのだ。


◎[参考動画][1976年2月] 中日ニュース No.1153_1「ロッキード献金事件 ついに証人喚問へ」

◆「人民裁判」を肯定したに等しい検察OBたち

検察OBたちの意見書を改めて読み直すと、酷さが際立っているところは他にもある。以下の部分だ。

〈かつてロッキード世代と呼ばれる世代があったように思われる。ロッキード事件の捜査、公判に関与した検察官や検察事務官ばかりでなく、捜査、公判の推移に一喜一憂しつつ見守っていた多くの関係者、広くは国民大多数であった〉

〈新聞もテレビもロッキード関連の報道一色に塗りつぶされて日本列島は興奮の渦に巻き込まれた〉

ロッキード事件における検察の捜査や公判活動が国民から熱烈な支持を受けていたことを得意げに書いているが、これでは「人民裁判」を肯定したに等しい。この意見書に名を連ねた検察OBたちはおよそ法律家とは思い難い。

むしろ、このように当時、日本全国が報道の影響でのぼせ上がっていたからこそ、明らかにアンフェアな手続きで得られたコーチャンらの証言により田中氏らが刑事訴追されたことについて、当時の国民は問題性に気づかなかったのだろう。

冤罪問題に対する世間一般の関心が薄かった昭和の時代ならともかく、この令和の時代に、ロッキード事件を手柄話のように公然と語る検察OBたちがヒーロー扱いされる現状は、やはり相当危うい。この問題については、今後もさらに言及していきたい。

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◎盛り上がる検察官「定年延長」法案批判、いくつかの的外れな批判(5月14日)

▼片岡 健(かたおか けん)
全国各地で新旧様々な事件を取材している。原作を手がけた『マンガ「獄中面会物語」』【分冊版】第9話・西口宗宏編(画・塚原洋一/笠倉出版社)が配信中。

月刊『紙の爆弾』2020年6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

「絶望の牢獄から無実を叫ぶ ―冤罪死刑囚八人の書画集―」(片岡健編/鹿砦社)

◆コロナ禍、「命の危機」はすべての人に平等か?

今回のコロナウイルス禍について「全世界的に平等に降りかかり、階層もなく命の危機にさらされた」という学者がいた。確かに亡くなった人の中には、志村けんさん、岡江久美子さんなど経済的余裕のある人がいたのも事実だ。しかし、本当に「命の危機」は階層とは全く関係ないだろうか。

3・11の福島第一原発事故で放出された放射能は、地域の差はあれ、そこに住む全ての人々に平等に降りかかりはした。しかし、その後の個々の対応、とりわけ人体に多大な健康被害を及ぼす放射能を回避する方策については、階層及びそれに伴う経済的差異や地位によって、明らかな差が生じた。

もちろん避難や移住が経済的理由だけで決まった訳でないことは、家族を被ばくから守るため、着の身着のままで避難する人たちが多かったことからも明らかだ。しかし一方で、避難指示が解除された後、経済的理由などで泣く泣く線量の高い故郷に帰らざるを得なかった人たちがいたことも事実だ。

放射能もコロナウイルスも、全ての人に平等に降りかかりはするが、それをどう回避するかの条件は、全ての人に平等に与えられている訳ではないということだ。

毎日店の前を台車で通るAさんは、コロナウイルスが流行っていることすら知らなかった

◆「すべての人に給付金10万円を」

コロナ対策で、政府が全ての人を対象に唯一決まった10万円の特別定額給付金は、複雑難解な当初の30万円給付金案から、より「簡素な仕組みで迅速に」「一日もはやく手元にとどけ」との目的で変更された。それは一刻も早く届けないと、命の存続にかかわる事態に追い詰められている人たちが多数いるからだ。

私の住む釜ヶ崎では、建設現場の相次ぐ閉鎖で仕事が減ったうえ、GW前から、地区内のいくつかの炊き出しが中止となった。

空き缶、銅線、鉄を集めて、1日約千円にしかならない。開放会館に置かれていたCさんの住民票は、2007年強制削除された

カンパで頂いた米、食材を使い、1日7個~10個を順番に配っている

そんななか、「どうしたら、野宿者らにも10万円を渡すことができるか?」と考えながら私は、マスクと弁当を野宿者らに配ろうと考えた。GW突入と自粛要請が重なり、店も暇になり、時間も出来たし、ちょうど同じころ、マスクや米などのカンパが届いたからでもある。

とはいえ、仕事合間に1人でやることなので、数は1日10個前後としれている。店の近くを台車で通る人数人、閉鎖されたセンターのシャッターの下に野宿する人たちに、毎日順番に配ることにした。

マスク、弁当を渡しながら、10万円給付金を受け取る条件となっている「住民票」の有無などの話を、本人から聞き出すことも目的の一つだった。

同上

店の近くを日に何回も行き来するAさんに初めてマスクを渡すと、Aさんはきょとんとしていた。考えたらAさん常に1人、他の人と話すこともなく、携帯やテレビで情報を得る環境もない。「コロナウイルスという危険なウイルスが流行っているから、マスクして」と伝え、毎日弁当を届けた。

そのうち、Aさんは少しずつ話すようになった。きっかけは10万円給付金の話。「10万円、貰えるんか? 本当か?」。そしてAさんは私に年齢、名前、住民票は府内某所に置いたままだと話した。

もう一人、同じく毎日店の前を通るBさんは、50代で病気を患い、生活保護を受けたが、運悪く「囲い屋」に囲われてしまったようだ。Bさんは「囲い屋」とは言っていないが、住民票の話になると、必ず「前に生活保護受けた部屋に置いたまま」と暗い表情で悔しそうに話すため、私がそう考えたのだ。

センター近くでアルミ缶、鉄、銅線などを集め、1日約千円を凌ぐCさんにも住民票がない。聞けば、2007年釜ヶ崎開放会館に置かれていた2088人の住民票が、大阪市に強制削除された際の犠牲者の一人だった。またセンターに野宿する50前後の若い男性は、6年前働いていた会社の寮に、他にも以前住んでいたドヤやアパートに置いたままの人が多い。さらに多くの人は住民票をもっておらず、本籍地に戻された住民票を移すにしても、自分を証明するものが全くない人も多数いた。なお「10万円はいらんわ」という人も数名いた。

自転車に山ほど積まれた空き缶、アルミの値段が下がり、以前はこれで2200円あったが、今では1800円に

◆10万円給付金、「現に居住している場所」で受け取れるように!

決まった場所に定住する野宿者だけでなく、荷物を積んだ台車を押しながら、あちこち点々とする野宿者も多い

大阪出身で元松竹芸能所属のお笑い芸人だった清水忠史(ただし)衆院議員が、Twitterで5月18日、「19日の衆院財務金融委員会で質問にたちます。新型コロナウイル禍で、いかにして個人事業者や生活困窮者に支援するのか、財務省、経産省、厚労省の見解をといます」と呟いていた。一方、私たちは、4月28日西成区役所に要請を行っていたが、区役所から「給付については大阪市役所市民局が行う」と返答されたため、5月8日仲間と大阪市役所に向かい、「10万円定額給付金が、住民票を持ってない人にも必ずわたるように」との要望書を提出していた。しかし1週間後の15日夜遅くに届いた返答は「あと1週間回答を待ってほしい」とのことだった。

「野宿者らに本当に10万円届くのか」。不安になった私は、藁にもすがる思い、そしてダメ元で、清水議員にDMを送った。「大阪市は10万円給付金、とにかく住民票のある人と言っていますが、私たちはずっと野宿者など住民票取れない人にも本人確認して渡して、と訴え続けています。明日の質問にちょっとそのことも質問してもらえないでしょうか。ご検討をお願い致します」。

律儀にすぐに返答があった。翌日「確認したいことがあります」と連絡があり、携帯番号を伝えたところ、すぐに連絡が入った。電話で私は、釜ヶ崎の野宿者の置かれた厳しい現状、とりわけ住民票を移すにも、自分を証明するものが全くない人が多数いること、大阪市はそれまで、住民票の取れない労働者に対して、解放会館などで住民登録することを勧めてきたくせに、2007年2088人の住民票を強制削除した件などを説明した。

清水議員は、20日「地方創生に関する特別委員会」で、新型コロナ禍での生活保護制度の運用や、1人10万円の特別定額給付金の問題をとりあげ、質問したようだ。委員会終了後、「総務省とのやりとりで、2007年の『事件』も含めて伝え、大阪市では簡単に住民登録ができないこと。こうした人たちをどのように救済するかが問われていることを指摘したところ、総務省政務官は『現に居住していることを市区町村に認めてもらえるように取り組む』と答弁した」とメールが届いた。

これを先に進めたら、野宿者の人たちにも10万円が手渡せるはずだ。もちろん私たちの要請行動も引き続き行っていくが、それに加えて議員やマスコミへの働きかけなど様々な形で、「住民登録」のみに固執し続ける国、行政の考えを改めさせなくてはならない。

ある税理士さんがこう呟いていた。「確かに給付対象は住民登録者とされている、でもこの規定は支給の便宜を考えてのもの。目的が国民の生活費支援である以上、最もこれを必要としてる彼ら(住民票のない路上生活者)の除外は許されっこないね。役所は住民票でやり方が楽なんだろうけど、少しは汗かきなよ」。

今回の10万円給付金の目的(理念)は、コロナ禍で生活に困窮した人たちを助けるためだ。その支給の「便宜」のため、戦術として住民登録が選ばれただけだ。ならば、国は再度立ち止まって、その目的(戦略)のために何ができるかを必死に考えるべきだ。「オギャー」と産まれたばかりの赤ちゃんも、すぐにコロナ禍に放り込まれるのだから、10万円給付は当然だが、これまで何十年も、日本経済の末端で、それこそ汗水流して働いてきた労働者が、いまは野宿で住民票ないからと10万円受け取れないなんて、余りに理不尽だ!国と行政は、すべての野宿者、住民票を持たない人にも10万円が渡るよう、必死に動き汗水を流せ!

センターが閉まったため、水飲み場はどこも洗濯、シャンプー、ひげそりなどする野宿者で混んでいる

※コロナ禍をめぐる釜ヶ崎のこうした現況について、MBS(毎日放送)の情報番組「ミント!」が本日5月26日(火)18時15分頃から報じる予定です。関西の皆様、ぜひご覧ください。

▼尾崎美代子(おざき みよこ)

新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

月刊『紙の爆弾』6月号 【特集】続「新型コロナ危機」安倍失政から日本を守る

『NO NUKES voice』Vol.23 総力特集〈3・11〉から9年 菅直人元首相が語る「東電福島第一原発事故から九年の今、伝えたいこと」他

直近の大きなニュースの一つは、東京高検トップ・黒川弘務(元)検事長の賭けマージャンスキャンダルでしょうか。そしてその賭けマージャンに産経新聞記者2人と朝日新聞社員(元検察担当記者)が同席していて、これが常習化していたそうです――また朝日新聞か! 

朝日といえば、先立って阿久沢悦子記者(大阪社会部から現在静岡総局)にまつわることを報じたばかりです。特段朝日を嫌いではありませんし、自宅で購読しているのは朝日ですが、15年前の「名誉毀損」出版弾圧事件での官製スクープ以来、くだんのリンチ事件での司法記者クラブ所属記者や朝日本社広報の対応(詳しくはリンチ本第4弾『カウンターと暴力の病理』を参照してください)など、なにかと因縁があります。そのどちらも私が悪いわけではありませんが、阿久沢記者、それに大阪社会部記者らには、とても日本でトップクラスの大新聞の「ジャーナリスト」とは思えない振る舞いに煮え湯を飲まされてきましたが、「またか」という思いが尽きません。

ちなみに、こういう大手新聞社・通信社の記者や社員が起こした事件を報じる場合、なぜか実名を出しませんが、いつも疑問に思っています。マスコミは「第四の権力」ですから、「第四の権力」者は(準)公人と言ってもよく、こんな大スキャンダルですから実名を出すべきでしょう。一般市民がささいな事件を起したら簡単に実名や住所(さすがに番地までは出しませんが)など掲載するのに、です。逆じゃないでしょうか?

さて、私が阿久沢記者を許せないのは、村八分状態にあったリンチ被害者M君が孤立していたさなか、あたかも味方のように近づき精神的にも弱っていたM君を弄んだからです。阿久沢記者は、自称「浪花の歌う巨人」ミュージシャン趙博をM君に紹介し、挙句趙博は、当時まだ公にされていなかったリンチ事件の貴重な資料を入手し、その後M君や、M君支援に関わり始めたばかりの私たちを裏切りました。私たちは趙博に直接裏切られましたので、彼がいろいろな運動や組織に近づき、いかがわしい動きをしていることに不信感を抱かざるをえません。私たちは彼に直接裏切られたのでハッキリ言いますが、「趙博に気をつけろ!」

 

阿久沢記者について、調べていくと、「ん、っ!?」と思わざるを得ない写真が出てきました。阿久沢記者の隣にはリンチ事件隠蔽のA級戦犯の一人・北原みのり、そしてリンチ事件隠蔽の表には登場しませんが、取材により関与が疑われた谷口真由美、また井戸まさえ(元衆議院議員)、らが写っています。

「石原燃さんの『白い花を隠す』の再演を池袋に観に行きましたら、井戸さん、谷口さん、北原さん、中安さん、なつきちゃん……知り合いがぞろぞろと客席に……いやー、びっくりしました」ということです。「いやー、びっくり」したのは私のほうです。なあんだ、みんなグルだったのでしょうか。極めて不愉快です。

谷口真由美が、リンチ事件について、あちこちで嗅ぎまわっているという噂がありましたので、「なぜだろう?」と思っていましたが、この写真で合点がいきました。

4月28日は、対李信恵第2訴訟、対藤井正美訴訟の期日でしたが、コロナウイルスによる非常事態宣言で延期になりました。どちらも代理人は神原元弁護士ですが、これらの裁判のために東京からやって来る神原弁護士のために、私たちなりに配慮して同日に開くことに同意しています。べつに配慮してやらなくてもいいんでしょうが、余裕です(笑)。他にも李信恵が高島章弁護士を訴えた訴訟も神原弁護士が代理人を務めていますが、これも同日で、神原弁護士は1日にダブルヘッダーならぬトリプルヘッダーで大車輪のご活躍です。

 

次のリンチ関連書籍や陳述書の準備のために、静かで長かったGW中にこれまでの資料などを整理していくと、新たに分かったこともありました。

M君の“元上司”に高橋直輝こと添田充啓という男がいましたが、不審な亡くなり方をして、もうどれほどになるのでしょうか。添田は「しばき隊」の中でもゲバルト部隊の感のある「男組」のトップで「組長」といわれていました。M君は添田の部下でしたので、添田への直撃取材も敢行しようとしていました。

添田と一緒に親しげに写っている著名人の写真が出てきました。あれっ、佐高信、社民党党首・福島みずほさんではないですか? 

 

福島が関わった集会のフライヤーも出てきました。この集会の司会は池田幸代(元福島みずほ秘書)、出席者に辛淑玉、金平茂紀、福島みずほらがいましたが、この集会の直後、執行猶予中でありながら、添田は、いわば“鉄砲玉”として沖縄に派遣され逮捕、のちに有罪判決を受けます。

その後、精神的に病んだという噂も耳に入ってきていたところ、謎の死を遂げます。しかし、死亡の報も、実際になくなってからずいぶん経ってからしばき隊の中心人物の一部から漏らされましたが、死の真相は公にならないまま現在に至っています。3回忌とか弔いの儀式などやったのでしょうか? 本当にこれでいいのでしょうか? 添田の死は「死人に口なし」でM君リンチ事件真相究明のためにマイナスになりました。

口封じのために殺られたとか精神的に追い詰められ自殺したとか……あれこれ噂が耳に入ってきていましたが、常識的に言って、添田を死に追い詰めたものは何だったのか、解明しないといけないのではないでしょうか? 

また、彼をやんややんやと煽り立て沖縄に派遣した辛淑玉、金平茂紀、福島みずほらは何を考えているのか、所信を表明すべきではないでしょうか? そうではないですか? 私の言っていることは間違っていますか?

 

その後、しばき隊は沖縄にはどう関わっているのか、これもどうなっているのでしょうか?

くだんのM君リンチ事件それ自体にも、その添田死亡のようにリンチ事件周辺にも不思議なことが少なくありません。

私たちが全く白紙の状態からこのリンチ事件の被害者支援と真相究明に関わってきて、多くのことを反面教師的に学んできました。一番疑問に思ったのは、朝日の記者ら「ジャーナリスト」らの醜態、かつては講演などにも招いたこともある池田香代子ら「知識人」のでたらめさです。

池田香代子は、ご存知のようにアウシュヴィッツの実態を記述したフランクルの『夜と霧』の新訳を出しています。学生時代に旧版を読んで衝撃を受けました。私よりも上の世代にとっては必読本でした。この頃、必読本は多く、一知半解ながら読み、このことが今になっても活きていると思います。

池田にとってアウシュヴィッツとは何なのか? アウシュヴィッツとは、ナチスによるユダヤ人大虐殺があった強制収容所ですが、これはもちろん他人事ではありません。われわれの心の中にも潜在的にアウシュヴィッツ的なものはあり、これと不断に対決していかなければなりません。池田さん、あなたは『夜と霧』を翻訳する過程でアウシュヴィッツがどのようなものか理解されたと思いますが、アウシュヴィッツ的なものはあなたの心の中にもあることを自覚すべきでしょう。

収容所の中で虐殺が行われていたことはドイツの国民や周囲の住民らは知っていたかうすうす感じていたとされますが、これをくだんのリンチ事件に当てはめると、池田らしばき隊に近い者たちは知っていたと推認され、だからこそ真相をたずねようとすると逃げ出したり沈黙したり、逆に開き直ったりするのでしょう。ここにアウシュヴィッツ的なものを感じますが、逃げ出すことなく事実を見つめアウシュヴィッツ的なものやリンチの思想と主体的に対決していかなければなりません。特に池田香代子にはその責任があります。

このかん資料を整理し書き連ねてきたことを、今後数回にわたり分載していきます。(文中敬称略)

◎松岡利康【「カウンター大学院生リンチ事件」(別称「しばき隊リンチ事件」)検証のための覚書1】朝日新聞・阿久沢悦子記者の蠢きと、「浪花の歌う巨人」趙博の突然の裏切りについて(2020年4月27日)

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