当サイト『デジタル鹿砦社通信』で「脱法芸能」の連載が始まったのは、2014年8月からだが、これまで筆者である私の周辺で様々な異変が起きている。

◆ビートたけし独立事件に触れた直後に起こった異変

その電話はビートたけしの独立事件について触れた記事が2014年10月20日に掲載された直後、非通知でかかってきた。電話の主の男は広島弁で、いかにも暴力団員風だったので、私が「組織の方ですか?」と聞くと反応はなかった。

「お前、昔、(暴力団の)S会から追い込みをかけられて、ワシに頼ってきただろう? 京王プラザで会ったじゃないか? お前、ぶっとんじゃったんじゃないの?」と言うのだが、筆者はS会に追われたことはないし、京王プラザホテルに行った記憶もないのである。

「覚えてないです」と私が聞くと、「何かのパーティーで知り合ったんだ。君の名刺をワシは持っている」と言ってきた。脅しのつもりであろう。

電話の主が、「今、どんな仕事をしているのか?」というので「鹿砦社という出版社のウェブサイトで芸能界の連載をやっていますが……」と答えると、「そんな仕事、1本数千円だろう?」とした上で、しきりに私の収入や付き合いのある週刊誌などについて尋ねてきた。それで私がある週刊誌について言及したところ、その直後にその週刊誌に所属する私の知人のデスクから電話があった。

その週刊誌デスクは、開口一番「FXの仕事を依頼したい」と言ってきたが、私は「FXについては詳しくない」と答え、この申し出を断った。その週刊誌デスクは、私とあまり話をしたくないようで、すぐに会話を打ち切った。

なお、そのデスクが所属する週刊誌はバーニングプロダクションやケイダッシュと関係が深いという指摘があり、そのデスクも、バーニングプロダクションの周防郁雄社長と昵懇だと言われる。また、このデスクと親しいフリージャーナリストが、現在、周防社長と敵対関係にある大日本新政會総裁の笠岡和雄氏に熱心に取材をしていたことがあったが、私が「どこで記事を書いたんですか?」と尋ねたところ、「記事は書いたことはない」と言っていた。記事にしないのに、どうして取材をするのか、不思議に思ったものである。

◆非通知の電話主は「連載は本にするのか?」と聞いてきた

その後も妙な電話が続いた。次に非通知で電話をかけた来た人物は、先に述べた広島弁の男よりも声色は若く、言葉遣いは明らかに不良っぽい。この人物も「パーティーで知り合った。アンタの名刺を持っている。名刺なんかこれまでに何千、何万枚と配っただろう?」と言うが、私には記憶がない。

この人物は、先の広島弁の男に私が話した情報を知っており、それを前提に質問をしているようで、やはり私の収入や付き合いのある週刊誌について知りたがっていた。また、「連載は本にするのか?」とも言い、当連載について関心を持っているようだった。
「東京駅周辺の喫茶店で会いたい」とも言われたが、私は素性の知れない人物と会うつもりはなく断った。

この人物は、私を安心させる意図があったのか、暴力団について記事を執筆しているフリーライターの名前を何人か挙げていたが、その中に私の知人のフリーライターの名前を挙げ、「あいつは今、関東連合について取材している」と言っていた。
その後、このフリーライターの知人に確認してみると、関東連合の関係者が「星野君と電話で話した」と言っていたという。先に述べた広島弁の男とのやり取りで私はこの関東連合関係者について言及している。また、この関東連合関係者はかつて芸能プロダクションの仕事をしており、過去にバーニングプロダクションの周防社長と関係が深い格闘技プロデューサーの石井和義氏の下で働いていたことがあるが分かっている。

◆『芸能人はなぜ干されるのか?』の読者と名乗る芸能関係者による奇妙な接触

その後も、おかしな出来事は続いた。先の週刊誌の別の記者から、タレントの独立問題について取材依頼があり、これに応じたところ、記事ではまったく使われず、私とは立場がまったく異なる芸能評論家のコメントが掲載されていた。

その直後に拙著『芸能人はなぜ干されるのか?』の読者だという芸能関係者からメールで連絡があった。メールに記載されている内容は私が先の週刊誌の取材で話した内容に合致していた。いろいろと人脈があるというので会ったところ、逆に私の情報源を探るような質問をしてきたため、関係を遮断した。

▼星野陽平(ほしの ようへい)
フリーライター。1976年生まれ、東京都出身。早稻田大学商学部卒業。著書に『芸能人はなぜ干されるのか?』(鹿砦社)、編著に『実録!株式市場のカラクリ』(イースト・プレス)などがある。

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