「博識で芸達者。軽妙な語り口で多くの人に愛されていた人です。落語、文学にも造詣が深かった」(芸能ジャーナリスト)
小沢昭一が83歳で亡くなった。
出演していたTBSラジオの長寿番組「小沢昭一の小沢昭一的こころ」は7日で1万410回を数えていた。同番組の10日の放送時間帯には、放送タレントの永六輔(79)らが電話出演し、小沢さんの死を悼んだ。
「落語を初めとして、放浪芸など日本の話芸を掘り起こし、自分の芸に取り入れていた。華と味わいと深みがあり、誰も真似できないトークだった。お休みしているときは、さみしかったですね」(ラジオのリスナー)

小沢氏は、54年に映画デビューし、『エロ事師たちより・人類学入門』で主演、『猫が変じて虎になる』『にっぽん昆虫記』『楢山節考』『黒い雨』『うなぎ』など、脇役を含めると、200本以上に出演している。ラジオ、テレビでも活躍し、82年に『劇団しゃぼん玉座』を創立し、民衆芸能の研究に時間を費やした。94年に紫綬褒章を受章、01年にに勲四等旭日小綬章を受章。国民的俳優だった。

俳優として活躍するかたわら、小沢氏は69年、初の著書『私は河原乞食・考』を出版した。以前から興味を持っていた日本古来の芸を研究した成果と、自分の芸観を発表したことで、自らの中に眠っていた伝統芸能への情熱に火がついた。
71年にはレコード「日本の放浪芸」シリーズを発売、同年の日本レコード大賞で企画賞を受賞。続編の『又・日本の放浪芸』は、74年度の芸術選奨新人賞を受賞した。

「才能ある俳優でした。ひとりで何役もこなしているかのようなトークがラジオで聴けないのは残念。まさに昭和の名優を失った」(ファン)
治療しながら仕事を続けていた小沢昭一氏は「小沢昭一的こころ」を遺して静かに去った。冥福を祈りたい。

(TK)