インター王座奪取し、健太と並んでNJKFのエース格へ進出のMOMOTARO

MOMOTAROは技の多彩さが勝機を導く展開でした。初回は勢いあったカルロスでしたが、MOMOTAROは蹴りの伸びやスピードが優っていました。蹴り勝つMOMOTAROは、2ラウンドに連打から左ストレートパンチでカルロスのアゴを捉え、ダメージ深いカルロスは立ち上がれず、担架で運ばれる衝撃の終了でインター王座奪取となりました。

20代最後の試合となった健太は、初回は様子見で、浅瀬石はパンチで威圧的に攻めるが、劣勢には至らない健太。2ラウンドから健太が出始める。パンチからヒジと圧力を強め、経験豊富な修羅場の底力を発揮、3ラウンドにはヒザ蹴りでダウンを奪う。4ラウンドも多彩に攻め、ヒジで浅瀬石を流血に追い込むTKO勝利で初防衛に成功。 今後もブランクを空けないハイペースで、他のイベント興行出場も含め世界進出を狙う意欲を感じます。

前田浩喜が蹴りとパンチでの速攻で2度のダウン奪ってレフェリーストップによる2階級制覇。金子貴幸は勢いに乗る前に仕留められてしまいました。

玖村修平は2度のバックハンドブローによるダウンを奪うこと含むパンチでの3度ダウン奪って王座獲得しました。

◎NJKF 2017.2nd 6月18日(日)後楽園ホール 17:05~20:50
主催:ニュージャパンキックボクシング連盟
認定:WBCムエタイ日本実行委員会、NJKF

◆WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級タイトルマッチ 5回戦

チャンピオン.カルロス・セブン・ムエタイ(スペイン/27歳/56.75kg)
VS
WBCムエタイ日本フェザー級チャンピオン.MOMOTARO(OGUNI/26歳/56.95kg)

勝者:MOMOTARO / TKO 2R 2:04 / カウント中のレフェリーストップ
主審 多賀谷敏朗

カルロスの技量を見極め、グングン蹴り込んだMOMOTARO

ハイキックで攻めるMOMOTARO

カルロスは立ち上がれず、MOMOTAROの完勝

健太がヒジで追い込むも流血しながら諦めない浅瀬石

◆WBCムエタイ日本ウェルター級タイトルマッチ 5回戦

第6代チャンピオン.健太(E.S.G/29歳/66.68kg)
VS
挑戦者NJKFウェルター級チャンピオン.浅瀬石真司(東京町田金子/37歳/66.45kg)

勝者:健太 / TKO 4R 1:54 / タオル投入による棄権
主審 竹村光一

健太がしぶとい浅瀬石を追い込むが、簡単には倒れない頑丈な浅瀬石

浅瀬石真司vs健太。健太の最後の一撃、この後タオルが投入された

いつもの健太ポーズを加藤愛香さんととる健太

前田浩喜のハイキック、距離感が一気に勝利に導いた

NJKF2階級制覇した前田浩喜のベルト姿

日下滉大vs玖村修平。バックハンドブローでKO勝利した玖村修平

玖村修平のベルト姿

◆58.0kg契約 3回戦

NJKFフェザー級チャンピオン.新人(E.S.G/28歳/57.7kg)
VS
Bigbangスーパーフェザー級チャンピオン.駿太(谷山/35歳/58.0kg)
勝者:駿太 / 1-2
主審 少白竜 / 副審 竹村30-29. 大澤29-30. 多賀谷29-30

◆NJKFスーパーバンタム級タイトルマッチ 5回戦

第5代チャンピオン.金子貴幸(GANGA/28歳/55.2kg)
        VS
挑戦者同級1位.前田浩喜(CORE/36歳/55.2kg)
勝者:前田浩喜(第6代C) / TKO 1R 2:52 / カウント中のレフェリーストップ
主審 山根正美

◆第10代NJKFバンタム級王座決定戦 5回戦

1位.日下滉大(OGUNI/22歳/53.4kg)
VS
2位.玖村修平(K3B/20歳/53.2kg)
勝者:玖村修平(第10代C) / KO 4R 2:59 / 3ノックダウン
主審 大澤武史

◆69.5kg契約3回戦

NJKFスーパーウェルター級チャンピオン.YETI達朗(キング/32歳/69.2kg) 
     VS
NJKFウェルター級3位.山崎遼太(OGUNI/25歳/69.5kg)
勝者:YETI達朗 / KO 2R 1:39 / 3ノックダウン
主審: 多賀谷敏朗

◆女子(ミネルヴァ)55.0kg契約3回戦(2分制)

NJKF女子スーパーバンタム級チャンピオン.杉貴美子(TenClover/36歳/54.75kg)
VS
同級5位.和乃(新興ムエタイ/29歳/54.4kg)
勝者:杉貴美子 / 3-0
主審 竹村光一 / 副審 大澤30-27. 多賀谷30-27. 山根30-27

他、3試合は割愛します。

健太vs浅瀬石真司戦はダブルタイトルマッチではありません。下位タイトルの浅瀬石が上位タイトルの健太に挑んだ試合です。ボクシング的に言えば、負けた浅瀬石の王座剥奪はありません。いずれにせよ、この展開での剥奪ルールは無いキック団体です。

《取材戦記》

この団体での国内王座からインターナショナル王座へ挑むこと多くなったWBC傘下のタイトルを狙う選手たちです。そしてヨーロッパ勢との絡みが多くなるインター王座ですが、ムエタイ技術とパワーを持った強さが目立ち、苦戦すること多く簡単には獲れない王座です。

しかし、強豪ヨーロッパ勢に打ち勝つ技術を持った日本人選手が居ることも確かで、過去には2012年9月に大和哲也(大和)がスーパーライト級で奪取、2014年4月に梅野源治(PHOENIX)がスーパーフェザー級で王座奪取し、昨年7月、テヨン(キング)がスーパーライト級で、TOMONORI(OGUNI)フライ級で奪取しました。

11月には期待の健太(E.S.G)はウェルター級王座決定戦で強豪サモン・デッカーに敗れ惜しくも奪取成らずでした。世界の前に立ちはだかる壁としては良い試練となるインター王座なのかもしれません(他にも奪取した選手いたと思いますが割愛させて頂きます)。

しかし、キック系世界王座はWBCムエタイだけではない現実があり、更にそれを越える伝統のムエタイ最高峰があり、そこまでにそれぞれが目指す方向が違って日本人頂上決戦が行なわれ難い現実があります。選手同士は戦いたくても、プロモーターの権力と思惑が大きく遮る結果ともなっています。ファンの夢を噤む、そんな事態はもう終わらせたい今後のキック界でしょう。

NJKF 2017.3rdは9月24日(日)後楽園ホールで17:00より開催予定です。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』