岩手・滝沢市で開催されたAKB48の握手会で起きた「のこぎり強襲事件」があとを引いている。襲われた川栄李奈と入山杏奈は気丈にも元気な姿を見せた。しかし事件の影響で、AKB、SKE、NMBの各グループが握手会や劇場公演の延期や中止、HKTが警備体制を強化した上で公演を実施するといった対応を取っている。

「この影響で、握手会や撮影会などを収入源としている地下アイドルたちのイベントも延期を迫られている。ところがこの機に乗じて、警備会社がここぞとイベント会社に売り込んで来ています。このところ機械による警備がメインになって、警備会社は仕事が激減していたのですが、今回の強襲事件で『警備を手厚くしないと』とイベント会社やアイドルのプロダクションも強く考えていた矢先でしたし、警備会社にとっては売上を増やす絶好の機会となっているようです」(アイドルライター)

AKSでは「しばらくはメンバーにひとりずつ警備をつけたほうがいい」と心配するスタッフもいるようで「大人AKB」として期間限定の活動をしている主婦メンバー、塚本まり子がイベントに出演した際も警備スタッフ2人が囲むようにべったりと警備した。

「中堅の警備会社からセコムなどの大手まで、営業に来ています」と芸能プロダクションのスタッフは語る。
現在、警備員をひとり雇用すると相場は1日で1万8000円から2万円ほどかかり、なおかつ金属探知機やトランシーバーなどの備品も無料ではない。

「まったく余計なことをしてくれた。アイドルたちが直接ファンと触れるというのが地下アイドルのいい点だったのに、このままでは、客の身体検査や危険探知に神経を使うし、アイドルたちも緊張からなかなか笑顔になれないだろう」と芸能プロダクションスタッフは憤る。

都内の警備会社幹部は「売上があがるのはいいことだし、俺もアイドルが嫌いじゃないので、アイドルに会えるのはうれしい。犯人に対しては複雑な心境だなあ」と語る。
いずれにせよ、「握手会」や「サイン会」が今まで安全という点ではあまりにも無防備だった事実を露呈させた。
「何かあったら1分くらいで駆けつけることが体制を作る。それが警備というものだろう」(同)
アイドルイベントも映画「ボディガード」顔負けの緊張が漂うご時勢になったということか。

(鹿砦丸)