対李信恵訴訟 裁判所が「別訴」の併合審理を却下! 李信恵側弁護団、訴訟進行に混乱と遅延をもたらし大失態!  鹿砦社代表・松岡利康

 
『真実と暴力の隠蔽』

「反差別」運動の旗手と持て囃される李信恵さんによる相次ぐ「鹿砦社はクソ」発言に対し名誉毀損等で訴えた民事訴訟(大阪地裁第13民事部)ついて進展がありましたのでご報告いたします。

すでにこの通信でもご報告していますように、3月16日李信恵被告側代理人・上瀧浩子弁護士による「反訴」の意志表明→4月18日「反訴」提起→5月23日「反訴」取下げ→同日「別訴」提起(本訴との併合審理希望)と、李信恵被告側の動きは目まぐるしく流転しました。

「反訴」は本来本訴の内容と関連がなければ認められません。「反訴」における李信恵被告側の主張は、さすがに本訴との関連性が薄く、取下げはむべなるかなですが、これが鹿砦社側からの指摘によるものなのか裁判所からの指示によるのかは不明です。

いずれにしろ李信恵被告側は「反訴」を取り下げて、あらたに「別訴」を提起し、これを本訴との併合審理を希望したわけです。

鹿砦社が原告になっている本訴との関連が認められれば、併合審理の可能性があったわけでしょうが、その是非が注目されたところ、却下され別の部(第24民事部)で独立した訴訟(李信恵原告、鹿砦社被告)として審理されることになりました。

結局、3月の期日で双方ほとんど主張し終え、早ければ(本人尋問がなければ)次回で結審もあるかも、と思っていたところでの「反訴」の意志表示でしたが、結果として訴訟をいたずらに混乱させ遅延させたばかりでした。李信恵側弁護団の大失態といえるでしょう。「策士、策に溺れる」といったところでしょうか(万が一、この裁判混乱策動が意図的なものであれば、極めて悪質です)。

鹿砦社側代理人も他の知り合いの弁護士も、「こんなことは経験したことがない」ということですが、それほど異例のケースです。

ということで、鹿砦社が李信恵さんを訴えた「本訴」は次回期日(7月18日午後1時15分から。1010法廷)に李信恵被告側最終準備書面提出となります。本人尋問は未定、おそらく事実関係がシンプルなので尋問なしもありえます。

そして、翌7月19日午後1時10分から1007法廷で「別訴」の第1回口頭弁論期日となります。

「別訴」の請求の趣旨は、「反訴」と同じで、
1 金550万円を支払え。
2 リンチ事件関連出版物4点を「頒布販売してはならない」。
3 「デジタル鹿砦社通信」の中の李信恵氏についての「各記述を削除せよ」。
4 訴訟費用は被告(鹿砦社)の負担。第1項(=賠償金)の仮執行宣言。
です。

最新刊の第5弾『真実と暴力の隠蔽』にも追加の請求をしてくることも予想されますが、仮にそうだとしても、私たちは堂々と立ち向かうだけです。

特に、安易に出版物を「頒布販売をしてはならない」という請求には、憲法21条の「表現の自由」「言論・出版の自由」の見地からも徹底抗戦しなくてはなりません。これぐらいのことで「頒布販売」の禁止=出版差止めされたら、戦後ずっと守られてきた自由な表現、自由な言論・出版が蹂躙されることになります。いやしくも出版人としては、このような言論封殺を求める請求は到底許すことはできません。

ところで鹿砦社はこれまで大きな裁判闘争の煉火をくぐり、1億円超の訴訟費用(賠償金含む)を費やしてきました。判例集にも載っているものもあります。

特に警察天下り企業パチスロ大手旧「アルゼ」(現ユニバーサルエンターテインメント)を告発した『アルゼ王国はスキャンダルの総合商社』に対しては、出版差止め仮処分、3億円の賠償請求の巨額民事訴訟(600万円で確定)、刑事告訴がなされました。これに比べれば今回の裁判は屁のようなものですが、全知全能、全身全霊、総力で立ち向かいたいと、肝を引き締めるものです。「裁判は水物」ともいわれ、油断したら負けますから。

ちなみに、「別訴」は李信恵さんが原告になります。対在特会等に対し原告として訴え、毎回の弁論ごとに記者会見をされましたが、この訴訟でも毎回記者会見をされるのでしょうか?

ともあれ、リンチ事件についてM君が李信恵さんら5人を訴えた訴訟の控訴審も一審判決を詳細に分析・批判し長文の控訴理由書を提出し始まります。これと固く連携し、鹿砦社は断固として闘います!

鹿砦社代表・松岡利康
『真実と暴力の隠蔽』 定価800円(税込)

開港阻止闘争から40年目の成田(三里塚)空港〈11〉千葉拘置所 21歳の獄中記

千葉刑務所(千葉拘置所)
 
千葉刑務所(千葉拘置所)

◆明治以来の獄房・千葉刑務所(千葉拘置所)

いまの刑務所はテレビも観られるのだという。ヤクザの取材で知ったことだが、時間と選局は決められているものの、かなり自由に観られるそうだ。時間は所によって違い、18時から21時、19時から21時だという。わたしが入っていた頃の千葉拘置所(千葉刑務所内)は、18時からラジオ放送が始まり、21時に消灯。その後、22時か23時までラジオが聴けたと記憶する。昼は12時から13時だったか、休日(刑務所的には免業日)は終日聴けたと思う。

いま、北海道の旭川刑務所の独房が評判で、まるでワンルームマンションだと言われている。旭川刑務所はLB級、つまりロング(長期刑)で再犯(B分類)の重刑犯の刑務所である。千葉刑務所もLB級で、わたしが入っていた頃は狭山事件の石川一雄さんが居たところだ。建物は明治時代のもので、古色蒼然とした赤レンガ造り。独房の扉はぶ厚い一枚板で、トイレは肥溜め式。唯一の救いは、頑丈なレンガとコンクリートなので、夏の熱さがそれほど感じられなかったことだろうか。冬も寒いとは感じなかった。

いま、東京拘置所は建物全体に冷房があり、個室にもその冷気がくるので夏も快適だという。密閉性が高いので、冬も寒くないという。いずれにしても、堅牢に造られた建物は夏も冬もそこそこに快適だということだろうか。いまはレンガ造りの門だけ保存されている千葉刑務所(千葉拘置所)は、明治時代の建物だった。独房のなかには朝鮮人(おそらく共産主義者)の落書きが記され、戦前の日付が残されていたりした。

◆左翼学生にとって拘置所が革命の学校なら、ヤクザにとって刑務所は大学

 
千葉刑務所(千葉拘置所)

拘禁されているのだから、それが苦痛と思えばキリがないけれども、拘置所のなかで21歳になったわたしはシャバでは意識しなかった向学心で、それなりに充実した「獄中生活」を送ったと思う。時間をかけて資本論を読むのは初めてだった。「相対的価値形態と等価形態は相互に従属し制約し合う二要素であると同時に、相互に排斥する両極であり、換言すれば同一なる価値表象の両極である」という価値形態論のフレーズをいま読んでも、何のことかさっぱり理解できないが、若いわたしは解かったような気になっていた。

小説もよく読んだ。高橋和巳の小説は「こんなの、獄中で読まないほうがいいよ」と差し入れ担当の仲間が言っていた『憂鬱なる党派』もふくめて、ほとんど読破したと思う。やはり『悲の器』と『邪宗門』がダントツにおもしろく、そしてテーマがズーンと重たい。『悲の器』が文化人論・恋愛論・法と国家論を詰め込んだ重厚な問題作なら、『邪宗門』は宗門の悲劇を通じて描いた壮大な現代史であろう。何度も読み返せる小説作品としては、三島由紀夫の『豊饒の海』四部作とともに、わたしはこの二作品を挙げたい。

未決の「舎房雑役」は既決の模範囚が行なうのだが、その中に高橋和巳を読んでいる人がいて、本(領置品)の出し入れのさいに話になった。「高橋和巳はおもしろいよな。ちょっと硬いけどな」と、彼はかなりのインテリで、ドストエフスキーの話もした記憶がある。のちにヤクザの取材をすることで、ヤクザにとって「刑務所は大学」だということだった。担当さん(看守=刑務官)を「先生」と呼ばされ、イヤでも本を読むしかないのだから――――。

 
千葉刑務所(千葉拘置所)

◆獄メシ 麦6割・白米4割の健康食

ネットで検索すると、いまも獄メシは、麦6割・白米4割の健康食らしい。それが美味いかどうかは、お正月に出る白米100パーセントを食べてみればわかる。白米(銀シャリ)はまるで、上質なもち米を味わうかのごとき美味さで、麦飯の不味さを実感させたものだ。カレーとモツ煮込みがわたしには極メシの御馳走で、たまに薄いトンカツが出ると狂喜乱舞であった。このトンカツ定食が夜に出るのは、決まって死刑相当の被告が千葉刑に滞在する時だった。というのも、某党派の長期刑相当の被告は、東京地裁と千葉地裁に被告事件を抱えていたから、たまに千葉刑に移送されてきたのだと思われる。

そしてなぜトンカツなのかといえば、これは新聞でも暴露されたことだが、千葉刑務所は刑務官たちがコッソリと養豚をしていたのだ。もちろん自分たちで餌をやるわけではなく、懲役囚に育てさせていたのである。刑務所はいわば工場であり、キャピックという組織を通じて製品を一般に販売している。懲役囚にわずかな報奨金を与えて、木工工場からは箪笥やテーブル、印刷工場ではチラシや文庫本の印刷、金属工場ではネジや釘といった部品類、そして独房では封筒・紙細工など、シャバでは主婦の内職みたいなものが行なわれている。たまにデパートで刑務所作業販売会という催しが行なわれることがある。販売されているのは木工製品が主流で、それはそれは職人が造ったとしか思えない逸品ばかりが並んでいるものだ。

トンカツも楽しみだったが、自弁でお菓子は買える。獄中にいると不安がつのり、ついつい食べすぎになる。白アンパンが好物なので、毎日一個は食べていたような気がする。甘い物は注文できるのだが、ポテトチップスとかジャンクフードは少なかったように思う。それにしても、1日15分の運動では食べた量を消費できるはずもなく、逮捕された時に50キロほどだったわつぃの体重は、1年間で63キロまで増えていた。これは懲役囚でも同じらしく、みなさんふっくらとしている。(つづく)

▼横山茂彦(よこやましげひこ)
著述業・雑誌編集者。3月横堀要塞戦元被告。主著に『「買ってはいけない」は買ってはいけない』(夏目書房)、『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

7日発売!タブーなき『紙の爆弾』2018年7月号!
横山茂彦『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

『真実と暴力の隠蔽』収録座談会記事に対する木下ちがや氏の「謝罪」声明に反論します! 鹿砦社代表・松岡利康

 
木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより
 
木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより
 
木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより
 
木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより
 
木下ちがや氏(こたつぬこ)のツイッターより

  

5月28日発売のM君リンチ事件本第5弾『真実と暴力の隠蔽』における、木下ちがや氏、清義明氏、私との座談会が、ある界隈では深刻なインパクトを与えているようです。

当の木下ちがや氏は、5月31日にツイッターで、みずからの発言が「事実無根」として「謝罪」の意を表明されましたが、その後しばらく沈黙の期間があったかと思えば、水面下では動いていたようで、李信恵さんに会って謝罪し、6月8日に「私の鹿砦社の書籍における性差別的、レイシズム的発言の経緯について」という〝謝罪文〟といおうか〝自己批判文〟といおうか、対外的な声明を出されました。

これについて、当の座談会に出席した者として、いささか違和感を覚えざるをえません。木下氏から何の声明も出なければ、「安易に謝罪しないように」との記事をこの通信で再度書こうと思っていた矢先でした。こんな声明を出せば、今後、木下氏がどんな立派なことを言おうが信じられなくなります。人間、一度言ったことを安易に引っくり返すことは信用失墜も致し方ないところです。

◆『真実と暴力の隠蔽』出版の趣旨と木下氏の分析

まず『真実と暴力の隠蔽』(以下「同書」と記す)の出版趣旨を今一度確認しておきたいと思います。極めて単純です。「M君リンチ事件」の判決報告と、第一弾書籍から継続している真相究明が目的です。木下氏にもご参加いただいた〈9項「カウンター」周辺のキーマンに松岡が直撃! 明かされる「しばき隊」の内情〉では、実際に木下氏から私も驚く見解が明かされました。それは、今木下氏が「謝罪」されている李信恵さんの人格や言動についてというよりも(李信恵さんの人格や言動については既に嫌というほどの情報がありました)、「コリアNGOセンターよりも、李信恵さんが上の存在である」との鋭い分析でした。

私はインタビューに応じてくださった各氏に「今からでも遅くないからコリアNGOセンターが仲裁に入るべきだ」との趣旨の発言をし同書161、167ページにその発言が収められていますし、これまでもずっと言って来たことです。私の認識を根底から覆したのは、それに次いでの木下氏の発言でした。この視点を私はまったく持っていませんでしたので、驚愕をもって首肯しました。

◆疑義のある木下氏の「謝罪」声明と座談会の経緯

しかし木下氏は自説を撤回されました。まず、タイトルの「性差別的、レイシズム的発言」の意味が分かりません。くだんの記事を再読しましたが、どこが「性差別的」で、どこが「レイシズム的」なのか、ご教示いただきたいものです。

また、この声明文は、本当に木下氏自身が自発的に書かれたものなのか、草稿は木下氏以外の誰かが書いたのではないか、との疑念があります。木下氏のこれまでの文章と、語感や文章の構成がずいぶん異なっていると感じるからです。具体的には後で述べたいと思います。

くだんの座談会は、きわめて和気藹々にフランクに行われました。口角泡を飛ばし互いを罵り合うこともありませんでした。なんなら座談会の音声データをすべて公開しても構いません。

みなさん、今一度くだんの座談会記事をお読みになってください。木下氏は非常に正鵠を射た発言をなされていて、今のままでは決して解決に結びつかないと3人の意見が一致しました。意義深い座談会だったと記憶します。

この座談会は、木下氏の希望もあり清義明氏が労をとられ実現しました。高校生のホームルームや爺さん婆さんの茶飲み話ではあるまいし、私はあくまでもリンチ事件本の取材の一環として認識していました。出版社が「話を聞きたい」という場合、取材に決まっているでしょう。木下氏にしても清氏にしても(さらに凜氏らその他の方々も)、そう認識されているものとばかり思っていました。

少し強引な言い方をすれば、閣僚や政治家のオフレコの言動が記事になり報道され問題になるケースさえありますが、くだんの座談会の発言は、社会的に影響力のある学者の発言として極めて貴重なものと考え同書に掲載しました。いささか強引だったかもしれませんが、木下氏が語られた内容に「事実誤認」はないと信じ、かつリンチ事件にこれまでにない鋭い分析を語られ、これはぜひ多くの人たちに知らせるべきだと思い同書への掲載を決断した次第です。批判は覚悟の上、むしろ公共性、公益性を優先しました。木下さん、この期に及んで弁解は恥ずかしいですよ。あなたが発言したことにはきちんと責任を持ち、堂々と対処しましょうよ。

座談会は東京・神楽坂の喫茶店の会議室、そのあと高級日本料理屋の個室、さらに意気投合し水道橋のラウンジで終電近くまで飲み歓談しました。僭越ながら10万円余りかかり、全額私のほうで支払いました。座談会ひとつに、いつもこんな高額な費用はかけません。唯一、帝国ホテルの高級日本料理屋で行ったシールズ・奥田愛基氏の時(『NO NUKES voice』6号に掲載)ぐらいです。

◆座談会での木下氏の発言内容は事実であり正鵠を射ていて有意義だった!

ネットを中心に相変わらず「デマ」だ「糞記事」だという悪罵が溢れていますが、座談会で述べられていることはすべて事実で的を射ていることばかりです。同書に掲載された凜七星氏のインタビューや、ツイッター上での金展克氏らの発信も同様の内容です。「男に媚を売る」「誰とやった、これとやった」……このような趣旨の逸話は、木下氏ひとりが言っているわけではありませんよ、私たちは多くの人たちから同様の話を聞いています。

ただし「カウンター」-「しばき隊」の内部(あるいは近く)にいる木下氏の発言が(一部の人たちにとっては不都合であろうとも)そのことを証明した格好になりました。木下氏の発言が事実であるだけに、ある種の人々には許し難かったのでしょう。李信恵さん自身、脚下照顧、少しは反省したらどうでしょうか!? 「火のないところに煙は立たない」ともいいます。毎晩毎晩飲み歩き、M君リンチ事件の日もキャバクラなど5軒も梯子して、日本酒にして一升ほど飲み泥酔していましたよね? マスコミに持て囃される「反差別」運動の旗手はもっとみずからを律しないといけません。

また、原稿チェックを依頼しなかったことも批判されていますが、その理由は同書で断っていますように、かつて津田大介氏の求めに応じ原稿チェックを行ってもらったところ、実際の発言とはまったく異なるものになっていた苦い経験から、あえてこれをしなかったわけです。せっかく取材できた情報や事実が消し去られたら意味がありません。凜氏ら他の3名の方々も同様です。さらには、直撃取材や電話取材した方々も、津田氏以外は原稿チェックは求めても求められてもいません。

くだんの座談会での3人の発言、なかんずく木下氏の発言ですが、「カウンター」運動の現状を嘆き前向きなサジェッションに溢れています。このような方々が李信恵さんの周囲に多くいれば、解決に向けた対話も可能になると感じた次第です。それぐらい有意義な座談会だったと思っていたのですが……。

座談会当日の木下ちがや氏(右)と清義明氏(左)(『真実と暴力の隠蔽』P.153より)

◆私たちは無闇やたらに自宅に押しかけたり「誹謗」「中傷」などしていません!

それにしても、木下氏がみずからの発言を「性差別的、レイシズム的」と自己評価されたのには仰天しました。到底信じることができませんし、看過できません。

さらに「謝罪」声明では、「鹿砦社に自宅まで押しかけられた方もおり、家族はおびえ、自分もやられるのではないかとの恐れを抱き、精神的に追い詰められていきました」とあります。鹿砦社特別取材班が自宅に押しかけたのは、有田芳生参議院議員(未遂→その後国会前で直撃)と中沢けい氏(『人権と暴力の深層』に掲載)だけ、フリージャーナリストの寺澤有氏が男組No.2の石野雅之氏(のっち)と、有田議員の宣伝カーで身障者と年頃の娘さんのいる合田夏樹氏宅訪問脅迫の〝犯人〟の疑いが濃かった高野俊一氏(チェブ夫)ぐらいで(『反差別と暴力の正体』掲載)、自宅訪問は、むしろ「しばき隊」が得意とする手法です。ちなみに、高野氏は偶然に沖縄行きの当日で、この後沖縄で逮捕されます。

この4人のうちの誰が「家族はおびえ、自分もやられるのではないかとの恐れを抱き、精神的に追い詰められていきました」というのでしょうか? また、主語がファジーにも感じられますが、木下さんご自身のことを言っておられるのでしょうか? 座談会までに木下氏の自宅住所に書籍を送ったのは第3弾書籍だけだと記憶しますが、木下さんご自身のことを言っておられるのであれば、えらく被害妄想な書き方です。いずれにしても誰のことか明らかにしてください。

また、「鹿砦社の標的になったことで、これまで社会運動に関わる多くの方が誹謗と中傷を受けてきました。鹿砦社の攻撃により、心身に苦しみを抱えてしまった方もいます。社会運動を離れざるを得なくなった方もいます」とまで断言されておられますが、当日、座談会でも、その後の長時間の歓談でも、そのような話は一切出ませんでした。――私たちは、同書の中にリストアップ(P35~38参照)しているような著名人を「標的」にして、リンチ事件をどう考えるのか、隠蔽に関与したのではないか、等々と、主に電話や質問状(郵送)で問うてきました。末端の活動家や無名の人たちを無闇やたらに「攻撃」したことはありません。このリストの中の誰が「心身に苦しみを抱え」「社会運動から離れざるを得なくなった」でしょうか? 誤魔化さずに具体的に名を挙げてご指摘してください。

こうしたことを踏まえると、この「謝罪」声明文は木下氏が書いたものとは思えません。事実に反し、意図的に鹿砦社を悪者にする物言いです。木下氏が書いたすれば、初歩的な調べもなされていないことがすぐに判ります。学者ならちゃんと調べてから公にしないと恥ずかしいですよ。

逆に問います。リンチ被害者のM君に対し、同書巻頭グラビアのような酷い(殺意に満ちた)コラージュ(あまりに凄惨なのでここでアップできません。同書をご覧ください)を作成し回してM君にセカンドリンチを繰り返し苦しめてきたのは李信恵さんとその界隈の人たちではなかったでしょうか?

さらに木下氏は「この憎悪と悪意に満ちた煽動」とも仰っています。「憎悪と悪意に満ちた煽動」とは、まさに同書巻頭グラビアのコラージュや「エル金は友達」祭りなどを言うのであって、私(たち)は「憎悪と悪意に満ちた煽動」などとは無縁で、従前から再三再四申し述べているように李信恵さんらこの周囲の人たちへの私怨や遺恨からこの問題に関わっているわけでもなく、さらには「カウンター」や「しばき隊」といたずらに諍いを起こそうとしているわけでもありません。私(たち)のやっていることの、どこが「憎悪と悪意に満ちた煽動」なのか、明確にご指摘ください。「この憎悪と悪意に満ちた煽動」と書かれた木下氏の責任です。

繰り返しますが、木下氏は当日の座談会や歓談などで、こうしたことは一言も言われませんでしたよね? そんなに深刻な事態になっているのなら、まずはここのところから、木下氏がかつて某氏にツイートした「土下座して謝れ」というように私を詰(なじ)り話に入るべきだったのではないでしょうか? 

◆木下氏の有益な発言と、このかんの「謝罪」の落差――「謝罪」などすべきではなかった!

私は、くだんの座談会での木下氏の発言に大いに学ぶことがありましたし、木下氏に対するイメージがコペルニクス的転回をしました。くだんの座談会以降、第4弾書籍の編集、M君裁判の本人尋問、判決と、慌しかったことで後手になりましたが、あらためて、木下氏に、このリンチ事件の解決の相談をしようかとさえ思っていた次第です。

木下氏が、拙速で事実に反する「謝罪」をされたことで、逆に問題解決が後退したと感じています。李信恵さんは、木下氏の発言で、あたかも多大の「被害」を受けたかのように振る舞っていますが、李信恵さんは「被害者」ではありません。本当の〝被害者〟はM君です。未だに1円の治療費も受け取っていないM君の救済こそ第一義でなければなりません。キャバクラなど5軒の飲み屋を飲み歩き一升ほどの酒で泥酔し、リンチの現場に居てM君の胸倉を掴んでリンチの先端を切り、M君がリンチに晒されている間も悠然とワインを飲んでいて、さらにはリンチで瀕死の状態にあったM君を寒空の下に放置して去ったという李信恵さんに、たとえ一審判決で「共謀」が認定されなかったからといって人間として道義的な責任がないとは言えません。李信恵さんは常に「人権」がどうのこうの仰っていますが、身勝手な「人権」感覚です。

警告しておきましょう。木下さん、あなたはあまりに拙速に「謝罪」したことで、一件落着し「しばき隊」界隈の愚劣な連中からの攻撃を交わせると思われるかもしれませんが、逆にあなたは学者としての、そして人間としての信用を失い、今後、どのように立派な発言をされても、これまでのようには信用されないでしょう。なぜ、安易に「謝罪」したのですか? 知識人として、せっかく前向きな発言をされたのに、「謝罪」などする必要はなかった、いや、「謝罪」などしてはいけなかったのです。たとえ人権と人格を蔑ろにする連中の恫喝があったにしろ、あなたの学者としての、いや人間としての節を曲げてはならなかった。事実と真実に基づく発言の撤回は、学者生命をみずから放棄するに等しい行為です。

おそらく同書出版直後、「しばき隊」-「カウンター」界隈からの激しいバッシングがあったことでしょう。また、共産党〝伝統〟の〝査問〟もあったかもしれません。シールズ全盛期の2015年、当時京都大学で学んでいた韓国人研究者・鄭玹汀(チョン・ヒョンジョン)さんがシールズを批判した論評を発表するや、「しばき隊」界隈からの総攻撃を受けました。恐怖を感じたと鄭さんや周囲の方々は仰っていますが、この時、先頭に立って鄭さんを攻撃していたのが、あろうことか木下氏といわれます。私がシールズ、それと連携し、鹿砦社が当時経済的にも支援していた反原連(首都圏反原発連合)に疑問を持ったのが、この一件でした。おそらく今回木下氏は、鄭さんが感じた以上の恐怖を感じたものと推察されます。加えて、巷間いわれているように共産党に所属するとされる木下氏は、同党から査問を受けた可能性もあります。同党の査問の厳しさは、1970年代初めこれを経験した、同党の学生・青年組織「民青」(民主青年同盟。当時共産党だった有田芳生参議院議員も所属)のトップだった川上徹氏(故人)の、その名もズバリ『査問』という著書に詳しいですが、関心のある方はこちらをお読みください。

◆せっかく有意義な発言をしながら、M君リンチ事件解決への途は大きく後退しました

いずれにしても、これでM君リンチ事件解決への途は大きく後退し、混乱にさらに拍車を駆けることになりました。木下さん、これでいいのですね? 座談会であなたが言ったように「ろくでもないことに」なりますよ。

やや遅きに失した感はありますが、今からでも間に合います。李信恵さんらはリンチの被害者M君へ自発的に出した「謝罪文」さえ反故にしました。追い詰められ(半ば)強要されて書いた「謝罪」は無効です。あなたは、くだんの座談会の発言に立ち返り、これを機に「しばき隊」-「カウンター」界隈から決別し、一個の自立した〈知識人〉へ脱皮すべきでしょう。

いささか長々と書き連ねてきましたが、最後にもう一言述べさせてください。木下さん、あなたは「鹿砦社などへの始末をつけない限りは~」云々とツイートされていますが、これはどういう意味でしょうか?「始末」をつけるべき相手は、鹿砦社ではなく、別の人たちでしょう。くだんの座談会で、あそこまで言っておいて、また元の木阿弥に戻るのは人間の生き方としていかがなものでしょうか。私たち鹿砦社はあなたとリンチ事件解決に向けた〈対話〉をしたかった。くだんの座談会はその第一歩となるはずだったと今でも思っています。

 

新潟県は後退しても原発ゼロは後退しない!『NO NUKES voice』本日発売

 
『NO NUKES voice』16号 総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す A5判 総132ページ(本文128ページ+カラーグラビア4ページ)定価680円(本体630円+税)6月11日発売!

昨晩開票された新潟県知事選は脱原発をめぐる候補者の姿勢があいまいにされたことで残念な結果となったが、昨日に続き本日発売の脱原発雑誌『NO NUKES voice』16号の怒涛の内容を紹介する。

特集は「明治一五〇年と東京五輪が福島を殺す」である(その内容は昨日の本通信でお伝えした)。読者諸氏の目にはやや物騒にうつるかもしれないが、私たちは「当たり障り」のない雑誌を創ろうとは、微塵も考えていない。事実が、真実が悪意に基づくものであれば、それを「悪意」と言うことに躊躇はない。

◆二木啓孝さんが語る三里塚闘争と3・11以後の生き方

真実は幾重もの事実により構築される。今号も多様な方面の方々にご登場いただいた。90年代のオウム真理教事件報道の際、流行語「ああいえば上祐」の発案者とされるジャーナリストの二木啓孝さんに3・11の衝撃と共に「三里塚闘争とメディアの現場」を回顧していただいた。大学入学から、学生運動、わけても三里塚闘争の中で目覚めた二木さんは、メディアの現場に転身し、現在は千葉県の鴨川で農業に従事されている。その二木さんが3・11で受けた衝撃や反原発への見通しを語っている。楽観に陥らない視点は、さすが元・日刊ゲンダイニュース編集部長らしい。

◆尾崎美代子さんの飯舘村報告「避難解除から一年 飯舘村『ハコモノ復興』の現実」

 
尾崎美代子さんの飯舘村報告「避難解除から一年 飯舘村『ハコモノ復興』の現実」より

尾崎美代子さんは、飯舘村に昨年に続き足を運び、詳しいレポートを寄せてくださっている。「避難解除から一年 飯舘村『ハコモノ復興』の現実」である。尾崎さんは普段、大阪市西成区で「集い処はな」の店主で、美味しく安い食事を提供するのにお忙しいが、そのお仕事の間を縫っての飯舘村からの詳細なレポートは、「一割にも満たない帰還率」、「菅野村長の『ハコモノ』の目的」、「放射線管理区域レベルの地域に子どもたちを通わせていいの?」、「放射線セシウムを組み込んだ村の自然循環サイクル」、「高齢者だからと、放射線を吸い込ませ、営農させていいのか?」、「期間困難区域・長沼地区で進む仰天計画 旗振り役は田中俊一前原子力規制委員長?」、「和解案を拒否する東電」。中見出しを列挙しただけでも飯舘村に襲い掛かっている理不尽と謀略が明らかになるが、本文ではさらに詳しい事実や数字が紹介されている。

◆槇田きこりさんが語る88年8月8日八ヶ岳〈いのちの祭り〉から30年の物語

「八八年八ヶ岳〈いのちの祭り〉から三十年 順(まつろ)わぬヤポネシアの民の物語」は『NO NUKES voice』でのこれまでの記事とは少し趣の異なる「楽しい思い出」の記憶と言っても差し支えないだろう。1988年に行われた『NO NUKES ONE LOVE いのちの祭り』を槇田きこりさんが回顧する。

いくつもの詩(うた)が紹介されて、まだ目にすることができた「ヒッピー文化」がエッセンスとなり花開いたイベント。たしか本誌編集長もあの場所にいたはずだ。80年代はどうしようもない時代だったけれども、それでも、こんなイベントに若者が集まっていたと思い返すと、隔世の感がある。

槇田きこりさん「八八年八ヶ岳〈いのちの祭り〉から三〇年 順(まつろ)わぬヤポネシアの民の物語」より

◆大西ゆみさんの「3・11福島を忘れないロンドン集会」報告

英国暮らしが長かった大西ゆみさんには「老朽化で〈原発ゼロ〉に向かう英国―3・11福島を忘れないロンドン集会」を報告していただいた。

大西ゆみさん「老朽化で〈原発ゼロ〉に向かう英国 3・11福島を忘れないロンドン集会」より

◆巨石巡礼写真家・須田郡司さんによる飯舘村・山津見神社周辺「聖地と巨石と放射能」

グラビアを担当していただいた須田郡司さんは「聖地と巨石と放射能 飯舘村・山津見神社周辺を歩く」では被写体に向かう道すがら須田さんが考えたこと、感じたことが述べられる。無言の写真に息を吹きこむ、短文ながら重たい内容である。

須田郡司さん「聖地と巨石と放射能 飯舘村・山津見神社周辺を歩く」より

◆大学生・川村里子さんの報告「中嶌哲演さんと下北半島を一周して」

 
川村里子さん「中嶌哲演さんと下北半島を一周して」より

「中嶌哲演さんと下北半島を一周して」は下北半島に同行した大学生、川村里子さんによるレポートだ。中道雅史さんの案内で原発や再処理工場、新たな原発建設予定地のひしめく下北半島をめぐりながら、川村さんが中嶌さんや中道さんに質問を投げかける。下北半島よりもさらに原発の密集する「若狭」に住む中嶌さんの目に、下北半島の様子はどのように映ったのであろうか。若狭との相違と相似から、原発立地地域への実態が、また浮き彫りになる。

◆山田悦子さんのインタビュー「法哲学を紐解いて見つけたもの『人権思想』と『法』とはなにか」

「法哲学を紐解いて見つけたもの『人権思想』と『法』とはなにか」は、『NO NUKES voice』15号に「『人間の尊厳』としての脱原発」を寄稿していただいた、甲山事件冤罪被害者の山田悦子さんに編集部がお話を伺った。

いっけん原発問題とあまり関係なさそうなテーマのように思われるかもしれないが、山田さんのお話の中には、原発問題に向けた貴重な示唆と指針が示されている。国(司法)と20年以上闘ってこられた経験は、脱原発で私たちが国や大資本と闘う際に、是非参考とさせていただくべきエッセンスに満ちている。

◆山口正紀さんの論考「安倍窮地でも続く〈壊憲〉の危機―『北の脅威』を利用した〈戦争する国〉作りに訣別を」

「安倍窮地でも続く〈壊憲〉の危機―『北の脅威』を利用した〈戦争する国〉作りに訣別を」は元読売新聞記記者でジャーナリスト、山口正紀さんの論考だ。急展開から紆余曲折(外交上双方の牽制)がありながらもどうやら実現しそうな「米朝首脳会談」。しかし、その結果の如何を問わず、日本では〈壊憲〉策動が止まらない。公文書の偽造、虚偽答弁など、すでに内閣がいくつも吹っ飛んでいなければおかしい状況でも、なお胡坐をかき続る安倍政権。その本質的な危険性〈壊憲〉=〈改憲〉の目論見を山口さんは、余すところなく明らかにし、糾合する。脱原発と〈壊憲〉=〈改憲〉策動は切り離すことのできない重大課題だ。

三上治さんは「『セクハラ罪はない』という罪はある」とわかりやすいタイトルだが、シモーヌ・ヴェイユとM・フーコーを援用して状況を撃つ。

山崎久隆さんの報告「株主総会と原発輸出―原子力企業に今求められるものは何か」、温品惇一さんの報告「福島でパンフレット『受けてください甲状腺検査』四千部配りました」、佐藤雅彦さんの「三屠物語―民死主義・世襲縁故主義・公害大量殺戮のこの国の行く末」、そしてお堅い本誌にありながら、毎号読者ならず編集者も楽しませてくれる板坂剛さんの「月刊雑誌『WiLLs』5月号を糺(ただ)す」。心配なのは毎回対象雑誌を変えて頂いているが、その源泉が尽きないか……である。今号も絶好調だ。

その他全国からの活動報告も、さらに充実。より精鋭化し、かつウイングを広げる『NO NUKES voice』16号、自信を持ってお勧めする。

『NO NUKES voice』16号 総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す    6月11日発売! 定価680円(本体630円+税)A5判 総132ページ(本文128ページ+カラーグラビア4ページ) 

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『NO NUKES voice』Vol.16 目次
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総力特集
明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す

[講演]広瀬 隆さん(作家)
明治一五〇年の驕慢と原自連のウソ

[インタビュー]二木啓孝さん(ジャーナリスト)
「反原発は、生き方の問題です」
三里塚とメディアの現場 〈農〉と〈生〉

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとはなにか〈13〉
東京五輪は二一世紀の〈インパール作戦〉である

[報告]田所敏夫(本誌編集部)
原発事故隠しの「東京五輪」に断固反対する

[報告]尾崎美代子さん(「西成青い空カンパ」主宰、「集い処はな」店主)
避難指示解除から一年 
飯舘村「ハコモノ復興」の現実

[報告]槇田きこりさん(ヒッピー、冨士山御師)
八八年八ヶ岳〈いのちの祭り〉から三〇年
順(まつろ)わぬヤポネシアの民の物語

[報告]大西ゆみさん(英会話教師)
老朽化で〈原発ゼロ〉に向かう英国 
3・11福島を忘れないロンドン集会

[報告]須田郡司さん(写真家)
聖地と巨石と放射能 
飯舘村・山津見神社周辺を歩く

[報告]川村里子さん(大学生)
中嶌哲演さんと下北半島を一周して

[インタビュー]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
法哲学を紐解いて見つけたもの
「人権思想」と「法」とはなにか

[報告]山口正紀さん(ジャーナリスト)
安倍窮地でも続く〈壊憲〉の危機
「北の脅威」を利用した〈戦争する国〉作りに訣別を

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
「セクハラ罪はない」という罪はある

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
株主総会と原発輸出
原子力企業に今求められるものは何か

[報告]温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会代表)
福島でパンフレット「受けて安心 甲状腺検査」四千部配りました

[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
三屠物語
民死主義・世襲縁故主義・公害大量殺戮のこの国の行く末

[報告]板坂剛さん(作家・舞踊家)
月刊雑誌『WiLLS』5月号を糺す!

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
東海、大間、大飯、志賀、島根、浜岡、伊方、玄海……
原発は〈市民の力〉で止められる

《首都圏》柳田 真さん(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
 東海第二原発は市民運動で止められる可能性
 首都圏の運動を一回り大きく、強くできるならば……

《青森》中道雅史さん(大間原発反対現地集会実行委員会事務局長)
不当判決に屈しない七月十四日(土)~十五日(日)
「大MAGROCK Vol.11」

《福島》黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)
 モニタリングポスト撤去を許さない! 
私たちの「知る権利」を奪わないで!

《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
 東海第二原発の運転延長を認めるのか?
 核ゴミに囲まれた首都圏に最も近い老朽・被災原発を動かすな

《茨城》けしば誠一さん(杉並区議会議員、反原発自治体議員・市民連盟事務局次長)
 茨城県の自治体議員・市民との連携し東海第二原発再稼働ストップ!
 東海第二原発三〇キロ圏自治体から二〇年延長反対の声をあげよう

《新潟》山田和秋さん(たんぽぽ舎ボランティア)
 再度、新潟県知事選挙を勝ち取る

《北陸電力》藤岡彰弘さん(反原発市民の会・富山)
 もう あきらめよ!北陸電力──赤字経営、活断層問題

《中部電力》鈴木卓馬さん(浜岡原発を考える静岡ネットワーク 代表)
 浜岡原発──六四の脱原発市民運動団体の参加により知事へ「再稼働容認するな」の要求

《中国電力》芦原康江さん(さよなら島根原発ネットワーク事務局)
新規の島根原発三号機は絶対に稼働させてはならない!

《九州電力》工藤逸男さん(戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会)
 九州電力よ、玄海原発の再稼働を直ちに停止せよ!

《関西電力》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
 大飯原発3、4号機の再稼働は許したものの、反原発運動の意義は大きい!

《ABC兵器》水野伸三さん(たんぽぽ舎ボランティア)
三つのレンズで覗いてみたら──A(核兵器)・B(生物兵器)・C(化学兵器)物語

《書評》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
 新藤宗幸著『原子力規制委員会――独立・中立という幻想』(岩波新書)
〈新しい安全神話〉〈原子力規制委〉幻想を事実にもとづいて打破し続ける作業 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

明日発売『NO NUKES voice』16号 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す

 
『NO NUKES voice』16号 総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す A5判 総132ページ(本文128ページ+カラーグラビア4ページ)定価680円(本体630円+税)6月11日発売!

明日11日『NO NUKES voice』第16号が発売になる。特集は「明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す」だ。

50代以上の読者にとって「明治」は必ずしも「歴史」ではなかったのではないだろうか。戦争帰りの祖父や叔父の中に、まだ「明治生まれ」の人々が居たし、明治生まれの女性からは、「大正デモクラシー」を経験した自由さよりも、戦時の厳しい生活を潜り抜けた話を、たくさん聞かされた記憶がある。

今年は「明治一五〇周年」だそうだ。私たちが、辛うじて知っていた「明治生まれ」の人たちは、その青年期に大正デモクラシーを経験していたはずだが、私の限られた経験からは、明治生まれ=「頑迷」、「真面目」、「禁欲的」、「保守的」とのイメージがある。

◆日高六郎さんが亡くなった

そういえば、先日社会学者の日高六郎さんが亡くなった。日高さんには生前一度だけお手紙を差し上げ、お返事を頂いた(まだ私が高校生の頃だった)。その日高さんと後年一時的とはいえ、同じ職場に勤務することになろうとは想像しなかった。

日高さんとお話していると、戦中の著名人と極めて親交が深かったことに驚かされた。破格に博識で、人格も素晴らしい偉人だった。そして日高さんの肩のあたりには「自由の風」が吹いているように感じられた。日高さんは1917年、大正6年のお生れだった。

◆「明治一五〇年の驕慢と原自連のウソ」(広瀬隆さん)

 
『NO NUKES voice』16号より

私たちは明治維新後に成立した「大日本帝国憲法」により、「臣民」となり、「日本国憲法」によって「市民」となった。この2つの憲法が成立する前の日本については、ずいぶん昔のように感じてしまい、「江戸時代」はあたかも「蛮族」が支配していた暗黒時代のように(例えば、サムライは立腹すると、すぐに時代劇のように「斬り捨て御免」で大立ち回りを連日演じているようなイメージ)刷り込みをされている部分がある。

「斬り捨て御免」は事実だが、連日の「大立ち回り」は後々「時代劇」が観客の目を、楽しませるために用意した演出に過ぎず、あんなことは実際には不可能だ(人を斬ると骨により日本刀の刃は欠けるし、まとわりつく、筋肉や血液でドロドロになり、「時代劇」で演じられるような、10人以上も「斬り捨てる」ことはよほどの名刀で、剣の名手でも不可能だと言われている)。

また、事実江戸時代には何度もの飢饉が起こり、農村では子女の身売りが多発したが、同様の悲劇は明治維新以降に何度も起きている。

つまり、私たちは、疑うことなく「明治以前の日本」が文明の遅れた国で、明治以降、日本は飛躍的に「進歩」したと、信じているがそれは本当なのだろうか? 政府をはじめ、各団体が主催して「明治150周年記念」行事が行われるようであるけれども、「明治」(明治維新)とはそれほど、素晴らしい時代だったのか? 今回はこの大テーマを、広瀬隆さんが詳しく解き明かしてくださる。題して「明治150年の驕慢(きょうまん)と原自連のウソ」だ。

史的観点の持ち方、事実を明示して、明治(明治維新)がなんとなく、想起されているものと大いに異なる史実を示したうえで、今日的な原発の問題へ論を落とし込んでゆく。権力や金脈を系図によって炙り出す「広瀬式」分析はロスチャイルドを描いた『赤い盾』などで有名である。本論文の中には、実際の系図は登場しないが、読者は広瀬氏の指摘に、これまで気が付くことのなかった、新たな発見をされるに違いない。

◆「東京五輪は21世紀の〈インパール作戦〉である」(本間龍さん)

 
『NO NUKES voice』16号より

150年前の称揚が盛んであるのであれば、2年後の「災禍」を無視するわけにはゆくまい。毎号広告の問題を玄人の目から眺める本間龍さんは「東京五輪は21世紀の〈インパール作戦〉である」、わたしは「原発事故隠しの『東京五輪』に断固反対する」を掲載した。本間さんと私は原稿を書く段階で、まったく打ち合わせを行っていない。にもかかわらず、本間さんと私の感じる問題点は、極めて近く、その危機意識も同様である。

原発の問題は「運動」として、「思想」として、「文明論」として『NO NUKES voice』は多角的な方向性と、行動により核心に近づくことができうることを、15号までを世に出す中で学んできた。本号の特集「明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す」は、過去から将来へと国家が奏でる欺瞞を、歴史軸を用いて串刺しにした。しかしもちろんそれだけではない。原発に直結する、また、一見直結しないように思われるが、大いに関連のある話題や論文を満載している。その詳細は明日ご紹介しよう。

『NO NUKES voice』16号より

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『NO NUKES voice』Vol.16 目次
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総力特集
明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す

[講演]広瀬 隆さん(作家)
明治一五〇年の驕慢と原自連のウソ

[インタビュー]二木啓孝さん(ジャーナリスト)
「反原発は、生き方の問題です」
三里塚とメディアの現場 〈農〉と〈生〉

[報告]本間 龍さん(著述家)
原発プロパガンダとはなにか〈13〉
東京五輪は二一世紀の〈インパール作戦〉である

[報告]田所敏夫(本誌編集部)
原発事故隠しの「東京五輪」に断固反対する

[報告]尾崎美代子さん(「西成青い空カンパ」主宰、「集い処はな」店主)
避難指示解除から一年 
飯舘村「ハコモノ復興」の現実

[報告]槇田きこりさん(ヒッピー、冨士山御師)
八八年八ヶ岳〈いのちの祭り〉から三〇年
順(まつろ)わぬヤポネシアの民の物語

[報告]大西ゆみさん(英会話教師)
老朽化で〈原発ゼロ〉に向かう英国 
3・11福島を忘れないロンドン集会

[報告]須田郡司さん(写真家)
聖地と巨石と放射能 
飯舘村・山津見神社周辺を歩く

[報告]川村里子さん(大学生)
中嶌哲演さんと下北半島を一周して

[インタビュー]山田悦子さん(甲山事件冤罪被害者)
法哲学を紐解いて見つけたもの
「人権思想」と「法」とはなにか

[報告]山口正紀さん(ジャーナリスト)
安倍窮地でも続く〈壊憲〉の危機
「北の脅威」を利用した〈戦争する国〉作りに訣別を

[報告]三上 治さん(「経産省前テントひろば」スタッフ)
「セクハラ罪はない」という罪はある

[報告]山崎久隆さん(たんぽぽ舎副代表)
株主総会と原発輸出
原子力企業に今求められるものは何か

[報告]温品惇一さん(放射線被ばくを学習する会代表)
福島でパンフレット「受けて安心 甲状腺検査」四千部配りました

[報告]佐藤雅彦さん(翻訳家)
三屠物語
民死主義・世襲縁故主義・公害大量殺戮のこの国の行く末

[報告]板坂剛さん(作家・舞踊家)
月刊雑誌『WiLLS』5月号を糺す!

[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
東海、大間、大飯、志賀、島根、浜岡、伊方、玄海……
原発は〈市民の力〉で止められる

《首都圏》柳田 真さん(たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
 東海第二原発は市民運動で止められる可能性
 首都圏の運動を一回り大きく、強くできるならば……

《青森》中道雅史さん(大間原発反対現地集会実行委員会事務局長)
不当判決に屈しない七月十四日(土)~十五日(日)
「大MAGROCK Vol.11」

《福島》黒田節子さん(原発いらない福島の女たち)
 モニタリングポスト撤去を許さない! 
私たちの「知る権利」を奪わないで!

《規制委》木村雅英さん(再稼働阻止全国ネットワーク)
 東海第二原発の運転延長を認めるのか?
 核ゴミに囲まれた首都圏に最も近い老朽・被災原発を動かすな

《茨城》けしば誠一さん(杉並区議会議員、反原発自治体議員・市民連盟事務局次長)
 茨城県の自治体議員・市民との連携し東海第二原発再稼働ストップ!
 東海第二原発三〇キロ圏自治体から二〇年延長反対の声をあげよう

《新潟》山田和秋さん(たんぽぽ舎ボランティア)
 再度、新潟県知事選挙を勝ち取る

《北陸電力》藤岡彰弘さん(反原発市民の会・富山)
 もう あきらめよ!北陸電力──赤字経営、活断層問題

《中部電力》鈴木卓馬さん(浜岡原発を考える静岡ネットワーク 代表)
 浜岡原発──六四の脱原発市民運動団体の参加により知事へ「再稼働容認するな」の要求

《中国電力》芦原康江さん(さよなら島根原発ネットワーク事務局)
新規の島根原発三号機は絶対に稼働させてはならない!

《九州電力》工藤逸男さん(戦争と原発のない社会をめざす福岡市民の会)
 九州電力よ、玄海原発の再稼働を直ちに停止せよ!

《関西電力》木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
 大飯原発3、4号機の再稼働は許したものの、反原発運動の意義は大きい!

《ABC兵器》水野伸三さん(たんぽぽ舎ボランティア)
三つのレンズで覗いてみたら──A(核兵器)・B(生物兵器)・C(化学兵器)物語

《書評》天野恵一さん(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
 新藤宗幸著『原子力規制委員会――独立・中立という幻想』(岩波新書)
〈新しい安全神話〉〈原子力規制委〉幻想を事実にもとづいて打破し続ける作業 

『NO NUKES voice』16号 総力特集 明治一五〇年と東京五輪が〈福島〉を殺す    6月11日発売! 定価680円(本体630円+税)A5判 総132ページ(本文128ページ+カラーグラビア4ページ) 

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

若さとベテラン入り混じり、王座争うM-ONE興行!

2016年11月23日にデビューしたMASATOと柊斗が6戦目でWPMF日本王座狙うも、スーパーバンタム級の柊斗は計量失格の波乱。医科大学生MASATOがウェルター級で王座獲得。「KNOCK OUTイベント」の主軸のRIKIXジムからベテランの長谷川健がライト級で王座獲得。

◎M-ONE 2018 2nd 6月3日(日)新宿フェイス 16:30~19:26

主導権支配して、どの距離からでも攻めに出たMASATO
MASATOの前蹴りが喜入衆の距離感を狂わす

◆第9試合 第5代WPMF日本ウェルター級王座決定戦 5回戦

1位.MASATO BRAVERY(BRAVERY/25歳/66.35kg)
VS
3位.喜入衆(フォルティス渋谷/39歳/66.68kg)
勝者:MASATO BRAVERY / TKO 3R 1:19
主審:チャンデー・ソー・パランタレー

MASATOの前蹴り中心のけん制が目立つ第1ラウンド、時折ハイキックも繰り出す。喜入はいつもながらのパンチとローキックが力強い。第2ラウンド、続く攻防が激しくなり、組み合うとヒジ振るうMASATOはインパクト強い攻め。喜入は続けてパンチ・ローキック中心の展開。第3ラウンドには、MASATOのヒジがヒットし喜入の額をカット、喜入の決死の猛攻が始まるが、レフェリーが出血具合を見てドクターを要請。ストップ勧告を受入れレフェリーストップとなりました。

MASATOの左ヒジ打ちが喜入衆の顔面にヒット
MASATOが王座獲得、右はウィラサクレックWPMF日本支局長
渡辺優太の左ローキックが柊斗の左太腿を潰しに掛かる

◆第8試合 第8代WPMF日本スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦

2位.渡辺優太(PKムエタイ/28歳/55.34kg)
VS
バンタム級4位柊斗(WSR・F西川口/18歳/56.35kg)
勝者:渡辺優太 / TKO 2R 2:02 / 主審:ソンマーイ・ケーオセーン

柊斗が前日計量で900gオーバー。当日再計量は16:00に行なわれ57.7kg
この試合は、渡辺が勝利した時のみ王座を認定となります。

初回は両者ローキックからミドルキックへ繋ぐけん制で様子見のラウンド。第2ラウンド、渡辺のローキックが決まりだす。蹴り応えあったか、左内腿を蹴ると呆気なくダウンする柊斗。続けて狙い定めた左太腿にローキックを続けると再びダウンした柊斗。そのままレフェリーがノーカウントのストップとなりました

足が麻痺してしまい、ヒザをついてしまう柊斗
渡辺優太が王座獲得、次は他団体チャンピオンと勝負か
2度右ストレートを喰らったDAIJUはダメージ深くレフェリーに支えられる

◆第7試合 第7代WPMF日本ライト級王座決定戦 5回戦

DAIJU(尚武会/36歳/61.23kg)VS 長谷川健(RIKIX/34歳/61.23kg)
勝者:長谷川健 / TKO 2R 1:27 / 主審:北尻俊介

初回、DAIJUのパンチとローキックの手数が長谷川を上回るが、長谷川の右ストレートでスリップ裁定ながらDAIJUが尻餅をつく。これで勢いに乗りかけた感じの長谷川だったが、第1ラウンド終了。次も長谷川がパンチで攻勢を掛け、接近すると膝蹴りも繰り出す。懸命に打って出るDAIJUだが、長谷川の優位の距離となって右ストレートをヒットするとDAIJUは一気に後退。すかさず組み合って更に右ストレートを打ち込むとDAIJUは倒れ込み、ダメージ深くレフェリーが試合をストップしました。

DAIJUの突進を防ぐ長谷川健の右ローキック
長谷川健が王座獲得、セレモニーでチャンピオンベルトを巻かれる

◆第6試合 スーパーバンタム級3回戦

島んちゅ泰(Y’ZD 沖縄/55.05kg)
VS
MITSURU(WSR・F三ノ輪/55.25kg)
勝者:MITSURU / 判定0-3 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:ナルンチョン28-29. ソンマイ28-29. チャンデー28-29

MITSURUの左ミドルキックが島んちゅ泰にヒット

◆第5試合 58.0kg契約3回戦

疋田拓巳(T’s KICKBOXING/57.65kg)VS 酒井洋一(WSR・F西川口/57.55kg)
勝者;酒井洋一 / 判定0-3 / 主審:北尻俊介
副審:ナルンチョン28-30. ノッパデーソン28-29. チャンデー29-30

◆第4試合 スーパーライト級3回戦

嵐士(AKT/63.0kg)VS 池上貴将(WSR・F西川口/63.0kg)
勝者:嵐士 / TKO 3R 0:34 / 主審:ソンマーイ・ケーオセーン

パンチと上下の変化をつけた蹴り合いから池上貴将の左ローキックを返した嵐士の左ハイキックが池上の側頭部にクリーンヒット、バッタリ倒れた池上は担架で運ばれました。

嵐士の左ハイキックが池上貴将にクリーンヒット
この日も輝いていた2名のラウンドガール

◆第3試合 53.0kg契約3回戦

大崎草志(Struggle/52.75kg)VS 福間光佑(WSR・F三ノ輪/52.6kg)
勝者:大崎草志 / TKO 3R 1:45 / 主審:チャンデー・ソー・パランタレー

◆第2試合 57.0kg契約3回戦

JACK(WSR・F三ノ輪/55.95kg)VS 鮫島博人(WSR・F荒川/56.7kg)
勝者:鮫島博人 / 判定0-3 / 主審:ノッパデーソン・チューワタナ
副審:チャンデー26-30. ソンマイ27-30. 北尻26-30

◆第1試合 67.0kg契約3回戦

TAMAJIRO(尚武会/67.0kg)VS 関川翔平(WSR・F三ノ輪/66.4kg)
勝者:関川翔平 / 判定0-3 / 主審:ナルンチョン・ギャットニワット
副審:チャンデー28-30. ソンマイ28-30. 北尻27-30

《取材戦記》

柊斗の計量失格でこの王座決定戦は、グローブハンディと減点1が課せられる条件となっていましたが、「ハンディは付けないことになりました」と審判団より連絡がありました。これは渡辺優太陣営からの「ハンディは不要」という要望だったようですが、これはプロボクシングルールと同様で、タイトルマッチに於いてはハンディは付きません。更に公式計量後での両者の体重差制限があり、「どうせ失格なら思いっきり増量してやろう」という思惑は許されません。また更に、グローブハンディは数年前から廃止されている様子で、失格側にグローブを重くすること自体に異論があるようです。

キックボクシング系での、タイトルマッチに於いても失格者に付けられること多いグローブハンディや減点は、タイトルマッチ制度のあらゆる見直しも必要かと思うこの競技です。

柊斗は2000年4月生まれで、2009年に誕生したM-1ジュニア(後にWPMFジュニア)格闘技で、25kg級から55kg級まで制覇し、2016年11月23日プロデビュー。計量失格と敗北で王座は遠のき、今後も試練は続くでしょうが、幼児期から鍛えられた力を今後見せて欲しい新世代組の選手です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

タブーなき最新刊『紙の爆弾』2018年7月号!
一水会代表 木村三浩=編著『スゴイぞ!プーチン 一日も早く日露平和条約の締結を!』

東住吉事件の冤罪被害者・青木恵子さんの「国賠」にご支援を!

◆無期懲役から再審へ!

1995年7月22日、大阪市東住吉区の青木恵子さんの自宅から火災が発生、風呂に入っていた娘のめぐみさん(当時11歳)が焼死した。捜査が難航するなか、大阪府警は、火事は青木さんと同居男性の保険金目当ての放火と断定、2人を「現住建造物放火」「殺人罪」、そして「保険金詐欺未遂」で逮捕した。青木さんらは一旦は「自白」に追い込まれたものの、その後は一貫して否認したが、2006年無期懲役が確定した。

火事は車からガソリンが漏れて自然発火したことが原因と、一審から無罪を主張していた弁護側は、その後も「最高裁判決には物証も目撃証言もないうえ、科学的に不合理な自供だけを根拠とした冤罪である」と再審を請求していた。2015年10月23日、大阪高裁は再審開始を認めた大阪地裁判決を支持し、検察側の即時抗告を棄却、同時に青木さんらの刑の執行停止を決めた。3日後、和歌山刑務所を出た青木さんは鮮やかな黄色の洋服と髪飾りを身に着けていた。それは亡くなったメグちゃんの一番好きな色だった。
 
◆再審への決め手は「再現実験」

再審への決め手となったのは、弁護団による燃焼再現実験だ。事故当時の状況を忠実に再現し、元被告の「自白」通りに放火を試みた実験で、元被告の車から漏れたガソリンが風呂釜の種火に引火して自然発火する可能性があることが証明された。警察・検察に強要された「自白」通りに行った放火行為が、実は不可能だったと証明されたのである。

弁護団はこの「新証拠」を基に再審を闘い、2016年8月10日、ようやく青木さんらに「無罪判決」が下された。判決は府警の取り調べを非難し、青木さんの自白書などを証拠から排除したうえ、出荷原因も「車のガソリン漏れの可能性が合理的」と指摘した。

しかし警察や検察からは何の謝罪もなかった。青木さんはそのことに憤り「一連の捜査の問題点を浮き彫りにしたい」と国、大阪府に計約1億4500万円の国家賠償を求める訴えを起こし、現在も闘っている。

愛娘を突然失った切ない時期に、あろうことか「娘殺し」の罪を着せられ20年間もの間獄中に囚われた青木さん。何故そんな理不尽なことが起きたのか? それを知るため私は昨年3月9日の第一回口頭弁論から傍聴してきた。


◎[参考動画]女児死亡「自然発火の可能性が現実的」母親に無罪(ANNnewsCH 2016年8月10日)

◆警察・検察のずさんな捜査 「金欲しさの放火事件」はどう作られたのか?

じつは青木さんらの有罪判決を疑問視していた人物がいた。無期懲役が確定した2006年の最高裁決定を巡り、直前まで裁判長だった故・滝井繁男氏(15年78歳で死去)である。滝井氏が「全ての証拠によっても犯罪の証明は不十分」として、一審、二審の有罪判決を破棄すべきとの意見を書き残していたことが、死亡後明らかにされた。そこには滝井氏が、青木さんが日々つけていた家計簿を見て、保険金目的とされた青木さんらの動機に疑問をもったこと、同居男性が取り調べで青木さんの消費癖をしきりに供述したとされたが、そうした形跡も見られなかったことなどが書き残されていた。

とりわけ「マンションの契約手数料の支払いが迫ったため、(青木さんと)関係の悪い娘を殺害し保険金を得ようとした」との捜査側の見立てには「家計や育児の状況とあわない」と強い疑念を表明していた。

私もこれまで青木さんと何度も話をしてきたが、青木さんの驚くほど金に細かい(ケチではなく几帳面という意味で)点には非常に感心している。毎日欠かさずこまめに家計簿をつけていることもだが、先日まで続けていたチラシ配りのバイトでは、バイト料を1円単位で計算していた。

また、めぐみちゃんら子供に対する態度も警察・検察が作り出した「鬼母」のイメージとはまるで違っている。私から見ると過保護すぎるくらい、子どもたちに欲しいものを買い与えていた。自身が小さい頃何でも買って貰えなかったからでもあるが、「母子家庭(同居男性とは内縁関係)なので買って貰えないと思われたくなかった」と青木さんは言う。

警察がこの時期絶対必要だったと推測した金額は、マンション購入時の契約手数料など170万円だが、そもそもこの推測自体が間違っている。通常マンション購入の手続きは審査が通ってから始まり、その時点で初めて契約手数料が必要となってくる。しかし火災事故発生時、青木さんらのマンション購入の審査はまだ通っておらず、170万円を急いで用意する必要はなかった。

また娘を「焼死」で殺害するならば確実にやり遂げなければならないが、当時11歳のめぐみちゃんは自分で逃げることも十分可能で、殺害の確実性はそう完璧ではなかったと言える。風呂のドアが壊れ隙間があったことで外からの呼びかけも聞こえたし、実際「メグ」と弟が呼びかけたと証言している。しかし警察、検察はこの証言も無視した。

更に警察、検察は、青木さんらが消火活動をしなかった主張するが、青木さんが火災から2分後に消防に電話していることは通話記録で証明されているし、火災現場で小さな男の子を抱きしめ「風呂場におんねん(いるねん)」と叫ぶ女性(青木さん)がいたとの住民証言もあった。しかし警察、検察はこれら青木さんらが必死に消火・救済活動したとの証拠・証言をことごとく隠蔽し、2人を「犯人」に仕立てたのだ。
 
冤罪被害者が再審で無罪を勝ち取っても、警官や検察官が謝罪しないことはこれまであまたの冤罪事件で見てきた。もちろん警察、検察に間違いもある。しかし故意に冤罪を作った場合でも謝罪しない。そればかりか処罰もされない。こんなことでは冤罪はいつまでもなくなりはしない。また青木さんの場合は事故だったが、通常の冤罪事件では別に「真犯人」が存在する。冤罪被害者の無罪確定後、「真犯人」逮捕に向け再捜査を開始することは非常に難しいし、そもそも警察、検察は自身のメンツを守るため再捜査することもない。

冤罪が許されない理由の1つに、冤罪被害者と家族たちを長きに渡り苦しめ続けることがあるが、同時に事件が解明されないことで、被害者とその遺族の苦しみが一生続くことも忘れてはならない。冤罪をなくすためには、冤罪を故意に作った警察官、検察官を処罰する法整備などが必要だ。


◎[参考動画]青木恵子さん(東住吉放火殺人冤罪事件)何故冤罪が起こったのか(gomizeromirai2 2017年1月29日公開)

▼ 尾崎美代子(おざき・みよこ)https://twitter.com/hanamama58
「西成青い空カンパ」主宰、「集い処はな」店主。

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M君リンチ事件隠蔽に第一級の資料が明らかに! 金展克(きん・のぶかつ)氏がカウンター運動の理論的支柱=師岡康子(もろおか・やすこ)弁護士のトンデモないメールを大暴露! 鹿砦社特別取材班

 
最新刊『真実と暴力の隠蔽』定価800円(税込)

師岡康子弁護士――ヘイトスピーチ対策法成立に大活躍をしたほか、在日コリアンの権利にかんして多くの働きをしてきた弁護士だ。著書に、カウンターの理論的バイブルとして有名な『ヘイト・スピーチとは何か』(岩波新書)がある。

しかし、師岡弁護士は同時に、刑事事件隠蔽指示、被害者M君を「信用毀損罪」と断じる、ほか、「M君リンチ事件」を知りながら、下記の通り弁護士倫理にとどまらず、人道的に絶対に許すことのできない言説を事件直後に発信していた人物であることが、K3(ハンドルネーム)こと金展克氏の暴露により明らかになった。

ある識者はこのメールを見て「嘔吐感を催す」と表現した。「人間の考えることではない」と感想を述べた人もいる。さらに穏やかでない表現も多く聞かれた。

取材班は数年前から、「師岡メール」についての噂をたびたび耳にしていたが、果たして本当に存在するのか? 存在するとしてそれは、注視するほど重大な内容なのか?とやや穿った見方をしていた。しかし、明かされたメールの内容は仰天に値する。このメールのほかにも金展克氏とやり取りのメールが明かされている。

このメールは、完全なる「リンチ事件隠蔽指示」ではないか。そしてその理由は「ヘイトスピーチ対策法」(名称は言及されていないが)立法化のためだと師岡弁護士は明言している。読者諸氏はここで確認されたい。「ヘイトスピーチ対策法」は「M君リンチ事件隠蔽」を踏み台に成立した法律であることを。

そして、取材班の中にも賛否両論あるが、取材班の過半数は「ヘイトスピーチ対策法」を「言論弾圧法」ととらえている。ヘイトスピーチという名の「差別言辞」に対し、取材班は一致して反対である。しかしながら表現活動としての「差別」を法律で規制しても、「心の中に宿る」差別を解消できるのか? 「差別」は表出する、現象だけか? 心の中に宿る差別を解消するためには、最終的に表出される「差別言辞」を法規制するのが妥当なのか。違うだろう。初等教育から中等教育、さらには社会全体での「差別」を無くすための取り組みが前提ではないのか。

日本政府は明確に「差別的」である。最近ではトランプが気まぐれに「米朝首脳会談」の取りやめや、延期、いや「やっぱりやろう」と発言するたびに、そのすべてを肯定している。まったく主体性がない。そして街頭での差別言辞を「ヘイトスピーチ対策法」が抑え込んでも、国会内や総理大臣のはっきりとはしないが、明らかな差別発言に何の効力もないではないか。つまり法に「理念」がないのだ。その結果何が生じるかと言えば「言論内容を対象とした」弾圧である。

日本は第二次大戦中に米国、英国、ロシア(ソビエト)、イタリア、中国、朝鮮半島、インドなどの各国を見下す様々な「蔑称」を持っていた。それらは不幸なことに私自身が身内から直接聞いたので間違いない。

そして、大いに時代錯誤であるそれらの蔑称の一部は、いまでも表現を変えて国会の中で堂々と使われている。その事実に「ヘイトスピーチ対策法」は、まったく無効である。

そのような無意味な法案成立のためにM君が「どう扱われた」は詳述しない。下記の「師岡メール」をお読みいただければ充分だろう。但し1つだけ補完しておく。

弁護士師岡のこの表現しがたい暗然とした意志は、やがて「しばき隊」構成員に伝えられ、彼らが「隠蔽を正当化」する理論的根拠となったであろうことは間違いない。一例をあげれば、ITOKENこと伊藤健一郎が作成した「説明テンプレ」は、師岡弁護士による手前勝手な〝M君リンチ事件隠蔽のための法律解釈″(リンチの被害者がなんで「信用毀損罪」になるのか?)に即して作成された具体策であったと理解するのが妥当であろう。

人ひとりの〈人権〉を踏みにじって成立する法律とは一体何であろうか? 

師岡弁護士よ、あなたの罪は際限なく深い。あなたが弁護士である事実を私たちは認めたくはない。法に寄らずともあなたは人道上取り返しのつかない重大な罪を犯した〈罪人〉である! あなたにはこの〈説明責任〉がある。

2014年12月22日、師岡康子氏から金展克氏宛に送信されたメールの内容
2014年12月22日、師岡康子氏から金展克氏宛に送信されたメールの内容
2014年12月22日、師岡康子氏から金展克氏宛に送信されたメールの内容

鹿砦社特別取材班

 

 

7日発売!タブーなき『紙の爆弾』2018年7月号!

我慢の限界だ! 鹿砦社は「世に倦む日日」主宰の田中宏和氏と絶縁し、彼の出版物を絶版とする! 鹿砦社編集部

 
『真実と暴力の隠蔽――カウンター大学院生リンチ事件の闇を解剖する!』定価800円(税込)

田中宏和氏と鹿砦社の出会いは、2016年『ヘイトと暴力の連鎖』の取材で、社長松岡以下編集部2名が東京で顔を合わせたのが、初めてだった。ブログ「世に倦む日日」は独自の視点から時事問題、国際情勢、そして「しばき隊」批判を積極的に展開していたので、私たちは彼の意見を聞きたい、と虚心坦懐に初対面に臨んだ。

田中氏は博学であり、読書量もかなりの人物であろうことは数時間のインタビューのなかで松岡以下編集部も感じた。さらに彼がブログで現した数々の論考には、光るものがあり(すべてが鹿砦社の見解と同じではないけれども)、貴重な視点の持ち主であると判断し、鹿砦社から『SEALDsの真実』『しばき隊の真実』、2冊の単行本を出版する運びとなった。

実はこの出版は、初対面の際に松岡ではない編集部の1人が「田中さん、ここまでまとまった論考をお持ちなのに、なぜ出版されないのですか? 社長、鹿砦社から出版したらどうですか?」と出しゃばって、勘違いした発言が「過ち」のもとになっていたことを正直に告白しよう。

田中氏は初対面の時から、やや神経質な人柄であることは、松岡以下編集スタッフも感じていたが、まさか、鹿砦社(鹿砦社の許容範囲は一般の出版社に比べ、かなり広いように思われる)をこき下ろし、ここまで我儘ばかリ主張する人間であるとは想像できなかった。田中氏の我儘は『SEALDsの真実』編集段階から露呈し始める。自分を大御所の「論客」とでも勘違いしたような上から目線で、連日松岡に命令口調、あるいは極めて的はずれな言いがかりを連発するようになった。

『SEALDsの真実』が広告に掲載され、アマゾンのあるカテゴリーで1位になったことがある。その後1位は他の書物に取って代わられるのであるが、1位からの転落を見た田中氏は「これはしばき隊の陰謀に違いない!即座にアマゾンに抗議するなり対策をとるべきだ」と松岡にねじ込んでいた。ちょっと待ってくれ。1位はめでたいが、永遠の1位(それがあれば出版社にこれほどありがたいことはない)などあるはずがない。松岡がメールでその旨を伝えると田中氏は、さぞご不満であったようである。

ついで出版された『しばき隊の真実』は、辛うじて世に出ることができた書物といえよう。

田中氏の尊大な態度はますます増長し『しばき隊の真実』の編集を請け負っていた、業界では「仏の○○」さんと呼ばれるほど、余程のことでも感情を露わにすることない編集者の逆鱗を買うほどまでに至っていた。松岡に対して「もう、あそこまで失礼なことをされたのだから、出版することはないでしょう」と関係を知る周囲の人間は、進言したが義に熱い松岡は「それでもインタビューに応じてくださっている人もいるからね」と連日の田中氏からの罵倒電話、メールにもかかわらず、なんとか『しばき隊の真実』出版に漕ぎつけた。

しかし、田中氏の狼藉はそれでは収まらなかった。ある日、特別取材班が「デジタル鹿砦社通信」に書いた記事が気に入らなかった田中氏は、そのライターに電話で「記事を取り消すように」と傲慢にも要求してきた。記事の内容は「言論の自由は誰にでも保障されなければならない」という趣旨のものであったが、田中氏にはその「誰にでも」に野間易通氏が含まれていたことが、不満だったらしい。あまりにも馬鹿げた言いがかりにライターは当然要求を拒否。するとブチ切れた田中氏は「みんなツイッターの中に居るんだよ!」と大声を上げたので「あなたはネットの中にしかいないから、実際の社会と接点を持てないし、我儘で人と軋轢を起こす。『ツイッターにみんなが居る』などというのはSNS中毒者の発言だ!」とたしなめられるとしばらく言葉がなかったという。

通常たいした出版実績もなく、たて続けに2冊もの単行本を出版してもらえば、過剰になる必要はないが、筆者は出版社に恩義を感じるものであるが、田中氏は逆であった。彼の我儘、偏見、はその後もエスカレートし、あろうことか「リンチ被害者M君」と面会した際に、M君を詰問し(セカンド、もしくはサードリンチと言っても過言ではないかもしれない)年下のM君に飲み代まで押し付けて、言いたい放題M君を罵倒して店を出る、という大人とは言い難い醜態まで及んだ(その店の支払いを負担したのはM君である)。

さらには、現在田中氏は天木直人氏と仲良く、ビデオで対談を始めている。これとて、本人の希望もあり当社がつなぎ、『紙の爆弾』で2回対談を掲載もしたが、「ありがとう」のひと言もない。

ここでは紹介できないが田中氏の常軌を逸した、発信や暴言に鹿砦社だけではなく、編集者も辟易してしまったので、彼については「当たらず触らず」をスタンスとしていた。

ところが6月1日、『真実と暴力の隠蔽』について田中氏は、

 
 

などと、思い上がりと言論弾圧も甚だしい書き込みを行った。まるで「しばき隊」と同じ主張でわが目を疑った。さらに言いたい放題ツイートしている。読者はぜひ「世に倦む日日」をご覧になっていただきたい。

ことここに至り、遅きに失した感があるかもしれないが、鹿砦社はこれ以上田中氏の度が過ぎる独善と、鹿砦社への悪意を放置することはできない。『SEALDsの真実』『しばき隊の真実』の在庫を断裁処分し絶版にすると共に、田中宏和氏との絶縁するほか選択肢はない。版権は放棄するので他社で再刊いただきたい。

丸山真男主義者で、基本的にはマルクス・レーニンも読んでいる田中氏の思想には、今だから指摘するが、明らかな矛盾が多数包含されている。それは皇室への過剰なまでの賛美と、テレビメディアに一喜一憂する軽薄さである。個人の趣味、嗜好と言えばそれまでであるが、あそこまでの皇室賛美と丸山真男の総体の主張を、どう接着するのか。SNSばかりやっているから「しばき隊」同様の心理的な偏りを発症せしめているのではないか。

ここには書けないが田中氏の常軌を逸する、メールや電話については多くの証拠があることを再度明言しておく。著作を出してくれた出版社に、「頭を下げろ」などというつもりは毛頭ない。だが、どうして2冊の著作を出版したら、出版社が著者に「奴隷」のような物言いをされなければならないのだ? 田中氏の常軌を逸する言動を「大人の対応」でこれまであしらってきたけれども、今回の鹿砦社への決定的な攻撃を、われわれは断じて許すことはできない。

鹿砦社は田中氏からの修正も訂正も一切受け入れない。彼も批判する「しばき隊」同様の暴虐を鹿砦社に向けた田中氏に対して、鹿砦社はここに「田中宏和氏との絶縁と『SEALDsの真実』、『しばき隊の真実』を絶版」を揺るぎなく宣言する!

追記:上記紹介した書き込みに止まらず、田中氏は思い上がりも甚だしい、勘違いの発信を続行している。さすがに温厚な「鹿砦社」も、破格に的外れの発信は容認できない。

 

田中氏は持論を正当化するために、M君が「逃走しなかった」ことを問題にしている。被害者虐めもたいがいにすべきだ。そこまで言うのであれば田中氏が同様の状況におかれ、暴力を経験すればよいのではないか。空論は意味がない。

 

これも田中氏の思い込みに過ぎない。M君は所属する大学に「身辺に迫る危機」を報告し、大学当局もしかるべき対応をとっている。実態を知りもしないことを偏見で解釈することは控えるべきだ。

 

当事者でもない、傍観者の田中氏が不遜にも口を挟む筋合いはない。田中氏の決めつけによる判断の危うさと、被害者に対する結果的な攻撃はここでも明確に示されている。

以上は6月4日田中氏がツイッターで発信したものであるが、そのいずれも大いに的外れであり、被害者M君を傷つける、思い込みと勘違いであることを指摘しておく。

鹿砦社編集部

 

 

7日発売!タブーなき『紙の爆弾』2018年7月号!

木下ちがや氏への暴言、糾弾、査問、謝罪強要を即刻やめろ!  鹿砦社代表・松岡利康

 
『真実と暴力の隠蔽――カウンター大学院生リンチ事件の闇を解剖する!』定価800円(税込)

このたび出版した『真実と暴力の隠蔽――カウンター大学院生リンチ事件の闇を解剖する!』が大きな波紋を各方面に及ぼしているようです。

本書には多くの〈爆弾〉を装填しましたが、なぜか第9項の木下ちがや氏、清義明氏と私の座談会が「しばき隊」-「カウンター」界隈で問題にされ、当の木下ちがや氏に対して集中的に暴言、糾弾、査問がなされています。ネット上では一部しか表面化していませんが、水面下では凄まじい攻撃がなされているものと推察されます。研究者肌の木下氏は追い詰められ「謝罪」の意をツイートされました。木下氏が自発的に「事実無根」を認め「謝罪」されたというよりも、「謝罪」を強要されたと言っても過言ではありません。強要された「謝罪」は法的にも無効ですし、強要した者は時に「強要罪」に問われます。

一方の清義明氏にも、凄まじい攻撃がなされているようですが、好戦的な清氏は意気軒昂に迎え撃っています。

この座談会を主催し、本誌に掲載した責任者は私松岡ですから、木下氏のような心やさしい研究者を集団で追い詰めるのではなく、不満のある人は私を攻撃してくればいいのではないでしょうか。「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」(カウンターの有力メンバーの元鹿砦社社員・藤井正美のツイッターでの表現)にも、それなりの意地と覚悟がありますよ! それ相当の〝対応″をさせていただきます。

 

◆木下ちがや氏の心意気に感謝します

この騒動で批判されている座談会に快く応じられた木下ちがや氏の心意気に、あらためて心から感謝いたします。従前は意見交換が難しいと思われていた方です。読者はお気づきでしょうが、氏の意見には首肯させられることばかりでした。異なる立場から取材・出版していた私には非常に参考になりました。木下氏は「しばき隊」-「カウンター」の内部、あるいはすぐ傍から見て来られたわけですから、私たち〝外野席″から見てきたのとは異なり、圧倒的な説得力があります。これまで寄せられてきた多くの情報の真偽が判りました。木下氏を攻撃する者は、「デマ」だ「ゴミ」だとしか語彙がないようですが、きちんと論を立てて批判していただきたいものです。

座談会は会議室においてアルコールなし、シラフでコーヒーを飲みながら行われました。決して酒が入っていたわけではありません(終了後はアルコールも入り食事し歓談しましたが)。きわめて真面目な議論を交わし有意義なものでした。

お会いする前、木下氏は「しばき隊No.3」といわれ、コワモテな方かと想像していましたが、「しばき隊No.3」を否定され、研究者肌の穏やかな印象の方でした。共産党直結の方との噂もありましたが、かつて「反党分子」と言われた構造改革派系の『現代の理論』にも出入りし寄稿されていて、思想的にも柔軟な方のようでした。私たち(鹿砦社)の素性を知った上での座談会承諾だけでも評価に値するものです。普通なら自分の意見と合わない出版社の座談会などには参加しないでしょう。これまで多くの関係者に取材を試みましたが、現役の「しばき隊」-「カウンター」関係者は、誰一人まともに取材に応じていただけませんでした。その姿勢と木下氏の態度には大きな違いがあります。もし木下氏が巷間いわれているように共産党に所属されているのなら、こうした方こそ同党の未来にとって貴重な人材であろうと思います。

◆木下氏への攻撃は「しばき隊」-「カウンター」に言論の自由がないことをみずから暴露した!

その木下氏が、この座談会のほんの一部の発言で、「ゴミ」だ「クズ」だなどと罵られています。全く遺憾なことです。この〝一部″についても、李信恵自らが吹聴したり多くの人たちが語っている〝公然の秘密″であり〝公知の事実″といえます。あるジャーナリストは、複数の人間の前で李信恵との〝関係″を公言したとの証言もあります。実は李信恵については、(私人ではなく)準公人との認識から、もっと全体的な人間像に迫るべく、家庭内暴力など、もっとディープな証言もあり目下裏取り取材中ですが、早晩明らかにする用意があります。これまでの取材でもかなりの資料や証言などがあり、『李信恵と「反差別」運動の光と影(仮)』といったタイトルで一冊の本にまとめることも検討しています。

ともあれ、木下氏への暴言や糾弾、査問を即刻やめていただきたい。この現象こそが「しばき隊」とか「カウンター」とかいわれる界隈に、言論の自由や表現の自由、批判の自由などないことを、みずから暴露しています。

たしかに気に入らない箇所はあるでしょう。だからといって、あたかも世界が引っくり返るかのように大騒ぎするのはいかがなものでしょうか。さらには鹿砦社の雑誌に登場したこと自体を非難する人もいます。むしろ敵の土俵に乗り込んで自分の意見を述べられた木下氏の男気を私は賞賛したいと思います。

この座談会の、どこがどう「デマ」なのか。批判するのであれば、具体的に事実を摘示して真っ向から批判していただきたい。ちなみに木下氏と同様の趣旨の発言は、同じ項で凜七星氏も語っておられますが、凜氏への集中攻撃は見当たりません。おかしくないですか?

◆よみがえる70年代の忌まわしき記憶

木下氏への暴言、糾弾、査問、M君リンチ事件の様を見ていると、私が若かった1970年代の忌まわしい記憶がよみがえってきます。新左翼における内ゲバ、共産党の査問、部落解放同盟の糾弾闘争……これらが、70年をメルクマールに盛り上がった社会運動が衰退し崩壊する大きな要因になったことは今更言うまでもありません。共通するのは暴力が伴っていたことです。

今、「野党共闘」など喧伝されていますが、かつては「社共共闘」で東京、大阪、京都で革新系知事を輩出しました。当時の革新、左派勢力の勢いは今と比べると雲泥の差があります。これを衰退させた一因に、内ゲバ、査問、糾弾闘争があったことは、私ごときが言うまでもありません。

◆木下氏に「謝罪」の必要なし!

木下氏は「謝罪」などする必要は一切ありません。へたに「謝罪」などすると、後々それを古証文として持ち出され脅されかねませんよ。堂々としていたらいいじゃないですか。また、木下氏を非難する者たちよ、いい加減にしろ! 木下氏への恫喝、〝口封じ″〝隠蔽″策動をやめよ! 

そして木下さん、これを機に、ちょっと自分の意見を発言したら激しく非難されたり糾弾されるような運動からフェイドアウトされたらどうですか? あなたは研究者として勝れたものを持っておられますので、この際、そんな運動から離れ、地道な研究者の途を選ばれたほうがいいのではないでしょうか。

◆「言論には言論で」反論せよ!

ところで、M君リンチ事件についての本は、本書『真実と暴力の隠蔽』で5冊目となります。これに対して、「しばき隊」-「カウンター」界隈の人たちは、「ゴミ本」とか「糞記事」という語彙しかないのか、罵倒に終始しています。まともな批判を見たことがありません。私たちは常々言っているように、「自分たちに間違いはないか?」「この判断で妥当か?」と絶えず自問しています。間違いがあれば訂正・修正するにやぶさかではありません。これもいつも言っていることです。「言論には言論で」と言うではありませんか。これが原則です。私たちの主張に不満があれば、1冊の反論本ぐらい出したらどうですか? あなた方には国会議員、一流の研究者やジャーナリスト、弁護士など多く揃っているわけだから、簡単ではないですか? ほかならぬ李信恵自身、「やよりジャーナリスト賞」を獲るぐらいの立派な「フリーライター」なわけですから――。