鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

尾﨑美代子

お願いがあります。鹿砦社の反原発誌『季節』の定期購読をお願い致します!

『季節』2026年夏号が発売となり、執筆者や関係者様に届いていることと思います。さて、私はこの『季節』の編集委員をさせて戴いております。『季節』が発刊以来ずっと赤字であることは、鹿砦社代表の松岡氏がなんども訴えています。

「何故、赤字続きなのか?」と私なりに考えてみました。もちろん内容の問題もあるかもしれません。本書は発行が3ケ月に一度ですが、毎号編集会議では、なるべくその期間内でタイムリーな内容、あるいは小さな事件だはどうしても見逃せない問題、全体的には原発問題に関して多面的な内容を提供したいと考え、意見を出し合い、制限された紙面の中で、それをどう伝えていくかと必死で討議しています。

そんななか、赤字の原因として、私が考えることが1点あります。それは「定期購読者」の不足、逆にいえば「献本数」が非常に多いのではないかということです。それはひとえに鹿砦社代表の松岡氏と、『季節』編集長の小島氏の「人の良さ」(決して褒めてない)ではないかと、編集委員の一人として考えています。というのも、執筆者には当然「献本」させていただきますが、松岡氏にお聞きしたところ、それだけではなく、過去の執筆者、あるいは別件で知り合った方々の多くにも献本させて頂いているとのことでした。さらに松岡氏が言うには「とくに福島の人にはずっと読んで欲しいと思ってね」とのこと。その気持ちは私も同じです。しかし、そうした献本が増えたまま、一方で定期購読あるいは購入部数が増えないことには、赤字は一向に解消できず、そのうち『季節』は廃刊になるかもしれません。

じつは私は編集委員としての報酬は十分には頂いておりません。「それはあんたの勝手だろう」とお叱りを受けるかもしれませんが、でも少しだけその訳を聞いてください。私は、『季節』発行まで、取材、リライト、構成、編集、校正などの作業をこなしてますが、受け取るのは最低限の取材にかかる交通費のみで、ほかの報酬は辞退しております。時には本来の仕事を休んで取材に行くこともあります。もちろん鹿砦社・松岡氏、『季節』編集長小島氏は「報酬を受け取って」といいますが、私が得た報酬分がさらに赤字を増やすことになるから、それは私にはできません。私はなによりこの『季節』の発行を継続させたいのです。毎回『季節』を編集する際、「ああ。この本を一人でも多くの人に読んで欲しい。日本から原発を一刻も早くとめないと大変なことになる。だから、どんな活動でもいい、反(脱)原発の闘いに関わる人たちにとって、この『季節』をそのきっかけ、一助にして欲しい」とそう願って頑張っております。また、次の号の編集会議では、「今、何を人々に伝えていくべきか」と、編集委員で喧々諤々の討議を何度も重ねております。

どうぞ、一人でも多くの皆様にお伝えしたい。『季節』は次号より定価が880円となります。それでも発行は3ケ月に一度です。ひと月に換算したら、月300円です。どうぞ、月300円を『季節』購入費に充ててください。 赤字が解消されましたら、私はもちろん報酬を頂きます。そしてもっともっと多くの方々に読んでいただける紙面作りのために使っていきます。将来、日本の原発が全て止まる日が来た際には、「ああ、この日のために、『季節』にはずいぶん世話になったな」と思われたい。それが私の命を掛けた夢。 

この件について、松岡氏にはかなり前から進言させて頂いております。今回聞いたところ、これまでの献本していた方の何人かは献本を取りやめたとのこと。これまで献本が届いていたが止まってしまった方、どうぞこの投稿を読まれまして、新たに購入をお願いしたく存じます。

最後のお願いになります。どうぞ、みなさま、『季節』の定期購読にご協力を宜しくお願いいたします。

尾﨑美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者X(はなままさん)https://x.com/hanamama58

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊

2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰)

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)
《報告》関電株主代表訴訟の闘い
 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

浅野健一氏と『世界日報』 ―― 統一教会機関紙への登場を検証する

黒薮哲哉

同志社大学の元教授・浅野健一氏が、顔写真入りで『世界日報』(1984年11月21日付)にコメントを提供していたことが分かった。『世界日報』は統一教会の機関紙である。

ジャーナリストが自分の記事やルポを発表する媒体に制限はない。媒体の編集方針に迎合して自らの主張を曲げない限り、記事の内容そのものがおかしい場合を除いて、原則として問題はない。しかし、浅野氏の場合には二つの考察点がある。

『世界日報』に掲載された浅野氏のコメントは、日本の刑事裁判に対する批判と犯罪報道の在り方に関するものである。この点に踏み込む前に、『世界日報』が浅野氏にコメントを求めるに至った事件を紹介しておこう。

昭和55年9月、朝日新聞と毎日新聞は、同志社大学の教授が15歳の少女を催眠にかけていたずらをしたとする趣旨の記事を掲載した。教授は無実を訴える遺書を残して自殺した。その後、教授の遺族が名誉毀損を理由に朝日新聞社と毎日新聞社を提訴したが、事件は和解によって解決した。

浅野元教授は、刑事裁判について、「もし、その人が百パーセント確実に犯罪者だとしても、その人を裁くのは国家権力であり、国家権力は法律を厳守して行う」(略)、「警官や検察官、裁判官でもその判断が間違うことがある」と述べ、それを前提に、「何の専門的訓練も受けていない新聞記者が」彼らに代わって判断を下してはいけないと述べている。

このような見解を踏まえた上で、浅野氏は次のように結論付けている。

「こうした悲劇を防ぐには、新聞は通常犯罪事件の調査報道をやめるよう提言したい。」

「通常犯罪事件」が具体的に何を意味しているのかはよく分からないが、霊感商法や壺、判子などの悪徳商法もその範疇に含まれないのだろうか。前出のセクハラ事件も、含まれる可能性もある。コメントを通じて、事件を報じた朝日・毎日を批判しているからだ。

また、「警官や検察官、裁判官でもその判断が間違うことがある」と述べていながら、浅野氏はこれまで数多くの訴訟を提起してきた。刑事告発も頻繁に行っている。ある同志社大学の関係者は、同志社大学在職中に複数の訴訟を起こしていたと話している。そのために多くの人が恐れているとも語っている。(つづく)

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月11日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

韓国HEROは日本に定着するか? 令和の全日本キックボクシング協会の行方!

堀田春樹

デビューから2年、エース格候補の広翔はテクニックで優って判定勝利。
デビューから1年のKAI・AKGもテクニックで優ってフルマークの判定勝利。
HERO JAPANはスーパーライト級で野竹生太郎、KATSUYA Norasing Family、スーパーフライ級で横尾空、福僚太が王座決定戦へ駒を進める。

◎SAMURAI WARRIORS 6th / 6月7日(日)後楽園ホール17:30~21:03
主催・認定:全日本キックボクシング協会 / 協力:全日本キック韓国支部、HERO

前日計量は6日16時より稲城ジムに於いて行われ、1名を除いてパス。中止に至るカードは無し。戦績はパンフレットと過去データを参照にこの日の結果を加えています。

◆第11試合 スーパーバンタム級3回戦

全日本バンタム級1位.広翔(稲城/神奈川県出身20歳/ 55.1kg)9戦6勝(1KO)3敗
        VS
温壮訓(オン・ジャンフン/韓国出身25歳/ 55.15kg)7戦2勝4敗1分
勝者:広翔 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:伊東マサル30-28. 竜矢30-28. 勝本30-28

広翔は初のメインイベンター。初陣興行でデビュー戦ながらメインイベンターと言われたが、実質は新人戦の最終試合である。

広翔は3月7日に韓国でHEROタイトルに挑戦。初の5回戦でラストラウンドの逆転ノックアウト負けを喫したが、5回戦の経験を活かし、今回は序盤で様子を見る展開が見られた。

アグレッシブに出るのは温壮訓だが雑な攻め。ハイキックや前蹴りで要所要所で突き返す技は広翔が優って判定勝利。

温壮訓の前進を前蹴りでストッピングする広翔
これも広翔の前蹴り。三日月蹴りか、狙いも鋭く攻め立てる

◆第10試合 フェザー級3回戦

全日本フェザー級7位.KAI・AKG(A-BLAZE-KICK/静岡県出身26歳/ 57.0kg)
7戦6勝(1KO)1敗
        VS
孫旼燦(=ソン・ミンチャン/韓国出身15歳/ 57.0kg)2戦1勝1敗
勝者:KAI・AKG / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:伊東マサル30-27. 竜矢30-27. 少白竜30-27

3月21日に金兑耿にTKO勝利したKAI・AKGと、山田旬に初回KO勝利した孫旼燦がプロ2戦目に挑んだ。

蹴り技、間合いの取り方と隙を突くタイミングなど、全てKAIが優った。孫旼燦はパンチと蹴りで懸命に突破口を開こうと出るもKAIに阻まれた。防御し切れないと目を瞑ったり俯いてしまうなど、ディフェンス面が雑。第2ラウンド以降、苦し紛れのバックハンドブローを放つ孫旼燦だが、KAIはまともに貰うことなく返しの技で優った。

試合後、KAI・AKGは「相手の動きは見えていたんですけど、見過ぎてしまいました。KOは狙っていたんですけど、見過ぎて攻めがあまり出なくて。KOしたかったです!」と語った。

KAI・AKGの左ミドルキックヒット、孫旼燦の背中が波打つ
KAI・AKGの左ハイキックが孫旼燦の頭部を掠める

◆第9試合 HERO JAPAN スーパーライト級準決勝3回戦

全日本ライト級7位.野竹生太郎(ウルブズスクワッド/石川県出身 63.45kg)
6戦5勝(2KO)1敗
        VS
清宮拓(GOD SIDE/神奈川県出身39歳/ 63.3kg)12戦3勝8敗1分
勝者:野竹生太郎 / TKO 1ラウンド 0:42秒
主審:勝本剛司

様子見も間もなく、野竹生太郎の蹴りの勢いで清宮拓をロープ際に追い込み、左ハイキックでノックダウンを奪うと、一気に右ストレートで倒し切る圧倒のTKO勝利。

試合後、野竹は倒した流れについて「最初のフックで吹っ飛ぶ感触あって左ハイキック蹴ったら相手がダウンしたので、フェイント続けて右ストレートで倒せて狙いどおりでした!」と語った。

画像はロープが掛かってしまったが、野竹生太郎がノックダウンを奪った左ハイキック
ノックダウンを奪った後の動き。この後も野竹生太郎が右ストレートで仕留めた

◆第8試合 HERO JAPAN スーパーライト級準決勝3回戦

KATSUYA Norasing Family(Norasing Family/神奈川県出身21歳/ 63.4kg)
8戦6勝(2KO)2敗
        VS
全日本ライト級4位.鄭相鉉(=チョン・サンヒョン/韓国出身28歳/ 63.0kg)18戦14勝4敗
勝者:KATSUYA Norasing Family / 判定3-0
主審:竜矢
副審:椎名30-28. 伊東マサル29-27. 少白竜30-29

蹴り合いから距離を詰めてパンチを打ち込むKATSUYA。鄭相鉉はディフェンスが雑だが、パンチや蹴りの突進でKATSUYAを下がらせるもKATSUYAはやや圧されても的確なパンチや蹴りで優って判定勝利した。

KATSUYAが圧されながらも蹴りの的確差で勝利を掴む

◆第7試合 HERO JAPAN スーパーフライ級(リミット52.0kg)準決勝3回戦

全日本スーパーフライ級8位.横尾空(稲城/神奈川県出身18歳/ 52.05→52.0kg)
7戦6勝1敗
        VS
内山朋紀(TEAM ONE STEP/茨城県出身29歳/ 51.85kg)9戦3勝(1KO)6敗
勝者:横尾空 / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名29-28. 伊東マサル30-27. 少白竜29-28

両者、ローキックで様子見の中、横尾空の前蹴りで内山朋紀を後方へ吹っ飛ばすと内山は出難くなったか、横尾の距離で蹴りがヒットする流れになった。初回に前蹴りは計三度ヒットして内山を転ばせた。

第2ラウンドも横尾の攻勢は変わらずも、内山も横尾の出方が読めて来たか、蹴って出る流れが増えて来た。

ラストラウンドも横尾の蹴りのタイミング上手さが目立つも、内山も逆転を狙う積極性が増して蹴りやパンチで攻めて出る。やや圧された横尾で第3ラウンドは分かれる採点となったが、的確差では圧倒した横尾が判定勝利。

横尾空の前蹴りが何度も内山朋紀にヒット、初回は三度吹っ飛ばす

◆第6試合 HERO JAPAN スーパーフライ級(リミット52.0kg)準決勝3回戦

全日本スーパーフライ級9位HIROKI(Ts AKIRACOMBAT TEAM/神奈川県出身17歳/ 51.6kg)13戦7勝(2KO)6敗
VS
福僚太(龍成會/東京都出身22歳/ 52.15→51.9kg)9戦6勝(1KO)2敗1分
勝者:福僚太 / KO1ラウンド 1分01秒
主審:竜矢

開始早々から福僚太のパンチで攻勢を掛け、右ストレートでノックダウンを奪い、立て続けに右フックでノックダウンを奪い3ノックダウンを奪ってノックアウト勝利した。
HIROKIは担架で運ばれるほどのダメージが深かった。

福僚太がパンチで攻勢を掛け、HIROKIを右ストレートで仕留めた

◆第5試合 78.0kg契約3回戦

菊池圭治(GOD SIDE/神奈川県出身44歳/ 77.95kg)14戦10勝(1KO)3敗1分
        VS
小勝広稀(仲/ 77.6kg)2戦2敗
勝者:菊池圭治 / KO 2ラウンド 2分18秒
主審:少白竜

パンチと蹴りの様子見から距離を詰めていく中、第2ラウンドに菊池圭治のパンチ連打で小勝広稀を倒し、テンカウントまで数えられ菊池圭治のノックアウト勝利。

◆第4試合 61.0kg契約3回戦

生野逸晟(ウィラサクレック三ノ輪/大分県出身25歳/ 60.5kg)10戦2勝3敗5分
        VS
權正晧(クォン・ジョンホ/韓国出身30歳/ 60.55kg)2戦1勝1分
引分け 0-1
主審:椎名利一
副審:伊藤マサル28-28. 少白竜29-29. 勝本28-29

アグレッシブに出る權正晧はパンチを振り回し、飛びヒザ蹴りも繰り出す。生野逸晟は被弾しながらも徐々に權正晧の動きを見極めパンチ蹴りと巻き返し一進一退を続け、權正晧はスタミナ切れしていく中、苦し紛れのバックハンドブローはヒットせず、ラストラウンド終盤は生野逸晟が攻勢を掛けるが、両者の決定打は無いまま引分けに終わった。

◆第3試合 67.0kg契約3回戦

NAOKI(ウィラサクレック三ノ輪/埼玉県出身34歳/ 66.65kg)5戦2勝3敗
        VS
堀江竣太(チーム彩/東京都出身31歳/ 66.65kg)1戦1敗
勝者:NAOKI / 判定3-0
主審:竜矢
副審:伊東マサル30-26. 少白竜30-26. 椎名30-26

ラストラウンドにカウンター気味の左フックでノックダウンを奪ったNAOKI、4戦の経験値が活きた判定勝利。

◆第2試合 バンタム級3回戦

二宮渉(アウルスポーツ/千葉県出身18歳/ 53.2kg)3戦2勝1敗
        VS
YUSEI Norasing Family(Norasing Family/神奈川県出身19歳/ 53.25kg)1戦1敗
勝者:二宮渉 / 判定2-1
主審:勝本剛司
副審:伊東マサル28-29. 少白竜29-28. 竜矢30-28

採点が分かれるラウンドもあった接戦ながら、要所要所で的確差があった二宮渉がラストラウンドを抑えてスプリット判定勝利。

◆第1試合 フェザー級3回戦

山崎準平(FIELD RING/高知県出身26歳/ 59.0kg/+1.85kg計量失格)2戦2敗
        VS
小原沢友樹(亀田同志会/栃木県出身29歳/ 56.6kg)1戦1勝
勝者:小原沢友樹 / 判定0-3
主審:椎名利一
副審:伊東マサル25-28. 竜矢26-27. 勝本26-30(山崎に減点2含む)

山崎準平は前日計量時はフラフラで測定後、栗芝氏に促がされて横になり水分を補給。次第に顔色は良くなり回復に向かった模様。試合は山崎がアグレッシブに攻めていて、体調の回復が順調だった様子。小原沢友樹が下がる展開も第2ラウンドに小原沢がノックダウンを奪い、山崎に計量失格減点もあって大差は付いたが、内容的には技量が拮抗した展開だった。

《取材戦記》

HERO JAPANスーパーフライ級王座決定戦は10月11日に横尾空vs福僚太、スーパーライト級王座決定戦は12月27日に野竹生太郎vs KATSUYAが行われる予定です。勝者は来年3月に韓国の釜山で韓国HEROのチャンピオンと統一戦を行なう模様です。

それにしてもこのトーナメント戦の試合間隔が長い。合間を縫って調整試合を挟むことは可能でも、HEROタイトルのインパクトが薄れてしまう恐れはあるでしょう。

全日本キックボクシング協会はアジア路線の方向性の中、韓国HEROとの交流が始まり、この先も当初の予定どおりの中国、香港、タイを加えたアジアトーナメント。WPMTA傘下で世界進出へ進んでいくでしょう。その価値をどこまで世間に広め、電波に乗せ、集客に繋げられるかが今後の課題です。

前日計量では今回も選手に𠮟咤激励を行なった栗芝貴代表でした。

35年程前に日本プロスポーツ大賞表彰式でキックボクシング新人賞に選ばれた栗芝貴氏。当時の大賞は横綱千代の富士。キックボクシング競技は、1973年(昭和48年)の第6回プロスポーツ大賞を受賞したのは沢村忠でした。現在は脱退に陥りましたが、再びの加盟を目指し、他のスポーツと肩を並べてこの表彰舞台に再び立てることを目指し、選手らに促がしました。元々は日本キックボクシング協会、野口修会長が加盟し、長期に渡って存続を守り、新日本キックボクシング協会に移行して来た経緯があります。再加盟には諸々の課題が大きいようですが成り行きを見守りたいものです。

師弟コンビ、メインイベントを飾った広翔を称える栗芝貴代表

今回、会場に姿を見せた精悍な顔つきの全日本スーパーフェザー級チャンピオン、瀬川琉はトレーニングが充実しているようで、7月に他団体のMMAのムエタイルール試合に出場予定という。「まだまだ引退しませんよ!」としっかりエース格の存在感を見せました。

かつて小野寺力や石井宏樹に王座挑戦したマサル(=伊東マサル)が審判としてデビュー。今回はジャッジのみでしたが、懐かしい顔がリングサイドに並びました。

次回の全日本キックボクシング協会 SAMURAI WARRIORS 7thは10月11日(日)に後楽園ホールに於いて行われます。瀬川琉、広翔、野竹兄弟の出場が期待されます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

三一書房と浅野健一氏の提訴、言論人が公権力に依拠するとき

黒薮哲哉

ジャーナリストの浅野健一氏が三一書房と一体となって、『石ころの慟哭』の著者と版元のあけび書房を相手に出版差止め(販売の禁止)を求めている問題は、解決の兆しが見られない。4月16日に浅野氏が裁判所に仮処分を申し立て、さらにその後、本訴を提起した。しかし、現時点では申立書も訴状もあけび書房には届いていない。

この事件の最大の問題は、鹿砦社の松岡利康社長が述べているように、ジャーナリストと出版社が、公権力を利用して、自らが気に入らない出版関係者や言論を封じようとしている点にある。

一般企業や公人ではない個人が同種の言論弾圧に走る場合、それが好ましいことでないにせよ、理解できる側面もある。一般企業や公人は、基本的に自らの言論媒体を持たない場合が多く、言論の自由について深い考察を持ち合わせていないこともあるからだ。

しかし、言論人が同じことを行えば、まず第1に言論人としての情報発信力や資質が疑われる。第2に、言論の自由に対する考察が欠落している可能性も高くなる。

◆スラップ(SLAPP)=「訴権の濫用」訴訟

俗にスラップ(SLAPP)と呼ばれる訴訟がある。「Strategic Lawsuit Against Public Participation」の略で、直訳すれば「市民参加に対する戦略的訴訟」となる。もともとは市民運動などを標的として大企業が提起する訴訟を意味していた。しかし日本では、広く「訴権の濫用」と考えられる訴訟をスラップと呼ぶ傾向がある。

日本でスラップ訴訟が本格化したのは2000年代初頭である。わたしの記憶に誤りがなければ、最初期のスラップ訴訟は、消費者金融の武富士がジャーナリストの三宅勝久氏と寺澤有氏を提訴した事件である。請求額は、それぞれ1億1000万円と2億円の損害賠償であった。しかし請求は棄却され、逆に武富士が両氏に慰謝料を支払う結果となった。

この裁判で武富士の代理人を務めたのが、弘中惇一郎弁護士や、後に大阪府知事となる吉村洋文弁護士である。このうち弘中弁護士は、人権派弁護士としてメディア関係者からも重宝されている。

その後、ジャーナリストの烏賀陽弘道氏がオリコンから5000万円を請求される訴訟を起こされた。この裁判は高裁段階で和解により終結した。さらにその後、西岡研介氏(原告はJR東日本)、山田厚氏(原告は安倍晋三氏)といったジャーナリストが法廷で争うことになった。さらに元NHK党の立花孝氏が、一人のジャーナリストに対して訴訟を連発した例もある。

◆読売新聞が起こした私・黒薮への高額訴訟

ジャーナリズム企業が公権力と一体化し、メディア関係者に対して高額訴訟を提起した最初のケースは、おそらく読売裁判である。被告となったのは、わたし(黒薮)である。

わたしは2008年初頭から約1年半の間に、読売から3件の裁判を起こされた。請求額の総計は約8000万円である。結果は次のとおりである。

●著作権裁判:地裁(黒薮勝訴)、高裁(黒薮勝訴)、最高裁(黒薮勝訴)

●名誉毀損裁判1:地裁(黒薮勝訴)、高裁(黒薮勝訴)、最高裁(読売勝訴)

●名誉毀損裁判2:地裁(読売勝訴)、高裁(読売勝訴)、最高裁(読売勝訴)

※名誉毀損裁判2の被告は、黒薮と新潮社。

読売が裁判を連発した背景には、「押し紙」報道を抑制したいという意図があった可能性が高い。これら一連の裁判に関わったのが、自由人権協会の喜田村洋一代表理事である。人権派弁護士として、多くのメディア関係者から重宝されてきた人物である。

◎【参考記事】「喜田村洋一弁護士が作成したとされる催告書に見る訴権の濫用――読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年①」

◎【参考記事】「報道・出版活動に大きな支障をきたしていた可能性も――読売・江崎法務室長による著作権裁判8周年②」

その後、メディア企業が公権力に依頼して同業者やジャーナリストを訴えた事例としては、読売が清武英利氏に対して起こした裁判がある。さらに2018年には、幻冬舎が経済誌『ZAITEN』(財界展望新社)を提訴した裁判や、2025年には読売が『ZAITEN』を提訴した裁判もある。

◎【参考記事】販売店改廃をめぐる報道・人権・訴訟――読売とZAITENが対決、読売代理人には「人権派」喜田村洋一・自由人権協会代表理事

このように、出版人がジャーナリストや出版社を提訴したケースは断続的に発生している。このうち読売については、創業者である正力松太郎が特高警察の高官であったことから、言論封殺が持つ歴史的な意味を十分に理解していない可能性もある。

◆左派勢力の内部における理念と実践との乖離

浅野健一氏と三一書房による提訴で最も注目すべき点は、従来、良識ある出版社として評価されてきた三一書房が、公権力を利用して他社の言論を封じようとしていることである。しかも代理人弁護士は、「人権派」とされる人々である。

従来、言論の自由を重視してきたとみられていた勢力が、結果として読売と同様の手法を選択しようとしているようにも見える。

近年の左派勢力のあり方には看過できない問題も見受けられる。共産党や自由法曹団に「しばき隊」は入り込んでいる状況の中で、今度は裁判を通じたメディア規制にまで踏み込む動きが現れているのである。

懸念されるのは、日本の右傾化だけではない。左派勢力の内部でも、理念と実践との乖離が進行しているように見える。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月8日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

[追記:松岡利康]上記の画像は、三一書房草創期に空前のベストセラーになった『人間の條件』。その後、三一書房は、1960年代、70年代に当時の学生らを魅了する本を続々出し、私の思想形成に多大の影響を与えました。さて、浅野さんの差し止め問題、本訴はまだ提訴されていないようです。本来緊急性のある案件のためにやる仮処分、申し立てからかなりの日数が経っているのに、どうなっているのでしょうか? ことは憲法21条に関わる問題でもあり、裁判所も苦慮しているものと思われます。共同通信―同志社大学とエリートコースで庇護されてきた浅野さんと違い、一貫して在野のジャーナリストとしてやって来られた黒薮さんの重い指摘です。黒薮さんと言えば、「押し紙」問題ですが、これを暴露することが大手新聞社の逆鱗に触れたようで、読売はSLAPを掛け、この裁判闘争と、今回私怨によって浅野さんが申し立てた出版差し止め仮処分や、準備されているという本訴とは、根本的に次元が異なるようです。社会的にも歴史的にも意義があるのは黒薮さんの「押し紙」訴訟でしょう。浅野さん、山下弁護士、大口弁護士ら「救援連絡センター」グループ、頭を冷やしていただきたい。今、こんなことをやっている場合ではないでしょう! ちなみに、2005年、『紙の爆弾』創刊直後に、警察癒着企業、大手パチスロメーカー「アルゼ」(現ユニバーサルエンターテインメント)から刑事告訴のみならず損害賠償3億円もの巨額民事訴訟も起こされ、「名誉毀損」に名を借りて逮捕→192日の勾留→懲役1年2月(執行猶予4年)の有罪判決と共に600万円余りの賠償金も課せられました。これもSLAPと呼んでほしいですね。なお、この事件では大口弁護士は弁護団に名を連ねていただきました。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

山上徹也裁判記録本で紛糾する、浅野健一さんらが深く関係する「救援連絡センター」に「要望書」を送信!

鹿砦社代表 松岡利康

このかん紛糾している、浅野健一さんによるあけび書房刊、辻井彩子・著『石ころの慟哭』に対する出版差し止め問題ですが、浅野さんが連載を持ち、代理人の山下幸夫弁護士も連載を持ち、さらに本訴で浅野さんの代理人に加わると予想される大口昭彦弁護士が代表弁護士を務め、『紙の爆弾』に毎号連載されている足立昌勝さんが代表を務める「救援連絡センター」に本日6月11日、「要望書」を送りました。

同センターの方々が、本件について真正面から取り組まれることを願っています。

全文は以下の通りです。

◇     ◇     ◇     ◇     ◇

救援連絡センター御中

浅野健一さんによる出版差し止めと濫訴について
要 望 書

2026年6月11日     
兵庫県西宮市甲子園八番町
2-1-301
電話0798-49-5302
Fax 0798-49-5309
株式会社 鹿砦社
代表取締役 松岡利康

冠省 内外の厳しい情況下、日々のご活動、ご苦労様です。

さて、貴「救援連絡センター」(以下「貴センター」と記述します)に深く関係されている浅野健一さん、代表弁護士の大口昭彦弁護士、貴センターの会報『救援』に連載を持たれている山下幸夫弁護士らによって、あけび書房刊行書籍、辻井彩子著『石ころの慟哭 山上徹也・奈良地裁裁判の私記』に対してなされている出版差し止め仮処分、近く提訴されるという本訴、さらには上記書を刊行したあけび書房(岡林信一代表)、著者・辻井彩子さん、そして上記書の帯を書いた鈴木エイトさん、浅野さんの出版差し止めを批判している黒薮哲哉さん、私松岡らを「5人組」として次々と提訴されるといい、これに浅野さんの著書を出版した三一書房まで巻き込んで進展している紛争につきまして、以下要望いたしますので何卒善処いただきたく存じます。

 浅野さんは本年4月頃(私は4月1日の浅野さんのFacebookの数日後に知りました。この前から考え準備されていたのかもしれませんが)からあけび書房が刊行予定していた上記書に対し出版差し止め仮処分を行うと予告され、過去5度の出版差し止めを受けた私としては、これは、憲法21条に謳われた言論・出版の自由、表現の自由の観点から絶対にダメだと思い、早速私は4月5日付けの私のFacebookや鹿砦社公式サイト「デジタル鹿砦社通信」にて批判しました。当然です。浅野さんは「ジャーナリスト」ですから、そうであるならば、<言論には言論で>勝負すべきで、司法権力の手を借りて気に食わない相手方の出版物の出版・販売を差し止めるなどということが許されるはずはありません。ジャーナリストとして自殺行為です。

しかし浅野さんは私(たち)の「諫め」を無視し、4月16日に東京地裁に上記書の出版差し止め(浅野さんの申請書では「出版禁止」)仮処分を申し立てられました(代理人は山下幸夫弁護士)。さらに、近く本訴を提起されるように公言されています。これには大口弁護士も代理人に就かれるようです(正式に就かれたかどうか判りませんが、大口弁護士からの私への手紙では、浅野さんからその依頼があったとのことです)。大口弁護士は、あけび書房刊『石ころの慟哭』の類似書、浅野さんの『石ころから石礫に 安倍氏暗殺・山上徹也さん裁判記録』を出版した三一書房の代理人としてあけび書房に5月19日、配達証明郵便を送られ、この紛争に参画されています。

浅野さんは、上記あけび書房本が浅野さんの本から「著作権侵害」「盗用」「名誉毀損」を行っているとあげつらっておられますが、それはそれとして、私はシンプルに出版差し止め(出版禁止)を司法権力の手を借りて行うこと自体に反対してきました。このこと、つまり出版差し止めがなければ、私は声を挙げることはなかったと思います。時折目にする出版社と著者との諍い事として“高見の見物”として看過してきたでしょう。

浅野さんの主張をかいつまんで言えば、あけび書房本は「盗用」や「著作権侵害」している本なので出版差し止め(出版禁止)は当然ということのようです。しかし、「盗用」や「著作権侵害」はまだ決まってもいませんし、浅野さんの考えだけで言っておられるだけです。なのに、いきなり出版を差し止める(禁止する)のは尚急過ぎます。その論理が通用すれば、気に食わない本はいつでも差し止められることになります。これはダメです。ダメなものはダメなんです。<言論の自由、自由な言論>をモットーとして出版活動を行ってきた者として許容できません。

出版差し止めは、これをなされようとする当該の一出版社だけの問題ではなく、出版に関わるすべての者(出版社、著者ら)の問題ですので、私と私が経営する出版社=鹿砦社にとっても大問題ですし、その他の出版社にとっても問題のはずです。ですから、私は当事者ではありませんが、4月5日以来抗議の声を挙げ続けているのです。ことの本質が解る方々は私の主張に真剣に耳を傾けられ、私の主張を支持してくださっています。

日頃、司法権力と闘っておられる貴センターは、この司法権力の手を借りて意見の異なる相手方の出版を差し止める(出版を禁止する)という浅野さんの行為をどうお考えでしょうか? 

浅野さんは、今からでも即、あけび書房本『石ころの慟哭』に対する出版差し止め仮処分を取り下げ、また本訴の提訴も取り止めるべきです。

 そうした過程で浅野さんは、連日あけび書房とこの代表者・岡林信一社長、著者の辻井彩子さんらに対し激しい誹謗中傷を行って来ました。特に「素人」(浅野言)で市井の生活者として娘さんを育てながら生業を持ち日々懸命に働いている辻井さんへのネットリンチ攻撃は凄まじいもので、大変驚きました。まさに人権侵害です。それは膨大に渡り、証拠資料が必要であれば、整理して後日提出する用意がありますが、浅野さんのFacebookを溯っていけば、(都合よく削除されていなければ)その悪質性が解るでしょう。実際、辻井さんは精神を病む直前まで追い込まれました。今でも精神的に不安定のようですが、仕事上飼っている動物(辻井さんはペットシッターを生業とされています)や顧客の方々に励まされ、なんとか精神的に維持できているようです。

辻井さんは、出版には、浅野さんが仰るように「素人」で、山上徹也さんによる安倍前首相銃撃事件が、自らが住む地で起き、また宗教三世の共通点から、わが身の経験や想いと重ね合わせ事件に関心を持ち「私記」としてまとめたのが当該書で、初めての出版になります。それなのに、浅野さんと彼を支持する人たちから激しいネットリンチ攻撃を受けるとは気の毒としか言いようがなく同情します。当初、辻井さんは浅野さんに対し、喉頭がん手術後の障害を持ちながらも頑張っていると好感を持たれていたそうですが、杜撰な原稿を送りつけてきたり、こんなに攻撃的な人だったことに驚いたとのことです。

浅野さんの代理人として直接関わっておられる山下幸夫弁護士、大口昭彦弁護士ら、貴センターに深く関わっておられる方々が中心になって動いておられることは遺憾です。代理人であるかどうかは別として、訴訟を材料とした、そうした浅野さんによる威嚇行為は、大口、山下弁護士は、代理人で有る無しはともかく、人として諫めないといけません。私の言っていることは間違っていますか? 

貴センターといたしましては、このことをいかにお考えでしょうか? 絶対にいいことではないことは当たり前です。浅野さん、浅野さんの異常な言動を傍観されている山下、大口両弁護士に対してしっかり問い質していただきたく存じます。

実際に、貴センターに中心的に関わる浅野さ、山下弁護士、大口弁護士らによって差し止め仮処分や本訴、その他の名誉毀損訴訟などが進められたり準備されたりしていることから、こうした一連の動きや訴訟が貴センターがやっていると思われかねません。現実にそう思っている方もいます。こうしたことは、貴センターのイメージダウンになり、決していいことではないことは言うまでもありません。この点、貴センターのお考えをお聞かせください。

 前記したように浅野さんは、あけび書房と著者・辻井さんのみならず、上記した鈴木エイトさん、黒薮哲哉さん、私松岡に対しても提訴されると公言されています。まさに訴権の濫用と言わざるをえません。さらに浅野さんは、その言葉の端々に警察権力に通報することも臭わせた物言いをされています。さすがに、これはダメでしょう。反権力の砦たる貴センターとしてはいかがお考えでしょうか?

 現在、社会的に戦争の危機が差し迫っています。このような中にあって、いわゆるリベラル・左派勢力が、こうしたことで分裂している場合ではないと認識しています。あけび書房・岡林社長が20年余り前に神戸で始め、以来培って来られた「市民社フォーラム」には、全国のリベラル系の市民運動やこれの担い手の方々を中心に、新左翼系や共産党離党系(岡林社長もそのようです)などが自由に集い情報を交換し合い論争しています。「市民社会フォーラム」名でイベントや講演会なども積極的、継続的に行っています。おそらく多くは岡林社長を支持していると思われます。浅野さんのように、意見が異なるからと言って出版差し止めや激しい誹謗中傷(人権侵害)を行う人を支持する人はいません。

このまま浅野さんの暴走に手を拱ていれば、浅野さんのみならず貴センターにまで批判は及ぶでしょう。これも、いいことではありません。

肌合いは少し異なり意見や考え方が違うところもありますが、私は「市民社会フォーラム」の活動を基本的に支持してきましたし、有名・無名問わず多くの方々もそうでしょう。

今、リベラル・左派系が、こうしたことで分裂することは無益です。この意味で、浅野さんの唯我独尊的な言動は、リベラル・左派勢力を更に分裂させるものだと言えます。浅野さんの身近の貴センターの方々は、浅野さんの異常な言動を諫め、今後の出版界、言論界、ジャーナリズムにとって悪弊となる出版差し止めや濫訴を食い止めないと、貴センター自体が、歴史の屑籠に放り込まれかねないと思います。冗談を申し上げているわけではありません。これぐらいの危機感を持ってください。これについても、貴センターのお考えをお聞かせください。

 当初、山上徹也裁判記録本は、浅野さんが辻井さんの助けを借りてあけび書房から出版される予定でした。これが、浅野―あけび双方の間に意見の違いが発生し、各々が出版することになり、浅野さんは三一書房から出版することになりました。この過程で水面下で何があったか第三者の私たちが知るところではありませんが、この際、浅野さんにあけび書房と辻井さんに対する敵意や悪意が生じたようです。よほどのことと思われ、それは、その後の浅野さんによるあけび書房と、この代表者・岡林社長、著者・辻井さんに対する激しい誹謗中傷やネットリンチ攻撃に表れています。浅野さんによるあけび書房本『石ころの慟哭』出版差し止め仮処分の申し立て、引き続いて準備されているという本訴は、浅野さんの私怨でなされた(準備されている)ものと思われます。ここに公共性や公益目的はありません。

これについても貴センターはどうお考えでしょうか?

 浅野、あけび双方が言い合っている「盗用」問題について、あけび側は岡林社長のFacebookにて100箇所以上の「盗用」箇所を公開しています。また、鈴木エイトさんも検証し、具体的にはまだ公開していませんが、付箋が一杯の写真を公開しています(おそらく早晩問題箇所の詳細を公開されるでしょう)。一方浅野さんは、チームを組んであけび本の「盗用」箇所をリストアップしたように仰っていますが、いまだに公開されてはいません。読者の公平・公正な判断を求めるためには「盗用だ」「著作権侵害だ」などと言っているだけでなく、速やかに公開されるべきでしょう。

これまでの経緯からすると、浅野さんの著書には多くの問題箇所があるようで、これをクリアするためには、浅野さんは、やはりあけび本が「盗用」したとする箇所を公開すべきでしょう。そうではないでしょうか?

 貴センターは、激動の時代=1969年、水戸巌(故人)・喜世子夫妻を中心に立ち上げられ、反権力の砦として55年余りも続けてこられました。私もその基本理念に賛同し、また助けられもしました。水戸喜世子さんとは今も反原発運動で連携しています。老いても頑張られる姿に、私たちのほうも元気づけられます。

だからこそ貴センターには、本件に対して、しっかり対処いただきたく強く要望する次第です。もし浅野さんによる出版差し止め仮処分が決定され、これを傍観していたならば、貴センターはそれに手を貸し、出版人、言論人、ジャーナリストらか批判を受けるということを重々にお考えいただきたい。これまで、浅野さんの異常な言動を黙過されてきたことも問題ですが、今からでも遅くはありません、この出版差し止め問題と、私怨に基づく辻井彩子さんに対するネットリンチ・人権侵害について真剣に取り組まれることを強く要望し、またこれを機に、出版差し止め(出版禁止)はダメ、ネットリンチ・人権侵害もダメ、公権力(司法権力、警察権力など)を安易に使うこともダメ、つまりこのかん浅野さんがやってこられた、そうしたことはダメだというような原則を確立していただきたいと強く要望いたします。

だいたい「ジャーナリスト」たる者が、司法権力の手を借りて相手方の言論を封じようと出版差し止め仮処分なる、出版妨害、言論弾圧になりかねないことを申し立てること自体が、みずから言論で反論することを放棄したことの証ですから、この時点でジャーナリスト失格です。

この点も貴センターのお考えをお聞かせください。

 現在、出版業界は、かねてから構造不況業種と言われてきましたが、コロナ禍によって、それが決定打になって、書店も出版社も、どこも喘いでいます。取次大手のトーハン、日販でさえ、取次事業は赤字(2025年期で両社とも40億円前後の欠損)で、介護事業、ホテル経営、文房具販売など他の事業によってカバーしているそうです。

こうした中、出版社が、対立する出版社を潰しにかかることや出版社同士が潰し合いをすることは避けなければなりません。

また、浅野さんの本を出した三一書房、これと対立する本を出したあけび書房共に背後に貴センターや「市民社会フォーラム」のような社会運動、反戦運動に関わる人たちがいます。現在の社会運動、反戦運動は、貴センターが設立された時代のような、かつての勢いのあった時代とは異なり、かなり細っていて厳しい情況です。こうした中で、こちらも潰し合ったり、特に公権力(司法権力や、浅野さんが言葉の端々に出してくる警察権力など)の手を借りて相手方を潰そうなどということは断じてやめるべきです。

以上つらつら申し述べてまいりましたが、情況は極めて逼迫しています。特に上記「一」「二」項で申し述べさせていただいた問題は緊急性を有しています。辻井さんは日に日に精神的にナーバスになって来ておられますので、放置しないでください。

早急に私の上記意見に耳を傾けられ、貴センターとして真剣にご協議、ご検討いただき前向きな対処をお願いする次第です。私の意見を無視したり蔑ろにしないでください。

なお、この問題につきまして各々の主張は、浅野さんはむろん(削除されていなければ)、鈴木エイトさん、黒薮哲哉さん、私松岡、当事者の岡林あけび書房社長のFacebookやサイトをご覧ください(辻井さんはネット上ではさほど発言されていません)。僭越ながら、浅野さんが出版差し止めを公言し出して以降の私のFacebookでは、浅野さんの言動について私見を述べたり、他の方々のご意見などを転載していますので一通りお読みになれば、ことの経緯は解りますので、ご参考になさってください。

何卒将来に禍根を残さないために、私の意見に真剣に耳を傾けられ、本件について真剣に御高配賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

末筆ながら、季節の変わり目、貴センターのスタッフの皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

早々
 

復興へ16年目に入った福島、もうすぐ創刊12年を迎える本誌『季節』 明日への道は決して楽ではないが、共に歩き続けよう!

季節編集委員会

福島で原発事故が発生して本年3・11で15年を迎えました。その日に本誌を発行し、次のステップに歩み始めました。

また、本誌も、すでに一昨年創刊10周年を迎え、今年12年を迎えようとしています。なんとか10年を越えたことで、本来なら部数ももっと多くならなくてはなりませんが、私たちの非力で、そうはならず、逆に減りつつあります。

福島の現況も、事情あって故郷を離れた方々の実情も、本誌の現状も、また総体的な将来への展望も、厳しいものがあります。

福島の現況は、わが国の現況です。すなわち厄介者は切り捨てるという棄民政策が跋扈しています。15年経っても政府は脱原発への道筋を提起しえないでいます。むしろ、なし崩し的に原発回帰、そしてこれに対する諦めの気持ちが支配しているかのようです。

今夏も厳しい暑さが予想されますが、古くはオイルショック(1973年)後や3・11後のような節電の呼びかけもなされず、私たちもその気持ちを忘れたかのように思えます。

この国では、大地震はじめ多くの天災が毎年起きます。そのたびごとに節電、節約が叫ばれますが、いつか忘れられ今に至っています。

原発も老朽化が進み、このままでは大事故がいつ起きても不思議ではありません。

福島のこれまでの歩みや現況を顧みるに、原発は百害あるだけです。決して危機感を煽るわけではありませんが、いつ爆発するかわからない老朽原発は、爆弾を抱えているようなもので、即停止→廃炉にすべきです。

本誌に継続的にかかわってこられている小出裕章さん、今中哲二さん、また元裁判官で原発を止める判決を出された樋口英明さん、井戸謙一さんらが、私利私欲を棄て、なぜここまで反(脱)原発に奔走されるのか、非常に学ぶことが多々あり、私たちが本誌を継続しているエネルギーになっています。ありていに言えば、すべてはこの国、この社会、ここで生きる子や孫のためということでしょうが、やはりチェルノブイリや福島のような原発事故を繰り返してはならないという想いが残っています。この想いが残っている限り、困難は承知のうえで、唯一の反(脱)原発雑誌を継続していく決意ですので、今後ともよろしくお願いいたします。

昨年同様酷暑が予想される今夏、気持ちを強く持って共に頑張りましょう!

2026年6月 季節編集委員会

季節2026年夏号
『NO NUKES voice』改題 通巻46号
紙の爆弾2026年7月増刊
2026年6月11日発行
A5判 132ページ 定価770円(税込み)

《グラビア》原発事故〈収束〉と被災地〈復興〉という欺瞞(北村敏泰

樋口英明(元福井地裁裁判長)
《報告》なぜか、裁判官が辞めていく 

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
《インタビュー》柏崎刈羽原発再稼働の不安 老朽原発は事故を起こす

木村英昭(ジャーナリスト)
《報告》原発を巡る三年間の動向 ── 時系列が可視化する統治の変化

高橋博子(奈良大学教授)
《報告》日米両政府の核兵器観 放射性降下物・残留放射線・内部被ばく

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
《報告》脱原発の思想 日本はなぜ脱原発に向かわないのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
《報告》東京電力「原子力中核企業化」戦略の内実

菅野みずえ(「ALPS処理水を海に流すな」裁判原告)
《インタビュー》私の15年、3・11はまだ続く

北村敏泰(ジャーナリスト)
《報告》まやかしだらけの「復興」
 十六年目も終わりはない東北三県の被災地から

和田央子(イノベーション・コースト構想を監視する会)
《報告》高市軍拡政権と福島イノベーション・コースト構想

末田一秀(関電株主代表訴訟原告/はんげんぱつしんぶん編集長)

《報告》関電株主代表訴訟の闘い 原発地元への不正な金の流れを断ち切るために

守田敏也(フリーライター)
《報告》浜岡原発基準地震動捏造問題が示すもの
 原発再稼働は六層の点で認められない

中道雅史(核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会事務局長)
《報告》《徹底解説》核と軍の拠点・青森県《後編》

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
《報告》「『原発被害』って何だろう?」を共有する
 近畿三訴訟団「近畿訴訟団交流会」

木村三浩(一水会代表)×板坂 剛(作家/舞踊家)
《対談》民族派と左翼の融合は可能か《後編》

淀川乱歩(SF作家)
《奇想科学小説》マロ博士の島

平宮康広(元技術者)
《報告》石炭火力発電vs原発および再エネ発電〈1〉

再稼働阻止全国ネットワーク
司法は再稼働を推進するな! 市民運動と原発訴訟
《北海道》小野有五(北大名誉教授、行動する市民科学者の会・北海道)
泊原発の再稼働をめぐって
《女川原発》舘脇章宏(みやぎ脱原発・風の会)
特重施設の猶予延長を許すな
《柏崎刈羽》小木曽茂子(再稼働を考える県民ネットワーク事務局)
新潟はあきらめない!
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
原電は水戸地裁判決に従い、東海第二原発の再稼働を断念せよ
《浜岡原発》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
静岡地裁は原告の不正主張を看過し、浜岡原発訴訟を強行に終結
《志賀原発》藤岡彰弘(廃原発watchers能登・富山)
矜持の見られない二つの判決、審理進行にめげない!
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
「嘘・騙し」「データねつ造」「トラブル隠ぺい」「約束反故」なしには動かせない原発と決別し、自然エネルギーのみで成り立つ社会を!
《島根》芦原康江(さよなら島根原発ネットワーク)
住民の安全を脅かす島根原発2号機の再稼働 安全神話を復活させる国と思考停止する司法を許さない!
《四国》小倉正(原発さよなら四国ネットワーク)
伊方原発をめぐる四県の仮処分/本訴の闘いと市民運動
《佐賀》石丸初美(玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会代表)
裁判に至るまでの道のりは突然ではなかった
《鹿児島》向原祥隆(ストップ川内原発!3・11鹿児島実行委員会共同代表)
敷地内乾式貯蔵を阻止して停止に追い込む
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
空しい規制委への異議申立・長引いて良かったテント裁判
《本の発掘④》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
『3・11と憲法』(森英樹・白藤博行・愛敬浩二編 日本評論社)

反原発川柳(乱鬼龍 選)

◎鹿砦社 https://www.rokusaisha.com/kikan.php?group=new
◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZZQWL9T/

『石ころの慟哭』出版差し止め問題 争点となったエクセルファイルの著作権

黒薮哲哉

同志社大学の元教授・浅野健一氏が、あけび書房に対して出版差し止めを求めている事件の続報である。既報してきたように、浅野氏は、あけび書房が刊行した『石ころの慟哭』(辻井彩子著)の中に、自身に著作権がある記述が使用されているとして、出版差し止めの仮処分を申し立てた。これに対し、あけび書房は、『石ころの慟哭』の記述は、辻井氏が執筆した裁判記録に基づくものであると反論してきた。さらに、浅野氏の『石ころから石礫に』の中に、辻井氏が執筆してエクセルファイルにまとめた記述が見受けられると主張している。

浅野氏は、エクセルファイルが辻井氏によって作成されたものであること自体は認めている。事実、辻井氏に作業報酬を支払ったため、その成果物は自分のものであると主張している。三一書房の大口昭彦氏が、あけび書房に宛てた書面(6月1日付け)にも、その旨が記されている。

「④ この趣旨(辻井さんをアシスタントとして使うこと)に基づいて、浅野氏から辻井氏に対して総計金11万円相当の金品が交付され、同氏はこれを受領している。」

大口昭彦弁護士の書面

つまり、金銭を支払ったのだからエクセルファイルを使用して構わないと主張しているのである。しかし、そもそも辻井氏は浅野氏とアシスタント契約を締結しておらず、また出版そのものも浅野氏の希望により中止となっている。当然、この時点で浅野氏は当該ファイルを使用する権限を失ったと考えられる。というのも、エクセルファイル内の文章についての著作者人格権は辻井氏に帰属するからである。著作者人格権は、金銭の支払いによって譲渡することはできない。一身専属性の権利である。

「第59条(著作者人格権の一身専属性)
著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」

譲渡できないので、ゴーストライターを使う場合、「著作者人格権は行使しない」旨を明記した契約を交わすが通常である。しかし、浅野氏と辻井さんの間でそのような契約はない。

このあたりの事情を大口弁護士も理解しているようで、前出の書面では、エクセルファイルそのものが著作物ではないと主張している。

たしかに、すべての文書が著作物に該当するとは限らない。著作権法第2条第1項は、著作物を次のように定義している。

「一 著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」

実際には、大半の文章は著作物として保護される。極端な例を紹介しよう。次の記述は、読売新聞の江崎法務室長が作成したメモで、わたしがメディア黒書に掲載したものである。

「前略 読売新聞西部本社法務室長の江崎徹志です。2007年(平成19年)12月17日付け内容証明郵便の件で、訪店について回答いたします。当社販売局として、通常の訪店です。」

読売の代理人・喜田村洋一自由人権協会代表理事は、この文書が著作物に該当すると主張して、わたしは次の催告書を送付した。催告書の名義は江崎になっているが、実際には喜田村弁護士が執筆したものである。このメモが、江崎氏の著作物であるから、削除するように求めたのである。

喜田村弁護士が、催告書の名義を偽って提訴したことを認定した知財高裁判決

冠省 貴殿が主宰するサイト「新聞販売黒書」に2007年12月21日付けでアップされた「読売がYC広川の訪店を再開」と題する記事には、真村氏の代理人である江上武幸弁護士に対する私の回答書の本文が全文掲載されています。

しかし、上記の回答書は特定の個人に宛てたものであり、未公表の著作物ですので、これを公表する権利は、著作者である私が専有しています(著作権法18条1項)。 貴殿が、この回答書を上記サイトにアップしてその内容を公表したことは、私が上記回答書について有する公表権を侵害する行為であり、民事上も刑事上も違法な行為です。

そして、このような違法行為に対して、著作権者である私は、差止請求権を有しています(同法112条1項)ので、貴殿に対し、本書面到達日3日以内に上記記事から私の回答を削除するように催告します。  

貴殿がこの催告に従わない場合は、相応の法的手段を採ることとなりますので、この旨を付言します。

喜田村弁護士の主張が極論であるにしろ著作権の主張がいかに簡単に行われるかを示す例である。著作権を主張することがいかにたやすいかを示す例である。逆説的にいえば、ある書面が著作物ではないと主張するハードルは極めて高い。まして辻井さんのエクセルファイルには、辻井さんの意見や感情表現も含まれており、著作物と考えるのが妥当だ。

ちなみに浅野氏は5月16日、自身の講演の中で5月中にあけび書房を提訴する旨を表明したが、現時点では提訴を確認できていない。仮処分の申立書も、あけび書房には到達していないようだ。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月4日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
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広島東洋カープオーナー一族経営の限界 ── 市民参加型の球団経営を議論する時だ

さとうしゅういち

我らが広島東洋カープ。私・佐藤周一はカープ初優勝の1975年に福山で生まれ、東京での小学校時代に、広陵高校出身の被爆者の担任の先生に平和とカープはしっかり叩き込まれました。そのカープは広島市民球場(マツダスタジアム)の指定管理者であり、単なる民間企業ではなく公共性を背負う組織です。その球団が、羽月元選手の薬物事件の説明責任を果たせず、交流戦6連敗という実力面の危機にも直面しています。こうした状況の中で、「オーナー一族経営の限界」を指摘する声が、市民の間で静かに、しかし確実に広がっています。

◆オーナー一族経営の強みと弱み

カープの歴史は、松田家を中心としたオーナー一族の献身によって支えられてきました。これは事実であり、功績でもあります。しかし、同時に閉じた経営構造が透明性を損ない、説明責任の弱さにつながっているという指摘も根強くあります。

不祥事への対応が遅い
情報公開が不十分
意思決定が属人的
外部の視点が入りにくい

こうした構造的な弱点は、今回の羽月事件で一気に表面化しました。

◆「市民が株を持つ」 ── 市民参加型経営という選択肢

広島では以前から、「市民が株を持ち、経営に参画できる仕組みを」という声があった。これは単なる理想論ではありません。

●実例がある
・FCバルセロナ(スペイン)
・グリーンベイ・パッカーズ(NFL)
・ドイツの“50+1ルール”による市民参加型クラブ
世界では、市民がオーナーシップを持つスポーツクラブは珍しくない。

●広島に合う理由
カープは地域密着球団市民の愛着が強い指定管理者として公共性が高い市民の監視が透明性を高める市民が株主となり、経営に一定の発言権を持つ仕組みは、球団の公共性と透明性を高める現実的な選択肢である。

◆指定管理者制度との相性

カープは市民球場の指定管理者であり、市民の財産を預かる立場にある。であれば、市民が経営に参画する仕組みは制度の理念とも一致する。公共性の確保説明責任の強化経営の透明化不祥事の抑止市民の信頼回復これらは、市民参加型経営によって大きく前進する。

◆いま必要なのは「議論を始めること」

私は断言しない。「市民株主制度が唯一の正解だ」とは言わない。しかし、議論を封じることこそ最大のリスクだ。オーナー一族経営を続けるのか? 外部取締役を増やすのか? 市民株主制度を導入するのか? 指定管理者の更新条件を見直すのか? 広島市、市議会、球団、市民が開かれた議論を始める時期に来ています。

◆広島の球団は、広島の市民とともにあるべきだ

カープは広島の誇りであり、広島の象徴であり、広島市民の財産を預かる存在です。だからこそ、閉じた経営ではなく、開かれた経営へ。実力の立て直しと同時に、倫理と透明性の改革を進めるためにも、市民参加型の経営モデルは真剣に検討されるべき時期に来ています。

◆カープは市民球場の指定管理者 ── 公共性を自覚し、膿を出し切れ

そもそもカープは、ただの民間企業ではありません。広島市民球場 ── マツダスタジアムの指定管理者です。つまり、市民の税金で整備された球場を預かり、市民の財産を管理し、市民の信頼の上に成り立つ、公共性を持つ組織なのです。

市役所と同じレベルの透明性、説明責任、倫理性が求められる。これは制度上の当然の前提です。

◆羽月元選手の事件 ── 公共性を持つ組織としての説明責任が問われている

羽月元選手の薬物事件。「複数の選手に売っていた」とされる売人が再逮捕されました。この状況で、球団が内部調査だけで済ませることはできません。なぜなら、カープは市民の財産を預かる指定管理者だからです。何が起きたのか? いつ把握したのか? 管理体制に問題はなかったのか? 他の選手への影響はどうか?

これを外部の専門家が調べ、市民に説明することは、義務であり責任です。第三者委員会の設置は、選手を守るためにも、球団を守るためにも、広島の誇りを守るためにも必要です。

◆カープが膿を出し切れないなら、指定管理者の非更新も視野に入る

指定管理者制度は、更新制です。透明性を欠き、説明責任を果たさず、管理体制に問題がある組織には、更新しないという判断が制度上可能です。これは球団を攻撃するためではありません。

市民の財産を守るための行政判断です。もしカープが真相究明を避け組織改革を拒み倫理教育を怠るのであれば、指定管理者の非更新を議論するのは、市民として当然の権利です。もちろん、非更新を私は望みません。しかし、市役所や議会が、カープの抜本的な改革を迫る「ディール」の材料として指定管理者非更新は使わざるを得ないと思うのです。

◆公共性を自覚し、実力と倫理の両面で立て直せ

カープは今、交流戦6連敗という実力の低下と倫理の揺らぎという二重の危機にあります。だからこそ必要なのは、実力の立て直しと、倫理の立て直しを同時に進めること。そして、公共性を持つ組織としての自覚を取り戻すこと。それができなければ、指定管理者の非更新という議論を、市役所や議会サイドから起こしていくべきでしょう。カープには広島の球団として、広島の財産を預かる組織として、いまこそ本気の改革が求められています。ご清聴、ありがとうございました。

さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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報道は誰のための記録か ── 浅野健一氏の逆立ちした匿名報道論

黒薮哲哉

元同志社大学の教授でジャーナリストの浅野健一氏といえば、事件の実名報道に苦言を呈してきたことで知られている。浅野氏は、公人を除き、被害者も被疑者も匿名にするべきだと主張してきた。たとえば、次のインタビュー記事には、その主張の根幹が示されている。

「人が壊れそうになる」報道は変われるか? 匿名報道の識者語る問題点(2020年1月28日配信Yahoo!Japanニュース)

浅野氏が原則的に匿名報道を主張する背景には、多くの新聞が警察などから得た情報を十分に検証せずに報道していることへの問題意識があると考えられる。警察発表への依存や検証姿勢の甘さは確かに検討に値する論点である。しかし、私は報道の原則は実名であるべきだと考える。というのも、記事やルポルタージュは歴史的記録としての役割を持つからである。どこで誰が何をしたのかを後世に正確に伝えるためには、関係者の氏名を含め、事実をできる限り正確に記録しておく必要がある。当然、実名報道が不可欠になる。

この点に関して、浅野氏は実名報道が持つ記録としての意義を十分に評価・理解していないように見える。実際、前出の記事の中で、インタビュアーから、

「なぜ日本のマスコミは実名を必要とするのか?」

と問われ、次のように答えている。

「理由はないんです。昔からそうやっているからだけですよ。特にそれが悪いと思っていなかったでしょう。昔からずっとやっていた。」

少なくともこの発言からは、実名報道が持つ歴史的記録としての機能への言及は見られない。

私は、報道の原則は実名であり、匿名は例外であるべきだと考える。報道は単なる情報伝達ではなく、後世に残る記録でもあるからだ。事実を正確に伝え、将来の検証に耐えうる記録を残すためには、人名を含めた事実関係をできる限り明らかにすることが求められる。それがジャーナリズムである。

また、匿名報道を原則とした場合、報道内容の事後的な検証が困難になり、結果として誤報の発見や訂正が遅れる可能性もあるのではないだろうか。事件などの防止にもならない。匿名化によって当事者の保護が図られる一方で、記録性が損なわれる危険性もある。

ちなみにThe New York Times、The Washington Post、BBC、The Guardianなどは、犯罪報道においては、被害者に配慮しながらも実名を報じるのが基本である。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2026年6月3日)掲載の同名記事を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

Road to KING、今年のメインイベンターは樹、セミファイナルは菊地拓人、それぞれの明暗!

堀田春樹

メインイベンター、樹(=いつき/治政館)はムエタイの壁に跳ね返され、菊地拓人は存在感示す完封TKO勝利。来年は立場逆転か。
花澤一成は地元の声援に応えられず倒されてしまった。
ウーバーミユは昨年の雪辱果たす判定勝利。

◎Road to KING 4 / 5月24日(日)市原臨海体育館16:00~19:10
主催:市原ジム / 認定:ジャパンキックボクシング協会

◆第10試合 フェザー級3回戦

カターテープ・イチハラジム(タイ国出身33歳/ 56.7kg)約80戦勝率7割超
        VS
ジャパン・フェザー級2位.樹(治政館/2004.10.12埼玉県出身/57.15kg)
20戦8勝(4KO)11敗1分
勝者:カターテープ・イチハラジム / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:椎名30-29. 西村30-29. 少白竜30-28

カターテープは過去、4年ほど前に重森陽太(当時稲城)に判定負け。今年1月から市原ジムで専属トレーナーを務めている。日本で住み始めたのは初めてで、今後の試合予定は無いが、オファーがあれば出場させたいトレーナー側の声。

「カターテープはトレーナーとして来たので試合はしたくない」と本音を漏らしていたらしい(樹の会話)。

樹はパンチから蹴りのアグレッシブな攻めで距離を詰めていくが、カターテープは前蹴りで樹の突進を止めミドルキックで圧力掛けるなど蹴りが強い。首相撲からの展開もカターテープがバランスいい体勢を保った。脚掛けて崩した樹には抗議したカターテープ。樹は前進してローキックからパンチ連打も、テクニックで返す技はカターテープが優り、樹はムエタイの壁を超えられない判定負けとなった。

樹は試合後、「カターテープは強かったです。蹴られたところが痛いです。もっとパンチで行きたかったですけど、カターテープの上手さに負けました!」とコメント。

蹴り足を掴んで崩しに掛かる樹。バランスいいカターテープは崩れない
これは危ない。樹がバランス崩したところを蹴るカターテープ

◆第9試合 63.0kg契約3回戦

ジャパン・ライト級2位.菊地拓人(市原/千葉県市原市出身26歳/ 63.0kg)
11戦7勝(4KO)3敗1分
        VS
翔吾(DANGER/千葉県出身29歳/ 62.65kg)8戦3勝(1KO)4敗1NC
勝者:菊地拓人 / TKO 1ラウンド 2分31秒
主審:少白竜

菊地拓人は昨年の市原興行で匠(=小林匠/キング)に判定負け。今年こそ市原勢の主役として勝ちたい一戦。

蹴りから距離を詰めアグレッシブな攻めを見せた菊地拓人。主導権は奪った流れ。左ミドルキックで翔吾のボディーを効かせると組み合ってのヒザ蹴りや離れての三日月蹴りで攻勢を強め、更に三日月蹴りからパンチフォローでノックダウンに繋げ、翔吾は立ち上がろうとするもダメージあってカウント中にレフェリーストップが掛かった。

「菊地拓人は三日月蹴りの練習はしていましたし上出来でした!」とは花澤トレーナーのコメント。

菊地拓人が三日月蹴りでダメージを与えて圧倒勝利に繋げた

◆第8試合 バンタム級3回戦

ジャパン・バンタム級3位.花澤一成(市原/2004.4.9千葉県市原市出身/ 53.52kg)
14戦3勝(3KO)8敗3分
        VS
ストロベリー稲田(治政館/2005.11.9埼玉県出身/ 53.4kg)8戦3勝5敗
勝者:ストロベリー稲田 / KO 1ラウンド 3分9秒 / テンカウント
主審:西村洋    

花澤一成は昨年の市原興行で木部晴太(尚武会)に飛びヒザ蹴りで1ラウンドKO勝利。今年も勢いよく勝ちたい一戦。

開始早々飛びヒザ蹴りを見せた花澤一成。予期していたかストロベリー稲田はパンチで返す。前蹴りなどで牽制する花澤の蹴りはスピーディーでこのまま主導権奪っていきたいところだが、稲田もパンチや首相撲で花澤のリズムを崩しに掛かる。前蹴りとローキックの交錯で花澤が股間ローブローを喰らって回復の為、3分あまりのインターバルが与えられた。ここからパンチの距離に持ち込んだ稲田の攻勢が強まり、ヒジ打ちやパンチ連打で二度のノックダウンを奪うと、花澤は立ち上がるも続行出来る状態ではない中、テンカウントが数えられた。

一成の実父の花澤トレーナーは「いつもあのパターンが多いですね。もっと蹴ればいいと言っているんですけど、フックからの間合いに入っているところでいつも失敗しているので、違う展開に行かないといけないんですけどね。」と冷静に語る。
花澤一成は「いちばん効いたのはローブローでしたね。痛いというより気持ち悪くなって。最後のダウンは何を貰ったか分からない感じで、2ラウンド目に持ち込みたかったですね!」と帰り際のコメント。明るく応える花澤に精神的ダメージは無く、仲間らと帰路に着いた。ノックダウン後も「良いパンチもあったし蹴り返しも良かった」という周囲の意見もあって、確かに第2ラウンドに持ち込みたかった勿体無い展開であった。

花澤一成は打ち合って倒された。冷静に次のラウンドに繋ぎたかった

◆第7試合 女子45.8kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・ペーパー級チャンピオン.Uver∞miyU(=高橋美結/T-KIX/1999.12.7静岡県出身/ 44.5kg)23戦9勝12敗2分
        VS
ミネルヴァ・ピン級1位.祥子JSK(治政館/1983.12.3埼玉県出身/ 45.6kg)
34戦10勝21敗3分
勝者:Uver∞miyU(ウーバーミユ) / 判定2-1
主審:椎名利一
副審:勝本29-30. 少白竜29-28. 西村30-28

昨年の市原興行で対戦した両者。長身を活かした蹴りの距離感が保って判定勝利した祥子と、一階級下だが後にチャンピオンと成ったウーバーミユは負けられない再戦となった。

今回も祥子JSKの蹴りが攻勢を保ちそうな流れも、ウーバーミユは距離を縮め、蹴りを貰いながらもパンチでボディブロー、顔面も狙う攻勢を強めていった。距離感を掴めば勢いに乗るウーバーミユはフェイントで挑発する余裕も見せ始めたが、祥子の蹴りが優勢と見る流れもあってかスプリットデジションとなったが、ウーバーミユが判定勝利で昨年の雪辱を果たした。

ウーバーミユは祥子の距離感崩して勝利を導き、昨年の汚名返上

◆第6試合 フェザー級3回戦

ジャパン・フェザー級3位.海士(ビクトリー/山形県出身37歳/ 57.0kg)9戦6勝3敗
        VS
神田賢吾(北流会君津/千葉県出身28歳/ 57.0kg)17戦6勝(1KO)10敗1分
勝者:神田賢吾 / 判定0-3
主審:勝本剛司
副審:椎名28-29. 少白竜27-30. 西村28-29

海士の勢いが攻勢の印象を残す流れがあったが、神田賢吾の蹴りやパンチで前進する攻防も互角の展開を維持した。第3ラウンドにはパンチの攻防で距離感掴んだ神田が右ストレートでノックダウンを奪って判定勝利を導いた。

海士がやや蹴りで優るも神田賢吾が右ストレートでノックダウンを奪って勝利を導く

◆第5試合 女子54.5kg契約3回戦(2分制)

ミネルヴァ・スーパーフライ級2位.響子JSK(治政館/埼玉県出身38歳/ 54.3kg)
15戦6勝6敗3分
        VS
ミネルヴァ・スーパーバンタム級9位.朱乃(CORE/埼玉県出身31歳/ 54.5kg)5戦3勝2敗
勝者:響子JSK / 判定3-0
主審:少白竜
副審:椎名30-28. 勝本29-28. 西村30-28

蹴りの距離では勢い有る朱乃。前蹴りで響子を突き放すも、組み技に持ち込んだ響子が徐々にヒザ蹴りで優り、攻勢続けた響子が判定勝利。

響子は首相撲に持ち込んでのヒザ蹴りで朱乃の前進を止めた

◆第4試合 78.0kg契約3回戦

白井大也(市原/千葉県市原市出身23歳/ 77.65kg)7戦3勝(1KO)2敗2分
        VS
ラッキー・ティマル(ドージョーシャカリキ/スリランカ出身35歳/ 77.55kg)2戦1勝1敗
勝者:白井大也 / 判定3-0 (29-28. 30-29. 30-28)
主審:西村洋

初回から白井大也が先手打つ蹴りで優っていたが、ラッキー・ティマルの蹴り返す技は空手の経験か、蹴り負けない流れも、白井が優る多彩な蹴りの展開で僅差ながら判定勝利。

白井大也が先手の蹴りでリズム掴んでラッキー・ティマルにチャンス与えず

◆第3試合 JKAアマチュア女子50kg級タイトルマッチ2回戦(2分制延長1分)

田中心結(市原/千葉県出身13歳/ 49.9kg)
        VS
プァンピー・ララ(ラジャサクレックムエタイ/東京都出身15歳/ 49.4kg)
勝者:田中心結 / 優勢旗判定3-0
主審:椎名利一

プァンピー・ララは蹴りで距離を保ちたかったが、田中心結がパンチ連打で攻勢強めた優勢を維持し、蹴り合っても負けない展開で勝利を掴んだ。

女子アマチュア試合は田中心結がパンチの攻勢で優勢判定を勝ち取る

◆第2試合 ウェルター級3回戦

三澤悠太郎(市原/千葉県出身35歳/ 65.6kg)3戦1勝(1KO)1敗1分
        VS
深谷恭介(ラジャサクレックムエタイ/東京都出身31歳/ 66.6kg)1戦1勝(1KO)
勝者:深谷恭介 / TKO 3ラウンド 1分8秒 / タオル投入による棄権
主審:勝本剛司

初回、深谷恭介の左ストレートで三澤悠太郎がノックダウン。しかしすぐに仕留められず間が開くと三澤が回復し、パンチで盛り返しを見せた。第2ラウンドは一進一退。第3ラウンドには深谷の前蹴りで三澤がスタミナ切れのようなノックダウン。その後も蹴られ打たれた三澤に陣営のタオル投入による棄権で深谷がTKO勝利。

初回にノックダウン奪った深谷恭介が手古摺りながらラストラウンドで仕留める

◆第1試合 フェザー級3回戦
 
伊田和樹(市原/千葉県出身22歳/ 57.0kg)1戦1敗
        VS
優太JSK(治政館/埼玉県出身19歳/ 56.8kg)1戦1勝
勝者:優太JSK / 判定0-3 (28-30. 29-30. 29-30)
主審:少白竜

スピーディーに多彩に攻め合った攻防は第3ラウンドにやや攻勢が強まった優太が僅差判定勝利。

《取材戦記》

恒例の市原興行も後楽園ホールでのメインイベンターへの登竜門。来年の市原興行のトリは菊地拓人が務めるか。

コロナ禍を経て4度目のRoad to KING開催となった今回の興行終了後に市原ジムトレーナーの本多幸一氏が「市原興行は不滅です!」と冗談交じりに語られましたが、どこかで聞いたようなキャッチフレーズ。気持ち的にはそうありたい本音でもあるだろう。キックボクシングはマイナーと言われながら60年続き、ムエタイとしても世界に普及してきた競技です。「不滅です!」は長嶋茂雄氏だけでなく沢村忠氏でもありました。

5月11日に治政館ホームページにて、馬渡亮太選手のWMO世界タイトル再挑戦が7月5日と決定した模様です。

前・チャンピオン、オーウェン・ギリス(イギリス)とのタイトルマッチは試合終了時、「馬渡亮太の判定1-2勝利」も、一人のジャッジの集計ミスが問題となって結果が長期保留となっていました。本来は“引分け”となるところを正式に“ノーコンテスト”となった模様で、この試合は無かったものと同様として、オーウェン・ギリスは昨年3月から防衛戦をしていないことになるので、一年以上を経過した現在、王座剥奪となった模様です(オーウェン・ギリスは現在6位)。WMO側は、オーウェン・ギリスは馬渡亮太との試合前日計量で計量失格していることには触れていませんが、。ノーコンテストの結果は計量失格まで無効となるのかは不明である。

7月5日(日)、KICK Insist.27 / WMO世界スーパーフェザー級王座決定戦 5回戦
10位.馬渡亮太(治政館/26歳)vs13位.ワタナー・ウォー・ウラチャー(タイ/25歳)

ワタナーはオーソドックス、サウスポーを自在に使い分ける高い戦術能力を持つ実力派ムエタイファイター(身長175cm)。
タイのトップ興行「ペッティンディー」では常連選手として活躍。近年は主戦場を「ラジャダムナン・ワールド・シリーズ」へ移し、勝率90%を誇る強豪選手として注目を集めている模様(治政館情報)。

次回興行は7月5日(日)に後楽園ホールに於いてKICK Insist.27が開催されます。メインイベントは以上の馬渡亮太。「今度は絶対獲ります!」と力強い宣言しています(市原興行にて)。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」