戦争の長期化は必至 ── 犯罪人プーチンとロシア軍が裁かれる日 横山茂彦

ウクライナ東部・南部での激戦は止みそうにない。一枚、また一枚と、旧ソ連邦の版図を回復し、巨大帝国を復活をめざすプーチン。プーチンの野望は19世紀・20世紀前半の帝政ロシアの復活にほかならない。まさにプーチン大帝の誕生である。だが、その前途は危うい。

東京の山手線圏内と同じ土地面積を持つという、皇帝ウラジーミル・プーチンの大宮殿

◆いまや、第三次世界大戦の覚悟が必要だ

なにしろ相手は、19世紀の帝政ロシア(皇帝)なのだ。ヒトラーと同じく、将軍たちの助言や諫言をものともせず、勝利かしからずんば死か、の道を歩むであろう。ヒトラーが東部戦線で行なった将軍の罷免や更迭が相次いでいるという。

しかるに、ロシアが東部二州および黒海沿岸を制圧してもなお、ウクライナがレコンキスタ(領土回復)を諦めない限り、この戦争は終わらないのだ。欧米が支援をやめないかぎり、ウクライナ人民はロシアに屈服はしないであろう。

その意味では、かつての日中戦争、ベトナム戦争やアフガン戦争のように、数年から10年、いや20年を超える長期戦も考えられる。すでにドンバス戦争(ウクライナ東部2州の内戦)は8年を経ているのだから。

じつは戦争を始めたプーチンにも、もはや止められなくなっているのだ。

戦争は異なる手段を以てする政治の延長である(クラウゼヴィッツ)とともに、憎悪と報復感情を動力にしている。かつて大日本帝国とその国民が、おびただしい戦死者(英霊)に一億玉砕を誓ったように、あるいは90年代のユーゴ内戦でナチス時代の虐殺が蒸し返され、民族浄化の内戦が国土を荒廃させたように、復讐が戦争を継続・再開させるのだ。

プーチンもまた、ウクライナの憎悪を怖れるがゆえに、戦争を止めることができない。

戦争はいっぽうで、究極の内政でもある。戦争が国民を一致団結させ、勝っているうちは政権の求心力がとてつもない威力を発揮する。これは現在のロシアで、プーチンが8割近い支持率を得ていること。ザレンスキー政権がやはり9割近くの支持を得ていることに顕われている。

だが、やがて戦死者が増えて厭戦気分が生まれてくると、戦争指導部(政権)への不信と批判が顕われる。そして戦局の悪化や敗退(降伏によるものではなくても)が政権批判へと結晶するのだ(昭和19年のサイパン失陥による、東条内閣への倒閣運動)。

もしもウクライナ戦争が長期化し、東部二州の完全制圧が果たされないならば、プーチン政権に崩壊の危機が訪れるであろう。そして、オルガリヒの財力を背景に、王朝と化しているプーチン体制が崩壊した後には、彼自身が戦争犯罪人として裁かれる瞬間が待っているのだ。あるいはクーデターや革命による処刑があるかもしれない。

それゆえに、戦局が膠着して「特別軍事行動」に破綻のきざしがあったときに、限定的な核攻撃が行なわれる可能性が高い。

戦犯の裁判もはじまった。

すでに明らかになっているブチャでの虐殺について、ウクライナがロシア軍部隊の兵士たち2000人の履歴や顔写真を公開し、その戦争犯罪を国際法廷に訴追する準備を進めている。それゆえにプーチンは兵士たちの動揺を抑えるために、かれらを英雄として顕彰してきた。

ブチャの事件に関連して、英国が「虐殺に関わった指揮官」と名指しして経済制裁の対象に加えているロシア軍のアザトベク・オムルベコフ中佐を、プーチンは大佐に昇進させてもいる(4月22日)。

ウクライナで非武装の民間人を銃殺したとして訴追されたロシア軍兵士ワディム・シシマリン被告(21)の初公判は、5月13日にウクライナの首都キーウの裁判所で開かれ、23日には求刑通り最高刑となる終身刑の判決を言い渡した。ウクライナがロシアによる戦争犯罪の追及を本格化させる中、初の判決となった。被告の弁護士は判決後、被告は命令に従い、殺意がなかったこと、自ら投降し捜査に協力してきたことが考慮されていないとして上訴する方針を示したという。

さらにウクライナ中部の裁判所は5月31日、民間人の居住地域を砲撃したロシア兵2人に、それぞれ禁錮11年6月を言い渡した。名前も挙げておこう。

アレクサンドル・ボビキン(Alexander Bobykin)、アレクサンドル・イワノフ(Alexander Ivanov)両被告は、ウクライナ侵攻初期に、北東部ハルキウ州の二つの集落に向かってロケット砲を撃ち、「戦争法規違反」で有罪とされたものだ。
ロイター通信によると、ウクライナの検事総長はロシアの戦争犯罪の捜査について「600人以上のロシア人容疑者を特定し、うち約80人の訴追手続きを開始した」と明らかにしたという。ウクライナ検察は戦争犯罪の疑いのある事案を1万4千件以上把握したとしている。

いっぽう、国際刑事裁判所(ICC)などの合同調査チームも、オランダ・ハーグで記者会見した。検事総長は会見で、容疑者には「ロシアの軍幹部、政治家らが含まれる」と述べた。今後も、国際刑事裁判所から派遣された検事の協力のもと、証拠が明白な捕虜(被告)が法廷に引き出されるであろう。

いっぽうで、ロシアもアゾフ大隊の捕虜たちを裁判にかけると明言している。

問題なのは戦争犯罪の責任者・プーチンの罪名であろう。

◆プーチンが裁かれる罪名

それでは、現在までにプーチンの宣戦布告なき戦争、およびジュネーブ条約に定める戦争犯罪(民間人への攻撃・虐殺)で、プーチンが訴追される罪名を確認しておこう。大きく三つの罪名がある。

まず、民間人の攻撃・殺害や民間インフラへの攻撃などが「戦争犯罪」となる。民間人や捕虜への拷問、財産の略奪、ガスや化学兵器などの使用と幅広い。

つぎに「人道に対する犯罪」「ジェノサイド(大量虐殺)」は、ナチスドイツの犯罪に対して用いられた国際法概念で、民族浄化や奴隷化、強制連行など、その態様を立証することで成立する。人種や民族、宗教をもとに集団虐殺が行なわれた場合の、一般の戦争犯罪とは独立した概念となる。

第三には、侵略犯罪である。これは東京裁判で「平和に対する罪」とされたもので、侵略戦争をはじめた指導者に対する罪名ということになる。

この要件で、国際法廷(国際刑事裁判所=ICC)においても、プーチン個人が問われることになるであろう。

◆膨大な証拠

証拠収集は容易である。ロシア軍がアパートや病院、公共広場、庁舎、原子力発電所を含め民間人を襲った証明は、膨大な画像が残されている。ソーシャルメディアは録画の投稿であふれ、攻撃の数分以内のものも時々ある。大虐殺の様子を目の当たりにしているウクライナ人の証言もある。

だがこれらの証拠は、訴追に必要とされる特定の攻撃を特定の個人に結びつけるものではない。そこで米国は、誰に罪があるかの証拠探しを、現地で進めていることを明らかにしている。ブチャで多数の遺体が見つかったのを受け、バイデン大統領は「戦争犯罪の裁判が実際に行われる」ようにするため、「詳細な情報を全て集めなければならない」としている。

記録する画像や写真がほとんどなかった太平洋戦争当時、それでも日本軍兵士は東南アジア現地でBC級戦犯として処刑されている。戦争だから仕方がない、残虐は非道もあるだろうと思いがちな戦場で、しかし戦争犯罪は一つひとつ、精緻に検証されなければならない。すでにウクライナ検察当局はもちろん、ドイツやフランス、カナダ、日本からもの捜査員(検察官)が派遣されて、戦争犯罪の証拠収集に入っている。その責任者であるプーチンを処罰するために。

◆身柄を確保できるかどうかが焦点となる

とはいえ、国際法廷(ICC加盟国であれば、各国の法廷で裁かれる)にプーチンを引き出すには、プーチンが大統領(ロシア連邦元首)を解任され、なおかつ身柄を確保しなければならない。逆に言えば、他国に亡命しても必ず訴追される。

現実的には、ロシアに新しい政権が誕生して、現在の経済制裁を解除する条件と引き換えに、プーチンの身柄を引き渡すということになるだろう。ということは、革命(劇的な政権交代)かロシアの全面的な敗戦がその要件ということになる。ここから先は、その可能性をさぐってみよう。

◆政権崩壊の可能性

ロシアでは大統領府の内部の人間たちがプーチン大統領の後継者を考えていると、ロシアの独立系メディア『メドゥーザ(Meduza)』が報じた。政界のエリートたちはウクライナとの戦争や崩壊しつつある経済に不満を募らせていると、メドゥーザは伝えている。

後継者候補には、モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長やドミトリー・メドヴェージェフ前大統領らの名前が挙がっているという。

プーチン大統領がウクライナ侵攻をめぐって退陣に追い込まれたり、病に倒れた場合に備えて、大統領府の内部の人間たちは密かに後継者候補について話し合っていると、ロシアの独立系メディア『メドゥーザ』は報じている。

この記事を書いているあいだにも、東部での戦線膠着、南部でのウクライナ軍の巻き返しが報じられている。NATO諸国の武器援助、アメリカの武器貸与法による最新型兵器が到着し、ウクライナ軍がそれらの兵器に習熟するのは8月頃だとされている。

そこから先に、数年、十年をこえる戦争がつづくのだとしたら、プーチン後のロシア政局の展望こそが、最大の関心となってくる。かつて、ナチスドイツが東ヨーロッパに侵攻して虐殺のかぎりを尽くしたとき、戦争犯罪という国際社会の警告が蛮行を止めた歴史がある。プーチンが最も怖れているのは、アメリカの最新兵器ではなく、みずからの政権崩壊と訴追であろう。だからこそ敗北を怖れて戦争継続をするのか、破滅を回避するために停戦に踏み切るのか。独裁者にも進退が問われている。

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

参院選広島予定候補の中村たかえさん「ヒロシマの心を国会へ」 さとうしゅういち

6月1日(水)、参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(日本共産党新人、参院選広島[改選数2]での唯一の原則的護憲かつ脱原発派候補)の事務所開きが日本共産党広島県委員会ちかくのYMCA2号館の地下で行われました。れいわ新選組所属の筆者も選挙区では中村たかえさんを応援する立場で参加しました。参加された方はマスコミ各社にくわえて、わたしがよく存じている日本共産党員・支持者の方がほとんどでした。

中村たかえさんは広島うまれ、広島そだちの36歳。広島修道大学ご卒業後、医療機関の事務で仕事をへて、青年団体の幹部を務められました。県知事選挙2021で選挙に初挑戦。現職のオール与党の知事・湯崎英彦さんに果敢に挑まれました。その度胸に筆者は舌を巻きました。ちなみに中村たかえさんと筆者とは20年近い知り合いです。

比例区候補の仁比そうへい弁護士

◆応援弁士から激励と決意

最初に比例区候補の仁比そうへい弁護士があいさつ。仁比弁護士は参院選2019で惜敗。今回の参院選での議席奪還を目指します。

アメリカによる核をふくむ拡大抑止戦略を受け入れつづけ、大軍拡を進める岸田総理に「何が広島出身なのか?」と憤りを示しました。そのうえで、軍拡に反対し、くらしにやさしい経済を進めると決意を表明されました。筆者は参院選比例区はれいわ新選組を党員(会員)としてバックアップしますので投票はできません。しかし、西日本大水害2018の復旧復興などで地元がおせわになった議員でもあり、是非ともかえりざいて欲しいと祈っています。

つづいて、日本共産党県後援会の尾野進さん、女性後援会の望月みはるさん、労働者後援会の神部やすしさん、また、青年後援会からも激励のことばがありました。

神部さんからは、栃木県の中村さんのファンという方から電話をいただいたことが紹介され、全国に中村さんが知られていることをうかがい知ることができました。
大平よしのぶ元衆院議員からは、中村さんらとともに、政府交渉にのぞんだときに出された県内の学生や保育士、中小企業者の窮状について紹介がありました。

県内の私立大学に通学する学生は両親に障害があって世話をするために親元から高速バスで通っているそうです。こうした状況についてコメントを求められた文部科学省の担当者は黙るしかなかったそうです。

鉄筋業者は毎月2%ずつ仕入れ価格があがっているのに、それを元請けに十分に転嫁できておらず、「どこまでがんばればいいのか?」と訴えたそうです。

◆自信に満ちあふれた本人あいさつ

中村たかえ予定候補本人が最後にあいさつ。中村さんは岸田政権がロシアのウクライナ侵略に乗じて自民や維新が憲法を変えようとしていると批判。「9条に基づいて外交を行う」こと、核兵器の脅威を取り除くために「核兵器禁止条約にはすみやかに参加する」ことを強調しました。

「平和の流れを発展させるのが日本の、広島出身の政治家には必要だ。」と指摘。「広島うまれの広島そだち、被爆者や若者と一緒に署名をあつめて国連に届けてきた自分こそ、ヒロシマの心を国会へ送るのにふさわしい。」と自信に満ちあふれた雰囲気で決意を表明しました。

そして、暮らしについて、「学費が高く自分の健康も削っている。政治が向き合わなくていいのか?」という学生。「0歳児を抱えて大変だが、お年寄り向けのサービスをけずってほしいわけではない。全ての世代が幸せになる社会を」という女性。「原材料値上げで手取りが目減りするいっぽう」という業者。こういう過酷な状態をおこしたのは、アベノミクスと自民党政治だと断じました。

その上で日本共産党がかかげる消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止、全国一律の1500円の最低賃金、学費は半減(れいわは無料化)、年金引き下げ中止、医療費負担増中止、男女賃金格差是正などを紹介。こうした政策は自民党でも補完勢力でもできない、と訴えました。

そして、改めて、「元首相(安倍晋三さん)らが核共有をさけぶなか、被爆3世として、被爆者のねがいをどうしても届けたい、国会へおくってほしい」ともう一度強調しました。


◎[参考動画]参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(さとうしゅういちも応援) 事務所びらきでの決意表明

◆自民党と補完勢力による広島の2議席独占は石にかじりついても避ける

参院選広島2022予定候補の中村たかえさん(左)と筆者

筆者は参院選比例区ではもちろん、れいわ新選組を取り組みます。それとともに、広島県選挙区では原発推進・憲法改悪推進・軍備拡大推進の自民党の世襲財務官僚出身の男性現職および、自民党の補完勢力(国民民主党、連合の芳野会長、広島の場合は立憲民主党所属の現職参院議員もスタンスが危うい)が推す女性タレント新人による広島の2議席独占を石にかじりついても避ける構えです。そのようなことになれば、いくら超保守王国とはいえども、被爆地である広島の恥です。

なお、日本共産党さんと、筆者およびれいわ新選組の間では、財政出動について意見の相違はあります。れいわ新選組は超大金持ち・超大手企業への増税は否定しませんが財政出動論です。これに対して共産党さんは、財政出動に慎重です。

ただ、共産党さんの消費税減税(れいわは廃止)、インボイス中止などの方向性は共有しています。いまは憲法を変えるのではなく憲法をいかせ、というのも同じですし、核兵器禁止条約加入推進についても同じです。岸田政権の大軍拡に反対し、ねばりつよい外交努力を追求する点も一緒です。原発ゼロももちろん同じです。

筆者も参院選広島2022への立候補準備は進めてきました。しかし、このままでは間違いなく、自民党の世襲高級官僚現職と国民や連合の芳野会長が推すタレントが楽勝になってしまうところでした。

こうした情勢を受けて、5月下旬に筆者は参院選広島2022への立候補準備を中断、立候補を見送り、中村たかえさん支持を表明し、護憲・脱原発派一本化を図っています。憲法に緊急事態条項が加わったり、原発事故がまたおきたりしたら、財政出動をふくむれいわ新選組の政策を実現する以前の問題になってしまうからです。
(※拙稿参照 http://www.rokusaisha.com/blog.php?p=43051) 

すでに比例区のれいわ新選組を意識した県内各地の街宣の中で、筆者は自民、維新、国民が推進する大軍拡路線や改憲を厳しく批判しています。その上で憲法25条をとくにいかす視点でれいわ新選組を比例区で取り組むとともに、核兵器にも原発にも反対する「ヒロシマの心」実現へ選挙区では中村たかえさんを押し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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大津市民病院の新理事長に滋賀医科大の河内明宏教授、就任の経緯は迷宮の中、大津地検への書類送検など懸念される経歴 黒薮哲哉

滋賀県大津市は、大津市民病院の新理事長に、滋賀医科大泌尿器科長の河内明宏教授(63)を内定した。同病院では、今年の2月ごろから次々と医師が退職に追い込まれる事態が続いている。

 
理事長内定を報じたNHKの記事。滋賀医科大事件と河内教授のかかわりには一切踏み込んでいない

『京都新聞』(6月6日)によると、「これまでに京都大から派遣された」「医師ら計22人が退職意向、またはすでに退職したことが明らかになっている」。自主退職なのか、退職強要なのかは不明だが、大津市民病院から京都大学人脈を排除する意図があるとする見方もある。

現理事長の北脇城氏は、「女性ホルモンの研究と手術にあこがれて産婦人科医を志した」経歴の持ち主である。京都府立医科大の出身で、新理事長の河内医師とは同門である。

わたしは大津市の地域医療政策課に、今回の理事長人選の経緯を問い合わせた。これに対して副参事の職員は、次のように回答した。

「選任の経緯を記録した文書は存在しません。選任にあたり会議は開いていません」

誰かが独断で、河内医師を新理事長に決めた公算が高い。

◆岡本メソッドをめぐる滋賀医科大の攻防

わたしは2019年の冬から秋にかけて、滋賀医科大病院を舞台とするある事件を取材した。河内医師の名前を知ったのは、事件の関係資料を読んでいるときだった。事件のキーパーソンとして何度も「河内」に赤マーカーを付けた。河内医師の部下である成田充弘医師にも、赤マーカーを付けた。この師弟は後日、大津地裁の民事法廷に立たされることになる。河内医師は、患者からの刑事告発で書類送検もされている。

事件は、2014年にさかのぼる。放射性医薬品の開発・販売会社であるNMP社は、滋賀医科大に、小線源治療の寄付講座を設置したいと打診した。小線源治療は、前立腺がんに対する治療法のひとつである。放射性物質を包み込んだシード線源と呼ばれるカプセルを前立腺に埋め込んで、そこから放出される放射線でがん細胞を死滅させる治療法だ。1970年代に米国で始まった。その後、改良を重ねて日本でも今世紀に入るころから実施されるようになった。さらに滋賀医科大の岡本圭生医師がそれを進化させ「岡本メソッド」と呼ばれる高度な小線源治療を確立した。NMP社は、岡本メソッドに着目したのである。

【参考記事】前立腺がん、手術後の非再発率99%の小線源治療、画期的な「岡本メソッド」確立(ビジネスジャーナル)

NMP社は、寄付講座を泌尿器科から完全に独立させた形で運営することを希望していた。と、言うのも河内医師を科長とする泌尿器科は、ダビンチ手術に重点を置いていたからだ。医療技術の開発という寄付講座の性質上、縦の人間関係はむしろ障害になる。

NMP社は、岡本医師をリーダーとする体制を希望していた。塩田浩平学長もそれを承諾していた。

ところがこの方向性に難色を示した人物がいた。それが泌尿器科長の河内医師だった。しかし、河内教授の意向は受け入れられず、2015年1月に岡本医師を最高責任者として寄付講座が動き始めた。岡本医師は、泌尿器科から除籍となり、寄付講座の特任教授に就任した。滋賀医科大は、日本における小線源治療の本拠地を目指す構想をスターさせたのである。

だだ、塩田学長は、河内医師の心情にも配慮して、同医師を寄付講座の兼任教授に任命した。円満な大学運営を希望した結果のようだ。

 
大津市郊外にある滋賀医科大付属病院

◆同じ病院で小線源治療の窓口が2つに

河内教授は、自分の手腕で寄付講座を主導できないことがはっきりすると、新たな動きに出た。寄付講座の「岡本外来」とは別に、泌尿器科に小線源治療の窓口を設置したのだ。その結果、同じ病院内に小線源治療の窓口が2つ存在する状況が生まれたのだ。病院が来院患者にそのことを説明した上で、患者が窓口を選択する制度であれば医療倫理上の問題はないが、病院はそのような措置を取らなかった。

そのために窓口が2つになってから1年の間に、23人の患者が、秘密裡に泌尿器科の小線源治療に誘導された。その中には、手術は岡本医師が担当すると勘違いしていた人も含まれていた。

しかし、泌尿器科には小線源治療の専門医がひとりもいない。そこで河内教授は、部下の成田准教授に患者を担当させた。成田医師の専門はダビンチ手術で、小線源治療の経験はなかった。

成田医師は、シード線源を「第1号患者」の前立腺に挿入する手術の直前になって、岡本医師に支援を求めてきた。河内医師も、岡本医師に向かって成田医師を補助するように命じた。岡本医師は、この命令には従わずに、手術そのものを中止するように強く進言した。未経験の成田医師の施術が医療事故につながるリスクがあったからだ。

さらに岡本医師は、塩田学長に泌尿器科の小線源治療で患者が手術訓練に使われかねない事態が起きていることをメールで知らせた。

翌日、岡本医師は塩田学長から2通の返信メールを受け取った。

「(9:15分)先生からいただいた内容は、松末院長、村田教授にも知らせてあります。先生にはストレスがかかっていると心配しますが、必要以上に悩まれないようにしてください。山田(注:仮名)先生からも、心配してメールをいただいています。」

「(18:45分)今日、私は外出していましたので、私の懸念を伝えて、松末病院長に河内教授と話してもらいました。その報告を先程うけましたが、「泌尿器科は小線源治療には関わらない」ことで話がついた、とのことです。寄付講座の位置付けをはっきりさせること、現在泌尿器科に予約している患者への説明をいつするか、などについて、年明けに詳しく相談します。」

◆モルモットにされかけた23人の患者

泌尿器科による小線源治療が中止になったあと、泌尿器科に誘導された患者を岡本医師が担当することになった。被害者は23人。岡本医師が診察したところ、すさんな医療措置を施されていた事例が浮上した。たとえばシード線源を前立腺に挿入する手術の前段で、不要なホルモン療法を受けさせられた患者が見つかった。ホルモン療法により前立腺が委縮し過ぎて、手術するためには、もとの状態に戻るのを待つ必要が生じたのだ。

また、直腸がんの病歴があったために、もともと手術の適用ができない患者を通院させていた事実も明らかになった。この患者は、片道3時間の距離を8か月間、通院した。

被害にあった患者らは、患者会を結成して病院に抗議した。病院は医療過誤をもみ消そうとしたが、被害者らは謝罪を求め続けた。岡本医師は病院と患者の板挟みになったが、患者に寄り添う姿勢を示した。病院当局に対して被害者らに謝罪するように進言したのである。

このころから岡本医師と大学病院の間で亀裂が生じ始めていたようだ。病院にとって、患者会と岡本医師は、威風になびかない目障りな存在となったのだろう。2017年12月末をもって、寄付講座を終了すると一方的に宣言した。それに伴い手術後の経過観察のために通院していた患者らは、診療予約が取れなくなった。手術の順番を待っていた待機患者は、行き場を失った。あまりにも混乱の広がりが大きかったので、病院は寄付講座の終了時期を2019年12月末までの2年間延長した。ただし、手術はその半年前で終了とした。

岡本医師は、寄付講座が終了すれば失職する。寄付講座が始まった時点から所属が滋賀医科大ではなく、NMP社の寄付講座になっていたので、寄付講座が閉鎖されれば、どの組織とも雇用関係がなくなる。「岡本メソッド」消滅の赤信号が点滅し始めたのである。

◆カルテの不正閲覧から私文書偽造まで汚点の山

大学病院の強硬な姿勢に対して岡本医師の患者らは、反発を強めた。泌尿器科に囲いこまれた4人の被害患者が、河内医師と成田医師に対して説明義務違反を理由に損害賠償を求める裁判を起こした。同時に、患者会は寄付講座の存続を求める運動を本格化させた。JR大津駅のロータリーや滋賀医科大病院前で幟を立て街宣活動や署名活動を展開するようになった。

マスコミも徐々にこの事件を報じるようになり、滋賀医大は医療事件の表舞台へ浮上してきたのである。

こうした情況の中で大学病院は、岡本メソッドを誹謗中傷する方向へ走る。それは同時に、患者らが起こした裁判の抗弁対策だった可能性もある。

たとえば岡本医師がこれまで治療した1000人を超える患者のカルテ(電子)を閲覧して、医療ミスを探そうと試みた。この策略が取られていること分かったのは、カルテに閲覧歴が残っていたからだ。そいう電子カルテはそういうシステムになっているのだ。

閲覧者の中には、河内教授や成田准教授の名前は言うまでなく、病院の事務スタッフの名前もあった。彼らは、深夜や休日にも閲覧作業を行っていた。

しかし、法的な観点から言えば、カルテ閲覧に際しては、患者本人の承諾を得なければなれない。主治医は別として、第三者が勝手にカルテを閲覧することは禁じられている。しかも、「疑惑」がありそうなカルテ何通かを、病院外の医療関係者に送付して意見を求めていたのである。

また、病院が患者に対する記入調査を実施した際に所定の手続を取っていなかったことも分かった。この記入調査は、米国のFACT協会が版権を持つ「FACT-P」と呼ばれる前立腺患者を対象としたものである。患者会によると、病院はこの記入調査を寄付講座が始まった直後から、約3年に渡って実施していた。

しかし、実施に際しては、患者に対して事前説明を行い、同意を得なければならない。ところが患者らは、入院時と退院時に一種の義務のように記入を求められたという。

この点に関して患者のひとりが、河内医師に対して書面で問い合わせたところ回答があった。河内医師は、「記入していただいた調査票はカルテより削除させていただきます。以後、このようなことのないように各部署に徹底をいたします」と謝罪した。これを受けて、23名の患者が、病院に対して自分の調査票の開示を求めた。その結果、「退院時のものについては、23名全て、自署ではなく、他人が記名」(患者会のプレスリリース)していたことが分かった。また、「5名については、退院時調査票に、本人の考えとは異なることが記載されていた」ことが分かった。

このようなかたちで記入調査が実施された時期が、寄付講座が進んでいた時期と一致しているので、「患者は岡本医師の治療に満足していない」という証拠を集めることが目的だった可能性もある。

情報公開請求をした患者のうち5人が、この件を被疑者不詳で大津警察署に刑事告発した。罪名は私文書偽造だった。

大津警察署はこの事件を捜査した後、地検へ書類送検した。ところが不思議なことに地検から呼び出されて取り調べを受けたのは派遣会社の社員と非常勤の看護師だった。泌尿器科長の河内医師は何の責任も問われなかった。「被疑者不詳」で告訴したために、このような展開になった可能性が高い。

 
事件の全容は、『名医の追放』(黒薮哲哉著、緑風出版)に記録されている

◆滋賀医科大から大津市民病院へ

大津市民病院の理事長に内定した河内医師は、滋賀医科大で起きた事件の中枢にいた。河内医師と成田医師を被告とした裁判は、原告患者の訴えが棄却されたが、判決は成田医師について「訴訟態度に影響された供述態度は、真摯に事実を述べる姿勢に欠けるものとして、その信用性全体を減殺する」と認定するなど、原告の主張をかなり認定した。岡本医師による「医療ミス」もまったく認定しなかった。

詳細には踏み込まないが、判決は河内医師が「岡本」の三文判を使って、文書を偽造したことも認定した。

原告の井戸謙一弁護士によると、原告敗訴の理由は、裁判所が「医師の説明義務の範囲を狭く限定」したことである。

岡本医師は2019年の12月末に滋賀医科大を離れた。その後、宇治病院(京都府宇治市)へ移籍し、1年半の準備期間を経て、2021年8月から小線源治療を再開した。岡本メソッドが蘇ったのである。

大津市は、河内医師が理事長に内定した経緯を調査すべきではないか。とりわけ滋賀医科大事件のグレーソーンは、再検証しなければならない。大津市民病院の理事長ポストをめぐる京都府立医科大の同門同士のタスキリレーも検証する必要がある。それはまたジャーナリズムの役割でもある。

※滋賀医科大事件については、拙著『名医の追放』に詳しい。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』

20万人の声を無視するな! 庶民のお金でカジノを呼ぶな! 維新が進める嘘とはったりの大阪カジノ構想は住民投票で決着を! 尾崎美代子

大阪府と大阪市が大阪湾の人工島「夢洲」に誘致を計画しているカジノを含む統合型リゾ─ト施設(IR)の是非を問う住民投票を求める署名が6月6日、各市町村の選挙管理委員会に提出された。

6月6日府内の市区町村で一斉に署名が提出された。写真は午後1時30分、西成区役所選挙管理委員会で

地方自治法によれば、府内有権者の50分の1以上の署名数が集まれば、知事は住民投票条例の制定を府議会に求めなくてはならない。署名活動を行った市民団体によれば、3月25日から5月25日までに集まった署名は、必要法定数約14万6500筆を大きく上回る20万8552筆に達したという。

今後、選挙管理委員会の審査で署名が「有効」と認められれば、吉村知事は住民投票実施の条例案を府議会に提出しなければならない。

しかし、吉村知事は6日の会見で「大阪のIRについては、公募をして事業者が決定しているし、府議会でも議論を行い、誘致することを議決している。住民投票を行う必要はないと考えているが、反対派の意見も聞いて進めていくことが重要だ」などと発言した。

都構想では、税金100億円を投入した住民投票を、2度も実施してきたくせに、カジノの是非には住民の声は必要なしと、いとも簡単に切り捨てるようとする大阪維新の態度に、「20万人」は黙っていないだろう。


◎[参考動画]【集まった署名“20万”筆】大阪・IR事業“カジノ”是非の住民投票求め署名を提出 吉村知事「今の時点で住民投票は必要ない」「依存症対策を正面から対応していく」(ABCテレビニュース 2022年6月6日)

◆嘘とはったりの大阪カジノ構想

吉村知事がいうように、大阪府は議会で可決した「区域整備計画」を4月、国に申請し、受理されている。しかし、それまでの経緯には、不透明かつ不当な問題が山積していた。筆者も、地元・西成区の受任者となり、署名活動を行ったり、桜田照雄・阪南大教授、原口剛・神戸大准教授を招いて学習会を行ってきた。2人の講師から、カジノの様々な問題点を学び、その場で受任者になった人も多かった。私の住む西成区で進む「西成特区構想」と同様、カジノ構想も、一部の維新に繋がる人たちなどが利権を貪る構想だとの思いが一層強まった。

松井市長は「カジノには税金を一切使いません」(2016年12月)、「事業者がお金を払って建ててくれる。府は家賃を貰うだけ」(20年10月23日)、吉村知事は「IRは民接民営事業なので、公でお金をだすものではない」(2021年7月21日)などと、「税金は一切使わない」としていたが、昨年12月、夢洲の土壌改良対策に約800億円の税金を投入することが判明、しかも、今後、液状化、地盤沈下対策費用は青天井に膨らむと予測されるのだ。

署名を開始した当初は「カジノ?」と、その計画すら知らない人が多かった。それだけ、こっそり進められてきたからだ。折り返し地点の4月25日、西成区民センタ─で開催された「受任者パワ─アップの集い」で、議会で計画を否決させた和歌山で署名活動を行った人たちから、「和歌山ではすぐにメディアが動いてくれたことが大きな勝因のひとつ」とお聞きし、メディアが全く動かない大阪では無理かもと悲観した。

「庶民のお金でカジノを呼ぶな」

しかし、その後事態は大きく動き出した。「あんたら、パチンコ屋にも反対せえや」などと言われ「いや、パチンコ屋はパチンコ業者が出資してますが、何故私らの税金使って博打場作るんですか?」となり、「税金使うんか?」「ええ、一人当たりにしたら約10万ですわ」「10万円だったら給付金に回して欲しいわ」などの声も上がった。

「秋には決まると吉村がテレビで言うてたで?」「決めるのは吉村ではない、国ですよ」。「海外の金持ちが来て、どーんと使ってくれるがな?」「ターゲットは日本人。しかも、世界中のビップ客を連れてくる『ジャンケット業者』は日本のカジノに入れません」「まあ、でもいつかは儲かるんやろ?」「ええ、黒字になるのは54年後ですが…」等々、あちこちで議論が深まった。

桜田教授が仰る通り、カジノ構想が具体性を帯びるなか、次々と湧き上がる疑問を解くうちに、誰の目にも嘘とはったりの大阪カジノはアカンとわかってきた。そして「カジノで大阪がつぶれる」がオ─バ─な表現でもハッタリでないことも。

西成の三角公園での炊き出しのあと、次から次へと署名する労働者

◆詭弁、すり替えで必死の吉村・松井に、更なるパンチを!

20万人の署名が集まったことを受けて、吉村知事はこう語った。「誘致するかどうかの住民投票をする必要はないと思いますが、反対派の意見を聞いて進めていくことが重要だと思っています。反対派の方の意見の中心的なところは依存症対策のところだと思います。なのでこの依存症対策について正面から対応していく」。

吉村知事のいうように、依存症対策は重要だ。1人の依存症患者の周囲には約6名の犠牲者が生まれるという。この依存症対策費用及び依存症患者が生む社会的損失の大きさを考えても、カジノは辞めるべきだ。しかも、決めるのは吉村知事、アンタではない、認可するかどうかを決める国(国土交通省)だ。

その国土交通省に、6月2日、「カジノに反対する大阪連絡会」のメンバ─らが、「カジノ誘致計画を認可するな」と申し入れを行った。「大阪のカジノ申請には住民合意がない」「認定計画の経済効果は過大ではないか」「ギャンブル依存症の発症2%だというカジノ事業者の発言は重大」「夢洲は集客施設を建設できる場所ではない」などの問題点を指摘したという。

同じ6月2日、署名活動の拠点となったタ─ネンビルで、担当者会議が行われた。筆者は、参加できなかったが、参加した仲間によれば、約2時間、20万筆署名を獲得した人たちの多くの意見が途切れることなく語られたうえで、今後の取り組みについて説明がなされたという。

「カジノ住民投票条例制定直接請求権署名運動」は「第2段階」に突入した。多くのメディアは、維新が多数を占める「府議会では否決される」と予測するが、「否決される」ではない、制定させるためにどうするかだ。

そのために、今後は、
①20万筆の住民投票を求める大阪府民の声を無駄にせず、必ず大阪府議会で条例案を可決させる運動、カジノ誘致を撤回させる運動を作っていこう!
②大阪府内72市区町村を結び府民が主体的に参加する、これまでの大阪にない新しい運動、新しく作り出した大阪府民のつながりをより強く、大きく発展させ、大阪府政、各自治体を包囲する大きな世論形成を進めていく、更なる府民参加を作り出そうなどが確認された。

そして参議院選挙公示前の6月19日(日)、中間総括を明らかにし、今後の方針を打ち出す「スタ─トアップ集会」(仮称)が予定されている。

日時・場所 6月19日(日)大阪市立生野区民ホ─ル(650名)13:00~15:00 
お問い合わせ カジノの是非は府民が決める住民投票をもとめる会
〒540-0012 大阪市中央区谷町2-3-1 タ─ネンビルNo.2・2階
(事務所開館は特別な場合を除き13時~18時)
電話:06-6585-0258 FAX:06-6585-0259

最終日5月25日、あべのキューズモール前署名ステーションでの決戦

▼尾崎美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

【更に続報!】鹿砦社を「反社出版社」とか「極左崩れの企業ゴロ」と再三誹謗中傷したツイッターアカウント「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧!(@LenyIza)」が鈴木伸哉本人だという動かぬ証拠を実名で証言! 大学院生リンチ事件の隠蔽-被害者M君へのセカンド・リンチを続けた、しばき隊最悪質人物=鈴木伸哉の醜い言い逃れを許さない! 鹿砦社特別取材班

前回本通信で鈴木伸哉との会話を公表した。鈴木は重ねて「自分とは関係ない」、「この書き込みが自分のものであると証明しろ」と繰り返した。取材班キャップ田所は、情報の出所がリンチ被害者M君であり、それ故、鈴木の会社だけではなく、携帯電話の番号や自宅住所も知りえたし、アカウントについても同様であると「証明」した。それでも鈴木はひたすら「証明しろ」、「証明しろ」を繰り返したので、本日は「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」が鈴木のアカウントであることを、言葉ではなく過去の関係人物とのやり取りを示すことにより、誰の目にもわかるように再度「証明」する(本来このような無益な作業は不要と考えるが、鈴木が要求するので仕方なく時間を割く)。

以下はかつてカウンターであったが、リンチ事件を契機にカウンターの手法に疑問を持ち、現在は距離を置いている三輪吾郎さんからご提供いただいた情報である。実名で勇気ある「証明」を行っていただいた三輪さんに感謝したい。

まず紹介するのは、あるイベントで作成したチラシが余ったため、大阪市内居住の三輪さんが鈴木の会社まで残部を送付した際のやり取りだ。

三輪さんの自宅から鈴木の会社へ宅急便を送る相談がなされていることがわかる。この時期2人の間には、何のわだかまりもなく、むしろ一定の信頼関係があったと、このやり取りからは推認される。ところがM君リンチ事件後、鈴木の態度は一変し、三輪さんとも以下のやり取りを残している。

三輪さんと鈴木がこの時点ではもう決裂しており、鈴木が「神戸の時に俺の電話番号教えたよな?」と凄んでいる。が、実はそれ以前に鈴木は三輪さんに自分の名刺を渡し、会社の住所などを教えていたのだ。でなければ、最初に紹介した荷物の送付を行えない。

さて、鈴木は自らと自らの勤務先を限りなく特定させる書き込みをいくつも残している。

鈴木の勤務する会社はホームページによれば、1996年の設立であり、この書き込みと符合する。

そして今は敢えて名前は出さないが、鈴木は自身の勤務する会社の名前が判明する書き込みを複数行っている。

ここで鈴木が名前を挙げている会社と鈴木が勤務する会社が隣接していることは、Googleストリートビューではっきり目視できるので、関心がおありの方はご確認を。

ちなみに、これら書き込みは鈴木自身の手によるもの(誰でも見ることができる公開情報)であり、それを取材班のサイバー班が保存したものである。そして、

と鈴木は前職が大和証券であることを明かしている。土井定包氏は大和証券の会長を務めた人物である。

さらに、リンチ被害者M君ともかなり懇意な時期があり、以下の書き込みが残っている。

写っているのは、リンチ被害者M君で、「普段、硬派っぽい人ほど甘いものが好きな気がする。まっ、自分も好きやけど…*それにしても、めっちゃ嬉しそうな」とまるで恋人同士かと勘違いしそうなコメントを添えている。

その後、李信恵らによる集団リンチ事件によって鈴木と被害者M君の仲が決裂した後、この写真をコラージュした卑劣かつ非人間的が画像も何者かから発信されている(リンチ関連本第5弾『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアに掲載)。これが鈴木によるものとの噂があり、このことについても「警告書」では真偽のほどを鈴木に求めている。回答がないが、「関係ない」と言うのなら、そう回答すればいいではないか?

もうこれ以上の言葉は必要あるまい。鈴木伸哉がツイッターアカウント「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」の発信者であることに争いはないだろう。

鹿砦社は金銭保証を求めているわけではない。前回警告した通り、鈴木が、「leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」というアカウントがみずからのものと潔く認め、誠実な謝罪をすれば、これ以上の追及や、鈴木が電話で自ら求めた「裁判所」などに持ち込むつもりはない。

だが、本日が最終期限である。本日23:59までに、鹿砦社代表・松岡宛メール(matsuoka@rokusaisha.com)、あるいは書面(ファックス0798-49-5309)、そのほか形のある方法で鹿砦社に謝罪の意を明らかにするように要求する。これは本当の最後通告である。

《関連過去記事カテゴリー》
 しばき隊リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

季節2022年夏号刊行にあたって 季節編集委員会

6月に入りました。もうじき暑い季節がやって来ます。

被災された方々、意に反し故郷を離れざるを得なかった方々、また脱(反)原発運動に関わる皆様には大変な季節です。

さて、前号より『NO NUKES voice』を改題、全面リニューアルし『季節』として再出発いたしました。多くの皆様方にご支援いただき、まずまずの船出でした。ありがとうございました。

本誌は(2014年8月の旧『NO NUKES voice』)創刊から8年近くが経ちました。同時に2011年3・11から11年余りが経ちました。

前号でも触れ繰り返しになりますが、2014年の創刊のころ鹿砦社はイケイケの時で、本誌の前身『NO NUKES voice』も、僭越な言い方ですが、いわば勢いで創刊いたしました。

しかし、創刊したのはいいとしても、以後1号たりとも黒字にならず赤字を重ね、加えて昨今の新型コロナ禍による打撃は想定以上に大きく昨年末には廃刊の危機に追い込まれました。そうした情況下、小出裕章さん、樋口英明さん、井戸謙一さんらの物心両面にわたるご支援と叱咤激励は、私たちに勇気を与え奮起せざるをえない闘志を惹起させました。
 
改題・リニューアルした『季節』の前途は荒海です。しかし私たちは、被災された方々、故郷を追われた皆様方に寄り添い(皆様のご苦労に比べればなんのことはありません)、なにがなんでも寄稿者や読者の皆様方と共に乗り切ってまいります! あらためて、今後ともよろしくお願い申し上げます。定期購読(前倒し更新、複数年)、書籍や本誌バックナンバーなどの直販、取材活動を支える賛助会員などでご支援ください。

一時は弱気になっていましたが、あらためて本誌を継続させる決意を表明させていただきます。

末筆ながら、コロナ禍長期化と、予想される猛暑、皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

2022年6月
季節編集委員会代表兼編集長 小島 卓
株式会社鹿砦社 代表取締役 松岡利康

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
季節 2022年夏号
紙の爆弾2022年7月増刊(NO NUKES voice改題 通巻32号)

2022年6月13日発売開始
A5判 132頁(巻頭カラー4頁+本文128頁)
定価 770円(本体700円+税)

[表紙とグラビア](写真・文=おしどりマコ&ケン
《福島第一原発・現場の真実 第2弾》事故後11年、構内劣化が止まらない

樋口英明(元裁判官)
ロシアのウクライナ侵攻と原発問題

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
放射能汚染の環境基準とハザードマップの作成を
《講演①》戦争と原発 ── ウクライナから考える
《講演②》「四〇年で廃炉」のデタラメと無責任 福島の放射能汚染と原発の後始末

「脱原発をめざす首長会議」発足10周年記国際シンポジウム
ドイツ脱原発への歩みと日本の十一年
《講演》菅 直人(衆議院議員、元内閣総理大臣)
〈核の共有〉でなく〈農と太陽の共有〉を!
《開会の辞》桜井勝延(元南相馬市長)
事故から十一年経った現実
《講演》ユルゲン・トリッティン
(ドイツ連邦議会議員、「同盟90・緑の党」会派所属、元環境・自然保護・原子力安全大臣)
ドイツ脱原発への歩み
《講演》飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
この十一年間で起きた三つの世界史的な出来事
《質疑・討論》先崎千尋(元瓜連町長)×桜井勝延(元南相馬市長)
×田中全(元四万十市長)×村上達也(元東海村長)
太陽光発電は自然破壊の原因になっているのではないか?

《対談》鎌田 慧×鴨下全生
未来に向けて真実を!
《講演》鴨下全生(大学生)
福島から東京へ 十九歳が問う原発事故 
《講演》鎌田 慧(ルポライター)
僕が原発に反対する理由

おしどりマコ(漫才師/記者)
私は広瀬隆氏の「地球温暖化説はデマである」を支持しません

尾崎美代子(西成「集い処はな」店主)
《関係者証言録公開》もんじゅ職員不審死事件
元動燃職員・西村成生さんは「自殺」していなかった!

森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
逃げずに火を消せ お国のために
「避難」は「権利」だと考えたことはありますか?

伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「汚染水海洋排出」は可能なのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
福島第一原発からの「汚染水海洋放出」に反対する

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
ロシアのウクライナ侵略と原発

板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら昭和のプロレスなのか?

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈16〉
核による人類滅亡を目の前にしながら子孫を残すことができるのか

再稼働阻止全国ネットワーク
《北海道》瀬尾英幸(北海道泊村在住)
《新潟》山田和秋(なの花会)
《トリチウム》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東海第二》相沢一正(脱原発とうかい塾)
《東海第二》志田文宏(東海第二原発いらない首都圏ネットワーク)
《首都圏》柳田 真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎)
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店合同抗議実行委員会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《鹿児島》江田忠雄(蓬莱塾)
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発情報誌『季節』を応援しています!

波賀宙也、接戦の厚い壁、ムエタイ世界王座防衛成らず! 堀田春樹

初防衛に成功した洋輔YAMATOは上位王座WBCムエタイ日本王座挑戦を希望

波賀宙也がローキックでペットーンを苦しめるも“接戦の厚い壁”に阻まれる。

ルイも積極的展開を見せながら、ザ・スター・シッチョーの巧みさにポイントを持っていかれた敗戦。

洋輔YAMATOがしぶとい野津良太をTKOに下しNJKF王座初防衛。

シングルマザー、NA☆NAが昨年10月に引分けたIMARIと接戦の末、王座獲得。

嵐が吏亜夢の長身からくる距離感で苦戦も終了間近、パンチの打ち合いに持ち込みノックダウンを奪う執念の勝利。

この日、ノンタイトル戦で杉山空と引分けたチャンピオンの優心と、挑戦権を奪った嵐が並んでタイトルマッチへのコメントを述べるも、嵐の力強さが優ったアピール。

◎NJKF 2022.2nd / 6月5日(日)後楽園ホール17:30~21:50
主催:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF) / 認定:IBFムエタイ、NJKF

《プロ公式戦10試合》

◆第10試合 IBムエタイF世界ジュニアフェザー級タイトルマッチ 5回戦

Champion.波賀宙也(立川KBA/55.3kg)vs ペットーン・ギャッソンリット(タイ/55.33kg)
勝者:ペットーン・ギャッソンリット / 判定0-3
主審:スントーン・シーブラー(タイ)
副審:サノン(タイ)48-49. ソムサック(タイ)48-49. 宮本和俊(日本)48-49

ペットーンのミドルキックと波賀宙也のパンチが交錯

ペットーンは、タイ国ノンタブリー県ジットムアンノンスタジアム(オートーコー市場)認定フェザー級チャンピオン。オートーコー市場はタイ農業共同組合生鮮市場の一つ。

リングネームは「ペットング・ゲッソンリット」という主催者発表ではあるが、正式に近い発音は「ペットーン・ギャッソンリッ」となる。

ペントーンは前日計量が55.6kgで、少しずつ試しながら4度目の計量で55.3kgのリミットまで落とした様子。

入国から計量時まで秤に乗る機会が無ければ、よくあるパターンで、わずかな差の減量影響は無いだろう。

序盤は様子見も波賀宙也はローキック中心に攻める。ペットーンも序盤は軽く蹴る流れで、第3ラウンドから距離を詰めて圧力掛けて出て来た。

波賀宙也も凌いで蹴りの攻防。どちらが強く多く攻めて主導権を奪うかの展開。

ペットーンの蹴りは勢い付き、波賀もローキック中心にかなり蹴り込んで効いた様子もあったが、ペットーン勢いを止めることは難しかった。

それでも全体的に上回ったように見える波賀の気合入った頑張りも採点はペットーンに流れていた。

波賀は惜しくも防衛成らず王座陥落。

波賀宙也のローキックとペットーンのミドルキックが交錯

◆第9試合 S-1レディース・スーパーフライ級 世界王座決定戦 5回戦(2分制)

S-1ジャパン同級覇者.ルイ(=和田類/クラミツ/52.1kg) 
      vs
ザ・スター・シッチョー(元・WPMF世界アトム級C/タイ/51.85kg)
勝者:ザ・スター・シッチョー / 判定0-3
主審:サノン・アウムイム(タイ)
副審:ソムサック(タイ)48-49. スントーン(タイ)46-50. 中山宏美(日本)48-50

ルイが積極的に蹴って出て、シッチョーが蹴り返す展開も、前進の勢いはルイが目立つ。しかし、シッチョーは蹴りの的確さと首相撲の展開では優位に立ち、大差を付ける採点もある中、判定勝利でタイへS-1世界王座を持ち帰ることになった。

シッチョーの左ミドルキックがルイにヒット
王座獲得に成功したタイ陣営、ペントーンとシッチョーが並ぶ

◆第8試合 NJKFウェルター級タイトルマッチ 5回戦

Champion.洋輔YAMATO(大和/66.5kg)
      vs
挑戦者同級1位.野津良太(E.S.G/66.4kg)
勝者:洋輔YAMATO / TKO 5R 0:27
主審:竹村光一

開始からローキック中心に的確なヒットを続けていた洋輔YAMATO。野津良太はスピードで劣るも、予想通り第3ラウンドにはしぶとく勢い増して蹴って出てきた。

第4ラウンドには洋輔が野津をコーナーに詰めたところでの接近戦で、偶然のバッティングで野津が左眉下を切る。

ドクターチェック後、洋輔のパンチ連打からの蹴りで野津がバランス崩してスリップ気味のノックダウン。すぐに立ち上がられずノックダウンとなって、最終ラウンドも野津が蹴りに出たところがバランス崩して倒れ、立ち上がりが遅い為のノックダウンを宣せられ、更に蹴りを受けてスリップ気味に倒れると2度目のノックダウン扱いでノーカウントのレフェリーストップとなったが、洋輔のローキック(カーフ)によるダメージがあったと思われる。

洋輔YAMATOが野津良太にローキックをヒット、スピードある攻めを続けた

◆第7試合 女子(ミネルヴァ)スーパーフライ級王座決定戦3回戦

2位.IMARI(LEGEND/51.5kg)vs 6位.NA☆NA(エス/52.1kg)
勝者:NA☆NA / 判定0-2
主審:宮本和俊
副審:和田28-30. 中山28-29. 竹村29-29

両者は昨年10月31日の「DUEL.22」で対戦し三者三様の引分け、今回は前進の勢い強かったNANA。結構パンチで打ち合い、IMARIは表情冴えなく圧されるシーンが多くNANAが判定勝利で王座獲得。

NANAが活き活きしたファイトでミドルキックをIMARIにヒットさせる

◆第6試合 62.0kg契約3回戦

健太(元・WBCムエタイ日本ウェルター級C/E.S.G/61.8kg) 
vs
琢磨(元・WBCムエタイ日本スーパーフェザー級C/東京町田金子/61.9kg)
勝者:琢磨 / 判定0-3
主審:少白竜
副審:竹村28-30. 中山28-30. 宮本28-30

前回は色白だった健太がまた以前のような日焼けした褐色に戻って来た。初回からの探り合いはパンチとローキックの駆け引き。落ち着いたベテラン同士の攻防は後半にやや琢磨のパンチヒットが目立ち判定勝利を導く。

100戦超えの健太に飛びヒザ蹴りで攻める琢磨

◆第5試合 56.0kg契約3回戦

TAKAYUKI(=金子貴幸/REV/55.75kg) 
vs
WMC日本バンタム級チャンピオン.稔之晟(TSK Japan/55.7kg)
勝者:稔之晟 / 判定0-3
主審:和田良覚
副審:竹村28-30. 少白竜29-30. 宮本27-30

蹴りの攻防から稔之晟(=じんのじょう)の前蹴りでボディーが効いていたTAKAYUKIは下がり気味で攻めの勢いが足りない展開。稔之晟は組み合ってからのヒザ蹴りもあり、勢い増した判定勝利を導く。

◆第4試合 51.0kg契約3回戦

NJKFフライ級チャンピオン.優心(京都野口/51.0kg)vs 杉山空(HEAT/50.55kg)
引分け 1-0
主審:中山宏美
副審:和田29-29. 少白竜30-29. 宮本29-29

パンチとローキック中心から多彩に蹴り合うのはやや優心が攻勢も、接近戦で杉山が組み合ってくると決定打の無い展開が続き引分け。

◆第3試合 NJKFフライ級挑戦者決定戦3回戦

2位.吏亜夢(ZERO/50.7kg)vs 3位.嵐(キング/50.55kg)
勝者:嵐 / 判定0-3
主審:宮本和俊
副審:竹村27-29. 少白竜28-29. 中山27-29

長身の吏亜夢が手足の長さと距離感を掴んで蹴りのヒットで優位に進めたが、ペース掴めぬ嵐もパンチとローキックでチャンスを待つ。最終ラウンド終了近い残り時間でパンチの打ち合いに導いた嵐が強烈な連打でノックダウンを奪って勝利を決定付けた。

次期挑戦者となった嵐(右)と2度目の防衛戦となる優心(左)がツーショット

◆第2試合 ウェルター級3回戦

NJKFウェルター級6位.宗方888(キング/66.5kg)vs 悠YAMATO(大和/66.6kg)
勝者:悠YAMATO / 判定0-2 (29-30. 29-29. 28-29)

◆プロ第1試合 女子(ミネルヴァ)57.0kg契約3回戦(2分制)

北川柚(京都野口/56.5 kg)vs ERIKAスリーツリー(DAIKEN THREE TREE/57.0kg)
勝者:北川柚 / 判定3-0 (30-28. 30-27. 30-27)

◆オープニングファイト アマチュア-54kg級2回戦(90秒制)

辺成玉(鍛錬会/53.0kg)vs 高橋ひかる(GRES 8Mile/53.8kg)
勝者:辺成玉 / 判定2-0 (20-29. 20-18. 20-18)

戦うシングルマザーとして女子(ミネルヴァ)チャンピオンと成ったNANA

《取材戦記》

4つのタイトルマッチ、歴史あるものから最近派生したものまで、それぞれの運命がありました。IBFムエタイ、S-1、NJKF、ミネルヴァ。今回はタイのIBF本部から審判団が3名来日。女子S-1世界戦を含め2試合の審判に加わりました。やっぱり本場から公式審判やスーパーバイザー(今回は兼・審判)が来日するとタイトルマッチの権威が増すものです。この2日後に行われた井上尚弥選手の世界3団体統一戦も、より崇高な権威を感じました。

ペントーンはリングを下り、バックステージでのインタビューの後、控室へ向かう階段を下りる際、脚を引きずって歩いた。ペットーンは顔色変えずに戦っていたが、波賀がもう少し蹴っていれば倒れていたかもしれない。波賀は「またチャンスがあれば挑戦したいです。」と応えた。

2019年9月23日の王座決定戦では波賀宙也がトンサヤーム・ギャッソンリットに判定2-1勝利で王座獲得。49-48が二者と逆に一者と分かれた形で、今回は49-48が三者ともペットーンに流れた。毎度言っているが、この1点差が越えられない本場ムエタイ王座の大きな壁である。

賭けが行われる活気あるタイのスタジアムと、今回の最終試合で観衆も少なくなっていた後楽園ホールでは同じ展開を見せても、採点の流れはまた違っていたかもしれないだろう。

女子試合のルイとザ・スター・シッチョーの試合前のワイクルー(戦いの舞い)は綺麗な舞いだった。雑な踊りは女子にも男子にも居るものだが、波賀宙也も毎度の通り、綺麗に長く舞っていました。

次回のNJKF 興行は7月3日に新宿のGENスポーツパレスで「DUEL.24」が開催、「NJKF 2022.3rd」は9月25日(日)に後楽園ホールで開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号

そろそろ「カメジロー」幻想から訣別せよ! 鹿砦社代表 松岡利康

『週刊金曜日』6月3日号に植村隆社長が、沖縄を訪れ沖縄人民党の創設者、瀬長亀次郎を扱かったドキュメント映画『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』『サンマデモクラシー』を観、また瀬長を記念する「不屈館」の訪問記が掲載されていました。

 
琉球大学での革マル派学生死亡事件を報じる『朝日新聞』1971年6月19日夕刊。事件が起きた6月18日は、6月17日に返還協定が調印された直後で、以後の批准阻止闘争の準備の大事な時期に起きた。

本土返還の前年、沖縄決戦(返還協定調印‐批准阻止闘争)が沖縄-「本土」ともに盛り上がっていた1971年、瀬長率いる沖縄人民党の学生組織「民青」(みんせい)のゲバ部隊(「ゲバ民」と呼ばれました)が、革マル派の拠点、琉球大学の寮に夜襲を掛け、革マル派のリーダーを殺しています。私も沖縄闘争を自分なりに必死に闘っていたのでショックでよく覚えています。革マル派の機関紙『解放』では数ページ大きく写真入りで報じていた記憶が残っています。返還協定調印阻止闘争、秋からの批准阻止闘争と続く中で、その最前線の現地・沖縄で起きた事件――闘いの後退はやむなしで、べつに革マル派を支持するわけではありませんが、「何をやってくれたんだ」と思いました。

アメリカでは共産党は非合法化され、当時、米国領だった沖縄でもそうでした。なので、人民党が共産党と、名は違えど一体の組織として活動していました。本土併合後、沖縄人民党は正式に日本共産党に合流し、瀬長は副委員長として厚遇されています。

この事件後、革マル派は代々木の共産党本部に抗議行動を掛けています。沖縄人民党=日本共産党と見なしていたからです。

当時の沖縄人民党のトップは瀬長亀次郎でした。瀬長はこの殺人事件をどう扱ったのでしょうか? 民青の暴力による最初の死者ですから、おそらく人民党内では上へ下への混乱があったものと想像でき、トップの瀬長は苦慮したはずです。当時の民青は、口では「暴力反対」と言いながら、実際には新左翼系の運動や組織への暴力はひどかったです。私の体験で言うと、70年師走、某ノーベル賞受賞者の甥っこの先輩は、医者も見放すほどの瀕死の重傷を負いましたし、私自身も71年5月、民青の精鋭部隊から襲撃を受け病院送りとなりました。

先の2つの映画には果たしてその場面は出て来るのか(未見ですが、おそらく出てきていないでしょう)。映画の制作過程で、調べるうちにこの事件はきっと資料に出て来るはずですが、2人の監督は、この事件をどう考えたのでしょうか。見過ごしたのでしょうか? 私はいつも言うのですが、人の評価は、光が当たる部分だけでなく、影の部分も清濁併せて見ないと正確にはできないと思います。当たり前の話です。

瀬長を評価する場合も、その革マル派襲撃殺人事件をも含め評価すべきでしょう。植村隆社長にも機会あればぜひお聞きしたいものです。

瀬長亀次郎の一面を美化し過大評価するのは、もうそろそろやめたほうがいいでしょう。

事件から51年後の『週刊金曜日』2022年6月3日号の植村隆社長の沖縄訪問記。元『朝日新聞』記者の植村社長は一流のジャーナリストとされるが、ジャーナリストであれば、カメジローの影の部分をも調べて欲しい。
最新刊! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
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辻めぐむ弁護士 岸田総理の地元の広島中心部で自民・維新の軍拡・新自由主義に真っ向から対決! さとうしゅういち

れいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士は5月31日、岸田総理の地元でもある広島市中心部を遊説し「戦争をしないと決めてきた国のあり方を軍備拡張で崩そうとしている岸田政権と対決する」「『官から民へ』で一部の企業の金儲けにしかなっていなかった新自由主義に真っ向から反対する」等と訴えました。

辻弁護士は1948年生まれ。大阪府立大手前高校ご卒業のあと、東京大学法学部へ。この年代のご多分にもれず、学生運動に参加され、ご卒業後は1981年から弁護士として活躍されました。ご本人によると、既成の政党には与党はもちろん、野党にもものたりなさを感じて、議会よりは市民の力で変えていく方向に魅力を感じておられたそうです。しかし、アメリカの要求で裁判の迅速化をもとめる法律が2002年にできてしまったとき、危機感を抱き、政界へ。「法律を変えるには権力をとらないと。それは、民主党しかない」ということで、それまで一度も投票したこともない民主党から衆院選に立候補し、2003、2009年に当選しています。

しかし、民主党が官僚やマスコミの攻撃の前にマニフェストを守れずに消費税も増税に舵を切ったことを悔いて、立憲民主党など、旧民主党の「本流」からは距離をおいておられました。そして2021年の衆院選2021でれいわ新選組から立候補。惜敗率が2位で惜しくもおよばず、今回の参院選2022全国区に復活をかけておられます。

◆自民や維新の核共有や大軍拡路線を批判

辻弁護士はこの日は爆心地に近い広島市中区の本通からスタート。中心部の商店街を練り歩いたり演説したりしながら通過しました。

岸田政権に対して「争点を隠して安定多数を得て、3年間でやりたい放題しようとしている」と指摘。

その上で、ロシアのウクライナ侵略は糾弾されるべきとしつつも、それに便乗して核共有や大軍拡を主張する自民や維新について「交戦権を否定してきた77年間の国のありかたを失うものだ。」と厳しく批判し、被爆地である広島市民に対して「外交努力を重視する」れいわ新選組への支持を訴えました。

◆民主党政権を反省

一方で、自分自身が関わった民主党政権については、「当時は『財源がないから』、という理由で(財務大臣になった民主党幹部が財務官僚に洗脳されて)マニフェストに掲げた公約の多くを実行せずに、みなさまを失望させてしまった。」と、反省と謝罪をした上で、「その反省の上に(財政出動を主張する)れいわ新選組がある。」と、紹介しました。そして、もう一度、れいわ新選組を大人の政党に育て、政権交代をもう一度やっていきたい、と決意を表明しました。

◆維新と正反対、公務員をふやして公共サービスを充実させる

国の広島合同庁舎前で演説するれいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士(右)と筆者

また、「官から民へ」のスローガンで進められた「国鉄の民営化、郵政の民営化、水道の民営化」などについて「一部の人の金儲けのためだ。」と斬りました。

自身の地元の大阪においては、公務員をへらしすぎて役所の仕事をパソナにやらせ、結局公金が一部の人の金儲けに流れている、と紹介。また、水道の民間委託で検査の間引きなども行われて、日本のほこれる水道網が危機にある、と指摘しました。

民主党政権もこうした新自由主義路線を自民党から引き継いだままだったことを反省。「れいわ新選組の公務員をふやすというマニフェストは、年々ニーズがたかまる公共サービスを充実させていくことだ。」と訴えました。

◆スタジアム近くではカープファンにもアピール

マツダスタジアムに近い広島駅南口では、球場にむかうカープファンに対して「1975年10月のカープ初優勝のときは、長嶋ジャイアンツをやぶって優勝を決めた試合では、三塁側でしゃもじをふってカープを応援した」とアピールしました。


◎[参考動画]「軍拡、新自由主義と真っ向から対決」総理の地元の広島中心部で辻めぐむ弁護士

◆辻弁護士来広前に市内各地で筆者らも宣伝

さとうしゅういちとれいわ新選組は、この日、辻弁護士が来広する前に市内各地で街宣をおこない、「憲法は変えるよりも25条をいかす」「公務員の労働条件はまもり、公共サービスをまもる」れいわ新選組の方針を紹介しました。

国の広島合同庁舎前では、登庁される国家公務員労働者の皆様にれいわ新選組はボーナスカット法案(組合が推薦する立憲・国民は賛成)に反対するなど、公務労働者の労働条件を最も守る党だとご紹介しました。そして、この2、30年の公務員削減路線はあらため、必要な公務員は補充すること、また、非正規差別・使い捨ては公務現場からあらため、非正規の正規化を進めると力を込めました。


◎[参考動画]公務員労働者の労働条件を最も守るれいわ新選組 さとうしゅういち合同庁舎前で訴え

その上で、「低い方にひきずりおろすのではお釈迦様のクモの糸の話のようにみんなで落ちてしまう。」「低い方にひきずりおろすのではなく、まともな方にひくすぎる方を底上げしよう。」と語りかけ、さとうしゅういち自身も該当する民間の介護労働者や保育労働者の給料アップなどの政策にも公務労働者の皆様のご協力をお願いしました。

れいわ新選組チーム広島とさとうしゅういちは、引き続き、公務労働者の皆様の労働条件をまもることも、市民、県民、国民の安全、安心を守ることにつながる、地域に若い人にきてもらうことになり、地域の活性化にもつながると、訴えて参ります。

その後、安佐南区の安田女子大学前、緑井フジグラン・天満屋近くでも街頭演説を行いました。
「憲法は変えずに25条をいかす」
「くらしにコロナや戦争による輸入物価上昇が追い討ちをかけているなか、消費税廃止、ガソリン税ゼロ、学費タダなどで緊急対策を。」
「軍拡ではなく粘り強い外交努力を」
などと、憲法と経済政策についての主張を中心に訴えました。


◎[参考動画]「憲法は変えずに25条をいかす」さとうしゅういちIN安佐南区緑井

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号
13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

【続報! しばき隊最悪質分子・鈴木伸哉追及】鹿砦社に詭弁は通用しない! [実録]逃げまくる鈴木伸哉と取材班のやり取り 鹿砦社特別取材班

前回(6月7日)、鹿砦社代表・松岡の怒りの記事でご紹介した通り、「警告書」を送り回答を求めた鈴木伸哉からは回答期限を過ぎても返信がなかった。そこで仕方なく取材班は鈴木に電話で意向を聞くことにした。ことは鹿砦社の名誉毀損に関わることだけに、曖昧にすることはできない。

6月1日正午過ぎ(一般的な企業の昼休み時間)鈴木の携帯電話に電話をかけたが鈴木は出なかったので、仕方なく同日午後鈴木が勤務する会社に電話をかけた。

◆自分と関係なければ「関係ありませんよ」と回答すればよいものを、やましさ故に逃げまくる鈴木

田所敏夫(以下、田所) お世話になっております私株式会社エスエル出版の田所と申しますが、鈴木様いらっしゃいますでしょうか。

電話受けた社員 今電話中なんですけれども。

田所 よろしかったらこのまま待たせていただいてよろしいでしょうか。

電話受けた社員 それではこのまま少々お待ちください。

(1分半ほど保留音)

鈴木伸哉(以下、鈴木) はい。お電話変わりました鈴木です。

田所 お世話になります。私、株式会社エスエル出版の田所と申しますが、お世話になっております。

鈴木 はい。

田所 恐れ入ります。鈴木様宛に5月6日付けで、株式会社鹿砦社から「警告書」を送付させていただいたのですが。

鈴木 それがどうしました。はい。

田所 私は取材班の田所と申しますが

(遮って)

鈴木 そういうのはお断りしているんで。

田所 「警告書」をお受け取りいただいたという記録がこちらの手元にあるのですが。

鈴木 それはもう弁護士の方に送っていますので。

田所 一点だけお尋ねしたいのですけれども、鈴木様は「企業ゴロ」という言葉でですね

鈴木 ちょっと営業中なんですけれども。そういうのは書面で送っていただけますか?

田所 ですから「警告書」をお送りしたんですね。

鈴木 あなたの名前で送ってきてないでしょ?

田所 ですから鹿砦社の代表取締役松岡の名前でお送りしております。

鈴木 いや、それはあなたが送ったんですか?

田所 私は株式会社鹿砦社特別取材班キャップの田所と申します。

鈴木 いや、それね、はっきりいって文書以外で受け付けしていないんで。

田所 それは鈴木様のご事情ですけれども

(遮って)

鈴木 あなたが取材したいんでしたら、取材したいと連絡するのが社会常識でしょ?

田所 取材をしたいのではありません。取材ではなく「10日以内に書面で明確な説明をお願いいたします」とお願いしたんです。お願いをしたのですがお答えを頂けないので

(遮って)

鈴木 はい、お断りします。

田所 お答えは頂けないということでしょうか。

鈴木 そうです。

田所 お答えは頂けないわけですね。

◆自分が書き込んだ証拠を「裁判所で出せ」と発言する鈴木は民事提訴を望むのか?

鈴木 はい。はっきり言って因果関係もわからないことにお答えできませんよ。

田所 鈴木様が書き込まれたものに……。

(遮って)

鈴木 私が書きこんだと、どういう根拠でおっしゃっているんですか。

田所 鈴木様がLenyというアカウントを使っていらっしゃる……。

鈴木 その根拠をお示しください。

田所 鈴木様の複数のお知り合いの方から、これは鈴木様のアカウントであると確認を取っております。

鈴木 いや、あのね、僕、複数の友人て知らないんですよ。まず根拠をちゃんと示して、それからお問い合わせください。

田所 はい。かつては李信恵さんも認めていらっしゃいました。

眼鏡はかけていないが鈴木伸哉と金良平、李信恵。李信恵のツイッター(2015年12月27日)に掲載されたもの

鈴木 いや、そういう話は聞いてません。ですからそれも書面で何月何日に……

田所 すいません、お尋ねしているのはこちらなんです。

鈴木 こちらは根拠を示しなさいと言っているんです。

田所 ですから鈴木様が「芸能プロダクションに寄生して小銭稼ぎをしている極左崩れの企業ゴロ」などと……。

(遮って)

鈴木 ですからそのように私が書きこんだという根拠を示しなさい、と言っているんですよ。

田所 それはあなたが勝手に求めているだけのことです。

鈴木 違います。あなたが私に聞くんでしたら、まず根拠を示してから聞きなさいと。

田所 根拠は、あなたの情報をリンチ被害者のM君から聞いたからです。

鈴木 関係ないです。ちゃんと書き込んだという根拠を、法的にちゃんと示しなさい。

田所 その必要はないです。なぜならば、あなたがたくさん違法な行為を書いているからです。

鈴木 関係ないです、まず示しなさいと言っているの。

田所 「反社出版社」とは「反社会的出版社」を示す言葉ですね。

鈴木 あのね、社会常識なさすぎです。まずその書き込みを私が書いたっていう根拠を示しなさいと言ってるの。裁判所を通してちゃんとそれを私が書いたと示せばいいんですよ。

田所 裁判所を通して示す? そんなことはどうやってやるんですか?

鈴木 なんでもいいですけど法的に示しなさいと言ってるんですよ。

田所 ということは、「訴訟を起こしてくれ」ということですか?

鈴木 そんなことを言ってるんじゃない。

田所 あなた、今「裁判所を通して」とおっしゃったじゃないですか。

鈴木 まずね、その書き込みを私がしたっていう証拠を示してから話が進むんですよ。

田所 では、なぜ私があなたの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それはうちの電話番号は警察署にも届けていますから。

田所 今は会社にお電話をかけているわけです。

鈴木 私の名前は会社のホームページにも書いてありますからね。

田所 違います。私は鈴木さんの携帯電話の番号を知っているわけです。なぜ私が鈴木さんの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それは知りませんよ。

田所 あなたのことを知っている人が教えてくださったから、私は知っているのです。

鈴木 だからその人が、誰がいつ私の書き込みが関係あると、証明したのか、まず示せと言っているんですよ。

田所 ですからリンチ被害者のM君がまだあなたと仲が良かった頃に、あなたがLenyというアカウントを使って書き込みを行っていた時代から、知っているわけです。これで充分でしょ!

鈴木 だったらM君がそれをちゃんと示して……。

田所 必要ありません。この際私はM君のことを問題にしているのではありません。

鈴木 関係ありません、あなたはまずね……。

田所 逃げていますね。

鈴木 あなたがちゃんと証明してからじゃないと話が進まないんですよ。

田所 M君はあなたの電話番号も自宅の住所も知っていますよ。

鈴木 M君は関係ないでしょ。あなたが示さないといけない。

田所 このアカウントが鈴木さんのものであるとわかればはっきりするじゃないですか。

鈴木 証明したらいいじゃないですか。

田所 すでにしていますよ。M君はあなたの会社を知っていたし、あなたのアカウントも住所も自宅の電話番号も知っているということですよ。あなたが散々誹謗中傷している被害者が知っているわけです。

鈴木 関係ないんじゃないですか。

田所 関係ありますよ。あなたの論理は全く破綻しています。破綻している以上におたくは会社ですよ。一般の学生さんなどと鈴木さんは違いますよ。鈴木さんはB(会社名。今回はあえて名を秘す)という立派な会社の取締役をなさっているわけでしょ。

鈴木 それと書き込みと何の関係もないじゃないですか。

田所 そういった立場の方が特定の出版社を「不法に小銭稼ぎをしている極左崩れが社長の反社出版社」という書き込み方をされると、これは明らかに名誉毀損ですよ。

鈴木 だから、まずそれを書いたのが私だということを証明しなさい、と言っているの。

田所 それは出来ていると言っているんです。

鈴木 出来ているんであればそれをまず示したらいいじゃん。

田所 今、言葉で示したでしょ。M君が私にあなたの携帯電話を教えてくれたから、私はあなたの携帯電話もあなたの住所も知っているわけですよ。

鈴木 それ脅しですか。

田所 は? この書き込みとあなたの関連性がどうあるかを示せとあなたが言うから、それを証明しただけですよ。

鈴木 あの、営業妨害なんですけど。

田所 あなたの求めに応じて証拠を申し上げたのです。

鈴木 あの、10分以上かかわっているんですけどね、営業妨害ですよ。

田所 こちらにとっては名誉毀損なんですけど。

鈴木 何で業務中にこんな関係のない電話してくるんですか。

田所 こちらの業務にかかわることで「反社出版社」と書かれ業務に関わりますから。

鈴木 関係ないです。まず示しなさいと言っているでしょ。関係ない所に電話してきて。

田所 関係、大ありですよ。

鈴木 業務妨害で、えーっとエスエルの田所さんですか。電話番号は何番です?

田所 鹿砦社特別取材班キャップの田所です。

鈴木 電話番号は?

田所 私の携帯番号表示されていませんか?

鈴木 いや、言ってください。

田所 それこそお調べいただいたら結構ですよ。鹿砦社の電話番号はオープンにしていますから。

鈴木 じゃあ株式会社エスエルっていう所の電話番号は?

田所 株式会社鹿砦社。

鈴木 関係ないでしょ。

田所 関係は鹿砦社とエスエル出版は親会社─子会社の関係なんです。

鈴木 どちらが親会社なんですか?

田所 調べなさい、そんなことくらい。

鈴木 あなたは自分のことをまず……。

田所 私は田所敏夫と言います。知っているでしょ。しばき隊の中心人物で私の名前知らない人間一人もいませんから。

鈴木 俺は知らないです。

田所 M君の裁判の時、傍聴券抽選前にあなたの隣にいたのが私ですよ。眼鏡かけて来られていましたね。私はあなたの顔も知っています。

鈴木 とりあえず営業妨害なんで御社の方に連絡行くと思いますけども。

田所 はい結構です。

鈴木 もうこれで切りますんで。

◆鈴木への最後通告

身に覚えのある悪行の数々が世間に披歴してしまったら……。鈴木の恐怖感は手に取るように分かった。そして繰り返し根拠を説明しても、話を逸らす鈴木。

だが読者には勘違いしないでほしい。取材班は鈴木への民事提訴も視野に数年間、鈴木の発信を観察、証拠を保存し続けてきた。何もなければ忙しい中このようなつまらぬ人物に時間を割きたくはなかったが、ここへ来て鈴木の発信がまたしてもエスカレートしているので、仕方なくアクションを起こさざるを得なかったのである。

そして、鈴木は前述のとおり「書き込みと自分の関係」に拘っていた。そこで、続報では誰の目にも明らかな証拠をお伝えする。すでに複数の協力者から公開をご快諾頂いている。

鈴木よ、われわれは「企業ゴロ」ではないから、われわれが求めているのは金銭ではない。鹿砦社やリンチ被害者M君を誹謗中傷したことへの真摯な謝罪があれば、これ以上の追撃は行わない。しかし、書面で尋ねた事項への公然たる「無視」、ならびに「営業妨害」を持ち出しての卑怯な逃げを続けるのであれば、われわれは、追及を続けなければならない。

有り余る証拠と複数の対処手段はすでに検討済みである。鹿砦社に公式に謝罪する最後のチャンスは次回、この原稿が掲載された日の23:59までだ。

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