相模原障害者殺傷事件──「新出生前診断」の優生思想が差別をつくる

障害者施設で19名が殺された事件が盛んに報道されている。
私が言及する余地もないので、関連して気になったこのニュースを紹介しておこう。

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妊婦の血液から胎児のダウン症などを調べる新出生前診断を受診した人は、検査開始から三年間で3万615人だったとする集計を、各地の病院でつくる研究チームがまとめた。一年目に8千人弱だった受診者は二年目に1万人を超え、三年目は約1万3千人となり、利用が拡大している実態が明らかになった。染色体異常が確定した妊婦の約九割が中絶を選んだ。
(中略)
染色体異常の疑いがある「陽性」と判定されたのは547人。さらにおなかに針を刺す羊水検査に進んで異常が確定したのは417人で、うち94%に当たる394人が人工妊娠中絶を選択した。陽性とされながら、確定診断で異常がなかった「偽陽性」も41人いた。

集計をまとめた昭和大の関沢明彦教授は「検査に伴うカウンセリングの改善など、成果は病院グループで共有している。臨床研究から一般診療に移行するか、今後の在り方を議論すべき段階に来ている」と話した。新出生前診断は、十分に理解しないまま安易に広がると命の選別につながるという指摘もあり、日本医学会が適切なカウンセリング体制があると認定した施設を選び、臨床研究として実施されている。

 <新出生前診断> 妊娠10週以降の早い時期に、妊婦の血液に含まれるDNA断片を解析し、胎児の3種類の染色体異常を高い精度で調べる検査。ダウン症や心臓疾患などを伴う染色体の異常を判定するが、確定診断には羊水検査が必要となる。2013年4月、日本医学会が認定した15の医療機関で臨床研究として始まった。受診できる人は、出産時に35歳以上となる高齢妊娠で、染色体異常のある子どもの妊娠や出産歴などの条件がある。

◎引用元=新出生前診断3万人超 臨床研究3年 染色体異常で中絶394人(東京新聞2016年7月20日)

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ああ、やっぱりそうなったかと少しばかり落胆した。私は「新出生前診断」が開発され、臨床に移される前から、これはとんでもない「優生思想」の産物で、剥き出しの差別ではないかと危惧していた。また「羊水検査」の歴史はそれよりも古いが、母体や胎児への危険があり、かつ妊婦やそのパートナーに「堕胎」の選択を迫ることになることから、かねてより反対の立場だった。

というのは私自身がある若い夫婦から「妊娠したが羊水検査を受けるべきかどうか」という問いを20年程前に投げかけられたことがあり、その機会に一通り自分なりにこの問題については調べて悩むという契機があったからだ。

羊水検査で発見されるのはダウン症を中心とした染色体異常が中心で、胎児が持っている可能性のある疾病のごく一部に過ぎない。しかもダウン症は致命傷ではなく、世間では「障害者」と呼ばれるがそれぞれの個性により、相当程度の差があるものの、多くの人が社会生活を送っている。

目出度く妊娠はしたものの、胎児が「ダウン症」のお子さんであることが判明すれば母親やパートナーが戸惑うことは無理のないことだろう。でも「個性の差」と言い換えることが可能なダウン症のお子さんが生まれたら「不幸」だと考え、その子の将来のためにか(あるいは親が「手間」や「面倒」を煩わしいと思うからか)胎児のうちに「命を絶つ」という選択には納得できない。というのが当時の私の結論であり、その思いは今日まで維持されている。

「羊水検査」より簡便な「新出生前診断」が2013年に導入されてから3万人以上の妊婦が検査を受けたそうだ。病院にもよるが「新出生前診断」は平均20万円ほどで、羊水検査は15万円ほどの費用を要する。

この検査を受けることが出来るのは「出産時に35歳以上となる高齢妊娠で、染色体異常のある子どもの妊娠や出産歴などの条件」があるとされているが、知り合いの産婦人科医に聞いたところ「現場ではそんな厳格に条件を制限してないよ。35歳以下でも検査を受け付けている病院もあるし」とのことだ。

多くの女性が不妊に悩む中、この3年間に「新出生前診断」が行われた結果として、394人の胎児が人工中絶されている。先日の「衝撃的」な事件の被害者は19人だ。人口中絶された胎児の中には「誤診」であった胎児が含まれる可能性も排除できない(紹介した記事中「陽性とされながら、確定診断で異常がなかった『偽陽性』も四十一人いた」と指摘されている通り、専門家の間でもこの検査の精度については議論がある)。

否、ポイントはそこではない。誤診ではなく、ダウン症として生まれてきたらその子は「不幸」なのだろうか。「不幸」と決めつけているのは本人ではなく、直接には「親」や「社会」ではないのか。

人工中絶全体に私は反対の立場ではない。母体の健康状態や妊娠の原因などによっては選択されることのあり得る対処ではあると思う。しかし、「新出生前診断」を受ける対象とされている妊婦やそのパートナーは、「望まない妊娠」をした人ではなく「望まない障害児」が生まれて来ることを懸念する人達や社会ではないだろうか。

敢えて問題提起をしたい。19名の殺人事件は残虐で凄惨なイメージを提供するが、394人の中絶された「胎児」は法に則り、合法的に「生まれて来ることを許されなかった」のだ。だから社会問題化されはしない。数の問題じゃなんだ。耳触りの悪くない「新出生前診断」などを導入するから検査を受ける妊婦が出て来る。そして結果は「堕胎」じゃないか。

私は「新出生前診断」は不要かつ害悪であると考える。生前からの「障害者」に対する偏見が命を奪う。これ以上の差別があるだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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揺らぐ感性──個人の自我や自由を侵食・誘導・支配する「同調圧力」社会の脅威

命令されても、懇願されてもそうは簡単に動かないものがある。感性や感覚だ。

絵画を目にする、映画を観る、旅行に出て初めての風景に接する、政治的集まりに参加者の一員となる。各々の場面で「気持ち良く」あるいは「好感」を持つか、逆の感情・感覚に支配されるかは他人に命令や指示・懇願されてもどうなるものでもない。

「好きなモノ」は「好き」なのであり「嫌なモノ」は「嫌い」であることは、少々時間をおいて周辺の理由を探し出せば「論理的」、「客観的」に他者への説明が可能となるが、直感的・反射的に感じる「好感・非好感」は得てして論理の外にある。

だから「これを『綺麗』だと思え」、「このシーンに『感動』しろ」、「この景色は『素晴らしい』と感嘆せよ」と命じられてもそれは無茶な要求だ。さらに「この人間を『好き』になれ」、あるいは「この人間を『嘲笑』え」と言われたってそう感じなければ心は動くものではない。美味と感じない食物を「『旨い』と思え」と言われたって(幼少時の躾は例外として)形成された舌の感覚は簡単には調整が出来ない。それが「個性」だろう。

感性・感覚は、各々の成育歴と、独自に持ち合わせる特質、それに教育や情報が加味され形成されるものだ。この精神構造形成過程を変数に置き換えてみる。成育歴を「X」、独自の特質を「Y」、教育や情報を「Z」と仮定する。「X」×「Y」で個性の原型は形作られる。「X」は多様ではあるが、世代により相当程度の共通因子を包含するので社会的態度を同一化させる要因ともなりうる。「Y」は純粋に各個人が別々に持つ遺伝子情報に基づくものだから多様性を拡大する方向へと働く。

そこに「Z」が加味される。「Z」は「Y」と真逆に社会的態度を同一化させること(順社会的行動)を自然に行うことの出来る人間の育成を目指して情報注入や社会的態度の訓練が行われる。「義務教育」はまさにそれに該当する。

初等教育には(私立学校に進学するあるいは「不登校」になるほかは)「選択」の余地はなく、高等教育進学時にようやく何を学ぶかを選び取ることが出来るようになるが、その年齢に至る頃には教育と情報により、本人がそうと気づかなくともかなりの程度の「人格形成」が進んでいる。

これは全員の画一化が既に進行しているという意味では決してない。しかし人格形成における変数の中で「Z」が占める役割はかなり昔からこの島国では大きな力を持ってきたし、近年さらにその拡大を見せている。「Z」は「Y」を研磨するなり、叩き割るなどして「X」との融合の中で「望ましい社会的態度」だけではなく、個の嗜好領域にまで浸透が進んでいる。

画一化の主犯は教育だけではない。「情報」だって充分に個性を削ぎ落す役割を果たしている。何の防備もなしに降り注がれる情報を浴びていれば「何とはなしに今日の連続で明日が来る」、「10年、20年後も今と似たような生活が続く」かの如き錯覚に陥っても不思議ではない。大手メディアが提供する情報は生活不安を煽る因子を極力排除して、あたかも「経済発展、科学技術進歩の向こうには明るい明日」があるかのような文句をつける気さえ萎えさせるような情報流布に余念がない。

そんなことは真っ赤な嘘だ。10年後、20年後に今よりも安寧で幸多い生活などが成熟する、期待できる要因があれば教えてほしい。拙稿の冒頭で「命令されても、懇願されてもそうは簡単に動かないものがある。感性や感覚だ」と書いた。だが実はそれは今日的には不幸にもアイロニーではないかと感じる。

「嫌でも嫌と言えない」、「皆がそうしているのだから和は乱したくない」程度の同調圧力は今に始まったことではなく、いわばこの国のお家芸ともいえる。今年の干支は猿だが「見ざる、聞かざる、言わざる」という完全に「自我」を捨てることの推奨が格言になるようなお国柄である。

薄意味悪いのは教育や情報の成果によって完成させられた「大人」でさえ徐々に「感性や感覚」を自己抑制する傾向を感じてしまうことにある。上司や権力者だけでなく、ちょっと物言いが強い人の前では二の句が継げない(逆に言えば図々しく態度の大きい人間が幅を利かせる)。そして強い物言いにどこかしら違和感を覚えながらも、結局従ってしまう。服従してしまう。

命令されても、懇願されてもそうは簡単に動かないものがある。感性や感覚だ。だがそれすらが揺るぎだしてはいないだろうか。

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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原発推進インチキ・メディアを斬る!《2》澤昭裕の遺言

あいかわらず無反省の経団連御用達マガジン 『WEDGE(ウェッジ)』3月号に国際環境経済研究所前所長の澤昭裕が病床から書いたというコラムであり、遺稿となった「戦略なき脱原発へ漂流する日本の未来を憂う」を斬ってみる。澤の言論は、あくまで「原発推進」を軸にして進む。澤は原子力事業を一社か二社かに再編した上で、火力や水力も含む包括的合併を提唱する。

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 東芝や日立といった原子力メーカーが進めてきたような、海外電力事業者との連携を契機とした再編も選択肢の一つだ。電力会社と例えば米国電力事業者との間でアライアンスが実現すれば、安全保障上の連携効果も高まる上、閉鎖的な我が国の原発オペレーション能力を海外に効果的に発信していく契機ともなる。若手技術者が「直営技術力」を高めていく絶好の機会ともなろう。(中略)
 海外事業者とファンドを組成して国内の原発資産を購入していくことも考えられるし、先に上記のような「原子力地域連合」を作り、ファンドが出資することも一案だ。こうした再編を進めた場合、特に経営規模の小さい会社にとっては、投資体力や技術人材プールの充実、発電ポートフォリオ拡大による不稼働リスク分散等の効果が期待できる。ただし、原子力の場合、既に地理的な分散やアウトソースが進んでおり、「重複・過剰設備の廃棄による効率化」や「研究開発や人件費等の固定費縮減」までは期待できない。
 また、「全電源停止」が生じリスク分散の意味はない、したがって、「再編はリスクの大きな電源の寄せ集めになる」との指摘もある。また、電力事業の歴史的経緯を考えると、他業種の再編事例をそのまま当てはめることは現実的とは言えない。各社は「政府及び他社に対する経営の自主・独立性」に強い自負を持ち、「地元密着で建設・稼働を進めてきた実績」をレゾンデトールとしてきた。今は苦境にあるとはいえ、送配電の「地域密着の安定収益基盤」を有していることもあり、従来の路線を変えてまで再編に踏み切るほどの危機感を持つ会社は未だ多くはないのではないか。このように各社・単独の能力・体力では状況の打開が難しいことが明らかな一方で、すぐに事業再編が進む地合いも整っていない。「事業者間協力」のあり方としては、会社再編に限らず様々なバリエーションを想定する必要があるし、協力の促進に向けては、漸新的・現実的なアプローチが必要であろう。(戦略なき脱原発へ漂流する日本の未来を憂う『WEDGE』2016年3月号
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故人が病床で書いた遺稿にケチをつけるのはやや気が引けるが、それでも間違いは間違いである。「原発推進のための電力事業の大同団結」などクソ喰らえである。もしも包括的に事業を統合するなら「脱原発のための電力再編」であるべきなのは、当然だ。

真剣に電力のありかたについて考え、病床で新しい電力事業のスタイルについて書いたことは認めよう。しかし澤よ、天国で今一度、電力について考えていただきたい。

(渋谷三七十)

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ベースボールマガジン社池田社長、斎藤佑樹選手に法外な「利益供与」の謎

最低でも800万円を超えるポルシェのマカンを斎藤佑樹(北海道日本ハムファイターズ)にプレゼントしたベースボールマガジン社の池田哲雄社長の『わけがわからない利益供与』に社員たちが憤慨。続々と転職活動をしている社員が増えている。中堅出版社の総務が小さい声で語る。

「具体的には言えないが、今月は、社員12人が履歴書を送ってきました。まあ経営悪化でリストラがあいつぐ中で、社長だけが年収3千万円をキープして、社員たちの給与は下がる一方。そんな中で斎藤選手を社長が優遇したわけで『やってられねえ』という雰囲気が社内に充満しているのは確かです」(ベースボールマガジン社社員)

そもそも、ベースボールマガジン社は経費に渋いことで知られる。
「外注ライターとの打ち合わせは、ほとんど社内ですし、とにかく経費を抑えろと編集は教わる。入社して最初に上司に言われた言葉が『飯は吉野家か松屋の牛丼にしておかねーと給料じゃ貯金がたまらないぞ』ですからね」(同)

さらにせこい話もある。
「2011年3月に破産手続きが終了した日本スポーツ出版社では、『週刊ゴング』で取材したときのジャイアント馬場やアントニオ猪木など貴重な写真8千枚を破産管財人から80万円で購入。これも管財人が提示した100万という提示を何回も値切る交渉をして競り落としたものです」(同)

今年1月に水道橋の本社ビルを売却、日本橋に移ったときも「野球選手のブロマイドをまとめて高く売りつける交渉にきた」と神保町の老舗書店。

そんなケチな出版社だが、「池田社長の周辺に聞くと、斎藤は見切って、今度は同じ北海道日本ハムの大谷翔平を会社で囲い込もうとしている。確かに、大谷を出せば売上げはよくなるだろうが、今度はマスコミには見えない形で接待するだろう。懲りない人たちだね」(同)

「食えない」と逃げ出す社員たちをよそに、もしかしたら大谷と池田社長の豪勢な話が近く聞けそうだ。

(伊東北斗)

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大橋巨泉さん追悼企画で囁かれる「11PM」復活の噂

昭和を代表する番組「クイズダービー」『世界まるごとHOWマッチ』(TBS)や「11PM」(日本テレビ)で昭和のテレビの制作の礎を築いたとも言われる大橋巨泉が逝去した。

大橋巨泉『ゲバゲバ70年! 大橋巨泉自伝』(2004年講談社)

ラジオ、テレビで大橋が出演したときの映像、音声が懐かしさとともにメディアに流れているが、リクエストが殺到しているものの、放映できないコンテンツがある。それが女性の裸満載、また今となってはコンプライアンス上問題がある性風俗ルポなどが満載している「11PM」(日本テレビ)の特集映像だ。

「たとえば7月22日には『「中居正広の金曜日のスマイルたちへ』(TBS)で、出演して闘病生活を語るとともに、竹下景子や北野大など往年の回答者を呼び『クイズダービー』を復活させたり、かつての映像を流して追悼。ラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBS)では、大橋がカナダでの移住生活を語るなど、大橋の魅力が十分、伝わるものでした」(放送作家)

ところが「もうひとつの大橋巨泉の魅力、エロスの探求者としての魅力」を伝えるのに、やはり「11PM」は欠かさせないという声は多い。

「実際、数十件の電話が日本テレビの視聴者センターに『かつての『11PM』の映像を流さないのか」と問い合わせがあったとも聞いています。やはりお色気番組のはしりとして、見ていた年代(40代以降)には強烈なインパクトがあったのでしょう」(同)

『11PM』は、深夜のお色気番組のはしり。世界の性風俗、そして最新の大人のおもちゃなど扱いつつ社会情勢の分析なども扱い「大人のおもちゃ箱」と呼ばれるほど最先端の情報が愛された。過激な水着をきせてカバーガール、かたせ梨乃を輩出、由美かおるや明石家さんまもテレビデビューは「11PM」だった。

「もし復活させるなら、タモリや北野たけしなどの大御所が考えられるが、まあ、あの文化的にして乱れた雰囲気の再現は無理でしょう。あの番組は曜日ごとに司会が異なっていたが、ほかの曜日担当の藤本義一や愛川欽也も故人となった。どんなに視聴者が望んでも、今のテレビ局のコンプライアンスでは、女性の裸と切り離せないあの番組の映像は使えません」(同)

となると、期待は「雑誌」での特集くらいものか。悲しき時代である。

しかし、これも誰かが流した「噂」か。「再放送への問い合わせは数件」という話も。系列のBS番組へのもちあげ情報を誰かが流したのか。行方を見守りたい。

(伊東北斗)

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見落とされがちなチャンピオンの義務!

新日本キックボクシングのチャンピオン認定証の後文の行。競技の原点を継承する項目

チャンピオンたる者は何時いかなる場所で誰と戦っても、そのウエイトでは常に勝利者でなければならない──。この文言聞いたことありますか?  これはプロボクシングのチャンピオン認定証の左の隅っこに書かれている文言です。これらのチャンピオンの方々はこの意味を理解していると思いますが、キックボクシングのチャンピオンの方々はどんなもんでしょうか? この文言、新日本キックボクシング協会の認定証には書かれていますが、他の団体、王座認定組織では書かれているところはほとんどないと思います。さらにこの文言そのものを適用されていないため、知らない選手も多かろうと思います。

チャンピオンの義務となる上記文言を補足的に言えば「チャンピオンはその階級のウエイトでノンタイトル戦でも負ければ王座剥奪」という意味になります。チャンピオンたる者はその権威を貶める試合をしてはならない義務があるわけです。

◆「負ければ王座剥奪」という義務から外れる手段

大相撲では横綱という地位に昇進したら、二度と下位に陥落することはありません。しかし、それならばと、毎場所負け越す横綱はいません。横綱としての品格、角界のトップたる権威を保たなければならない責任があります。毎場所優勝争いに絡む成績を残し、時には不調もあるが、しかし負け越せない。そんな中、休場という手段で無様な姿を晒すことだけは避け、次の場所に備えます。その横綱としての力を維持できなくなった時、引退するしかなくなります。

階級の違うチャンピオン対決が行われた葛城昇vs 須田康徳戦。葛城の方が大きいですね。激しい攻防の名勝負結果は須田康徳の判定勝ち(1984.3.31)

プロボクシングのチャンピオンという立場も、その時持つエリア内(日本・東洋・世界)では負けられない立場に立つことになります。タイトルマッチでは負ければそのまま挑戦者に王座が渡ることになりますが、ノンタイトル戦において、この負ければ王座剥奪義務から外れる手段は、そのリミットを超えて、重量的に上の階級となる契約ウエイトで戦うことで避けられます。

仮にライト級ならばリミットが61.23kgですが、チャンピオンがノンタイトルで試合する時、62.0kg契約とか、スーパーライト級(63.5kg)契約などのライト級を超えたウエイトで戦う場合が多いですね。これでライト級チャンピオンの義務を外れて戦うので、負けても王座は剥奪されません。

なおヘビー級では無制限のため、ノンタイトル戦でもチャンピオンの義務は生じます。それゆえ、エキシビジョンマッチがよく行われ、世界ヘビー級チャンピオンだったモハメッド・アリ氏などもよくエキシビジョンマッチをやったと言われています。

◆権威あるタイトルほど制約は厳しい

かつてプロボクシングで、1991年12月に日本ジュニアミドル級チャンピオン.上山仁(新日本木村)vs 日本ウェルター級チャンピオン.吉野弘幸(ワタナベ)がノンタイトルで対戦しました。ジュニアミドル級は154ポンド=69.85kgがリミット。ウェルター級は147ポンド=66.68kgがリミットです。

日本プロキック・フェザー級(57.15kg)チャンピオン.葛城昇(習志野)vs 日本プロキック・ライト級(61.23kg)チャンピオン.須田康徳(市原)のチャンピオン対決は契約ウェイト62.5kgでした

さてこの試合の契約ウエイトは何kg契約だったでしょう? この試合の契約ウェイトは155ポンド=70.3kgで、両者ともリミットの155ポンドで計量をパスしました。要するに両チャンピオンともに階級から外れるための155ポンド契約でした。考えられがちな両階級の中間の68.2kg契約などではありません。キック系競技ではありがちですが。

プロボクシングの世界タイトルマッチで、チャンピオンがオーバーウエイトとなった場合、王座剥奪で、挑戦者の王座挑戦のみのタイトルマッチとなります。挑戦者がオーバーウエイトとなった場合、「勝敗に関わらず、タイトルは移動しない」と世界タイトルマッチ使用ルールに書かれていますが、統一戦(互いがチャンピオンであり互いが挑戦者)などは団体ごとの条件が統合し変わる場合があります。

日本バンタム級チャンピオン.鴇俊之(目黒)vs 全日本バンタム級チャンピオン.赤土公彦(キング)交流戦による同級チャンピオン対決。契約ウエイトはバンタム級リミットを越えた54.0kgでした。結果は引分け

日本で同様に、挑戦者がオーバーウエイトとなった場合、チャンピオンにタイトルマッチを行なうか、ノンタイトル戦にするか選択肢が与えられ、タイトルマッチを行なう場合はグローブハンディなどは付かない不利な条件ながら、チャンピオンが勝てば防衛、負ければ王座は空位となります。

プロボクシングでもマイナー世界団体(主要4団体以外)ではこのチャンピオンの義務が適用されていない団体もありますが、それは都合のいいルールを作り上げる所詮マイナー団体です。権威あるタイトルほど制約が厳しいものとなっているので、ルールをひとつひとつ吟味してみるのも面白いものです。

◆ムエタイのチャンピオン・ルール

ムエタイにおいてはラジャダムナン系、ルンピニー系二大殿堂とも、チャンピオンの階級リミット内でノンタイトル戦で試合した場合、判定負けでは剥奪されないようです。やや実力差があっても賭けの対象の赴きが強く、僅差の判定が多くなり、頻繁に試合をこなす競技の性質上、各ラウンドが独立した採点となるボクシングとは同様には扱えない事情でしょう。

ヒジで切られるレフェリーストップTKO負けもアクシデント的な意味合いで剥奪されませんが、倒されるKO負けは剥奪されます。しかし僅差判定であっても連続で負け続けていれば、いずれも許されなくなるでしょう。またムエタイでは大差判定負けはほとんど無いと言われます。勝ち目が無くなればレフェリーが試合を止めてTKOを宣します。または八百長疑惑でも試合を止められます。

向山鉄也、羅紗陀の父。激闘で有名、チャンピオン対決も経験豊富な実績

過去、ムエタイのWPMF世界チャンピオンになった選手が、その階級リミット内でノンタイトル戦を行ない、KOで敗れて王座剥奪されるケースが日本だけでなく、他国選手でも起きた時期がありました。WPMFも二大殿堂と同様のシステムを適用しており、選手陣営がこのルールを理解していないことから始まった悲劇でした。

過去に行われた国内でのチャンピオン対決の一部ですが、1983年2月5日に行われた、日本ナックモエ・ウェルター級チャンピオン.レイモンド額賀(平戸)vs 日本プロキック・ウェルター級チャンピオン.向山鉄也(北東京キング)戦は激闘の名勝負で向山鉄也の判定勝ち。契約ウエイトは68.0kgでした。後に続く向山氏の激闘は伝説になりました。

1989年7月2日に行われた、日本フライ級(50.8kg)チャンピオン.松田利彦(士道館)vs 日本バンタム級チャンピオン.鴇稔之(目黒)戦のチャンピオン対決はバンタム級契約で53.5kgリミット。鴇稔之が逆転判定勝利。奪われたダウンを奪い返しKO寸前まで圧倒しました。もし鴇稔之氏が負けていたら王座剥奪でしたが、知ったルールで覚悟の上での出場でした。

古い時代からのチャンピオン対決はまだまだありますが、勝敗結果よりテーマに絡む契約ウエイトが不明ですので割愛させて頂きます。

羅紗陀、向山鉄也の長男・竜二。親子でチャンピオンを制す。父親を超える為、もう一つ上のステージへ期待(画像提供:NJKF)

王座返上が多いキック界ですが、昔の名チャンピオンを越える国内防衛記録を狙って欲しいものです。

「チャンピオンたる者は安易に返上せず、誰の挑戦も受けつつ防衛を果たし、更なる上を目指して戦い続けなければならない」なんて“迷言”は、数十年後まで誰にも聞いて貰えそうにありません。

[撮影・文]堀田春樹

▼堀田春樹(ほった・はるき)
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

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無防備「ポケモンGO」ユーザーに忍び寄る歌舞伎町「新手のしのぎ」

 

大流行しているスマホむけ人気ゲーム「ポケモンGO(ゴー)」で遊びながら歩行、もしくは自転車走行中の事故が激増している。

「夢中になってキャラクターをゲットするために歩いている女子のスカート中を盗撮する輩が増えていると報道されているが、この連中をあえて〝おびき寄せて慰謝料をとる〟という新手のしのぎを暴力団関係者が思いついたようです」(実話雑誌ライター)

日中でも深夜でも、キャラクターをゲットするために交通事情や周囲にかまわずふらふらと歩いている若い女性は確かに無防備だ。

「とくに後ろはまったく無防備で、性犯罪者たちがミニスカートの中などを下からスマホで撮影し放題なのは確かです。夏ですし、盗撮する連中が、画面を向ける角度によってはキャラクターを探しているのか、女性の股間を盗撮しているのか見分けにくいのでやっかいです」(警視庁関係者)

さて、この状況を利用して、ヤクザがどう金もうけにつなげるのか。仕込みの美女がミニスカで囮となって町中でスマホを片手に「ポケモンGO」のキャラ探しでうろつく。そこを盗撮する輩を見つけて「この野郎、今、俺の女を盗撮しただろう。スマホ見せてみろ」と〝美人局〟のごとくごつい男が仲間とともに登場。

「そのあと、カラオケボックスなどの〝密室〟にその盗撮野郎を連れ込んで、『もう、会社に訴えてやる』などと泣いている演技をしている囮美女を尻目に、数十万円の賠償金をとるというものです。この一連の流れを30分かからずにスピーディにやるのがポイントです」(同)

新宿の歌舞伎町や町田などでは「70万円まきあげた強者もいる」(都心の組関係者)という話が伝わっている。

「ただし、ヤクザは今、組の名前を出しただけで恐喝になる。そこを逆手にとって、明確に組員がやっているのがわかったら、そうしたしのぎをしている連中に対して、脅しをかけるかも。警察のマークがまだついていないギャングや暴走族集団たちが、ヤクザ相手に『あんたら、せこいことやってんじゃねえよ。警察にチクってやろうか』と逆ネジで口止め料を恐喝する可能性もある」(実話雑誌ライター)

「ポケモンGO」では、夢中になって歩いている人へ自転車でぶつかる「当たり屋」も急増している。開発した連中たちが想像もしないような展開がなされている。

別な意味でモンスターを育てたのは、開発した任天堂ではないだろうか。

(伊東北斗)

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都知事選より「ポケモンGO」で盛り上がる東京の人々

 

7月26日、午後7時すぎの上野広小路交差点、松阪屋前で街宣する、アイドルフェイスの都知事候補、七海ひろこ(幸福実現党)がいた。道行く人の一部が元気いっぱいの美女の声に足を止める。

だが多くは演説にいまひとつ集中せずに「早く終わらないかな」という渋い表情で七海を見つめていた。七海候補は「東京を,ニューヨークを超える超高層都市にして、若い世代でも『安くて、広い家』に住めるようにします」と笑顔いっぱい叫んでいるのに見ている聴衆たちは渋い顔。

OL風の女子が言う。

「この街宣車がとまっているポイントに、『ポケモンGO』のモンスターが数匹いるのですが、近づけないんですよ」

ようやく納得した。22日に配信スタート、モンスターにボールを投げつけることでキャラクターを集めて『ポケモン図鑑』を作り、やがてモンスターどうしバトルさせる目的のゲーム『ポケモンGO』は町を歩いてモンスターをゲットするのがもはや国民的行事。スマホ片手に自転車と歩行者が、あるいは車と歩行者がぶつかる事故などが激増中。七海の街宣車が止まっているポイントは、ちょうど数匹のモンスターが登場したポイントで、『ポケモンGO』ファン目線では邪魔でしょうがなかったというわけか。

 

夜7時30分ごろ、パラつく雨に限界を感じたのか「まったく今日にかぎっては別の場所で演説してほしかったぜ」と40代風サラリーマンがしびれを切らし、スマホをポケットに入れて去っていった。

それでも、「AKB48」にいてもおかしくないルックスのキュート系、七海ひろこは最後まで声を枯らして「24時間、ときめくことができる都市・東京の実現にがんばります」と訴え、その演説そものもを聞きに来た聴衆も満足の拍手を送った。

「なんだか今の時代を象徴する出来事だったねえ。都知事選のPRより、モンスターをゲットするほうがよほどみんな大事なんだろう」(上野のアパレルショップ店員)

都知事選挙も、「ポケモンGO」とコラボして候補をイラスト化したモンスターを街宣スポットでゲットできるなどしたら、もっと都知事選挙も盛り上がるような気も。

「都知事選挙なんて一部の老人しか感心がない。7月31日なんで夏休みの入り口で行楽まっさかり。投票率は40%(舛添都知事が当選した前回は46.14%)なんて事態も心配しています」(都知事選選挙管理関係者)

政策というボールを投げても、聴衆には届かない。

まさに倒れないモンスターこそが、今どきの都知事選の聴衆なのかもしれない。

(伊東北斗)

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関西連続不審死事件──主なき家から窺える遺族の思い

京都、大阪で男性が相次いで不審死していた事件で、筧千佐子被告(69)が夫の勇夫さん(享年75)を殺害した容疑で逮捕されたのは一昨年11月のことだった。最終的に3件の殺人と1件の強盗殺人未遂の罪で起訴された千佐子被告に関しては、不審死した男性たちから莫大な遺産を相続していた疑惑が大々的に報道されたものだった。しかしその後、千佐子被告の裁判がなかなか始まらず、月日の流れと共に事件は人々の記憶から薄れ始めている。そんな中、改めて現場を訪ねたところ、事件の意外な一面が見えてきた――。

筧勇夫さんと千佐子被告が住んでいた家

◆行き届いた手入れ

千佐子被告と、彼女に殺害されたとされる夫の筧勇夫さんが暮らしていた家は、阪急電鉄京都本線の西向日駅から徒歩で数分の閑静な住宅街にある。さほど大きくない2階建ての家で、築年数はけっこう経っているが、住人が大事に住んでいたことが窺える家だった。

良い言い方ではないかもしれないが、私がこの家に感心したのは、手入れが行き届いていることだった。

というのも、前妻に先立たれた筧勇夫さんは、13年12月に亡くなる直前に筧被告と結婚していたが、筧被告が逮捕されて以降、事故物件となったこの家は空き家のはずである。だが、庭は掃き掃除などがされている形跡が見受けられるし、郵便ポストは不要なチラシなどが入れられないように投函口にきちんとガムテープが張られている。そして何より目を引かれたのは、プランターで栽培された植物が門扉の前に置かれていたことである。そこには、この家の外観が殺風景にならないようにという家への愛着が滲んでいるように思えた。おそらくすべては遺族がやったことだろう。

こんなことを書くと、「その程度のことがどうした・・・」と思われた方もいるだろう。しかし私はこれまで、不幸にも殺人事件の現場となり、事件後は誰も住まなくなった家を色々見てきたが、多くの家は庭の草木が伸び放題だったり、壁にカビが生えているなど、いかにも事故物件らしく荒れた感じになっていた。その経験上、筧さんの遺族が事件後もマメに掃除などをしていることが窺えるこの家は、重大な事故物件にしては珍しく思えるのだ。

手入れが行き届いている

◆表札は今も「筧勇夫」

私がもう1つ気になったのは、玄関に今も「筧勇夫」という表札が掲げられていたことだ。というのも、千佐子被告が逮捕された当初の報道では、この家は筧勇夫さんの死後、千佐子被告が相続し、すぐに売り払ったという情報も伝えられていたからだ。

そこで確認のために謄本を調べたところ、家の所有者は土地、建物共に現在も筧勇夫さんになっていた。どうやら上記のような報道は間違いで、千佐子被告はこの家を売る売らない以前に、相続していなかったようだ。一方で、千佐子被告以外の遺族も相続していないということは、おそらく千佐子被告が筧勇夫さん殺害の容疑で逮捕、起訴されているため、裁判が終わらないことには遺族たちも相続問題に手をつけることができないのだろう。

そんなふうにこの家を見ていると、すでに亡くなった筧勇夫さんの名前の表札が今も掲げられていることは、「千佐子の好きにはさせない」という遺族の思いの表れのようにも思えてきた。また、そもそも遺族は千佐子被告が筧姓を名乗ること自体が嫌なのではないか――とも考えさせられた。千佐子被告は裁判で無罪を主張する見通しだと伝えられているが、いずれにせよ裁判では、何らかの形で筧勇夫さんたちの遺族の思いや考えも法廷に示されるはずだ。その時には、私の推察が当たっていたか否かの答えも出るだろう。

▼片岡健(かたおか けん)
1971年生まれ、広島市在住。全国各地で新旧様々な事件を取材している。

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ASKA、ブログ公開の衝撃度──盗聴盗撮集団の存在は「妄想」か? 「事実」か?

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歌手のASKAが7月18日に公開したブログ「この半年間のできごとについて」で今年の1月に10万文字の自叙伝を書いて〝盗聴盗撮〟する集団について書いて「大丈夫なのか」とファンやスタッフたちは心配を重ねた。今、またしても「盗聴盗撮されている」との記述があり、関係者を困惑させている。

「こうした『盗聴集団に監視されている』という記述があったために、10万文字もドラッグに溺れるプロセスを書いた赤裸々な自叙伝が書籍になるチャンスをみすみす逃したのが今年の2月のことです。『メールも電話も盗まれている』と、スタッフに筆談を求めるほどに、疑っていますから」(芸能ジャーナリスト)

だが真剣に「盗聴盗撮集団が本当にいる」と指摘する一部のジャーナリストがいる。
「彼等はメールを盗みみて、マスコミ関係者やタレントにとりついて精神的に追い詰めていくのが目的です。ネットカルト集団としてはまだマイナーですが、ベッキーが不倫相手に送ったラインの中身をぶちまけたのも、彼等だという声も」(同)
もしASKAの言い分を鵜呑みのするとして、今、都内の警察の生活安全課には『つきまといメールがやまない』『盗聴されている』というタレントやマスコミからの相談が多数きているという。この出来事に関連性はあるのか。

「最近、この盗聴集団は、東南アジアに出かけるマスコミにもとりついて、たとえば歌手の興業などを邪魔しているのです」(同)

ASKAはこうブログに書いている。
『久しぶりにパソコンに触れた時、驚くべき事実に遭遇いたしました。僕の所有しているパソコン、スマホの全てのパスワードが書き換えられてしまっていたのです。ケーブルが繋がったままでしたので、遠隔操作でしょう。パスワードを取り戻すのには大変な時間を費やしました。1月に書いた4つのブログも、全部削除されました。昨今、芸能人の多くが、このような被害に遭われていることはご存じのことでしょう。』

警察関係者は言う。
「あまりにも各所に被害届けが出されるなら、事件化も考えるが、今のところ実害は出ていないようだし,様子を見ている」(同)

警察のサイバー犯罪課の実力を計っており、彼等「盗聴、盗撮集団」が跋扈するようだと,国家機密までが脅かされかねない。ASKAのブログが「妄想」だといいと願っている「仕掛け人」がいるのか。それとも、「ドラッグの後遺症」なのか。真相の究明が待たれる。

(伊東北斗)

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