《戦後77年》日本が歩んだ政治経済と社会〈4〉 ── 1990年代 失われた世代 横山茂彦

戦後77年を顧みるに、やや思想史的な内容になってしまったのは、筆者の「まとめる」悪癖とご諒解いただきたい。そのうえで、60年安保と70年(68年革命)を結節点に、日本社会が政治(イデオロギー)から経済(エコノミック)へとシフトしたことに触れないわけにはいかない。90年代とは、まさにそのような時代だったからだ。

◆高度成長の仮象

わが国の戦後復興は、敗戦による物不足という需要、朝鮮戦争による軍事特需、そして戦後生まれの分厚いベビーブーマー(団塊の世代)の消費と生産によって果たされてきた。

経済が単に生産の集積(供給)によってではなく、消費(需要)に大きな動力を占めていることは、70年代後半以降の経済停滞にしめされた。過剰生産とインフレ下の不況(スタグフレーション)という、成熟社会に典型的な経済後退が80年代を覆うことになったのだ。

またいっぽうでは、外部不経済(公害などの生産性の弊害)が社会経済を直撃する。そこでのイノベーションは、戦後復興のときの物質的豊富さとは相反する、いわばマイナス成長による分配の補正、社会的補償を必要とするものだった。この分配と社会保障は、70年代・80年代をつうじて充実し、行政的指導(個別の業界保護)による規制も増大し、日本社会に分厚い中間層を生み出した。

この時代を日本社会の成熟と安定の時代と呼ぶことも、今日的には難しくないかもしれない。その安定を土台に経済成長神話、とりわけ有限な資本の構成要素である土地神話が生まれたのだ。バブル経済の序曲である。


◎[参考動画]昭和ニュース リクルート事件(1988年)

◆ジャパン・アズ・ナンバーワン

バブル経済の原理は「土地への投資が超過利潤を生む」「限られた狭隘な土地には高付加価値がある」「土地が限定的である以上、値上がりはしても値下がりはしない」というものだ。

投資によって潤沢な資金が市場に出まわり、カネ余りが消費を刺激する。消費の拡大によって、不動産資産はさらなる利潤を生む。上昇時には加速するばかりの経済となる。

すなわち、資産価格が上昇する局面においては、資産転売による売買益(キャピタル・ゲイン)を求めて資産への投資が行われ、いっそう資産価格が上昇する。資産価格の上昇を見越した消費者による需要が消費需要を一段と増加させ、時価資産増加による帳簿上の資産増加が消費需要を増加させ、連鎖的に資産価格が上昇するインフレスパイラルが生まれるのだ。

だが需要が停止した瞬間(消費の限界点)、このスパイラルは崩壊する。ある日、不動産資産を売ろうとした人が、売れない現実に逢着するのだ。バブルの崩壊である。こうして、土地・建物・株式に投資した資産が価値をうしなう。1000万円を株に投資していたのに対して株価が700万円に、あるいは500万円に下落する。

不動産のほうがわかりやすいだろう。1億円の投資型マンションの市場価格が5000万円に低落するという事態が起きるのだ。その投資原資が金融機関からの融資であれば、投資家は5000万円の借金を背負うことになる。そしてつぎには、不良資産(融資担保物件)を抱えた金融機関が危機に陥るのだ。


◎[参考動画]リクルート疑惑 竹下登首相 国会答弁1

◆バブル崩壊の弱体化した社会は世界同時不況と労働市場自由化で再起不能となった

2000年代後半からは、サブプライムローン問題をきっかけにリーマン・ショックが起き、世界金融危機へと発展した。世界同時不況である。バブル崩壊から10年以上しても、経済低迷が完全に改善されることはなかった。ある意味で当然のことだった。

60年代から80年代後半まで、経済をささえていたのは分厚い中間層の旺盛な消費活動だったのである。若者の話題は「女とクルマ」であり「彼氏は3高」であった。高いマンションは買えないが、あきらめリッチと称して独身貴族は享楽をもとめた。お立ち台のあるディスコやドレスコード付きのクラブがその舞台だった。家族で海外旅行に、ふつうに行くようにもなっていた。その中間層が借金を抱えてしまったのだ。

それでも日本経済は、1990年代初頭にバブル崩壊を経験していらい、低いながらも名目経済成長は続いていた。ところが、橋本政権が村山政権時に内定していた消費税の税率3%から5%への増税を1997年4月に断行した。この時期の増税が消費減退を決定づけた。現在も消費行動を「節約」に走らせている元凶が、この消費税である。

翌年の1998年度には、名目GDPが前年度比約-2%(10兆円)の502兆円まで縮小した。これ以降、日本経済は未経験の本格的デフレーションへと突入し、「失われた10年」を経験することになる。1999年度は1997年度と比べ所得税収と法人税収の合計額が6兆5000億円もの減収となり、失業者数は300万人を超えてしまった。

そして小泉政権における労働市場の自由化、派遣労働者(年収200万円以下)の大量発生として、日本経済の屋台骨である中間層を最終的に崩壊させたのである。若者はクルマを買わなくなり、男子は草食化、女子はパラサイトシングル化し、婚姻数が激減する。失われた世代である。失われた10年は「失われた20年」となり、いまも回復基調は見えない。


◎[参考動画]第87~89代総理大臣 小泉純一郎【歴代総理列伝】

◆好況と社会運動の高揚

戦後77年をふり返って、朝鮮戦争を契機とした50年代の戦後復興、60年代の高度経済成長期には、日本社会では社会運動が活発だった。

政治革命には至らずとも、価値観を転換させる社会革命が起きたのも事実である。それらの社会運動は弱者救済の公的社会保障を生み出し、労働の権利および労使間の手厚い保障制度を結実させてきた。恐慌や貧窮が社会変革をうながすのではなく、好景気が労働者の権利を拡大し、分厚い中間層を生み出してきたのだ。

戦後史をつぶさに見てゆくと、好景気が社会運動の高揚を生み出し、不景気がそれを鎮静化させていることがわかる。

マルクス主義はドイツ哲学(ヘーゲル・フォイエルバッハ)・イギリスの古典派経済学(リカード)・フランス革命思想(パリコミューン)を源泉としている。したがって資本主義の発展の限界が金融恐慌を引き起こし、労働者階級が共産主義革命によって労働と所有を統一しないかぎり、資本と労働の矛盾は解決できないとしてきた。ぎゃくに言えば、恐慌こそ革命の因子であるということになる。

しかしながら、現実の革命は戦争による政治危機に生じた内乱によるものだった(ロシア革命・中国革命)。戦後革命はしたがって、樹立された労働者国家(ソ連・中国。キューバ)と帝国主義国家の体制間矛盾、被抑圧民族の反帝闘争によって、世界革命として実現されるはずだった。

それはしかし、じつは資本主義の盛況を背景にしていたのだ。分配の果実があるからこそ、労働運動の成果には現実性があった。仕事に困らないからこそ、人々は社会運動に熱中できたのではないだろうか。60年安保も68年革命も、好景気の時期である。そうしてみると、サンシモンやフーリエの空想的社会主義を批判してきたマルクスの空想こそ、間違っていたのかもしれない。

そしてもうひとつ、今日的に引きつけておかなければならないのは、80年代以降、マルクス主義などの左翼思想に代わって、宗教とりわけ新興宗教が日本人の心を支配してきたことである。

さかのぼれば、明治維新における廃仏毀釈によって、われわれの祖先は信仰心をうしなった。新渡戸稲造の「武士道」がベストセラーになり、明治後期いらい軍国主義思想の底辺を形づくったことは、あまり注目されて来なかった。武士道を規範とした軍国主義思想とは、じつに日本人の精神生活の空白(廃仏思想)にもたらされたものなのだ。

われわれの現在の日常生活においても、それは同じである。正月の三社参り、節句や七五三、結婚式が神道であり、お彼岸の墓参りは仏教寺院に行く。意味を知らないまま秋のハロウィーン騒動に興じ、クリスチャンでもないのにクリスマスを祝う。これら不定見な宗教観のなかに潜んだのが、カリスマ的なカルト信仰なのである。そのカルトの支援によって、自民党が長期政権をたもってきたことが、ようやく判明したのだ。

戦後77年目に起きた安倍元総理銃殺事件は、選挙運動のさなかに行なわれたテロ事件としてくり返し批判しなければならないが、カルト宗教と結託した戦後政治の帰結を教えたという意味では、象徴的な出来事なのだといえよう。(完)


◎[参考動画]オウムと中沢新一「虹の階梯」麻原彰晃が心酔した宗教学者

◎《戦後77年》日本が歩んだ政治経済と社会【目次】
〈1〉1945~50年代 戦後革命の時代 
〈2〉1960~70年代 価値観の転換 
〈3〉1980年代   ポストモダンと新自由主義
〈4〉1990年代   失われた世代

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

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【緊急NEWS!!】「しばき隊」顧問(代理人)弁護士・神原元弁護士、懲戒濃厚に! 神奈川県弁護士会綱紀委員会、懲戒委員会の審査相当を認める! 鹿砦社代表 松岡利康

【お断り】先に公開しました、神原元弁護士懲戒事案に対する記事について、神奈川県弁護士会綱紀委員会の9月13日付け「議決書」を閲読し、誤認と、これに基づく、誤解を生じさせる表現がありましたので、加筆・修正させていただきました。

◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆

その三百代言能力で、リンチ被害者の大学院生(当時)M君や、彼を支援する私たちを苦しめてきた、「しばき隊」顧問(代理人)弁護士・神原元弁護士に対し遂に神奈川県弁護士会綱紀委員会は、神原弁護士の暴言を「品位を失うべき非行」に該当するとし懲戒問題の次の段階である「懲戒委員会の審査を求め」、「審査を開始」いたしました。神原弁護士に対しては、これまで何度となく懲戒請求は出されてきましたが、その都度棄却されてきた中で画期的な判断です。

「議決」の「主文」は、
「対象弁護士につき、懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当と認める。」
です(詳細は「議決書」をお読みください)。

早速、当の「女性スペースを守る会」はツイッターを発信し、「議決書」や「懲戒請求書」などを、そのnoteにアップしています。意見の対立する相手を簡単に「●●」(「殺す」という意味)と言い放ち、「ヘイト団体」「ファシスト団体」と公言する、自称「人権派」弁護士の真の姿が今後明らかになるでしょう。再三再四の懲戒請求に、さすがに今回は弁護士会も業を煮やしたものと推察いたします。

「女性スペースを守る会」のツイッターの一部

弁護士の懲戒については、当該弁護士が所属している弁護士会が懲戒に値するか、否かを審査するという制度的な問題が、近年著しく顕在化してきました。また、懲戒請求を行った人物を、懲戒請求された弁護士が提訴し、損害賠償金を支払えとする判決(和解)も出されており、考えさせられることの多い問題です。

かつて橋下徹弁護士が、光市殺人事件被告人の弁護団に懲戒を呼びかける旨の発言をテレビで行い、弁護団は大変な数の懲戒請求に苦しめられたことがありました。当の橋下弁護士は「自分は懲戒に時間をかける価値がないと思ったからしなかった」と鉄面皮で語っていました。

このように弁護士の世界には、私たちの常識とは異なる規範があるのでしょうか。

いずれにせよ「正義は暴走してよい」と語ってなんの痛痒も感じなかった神原元弁護士は、『正義を振りかざす「極端な人」の正体』(山口真一・著、光文社新書)という本がありますが、このタイトル通りの人物です。

よもやの弁護士会の議決に動転する神原弁護士

来週22日(木)午前11時から、大阪高裁(第3民事部、別館8階84号法廷)で、しばき隊の中心的活動家として鹿砦社社内でやりたい放題やってきた藤井正美に対する訴訟の控訴審に、彼女の代理人でもある神原弁護士が出廷します。関西近辺の方はぜひ傍聴お願いいたします。

【追記】

仄聞するところによりますと、神原弁護士は「綱紀委員会で審査相当になったからと言って、懲戒が決まったわけではないですよ! 処分ナシも充分にありえます!」とみずからおっしゃっています。果たしてそうでしょうか? さっそく日弁連に確かめました。

2020年1月から12月まで、全国の弁護士会綱紀委員会で(懲戒委員会の)「審査相当」と判断されたのは66件、その後の「懲戒委員会」で「懲戒は相当ではない」と判断されたのは、「1件」だそうです(綱紀委員会で「審査相当」と判断された事案を「懲戒委員会」が「戒告」、「業務停止」、「退会命令」、「除名」と処分を決めるのが手続きです)。66分の1、1.5%だけが処分から免れている、これが現実です。

この数字を見る限り、綱紀委員会で「審査相当」と判断されたのであれば、何らかの懲戒処分が下ることが濃厚と考えるのが、妥当な判断であろうと思えます。すなわち、神原弁護士の懲戒処分決定は濃厚であるということです。

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

広島県知事の湯崎英彦さんへ 「安倍化」するあなたと「国葬参列」に元部下・後輩として諫言します さとうしゅういち

広島県知事の湯崎英彦さん。あなたは県庁職員だった筆者にとり、元上司で大学の尊敬する先輩です。あなたの最初の県知事選挙ではもちろん、あなたに投票しました。

あなたは9月12日、故・安倍晋三さんの「国葬儀」、俗にいう国葬に参列することを決めました。「大変残念」の一言です。

そもそも、人の死に差別をつけるのは法の下の平等に反するという原理原則があります。また、そこまで踏み込まずとも、弔意を事実上、強制するようになればこれは憲法違反です。そしてそういう行為に公金を支出することは許されない。それに、知事であるあなたが出席するのも許されないことであり、筆者も一会員である広島3区市民連合は山田代表名で9月5日に住民監査請求を行っています。

◆芸能人や医師なら権力者ほどの弊害はない

一方で、中華民国(台湾、李登輝総統)が1995年、テレサ・テンを国葬にしたような例で、権力者でない偉大な芸能人なりあるいはノーベル賞級の作家なりなら、権力者の場合ほどの弊害はないという思いは筆者もあります。

あるいは、中村哲医師の棺を当時のアフガニスタン大統領(実際にはタリバン優勢の中、日本の室町時代の第13代将軍の足利義輝程度の権威しかなかったとはいえ)が担いだ例はあります。その中村哲医師なら、憲法9条を持つ国としての国葬もありだったのではないか、という思いもあります。

しかし、安倍晋三さんに限らず、湯崎さん、あなたも含めて、そしてわたしも含めて政治家というものは批判されるためにあるものである。国葬という形で神聖化されることは、冷静な批判を困難にしてしまいます。この点が、テレサ・テンなり中村哲医師の場合とは決定的に異なる点です。

◆広島県民に多大な迷惑1 ── 河井事件

その上で、安倍晋三さんは広島県民に多大な迷惑をかけています。その一つは河井事件です。この事件で1,5億円を河井案里さん側に渡した最終責任者はほかでもない自民党総裁の安倍晋三さんです。「安倍さんから」といって河井克行受刑者からお金を渡された筆者の身近な地方議員(河井案里さん逮捕直後に辞職)もおられます。本来であれば、安倍晋三さんは証人喚問されるべきだったのです。そして、全てを包み隠さず話すべきだった。その説明責任を果たさぬまま、山上徹也被疑者の凶弾に斃れた。斃れたこと自体はお悔やみ申し上げますが、十分な時間がありながらなんの説明もしなかったことは許しがたいものがあります。

◆広島県民に多大な迷惑2 ── 2度の大水害での拙劣な危機管理

そして、安倍晋三さんは広島土砂災害2014、その4年後の西日本大水害2018で多大な迷惑を拙劣な危機管理という形で広島県民にかけています。

広島土砂災害2014から8年を経て ── 「教訓が十分活かされていない」という教訓 

広島土砂災害2014では、すでに大被害が明らかになっている状況で、ゴルフを始めた安倍晋三さん。天皇(現上皇)が那須御用邸での静養を取りやめてから慌てて、別荘での休暇を取りやめるというドタバタを見せました。

西日本大水害2018から4年 改めて振り返る〈3〉 総裁選対策「だけは」万全だった故・安倍晋三さんの夏 
旧統一教会の「家庭主義」が妨げるくらしの再建、そして日本の「アップデート」 

そして、西日本大水害2018。7月5日夜の「赤坂自民亭」はあまりにも有名すぎます。大被害が出はじめた翌6日、そして7日の夜も総裁選対策などの宴会を安倍晋三さんはされていたのです。

こうしたことから、県内でも、被災者やボランティアの怒りが爆発。ある被災地の現場では、ボランティアの一人が「総理を暗殺するやつがいたら面白いのに」という冗談に一同大爆笑、という一幕もありました。暗殺事件が起きたいまとなってはシャレにもなっていません。しかし、被災地のボランティアにかけつけるということは、広島という地域を愛しているからこそではないでしょうか?そういう方から「暗殺するやつがいたら面白いのに」と冗談でも言われてしまうようなまずい危機管理の男。こんな男の国葬(正式には国葬儀)に、広島県知事が参加するなど、屈辱でしかありません。

◆「安倍化」する湯崎県政

一方で、湯崎さん。あなたの県政自体の「安倍化」も嘆かわしいものがあります。就任当初は部下の一人として大変期待していただけに、がっかりです。安倍晋三さんは外資にやりたい放題させましたが、湯崎さん、あなたも同様です。

例えば、広島県はいまや全国でも産廃処分場への規制が緩い県です。こうした中で、外資系の企業が広島市安佐南区上安の産廃処分場を買収し、巨額の投資で拡大しようとしています。儲かるからそうしているわけです。

お友達との癒着という点でも湯崎県政は安倍晋三さんと酷似しています。湯崎さん、あなたの腹心の平川教育長は、自身の生まれ故郷の京都のNPOのために県の金で仕事をつくってやった疑惑がもたれています。少なくとも、NPO幹部=出入りの業者と飲食することは、一般職公務員だったら公務員倫理規定・要綱(組織によって微妙に名称は違うが内容はさして変わらない)違反ですし、国務大臣なら大臣規範に違反します。ところが、平川教育長は教育長にこうした規定が適用されないことをいいことに、やりたい放題されていたふしがあります。一方、故・安倍晋三さんも大臣規範が総理に適用されないことをいいことに、妻の昭恵さんと一緒にやりたい放題しておられました。まさに、瓜二つとはこのことです。

◆安倍・湯崎 経産省的な軽さという共通項

安倍晋三さんは経済産業官僚を重用されていました。湯崎さん、あなたも旧通産省ご出身です。筆者の大学の先輩、同級生、後輩にも多く経済産業官僚はおられます。人間としては面白い人が多いし個人的には筆者も彼らは好きか嫌いかと言えば好きだ。公務員離れしている人が多いのです。湯崎さん。あなたが、就任当初に「知事ではなく湯崎さんと呼べ」とおっしゃったのには感動しました。ある種の経済産業省的なものの良い面だったのでしょう。しかし、経済産業省的な感性で全体が運営されるのは筆者の行政経験に照らして不安を感じます。そうした「軽さ」の弊害が湯崎さん、あなたの県政でも安倍晋三さんの政権でも噴出した感があります。

◆「国葬参列」表明はある種の必然だが許しませんよ

湯崎さん。上記にも指摘したあなたと安倍晋三さんの親和性から「国葬」へのあなたの参列表明は、雰囲気的に予想はしていました。しかし、筆者はもちろん、それは許しません。監査請求への協力や街頭活動も含めて湯崎さん、あなたに元部下としてガツンとモノ申していく所存です。

◆何がやりたいかさっぱりわからない中央政府に県民を守る立場でモノを言ってください

湯崎さん。それにしても、中央政府はいったいなにがやりたいかわかりません。

以下のような旧統一協会問題相談集中強化期間の実施は遅きに失したとはいえ、やっています。

「旧統一教会」問題相談集中強化期間について(法テラス)
合同電話相談窓口
電話番号 0120-090590
受付時間 9時30分から17時(平日)
開設期間 9月5日(月曜日)から9月30日(金曜日)

問題は、せっかく国を挙げて上記をやりながら旧統一協会の広告塔になり、事実上の「協会葬」もしてもらった安倍晋三さんをなぜ、「国葬」にするのか?ということです。

旧統一協会側は、「国葬になった人も推薦していた団体です」ということで、今後も宣伝に悪用するのは確実です。

日本国として何がやりたいかさっぱり見えてこないのです。そういう日本国政府に対して、県民を守る立場からモノを言うのがあなたの仕事ではないですか?筆者の周囲でもそれなりに「親戚が、友人が統一協会にハマってヤバいよ」という話は聞いています。県民を守る立場に立とうではありませんか?

県としてできることは限られているかもしれない。それでも、例えば、筆者やれいわ新選組の公約でもある「安くて追い出されない住宅」を県が提供することはできる。そういう政策が実現していれば、例えば山上徹也被疑者や山上被疑者の兄上のような状況の方だってあそこまでは追い詰められないでしょう。

湯崎さん。国葬中止と「親が統一協会にハマっても生活を立て直せる日本、広島」をともにつくろうではありませんか? 元部下として、また、大学の後輩として、伏してお願い申し上げます。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年10月号
〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

横浜副流煙裁判を映画化、西村まさ彦主演『窓』、12月から劇場公開 黒薮哲哉

煙草の副流煙をめぐる隣人トラブル。はからずもこの社会問題をクローズアップした横浜副流煙裁判を、若手の映画監督がドラマ化した。タイトルは、『窓』。主演は西村まさ彦。映画は12月から劇場公開される。

この映画は、本ウェブサイトでも報じてきた横浜副流煙裁判に材を取ったフィクションである。しかし、近年、深刻になっている新世代公害-化学物質過敏症が誘発する隣人トラブルを、ノンフィクション以上にリアルに描いている。それは、住民のだれもが巻き込まれかねない隣人トラブルの地獄絵にほかならない。

化学物質は形もなければ匂いもないが、刻々と自然環境や生活環境を蝕んでいる。浸食は静止することがない。米国のCAS(ケミカル・アブストラクト・サービス)が登録する新生化学物質の件数は、1日に優に1万件を超えるという。もちろんこれらの化学物質のすべてが有害とは限らないが、複合汚染を引き起こすことで、深刻な被害を与えることもある。副流煙に含まれる化学物資も、数ある汚染源のひとつである。身近な存在であるがゆえに、横浜副流煙裁判にも、注目が集まって来たのである。


◎[参考動画]映画 [窓] MADO 予告篇

麻王監督の父親である藤井将登さんは、横浜副流煙事件の法廷に立たされた当事者である。編曲や作曲をてがけるミュージシャンだ。2017年11月、自宅マンションの音楽室で吸っていた煙草が原因で、「受動喫煙症」(化学物質過敏症の一種)などに罹患したとして、隣人から4500万円を請求される裁判を起こされた。警察の取り調べも受けた。

しかし、喫煙本数は、日に2、3本程度。しかも、音楽室が防音構造になっているので煙は外部にもれない。念のために禁煙をしてみたが、それでも隣人から苦情を言われた。風向きも調査してみたが、原告宅が風上になることがほとんどだった。上階の斜め上にある原告宅に音楽室の副流煙が届くはずがなかった。だれが見ても「冤罪」だった。

麻王監督は、そのことに衝撃を受けて、父親が提訴された直後から、事件を映画化する構想を練り始めたのである。そしてそれまで勤務していた東北新社を退職して、映画作品の制作に着手した。

「私は実家から独り立ちしているため、裁判の当事者では無いながらも、事の経緯を程近い距離で見てきており、また化学物質過敏症についても独自に調べつつ、この問題と自分なりに向き合ってきました」

「果たして、自らの窓が開いているだろうか。相手が自ら窓を開けられるような環境があるだろうか。社会の窓が開かれていかれているだろうか。どこか他人事で、自身の窓を閉ざしていないだろうか」(麻王、「制作支援プロジェクトのウェブサイト」)

化学物質過敏症の診断は困難を極める。汚染源となる化学物質の種類があまりにも多く、原因物質の特定が難しいからだ。代表的なものとしては、イソシアネート があるが、日本ではほとんど規制の対象にはなっていない。米国などでは猛毒としての認識がすでに定着していて、厳しく規制されている。

化学物質過敏症の正体が不透明なために、診断も「問診」と患者の「自己申告」を重視する傾向が顕著になっている。原告は、みずからの体調不良の原因を藤井将登さんの副流煙と断定して、専門医に自己申告した。それを受けて、医師は藤井さんを「犯人」として事実摘示した診断書を交付した。それを根拠に原告は、弁護士を動かし、警察を動かし、あげくの果てに4500万円の金銭を請求したのである。

かりに医師が、現場へ足を運んで事実を確認していれば、この事件は起きなかった。禁煙撲滅運動の政策的な目的で、結論先にありきの診断書を交付した疑惑があるのだ。少なくとも横浜地裁は、そのような認定を下した。もちろん原告の訴えも退けた。

その意味では、問診や患者の「自己申告」を重視して、診断書を交付した医師に最大の責任がある。原告家族も、ある意味ではずさんな医療の被害者なのである。有害化学物質を厳しく規制するなど、科学的な視点で環境問題に対峙してこなかった行政にも問題がある。

『窓』は、新世代公害が引き起こした複雑な群像を描いている。

制作支援プロジェクトは、現在、クラウドファンディンで上映資金などを集めている。同プロジェクトのウェブサイトへは次のURLでアクセスできる。

※横浜副流煙裁判は、2020年10月に被告・藤井将登さんの勝訴で終了した。現在、藤井さん夫妻は、元原告と診断書を作成した医師に対して「反スラップ訴訟」を起こしている。事件は、横浜地裁で継続している。

映画 [窓] MADO 制作支援プロジェクト

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』

関西電力の「土砂処分」「土地賃借の不正」で新たな告発を大阪地検、最高検に提出! 「関電原発マネー不正還流を告発する会」告発人募集は9月20日まで 尾崎美代子

福井県高浜町の元助役・森山栄治氏の死去により明らかになった関電の原発マネー不正還流事件。2019年12月13日に八木誠前会長、岩根茂樹前社長ら元役員ら12人を金品受領・報酬補填などの問題で、特別背任罪(会社法960条1項)、背任罪(刑法247条)、贈収賄罪(会社法967条1項)、所得税法違反(238条1項、120条1項)の疑いがあるとして、3272人が9月6日、告発状を大阪地検に提出した。2020年10月5日、「関電原発マネー不正還流を告発する会」(以下、告発する会)は、被告発人を森元会長ら9名に絞った告発状を大阪地検に提出、正式に受理された。

しかし、昨年11月19日、大阪地検は、強制捜査等行われないまま、嫌疑不十分として全員を「不起訴処分」にしてしまった。大阪地検OBには、多数の関電役員が天下りしているが、不都合な真実を隠ぺいするため「忖度」した結果であろう。告発する会は、すぐに「検察審議会」に申し立てることを決め申立人を募集、今年1月7日、検察審査会に申し立て、その後4回にわたり「補充書」を提出、追訴相当の議決がでるよう働きかけてきた。

そんななか、4月20日、関電内に設置されたコンプライアンス委員会が、調査報告書を関電に提出、公表された。それによれば、関電の土砂処分、土地の賃貸借及び倉庫の賃貸借でコンプライアンス違反があったことが認定されていることがわかった。

告発状を提出した大阪地検前で抗議の声をあげる市民たち(写真提供=末田一秀さん)

1つ目の、土地処分案件では、亡くなった森山元高浜町助役の関連会社「吉田開発」が、土砂の崩壊事故を起こして評判が悪いにもかかかわらず、元請けゼネコンが決まる前から吉田開発に下請けさせ、吉田開発は孫請けに仕事を出す一方で、自らは何もせずに「中抜き」で儲けるスキームを作っていたことが明らかになった。

報告書は、関電の当時の原子力事業本部の豊中秀己本部長(特別背任)、森中郁雄本部長代理(背任)、鈴木聡副事業本部長(背任)が関与していたと実名が挙げており、金沢国税局は、14件の工事について、差額は森山元助役に渡ったのではないかと指摘した。

2つ目の土地賃借案件では、吉田開発と同じ経営者の吉田関連X社や柳田産業が持っている土地を、森山元助役の求めにより、「適正賃料」よりもはるかに高額で関電が借りていたことがわかった。これに関しては、豊松氏に了承を得ていたと推認されるなどと書かれている。

関電は、事件が発覚後、株主が提訴した損害賠償請求の裁判などで、「発注額は適正であった」と主張し続けており、当時の大阪地検検事も不起訴理由説明会で「関連する発注の捜査を尽くしたが、府政発注などとは認められなかった」と述べていた。

ところが、4月のコンプライアンス委員会報告書は、吉田開発などに不当利益を与えるために高額での不正発注があったことなどを、根拠となるメール題名を記載しながら、詳細な数字を出して明らかにした。

土地賃借案件は、関電の役職員らが、森山元助役の要求に応じて土地A(高浜町内)の賃借を決定し、吉田開発の要求(賃料200万円/月)をうけて、社内規定に違反して賃借の算定をおこない、不相当に過大な賃料を、吉田関連X社へ支払っていたというものだ。

2015年3月、鈴木副事業本部長は、森山から「土地A」を駐車場用地などとして賃借して欲しいと要請された。これを受けて関電原子力事業本部では、「土地A」を月額50万円で賃借するとして、交渉していた。しかし、吉田開発が月額200万円を譲らなかったため、関電側は月120万円に加えて、B倉庫管理業務月額30万円、アクセス道路の巡視業身利益ベースで月額50万円を、吉田開発に発注していた。

土地Aの賃貸契約は、2016年7月5日に締結され、2021年3月に解約されるまでの間、適正賃料(17万5000円)と、実際の賃料(120万)の差額の総額は、1億2000万円超に上ると考えられている。

なお、新たな疑惑の「倉庫案件」は、毎日新聞が2012年2月23日に報じたものの、関電第三者委員会報告書には書かれていなかった問題だ。原発推進の高浜町議が、事業に失敗し面倒みてくれと依頼、高浜町幹部が関電にもちかけ、町議が経営する工場を、関電が2008年から倉庫として借り上げたものだ。相場が年1600万円のところ、5520万円。2013年10月、国税局に問題を指摘され、4860万円に減額し、2018年度に1620万円にするまで間、町議が得た不当利益は、3億5174億円と計算されている。    

前述したように関電は、これまで株主が提訴した損害賠償請求の裁判などで、「発注額は適正であった」と主張し続け、大阪地検も不起訴理由説明会で、「関連する発注の捜査を尽くしたが、不正発注などとは認められなかった」と述べていた。

ところが、4月のコンプライアンス委員会報告書は、吉田開発などに不当利益を与えるために高額での不正発注があったことを具体的な数字で明らかにした。

告発する会は、4月28日、大阪地検に対して、再捜査を求める申し入れ書を提出するとともに、検査を行う検察審議会へに対して、起訴相当の議決を行うよう補充書を提出していた。

そして、9月6日(火曜日)午後1時より、大阪地検と最高検察庁に告発状を新たに提出した。その後、会場を移動し、弁護団の報告会が開催された。河合弁護士、海渡弁護士、川上弁護士らがオンラインで記者会見し、多くのマスコミの質問に応じた。

海渡弁護士

海渡弁護士「前回、検察審査会の内容は、報酬補填の部分は起訴相当だったが、不適正発注については、不起訴不当にしかならなかった。それは証拠が不十分だったからでしたが、今回のコンプライアンス委員会の調査で分かったことは、それらの氷山の一角です。しかし、ここでは非常にはっきりした形で、全部の証拠が集まっているので、今回の検察審査会の見解からすれば「起訴しなくてはいけない」と考えるべきと思います。大阪地検は、とうぜん起訴しなくていけないと判断してくださると考えますが、大阪地検は競うべき事件を不起訴にしてきた前科があるので信用できないとして、今回は最高検察庁も入れてやろうとしました。双方が協力して起訴して貰えば問題はないわけです。最後に私からひとこと『大阪地検は、この件でかならず起訴して欲しい。仮に大阪地検が不起訴にしてしまっても、最高検察庁がかならず起訴相当にするに至るだろう』と考えている。再捜査の中で、この問題がでてきたので、これを調べればいいのです」。

河合弁護士「大阪地検と最高検察庁の両方に訴えるということは異例のことです。我々はこの事件を取り組むなかで、大阪地検のなかに、関電幹部が多数天下り、しかもそれなりの要職に就いていること。だから不起訴にしたのではないかと考え、その不信感の表れが、最高検察庁にも訴えたということに現れたと考えています。大阪地検は信頼できない。最高検察庁は、大阪地検をきちんと指導してほしい。そうして市民の信頼を取り戻してほしい」と訴えた。

9月6日は、4月20日付けの関電のコンプライアンス委員会・調査報告で明らかになったうち、土砂処分問題、土地賃借問題の2件を告発した。新らに分かった3つめの倉庫問題については、弁護団が多忙で告発状が間に合わなかったため、9月30日に改めて告発する。なお、告発人の募集は9月20日まで行われている。

「関電の原発マネー不正還流を告発する会」
 事務局:〒910‐0859 福井県福井市日之出3-9-3
    「原子力に反対する福井県民会議」気付 
 mail:fukuiheiwa@major.ocn.ne.jp

▼尾崎美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

〈原発なき社会〉を求めて集う不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2022年秋号
NO NUKES voice 改題 通巻33号
紙の爆弾 2022年10月号増刊
2022年9月11日発行 
A5判/132ページ(巻頭グラビア4ページ+本文128ページ)
定価:770円(本体700円)

主要目次
[コラム]樋口英明(元裁判官)
株主代表訴訟東京地裁判決と国家賠償訴訟最高裁判決
小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]原発が原爆になる
[コラム]戦争に落ちていこうとするこの国
[講演]3・11福島原発事故から11年
脱炭素・原発再稼働・小型原発を問う
[講演]広瀬隆(作家)
二酸化炭素地球温暖化説は根拠のまったくないデマである〈中編〉
[講演]小山美砂(毎日新聞大阪社会部記者)
疑わしきは救済する──「黒い雨」訴訟と核被害への視座
[インタビュー]井戸謙一(311子ども甲状腺がん裁判弁護団長)
福島第一原発事故と甲状腺がんの因果関係を証明する
[報告]漆原牧久(「脱被ばく実現ネット」ボランティア)
311子ども甲状腺がん裁判を傍聴して
山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表、東電株主代表訴訟原告)
[報告①]東京地裁で東電元経営陣に一三兆円余の賠償金を命じる判決
原発を動かし続ける電力会社経営陣への警告
[報告②]電力逼迫を利用した原発推進政策の問題点
[報告]鈴木博喜(『民の声新聞』発行人)
そこに民主主義はない
福島第一原発「汚染水」海洋放出強行
[報告]森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
原発事故避難者に国連「指導原則」に則った人権保護を!
[報告]伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「原発事故避難者」はどこにいるのか?
[映画評]細谷修平(メディア研究者)
シュウくんの反核・反戦映画日誌〈2〉
原子爆弾と夢想の力──『太陽を盗んだ男』を観る
[報告]板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら重信房子なのか?
[報告]山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈17〉今日における日本人の原罪
[報告]三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
とめどなく出てくる統一教会汚染と国葬
[報告]佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
原爆・原発・統一教会~天網恢々、疎にして漏らさず!~
[書評]大今 歩(高校講師・農業)
福島の小児甲状腺がん検査は本当に「過剰診断」なのか
『福島の甲状腺検査と過剰診断』(あけび書房)
[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
虚構の「電力逼迫」発表にまどわされない!
本命の原発再稼働に反対し、言論と大衆行動で闘う
《全国》柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
「原発の過酷事故は我が国の存立を危うくする」=東電株主代表訴訟判決文
《六ヶ所村》山田清彦(核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団事務局長)
高レベル放射性廃液の冷却不能トラブル
《福島》けしば誠一(杉並区議会議員/反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
福島の実態を全国に配信し 原発を止める闘いを強めます
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店前合同抗議実行委員会)
電力危機を煽る岸田政権・原発推進派に抗して、原発再稼働の動きを阻止しよう
《東海第二》志田文広(東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク)
東海第二原発いらない!-茨城県知事へ要望書、日本原電へ申入書を提出
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
老朽原発・美浜3号機を廃炉に! 過酷事故が起こる前に 電気は足りている
《伊方原発》秦 左子(伊方から原発をなくす会)
私たちは「原発いらん!」と叫び続ける
伊方原発3号機再稼働絶対反対!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
一二〇〇件のパブコメ反対意見を無視して海洋投棄認可、規制委緊急抗議行動
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
日野行介『調査報道記者 ── 国策の闇を暴く仕事』
[反原発川柳]乱鬼龍

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記事をほぼ全否定し、巨額の賠償請求 「性加害」報道ブームに一石を投じそうな園子温監督の提訴 片岡 健

今年、芸能界では、有名俳優や映画監督が次々に性暴力やパワハラを報じられ、出演作品やCMの降板、活動の休止などを余儀なくされている。そんな中、自身の「性加害」を報じた『週刊女性』に対し、民事訴訟を起こす反撃に出たのが、映画監督の園子温氏(60)だ。

その訴訟記録を東京地裁で閲覧したところ、園氏は同誌の記事の主要部分をほぼ全否定し、請求する損害賠償なども思いのほか巨額であることがわかった。『週刊女性』側にとって訴訟活動はハードなものになりそうで、「性加害」報道ブームに一石を投じる訴訟になりそうな予感もする。

園氏に訴えられた『週刊女性』4月5日発売号の記事 ※修正は引用者による

◆編集長と担当記者も被告に

「事実と異なる点が多々ございます」

園氏は公式サイトで5月19日、複数の女優に対する自身の「性加害」を報じた『週刊女性』4月5日発売号(表紙などには4月19日号と表記)の記事と、その続報を伝えた同誌4月12日発売号(表紙などには4月26日号と表記)の記事について、そう主張。同誌の発行元『主婦と生活社』を被告として損害の賠償と謝罪広告、インターネット記事(同誌の公式サイト『週刊女性PRIME』に掲載された上記2つの記事)の削除を求める訴訟を起こしたことを公表した。

東京地裁で訴訟記録を閲覧したところ、実際には、園氏は『主婦と生活社』のみならず、同誌編集長の栃丸秀俊氏と担当記者も被告として提訴。同誌の記事により名誉を毀損され、脚本・監督を担当したハリウッド映画の制作が中止になるなどしたとして、1億1000万円の損害賠償を請求し、さらに朝日、読売、毎日、日経、産経の5紙に各1回、『週刊女性PRIME』に10週間、それぞれ謝罪広告を掲載するように求めている。この種の訴訟としては、かなり巨額の請求だと言える。

そして、それ以上に驚かされたのが、園氏が訴訟の対象とした2つの記事について、主要部分のほぼすべてを「真実ではなく、虚偽である」と否定していることだ。事案の内容を正確に伝えたいので、2つの記事のうち、園氏が「虚偽」と主張する部分を以下にすべて示す。

・・・・・以下、『週刊女性』4月5日発売号の記事(タイトルは『映画監督・園子温(60)が女優に迫った卑劣な条件「オレと寝たら映画に出してやる」』)のうち、園氏が「虚偽」と主張する部分・・・・・

①「今も平気で“俺とヤッたら仕事をやる”と言う映画監督がいます。彼の作る映画は評価が高く、作品に出たがる女優はたくさんいます。それを利用して、彼は当たり前のように女優たちに手を出している。それが、園子温です」
※記事によると、証言者は「さる映画配給会社の幹部」。

②「出演予定の女優を園監督が自分の事務所に呼び出して、性行為を迫ったけれど、彼女は断った。すると園監督は前の作品に出ていた別の女優を呼び出して、目の前で性行為を始めたというんです」
※記事によると、証言者は「前出の映画配給会社の幹部」。

③園の映画作品に出演したことがある、女優のAさんは眉をひそめ、こう証言する。
「普段から“女はみんな、仕事が欲しいから俺に寄ってくる”と話していました。“主演女優にはだいたい手を出した”とも」

④園作品に出演したことがある女優のBさんが、その身に起きた実体験を告白する。
「あるイベントで出会い、LINEを交換したんです。その後、新宿で飲むことになりました。複数人いましたが、その席ではたしかに“俺はたくさんの女優に手を出しているけど、手を出したやつには仕事を与えている。だからほかの監督とは違うんだ”と話していました」
悪びれる様子もなく、堂々と話していたというのだから、それが“問題行為”だという認識を持ってはいなかったのだろう。

⑤「当時の私は“役者として売れたい”という目標があったから必死でした。あるとき園さんから連絡が来て、都内のシティホテルに来ないかと誘われて。“俺は仕事あげるよ”とずっと言っていたので、受け入れて向かったんです」(Bさん、以下同)
平日の昼間、Bさんはそこで園と関係を持った。
「嫌がることをされたとかはありませんが、“彼氏がいるなら、彼氏に電話しながらシタい”と言われました。“いない”と伝えたら“俺のために彼氏つくって”と。そういう性癖なんでしょうね。避妊はしてないです」
ほどなくして、園が監督する新作のオーディション案内が事務所に届いた。
「会場で園さんと会ったとき、アイコンタクトをしてきたので“受かった”と思いました。撮影が終わった後も、何度かLINEが来ました」

⑥「マネージャーと一緒にアトリエに呼ばれて3人でビールを飲んでいたら、いきなり園さんが脱ぎ始めて“ふたりでフェラして”と要求してきたそうです。結局、園さんは飲みすぎたせいか、途中でやめてしまったみたいですけど」
※記事によると、証言者は前出のBさん。「別の女優から聞いた話」として、このように証言したという。

⑦向かいに座っていたはずの園だったが、話をしながらだんだんCさんに近寄ってきて、いつの間にか隣に。
「肩に腕を回して、突然キスされて……。私は驚いて“本当にやめてください。さっき、奥さんに感謝してるって言ってたじゃないですか”と。すると、今度は違う話をし始めて、抱きついてきたんです」
その後も押し問答が続く。
「ずっと抵抗していると“俺は業界で有名なヤリチンだよ?”って言ってきました。言い間違えだったようで“違う、違う! 有名なアゲチン!”と焦っていましたが……。そして“俺、ハットがすごい好きなんだよ。コレクション見せるよ”と、別の部屋に案内されました」
その部屋が、寝室だった。
「私は、絶対に寝室に入りたくなかったので、ドアの外からハットを見ていました。でも、強引に腕を引っ張られ、ベッドに押し倒されて馬乗りされました。そして、キスをされたり、首元を舐められたり、胸を揉まれたり……。さらに“めっちゃ勃ってる”と私の身体に股間を押しつけてきて触らせようとしてきたり、服の首元から、中に手を入れられたりもしました」
どうにか部屋を出ようと、Cさんは床に転がり下りた。
「園は服を脱いで、“見て見て。勃起してる”と言ってきました」

・・・・・以下、『週刊女性』4月12日発売号の記事(タイトルは『園子温「覚悟の性暴力告白」に対して“法的措置”で威嚇 被害女性が憤怒「また傷つけられた」』)のうち、園氏が「虚偽」と主張する部分・・・・・

①「予想どおりの反応でした。そもそも謝る気がないんです。自分がした行為がどれだけ卑劣なことか、わかっていないんですよ」
怒りで声を震わせながら、そう話すのは、映画監督の園子温から受けた“性被害”を、4月5日発売の週刊女性で告白した元女優のひとり。

②かつて園と親交があったという別の女優は、彼の人柄についてこう明かす。
「性暴力ではないですが、撮影現場で“俺にはヤクザがバックについてるからな!”と、もめた相手を威圧しているのを見たことがあります。本当にヤクザと関係があるなら、そんなこと言わないでしょうけど。自分を大きく見せようとする、すっごく気の小さい人なんですよ」

◆『週刊女性』側にとってハードな戦いになりそうな理由

さて、このように記事のうち、園氏が「虚偽」と主張する部分を見ただけで、『週刊女性』側にとってハードな戦いになりそうだと筆者が予想する理由をわかる人はわかるだろう。

名誉毀損訴訟では、訴えられた側が仮に相手方の名誉を毀損する表現をしたと認定されても、その表現の公共性や公益性、真実性を立証できれば、免責される。今回の場合、『週刊女性』の2つの記事は、芸能界の性暴力やパワハラが社会問題化する中、著名な映画監督による複数の女優らに対する「性加害」を報じたものだから、公共性や公益性は認められるはずだ。

しかし、園氏にここまで徹底的に記事内容を否定されたら、『週刊女性』側にとって記事の真実性を立証するのは大変だろう。記事中で園氏の「性加害」を証言している映画配給会社幹部や女優ら「匿名の取材協力者たち」に実名を明かしてもらったり、場合によっては法廷で証言してもらったりしなければならないことが考えられるからだ。

法的なことだけを言えば、『週刊女性』側は仮に記事の真実性を立証できずとも、真実と信じた相当の理由や根拠があることを立証できれば足りる。しかし、そのために取材協力者たちに面倒をかけること自体、メディアにとって辛いことだ。

この訴訟で『週刊女性』側が仮に敗訴し、巨額の損害賠償や謝罪広告の掲載を余儀なくされればもちろんのこと、仮に勝訴したとしても取材対象者たちを法廷に立たせるようなことになれば、俳優や映画監督に関する「性加害」報道ブームにブレーキがかかったり、メディア全体が「性加害」報道のあり方の検証を迫られたりする可能性もあるように思う。

▼片岡健(かたおか けん)
ノンフィクションライター。編著に『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(リミアンドテッド)。stand.fmの音声番組『私が会った死刑囚』に出演中。

党綱領を自ら否定した自民党は即時解散せよ 岸田内閣改造人事の真相 月刊『紙の爆弾』2022年10月号
「絶望の牢獄から無実を叫ぶ[電子書籍版]─冤罪死刑囚八人の書画集─」(片岡健編/鹿砦社)

エリザベス女王追悼と安倍国葬 元総理の業績と予算への疑義 横山茂彦

安倍元総理の国葬が国民を分かつ議論になっているところに、United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)から訃報がとどいた。エリザベス女王の薨去である。

第二次大戦に陸軍整備兵として従軍し、伯父エドワード8世の退位、父ジョージ6世の死去によって70年ものあいだ、世界史的な存在として君臨した女王には謹んで弔意を表したい。


◎[参考動画]英・エリザベス女王死去 96歳 在位70年|TBS NEWS DIG 2022/09/09

さて、国論を分かつ安倍国葬問題そのものが、世界史的な女王の訃報によって色褪せてしまいそう。いや吹き飛びそうな趨勢なのだ。

それには56か国のコモンウェルス・オブ・ネイションズ(旧イギリス領=世界人口の3分の1)の女王とアジアの一国の宰相の差。女王の70年にわたる君臨にたいする安倍の8年余の治世という以上に、相応の理由がある。そのあまりにもトホホな業績のゆえである。

◆自民党+旧統一教会の宰相

法的根拠もないまま、安倍国葬儀を閣議決定した岸田総理は、その根拠に「8回にわたって選挙に勝った」ことを挙げている。選挙に勝ってきたことが「業績」だというのだ。

たしかに、アベノミクスの失敗、領土交渉の完敗、拉致事件の未解決、森友・加計・桜を見る会問題と、失政と疑惑だらけの政権にもかかわらず、安倍晋三は選挙にはめっぽう強かった。官邸による官僚統制と自民党の党公認一元化という武器のほかに、選挙に勝てる根拠があったからだ。

すなわち、その選挙の強さが「旧統一教会」の支援によって可能だったことが、ますます天下に明白な事実として暴露されつつあるのだ。足掛け8年にわたって選挙で強さを誇示してきたのは、安倍「自公」政権ではなく、安倍「自統」政権だったのである。

さてその安倍国葬儀は、海外からの元首級の参列者がほとんどいないという、トホホなものになりそうだ。

◆日本の弔問外交の貧弱

あまりにもトホホな情勢だ。安倍国葬儀における、海外要人の来訪予定である。
現在までの発表によれば、インドのモディ首相、シンガポールのリー・シェンロン首相、欧州連合のミシェル大統領、カナダのトルドー首相、ベトナムのフック国家主席、オーストラリアからアルバニージー首相らの名が挙っているのみだ。
G7関係の出欠はどうか?

アメリカ バイデン大統領(×)
カナダ  トルドー首相(◯)
イギリス ジョンソン元首相・トラス首相(×)
フランス マクロン大統領(×)
ドイツ  シュルツ首相(×)
イタリア マッタレッラ大統領(×)

盟友アメリカからは、ハリス副大統領が訪韓も兼ねての参加となる。欠席が決まっているのは、バイデン大統領、フランスのマクロン大統領のほか、当初は訪日を検討中と伝えられていたドイツのメルケル前首相も参列を見送ることが分かった。つまりG7首脳からは、見向きもされていないのだ。

「G7で一番長く一緒だったメルケル前首相まで来ないのには驚きました。諸外国首脳は、弔意は示しても、国葬にわざわざ行く価値はないと判断したのでしょう。海外の対応はシビアで、安倍元首相が日本の地位を高めたと言うけれど、残念ながら、これが国際社会における実力ということです」(五野井郁夫高千穂大教授=国際政治学、ヤフーニュース9月5日)。

ドイツからはメルケル氏に代わってウルフ元大統領が出席する予定だが、日本での知名度は低い。連邦大統領(名誉職)に就任した翌年(2011年)に汚職が発覚し、その事実を報道しないようメディアに圧力をかけたことが分かり、批判を浴びた人物だ。ウルフ氏は大の親日家だという。

大の親日家といえば、シラク元フランス大統領の国葬に安倍総理(当時)は参加せず、日本は首脳級も送らなかった。

内外に影響を与えた大人物の国葬に、クリントン元米大統領やイタリアのマッタレッラ大統領、ベルギーのミシェル首相らが出席するなか、日本政府からの参列者は木寺昌人駐仏大使だったのだ。このときの特使すら送らなかった「非礼」が、いまフランス首脳の不参加として返ってきたのである。

シラク元大統領は引退後を含めて、40回以上も来日したほどの親日家である。大相撲が好きで、しばしばお忍びで観戦し、それに気づいた国技館の観客から「シラク! シラク!」の喝采を浴びたものだ。優勝力士へのフランス共和国大統領杯(シラク杯)を創設したり、愛犬に「スモウ」の名をつけたりしていたことも報じられた。現職時代には、京都に「カノジョ」がいた、という話も囁かれていたほどである。このような失政は、対フランス外交だけではない。

◆二流の外交政策のツケ

日本はこれまで、ロシアのエリツィン元大統領(2007年)、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世(2005年)の葬儀の時、首相級を送らずに弔問外交で失敗しているのだ。
ヨハネ・パウロ2世のときは、米国からブッシュ大統領、英国からチャールズ皇太子及びブレア首相、フランスからシラク大統領、ドイツからケーラー大統領及びシュレーダー首相、イタリアからチャンピ大統領及びベルルスコーニ首相、カナダからマーティン首相、ロシアからフラトコフ首相らが参加し、弔問外交をくりひろげた。

キリスト教国にとってのみ、外交舞台だったかのような印象を受けるが、じつはバチカンは世界レベルの宗教国家であり、仏教界もそれにふくまれる。問題は国家と宗教の関係をただしく理解できない、日本の政界の弱点が顕われたとみるべきであろう。

日本から参列した川口順子元生外相(当時)は首相補佐官なので、大国の首脳と会談することはかなわなかった。ようするに、いくら世界の大国を自認してみても、じっさいの外交力・外交政策は二流国なのである。一昨年のフランシスコ法王の来日にさいしても、国民的な歓迎というにはほど遠く、国会での演説も見送られたのだった。

安倍元総理が重視してきたアジア・アラブ関係ではどうか。今年5月にアラブ首長国連邦のハリファ元大統領が亡くなった際、弔問式に首相特使として自民党の甘利明前幹事長を遣わしている。政権閣僚はおろか、党の本流からもはずれた人物が特使なのである。結果は推して知るべしであろう。

◆警備費という名のお手盛り


◎[参考動画]安倍元総理の国葬 約17億円【WBS】(2022年9月6日)

ところで、国葬儀の費用が当初発表の2.5億円から16億5000万円と発表された。識者の試算では、結果的には37億とも100億とも言われているが、まずは政府発表の予算を検証してみよう。

このうち、警備費用が8億円(延長勤務手当5億円・派遣旅費3億円)、外国要人の接遇費(車両手配や空港の受入体制)が6億円。ほかに細かいところでは、自衛隊の儀じょう隊が使用する車両借り上げなどに1000万円だという。

この「延長勤務手当」(5億円)というのは、要するに警察官(機動隊員)の残業手当および特別手当なのである。3億円の派遣旅費というのは、機動隊員が警備車両で移動すればガソリン代と高速費用(公的・緊急派遣であれば免除される)で済むところ、新幹線で旅行をさせる、ホテルに宿泊させるというものだ。

外国要人の接遇費も、具体的な内容が明らかになっていない。借り上げるハイヤーや警察の警護車両のほかに、空港関係者が「接遇」する何に、6億円かかるのか不明なのだ。自衛隊の儀じょう隊は、自衛隊車両を使用するのではないのか。

ようするに、警備関係者が予算を膨らませることで、国費を「横領」しているのだと指摘せざるをえない。国葬それ自体よりも、警察官僚の予算獲得という副業を問題にするべき時であろう。


◎[参考動画]【ノーカット】安倍元首相の国葬めぐる閉会中審査 岸田首相が説明 立憲・泉代表らが質問

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

党綱領を自ら否定した自民党は即時解散せよ 岸田内閣改造人事の真相 月刊『紙の爆弾』2022年10月号

『季節』秋号をお届けするにあたって 季節編集委員会

9月に入りました。酷暑と新型コロナ禍再爆発で大変だった今夏も、まだ暑さは残るとはいえ少しは秋の訪れを感じさせる季節となりました。

岸田政権は、安倍前首相暗殺後の混乱に乗じ原発再稼働、さらには原発新規建設まで口に出し始めました。とんでもない話で、断固粉砕しなければなりません。

さて、本年より『NO NUKES voice』を改題、全面リニューアルし『季節』として再出発いたしました。今号で3号目となりますが、多くの皆様方にご支援いただき、まずまずの船出でした。ありがとうございました。

本誌は(2014年8月の旧『NO NUKES voice』)創刊から8年が経ちました。同時に2011年3・11から11年余りが経ちました。

創刊したのはいいとしても、以後1号たりとも黒字にならず赤字を重ね、鹿砦社の他の分野の書籍の利益を回すことで継続してきました。しかし、昨今の新型コロナ禍による打撃は想定以上に大きく、会社も急激な業績悪化で、昨年末には休刊の危機に追い込まれました。そうした情況下、小出裕章さん、樋口英明さん、井戸謙一さんはじめ多くの先生方、読者の皆様の物心両面にわたるご支援と叱咤激励は、私たちに勇気を与え奮起せざるをえない闘志を惹起させました。また、苦渋の想いで部数を減らしたり工夫に努め今号もお届けすることができました。次号以降も、多くの皆様方に支えられ必ず継続していくことを決意しお約束いたします。
 
改題・リニューアルした『季節』の前途は荒海です。しかし私たちは、被災された方々、故郷を追われた皆様方に寄り添い(皆様のご苦労に比べればなんのことはありません)、なにがなんでも寄稿者や読者の皆様方と共に乗り切ってまいります! あらためて、今後ともよろしくご支援お願い申し上げます。チラシを同封させていただきましたので、知人・友人の方へ本誌の販促、定期購読(新規、前倒し更新、複数年申し込み)、書籍や本誌バックナンバーなどの直販などをお勧めください。

末筆ながら、コロナ禍長期化と、急激な物価高など社会情勢の悪化の中、皆様方のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

2022年9月
季節編集委員会代表兼編集長 小島 卓
株式会社鹿砦社 代表取締役 松岡利康

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年秋号(NO NUKES voice改題 通巻33号)

〈原発なき社会〉を求めて集う不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2022年秋号
NO NUKES voice 改題 通巻33号
紙の爆弾 2022年10月号増刊
2022年9月11日発行 
A5判/132ページ(巻頭グラビア4ページ+本文128ページ)
定価:770円(本体700円)

主要目次
[コラム]樋口英明(元裁判官)
株主代表訴訟東京地裁判決と国家賠償訴訟最高裁判決
小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]原発が原爆になる
[コラム]戦争に落ちていこうとするこの国
[講演]3・11福島原発事故から11年
脱炭素・原発再稼働・小型原発を問う
[講演]広瀬隆(作家)
二酸化炭素地球温暖化説は根拠のまったくないデマである〈中編〉
[講演]小山美砂(毎日新聞大阪社会部記者)
疑わしきは救済する──「黒い雨」訴訟と核被害への視座
[インタビュー]井戸謙一(311子ども甲状腺がん裁判弁護団長)
福島第一原発事故と甲状腺がんの因果関係を証明する
[報告]漆原牧久(「脱被ばく実現ネット」ボランティア)
311子ども甲状腺がん裁判を傍聴して
山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表、東電株主代表訴訟原告)
[報告①]東京地裁で東電元経営陣に一三兆円余の賠償金を命じる判決
原発を動かし続ける電力会社経営陣への警告
[報告②]電力逼迫を利用した原発推進政策の問題点
[報告]鈴木博喜(『民の声新聞』発行人)
そこに民主主義はない
福島第一原発「汚染水」海洋放出強行
[報告]森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
原発事故避難者に国連「指導原則」に則った人権保護を!
[報告]伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「原発事故避難者」はどこにいるのか?
[映画評]細谷修平(メディア研究者)
シュウくんの反核・反戦映画日誌〈2〉
原子爆弾と夢想の力──『太陽を盗んだ男』を観る
[報告]板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら重信房子なのか?
[報告]山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈17〉今日における日本人の原罪
[報告]三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
とめどなく出てくる統一教会汚染と国葬
[報告]佐藤雅彦(ジャーナリスト/翻訳家)
原爆・原発・統一教会~天網恢々、疎にして漏らさず!~
[書評]大今 歩(高校講師・農業)
福島の小児甲状腺がん検査は本当に「過剰診断」なのか
『福島の甲状腺検査と過剰診断』(あけび書房)
[報告]再稼働阻止全国ネットワーク
虚構の「電力逼迫」発表にまどわされない!
本命の原発再稼働に反対し、言論と大衆行動で闘う
《全国》柳田 真(たんぽぽ舎共同代表)
「原発の過酷事故は我が国の存立を危うくする」=東電株主代表訴訟判決文
《六ヶ所村》山田清彦(核燃サイクル阻止一万人訴訟原告団事務局長)
高レベル放射性廃液の冷却不能トラブル
《福島》けしば誠一(杉並区議会議員/反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
福島の実態を全国に配信し 原発を止める闘いを強めます
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店前合同抗議実行委員会)
電力危機を煽る岸田政権・原発推進派に抗して、原発再稼働の動きを阻止しよう
《東海第二》志田文広(東海第二原発いらない!首都圏ネットワーク)
東海第二原発いらない!-茨城県知事へ要望書、日本原電へ申入書を提出
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
老朽原発・美浜3号機を廃炉に! 過酷事故が起こる前に 電気は足りている
《伊方原発》秦 左子(伊方から原発をなくす会)
私たちは「原発いらん!」と叫び続ける
伊方原発3号機再稼働絶対反対!
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
一二〇〇件のパブコメ反対意見を無視して海洋投棄認可、規制委緊急抗議行動
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
日野行介『調査報道記者 ── 国策の闇を暴く仕事』
[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発情報誌『季節』を応援しています!

自然との共生を具現化したライフスタイルとは 小林蓮実

最近、地方の社会から世界の未来に関する報道まで、幅広く気になっている。

地方に関しては、たとえば地域の海士さんたちは乱獲にならぬようにルールを設定して漁をしているいっぽう、養殖魚を扱うところでは背骨などの曲がった魚を切り身にして売っているというような話を聞く。都会との2拠点生活をしている人の中には、養殖魚の問題を知っている人もいた。

わたしが引き継いだ田んぼ。昨年のはさがけの様子

『Business Journal』2021年4月28日には、

日本の漁業を歪めるドン、岸会長の全漁連“私物化”、不正が次々発覚……使途不明金も」と題し、「この状態を放置し続ければ、予算が膨張し続けるだけで一向に水産行政の改善が図られない。岸会長をはじめとした大幹部、そして全漁連を押さえつけられない国会議員には一刻も早くご退場願いたい」

と締める記事も掲載されていた。

印鑰智哉(いんやくともや)さんのFacebookをフォローしているが、2022年8月23日、

米国のある研究によると、核戦争が起きれば日本はほとんどの人が餓死する。使われた核兵器がもっとも少ないケース(100発)でも国際取引が止まれば2年以内に少なくとも7000万人以上(6割)が餓死」「食料自給率の高い国では、この条件では餓死者が出ない国も多く、日本だけで世界全体の餓死者の約3割を占めることになる

と記されている。

また、YouTubeにも、日本や世界の未来の危機を訴える動画は多いが、提示される解決策はさまざまだ。SDGsをうたう企業も増加し続けているが、結局はこれもまたSDGsをアピールすることで利益アップにつなげることを目論んでいるとしか考えにくい事例ばかりがあふれかえっている。

SDGsポスター(ひとつひとつがロゴ。『国際連合広報センター』サイトより)

◆フードロスをなくし、自給率もアップ!

わたしは、自給自足や脱資本主義を目指し、田畑での農作業、森林の再生・保全活動などに参加している。家をもらい、持続可能で自然を守るような生活に向け徐々に、そのスタイルを変化させてもいるところだ。

すると、たとえば手がけている畑では、やはり自然農に近い有機を選択し、農薬はもちろん、動物性の肥料も使わなくなる。また、珈琲や小麦粉ですら多く摂取すると体に合わないと感じるようになり、仲間や近所との物々交換が進んで自炊も増え、米や野菜、果物を多く摂取するようになった。

自らが食す分プラスアルファ程度の量の米や野菜を作る、もしくは採る(捕る・獲る)。ただし、都会や、地方に暮らしていても食べるものを作ったりすることができない人の分を、有機や自然農で作る。作れる人は皆、作る。乱獲はしない。そうすれば、餓死の未来は避けられ、水産資源の枯渇や海洋生物の絶命・減少もなくなるはずだ。

『となりのトトロ』(スタジオジブリ)のサツキ、『ドカベン』水島新司(秋田書店)のドカベンの弁当が多い、というよりも米が多い、ということが度々インターネット上で話題にのぼっている。これは、トトロは1950年代、ドカベンは70年代の弁当の反映であるとされる。70年代には徐々にまれな例になっていくのかもしれないが、たとえば現在70代で地方出身の知人の中には、米と具だくさんの汁が中心だったという人もいる。

農水省のサイトによれば、

増産によりお米の自給が達成された一方で、高度経済成長によって食生活が多様化したことで、お米の一人当たり年間消費量は、昭和37(1962)年度の118.3kgをピークに減少に転じていました。生産が需要を上回り大量の過剰在庫が発生するようになったため、昭和46(1961)年からは生産調整が本格実施されるようになり、1,200万トン前後だった生産量は、約50年で約800万トンにまで減少しました

一人当たり年間消費量も約50kgまで減りました。自給率の高いお米の消費が減ることで食料自給率(カロリーベース)は昭和40(1965)年度の73%から40%程度まで低下することとなったのです

という。

そして現在、米の値段は過去最低のレベルまで下がっている。『SankeiBiz』でも昨年、

米価下落から考えなくてはいけない『農業の本質』」と題し、「2021(令和3)年産の買い取り価格及び概算金額は、過去最低レベルまで落ち込んでしまい、多重な問題を抱えた状況となっている

と記す。

自給率を上げながらバランスを考慮しつつ、米をもっと食し、野菜や果物を摂れば、わたしたちが餓死することは確実に避けられる。すでに海外には、そのような国が存在するのだ。明治時代前期には、日本でも米を輸出していたそうだ。そして、「FAO(国際連合食糧農業機関)の報告書によると、世界では食料生産量の3分の1に当たる約13億トンの食料が毎年廃棄されています」「日本でも1年間に約612万トン(2017年度推計値)もの食料が捨てられており、これは東京ドーム5杯分とほぼ同じ量。日本人1人当たり、お茶碗1杯分のごはんの量が毎日捨てられている計算になります」(農水省サイト)というフードロスの問題も解決する必要がある。自炊が増えれば、自ずとフードロスも減るはずだ。コミュニティキッチン、コレクティブキッチンなどの共同炊事もいい。わたしも今後、実行しようと考えている。そのような複数の取り組みの中から、脱資本主義的なライフスタイルが実現できるはずだ。

◆未来から逆算し、日々を生きる

わたしが移住したエリアの人は、「あばらが1本ない」「あばらが3本ない」などといわれる。由来は諸説あるが、海幸・山幸・田畑の恵みがあることによる安心感で、のんきだとされたりするのだ。実際、現金収入が途絶えても、都会にいる頃のような焦りがあまり起きない。食べる物に困らないということは、至上の喜びだろう。

だが、特定の地域だけがどうにかなるようにするのでなく、現時点では作れない人などの分も専業農家さんなどを中心に確保し、それが労力にみあった適正価格で広まっていく必要もある。餓死者が出るような状況を現場から改善していきながら、他地域はもちろん、海外の人々とも連携できるよう、今できることを進めたい。

もちろん現在は、まだ資本主義下にあるため、賃労働は必要だし、現金収入を確保できなければ焦りもあるだろう。だが、100年後、200年後、300年後を想定し、今を生きることは可能だ。

わたしは原種に近いトルコのオリーブの栽培をお手伝いすることもしている。オリーブは樹齢500年とも、場所や種によっては1,000年とも3,000年ともいわれる。未来から逆算し、できることが確実にある。まずは、ご関心をおもちの方がいらっしゃれば、9月の稲刈りにご参加いただければ幸いだ(連絡先は下方のプロフィール Facebook参照)。

▼小林 蓮実(こばやし・はすみ)
1972年生まれ。フリーライター。『現代用語の基礎知識』、『週刊金曜日』、『紙の爆弾』、『NO NUKES voice(現・季節)』、『情況』、『現代の理論』、『都市問題』、『流砂』等、さまざまな社会派媒体に寄稿してきたが、現在、農的暮らしを実現すべく、田畑の作業、森林の再生・保全活動なども手がける。農作業体験は大歓迎! Facebook  https://www.facebook.com/hasumi.koba

党綱領を自ら否定した自民党は即時解散せよ 岸田内閣改造人事の真相 月刊『紙の爆弾』2022年10月号

『紙の爆弾』最新号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

9月号の鈴木エイト氏、横田一氏らのレポートに続き、10月号でも「政治と宗教」の問題にスポットを当てました。旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題、とくにカルト規制については、識者といわれる人々の一部から「信教の自由」との兼ね合いで消極的な意見が聞かれます。別にそうした人々が旧統一教会におもねっているとは思いませんが、その種の心配は杞憂に過ぎず、そもそも「カルト規制」と「宗教規制」は違うということを、今月号では解説しています。

安倍晋三元首相の「国葬儀」に反対する声は高まる一方、抗議運動が各地で繰り広げられています。「国葬儀」は、国民の大多数から反対を受けているからこそ法的根拠を示さなければならないわけですが、根拠がない以上出せません。それでもゴリ押しする理由は何か。歴代最長政権を築きながら、路上で、しかも誰かの代わりに狙われて死亡した。その“最期”のイメージを上書きするのが狙いのひとつかもしれません。暗殺シーンはそのまま旧統一教会との関係を想起させ、それ以外にも“負の遺産”は山ほどあります。いずれにせよ「隠蔽」が目的とみて間違いないようです。

一方で、安倍首相暗殺事件そのものへもスポットを当てました。事件については一定の“公式見解”が出されましたが、致命傷に至ったとされる銃弾一発が発見されず、容疑者は4カ月間の鑑定留置。報道された「供述」において、あれほど明確に意図を語った容疑者を、なぜ精神鑑定する必要があるのか。事態を有耶無耶にするための時間稼ぎ目的としか思えず、これで真相が解明されるかは大いに疑問です。そこで今月号では、事件に関係する可能性のあるいくつかの事実についてレポートしています。一方で、8月25日には中村格警察庁長官が“引責辞任”。周知のとおり、ジャーナリストの伊藤詩織氏が性被害を受けた事件で、安倍氏べったりだった元TBS記者・山口敬之氏の逮捕中止を命じた人物です。

ともあれ、事件によって「政治と宗教」に注目が集まっています。多くの議員が選挙に勝つために旧統一教会から支援を受け、実際に当選してきたことは、過去に本誌でも指摘してきたとおり。この機会に、この国に本当に民主主義があったのかを見直さなければなりません。さらに、旧統一教会の影響もみられる自民党改憲案も見直させるべきでしょう。山口那津男・公明党代表は「宗教団体が価値観を政治過程に反映していくのは民主主義の望ましい姿」と述べました。選挙のたび、票を的確に自公の候補者に配分する創価学会の手腕に毎回感心してきましたが、それを「民主主義の望ましい姿」と呼ぶのはあまりに無理があります。

ついに原発新設まで言い出した岸田文雄首相。今のエネルギー問題(も本当か疑わしい)を理由に原発を新造する、という論理自体が理解できるものではありません。実行したとして、完成を首相として見届けることはないでしょうから、“負の遺産”となることは確実です。再稼働阻止に加え、新たなテーマが浮上したことになります。そもそも「脱炭素」とは何かから、問い直す必要があります。今月も独自の視点から、問題を深掘りするレポートをお届けします。全国書店にて発売中ですので、ご一読をよろしくお願いいたします。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2022年10月号

『紙の爆弾』2022年10月号
目次
維新、参政党にも直撃取材 自民党と旧統一教会 現在に続く“関係”
目的は“旧統一教会隠し”だけではない 岸田内閣改造人事の真相
「自由」「民主主義」の党綱領を自ら否定 自民党・公明党は即時解散せよ
日本が「カルト天国」である理由「政治と宗教」癒着の裏に2つの事件
既成宗教・宗教学者の“反発”は的外れ「反セクト法」とは何か
安倍国葬に法的根拠は絶対にない「国葬令」はなぜ廃止されたか
日米の「宗教右派」を分析する旧統一教会はいかにして政治力を持ったのか
防衛省が極秘調査していた「安倍暗殺」に残された謎を追う
事務所ぐるみの蜜月疑惑も 旧統一教会と芸能界
それは「安倍ゴルフ」から始まった 米下院議長「横田入国」の国辱を是正せよ!
平壌「よど号」メンバーから見たニッポン ウクライナ戦争と「第三次世界大戦」
アクリルに 跳ね返された 投げキッス 刑務所川柳の世界にようこそ
厚労省「使用罪」新設の裏側 大麻をめぐる「あるべき議論」
統一教会は《世界極右テロ組織連合》の中核機関である!
シリーズ 日本の冤罪30 東金女児殺害事件

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