れいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士は5月31日、岸田総理の地元でもある広島市中心部を遊説し「戦争をしないと決めてきた国のあり方を軍備拡張で崩そうとしている岸田政権と対決する」「『官から民へ』で一部の企業の金儲けにしかなっていなかった新自由主義に真っ向から反対する」等と訴えました。

辻弁護士は1948年生まれ。大阪府立大手前高校ご卒業のあと、東京大学法学部へ。この年代のご多分にもれず、学生運動に参加され、ご卒業後は1981年から弁護士として活躍されました。ご本人によると、既成の政党には与党はもちろん、野党にもものたりなさを感じて、議会よりは市民の力で変えていく方向に魅力を感じておられたそうです。しかし、アメリカの要求で裁判の迅速化をもとめる法律が2002年にできてしまったとき、危機感を抱き、政界へ。「法律を変えるには権力をとらないと。それは、民主党しかない」ということで、それまで一度も投票したこともない民主党から衆院選に立候補し、2003、2009年に当選しています。

しかし、民主党が官僚やマスコミの攻撃の前にマニフェストを守れずに消費税も増税に舵を切ったことを悔いて、立憲民主党など、旧民主党の「本流」からは距離をおいておられました。そして2021年の衆院選2021でれいわ新選組から立候補。惜敗率が2位で惜しくもおよばず、今回の参院選2022全国区に復活をかけておられます。

◆自民や維新の核共有や大軍拡路線を批判

辻弁護士はこの日は爆心地に近い広島市中区の本通からスタート。中心部の商店街を練り歩いたり演説したりしながら通過しました。

岸田政権に対して「争点を隠して安定多数を得て、3年間でやりたい放題しようとしている」と指摘。

その上で、ロシアのウクライナ侵略は糾弾されるべきとしつつも、それに便乗して核共有や大軍拡を主張する自民や維新について「交戦権を否定してきた77年間の国のありかたを失うものだ。」と厳しく批判し、被爆地である広島市民に対して「外交努力を重視する」れいわ新選組への支持を訴えました。

◆民主党政権を反省

一方で、自分自身が関わった民主党政権については、「当時は『財源がないから』、という理由で(財務大臣になった民主党幹部が財務官僚に洗脳されて)マニフェストに掲げた公約の多くを実行せずに、みなさまを失望させてしまった。」と、反省と謝罪をした上で、「その反省の上に(財政出動を主張する)れいわ新選組がある。」と、紹介しました。そして、もう一度、れいわ新選組を大人の政党に育て、政権交代をもう一度やっていきたい、と決意を表明しました。

◆維新と正反対、公務員をふやして公共サービスを充実させる

国の広島合同庁舎前で演説するれいわ新選組の参院選2022予定候補の辻めぐむ弁護士(右)と筆者

また、「官から民へ」のスローガンで進められた「国鉄の民営化、郵政の民営化、水道の民営化」などについて「一部の人の金儲けのためだ。」と斬りました。

自身の地元の大阪においては、公務員をへらしすぎて役所の仕事をパソナにやらせ、結局公金が一部の人の金儲けに流れている、と紹介。また、水道の民間委託で検査の間引きなども行われて、日本のほこれる水道網が危機にある、と指摘しました。

民主党政権もこうした新自由主義路線を自民党から引き継いだままだったことを反省。「れいわ新選組の公務員をふやすというマニフェストは、年々ニーズがたかまる公共サービスを充実させていくことだ。」と訴えました。

◆スタジアム近くではカープファンにもアピール

マツダスタジアムに近い広島駅南口では、球場にむかうカープファンに対して「1975年10月のカープ初優勝のときは、長嶋ジャイアンツをやぶって優勝を決めた試合では、三塁側でしゃもじをふってカープを応援した」とアピールしました。


◎[参考動画]「軍拡、新自由主義と真っ向から対決」総理の地元の広島中心部で辻めぐむ弁護士

◆辻弁護士来広前に市内各地で筆者らも宣伝

さとうしゅういちとれいわ新選組は、この日、辻弁護士が来広する前に市内各地で街宣をおこない、「憲法は変えるよりも25条をいかす」「公務員の労働条件はまもり、公共サービスをまもる」れいわ新選組の方針を紹介しました。

国の広島合同庁舎前では、登庁される国家公務員労働者の皆様にれいわ新選組はボーナスカット法案(組合が推薦する立憲・国民は賛成)に反対するなど、公務労働者の労働条件を最も守る党だとご紹介しました。そして、この2、30年の公務員削減路線はあらため、必要な公務員は補充すること、また、非正規差別・使い捨ては公務現場からあらため、非正規の正規化を進めると力を込めました。


◎[参考動画]公務員労働者の労働条件を最も守るれいわ新選組 さとうしゅういち合同庁舎前で訴え

その上で、「低い方にひきずりおろすのではお釈迦様のクモの糸の話のようにみんなで落ちてしまう。」「低い方にひきずりおろすのではなく、まともな方にひくすぎる方を底上げしよう。」と語りかけ、さとうしゅういち自身も該当する民間の介護労働者や保育労働者の給料アップなどの政策にも公務労働者の皆様のご協力をお願いしました。

れいわ新選組チーム広島とさとうしゅういちは、引き続き、公務労働者の皆様の労働条件をまもることも、市民、県民、国民の安全、安心を守ることにつながる、地域に若い人にきてもらうことになり、地域の活性化にもつながると、訴えて参ります。

その後、安佐南区の安田女子大学前、緑井フジグラン・天満屋近くでも街頭演説を行いました。
「憲法は変えずに25条をいかす」
「くらしにコロナや戦争による輸入物価上昇が追い討ちをかけているなか、消費税廃止、ガソリン税ゼロ、学費タダなどで緊急対策を。」
「軍拡ではなく粘り強い外交努力を」
などと、憲法と経済政策についての主張を中心に訴えました。


◎[参考動画]「憲法は変えずに25条をいかす」さとうしゅういちIN安佐南区緑井

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
◎Twitter @hiroseto https://twitter.com/hiroseto?s=20
◎facebook https://www.facebook.com/satoh.shuichi
◎広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)https://hiroseto.exblog.jp/

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前回(6月7日)、鹿砦社代表・松岡の怒りの記事でご紹介した通り、「警告書」を送り回答を求めた鈴木伸哉からは回答期限を過ぎても返信がなかった。そこで仕方なく取材班は鈴木に電話で意向を聞くことにした。ことは鹿砦社の名誉毀損に関わることだけに、曖昧にすることはできない。

6月1日正午過ぎ(一般的な企業の昼休み時間)鈴木の携帯電話に電話をかけたが鈴木は出なかったので、仕方なく同日午後鈴木が勤務する会社に電話をかけた。

◆自分と関係なければ「関係ありませんよ」と回答すればよいものを、やましさ故に逃げまくる鈴木

田所敏夫(以下、田所) お世話になっております私株式会社エスエル出版の田所と申しますが、鈴木様いらっしゃいますでしょうか。

電話受けた社員 今電話中なんですけれども。

田所 よろしかったらこのまま待たせていただいてよろしいでしょうか。

電話受けた社員 それではこのまま少々お待ちください。

(1分半ほど保留音)

鈴木伸哉(以下、鈴木) はい。お電話変わりました鈴木です。

田所 お世話になります。私、株式会社エスエル出版の田所と申しますが、お世話になっております。

鈴木 はい。

田所 恐れ入ります。鈴木様宛に5月6日付けで、株式会社鹿砦社から「警告書」を送付させていただいたのですが。

鈴木 それがどうしました。はい。

田所 私は取材班の田所と申しますが

(遮って)

鈴木 そういうのはお断りしているんで。

田所 「警告書」をお受け取りいただいたという記録がこちらの手元にあるのですが。

鈴木 それはもう弁護士の方に送っていますので。

田所 一点だけお尋ねしたいのですけれども、鈴木様は「企業ゴロ」という言葉でですね

鈴木 ちょっと営業中なんですけれども。そういうのは書面で送っていただけますか?

田所 ですから「警告書」をお送りしたんですね。

鈴木 あなたの名前で送ってきてないでしょ?

田所 ですから鹿砦社の代表取締役松岡の名前でお送りしております。

鈴木 いや、それはあなたが送ったんですか?

田所 私は株式会社鹿砦社特別取材班キャップの田所と申します。

鈴木 いや、それね、はっきりいって文書以外で受け付けしていないんで。

田所 それは鈴木様のご事情ですけれども

(遮って)

鈴木 あなたが取材したいんでしたら、取材したいと連絡するのが社会常識でしょ?

田所 取材をしたいのではありません。取材ではなく「10日以内に書面で明確な説明をお願いいたします」とお願いしたんです。お願いをしたのですがお答えを頂けないので

(遮って)

鈴木 はい、お断りします。

田所 お答えは頂けないということでしょうか。

鈴木 そうです。

田所 お答えは頂けないわけですね。

◆自分が書き込んだ証拠を「裁判所で出せ」と発言する鈴木は民事提訴を望むのか?

鈴木 はい。はっきり言って因果関係もわからないことにお答えできませんよ。

田所 鈴木様が書き込まれたものに……。

(遮って)

鈴木 私が書きこんだと、どういう根拠でおっしゃっているんですか。

田所 鈴木様がLenyというアカウントを使っていらっしゃる……。

鈴木 その根拠をお示しください。

田所 鈴木様の複数のお知り合いの方から、これは鈴木様のアカウントであると確認を取っております。

鈴木 いや、あのね、僕、複数の友人て知らないんですよ。まず根拠をちゃんと示して、それからお問い合わせください。

田所 はい。かつては李信恵さんも認めていらっしゃいました。

眼鏡はかけていないが鈴木伸哉と金良平、李信恵。李信恵のツイッター(2015年12月27日)に掲載されたもの

鈴木 いや、そういう話は聞いてません。ですからそれも書面で何月何日に……

田所 すいません、お尋ねしているのはこちらなんです。

鈴木 こちらは根拠を示しなさいと言っているんです。

田所 ですから鈴木様が「芸能プロダクションに寄生して小銭稼ぎをしている極左崩れの企業ゴロ」などと……。

(遮って)

鈴木 ですからそのように私が書きこんだという根拠を示しなさい、と言っているんですよ。

田所 それはあなたが勝手に求めているだけのことです。

鈴木 違います。あなたが私に聞くんでしたら、まず根拠を示してから聞きなさいと。

田所 根拠は、あなたの情報をリンチ被害者のM君から聞いたからです。

鈴木 関係ないです。ちゃんと書き込んだという根拠を、法的にちゃんと示しなさい。

田所 その必要はないです。なぜならば、あなたがたくさん違法な行為を書いているからです。

鈴木 関係ないです、まず示しなさいと言っているの。

田所 「反社出版社」とは「反社会的出版社」を示す言葉ですね。

鈴木 あのね、社会常識なさすぎです。まずその書き込みを私が書いたっていう根拠を示しなさいと言ってるの。裁判所を通してちゃんとそれを私が書いたと示せばいいんですよ。

田所 裁判所を通して示す? そんなことはどうやってやるんですか?

鈴木 なんでもいいですけど法的に示しなさいと言ってるんですよ。

田所 ということは、「訴訟を起こしてくれ」ということですか?

鈴木 そんなことを言ってるんじゃない。

田所 あなた、今「裁判所を通して」とおっしゃったじゃないですか。

鈴木 まずね、その書き込みを私がしたっていう証拠を示してから話が進むんですよ。

田所 では、なぜ私があなたの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それはうちの電話番号は警察署にも届けていますから。

田所 今は会社にお電話をかけているわけです。

鈴木 私の名前は会社のホームページにも書いてありますからね。

田所 違います。私は鈴木さんの携帯電話の番号を知っているわけです。なぜ私が鈴木さんの携帯電話の番号を知っているんですか?

鈴木 それは知りませんよ。

田所 あなたのことを知っている人が教えてくださったから、私は知っているのです。

鈴木 だからその人が、誰がいつ私の書き込みが関係あると、証明したのか、まず示せと言っているんですよ。

田所 ですからリンチ被害者のM君がまだあなたと仲が良かった頃に、あなたがLenyというアカウントを使って書き込みを行っていた時代から、知っているわけです。これで充分でしょ!

鈴木 だったらM君がそれをちゃんと示して……。

田所 必要ありません。この際私はM君のことを問題にしているのではありません。

鈴木 関係ありません、あなたはまずね……。

田所 逃げていますね。

鈴木 あなたがちゃんと証明してからじゃないと話が進まないんですよ。

田所 M君はあなたの電話番号も自宅の住所も知っていますよ。

鈴木 M君は関係ないでしょ。あなたが示さないといけない。

田所 このアカウントが鈴木さんのものであるとわかればはっきりするじゃないですか。

鈴木 証明したらいいじゃないですか。

田所 すでにしていますよ。M君はあなたの会社を知っていたし、あなたのアカウントも住所も自宅の電話番号も知っているということですよ。あなたが散々誹謗中傷している被害者が知っているわけです。

鈴木 関係ないんじゃないですか。

田所 関係ありますよ。あなたの論理は全く破綻しています。破綻している以上におたくは会社ですよ。一般の学生さんなどと鈴木さんは違いますよ。鈴木さんはB(会社名。今回はあえて名を秘す)という立派な会社の取締役をなさっているわけでしょ。

鈴木 それと書き込みと何の関係もないじゃないですか。

田所 そういった立場の方が特定の出版社を「不法に小銭稼ぎをしている極左崩れが社長の反社出版社」という書き込み方をされると、これは明らかに名誉毀損ですよ。

鈴木 だから、まずそれを書いたのが私だということを証明しなさい、と言っているの。

田所 それは出来ていると言っているんです。

鈴木 出来ているんであればそれをまず示したらいいじゃん。

田所 今、言葉で示したでしょ。M君が私にあなたの携帯電話を教えてくれたから、私はあなたの携帯電話もあなたの住所も知っているわけですよ。

鈴木 それ脅しですか。

田所 は? この書き込みとあなたの関連性がどうあるかを示せとあなたが言うから、それを証明しただけですよ。

鈴木 あの、営業妨害なんですけど。

田所 あなたの求めに応じて証拠を申し上げたのです。

鈴木 あの、10分以上かかわっているんですけどね、営業妨害ですよ。

田所 こちらにとっては名誉毀損なんですけど。

鈴木 何で業務中にこんな関係のない電話してくるんですか。

田所 こちらの業務にかかわることで「反社出版社」と書かれ業務に関わりますから。

鈴木 関係ないです。まず示しなさいと言っているでしょ。関係ない所に電話してきて。

田所 関係、大ありですよ。

鈴木 業務妨害で、えーっとエスエルの田所さんですか。電話番号は何番です?

田所 鹿砦社特別取材班キャップの田所です。

鈴木 電話番号は?

田所 私の携帯番号表示されていませんか?

鈴木 いや、言ってください。

田所 それこそお調べいただいたら結構ですよ。鹿砦社の電話番号はオープンにしていますから。

鈴木 じゃあ株式会社エスエルっていう所の電話番号は?

田所 株式会社鹿砦社。

鈴木 関係ないでしょ。

田所 関係は鹿砦社とエスエル出版は親会社─子会社の関係なんです。

鈴木 どちらが親会社なんですか?

田所 調べなさい、そんなことくらい。

鈴木 あなたは自分のことをまず……。

田所 私は田所敏夫と言います。知っているでしょ。しばき隊の中心人物で私の名前知らない人間一人もいませんから。

鈴木 俺は知らないです。

田所 M君の裁判の時、傍聴券抽選前にあなたの隣にいたのが私ですよ。眼鏡かけて来られていましたね。私はあなたの顔も知っています。

鈴木 とりあえず営業妨害なんで御社の方に連絡行くと思いますけども。

田所 はい結構です。

鈴木 もうこれで切りますんで。

◆鈴木への最後通告

身に覚えのある悪行の数々が世間に披歴してしまったら……。鈴木の恐怖感は手に取るように分かった。そして繰り返し根拠を説明しても、話を逸らす鈴木。

だが読者には勘違いしないでほしい。取材班は鈴木への民事提訴も視野に数年間、鈴木の発信を観察、証拠を保存し続けてきた。何もなければ忙しい中このようなつまらぬ人物に時間を割きたくはなかったが、ここへ来て鈴木の発信がまたしてもエスカレートしているので、仕方なくアクションを起こさざるを得なかったのである。

そして、鈴木は前述のとおり「書き込みと自分の関係」に拘っていた。そこで、続報では誰の目にも明らかな証拠をお伝えする。すでに複数の協力者から公開をご快諾頂いている。

鈴木よ、われわれは「企業ゴロ」ではないから、われわれが求めているのは金銭ではない。鹿砦社やリンチ被害者M君を誹謗中傷したことへの真摯な謝罪があれば、これ以上の追撃は行わない。しかし、書面で尋ねた事項への公然たる「無視」、ならびに「営業妨害」を持ち出しての卑怯な逃げを続けるのであれば、われわれは、追及を続けなければならない。

有り余る証拠と複数の対処手段はすでに検討済みである。鹿砦社に公式に謝罪する最後のチャンスは次回、この原稿が掲載された日の23:59までだ。

《関連過去記事カテゴリー》
しばき隊リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

◆陰謀国家は存在するか

帝国主義の侵略戦争にたいして、①侵略された国を他の帝国主義国が支援する。あるいは②軍事同盟にもとづいて侵略国に宣戦布告する。

これら正当な自衛戦争の行使(交戦権)について、一部の新左翼党派・反戦市民運動は、その背景を政治的に解釈して「帝国主義間戦争」だとする。あるいは「相互に停戦せよ」「戦争を激化させる軍事支援反対」と説教をする。

今回のウクライナ戦争(ロシアの侵略戦争)は、上に挙げた①に該当する。

②は第二次世界大戦(ドイツのポーランド侵攻にたいする、英仏の戦争参加)が典型的である。

開戦(侵略)した戦争と、自衛戦争をとり間違えてはいけない。ハーグ不戦条約いらい戦争は違法とされ、それゆえにドイツと日本はその開戦責任を問われて、国際法廷で戦犯が罰されたのである(ニュルンベルク裁判・東京裁判)。

日本の開戦責任については戦後、アメリカをはじめとするABCD包囲網が日本をして戦争に走らせた原因だったとする見解がある。

アメリカのルーズベルト大統領の側近はニューディーラー(ニューディール政策推進者)であり、コミンテルン(国際共産主義組織)の手先である。したがって、日本は共産主義者の挑発によって、太平洋戦争に引き込まれたのだと。開戦した日本も悪いが、しかしそれは共産主義者の陰謀によるものだ、とするものだ。

いま、ディープ・ステート(闇の国家)による陰謀で世界が動き、その代表であるアメリカ(NATO)が、ロシアを徴発して戦争を起こさせたのだと、陰謀史観の人々は云う。これに左派も巻き込まれているのだ。ここで言う陰謀とは、政治を解釈する者たちの「想像力」にすぎない。

個人の想像力を抑制することが出来ない以上、陰謀史観という疑問に応えることは出来ない。したがって、われわれは歴史的事実から戦争の性格、とくに民族の独立と救国戦争について考えることで、その回答としたい。

◆開戦した国家が侵略国である

プーチンが先ごろ行った対独戦争記念日の演説によれば、プーチンはウクライナの地域名や都市名をあげて「祖国の土地を護るために戦っている」と言う。ウクライナという国名は演説のなかに聴こえなかった。ウクライナはロシア民族の土地であって、ウクライナという国家はあたかも存在しないかのようだ。

つまり、近代国家は戦争によってしか戦い取れない、戦争によって抹殺されるのだということを、プーチンの言動は端無くも明らかにしているのだ。

帝国主義戦争にたいする救国戦争が、民族とその文化を護る生存のための戦争であることを、プーチンがみずから「ロシアは国家と伝統文化の存続のために、軍事行動を行なわなければならなかった」という。その論理と同じことが、ウクライナの国家と人民に強いられているのだ。

この「同じ論理」のもとに行動する(戦争する)二つの国家を分けるものは、侵略したかどうかの違いである。いま両国は戦争をしているが、この「侵略した」かどうかの違いであって、それは180度違うのだ。くり返し確認しなければならない「事実」である。

◆中国の抗日救国戦争

この連載の〈2〉において、ソ連邦の「大祖国戦争」について触れた。それはレーニンの教え「プロレタリアに祖国はない」「プロレタリア国際主義」を根底から転換させるものだった。

社会主義革命の勝利(ロシア革命)をもってしても、帝国主義戦争は終わらなかった。社会主義革命が一国にとどまる以上、戦争は廃絶できない。

そうであるならば、国際共産主義運動をもって帝国主義(資本主義の最高段階)を廃絶する以外にない。かくして、ソ連邦の拡張政策(覇権主義)が戦後の基調となったのである。アメリカもこれに対抗する。

ロシアとは異なった道を歩んだのが、中国革命(中華人民共和国)だった。中国は清朝時代にイギリスとのアヘン戦争で敗れ、上海・香港などを中心に租界(植民街)を接収された。以後、欧米各国の侵出をゆるした。

日本も日清戦争を機に中国に侵出し、日露戦争後は東北地方(満州)に開拓民を送り出す。そして満州での権益を確実なものにするために、清朝最後の皇帝溥儀を擁して満州国を建国した。爾後、事変と称する戦争を仕掛けては、支配地域の拡大にこれつとめたのだ。

日本の満州国建設にたいして、内戦(華北北支軍閥・共産党軍との内戦)中の国民党はこれを黙認していた。日本(関東軍)はさらに、北支自治運動(軍閥の傀儡化)を工作する。

これに対する中国の動きはどうだったか。先に動いたのは延安に長征中の共産党だった。山西省で国民党軍と衝突するが、張学良(北支那軍閥)の説得で国民党との合作(統一戦線)を検討することになる。タイムラグで言うと、1932年が満州国成立、35年から内戦停止の機運があり、張学良の説得が36年、国共合作が成立するのは37年のことだった。抗日闘争を方針として打ち出したのは共産党(周恩来)だったが、封建的民族ブルジョアジーである軍閥の張学良が蒋介石を監禁してまで説得したところに、民族統一戦線としての性格を見ることが出来る。

◆帝国主義の中国支援

37年7月の盧溝橋事件以降、日本の事変(侵略)拡大に対して、上海事変・日中全面戦争へと発展する。そのかん、今回のウクライナ戦争と同様に、日中は停戦交渉を何度もくり返し、日本政府は不拡大方針と関東軍・支那派遣軍の暴走という曲折をくり返す。事変拡大の大義名分は、居留民(日本人)の保護であった。その意味でも、ウクライナ戦争と同じ構造である。

1940年3月に南京で汪兆銘政権(日本の傀儡政権)が成立すると、米英・ソ連の中国援助が行なわれるようになる(ビルマルート・インドシナルート)。そして日本は、ドイツ・イタリアとの三国同盟へと歩を進めるのだ。

全面戦争になってからの、日本軍の振る舞いは現在のロシア軍に似ている。三光政策「殺し尽くし・焼き尽くし・奪い尽くす」(中国語:で殺光・焼光・搶光)が行なわれるようになるのだ。※この行為自体は、国民党軍が共産党のソビエト地区に対して行なったものと同じであるともいう(貝塚茂樹)。

40年末には、蔣介石がアメリカに航空機の提供、日本本土遠距離爆撃のためにB17爆撃機を要請している。ソ連も国民政府に対し1億元の借款を供与している。41年になるとアメリカが国民政府に5千万ドルの借款。こうして、中国を複数の列強(帝国主義国)が軍事支援をするようになるが、だから「帝国主義間戦争」なのだとは云えない。現在のウクライナ戦争と同じである。

昭和16年(1941)すでに中国(重慶政府)への交渉をみずから閉ざした日本は、アメリカを交渉相手にする。だがアメリカは、中国への満州の返還、南京政府の取り消し、日本軍の中国からの撤退を要求する。ここにおいて日本は、対英米戦の決意を固めることになるのだ(開戦は12月)。

さて、近い将来にウクライナ戦争が膠着状態になり、ドンバス地域の帰趨を決める国際交渉(ミンスク合意の再版)が行なわれたとき、クリミアをふくめたロシアの撤退を求められたプーチンは、何を決意するであろうか。核兵器のボタンを押すには、大統領・国防相・参謀長の3人のコードが必要だという。最期の瞬間に、プーチンの決意をくつがえすシステムであって欲しいものだ。(了)

◎[関連リンク]ウクライナ戦争をどう理解するべきなのか
〈1〉左派が混乱している理論的背景
〈2〉帝国主義戦争と救国戦争の違い
〈3〉反帝民族解放闘争と社会主義革命戦争
〈4〉民族独立と救国戦争

▼横山茂彦(よこやま・しげひこ)
編集者・著述業・歴史研究家。歴史関連の著書・共著に『合戦場の女たち』(情況新書)『軍師・官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)『闇の後醍醐銭』(叢文社)『真田丸のナゾ』(サイゾー)『日本史の新常識』(文春新書)『天皇125代全史』(スタンダーズ)『世にも奇妙な日本史』(宙出版)など。

7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号

13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

◎amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B0B2HS794W/

鈴木伸哉という人物は、「カウンター/しばき隊」の中心メンバーとして、ハンドルネーム「Leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」名で、李信恵らによる集団リンチ事件の隠蔽と被害者M君への攻撃/セカンドリンチについても先頭に立って蠢動した悪質極まりない人物です。オモテの顔としては資本金3億円もの優良企業の役員(取締役)ですが、ウラではSNSを悪用して随分と非道な言動、M君への人格攻撃、鹿砦社への侮辱、名誉毀損攻撃などを行ってきていました。この人にとって「人権」とは何なんでしょうか?

これまで私たちは、M君支援(主にM君によるリンチ加害者や野間易通らに対する裁判闘争)、真相究明の調査/取材、鹿砦社自体の裁判闘争(リンチに連座したことが判決でも認定された李信恵や、鹿砦社に入り込み「獅子身中の虫」になり仕事そっちのけで就業規則に定められた「仕事をすべき」時間の多くをTwitterや企業恫喝メールなどに費やした藤井正美に対するもの)、それらの対応に追われ、正直なところ鈴木伸哉にまで手が回りませんでした。私たちが「M君リンチ事件」に関わり出した当初から悪質な発信が目立ちで、鈴木も提訴対象の候補に挙がったほどでしたが、多忙な本業や諸々の事情で、提訴までには至りませんでした。

しかしながら、鈴木は懲りることなく、つい最近まで鹿砦社に対し「企業ゴロ」や「反社出版社」などと誹謗中傷を繰り返していることが判明しました。鹿砦社はタブーを恐れない出版社ですが、間違っても「企業ゴロ」や「反社出版社」ではありません。名のある企業の取締役である鈴木のこれらの発信を業務遂行上も看過できなくなりました。

いやしくも創業50年余りの歴史を持つ出版社の代表として、このような侮蔑発信には黙っているわけにはいきません。

そこで、5月6日付けで鈴木宛の「警告書」を配達証明郵便で自宅と役員を務める会社に送付しました。双方とも配達証明が送られてきました(自宅5月7日、会社5月9日)。

lenyこと鈴木伸哉への「警告書」lenyこと鈴木伸哉への「警告書」。最後に記した「リンチ被害者に対する更なる人格破壊を行うコラージュ」は、以前にFBから注意を受けましたのでアップを差し控えました。リンチ関連本5弾『真実と暴力の隠蔽』巻頭グラビアに掲載したものです。

 

lenyこと鈴木伸哉への「警告書」を郵送した際の配達証明

さらに、資本金3億円の企業の役員を務める者が、長年そうした非道な行為に手を染めていることから、鈴木が役員を務める会社(現時点では、あえて名を秘しますが、今後の態度次第では公にし、その管理責任を弾劾します)の代表宛てにも、鈴木宛ての「警告書」や資料などを同封し「通知書」を送付いたしました。これも配達済みの記録があります。見ていないなどとは言わせません。

鈴木宛ての「警告書」の内容は画像の通りですが、鈴木、及び鈴木が役員を務める会社の代表共に書面が届いてから10日以内に回答するよう求めました。

ところが、2人から何の回答も連絡もありませんでした。無視か?

致し方なく、6月1日、回答はどうなっているのか問い質そうと、取材班が、くだんの鈴木に対して電話で直撃取材を敢行しました。最初は一般的な企業の昼休み時間である12時過ぎに、鈴木の携帯に電話を掛けましたが鈴木は携帯電話には出ませんでした。そこで、やむなく会社に電話しました。取材内容の詳細は続編でご紹介いたします。

リンチ事件に関して直撃取材するのは久しぶりですが、音声データを聴くと、電話の向こうから動揺している鈴木の様子が感じられました。Twitterでの勢いはどこに行ったのか、慌てふためいているようでした。Twitterでの大言壮語は虚勢か? 本質はチキンか?

一部だけご紹介しますと、鈴木は、あろうことか、鈴木みずからが発信した悪質ツイートが「自身が発したものではない」かのように弁解しました。見苦しい限りです。ハンドルネーム「Leny φ(^▽^)ノ#鶴橋安寧! (@LenyIza )」が鈴木だということは少なからずの証人がいますし、かつ証拠もあり、まさに“公知の事実”です。今回、複数の元カウンターのメンバーにこのことを知らせたところ、みな呆れていましたし、新たな証拠資料も提供してくれました。

鈴木は、返答に窮し、そのハンドルネームが鈴木であると「誰がいつ言ったのか答えなさい」などと逃げの一手でした。みずからが発信したツイートや発言でしょう、責任を持って堂々と答えてほしいものです。

Lenyこと鈴木伸哉による悪質ツイートの一部。左は2019年4月18日記載、右は2022年4月11日記載のもの

 

Lenyこと鈴木伸哉による悪質ツイートの一部。左は2022年2月11日記載、右は2022年4月15日記載のもの

「カウンター/しばき隊」(あるいは、この流れを汲む者)の人間の特徴として、付和雷同して一人の弱そうな人間を攻撃するのは得意ですが、逆にみずからが取材されたり直撃されたりすると全く弱いです。有田芳生参院議員、師岡康子弁護士、岸政彦立命館大学教授兼作家、中川敬(ミュージシャン。ソウル・フラワー・ユニオン)ら……逃げ回ったり弁解したり見苦しい限りです。彼らは世間では、いちおう「知識人」とか「リベラル」とされ社会的地位も認められている人々ですが、その欺瞞は態度から歴然としています。私たちが身分を隠さず、直接取材した際に彼らが見せる醜態と、ふだん言っていることとの乖離には絶望します。

私たちは、この大学院生(当時)リンチ事件について、どう振る舞うかで、その人の人間性が問われると考えてきました。これは今も変わりません。リンチ発生から1年余りのちに、私たちが知り、具体的にゼロからの真相究明と被害者支援に動き出すまで、世間にはおおっぴらにはなりませんでした。

その最大の理由はマスメディアが一切報じなかったからです。M君はマスメディアにも、かつての「仲間」と思っていた人物らにも、必死に訴えたということですが、ことごとく黙殺されました。それどころか鈴木伸哉をはじめとする「カウンター」運動に関わる者らにも激しくバッシングされ、「エル金は友達」運動に典型なように村八分(これは現代社会では法的にも禁じられており差別行為です)にまで直面させられましたリンチ事件発生は2014年師走、私たちが知ったのは2016年3月初めです。実に1年2カ月余り経っていました。その間、M君や少数の友人らがマスコミや学者、知識人に必死に訴えて来ましたが、その声は届きませんでした。それどころか、驚くことに「カウンター」内外でも、後に判明したのですが、鹿砦社の内部に入り込んだ人物(藤井正美)らによって隠蔽活動が行われていたのです。自分の足元、社内でも隠蔽工作が行われていたことは大ショックでした。

現在の日本社会にあって、「反社」、あるいは「企業ゴロ」と称されることは、時に致命的となります。小企業である鹿砦社にはより深刻な影響を与えます。鈴木には、何を根拠に鹿砦社を「反社」、あるいは「企業ゴロ」と断じているのかを問い質しているのですが、回答がありません。この無回答は単なる「返答拒否」では済まない「名誉毀損への説明責任放棄」です。

鈴木に自分の発言への自信があれば、堂々と回答すればいいではないですか。無回答ということであれば、私たちの指摘や主張を認めたことになりますが、それでいいんですね?

鈴木が役員を務める会社の代表者も無回答でした。会社の代表者にはまだ話は聞いていませんが、「反社」、あるいは「企業ゴロ」などと決めつけられた会社の代表者としては、到底このままで済ませることはできません。私たちの生き方は単純で回りくどくはありません。あくまでもストレートに明確な説明と謝罪を要求いたします。

鈴木のツイートについては、膨大な問題発信を確保しており現在整理しつつあります。SNSでの過激な発言が問題となり、侮辱罪の強化が議論されています。こういうことで法律が強化されるのはよしとしませんが、それほどまでに社会問題化しているということです。

私たちの会社・鹿砦社は「企業ゴロ」でも「反社出版社」でも断じてありません。鈴木よ、みずからの発言には〈責任〉を持て! ただそれだけのことです。(文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》
 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

Amazon https://www.amazon.co.jp/dp/B07CXC368T/
鹿砦社 http://www.rokusaisha.com/kikan.php?bookid=000541

人命よりも経済を優先する電話会社の方針が露骨になっている。際限なく事業を拡大して、小学校の児童にまで電磁波による健康被害のリスクが及んでいる。

 

5月29日、わたしは朝霞第二小学校(埼玉県朝霞市)の正門前で、通信基地局から放射されているマイクロ波の測定を実施した。マイクロ波は、携帯電話の通信に使われる電磁波で、人体影響が懸念されている。特に幼児に対する影響が深刻とする見方があり、欧米では学校などで、年少者が携帯電話を使用することに一定の制限を設けている国もある。

そんなこともあって、わたしは自宅近くの朝霞第二小学校でマイクロ波を測定することにした。測定の結果、危険領域に入る数値が測定された。

マイクロ波の値は、μW/c㎡などで表示することになっている。数値が高ければ高いほど人体への影響が懸念される。そのことを念頭に以下、①日本の総務省が定めている規制値、②朝霞第二小学校の正門前の測定値、③欧州評議会の勧告値を紹介しよう。

①総務省の規制値:1000μW/c㎡ (マイクロワット・パー・ 平方センチメートル)
②朝霞第二小学校の測定値:7.35μW/c㎡
③欧州評議会の勧告値:0.1μW/c㎡

※測定に使ったのは、TM195という測定器である。この測定器でカバーできる電磁波の周波数領域は3GHzまでなので、5Gのマイクロ波やミリ波が使われていれば、測定値はさらに高くなる可能性がある。

※通信基地局から発せられる電磁波は、様々な周波数のものが混合されている。変調電磁波と呼ばれ、マイクロ波は言うまでもなく、厳密にいえば、低周波の電磁波も交じっている場合が多い。デジタルで瞬間的に高いエネルギーを放出する。それを延々と繰り返す。

◆朝霞市は状況を把握していない

 

明確な時期は記憶していないが5月に入ってから、わたしは仕事中に頭の中で「キーン」という音を感じるようになった。仕事部屋はマンションの9階。窓を開けると眼下は戸建住宅と畑、それに公園が広がっている。朝霞市郊外の新興住宅地である。

仕事部屋のマイクロ波の数値を繰り返し測定してみた。平均すると0.5μW/c㎡前後の数値だった。以前は、0.01μW/c㎡ぐらいだった。急激に電磁波が強くなったことが、頭に違和感を感じるようになった原因のようだ。

わたしは近くに基地局が設置されたのではないかと思って調査した。すると仕事部屋から250メートルぐらいの地点に、新しい基地局があるのを発見した。電柱の上に平べったい3つのアンテナが設置されている。

以前は、基地局の下にはかならず電話会社の社名と連絡先が表示されていたが、最近はこの種の表示は消えてしまった。行政機関が電話会社に配慮して非表示を認めるようになった可能性が高い。

しかし、わたしはアンテナの形状から所有者の電話会社を推測できた。確認を取るために電話会社の広報部にメールで問い合わせた。しかし、返ってきたのは、「個別の事案については回答を控えさせていただきます」という回答だった。

次にわたしは朝霞市に問い合わせてみた。朝霞市は、次のように話している。

「携帯電話基地局に関する情報は一切、把握していません」

さらに関東電波通信局にも問い合わせたが、「基地局の所有者がだれかは、公開していない」と、回答した。

結局、電話会社を特定することはできなかった。

◆フリーラジカル説、ラマッィー二研究所の実験

マイクロ波の毒性評価には、対立する2つの学説がある。マイクロ波の「非熱作用」を認める説と認めない説である。

マイクロ波に「熱作用」があることは、万人が認めている。熱作用というのは、物質を加熱する作用のことである。典型例としては電子レンジの過熱メカニズムがある。電子レンジはマイクロ波の熱作用を利用した調理器である。

これに対して非熱作用というのは、文字通り熱作用以外の人体影響を意味する。その代表格が遺伝子を傷つける作用である。推測されるメカニズムはいくつかある。そのひとつがフリーラジカル説と言われるものである。

人間は呼吸により体内に酸素を取り込む。その酸素は、細胞内のミトコンドリアでエネルギーに代わる。その際、原子核の周りにある「プラス」と「マイナス」の電子が対になってバランスを保っているが、何らかの原因で一方が欠落して、「椅子取りゲーム」がはじまることがる。このような不対電子に変質した原子をフリーラジカルと呼ばれる。

フリーラジカルは、活性酸素の働きを過激にする。その結果、肉体に不具合を引きおこす。

フリーラジカルが生まれる原因のひとつが、電磁波である可能性が指摘されているのだ。

もともと人間の神経細胞は超微弱な電気や神経伝達物質で制御されている。そこに電磁波を放射し続けた場合、神経が微妙にかく乱される場合がある。その結果、脳が反応して頭痛を感じさせたり、吐き気を感じさせたり、場合によっては皮膚にかゆみを感じさせたりする。脳の働きでこうした感覚を体験するわけだから、症状と医学的根拠は結合しにくい。

日本の総務省は、マイクロ波の毒性評価に関しては、電磁波利用に奔走する産業界の意向に配慮して「非熱作用」を否定してきた。一方、欧州評議会は「非熱作用」を肯定している。それがマイクロ波の規制値などの大きな違いとして表れているのだ。

『身の回りの電磁波被曝』(緑風出版、荻野晃也著)は、2018年にイタリアのラマッィー二研究所が、約10年をかけて行ったマイクロ波による発がんを調べる動物実健の結果を紹介している。これは電話機から漏れるマイクロ波ではなく、通信基地局からの電磁波を想定した実験である。使ったラットは、約2500匹。前代未聞の規模だった。

ラットの胎児段階から自然死の段階まで、ラットにマイクロ波(1.8GHz、第3世代携帯電話)を照射した。死後に解剖して心臓と神経鞘腫の発症を調べた。

その結果、電磁波の測定値が6.6μW/c㎡の領域で、雄のラットに高い発癌率が確認された。(表参照)

表:出典『身の回りの電磁波被曝』(荻野晃也著、緑風出版)

◆懸念される電磁波による長期影響

5Gで使われる電磁波と、第三世代携帯電話の電磁波は周波数が異なるが、ラマッィー二研究所の実験は、安易な基地局設置に警鐘を鳴らしている。

朝霞第二小学校の近くに基地局を設置した電話会社は、みずから名乗り出るべきではないか。児童たちをモルモットにしてはいけない。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『禁煙ファシズム-横浜副流煙事件の記録』

7日発売! タブーなきラディカルスキャンダルマガジン『紙の爆弾』2022年7月号

13日発売!〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号(NO NUKES voice改題 通巻32号)

伊藤大介という人は、神奈川県で不動産業を営み、「カウンター/しばき隊」と称される「反差別」運動体のスポンサーであり、中心人物です。

 

M君リンチ事件直前、酔っておどける加害者の面々。左から李信恵、金良平、伊藤大介

伊藤は、標記の大学院生リンチ事件に連座し、被害者M君が訴えた民事訴訟で、一審で損害賠償を認められましたが、控訴審では運良く賠償を免れています。

だからといって、リンチに連座したという道義的責任が免れるものではありません。瀕死の重傷を負って倒れているM君を、救急車も呼ばず放置し立ち去っています。

「歴史は繰り返す」とはよく言ったもので、伊藤は、鹿砦社vs李信恵の訴訟の証人尋問の日(2020年11月24日)、傍聴に駆けつけ、その後、またしても泥酔し深夜(11月25日未明)、極右活動家・荒巻靖彦を呼び出し暴行、傷害事件を起こし逮捕、勾留の後起訴され公判が続いていました。

伊藤は、他にも暴力事件を起こし起訴され、2件併合しての公判が続き、その判決が昨6月3日、横浜地裁で言い渡されました。

結果は有罪、罰金20万円を言い渡されました。相手がネトウヨだからか、いささか軽いと思われます。

思うに、伊藤はさんざん暴力を振るって立て続けに暴行・傷害事件を起こしていますが、よほど野蛮な人のようです。

しかし、よーく見ると彼(だけでなく、カウンター/しばき隊)の暴力は権力に向かわず、いわば弱い者いじめの類いです。

伊藤逮捕を報じる2020年12月8日付け産経新聞(大阪版)

ハンドルネーム「肥モン」という人が傍聴記を書かれていますので、一部転載させていただきます。

◆     ◆     ◆     ◆     ◆

大阪市北区堂山町傷害被疑事件及び茅ヶ崎市民文化会館暴行被疑事件判決宣告 1 

2022年6月4日 04:28

傍聴人及び傍聴希望者の顔ぶれ

令和4年6月3日、横浜地方裁判所で大阪市北区堂山町傷害被疑事件と茅ヶ崎市民文化会館暴行被疑事件の判決宣告が行われました。

横浜地方裁判所の開廷表には15時から16時とありましたが、死刑判決などの重い量刑を宣告するわけでもないので理由を朗読することはないだろうと考えていました。

傍聴希望者には李信恵さんをはじめ、ハンドルネーム「モジャ」さんなどの姿があり、当選した傍聴希望者に混じって神奈川新聞川崎総局編集委員の石橋学さんが報道記者先に座り、もう一席設けられた報道記者席も報道関係者が座るというものでした。なお、傍聴希望者かどうかわかりませんが、神奈川県の名札を付けた人物がいたことを付け加えておきます。

異動により構成が変わった裁判所

今回は横浜地方裁判所の裁判官の構成が変わっていました。右陪席であった中山登裁判官が4月1日付け人事異動で検事として法務省に出向し、代わって福岡高等裁判所の判事であった倉知泰久裁判官が4月1日付けで右陪席となっていました。中山登検事がどのような職務に就くかはわかりませんが、仮に東京法務局訟務部付け検事となったとすれば、国が被告となった行政裁判などで国側の指定代理人として答弁書などの準備書面の作成に携わることとなります。

判決主文

奥山豪裁判長は、伊藤大介被告人と北島直樹被告人を呼び、証人席で規律するように命じ、二人の被告人は証人席で並んで起立していました。その二人に対し、奥山豪裁判長は次のとおり判決主文を朗読しました。

主文

北島直樹被告人を罰金10万円の刑に処する。
伊藤大介被告人を罰金20万円の刑に処する。
支払いができない場合、1日5000円で労役場に留置する。
訴訟費用は伊藤大介被告人の負担とする。

判決理由~事件の概要~

この判決宣告の傍聴券が当選した私は、傍聴席の前に座るか後ろに座るかで迷っていました。元レイシストをしばき隊をはじめとするしばき界隈はとにかく法廷でのマナーが悪く、男組の故添田充啓元被告人と木本拓史元被告人の公判では、裁判長に向かって「聞こえませーん」と叫んだ傍聴人がいたほどです。

裁判所が判決宣告の法廷を1時間確保したのは、1時間単位で法廷を確保するのが原則で判決主文のみを述べて判決宣告を終わるのではないかと考えた私の予想は大きく外れ、奥山豪裁判長は判決理由の朗読に入りました。

「令和2年9月23日公訴が提起された事件は、被告人北島直樹と被告人伊藤大介が渡辺賢一50歳の背後から腕で掴み、渡辺賢一を突いて階段から転落させたとして公訴を提起されたものである。

伊藤大介被告人は、令和2年11月25日午前1時20分から1時32分にかけて、大阪市北区堂山町8番13号付近において、荒巻靖彦56歳が刃渡り10.5センチの折り畳みナイフを示したため、大川直樹が荒巻を抑えつけ、なおも荒巻が抵抗したため、伊藤が荒巻の顔面を複数回殴り、さらに荒巻の顔面や頭部を殴ったり蹴ったりしたとして公訴を提起されたものである。」(以下略)

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 M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

5月31日、北海道電力・泊原発(北海道泊村)の周辺住民1200人が、泊原発に地震や津波に対する安全性が不十分だとして、1号機から3号機の運転差し止めや廃炉などを求めていた裁判で、札幌地裁・谷口哲也裁判長は、「現在ある防潮堤は津波に対する安全性の基準を満たしていない」などとして、運転を認めない判決を言い渡した。

一方、廃炉の請求は「具体的な必要性がない」として認められなかった。提訴から10年、泊原発は再稼働に向けた原子力規制委の審査中であった。にも関わらず、「安全性に問題がある」と運転を認めない判決が下された背景には、多くの論点について北電が主張を先延ばししてきたこともある。そのため判決は「提訴から10年以上経っても(北電側が)主張を終える見通しが立っておらず、審理を継続するのは相当ではないと判断した」とされた。


◎[参考動画]”泊原発「運転認めない」判決 廃炉請求は棄却(2022年5月31日)

この大きな判決に先立つ5月29日、大阪市内の靭公園で「老朽原発このまま廃炉!大集会inおおさか」が開催された。真夏のような猛暑のなか、全国から反原発、老朽原発廃炉を訴える人たちが2100人も結集した。

若狭の僧侶、中嶌哲演さんは、主催者あいさつで「戦争も原発もそれを推進する元凶は、もっともらしいプロパガンダで本質を覆い隠し、それに抵抗・反対する人たちを弾圧している。しかし、今や戦争に反対し、老朽炉稼働に反対する潜在的な世論は、絶対過半数を超えているはずだ。その不同意・不服従する意志を非暴力的に表明するチャンスは、6月の参議院選挙だが、その潜在的世論をどう高めていくか、本日の集会で共に考え、共に声をあげていきましょう」と訴えられた。

僧侶の中嶌哲演さん(前列中央)

以下、集会での発言者の報告を要約紹介する。

◆美浜3号機運転差止裁判と5月26日東京地裁で第1回期日が始まった「311子ども甲状腺がん裁判」について 井戸謙一さん(弁護士)

老朽美浜3号機の運転差止仮処分は、昨年5月に提訴されました。その後、6月23日に再稼働した美浜3号機は、テロ対策施設の未完のため、一旦停止、今年の10月テロ対策施設が完成したら再稼働の予定です。先日5月23日、第4回の審尋が行われ、関電はなんとかひきのばそうとしましたが、裁判所はそれを許さず、次回7月4日の審尋で期日は終わり、10月の再稼働までには判決が出そうです。関電はまともに反論出来ていないので、勝てると考えております。40年超の老朽原発を止める闘いは、非常に重要な闘いです。ぜひ、ご注目ください。

もう1つ、5月26日東京地裁で「311子ども甲状腺がん裁判」の第1回期日がありました。沢山の方が集まり、27席しかない傍聴席の抽選に226人の方が並んでくれました。裁判は、まず弁護団が内容を説明したあと、原告6人のうち1人の女性の意見陳述がありました。原告は、この間の辛かったことを思い出して言葉にしており、水をうったように静まり返った法廷のあちこちですすり泣く声が聞こえ、本人も涙を流しながら、最後までしっかり陳述しました。裁判官も身を乗りだして聞いていましたが、その目は赤かったと私には見えました。

その後、私たちは裁判所に、残り5人の原告の意見陳述もさせて欲しいと訴えました。関電代理人は、事前の進行協議では反対していましたが、さすがに反対とは言えず「裁判所に任せます」と言わざるをえませんでした。それだけの力があった意見陳述でした。

裁判後の記者会見には、入りきれないほど大勢のメディアが来ていました。先日、TBSの報道特集がこの問題を取り上げており、その後「被ばくで甲状腺がんが増えるんはデマ」という激しいバッシングが起こっていました。しかし、福島で甲状腺がんになった被害者が初めて声をあげた歴史的な日だと思います。これを報道できないメディアは駄目ですが、そうならば、私たちは、口コミでこの話を伝えていかなくてはならないと考えます。この裁判を絶対勝たせるために、ぜひ強力なご支援をお願い致します。

弁護士の井戸謙一さん

◆福井県の敦賀市から駆け付けた元原発技術者・山本雅彦さん
 
電力会社と立地自治体は、この間、共同で巻き返しをはかっています。政府のカーボンユートラル政策、ウクライナ情勢に便乗し、エネルギー安定供給には原発が必要だと、政府のクリーンエネルギー政策に沿って、日本原電の3、4号機の新増設、廃炉のもんじゅ敷地内に新型原子炉の建設、更には美浜、1、2号機をリプレイスをさせようとしています。また首長は口を揃えて、原発をテロや戦争の攻撃から守るために自衛隊の誘致しようとまで言い始めています。

昨年秋、福井農業高校の生徒さんたちが、原発を題材にした「明日のハナコ」を上演したが、ケーブルテレビで放送除外となり問題となりました。劇中で、元敦賀市長が石川県で原発を誘致する際「原発は金になる木で、50年後100年後に産まれた子供が『カタワ』(脚本ではカタカナ表記)になるかもいれないが、今は原発をやったほうがいい」という台詞があり、それが差別発言に当たるからだと言われました。

福井県、財団から金がでていることから、彼らに忖度したのでもないかといわれています。こうした報告を聞くと、原子力ムラのやりたい放題ではないかと思われるかもしれない。しかし、昨年6月に私たちが実施した美浜町全戸でのアンケートでは、原発不必要の方が54%、反対が61% 再稼働に不安と考えている方が71%もおられた。今年4月講演会を行った際にも、皆さんは「避難先がおおい町では近すぎて不安だ」「避難ができたとして本当に故郷に戻れるのか」などの悲痛な声がでました。

私たちの運動によって、こうした声を圧倒的多数にすれば、原子力ムラの画策を止めることができるのではと確信しています。共に頑張りましょう。

◆「東海第二原発の再稼働を止める会」副代表の佐藤勝十郎さん

老朽原発の1つで、3・11の被災原発である茨城県東海第二原発のある茨城県からかけつけました。東海第二では、昨年3月、日本原電を相手とした裁判で、運転を禁止するという勝訴判決がだされました。その後、原告・被告とも控訴、現在東京高裁で控訴審に入っていますが、控訴審も一審勝訴を確定させたいと思っています。

この間、380頁にも及ぶ控訴理由書を提出し、再来月進行協議が始まる予定です。何故勝てたのか? 規制委は「深層防護」の1層~4層までは合格とし、第5層の住民避難については規制委の審査はないが、裁判所は不十分と判断しました。今後は、この問題を深堀し、事実として東京高裁に認めさせていきたいと考えています。

◆木原壯林さん(実行委員会)が読み上げた「集会アピール」(案)

ほかにも、青森県、島根県、愛媛県、鹿児島など全国の反原発を闘う皆さんが発言したり、アピールを寄せてくれた。最後に実行委員会の木原壯林さんが「集会アピール」(案)を読み上げた。

「老朽原発動かすな!の闘いは、国内だけではなく、韓国はじめ世界の脱原発運動から注目されている。現在、川内原発1、2号機、高浜3、4号機が運転開始後36年を超えており、韓国の原発5基も35年を超え、2機は来年40年を迎える。もし、高浜1、2、美浜3号機の再稼働を許せば、国内だけでなく、世界の原発の40年超運転の前例にされてしまう。
 一方、老朽原発の運転と原発新設を阻止すれば、最悪でも2033年に若狭から、2049年に存国から稼働する原発がなくなり、世界の脱原発の動きを先導できる。老朽原発完全廃炉に向けてやれることは全て実行しよう。
 とりわけ6月参議院選挙には『老朽原発動かすな!』を争点にし、核依存、原発推進の岸田政権にノーをつきつけよう!」

アピール(案)は、満場からの大きな拍手で確認された。

 

▼尾崎美代子(おざき みよこ)
新潟県出身。大学時代に日雇い労働者の町・山谷に支援で関わる。80年代末より大阪に移り住み、釜ケ崎に関わる。フリースペースを兼ねた居酒屋「集い処はな」を経営。3・11後仲間と福島県飯舘村の支援や被ばく労働問題を考える講演会などを「西成青い空カンパ」として主催。自身は福島に通い、福島の実態を訴え続けている。
◎著者ツイッター(はなままさん)https://twitter.com/hanamama58

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌 『季節』2022年夏号

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
季節 2022年夏号
紙の爆弾2022年7月増刊(NO NUKES voice改題 通巻32号)

2022年6月13日発売開始
A5判 132頁(巻頭カラー4頁+本文128頁)
定価 770円(本体700円+税)

[表紙とグラビア](写真・文=おしどりマコ&ケン
《福島第一原発・現場の真実 第2弾》事故後11年、構内劣化が止まらない

樋口英明(元裁判官)
ロシアのウクライナ侵攻と原発問題

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
放射能汚染の環境基準とハザードマップの作成を
《講演①》戦争と原発 ── ウクライナから考える
《講演②》「四〇年で廃炉」のデタラメと無責任 福島の放射能汚染と原発の後始末

「脱原発をめざす首長会議」発足10周年記国際シンポジウム
ドイツ脱原発への歩みと日本の十一年
《講演》菅 直人(衆議院議員、元内閣総理大臣)
〈核の共有〉でなく〈農と太陽の共有〉を!
《開会の辞》桜井勝延(元南相馬市長)
事故から十一年経った現実
《講演》ユルゲン・トリッティン
(ドイツ連邦議会議員、「同盟90・緑の党」会派所属、元環境・自然保護・原子力安全大臣)
ドイツ脱原発への歩み
《講演》飯田哲也(環境エネルギー政策研究所所長)
この十一年間で起きた三つの世界史的な出来事
《質疑・討論》先崎千尋(元瓜連町長)×桜井勝延(元南相馬市長)
×田中全(元四万十市長)×村上達也(元東海村長)
太陽光発電は自然破壊の原因になっているのではないか?

《対談》鎌田 慧×鴨下全生
未来に向けて真実を!
《講演》鴨下全生(大学生)
福島から東京へ 十九歳が問う原発事故 
《講演》鎌田 慧(ルポライター)
僕が原発に反対する理由

おしどりマコ(漫才師/記者)
私は広瀬隆氏の「地球温暖化説はデマである」を支持しません

尾崎美代子(西成「集い処はな」店主)
《関係者証言録公開》もんじゅ職員不審死事件
元動燃職員・西村成生さんは「自殺」していなかった!

森松明希子(東日本大震災避難者の会 Thanks & Dream(サンドリ)代表)
逃げずに火を消せ お国のために
「避難」は「権利」だと考えたことはありますか?

伊達信夫(原発事故広域避難者団体役員)
「汚染水海洋排出」は可能なのか

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
福島第一原発からの「汚染水海洋放出」に反対する

三上 治(「経産省前テントひろば」スタッフ)
ロシアのウクライナ侵略と原発

板坂 剛(作家/舞踊家)
何故、今さら昭和のプロレスなのか?

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
山田悦子の語る世界〈16〉
核による人類滅亡を目の前にしながら子孫を残すことができるのか

再稼働阻止全国ネットワーク
《北海道》瀬尾英幸(北海道泊村在住)
《新潟》山田和秋(なの花会)
《トリチウム》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
《東海第二》相沢一正(脱原発とうかい塾)
《東海第二》志田文宏(東海第二原発いらない首都圏ネットワーク)
《首都圏》柳田 真(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会、たんぽぽ舎)
《東京電力》佐々木敏彦(東京電力本店合同抗議実行委員会)
《浜岡原発》沖 基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
《関西電力》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
《鹿児島》江田忠雄(蓬莱塾)
《読書案内》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)

[反原発川柳]乱鬼龍

私たちは唯一の脱原発情報誌『季節』を応援しています!

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◆あえて批判覚悟で山本太郎を批判する

まもなくやってくる今夏には、参議院選挙が控える。政党地図を眺めると、年のせいか出るのはため息ばかりだ。

さて、鹿砦社は自由な言論を保証する出版社である。これは間違いない。だから敢えて『紙の爆弾』や本コラムで、どちらかといえば評価されている、山本太郎氏率いる政党についての、わたしが抱く違和感と嫌悪感を批判覚悟で申し述べる。

本コラムで山本氏が率いる政党を旗揚げした直後に「な・に・が『れいわ』だ!『新選組』だ!どあほうが! 「維新」さえ下回る最低最悪な党名『れいわ新選組』を掲げた山本太郎議員への絶望どあほう!」(2019年4月16日)とその命名を激烈糾弾する文章を書いた。

その思いは今も寸分も変わらない。自公に国民民主党と維新がすり寄って、ほぼ「大政翼賛会」が完成しつつある今日、山本氏率いるあの党名をどうあっても、わたしは口にすることはでない。当たり前だろうが。国会に議席を持つ政党の中では最も「反動的」な名前なのだから。差別の元凶天皇制と倒幕の時代に暴れまわった暴力集団、新選組。どうしてこんな名前を選んだのか訳が分からない。わたしにとっては、最低最悪の党名である。

そして、どうもここに来て山本氏の独裁ぶりが目に付くようになってきた。一つのサインは山本氏自身が、衆議院議員を辞職して、またしても参議院東京選挙区から出馬することを表明した事実だ。

党勢拡大のためには比例区で得た議席を有効利用するために、辞職して次点候補の繰り上げを図る戦法は理解できなくはない。しかしながら、はっきり言えば山本氏以外に「目玉」のない政党にとって、東京でもう一勢い入れたいとの思惑が明らかなのである。


◎[参考動画]【会見LIVE】山本太郎 参院選出馬選挙区表明(2022年5月20日)

◆「国債は国の借金ではない」の虚構

さらに、わたしには昨今山本氏の主張の中心である「国債は国の借金ではない」、「積極財政を」の掛け声がまったく腑に落ちない、どころか「それは違う!」と重ねて追及したい。

25年以上デフレに陥っていた日本で「賃上げを伴った」2%インフレであれば景気回復の要因にはなりえたであろう。けれども、おそらく山本氏も予想していなかったであろう、小麦や原材料の国際的価格上昇と急激な円安によって、日本の物価上昇は2%をはるかに超えてしまった。それに対して大企業の賃上げが報じられているけれども、中小企業は原材料上昇を価格に転嫁できないことから、賃上げどころか倒産に近い状態に追い込まれているケースが少なくない。なによりも多くの国民は「好況感」など抱いておらず、物価だけ上がる「スタグフレーション」が既に家計を直撃しているのだ。

これは山本氏が主張していた「国債はいくら刷っても、通貨発行権があれば借金ではない」がそうではなかったことを示す現実だと理解すべきだ。時間軸に沿って山本氏を弁護すれば、山本氏が主張する以前から自民党政権は「赤字国債」を乱発していたのであり(公共事業によりやがて還流するODAのように)、その結果毎年の国家予算で30兆円以上を返済に回さなければならないところまで、この国の財政は追い込まれていたのだ。

たしかに、政権与党が理性をもって税制と予算編成を行えば、ここまでの「スタグフレーション」は回避できたはずだが、FRB(米国通貨準備委員会)がゼロ金利政策の見直し(利上げ)を宣言したのに、日銀は政策金利の引き上げを宣言できない。なぜか。理由は簡単だ。利上げすれば国債の利払いが増してしまい、予算が組めなくなる、それだけのことだ。

こういった事態はわたしのような経済の素人にも容易に予想できたにもかかわらず、山本氏率いる政党はなぜか「国債は借金ではない」の主張を引っ込める気配がない。まったく不合理である。くわえて「国債発行は国の借金ではない」論を展開するために、極右の論者とも手を握っていた事実は、猛省に値する。

【何があっても心配するな。そんな国をあなたと作りたい。(82号簡略版)】

◆どうして水道橋博士なのか?

そしてちょっと驚いたのが、水道橋博士の擁立である。水道橋博士の人物像は知らないが、松井大阪市長に訴えられて「反スラップ訴訟」を公約に掲げると発信しているようである。「スラップ訴訟」はたしかに問題ではあるけれども、山本氏率いる政党の政策にこれまでその項目はあったであろうか。

選挙は政策だけではなく、「知名度」も重要な武器である。もともと芸能界出身の山本氏が水道橋博士を擁立するのも解らなくはない。けれども、山本氏が率いる政党の主張と「反スラップ訴訟」の接点はあまりにも希薄ではないか。生稲晃子を東京選挙区に擁立する自民党との違いはどこにある?


◎[参考動画]【街宣LIVE】東京・秋葉原駅(2022年5月29日)

◆本気で闘うのであれば本気の党名に変更せよ!

労組の名に値しない「連合」による「野党潰し」といっても過言ではない最近の狼藉に対して、自公・国民民主党・維新の実質「大政翼賛会体制」を揺るがすには、相当の衝撃が必要であることはわかる。だが、そうであるならば、山本代表は「野党中の野党」としてふさわしい党名をまずは採用すべきではないか。わたしも含めて彼が初当選時に応援した人間の半数以上は彼から離れている事実を山本氏は直視しなければならない。

元号や歴史的な暴力集団の名前を冠するのではなく、山本代表の発想であれば、いくらでも魅力的な党名が思いつくであろうが。それとも、やはり山本代表は政界の色に染まってしまい、そういった発想からはもう離れてしまったのか。


◎[参考動画]NHK日曜討論 山本太郎発言まとめ【2022/05/29】

◆初当選の支持者は半分去ってしまった、これでいいのか?

「原発を止めるために選挙に出た」と公言していた初心はどこに行ったのか。わたしは山本氏率いる政党についての論争では各方面から言いがかりに近い暴論を吹っかけてこられた。暴論も暴論。話にならなかった。だが、今日山本氏率いる政党のある意味成長ぶりと、「変節」を直視すれば、わたしの心配が杞憂であることを望むほかない。安田好弘弁護士・辻恵氏といった大物までが、あの破廉恥な党名を平気で発語している。こんな時代をわたしは、徹底的に嫌悪する。

ただし、橋下に直接楯突いて当時話題になった、大石あきこ議員には好感を持つし、彼女の活躍にも期待するところは大きい。その際、安心して呼ぶことのできる政党名に山本氏率いる政党は名前を変更するべきだ。原則的な「差別反対論者」にはあの政党名を投票用紙には書けない。この致命的なデメリットを誰か進言してほしいものだ。


◎[参考動画]【街宣LIVE】山本太郎と桜を見る会 熊本県・熊本!(2022年5月7日)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

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5月22日阪神タイガース対巨人戦観戦報告の続報です。両チームの先発メンバーが発表されました。コロナ前なら、選手の名前がアナウンスされるたびに歓声が上がっていたものですが、球場内でもしきりに感染防止対策で、大声を控えるように告知がなされたり、ボードを掲げた係員が巡回しているので、先発メンバー紹介には拍手が送られる程度です。

が、意外な場面で球場がざわついきました。審判の紹介で「球審白井」とアナウンスが聞こえた瞬間、「おいおい白井かい!」、「え!」とそこここから声が上がりました。

佐々木投手はご存知、完全試合達成後、あやうく2試合連続完全試合に手が届きかけた、いま最も注目の若手投手です。その佐々木投手にちょっと訳の分からない絡み方をしたのが白井審判でした。ネット上には過去、白井審判の怪しい判定や、猛抗議を受ける動画が多数アップされ、注目度は抜群。その白井審判がよりによって球審だというのですから、波乱も含めてますます期待感が高まります。私の座っている席の近くからも「白井!ええ加減な判定したらあかんぞ!」と大きな声が飛びました。

試合開始直前に神妙な表情で審判団と打ち合わせをする白井審判

爽やかな五月晴れ、宿敵巨人との満員甲子園での対戦、そして裁く球審は、最も注目を浴びる審判白井。いよいよプレーボールです。球場内では700円もする生ビールですが試合進行以上に、最高の観戦コンデションにどんどん進みます。甲子園は風が気持ちいいんですよ。

阪神の先発は前回惜しくも完封勝利を逃した伊藤で、1月以上開いての登板です。伊藤投手は制球が安定して、ストレートの伸びもよく不安のない立ち上がりを見せてくれました。

一方、巨人の先発高橋投手は立ち上がりからコントロールが定まらず、小林捕手とのタイミングがとれていないように感じられました。小林捕手が高橋投手に投げ返すボールが左右にそれる場面も何度も見られたことから、阪神タイガースOBのOさんは「今日のね、高橋はいいことないね。うん。まあ、見ての通りコントロールが安定してないし、マウンドで落ち着きがないよね。おん。おん。これは阪神、ゆっくり見て行ったらいいんですよ。おん。今日ははように捕まえることできるますよ。おん。」と早くも阪神攻撃陣のチャンスを予言していました。

満員の甲子園球場

試合はOさんの予想通り、2回に先頭の陽川が四球で出塁。つづく糸原の打席でフルカウントからまたしても四球。長坂は犠打でランナーを2,3塁に進め、打席にはピッチャーの伊藤ですが、巨人の高橋は伊藤にも四球を出してしまい1死満塁です。高橋はもうこのあたりで限界のように感じましたが、巨人ベンチは動きません。つづく近本がセンター前に安打を放ち阪神タイガーが1点先取です。2番の中野が三振に倒れたあと大山がレフト前にタイムリー。この打球を巨人の外野手が下手くそな守備をしている間に2塁ランナーも帰ってきて3点目。高橋投手はここで降板しました。巨人の投手は戸田です。四番の佐藤は痛烈なファースト直撃ゴロを放ち、これが内野安打で一挙4点をあげました。こういう攻撃が見たかった!高橋の調子が悪かったとはいえ、2回に一挙4得点です。

中押し、ダメ押しが欲しいところですが、いまの阪神タイガースにそこまで求めるのは酷というものでしょうか。

この日は攻守に見どころがありました。目立ったのは近本選手ですね。3安打1打点プラス1盗塁。盗塁は完璧なタイミングで近本選手にとっては通算100個目の節目の盗塁でした。守備でもレフト方向に切れていくライナー性のフライをダイビングキャッチ。

その後も伊藤投手はヒットは打たれるものの要所を締めていよいよ最終回を迎えました。結局9回に出塁は許したものの最後は見事に巨人打線を抑えきり、伊藤投手は完封勝利です。

最後まで躍動感あふれるフォームで完封勝利を達成した伊藤投手

同上

同上

巨人相手に甲子園で完封勝利! いやー阪神タイガース強いじゃないですか。強い。たしかにこの日試合だけ見ればそうなんですが、問題は打てない試合が多すぎることなんです。今日は5月29日です。交流戦の真っ最中です。楽天相手に田中将投手から勝ち星を奪うなど、本格的な上昇ムードを期待したいところですが、5月29日時点で借金が11。そして問題なのは完封負けが12試合もあることでしょう。勝試合でも1点差勝利が多く、楽な展開がないのは、やはり打線が繋がっていないことを意味するのでしょうね。投手陣が大崩れすることは少なく、防護率はセリーグトップの2.77。これで最下位なんですから、逆にいえば「撃ちゃあええんよ」というこですね。

結果的には、優勝を狙うのは無理にしても「まだまだ分からんよ」ということでしょう。最高の観戦日和に気持ち良い浜風を受けて、お昼寝なさっている方の姿みられましたが、それくらい気持ちの良い試合でした。

気持ちよい観戦日和にうたたねをなさる観客の姿も

◎[関連リンク]阪神タイガースはどうなってるの?
〈4〉5.22巨人戦観戦報告[前編]

▼伊藤太郎(いとう・たろう)
仮名のような名前ながら本名とのウワサ。何事も一流になれないものの、なにをやらしても合格点には達する恵まれた場当たり人生もまもなく50年。言語能力に長けており、数か国語と各地の方言を駆使する。趣味は昼寝。

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《6月のことば》雨の日も笑顔 (鹿砦社カレンダー2022より。龍一郎揮毫)

日々報じられるウクライナ危機とコロナ禍── とても笑顔でいられません。ひょっとしたら今年は時代の転換点かもしれません。かのべトナム戦争終結以後、これほどまでにワールドワイドな戦争とパンデミックがあったでしょうか? 

それにしても、これを揮毫した書家・龍一郎はいつも笑顔でいます。3年前の秋、母校・同志社大学での講演会、早朝お母様が亡くなりながら、福岡から京都に駆けつけ、あたかも何もなかったかのようににこにこ笑いながら平然と講演と即興での揮毫をやり通しました。さすがにプロです。また、自身は一昨年大病に倒れ長く入院、さらに昨年には連れ合いを亡くしながらも、このカレンダーを製作してくれました。その間には、師ともいうべき中村哲氏の不慮の死に遭っています。こうした中でも、彼が笑顔を絶やさないのはなぜなのか? 

龍一郎は人間が出来ています。私など齢七十を過ぎても未熟で、現在の情況を見て、到底にこにこ笑ってはおれません。核の使用を含む世界戦争の危機にたじろぎ、コロナには直撃されのたうちまわっています。どっちが先輩でどっちが後輩かわかりません。

龍一郎の笑顔の源は赴任したばかりの小学校で起きた「ゲルニカ事件」ではなかったか──「ゲルニカ事件」については、ここで説明するには長くなりますので、皆様方にはお調べいただくとして、この事件で彼は、全国津々浦々からの教師や父兄らの支援を受け、全国を講演行脚しみずからの想いと主張を訴えてまわりました。そして夜遅くまでの弁護団会議、敗訴、定年を遙かに前にした教職退職……波乱の人生でした。彼は別のところで「人生に無駄なものなどなにひとつない」と揮毫しています。魂の書家・龍一郎の笑顔の源はここにあるのではないか、と思っています。

(松岡利康)

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