「弁護士の先生は一審も二審もよくやってくれました」
「鳥取刑務所でも松江刑務所でも職員の人達はすごく良くしてくれています」
筆者の取材経験上、無実を訴えながら有罪判決を受けた被告人は、無罪判決をとれなかった弁護士や自分を犯罪者扱いする拘置所・刑務所の職員たちへの不満を訴えることが少なくない。だが、彼女の場合、そういうことは一切ないばかりか、他者への感謝の思いばかりを口にする。ただ、それにしても、公判が終わって退廷する際、敵であるはずの検察官にまでお辞儀していたのは少々驚いた。本人はそのことを記憶していないというのだが……。
「裁判の時は緊張していたので……無意識のうちにお辞儀していたのかもしれませんね」
昨年12月、松江刑務所の面会室。マスコミが「西の毒婦」と呼んだ鳥取連続不審死事件の上田美由紀被告(40)はそう言って笑った。
日本はこんなにも米国に見下されているのか――。外交問題に疎く、そもそもあまり関心がない筆者がしみじみそう実感させられる出来事が今から6年前にあった。2008年2月22日、あの「ロス疑惑」の三浦和義氏(当時60)がサイパンを旅行中、妻(=前妻。以下同)を殺害した容疑で米国捜査当局に逮捕された一件である。
長崎県西海市でストーカー被害を訴えていた女性(事件発生当時23)の母親(同56)と祖母(同77)が刺殺される事件が起きたのは2012年の暮れのこと。捜査の結果、女性の元交際相手・筒井郷太被告(同27)が殺人や住居侵入、脅迫などの罪で起訴された。筒井被告は、長崎地裁の裁判員裁判で無実を訴えたが、2013年6月14日、犯人性も完全責任能力も認められて死刑判決を宣告され、現在は福岡高裁に控訴中である。
世間の耳目を集めているオウム真理教の元幹部・平田信被告(48)の裁判員裁判。公判は何かと波乱含みのようだが、産経新聞の報道によると、弁護側が証人出廷した元オウム信者の受刑者に対し、迷宮入りした「警察庁長官狙撃事件」と平田被告の関連性について意見を求める質問をする場面があったという。質問の背景には、平田被告がかつて、この事件の犯人候補としても警視庁に注目されていたことがあったと思われるが、「あの男」がこの報道に触れたらおそらく気になって仕方がないだろう。