暴走する湯崎県政! 跡地利用はコンセプトがブレブレ!「マリーナホップ」は存続で良かった疑惑が深まる さとうしゅういち

広島県の湯崎英彦知事は、広島市内で唯一の水族館だったマリホ水族館や同じくし内唯一の観覧車を含むショッピングモール「マリーナホップ」(広島市西区観音新町地区)との県有地契約を2024年度限りで打ち切り、後継の施設を東京の自動車用品会社「トムス」に造らせようとしています。

◆波乱続いたモビリティーパーク案

そのトムスの案ですが、モビリティーパークといって、車やバイクなどの乗り物をテーマとした施設にする予定でした。ところが、この案については、当初から波乱続きです。マツダやトヨペットなど地元の大手企業がメインから引いています。なぜ、大手が引くのか?それは、「見通しが不透明」だからではないのか?

また、中国新聞社がこの問題について情報公開請求したところ、「企業秘密に当たる」などという理由で黒塗り文書が公開されるなど、不透明な湯崎県政の対応が続いてきました。

◆温浴施設に外国人富裕層ターゲットのホテル?

そして、このほど、2025年2月定例県議会において、県当局は、修正案を議会側に提示してきました。それは、モビリティーパークに加えて温浴施設、そして主には外国人富裕層をターゲットとしたホテルを加えるというものです。

しかし、冷静に考えると、西区観音新町地区から例えば原爆ドームを含む平和記念公園からは少々遠いのです。純粋に商売だけを考えれば、世界遺産である宮島や、中区の平和記念公園、あるいは広島駅周辺なら外国人富裕層向けのホテルは成り立つでしょう。それ以外の成功例で言えば、いま「時の人」となっているウクライナのゼレンスキー大統領たちがG7広島サミットで利用した南区元宇品のグランドプリンスホテル広島があります。しかし、グランドプリンスホテル広島の場合は、原生林に囲まれ、海に面した窓からの景色も極めて良好です。工業地帯だったマリーナホップ跡地とはくらべものにもなりません。

◆コンセプトがブレブレ

そもそも、コンセプトが異なる色々なものをぶち込んでも、上手くいかない。車やバイクに興味が薄い層も取り込む、というが、逆に、ピンボケしかねないのではないでしょうか? 近年では商売でも選挙でも、良いか悪いかは別にして「ハッキリした」会社や政党・政治家が(購入先・投票先としても就職先としても)ウケる傾向が顕著にみられます。

◆これなら、マリーナホップ存続で良かった

はっきり申し上げます。こんなことなら、マリホ水族館や観覧車を中心にマリーナホップを存続させた方が、広島県民のためには「より少なく悪い」選択肢だったのではないでしょうか? 確かに、広島市内にショッピングモールが他にも増えた中で、苦戦はしていた。しかし、マリホ水族館は、広島市内では唯一の水族館でした。観覧車も含めて、子どもと一緒に安心して遊びに行ける場所でした。筆者には子どもはいませんけれども、広島市内には意外と子ども・若者が安心して遊べる場所は少ないのです。そういうことと、子ども医療費の助成が全国と比べても遅れている。このあたり「も」人口流出の背景の一つになっているのではないでしょうか?

マリホ水族館(筆者撮影)

◆インバウンド重視の暴走は広島の水・食べ物を台無しに

今、広島県内も広島市や廿日市市を中心にインバウンドブームに沸いてはいます。廿日市市の本土側では大規模なリゾート開発工事が進んでいます。しかし、その現場から大量の土砂が流出。今年は恒例のカキ祭りが中止になるほどカキが不作でした。因果関係は不明ですが、きちんと調べる必要があるのではないか?一方、廿日市市の宮島側でも包ヶ浦自然公園に富裕層向けのホテル誘致が計画されています。そして、住民から懸念の声が亜上がっています。

※宮島包ヶ浦自然公園のホテル誘致計画を白紙撤回してください
https://voice.charity/events/2476

こうした声を無視して市は開発を推進し、県はそれを許可して良いのでしょうか?カキの養殖に悪影響が出れば、広島県が進めてきた広島食材や料理のPRも根底から崩れます。立ち止まることが必要です。

◆「東京・関東の煌びやかさ」ばかり重んじる湯崎県政の限界

湯崎英彦・広島県知事は2025年、4期16年目の最後の年を迎えています。湯崎さんは就任当初は、不十分だった情報公開などに積極的だったし、筆者も期待して湯崎さんに一票を入れました。

しかし、3選を果たされたあたりから、どうも、東京の企業とか、中央官僚とか、平川教育長ら関東の煌びやかな経歴な方ばかりを優遇する県政、地元で地道に頑張って来られている若手・中堅や企業を疎んじる県政へと暴走を加速しているように思えます。

もちろん、広島県はいわゆる封建的な風土も健在です。それも、いわゆる国政野党に顕著です(詳しくは「茶番選挙 仁義なき候補者選考」楾大樹著などご参照ください)。

こうした中で、地元で地道に頑張って来られている若手・中堅や企業は挟み撃ちにあって「面白くない」状態なのではないでしょうか?

湯崎県政をリセットし、県民に広島を取り戻し、知事から広島の水・食べ物を守る庶民革命。11月に県知事選挙が予定されている今年こそ、正念場です。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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『季節』2025年春号 〈3.11〉に想う── 季節編集委員会

今年も〈3.11〉がやって来ました。──

この頃になるいつも想うのですが、原発事故で狂わされた人の人生、生活、命です。

いまだにフクシマでは棄民政策がなされ、生まれ育った故郷に戻れない人たちも多いです。確かに法律上は戻れることになった町もあるでしょうが、人がほとんどいなくなった町で、どうやって生活していくのでしょうか。

筆者は50歳を過ぎてから、望郷の念が強くなり、中学、高校の同窓会活動に精を出し始めました。多くの同期生もそのようで、いったんは都会へ出ても、かなりの人数が帰郷しています。

フクシマでは、帰るに帰れない人たちが多いです。原発事故を起こした東電に対し、まさに「故郷を返せ!」と叫びたい方も多いでしょう。当時の東電の幹部はどう考え、どう責任を取ろうとしているのでしょうか。いつも素朴な疑問に苛まれます。みずからの意見も公にせず責任も取らず、彼らはひっそりと暮らしているかのように思われます。

昨年10月、当時の東電トップ、勝俣恒久が亡くなりました。一切の責任も取らずに、です。また勝俣死去をマスメディアはほとんど報じませんでした。彼が生前やってきたことの意味の問い直しぐらいやるべきだったのではないでしょうか。

今後、当時の東電の幹部が相次いで亡くなっていくでしょう。責任をどう取るのでしょうか。せめて気持ちだけでも家、屋敷を売って被災者へ寄付するぐらいはやるべきでしょう。被災者はみな人生、生活を狂わされ命を絶った方もいるわけですから──。

ところで本誌も昨年夏・秋合併号で創刊10周年を迎えることができました。本誌は月刊『紙の爆弾』の増刊号として季刊ペースで発行してまいりました。あとの5年は新型コロナとの闘いで苦戦しました。創刊10周年の集いも開く予定が諸事情で開けませんでした。4月5日に『紙の爆弾』20周年と共に、記念の集い(具体的には巻末参照)を開催することになりました。両誌とも、今後10年、20年と続かせようと願って。関東周辺にお住いの方はぜひご参加をお願いいたします。

■『季節』2025春号の発行が10日遅れます。

本来3月11日発行の『季節』2025春号ですが、10日遅れ3月21日発行(17日発送)となりました。申し訳ございません。例年3.11当日の発行で、今年もそのつもりだったのですが……。これは財政的な問題とは直接関係はございません。編集作業が遅れ、遅れ自体は2、3日のことでしたが、今年の2月は2日少なく、また年度末で印刷・製本の予定ラインから一端外れたことで歯車が狂い10日遅れの発行となりました。とはいえ、工程管理が緩かったのは事実で弁解の余地もございません。何卒ご容赦お願いいたします。

2025年3月 季節編集委員会

〈原発なき社会〉を求めて集う 不屈の〈脱原発〉季刊誌
『季節』2025年春号(NO NUKES voice 改題 通巻42号)
紙の爆弾 2025年4月号増刊
A5判 132ページ(巻頭カラー4ページ+本文128ページ)
定価770円(税込み) 2025年3月21日発売
 
《特集》原発被曝を問い直す 福島十四年後の実相

[グラビア]原発事故の後始末 汚染土2兆2000億円の現場(写真・文=山川剛史

小出裕章(元京都大学原子炉実験所助教)
[報告]福島原発事故被害者の被曝と原子力ギャング

今中哲二(京都大学複合原子力科学研究所研究員)
[講演]飯舘村の放射能汚染のこれまでとこれから

山川剛史(東京新聞編集委員)
[報告]迫る汚染土の再利用 解決の道はあるのか

伊藤延由(飯舘村 元「いいたてふぁーむ」管理人)
[報告]「被ばくの実態」調査から原発事故の実像を測る

尾﨑美代子(本誌編集委員/西成「集い処はな」店主)
[報告]自宅の放射線測定記録に疑惑あり
いのちにかかわるデータは捏造されたのか?

子ども脱被ばく裁判の会
[報告]呆れ果てても、諦めない! 子ども脱被ばく裁判で明らかになったこと

片岡輝美(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
十年間の闘いを経て
水戸喜世子(「子ども脱被ばく裁判の会」共同代表)
裁判によって知らない事実が明らかになった
井戸謙一(「子ども脱被ばく裁判の会」弁護団共同代表)
この裁判が生み出したいくつかの成果
樋口英明(元福井地裁裁判長)
真実はこれを求める人にのみ与えられる

和田央子(放射能拡散に反対する会)
[報告]原子力マフィアが主導する福島汚染土再生利用

後藤政志(元東芝・原子力プラント設計技術者)
[報告]《検証》もしも柏崎刈羽原発が攻撃されたら……

山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)
[報告]英国の核燃料サイクル政策の大転換

山崎隆敏(元越前市議会議員)
[報告]万博と原子力 「いのち輝く未来」と「核ゴミ・被曝労働」の矛盾撞着

《第2弾》避難対策は全国どこでも「絵に描いた餅」

日野正美(女川原発再稼働差止訴訟原告団事務局長)
[報告]女川原発の避難計画は不備だらけ! 住民無視の運転を中止せよ!

土光 均(米子市議会議員)
[報告]県庁所在地に立地する島根原発で大災害が起きた時
松江市民に逃げ場所はあるか?

森松明希子(原発賠償関西訴訟原告団代表)
[報告]原発避難者にとっての14年 その絶望と希望

原田弘三(翻訳家)[報告]「脱炭素」の本質

佐藤雅彦(翻訳家/ジャーナリスト)
[報告]NUKE WARS――原子力帝国の逆襲
    原子力は地域社会に「核分裂」をもたらす

板坂 剛(作家/舞踊家)
[報告]再び 三島由紀夫生誕百年に想う

山田悦子(甲山事件冤罪被害者)
[報告]山田悦子の語る世界〈26〉最終回 絶望の時代《今》を生きる意味〈下〉

平宮康広(元技術者)
[報告]水冷コンビナートの提案〈3〉

再稼働阻止全国ネットワーク
 東電に原発うごかす資格なし すべての原発の再稼働阻止
 フクシマは終わっていない

《福島》黒田節子(原発いらね!ふくしま女と仲間たち)
「本当のフクシマを知ってください」 西日本スピーキングツアー
《福島》橋本あき(福島県郡山在住)
 東電福島原発事故の残響は続く
《規制委》木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
【ネット署名】深刻な原発事故を起こした東京電力による
 柏崎刈羽原発の再稼動を許すなの声を結集しよう
《北海道》瀬尾英幸(泊原発立地四町村住民連絡協議会)
 泊原発は必ず止める
《静岡》沖基幸(浜岡原発を考える静岡ネットワーク)
「基準津波25.2メートル」に対応するために、またまた防波壁かさあげ!
《福井》木原壯林(老朽原発うごかすな!実行委員会)
 関西電力(関電)に、約束を履行させ、全ての老朽原発を廃炉に!
《東海第二》横田朔子(とめよう!東海第二原発首都圏連絡会)
 日本原電も東海第二原発も崖っぷち!~東海第二原発の中央制御室で火災発生~
《東海第二》けしば誠一(反原発自治体議員・市民連盟事務局長)
 防潮堤の修復案を示せない原電は、廃炉事業に専念するよう求めます
《書評》天野恵一(再稼働阻止全国ネットワーク)
 小田実の『被災の思想 難死の思想』── 本の〈発掘〉①

[反原発川柳]乱鬼龍

3月後半開催のキックボクシング   4つの興行の見どころ! 堀田春樹

◆女子だけの試合 第3弾

戦績不振の選手は多い女子選手だが、選手層は厚くなってきた現在、女子だけの興行も成り立つ時代となりました。

昨年4月14日のGODDESS OF VICTORYⅡに於いてのミネルヴァ・スーパーフライ級王座決定戦で、上野hippo宣子に判定勝利しながら計量失格により王座奪還成らなかったNANAは、10月6日の新日本キックボクシング協会TITANS NEOS 35での同王座争奪4人制ワンデートーナメントに於いて、準決勝を3位.YURIKO SHOBUKAI(尚武会)に判定3-0勝利、決勝を5位.鈴木咲耶(チーム鈴桜)に判定3-0勝利し、遠回りしながら王座奪還。

そのNANAの今回の初防衛戦は上野hippo宣子との再戦。経験値からNANAの勝利は堅いところ、この一年間、上野がどんな研究をし、新たな戦略でいかに巻き返すか。

◎GODDESS OF VICTORY Ⅲ / 3月16日(日)GENスポーツパレス16:15~
主催:ミネルヴァ実行委員会 / 認定:ニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)

●第13試合 ミネルヴァ・スーパーフライ級タイトルマッチ 3回戦
 選手権者.NANA(エス)vs 挑戦者3位上野hippo宣子(ナックルズ)

●第12試合 ピン級(100LBS)ノンタイトル3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・アトム級チャンピオン.Nao(AX) 
       vs
 WMC日本女子ピン級チャンピオン.MIREY(WSR・F三ノ輪) 

●第11試合 アトム級(102LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ピン級1位.祥子JSK(治政館)vs ミネルヴァ・アトム級3位.Marina (健心塾) 

●第10試合 ペーパー級(95LBS)3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級2位.AIKO(AX)vs 沙緒里(ワイルドシーサー前橋関根)
●第9試合 スーパーフライ級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級5位.紗耶香(格闘技スタジオBLOOM) 
       vs
 同級7位.響子JSK(治政館)

●第8試合 ライトフライ級3回戦(2分制) 
 ミネルヴァライトフライ級7位.堀田優月(闘神塾)vs ラジーナ・ビスタ(エラワンムエタイ)

●第7試合 ペーパー級3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・ペーパー級4位.Uver∞miyU(T-KIX)
        vs
 港町なぎさ(ワイルドシーサー前橋元総社)

●第6試合 55.0kg契約3回戦(2分制)
 ミネルヴァ・スーパーフライ級10位.松藤麻衣(クロスポイント吉祥寺) 
        vs
 妃芽奈(ワイルドシーサー高崎)

 他、プロノーランカー5試合、アマチュアEXPLOSION 5試合予定

昨年4月、NANA(左)は上野hippo宣子に判定勝利、今回の再戦で防衛成るか

※               ※               ※

◆コロナ禍以前の勢いに戻って来たムエタイオープン
 ルンピニージャパンタイトル始動

与那覇壱世は2019年12月1日に岩浪悠弥(橋本)に1ラウンドKO負けしてルンピニージャパン・バンタム級王座を失っているが、ノックダウンした際に反則蹴りを受けてダメージを引き摺っての敗戦でもあった。

その後のコロナ禍を経て、KNOCK OUT(RED)スーパーバンタム級王座奪取するなど飛躍を続けた壱世は、昨年11月10日、NJKFに於ける「JAPAN CUP 1st ROUND 55kg級8人制トーナメント初戦(準々決勝)」で、それまで散々挑発してきた嵐(KING)に冷静な試合運びで経験値を見せ付けた判定勝利。

12月30日の「K.O CLIMAX 2024」に於いてのワンデートーナメント準決勝では、前田大尊(マイウェイ)に延長判定で決勝進出したが、決勝戦では森岡悠樹(北流会君津)にノックダウンの応酬のKO負けで優勝は成らなかった。ワンデートーナメントは通常公式戦と違う異質なもので、休養を経て今回も好調な壱世として戻って来るだろう。

ルンピニージャパンタイトルもコロナ禍を経て復活。ジャパンタイトル戦にタイ選手起用という疑問符も残りますが、これもプロモーター主導の国境無きタイトルと認識していくべきところでしょう。

◎MuayThaiOpen.50 / 3月22日(土)墨田区体育館(ひがしんアリーナ)
主催:センチャイジム / 認定:ルンピニージャパン(LBSJ)
アマチュア大会11:00~ /プロ興行17:00~

●第13試合 ルンピニージャパン・スーパーバンタム級王座決定戦 5回戦
 壱・センチャイジム(=与那覇壱世/センチャイ)vs シンクロン・コーイ・ヌムパグデェ(タイ)

●第12試合 ルンピニージャパン・バンタム級王座決定戦 5回戦
 矢島直弥(TSK Japan)vs イティポンシット・ポー・チョーウォー(タイ)

●第11試合 ルンピニージャパン・ライト級王座決定戦 5回戦
 弘・センチャイジム(=大森弘太/センチャイ)vs 新田宗一朗(クロスポイント吉祥寺)

●第10試合 58.0契約3回戦
 稔之晟(マイウエイスピリッツ)vs チャイヤンレック・モー・コーチョーチェンマイ(タイ)

●第9試合 63.0kg契約3回戦
 錦和道(FIGHTBASE都立大)vs テレカ(NEXTLEVEL渋谷)

●第8試合 ウェルター級3回戦
 中村漣(BOUNCER)vs ムン・ソンチョル(韓国)

●第7試合 55.0kg契約3回戦
 駒木根稔和(TSK Japan)vs 渡辺悠斗(センチャイムエタイ錦糸町)

 他、6試合

壱世は他団体でビッグマッチ続きも好調を維持

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◆KICK Insistの常連メンバー勢揃い

ここに何かひとつビッグなタイトルマッチが欲しいところではありますが。瀧澤博人を越えた感のメインイベンター(大トリ)としての睦雅の存在は大きいでしょう。

さらにフライ級王座を狙う細田昇吾と同級チャンピオンとして君臨する西原茉央の試合運びの比較も見どころです。

◎KICK Insist.22 / 3月23日(日)後楽園ホール17:15~
主催:VICTORY SPIRITS / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA)

●第13試合 63.0kg契約 5回戦     
 ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(ビクトリー)
        vs
 ポムロップ・ルークスワン(元・S-1スーパーフェザー級Champ/タイ)

●第12試合 57.5契約3回戦 
 瀧澤博人(WMOインターナショナル・フェザー級Champ/ビクトリー)
        vs
 プラカイトーン・トータラヤン(元・ジットムアンノンstadium・Sバンタム級8位/タイ)

●第11試合 52.0契約3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級チャンピオン.西原茉生(治政館)
        vs
 コウシ・ノーナクシン(WMOインターナショナル・ミニフライ級Champ/タイ)

●第10試合 スーパーフライ級3回戦   
 ジャパンキック協会フライ級1位.細田昇吾(ビクトリー)
      vs
 NKBフライ級5位.滑飛レオン(テツジム滑飛一家)

●第9試合 ウェルター級3回戦  
ジャパンキック協会ウェルター級3位.正哉(誠真)vs 梅沢遼太郎(白山道場)

●第8試合 ライト級3回戦  
 ジャパンキック協会ライト級2位.菊地拓人(市原)vs 青木大好き(OZ)

●第7試合 58.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会フェザー級5位.眞斗(KIX)vs 同級6位.石川智崇(KICKBOX)

●第6試合 70.0kg契約3回戦   
 ジャパンキック協会ウェルター級5位.我謝真人(E.D.O)vs 白井大也(市原)

●第5試合 バンタム級3回戦 
 松田悠哉(誠真)vs JKイノベーション・バンタム級8位翔力(拳伸)

 他、ノーランカー4試合

ジャパンキックボクシング協会のメインイベンター睦雅も国内外で好調を維持

※               ※               ※

◆原点回帰から挑戦へ、令和の全日本キックボクシング協会の2年目!

設立2年目は新たな挑戦へ、韓国ムエタイ協会との提携、日本vs 韓国戦が開催。
オーシャン・ウジハラ連続出場で迎え撃つ。

◎挑戦 / 3月28日(金)後楽園ホール17:30~
主催:全日本キックボクシング協会

オーシャン・ウジハラは昨年12月28日、瀬川琉に僅差判定負けしているが、体幹崩れないベテランの技で瀬川を苦しめた存在。無所属ながら今回のメインイベンターとなった。

元々はセンチャイジム所属で2009年にWBCムエタイ日本フェザー級王座獲得し、その後プロボクシングに転向したり、キックボクシングに復帰したり紆余曲折を経て戦い続けています。まだ結果を残せる余力有りでしょう。

広翔と横尾空は昨年3月16日の設立興行でデビューし、「早くメインイベンターと成れ!」と期待の下、一年間一緒に戦って来た二人が、今年は王座を狙える地位へ浮上出来るか、壁にぶつかるか周囲は期待と不安の中、見守りたい存在でしょう。


●メインイベント 60.0kg契約3回戦
 オーシャン・ウジハラ(=氏原文男/無所属/1986.10.12高知県出身)27戦13勝(8KO)14敗
 vs
韓国ムエタイ協会フェザー級チャンピオン.Flash(本名=クォン・ヒョンウ/2000.11.25韓国出身)10戦8勝2敗

●セミファイナル バンタム級3回戦
 広翔(稲城)4戦3勝(1KO)1敗
      vs
 Joker(本名=パク・スンホ/2002.9.13韓国出身)5戦1勝(1KO)4敗

●フライ級3回戦
 横尾空(稲城)vs 小池空(I DEAL)

●スーパーフライ級3回戦
 HIROKI(AKIRA ~budo school~)vs 井上蓮治(パラングムエタイ)

●ライト級3回戦
 山田旬(アウルスポーツ)vs 生野逸晟(WSR三ノ輪)

●ライト級3回戦
 福僚太(健成会)vs 風間祐哉(WSR三ノ輪)

●フェザー級3回戦
 中村健甚(稲城)vs 斎藤鷹也(TRIM)

 他、4試合

氏原文男は全日本キックボクシング協会へ連続出場、メインイベントを務める

※               ※               ※

以上は3月後半の関東エリアで行なわれる一部のスケジュールです。

この中での注目度高い選手は「2025年に輝くキックボクサーたち」でも登場した睦雅と壱世で、広翔と横尾空、細田昇吾と西原茉生も今後も話題性高くなるでしょう。オーシャン・ウジハラがこの先、どこまで引っ?き回してくれるかも注目です。
4月以降の興行も展望は続いていく予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

『紙の爆弾』2025年4月号に寄せて 『紙の爆弾』編集長 中川志大

おかげさまで『紙の爆弾』は、次号2025年5月号で創刊20周年を迎えます。姉妹誌の反原発情報誌『季節』は昨年創刊10周年を迎えました。それらを記念し、2025年4月5日(土)に東京で読者の集いを開催します。一回限りの全力イベントです。発売中の4月号でご案内を掲載しておりますので、ぜひご参加をお願いいたします。

今月号では「USAIDとは何か」を徹底解説。米国トランプ政権の「USAID廃止」がインターネットを中心にこれほど盛り上がったのは、そもそも「メディアがおかしい」という意識が、人々の中にあったからです。日本でも「マスゴミ」という言葉は昔からあり、権力監視の一環としてのマスコミ監視は、本誌のようなメディアの普遍的なテーマでもあります。ただし、単なる「ゴミ」ではなく、むしろ権力機関の一部として、その役割を積極的に果たしてきたことに、今注目が集まっているわけです。「政官業米電(電波)利権複合体」は植草一秀氏の指摘です。しかし、USAIDやNED(全米民主化基金)がなくなればいいのかというと、ことはそう単純ではありません。その点が、既存マスコミはもちろん、インターネットでもほとんど触れられていない点だと思われます。新たな形による「支配」にこそ、私たちは警戒しなければなりません。

USAIDを資金源とするNEDやCIA(米国中央情報局)に限らず、諜報や工作が歴史を動かしてきたことは、指摘するまでもない事実です。今月号ではいくつかの事例とともに、元外交官の孫崎享氏が解説。私たちが日々接しているニュースが、それらの結果にすぎないということは、頭に入れておかなければなりません。そして、諜報・工作のメインターゲットは、外国政府だけではなく、その国の「世論操作」です。ウクライナ・ゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談「決裂」に、3月号登場の鳩山友紀夫元首相は「問題はプーチンを悪者で敵だとする考えに染まっていては、戦争は終わらない。日本だけでもトランプに協力して戦争を止めたらどうだ」とXでコメント。踊らされない視点こそ、重要です。

昨年11月号に続き、鈴木宣弘・東京大学大学院教授が、「食と農の危機」を再び解説。コメをはじめ食料価格の高騰が続く中、「農業の憲法」といわれる食料・農業・農村基本法の大改悪に伴い4月1日に施行される「食料供給困難事態対策法」で、日本の農業はどうなるのか。そして、この危機に立ち向かうために私たちができることは何なのか。まさに今読むべき内容です。

また、2月13日に東京・広島・大阪・熊本・中央・武蔵美大の大学生たちが中心となって集会を開いた「学費値上げ反対運動」を取材。これがなぜ「新しい形の学生運動」といえるのか、レポートをぜひお読みください。学生たちのnoteもぜひご参照を。(https://note.com/no_raise_ut/n/n2caa621385ee

ほか、4月号では、オンラインカジノ摘発と大阪カジノ万博の関係、再び注目される「フジテレビ・日枝久とジャニーズ」、世界に跋扈する「現代版ノストラダムス」など、各分野で真相に迫る多彩なレポートをお届けします。全国書店で発売中です。ぜひご一読をお願いします。

『紙の爆弾』編集長 中川志大

『紙の爆弾』2025年 4月号
A5判 130頁 定価700円(税込み)
2025年3月7日発売

戦争勃発させ国を壊す「西側工作」米ロ「諜報戦」の実相 孫崎享
4月施行 食と農と命を殺す「食料供給困難事態対策法」 鈴木宣弘
イスラエル暴虐の行方 トランプとネタニヤフを結ぶ「ガザ2035」構想 広岡裕児
世界マスコミ「沈黙」の真相 USAID廃止に潜むイーロン・マスクの野望 西本頑司
日本を蝕む「2+2」を破棄せよ 日米安保第四条の闇 木村三浩
「警察・自衛隊の外国攻撃」と「秘密保護強化」能動的サイバー防御法案は戦争推進法である 足立昌勝
「LGBT問題」「トランスジェンダー神話」刊行にあたって 反「性自認至上主義・クイア思想」の宣言 滝本太郎
自衛隊改組と日本永世中立化 日本から始まる新時代の地政学 藤原肇
吉本芸人に相次ぐ「見せしめ聴取」オンラインカジノ摘発 警察と政府の目的 片岡亮
「学費値上げ反対」と「103万円の壁」問題 「大学学費ゼロ」が世界の常識である 浅野健一
フジテレビと芸能プロの関係史 再び注目される「日枝久とジャニーズ」 本誌芸能取材班
世界各地を席巻する「現代版ノストラダムス」たちの予言をひもとく 浜田和幸
「総裁選公約」はどこに消えた? 石破茂「無策」の理由 山田厚俊
NHKへの最後通牒――「さらば“波”だ!」と言おう 佐藤雅彦
日本政治の衰退と世代間分断の根本原因 上條影虎
鎌倉名物カフェ立ち退き問題「小泉政権のキングメーカー」の死 青山みつお
シリーズ日本の冤罪 養女強姦虚偽告訴事件 片岡健
「カウンター大学院生リンチ事件」から十年(下) 松岡利康

〈連載〉
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「ニッポン崩壊」の近現代史 西本頑司
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資金ショートに止まらぬスタッフ流出! 広島エキキタ巨大「湯崎病院」は砂上の楼閣! 筆者に関係者から公益通報も! さとうしゅういち

◆「全国トップレベル」「若手医師を集める」……美辞麗句を並べ立てる湯崎英彦知事

広島県の湯崎英彦知事は、「県立広島病院」(いわゆる県病院)、「JR広島病院」(2025年度から「県立二葉の里病院」に改称)、「中電病院」並びに「広島がん高精度放射線治療センター」の4病院を統合し、広島市東区の広島駅北口(エキキタ)に1000床規模の巨大病院を造ろうしています。「若手医師を集める、トップレベルの医療を提供する、断らない救急、中山間地域へ医師を派遣する、小児救急を充実させる」など美辞麗句を並べています。

◆早くも25億円の資金ショートで議会でも炎上

2025年度からは、その前段階として県病院とJR広島病院改め県立二葉の里病院、そして県立安芸津病院を運営する「地方独立行政法人」を発足させようとしています。総事業費は総務省が管轄する特別地方交付税や消費税を財源とする厚労省の補助金などを財源に1300-1400億円。病院の統廃合事業としても破格の予算規模です。ところが、昨今の建築費の高騰などで、事業費が大幅に上振れし、新病院の規模の縮小が必至となっています。さらに、その地方独立行政法人の資金不足が発覚。県が25億円を貸し付けなければいけない状況になっています。

県議会でも〈炎上〉しています。知事と距離のある保守系会派は、「しょっぱなから運転資金が足らないような事業はやるべきではないというのが最初にある。『面積が変わるんですか?』『さぁ……』『駐車場はいくらかかるんですか?』『さぁ……』って財政的にも要件的にも何も決まっていない」(東広島市・井原修議員)とバッサリ。知事に近い自民党系会派の議員からも「本当にこのまま計画通りに進めても大丈夫なのか?」(佐伯区・宮崎康則議員)という疑問が呈される始末です。

◆最近まで県立広島病院で勤務していた関係者から「公益通報」

こうした中、広島瀬戸内新聞は2月26日までに「最近まで県立広島病院で勤務していた関係者」(県立広島病院の将来を考える会 様)からこの問題についての「公益通報」を匿名の文書でいただきました。

「県立広島病院の職員の大部分は移転に断固反対しています。しかし関係者が内部から声を上げることは難しく、関係者各位のお力をお借りしたいと考え、投稿する次第です。匿名である点はご容赦ください。」

県立広島病院で勤務していた関係者からの「公益通報」の一部

広島瀬戸内新聞では、今回頂いた文書については、公益通報者保護法上の行政機関以外の外部への通報、いわゆる3号通報として取り扱っております。湯崎英彦知事らが犯人探しなどをした場合は同法違反となります。

文書では問題点についてA4ページ8枚と別紙の資料12ページにわたって取り上げています。本紙では「県病院潰し」「巨大病院への集約」構想の問題を指摘してきましたが、今回、改めて内部の声が明らかになりました。

この「文書」の方も「新病院移転構想が始まったときから計画の意義に対して疑念を抱いてきましたが、それでも現状より広くて充実した設備ができるのであればと受け入れてきました。」という立場だったそうです。ところが、ここへきて、建築資材高騰の影響で、予算大幅オーバーとなり、その影響で「建設図面素案を見ると、その内容はかなり厳しいと言わざるを得ず、なんのための移転かわからなくなってきました。」ということです。

以下、公益通報文書(文書、と略します)に沿って、巨大病院計画の問題点を明らかにします。

◆広電比治山線大混雑! 道路渋滞も悪化!「超過密地区に大規模病院をつくる日本初めての試み」の無謀

文書は、今回の計画を「超過密地区に大規模病院をつくる日本初めての試み」と指摘。日本における1000床以上の病院はそもそも郊外化か都市部であっても周囲を広大な緑地に囲まれた敷地内に建設されている、と指摘。高層建築物が立ち並ぶ超過密地区に大規模病院を造る「湯崎病院」構想の異常さを指摘しています。

これにより、ただでさえ激しい周辺部の渋滞が悪化すること、現在宇品周辺に居住している県病院職員は、移転後は、広電宇品線を使うことになるために、同線は大混雑になること。周辺道路も渋滞の悪化で救急車のアクセスは悪く、高層ビルと山に挟まれてドクターヘリも近づきにくいことなどを指摘しています。

◆予算高騰→規模縮小でスタッフも患者も窮屈な病院

そして、文書は予算高騰により「病院規模縮小による諸問題が発生する」と指摘。当初の計画は地下1F、地上16Fだったのが地上14Fのみになり、「診察スペースは非常に狭い」「内科・外科の診察室の総数は今の県病院より少ない」「外来の2フロアをつなぐエスカレーターがなくなる」「待合室の椅子も驚異的に少ない」「憩いの場となるようなスペースやレストラン、喫茶店などはない」ことを告発。

医局の部屋も非常に少なく、先生の個人の机も確保できるかどうか微妙、ということです。職員の休憩スペースも少なく、患者も職員も踏んだり蹴ったりです。

◆「広大ふるさと枠」失敗の総括なき湯崎県政

広島では無医地区が全国ワースト2の状態が続いています。県も手をこまねいているわけではなく、広大医学部では、2009年度から卒業後に知事が指定する医療機関に9年間勤務すれば、奨学金の返済が免除される「ふるさと枠」制度を導入しています。

しかし、過疎地の病院と言っても本当のへき地ではなく、三次市や庄原市、安芸高田市などの中心部の病院への赴任の場合が圧倒的に多いのです。自治医科大学と違って、総合診療医になる必要はありません。ふるさと枠で157人中総合診療医になった先生はたったの3人だそうです。

現在の施策の効果が出ていないのに、その総括もなく、今度は巨大病院。文書は「現在までのふるさと枠運用にも関わらず、中山間地域に医師が不足し、無医村地区全国ワースト2位の記録を更新し続けている理由について、税金を払わされてきた県民に説明するのが先ではないでしょうか?」と指摘していますが、全く同感です。

◆画餅の「トップレベルの医療」「断らない救急」

巨大病院が掲げる「トップレベルの医療」については、統合される4病院の中に「全国トップレベルと言える医師は私の知る範囲では数えるほどしかいません」「かといってトップレベルの医師を招聘するような動きは全くなく、広島大学の関連病院のひとつとしか機能しないことは確実です」と指摘。

「断らない救急」についても、これを掲げている神戸市民病院がブラック職場として有名だと、指摘。

県病院でも、「夜間受診する患者の一部はクレーマーあるいはモンスターが多く、暴言暴力も横行していることから、常時、警備員が診察室内に配備されているような状況」で今でさえ疲弊している現場がさらに疲弊し、さらには職員の離職につながる、と指摘しています。

◆旧設備の更新はままならぬ一方JR広島病院など新しい建物を壊そうとする不可解さ

当初の巨大病院計画案では、2016年1月に新築したばかりのJR広島病院を壊して駐車場に使用としていました。ただし、これは、最初にご紹介した建築資材費の高騰を受けて、病院施設として存続させる方向も検討されています。このほかにも県病院内には2004年新築の緩和ケア支援センターが独立した棟であります。

また、県病院にはハイブリッド手術室も着工中ですが、数年後には取り壊すのでしょうか?

「その一方で、古い設備の更新は、予算がないから、という理由で拒否される状況が長年続いています。」と文書は批判します。特に内視鏡部門に関してはその傾向が顕著であり「一世代以上前の内視鏡で検査させられている場合も多く、機械は破損するまで更新してもらえ」ない、酷い状況だそうです。

「未来の全国トップレベルを目指すより、現在の全国標準レベルを目指すべきではないでしょうか?新病院建築に必要な予算のせめて1000分の1でいいので既存の古い設備の更新に予算を回していただきたい」と文書は訴えています。

JR広島病院(2025年度から「県立二葉の里病院」に改称)

◆研修医に独身寮なし! 若手医師が集まるの?!

湯崎知事は「全国から若手医師を引き寄せる」と言っておられます。だが、福利厚生の面でも、研修医に普通なら用意される独身寮もない、ということ。現在の県病院は、近くに駐車場込みで家賃1万2000円の官舎があります。

しかし、新病院に移行後は、自己責任で住宅を用意させるため、人が集まるかどうか?も怪しいのです。

◆独法化で職員動揺!「巨大病院」どころかスタッフ流出!

文書では独立行政法人への移行で、スタッフが辞めていく問題も指摘されています。

「現在の勤務環境は非常に過酷ですが、定年まで頑張って働けば、と言う思いで頑張ってきたスタッフ」が多かったのに「2025年度から独立行政法人に移行することで公務員としての身分保障がなくなることになり、多くの職員は動揺」しているそうです。

公務員宿舎から数年以内の退去を求められる、移転で満員電車通勤になるなどの不安が鬱積。「スタッフの離職は既に始まっており、病床数が維持できず2025年2月から一病棟を閉鎖しました」とのことで「新病院発足時には極端なスタッフ不足に陥っている可能性があります」と警鐘を鳴らします。

◆「現在地で改築・高層化」が無難

その上で、この方は代替案として、南区宇品の現在地の県病院のうち、1981年の新耐震基準以前の建物(東棟と南棟、北棟)を改築し、JR病院や中電病院の急性機能を移転すれば良いのではないか?と提案しています。

東棟、南棟はまとめて新病棟に。管理棟を高層化し、北棟の機能を集約。北棟を立駐に変更することを文書では提案しています。

確かに、広島市宇品の現在の県病院の位置なら、島しょ部からもアクセスは維持できますし、交通渋滞の心配もありません。

湯崎知事は、現在地は津波の心配があるとして、現在地での県病院の建て替えをかたくなに拒否してきました。一方でエキキタのすぐ北側に迫る二葉山は、豪雨時だけでなく、巨大地震の時も含めた土砂災害のリスクも大きいのです。文書でも「尾長天満宮には埋もれた鳥居があるなど、過去に土石流があった形跡が残って」いるのです。

もちろん、現在地でもどうせ、老朽化に伴い建て替えが必要です。それでも、新病院にすることによる問題点は避けられます。

◆それでも新病院にこだわるなら「湯崎退場」一択だ!

湯崎英彦知事! これでもあなたは、新病院にこだわるのですか? このままでは、新病院どころではありませんよ?

そもそも、県立広島病院=県病院は国の統廃合計画でさえも対象外。それなのに、貴方の功名心で、それこそ、角を矯めて牛を殺すことになりかねません。

「多額の税金が投入される以上、それを支払っている県民の方々は、きたるべき未来を知る権利があるのではないか」と文書は指摘します。その指摘に応えられないのであれば、知事は今すぐお辞めになるべきです。

▼さとうしゅういち(佐藤周一)
元県庁マン/介護福祉士/参院選再選挙立候補者。1975年、広島県福山市生まれ、東京育ち。東京大学経済学部卒業後、2000年広島県入庁。介護や福祉、男女共同参画などの行政を担当。2011年、あの河井案里さんと県議選で対決するために退職。現在は広島市内で介護福祉士として勤務。2021年、案里さんの当選無効に伴う再選挙に立候補、6人中3位(20848票)。広島市男女共同参画審議会委員(2011-13)、広島介護福祉労働組合役員(現職)、片目失明者友の会参与。
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朝日新聞330万部、毎日新聞130万部、2024年12月度のABC部数 黒薮哲哉

2024年12月度のABC部数が明らかになった。各社とも部数減に歯止めがかからない。朝日新聞は、この1年間で約20万部を減らした。読売新聞は、約37万部を減らした。

中央紙のABC部数は次の通りである。

朝日新聞:3,309,247(-200,134)
毎日新聞:1,349,731(-245,738)
読売新聞:5,697,385(-365,748)
日経新聞:1,338,314(-70,833)
産経新聞: 822,272(-63,548)

なお、ABC部数には、「押し紙」(偽装部数)が含まれているので、新聞販売店が実際に配達している部数とは異なる。新聞社によって「押し紙」の割合は異なるが、「押し紙」裁判で明らかになっているデータによると、販売店に搬入される新聞の3割から5割程度が「押し紙」である。従って実際の配達部数は、ABC部数よりも遥かに少ないと推測される。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2025年2月26日)掲載の同名記事
を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

黒薮哲哉『新聞と公権力の暗部 「押し紙」問題とメディアコントロール』(鹿砦社)

NKB、今年はライト級中心に動くか! 堀田春樹

高橋一眞引退後のライト級は乱牙が担う。公式記録は引分けながら規定により延長戦を制して王座獲得。
カズジャンジラがハイキックでチャンピオンの存在感を見せて判定勝利。
片島聡志と吏亜夢は互いの持ち味発揮の末、若い吏亜夢が制す。

◎爆発シリーズvol.1 / 2月22日(土)後楽園ホール17:15~21:14
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会

◆第11試合 第16代NKBライト級王座決定戦 5回戦

1位.棚橋賢二郎(拳心館/1987.11.2新潟県出身/ 60.95kg)25戦12勝(7KO)11敗2分
        VS
2位.乱牙(=蘭賀大介/ケーアクティブ/1995.2.9岩手県出身/ 61.1kg)
11戦7勝(3KO)2敗2分
引分け 三者三様(=公式記録)
主審:前田仁
副審:高谷48-49. 鈴木49-48. 笹谷49-49(延長戦は三者とも9-10で乱牙を支持)

開始早々に棚橋賢二郎が牽制の右ロングフック。以降は終盤まで強打を振り回すことは少なく、やや距離を保った流れ。乱牙のローキックで下がり気味の棚橋。第4ラウンドには強打を狙っていそうな棚橋の前進が始まり、打ち合うシーンが増えた。

乱牙と棚橋賢二郎の蹴りを忘れたパンチの打ち合いが続いた

最終ラウンドも激しく打ち合うも互いの顔面を打ち抜くような決定打は無く終了。三者三様の引分けとなった公式戦はここまで。王座決定戦の為、延長戦が行われ、疲労困憊した打ち合いが続く中、前進した乱牙がヒットを上回った流れで優勢支持を受けて王座獲得となった。公式記録は昭和から続くシステムで従来どおり引分け。

新チャンピオンとなった乱牙。反省と抱負を語る

◆第10試合 66.7kg契約ノンタイトル 5回戦

NKBウェルター級チャンピオン.CAZ・JANJIRA
(=佐々木和也/JANJIRA/1987.9.2東京都出身/ 66.3kg)44戦21勝(4KO)16敗7分
        VS
どん冷え貴哉(TOKYO KICK WORKS/1988.10.15滋賀県出身/ 66.5kg)
48戦25勝(6KO)21敗2分
勝者:CAZ・JANJIRA / 判定3-0
主審:笹谷淳
副審:高谷50-48. 鈴木49-48. 前田50-48

両者は、2021年4月24日に3回戦制で対戦し引分け。今回は5回戦制で決着戦を迎えました。

どん冷え貴哉は有効打は無いが手数と圧力は優っていく。第4ラウンドには、カズ・ジャンジラが巻き返しに入り、パンチで出るどん冷えにハイキックを合わせるとアゴにヒット。チャンピオンらしさを見せたヒットで勝負を大きく引き寄せるノックダウンを奪った。そこからどん冷えの巻き返しを許さず、このノックダウンを奪ったカズジャンジラが判定勝利。

カズジャンジラvsどん冷え貴哉の攻防、レフェリーは2年前、カズと王座を争った笹谷淳

◆第9試合 スーパーバンタム級3回戦

片島聡志(元・WPMF世界スーパーフライ級Champ/Kick Life/1990.10.19大分県出身/ 55.2kg)57戦29勝(6KO)23敗5分
        VS
WMC日本スーパーフェザー級チャンピオン.吏亜夢(ZERO/2004.12.3栃木県出身/ 55.2kg)
15戦10勝4敗1分
勝者:吏亜夢 / 判定0-3
主審:加賀見淳
副審:前田28-29. 鈴木28-29. 笹谷27-30

若さからくる勢いで吏亜夢がスピードで優る前進。ベテラン片島聡志は攻められてもまともには喰わないディフェンスの上手さが目立った。

第2ラウンドには片島の蹴りに合わせた吏亜夢の右ストレートで片島がバランス崩してスリップ気味に尻もちをつくと、ノックダウン扱いとなったがダメージは無い。

ラストラウンド終盤には片島聡が前進、隙を突いてパンチヒットさせ、ただでは終わらぬ攻めの上手さを見せた。吏亜夢は長身さと手足の長さを有利に活かし判定勝利したが、互いの持ち味が発揮された展開となった。3ラウンドで終わるには時間が足らず、5回戦でやるべき勿体無いカードである。

吏亜夢と片島聡志のベテランと若さの攻防。攻めの上手さと守りの上手さが引き立った

◆第8試合 60.0㎏契約3回戦

横山典雄(不死鳥道場/1986.5.13新潟県出身/ 59.7kg)12戦7勝(3KO)5敗
        VS
JKIスーパーフェザー級8位.夢叶(エムトーン/2004.4.7神奈川県出身/ 59.75kg)
8戦4勝(2KO)3敗1分
勝者:夢叶 / TKO 2ラウンド 2分31秒 /
主審:高谷秀幸

夢叶が先手を打つ蹴りとパンチの多彩に攻める中、横山も夢叶の出方に合わせて攻防を続けるが、第2ラウンドに夢叶の右ヒザ飛び蹴り一発でノックダウン。カウント中のレフェリーストップで夢叶がTKO勝利した。

[左]夢叶がいきなりの飛びヒザ蹴りで横山典雄を倒した/[右]エムトーン南孝侍会長と夢叶。昭和と令和のテクニシャンが集う

◆第7試合 58.0kg契約3回戦

NKBフェザー級5位.半澤信也(Team arco iris/1981.4.28長野県出身/ 57.9kg)
33戦11勝(4KO)17敗5分
        VS
村上祐馬(不死鳥道場/1994.6.23長野県出身/ 57.5kg)8戦6勝(3KO)1敗1分
勝者:村上祐馬 / KO 3ラウンド 1分47秒 /
主審:鈴木義和

蹴りでタイミングを掴みながらパンチ中心の攻防。互角の展開が続く中、第2ラウンドから続く村上祐馬のローキックが徐々に効いていた半澤信也は第3ラウンドにノックダウン。更に村上にコーナーに詰められ猛攻を受けたパンチとローキックで2度目のノックダウン。更にパンチ連打されたところでタオルが投入された様子で、レフェリーが割って入り3ノックダウンとなる形で試合終了。村上がKO勝利。

村上祐馬が半澤信也をコーナーに詰めての猛攻で2度目のノックダウンに繋げた

◆第6試合 ウェルター級3回戦

大月慎也(Team arco iris/1986.6.19埼玉県出身/ 66.65kg)25戦11勝(5KO)10敗4分
        VS
天雷しゅんすけ(SLACK/1984.10.23新潟県出身/ 65.35kg)12戦5勝(1KO)6敗1分
勝者:大月慎也 / 判定3-0
主審:高谷秀幸
副審:前田30-27. 笹谷30-27. 鈴木30-28

初回から大月慎也が徐々に上下の蹴りで圧力掛け、組み合うとヒザ蹴りで圧倒。天蕾しゅんすけは攻められながらパンチで追うも敵わぬまま、大月がローキックやハイキックで圧倒した展開となった。

大月慎也が天蕾しゅんすけを圧倒。カズ・ジャンジラに指名された大月、王座に近付けるか

◆第5試合 64.0kg契約3回戦

小磯哲史(元・J-NETWORKライト級Champ/TESSAI/1973.8.8神奈川県出身/ 63.55kg)
53戦18勝(6KO)30敗5分
        VS
ちさとkiss Me!!(安曇野キックの会/1983.1.8長野県出身/ 63.9kg)
42戦7勝(3KO)31敗4分
勝者:小磯哲史 / 判定2-1
主審:加賀見淳
副審:前田30-28. 笹谷29-28. 高谷29-30

負けが大きく先行する両者の蹴りとパンチの一進一退の攻防も決定打が無い展開が続き、終盤には小礒哲史のパンチでちさとは鼻血を流すも打ち返す踏ん張りを見せた。

ちさとは倒される覚悟も懸命に互角に戦った。小磯哲史もベテランの上手さを見せた

◆第4試合 58.0kg契約3回戦

杉山茅尋(HEAT/2001.11.30静岡県出身/ 57.7kg)10戦3勝6敗1分
      VS
樋口雄生(ケーアクティブ/1995.4.14東京都出身/ 57.8 kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:樋口雄生 / 判定1-2
主審:前田30-28. 高谷29-30. 加賀見29-30

杉山三兄弟の長男、茅尋登場。初回は殆ど蹴り中心の攻防。パンチや首相撲は少ない。第2ラウンドにはパンチと首相撲の展開も増えるが、樋口雄生がやや優った展開。杉山は兄弟揃ってのテクニシャンではあるが、茅尋は樋口にやや圧された流れで終了。採点が分かれる結果となったが樋口雄生が攻め優った判定勝利。

テクニックは互角ながら樋口雄生は杉山茅尋に圧力掛けて勝利を導いた

◆第3試合 ライト級3回戦

鈴木ゲン(拳心館/1973.6.5新潟県出身/ 60.7kg)12戦6勝(4KO)5敗1分
      VS
坂根卓弥(クロスポイント吉祥寺/1993.7.11京都府出身/ 61.1kg)6戦3勝2敗1分
勝者:坂根卓弥 / 判定0-3 (26-30. 26-30. 26-30)

初回に坂根卓弥の左ハイキックがヒットするとグラついた鈴木ゲン。坂根が手数とスピードが優っていき、鈴木は最後まで耐え忍び、坂根が大差判定勝利した。

◆第2試合 65.5kg契約3回戦

健吾(BIG MOOSE/1993.10.10千葉県出身/ 65.15kg)5戦4勝1敗
      VS
清水和也(アルン/2003.9.22新潟県出身/ 64.65kg)4戦2勝(2KO)1敗1分
勝者:健吾 / 判定2-0 (30-27. 29-29. 30-29)

◆プロ第1試合 バンタム級3回戦

TAKUMI(Bushi-Doo/1989.12.8新潟県出身/ 52.85kg)7戦7敗
       VS
早川曜平(ケーアクティブ/1994.1.13千葉県出身/ 52.8kg)2戦1勝1敗
勝者:早川曜平 / 判定0-3 (29-30. 29-30. 29-30)

◆アマチュア・オヤジキック第3試合 61.5kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

オヤジキック関東スーパーフェザー級王者.アニマル・タケ王
(D-BLAZE/テツジム東京/61.1kg)
        VS
オヤジキック関西スーパーフェザー級王者.ゆきすぎて釜江(テツジム関西/ 60.4kg)
勝者:アニマル・タケ王 /
判定0-1 (19-19. 20-20. 19-20)
延長判定2-1 (9-10. 10-9. 10-9)

◆アマチュア・オヤジキック第2試合 70.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

中條ミノル(D-BLAZE/ 69.5kg)vsヒロタカ(RIKIX百合ヶ丘/ 69.55kg)
勝者:中條ミノル / 判定3-0 (20-18. 20-17. 20-18)

◆アマチュア・オヤジキック第1試合 61.0kg契約2回戦(90秒制/延長1分)

ハリケーン吉野(TOKYO KICK WORKS/ 60.4kg)
      VS
藤元”ガンビット”ダイスケ(sports24荻窪/ 60.2kg)
勝者:ハリケーン吉野 / 判定2-0 (20-18. 20-18. 20-20)

《取材戦記》

イエスかハイで!?

カズ・ジャンジラは試合後のマイク挨拶で、「今年10月、NKBウェルター級タイトルマッチ(予定)で大月慎也選手、やりたいようでしたら、イエスかハイで!」と回答を求めた。決定権は選手ではなく、NKB実行委員会とマッチメイカー次第だが、前振りから盛り上げて行くにはマイクアピールも必要な時代でしょう。

更にカズ・ジャンジラは来年の2月興行で引退をすることを宣言。「それまでしっかりチャンピオンとしてNKBを盛り上げたいと思います。」と締め括った。

NKBライト級新チャンピオンとなった乱牙は「棚橋選手は滅茶苦茶強かったです。今後チャンピオンベルトを背負う者として、今日はあまりいい内容じゃなかったので、リングで言ったとおりですが、もっと練習して強くなってチャンピオンとして相応しい存在になりたいです。」と語った。ライト級戦線、他団体にも強力なチャンピオンが存在します。睦雅とか吉田凛汰朗とか。今比較すれば乱牙は見劣りしますが、今年一年で急成長出来るかが勝負。

竹村哲マッチメイカーは今回の興行に付いて、「KOが少なかったのがちょっと残念でしたが、メインイベントの棚橋賢二郎vs乱牙は正に死力を尽くして戦ってくれたので、あんなド突き合いは“これぞNKB”という試合を見せてくれたので良かったですね。」と感想を語った。

いろいろな選手や関係者に話を聞けばいろいろな応えが返って来ました。

会場入りしたばかりの吏亜夢は「絶好調です!」と笑顔で応え、ウォーミングアプする片島聡志は「いつもどおりですが絶好調です。相手を呑み込んでやろうという心構えです!」とリップサービスがありました。

更に開場前にリングサイドに居たエムトーンジム南孝侍会長とBIGMOOSEジム小林健二会長とは昔話に花が咲きました。アジア太平洋キック連盟の初期の頃など。

「こんな昭和から関わる話をまたしたいですね。」という南会長。彼のエピソードも奥深いのである。いずれ人物伝で拾う予定です。

日本キックボクシング連盟爆発シリーズvol.2は4月26日(土)に後楽園ホールに於いて開催予定です。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」

《3月のことば》春です 故郷は 桜です 鹿砦社代表 松岡利康

《3月のことば》春です 故郷は桜です(鹿砦社カレンダー2025より。龍一郎揮毫)

3月、年度末です。1月(去ぬ)、2月(逃げる)── 今年はじめの2ヵ月、速かったです。そして3月。

これまでこの冬はほとんど酷寒だったのですぐに桜を想像できませんが、確実に春はやって来ます。故郷の桜が目に浮かびます。3・11のように、みずからの意志に反し故郷を離れた人たちにとって、故郷の桜はどのように脳裏に映るのでしょうか。

もうすぐ今年も3・11がやって来ます。3・11に、あなたはどこで桜を見るのでしょうか。

3月は逃げると言いますが、意義ある月にしたいと思います。

タブーなきラディカルスキャンダルマガジン 月刊『紙の爆弾』2025年3月号
『LGBT問題 混乱と対立を超えるために』女性スペースを守る諸団体と有志の連絡会=編著 定価990円(税込み)

人工画像・動画と新世代の世論誘導、USAIDは廃止されたが別の手口が… 黒薮哲哉

メディアの世界でこのところやたらと目に留まるのが、加工した画像や動画である。特にXなどSNSを媒体としたニュース報道では、加工が施されているものが、日増しに増えている。事実を正確に伝える役割を持つジャーナリズムの中に、恣意的なイメージ操作が闖入してきたのである。しかも、こうした現象は、西側メディアだけではなく、非西側メディアでも観察できる。

画像や動画の加工は、フェイクニュースの原点であり、ジャーナリズムを破壊し、最後にはジャーナリストの存在を無意味なものにしてしまう。その危険性に大半の情報発信は気づいていない。事実、国内外を問わず影響力のある人々まで、おそらくは罪悪感なく加工行為に手を染めている。

◆取材しない「ジャーナリズム」の氾濫

数カ月前、あるメディアの経営者が、「わたしの媒体は、取材はしません」と淡々と話していた。取材経費が乏しい上に、スタッフの数が少ないので、現地に足を運んで取材するよりもインターネットで情報を探し、それをリライトしてニュースとして公開しているのだという。取材しない「ジャーナリズム」を社のモットーにしているのである。

別のメディア関係者も、取材よりもインターネット上の情報収集が「仕事」の主流を占めると話していた。従ってスタッフを採用する際も、ジャーナリストよりも、ネット上で情報を収集する能力が採用の鍵になる。たとえば外国語が堪能で、翻訳能力と作文能力があれば、申し分のない人材である。外国語の記事を、あたかも自社の果実であるかのようにアレンジできるからだ。

こうしたメディア状況の下で、フェイクニュースと事実・真実の区別が付かなくなり始めている。これは視聴者や読者にとっては、憂慮すべき事態である。自分たちが生活している世界を客観的な事実で再認識することが不可能になるからだ。命をリスクにかけて、紛争地帯まで足を運んで事実を確認する必用もなくなる。

◆たちの悪い反共プロパガンダが影響力を高める

米国のUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)やNED(全米民主主義基金)を廃止が、世界的にトランプ政権の評価を高め、非西側メディアまでもそれを歓迎しているが、USAIDやNEDの次世代の世論誘導装置が、SNSや画像・動画の加工になることに気づいている人はほとんどいない。USAIDやNEDの戦術は、特定の組織や個人を抽出して、そこに資金を投入して、「人力」で世論運動活動を実施するものだった。

これに対して次世代の世論誘導は、不特定多数の人々が直接的なターゲットになる。USAIDやNEDの活動よりも、よりたちが悪い反共プロパガンダが、今後、圧倒的な影響力をもってわれわれの生活の中に闖入してくる危険性があるのだ。

イーロン・マスク氏がXを買収し、さらにトランプ政権に入閣した目的を再考する必用があるのではないか。ジャーナリズムは、エンターテイメントではない。

※本稿は黒薮哲哉氏主宰のHP『メディア黒書』(2025年2月20日)掲載の同名記事
を本通信用に再編集したものです。

▼黒薮哲哉(くろやぶ・てつや)
ジャーナリスト。著書に、『「押し紙」という新聞のタブー』(宝島新書)、『ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線』(花伝社)、『名医の追放-滋賀医科大病院事件の記録』(緑風出版)、『禁煙ファシズム』(鹿砦社)他。
◎メディア黒書:http://www.kokusyo.jp/
◎twitter https://twitter.com/kuroyabu

「カウンター大学院生リンチ事件」(「しばき隊リンチ事件」)から10年(下)──あらためてその〈意味〉と〈責任〉を問う 鹿砦社代表 松岡利康

くだんの大学院生リンチ事件は、私たちにいろんなことを教えてくれた。元々私は、いわゆる「知識人」もマスメディアも司法(裁判所)も、これまでも数多裏切られてきたことで信用はしていなかったが、このリンチ事件でそれが決定的になった。

◆「知識人」の醜態

このリンチ事件をめぐっては多くの「知識人」が蠢き右往左往してきた。それはそうだろう、「反差別」運動の旗手として自分たちが崇めてきた李信恵とこの親衛隊と言ってもいい者らが、思いもよらない凄惨な事件を起こしたのだから──。

李信恵ら事件現場に連座した者らは一夜明けて、おそらく胸中では『しまった!』と思ったに違いない。実際に五人のうち李信恵ら3人は「謝罪文」を被害者М君に提出し「活動自粛」も約束している。

また、その「反差別」運動を支援したり、なんらかの形で関わった者らは『なんてことをしてくれたんだ!』と愕然としたり絶望したりしたに違いない。当初、この事件を知った辛淑玉は「Мさんリンチ事件に関わった友人たちへ」と題するステートメント(全7枚)を公にしている。のちに撤回することになるが、おそらく事件を知ったショックから執筆した本音だろう。

しかし彼らはこぞってそれを反故にし活動を再開した。ここには人間としての良心の欠片もない。

在日の「知識人」として著名な辛淑玉は、なぜここで踏みとどまらなかったのか、ここに大きな錯誤があり、被害者М君を絶望のどん底に落とした。加害者らに影響力のある彼女が踏みとどまり、厳しく対処していれば、また違った展開になっていただろう。

加害者らと近い、当時参議院議員だった有田芳生や作家で法政大学教授の中沢けいらは事件直後来阪し善後策を練っている。特に有田は事件当日の午後に来阪している。これは偶然だろうか?

「知識人」として加害者らに信頼が篤く「李信恵さんの裁判を支援する会」の事務局長だった岸政彦(当時龍谷大学教授。現京都大学教授)は、当初コリアNGOセンターが行った、加害者への事情聴取にも立ち合い、彼の立場からして事件の内容をよく知ったはずだし、人間として研究者として、また「李信恵さんの裁判を支援する会」の事務局長として厳正に対処すべきだった。岸が厳正な姿勢を貫けば、彼の株ももっと上がり、事件後の展開ももっと違ったものになったはずである。責任ある立場にあった彼がどう考えているか、みずからの意見を表明しないので鹿砦社特別取材班は彼の研究室(龍谷大学)を訪れ直撃し問い質したが右往左往するばかりだった(この時の彼の発言と画像は『反差別と暴力の正体』に掲載)。

取材班の直撃取材に慌てふためく岸政彦

ちなみに鹿砦社特別取材班は、岸の他に有田芳生、中沢けいらにも直撃取材している(『人権と暴力の深層』に掲載)。

さらに、いわゆる「知識人」として取材を試みたが逃げられた者に師岡康子弁護士、精神科医・香山リカらがいる。

師岡は俗に「師岡メール」(『暴力・暴言型社会運動の終焉』に全文掲載)と言われるメールをМ君の知人・金展克に送り、М君が刑事告訴しないように説得してほしいと依頼している。М君は事件後しばらくは刑事告訴を躊躇したが、加害者らの態度に誠意が見られなかったことなどでやむなく刑事告訴に踏み切った。その後、加害者5名や彼らを支援する周囲の者らは開き直り謝罪文を反故にし活動自粛の約束を破った。さらには、あろうことか加害者と連携する者らによってМ君に対する激しいセカンドリンチが本格化する。

ここで師岡はリンチ被害者М君について「これからずっと一生、反レイシズム運動の破壊者」と言って憚らない。なんという「人権派弁護士」だろうか? 真の「反レイシズム運動の破壊者」は、集団リンチを行った者だろうに。

また、香山リカに至っては、精神科医とは思えない対応をした。私たちはまず加害者と何らかの関係がある者らと共に彼女にも質問状を送ったが返答が来ないので、彼女が業務委託している事務所に電話で慇懃丁寧に取材を申し込んだところ取材班のスタッフに電話を「ガチャ切り」されたと嘘をツイートしている。密かに録音されていることもあるので、取材班は殊更慇懃丁寧に電話し、その場に私もいたが、「ガチャ切り」は真っ赤な嘘である。

そうして、質問書を「どこに送付したか、書いてみては?」と言うから正直に送った住所をSNSに書いたところ、本当に書くと思わなかったらしく、しばらくして神原元弁護士から削除要請の電話があった。

さらには、鹿砦社が裁判を起こし「小口ビジネスモデルに活路を見出した」と大ウソをついている。確かに鹿砦社は1995年頃から訴訟まみれになりながらも億を越す資金を費やし闘ってきた。しかし、それで儲けたことはなく、逆に神経を擦り減らし資金を注ぎ込んだだけで「小口ビジネス」などにはなっていない。さらに香山は「嫌がらせされ続けている」とか「『リンチ』ですらなかった」とか「鹿砦社の罪は重い」とか言い放っている。私たちは香山に「嫌がらせ」など続けていないし、香山は判決文を読んだのか、「『リンチ』ですらなかった」ということが妄言で、「罪が重い」のはリンチ事件を隠蔽し、よって被害者М君がPTSDに苛まされていることに手を貸した香山のほうこそ「罪は重い」! 特に香山は精神科医だから、暴力で、未来を嘱望されていた某国立大学大学院博士課程(当時)のМ君の人生を台無しにしたリンチ事件の重みが解っていないのか、精神科医・香山の見識と人間性、精神科医としての資質と職責を問う。

ここでは紙幅の都合上リンチ事件に蠢いた数人を採り上げるにとどまったが、これらの他にも弾劾されるべき人物は決して少なくはない。血の通った人間ならば、胸に手を当てて虚心に反省すべきだ。

◆報じるべき問題を報じないメディアの責任

大小を問わず、本件リンチ事件を報じたメディアは唯一鹿砦社のみだった。『週刊実話』がコラム記事で小さく採り上げたが、加害者らとつながる者による激しい抗議で謝罪した。以来、被害者と鹿砦社へのメディアの援軍は遂に現れなかった。SNSで、この問題に言及する者がいたにすぎない(主に右派とされる者)。

メディアは、朝日新聞はじめほとんどのマスメディアが李信恵を「反差別」運動の旗手として持ち上げてきた手前か、真相が明らかになってきた段階でも無視した。つまり、言ってしまえば犯罪に加担したと言っても過言ではない。メディア、特に大手新聞は社会の木鐸ではなかったのか?

М君や鹿砦社は何度も司法記者クラブに記者会見を申し込んだが、一切拒否された。一方加害者らの記者会見はすんなりと何度も開かれた。リンチ事件の真相が明らかになった段階でも、大手新聞は李信恵の活動や生き方を美談として採り上げ続けた。ジャーナリズムの見識を疑わざるをえない。

特に、当時朝日新聞の大阪社会部記者だった阿久沢悦子は、М君が同紙で事件を採り上げてもらえると期待したが裏切られた。阿久沢記者は「浪速の歌う巨人」と自他称される趙博を紹介し、体よく貴重な資料を趙に渡す。趙は一時は私たちと共闘を約束し一献傾けたが、突然掌を返す。当時まだ公になっていないA級資料ばかりだ。この資料はどこへ行ったのか? まさか権力の元に渡されたのではないか、という危惧が絶えない。趙は、いろんな運動や組織に顔を出し、こうした行為を行っていると聞く。ある党派では「スパイ」視されているそうだ。阿久沢にこうしたことを聞き質そうとしたら、またもや逃げられた。いやしくも朝日の記者ならば、堂々と私たちの取材に応じよ!

メディアで言えば、これに出入りする「ジャーナリスト」と称される者らも責任を問われるべきだ。特に事件の詳細を知る安田浩一、西岡研介らは逃げないだけましだが、終始加害者側に与した。安田は李信恵と公私ともども深い関係にあるとされるし、西岡は先の『週刊実話』謝罪問題に関わったとの情報がある。

いずれにしろ、メディアが事件隠蔽に手を貸し、いまだに李信恵を持て囃し立てていることは大いに問題だと言わざるをえない。

ジャーナリストで本件事件に関心を寄せ被害者に寄り添ってくれたのは山口正紀(故人)、北村肇(故人)、黒薮哲哉、寺澤有ぐらいである。それも私たちが出版した本を渡したりして説明してからだ(私たちとて事件から1年余り経ってから知ったのだが)。加害者側の隠蔽活動が成功したということだろう。それでも事件を発見し社会に摘示するのがメディアの責任だと思うのだが……。

◆果たして司法(裁判所)は公平・公正なのか?

誰しも司法(裁判所)は「憲法の番人」で公平・公正だという神話を信じている。果たしてそうか?

本件一連の裁判闘争に関わるまでは、私もまだその神話をわずかながらも信じていた。だが、一連のリンチ事件関連訴訟を体験する中で、その神話が完全に崩れた。

おそらくリンチ被害者М君も、ようやくしっかりした代理人が就き司法(裁判所)への期待が大きかったようだし、完全勝訴を信じてやまなかった。

ところが、その期待はあえなく裏切られる。

M君が加害者五人組を提訴した民事訴訟、一審大阪地裁は、李信恵がМ君の胸倉を掴み一発殴り(ここのところが、グーなのかパーなのか激しいリンチで記憶が定かでないことを衝き、これは認められなかった)集団リンチへの口火を切ったにもかかわらず免責された。

刑事でも同様だ。なにか在日の李信恵に対して躊躇や遠慮が感じられた。李信恵のみならず、伊藤大介、松本英一らについても同様だ。伊藤は一審では賠償が認められたが控訴審では一転免責された。この訴訟の経過については、山口正紀(故人。元読売新聞記者)の長大なレポート「〈М君の顔〉から目を逸らした裁判官たち──リンチ事件・対5人訴訟“免罪判決”の構造」(『暴力・暴言型社会運動の終焉』掲載)をぜひご一読いただきたい。

結局、高裁で賠償が認められたのは金良平に113万円余プラス金利、一発だけ殴った凡に1万円だけで、あとの3人は免責されるという非常識極まりない判決だった。軽微な判決と断ぜざるを得ない。さすがに裁判所も全面免責というわけにはいかなかったのか、李信恵ら3人だけを免責し、金良平と凡にのみ賠償を課しお茶を濁したということだろうと思う。

また、М君の裁判闘争への応援の意味もあって、鹿砦社は李信恵を訴え、さらに3年間鹿砦社に入り込みほとんどの就業時間に本来の業務を怠りネットで活動を続けたカウンター活動家・藤井正美も訴えた。これらについて李信恵、藤井正美ともに反訴し(李、藤井両人の代理人は神原元弁護士)、鹿砦社の請求は一部は認められたがほぼ棄却され、一方鹿砦社は李信恵に110万円(一審は165万円。控訴審で減額)、同藤井に11万円の支払いが命じられた。

各々の訴訟の詳細は省くが、不公平・不公正感は否めない。特に対藤井訴訟では、あれだけの職務怠慢を平気な顔をして続けながら免責、逆に多大な被害を被った鹿砦社に賠償を課すという非常識な判決だった。この訴訟、鹿砦社の代理人は森野俊彦弁護士、司法を裁判所の中から変えようと「日本裁判官ネットワーク」で現役の裁判官時代から活動され顔を出して会見をされたりしていた。裁判所としては愉快ではない存在だったのだろう、当初からとっちめてやろうという敵意さえ感じられた。

ともあれ、私たちが「カウンター大学院生リンチ事件」と呼び、俗に「しばき隊リンチ事件」といわれる本件から10年が経過した──。

人生を狂わされたМ君にはМ君なりの想いがあろう。事件が隠蔽され1年余り経ってから関わった私にも私なりの想いがあり、その一部を申し述べさせていただいた。
それにしても、なぜ「知識人」は逃げたりメディアは報じなかったり裁判所は真正面から傷ついたМ君に向き合わなかったのか ── なんらかの〈意志〉が働いているとしか思えない。私たちの後から関わってくれた黒薮哲哉が指摘するように一連の訴訟は、司法当局が管理する「報告事件」かもしれない。闇は深い。(本文中敬称略)

《関連過去記事カテゴリー》  M君リンチ事件 http://www.rokusaisha.com/wp/?cat=62

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