堀田春樹
メインイベンターはネクストレベル渋谷から角谷祐介が担い、宋俊奕のアグレッシブな攻めに好戦的に盛り上げたが劣勢を巻き返せず完敗。
山田旬もプロデビュー戦を韓国の迎えた孫旼燦にKO負け。
KAI・AKGは唯一韓国勢から勝利を捥ぎ取るTKO勝利。
期待の横尾空が復活。HIROKIを返り討ち。
◎SAMURAI WARRIORS vol.5 / 3月21日(土)後楽園ホール17:30~20:18
主催:全日本キックボクシング協会 / 協力:WPMTA、韓国HERO
前日計量は20日14時より稲城ジムに於いて行われ、2名を除いて一回でパス。飛行機遅延で遅れた宋俊奕(ソン・ジュンヒョク)は定刻から7時間ほど遅れた特例計量はリミット内でクリアー。HIROKIは2回目計量となった15時30分にパス。
戦績はプログラムを参照にこの日の結果を加えています。
◆第12試合 63.0kg契3回戦
角谷祐介(ネクストレベル渋谷/1989.8.14富山県出身/ 62.95kg)25戦16勝(4KO)8敗1分
VS
宋俊奕(ソン・ジュンヒョク/韓国/ 62.35kg)1戦1勝/セミプロ13戦12勝1敗
勝者:宋俊奕 / 判定0-3
主審:和田良覚
副審:椎名24-29. 竜矢26-29. 勝本25-30
入場からメインイベンターの風格あった角谷祐介。スックワンキントーン・スーパーフェザー級初代チャンピオンとしての存在感は大きい(現・ライト級4位)。
宋俊奕は韓国TAS(Top Attack Series)セミプロで実力を付けてのプロデビュー戦。
初回、蹴りの距離で探り合い。接近戦に移ると宋俊奕のヒザ蹴りやヒジ打ちが圧力掛けて角谷祐介を追い詰めた。更に左ストレートでノックダウンを奪う。

第2ラウンド以降も宋俊奕が主導権支配。後ろ蹴りも見せ、距離感有っても接近しても打ち勝つ流れ。このラウンドもいきなりの左ストレートでノックダウンを奪いラウンド終盤には角谷祐介は鼻血を流した。

第3ラウンド、角谷祐介も負けられない立場で捨て身の前進。コーナーに追い詰められながら右ストレートで前進し、組み付いても盛り返す攻防を続けたが、ヒジ打ちを貰って左眉上をカット。一進一退の打ち合いや組み付き攻防を懸命に攻めたが宋俊奕がプロ初戦を大差の判定勝利した。
角谷祐介は試合後、「相手はデカくて上手かったです。要所要所ちゃんと見てるし、思うようにいかなかったです。」
試合展開については「あの戦い方は自分の戦い方じゃないんで、あの展開になったからやらざるを得なかっただけで、こんな結果で自分の能力不足なので難しいですね。」と反省点を語った。
宋俊奕は「角谷選手はファイティングスピリットめっちゃ強く、スタミナも充分で最後まで凄く強かったです。」と角谷を評価。韓国勢が集まっていた試合後の控室は皆明るい会話が弾んでいた様子だった。
◆第11試合 ライト級3回戦
山田旬(アウルスポーツ/ 61.15kg)7戦4勝2敗1分
VS
孫旼燦(ソン・ミンチャン/韓国/ 60.8kg)1戦1勝(1KO)
勝者:孫旼燦 / KO 1ラウンド 1分58秒
主審:少白竜
開始早々は蹴りとパンチの探り合いから山田旬は左ストレートヒットさせたが、見せ場はこの一発だけだった。孫旼燦の前進に圧され、右ストレートでノックダウンを奪われた。更に打ち合いから続けて孫旼燦の右ストレートでノックダウンを喫し、最後も右ストレートで倒された山田旬。3ノックダウンで孫旼燦が圧倒のノックアウト勝利。


◆第10試合 75.0kg契約3回戦
星のケイスケ(百足道場/ 74.7kg)3戦2勝1敗
VS
李炅翰(イ・ギョンハン/韓国/ 74.9kg)7戦6勝(3KO)1敗
勝者:李炅翰/ KO 1ラウンド 1分51秒
主審:竜矢
開始から距離を取った蹴りの攻防の中、李炅翰の右カーフキックを受けてしまった星のケイスケ。すぐにフットワークにおかしい様子が窺えた。再び同じ箇所にカーフキックを貰うとノックダウン。押されただけで足下おぼつかない星のケイスケ。更にカーフキックを受けてノックダウン後もカーフキックを受けて立っていられない状態となって3ノックダウン目を喫し、李炅翰のノックアウト勝利。すでに脚が言うこと聞かない状態では為す術が無かった星のケイスケだった。


◆第9試合 70.0kg契約3回戦
義斗(FPLUS TEAM QUEST/ 69.35kg)7戦3勝3敗1分
VS
柳将元(リュウ・ジャンオン/韓国/ 69.0kg)7戦7勝(1KO)
勝者:柳将元 / TKO 1ラウンド 2分22秒
主審:椎名利一
開始から蹴りからパンチの激しい攻防は、柳将元がパンチで追う勢いが増し、義斗はロープ際に追い詰められる流れが多い中での打ち合いで柳将元のヒジ打ちで義斗は額に貰ってカットされ、ドクターの勧告を受入れレフェリーストップ。


◆第8試合 58.5kg契約3回戦
KAI・AKG(A-BLAZE KICK/ 58.45kg)6戦5勝(1KO)1敗
VS
金兑耿(キム・テギョン/韓国/ 57.5kg)5戦1勝4敗
勝者:KAI・AKG / TKO 2ラウンド 42秒 / タオル投入による棄権
主審:勝本剛司
開始からKAI・AKGはパンチやヒザ蹴りで徐々に金兑耿を追い詰めていく展開。金兑耿も応戦するがKAIの勢いに圧されて行く。金兑耿はカツラボクサーかと疑われる頭髪の捲り上がりも地毛である様子。
第2ラウンドにはKAIの攻勢からコーナーに詰めて連打したところで金兑耿陣営からタオルによる棄権表示され、レフェリーが受け入れ試合ストップ。KAIのTKO勝利。

◆第7試合 65.0kg契約3回戦
KATSUYA NORASING FAMILY(Norasing Family/ 64.9kg)7戦5勝(1KO)2敗
VS
浅井和也(KRONOS/ 64.4kg)5戦2勝(2KO)3敗
勝者:KATSUYA NORASING FAMILY / TKO 2ラウンド 1分12秒
主審:和田良覚
初回は蹴りの攻防から接近戦で縺れ合う中、浅井和也のパンチがヒットしたかヒジ打ちか、カツヤがノックダウン。しかしカツヤが徐々にパンチで攻勢を掛け、逆転のノックダウンを奪い返した。
第2ラウンドも打ち合いの中、カツヤが優勢を維持したまま右ストレートで浅井を倒すと、レフェリーはカウント8で続行は危険と見てレフェリーストップ。カツヤのTKO勝利。
◆第6試合 女子55.0kg契約3回戦
山本ほのか(チーム彩/ 54.75kg)1戦1勝(1KO)
VS
和智美音(リバーサルジム立川ALPHA/ 54.95kg)2戦1勝1敗
勝者:山本ほのか / TKO 2ラウンド 41秒
主審:少白竜
初回、攻めの勢い有った和智美音が右ストレートで山本ほのかを後退させるが、すぐ形勢は逆転。山本ほのかが右ストレートヒットで攻勢を掛け、打ち合いで和智美音を追い詰めた。
第2ラウンドも山本ほのかが和智をパンチ連打でコーナーに追い詰め、ヒザ蹴り連打しスタンディングダウンを奪った。更に打ち合いに行ったところですぐのレフェリーストップ。山本ほのかのTKO勝利。
◆第5試合 62.0kg契約3回戦
清宮拓(GOD SIDE/ 61.8kg)11戦3勝7敗1分
VS
まさひろ弥勒(中島道場/ 61.6kg)1戦1敗
勝者:清宮拓 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:和田30-29. 少白竜30-27. 竜矢30-28
初回から首相撲からのヒザ蹴り多い展開は清宮拓が優り、パンチの距離ではまさひろ弥勒がやや攻勢の展開もあったが、清宮拓が蹴りと組み技から攻勢続けた中、終盤はパンチでも圧し判定勝利。
◆第4試合 フライ級3回戦
横尾空(稲城/ 50.8kg)4戦3勝1敗
VS
HIROKI(Ts AKIRA COMBAT TEAM/ 50.95→50.8kg)11戦6勝(1KO)5敗
勝者:横尾空 / 判定3-0
主審:勝本剛司
副審:和田30-28. 少白竜30-28. 椎名30-29
2024年6月13日に横尾空がデビュー戦で勝利した時の相手HIROKIとの再戦。 HIROKIの先手打つ攻めに対し横尾もパンチでリズム掴んでラストラウンドには飛びヒザ蹴りや後ろ蹴り、組み合ってもHIROKIを崩して転ばす優勢を維持し判定勝利しリベンジ許さず。
◆第3試合 80.0kg契約3回戦
オマル・ファーレス(稲城/ 79.1kg)4戦2勝(1KO)2敗
VS
小勝広稀(無所属/ 79.2kg)1戦1敗
勝者:オマル・ファーレス / KO 1ラウンド 1分41秒
主審:竜矢
開始早々から打ち合いにオマル・ファーレスがパンチでノックダウンを奪った後、右ミドルキックヒットでノックダウン奪い、小勝広稀はパンチも効いていたか、苦しそうにロープを掴んだままテンカウントのノックアウト勝利。
◆第2試合 57.0kg契約3回戦
渡邉獅生(JTクラブ/ 56.9kg)4戦2勝2敗
VS
南暻旻(ナム・ギョンミン/韓国/ 56.45kg)2戦2勝(1KO)
勝者:ナム・ギョンミン / KO 2ラウンド 2分33秒
主審:勝本剛司
スピーディーな蹴りとパンチの展開はやや南暻旻の圧力に渡邉獅生は圧され気味。第2ラウンドに入って南暻旻はパンチからヒザ蹴りで渡邉からノックダウンを奪った。それでも互角に蹴り合った渡邉だったが、更に右ローキックでノックダウン。最後も右ローキックで倒され3ノックダウンによる南暻旻のノックアウト勝利。
◆第1試合 56.5kg契約3回戦
山崎準平(FIELD RING/ 56.3kg)1戦1敗
VS
齋藤真(KickBoxing SQUARE/ 56.45kg)1戦1勝(1KO)
勝者:齋藤真 / TKO 1ラウンド 1分56秒
主審:勝本竜矢
前日計量から余裕の笑顔か、明るい振舞いを見せていた齋藤真がアグレッシブな展開で首相撲から顔面ヒザ蹴りでノックダウン奪った後、カウント中のレフェリーストップによりTKO勝利。
《取材戦記》
3月7日(土)韓国の釜山で開催されたイベント「HERO」に広翔(稲城)と中村健甚(稲城)が出場も、広翔はジョン・ヒョヌに4ラウンドTKO負け。中村健甚は金炳秀(キム・ビョンス)に5回戦判定負けとなった模様です。
20日は稲城ジムでの前日計量後、栗芝貴代表は出場選手に、「“もう一度キックボクシングをプロスポーツとして世の中に広めて行こう。選手をプロスポーツとして輝くステージに上げよう”その想いだけで2023年8月にスタートしました。」と語り掛けました。
その趣旨には昭和40年代のキックボクシングブーム、テレビ3局が長期に渡って、主にゴールデンタイム放送された時代があったことを指しています。それが今の選手らはその時代をDVDやインターネット配信で観る機会はあっても古い映像でしかなく、あの情報網の少ない時代の背景と感動までは伝わり難い。そんな当時の全国ネットの勢いは計り知れないものでした。
栗芝氏は今後について、「昨年末に韓国HEROイベントとパートナーシップ契約締結。6月7日興行から概ね2試合ずつ、HEROの日本国内チャンピオン決定して、韓国HEROと統一チャンピオン決めるイベントを開いていく計画と、中国の団体(世雄格斗)とも契約締結し、40年前の現役時代に試合した香港と日本をもう一度、架け橋作り直そうという交流で香港ムエタイ協会とも提携締結しました。」と昨年から語っていた計画をより一層の進行。
更に来年(2027年)には「アジアトーナメントに於いて、全日本の代表選手がアジアの強豪選手と渡り合う。その先に世界タイトルを決めていくという構造を作り込んでいく。その為には1試合でも多くタイでも他団体でもいいから試合やってください。」と語り掛けました。
更にWPMTA傘下のM-1グランドムエタイの日本での開催認可を得ており、時期未定ながら開催計画があります。但し現在の全日本キックボクシング協会には世界に対等に渡り合える選手の実力はまだ難しいというレベルも、設立当時の記者会見で、「3年でスター選手作ります。」と宣言してから丸2年経過で今年が勝負の年となります。
選手をデビュー戦から育て上げ、日本とアジア周辺の基盤固めという組織も底辺から育て上げる時間の掛かる継続の力には今後一層注目が集まるところでしょう。
その参加国、韓国が強い現在です。韓国はアマチュアやセミプロ試合が充実しており、プロでいきなり通用する選手が出来上がっている現状で、宋俊奕(ソン・ジュンヒョク)や孫旼燦(ソン・ミンチャン)が実例でしょう。
全日本キックボクシング協会SAMURAI WARRIORS vol.6は6月7日に、後楽園ホールに於いては初めての日曜日開催となります。先週のジャパンキックボクシング協会に加盟ジムがありましたが、全日本キックボクシング協会も加盟ジムが当初の19ジムから31に増えている現状です。設立当時の計画が具体化して来た現在、その勢いを感じます。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」






































