KICK Insist.26は瀧澤博人と睦雅の揃い踏み 細田昇吾も追走!

堀田春樹

瀧澤博人、世界王座戴冠後初戦は技量不足と戦略足りなかった敗戦。
睦雅はパワー勝ちで連敗から脱出。更なる上位へ意欲を見せた。
馬渡亮太は見事なボディブロー一発ノックアウト勝利。
細田昇吾も圧力掛けたアグレッシブな展開で大差判定勝利。

◎KICK Insist.26 / 3月15日(日)後楽園ホール17:15~21:02
主催:VICTORY SPIRITS / 認定:ジャパンキックボクシング協会(JKA) 

前日計量は14日水道橋内海ビルにて14時より行われ、一人を除いて一回でパス。
戦績はプログラムを参照にこの日の結果を加えています。

◆第13試合 57.2㎏契約3回戦   

WMO世界フェザー級チャンピオン.瀧澤博人(ビクトリー/ 57.2kg)
46戦29勝(16KO)13敗4分
        VS
タイ国R・W・Sフェザー級7位.モンコンレック・プンナコーン(タイ/ 57.0kg)
76戦58勝15敗3分
勝者:モンコンレック・プンナコーン / 判定0-3
主審:西村洋
副審:椎名28-30. 中山27-30. 勝本27-30

モンコンレックはラジャダムナンスタジアム・ワールドシリーズのランカー。瀧澤博人は2025年11月23日、王座決定戦となる世界再挑戦でチャイトーン ウォー・ウラチャー(タイ)をヒジ打ちで倒すTKO勝利でWMO世界フェザー級王座戴冠してからの初戦。

初回の距離を保っての牽制は瀧澤博人のいつもの突き刺す左ジャブが少ない。モンコンレックも長身で時折伸び有るハイキックを繰り出して来る。序盤の攻防には大差無い中でもモンコンレックの上手さが光る。

モンコンレックのハイキックを辛うじて躱した瀧澤博人

第2ラウンドには首相撲に移るとモンコンレックがウェイトを掛け、振り回すように瀧澤のバランスを崩し、ヒザ蹴りも難なく加える一層の実力発揮。モンコンレックは距離を上手く使いヒジ打ちも見せ、試合運びで優る展開。ラストまで瀧澤は巻き返すに至らず、大差判定負けとなった。長身同士では瀧澤もやり難さがあったかもしれない。

ヒジ打ちの相打ちも互いにクリーンヒットはせず

◆第12試合 62.5㎏契約3回戦

ジャパンキック協会ライト級チャンピオン.睦雅(=瀬戸睦雅/ビクトリー/ 62.5kg)
33戦24勝(14KO)7敗2分
        VS
タイMuaysiam東部ライト級チャンピオン.センタウィー・JF・プンパンムアン(タイ/ 62.2kg)76戦51勝23敗2分
勝者:睦雅 / 判定3-0
主審:少白竜
副審:椎名30-28. 中山30-27. 西村30-27

睦雅はWMOインターナショナル・スーパーライト級チャンピオンでもあり、昨年11月23日、WMO世界スーパーライト級王座決定戦はペッダム・ペッティンディーアカデミーに判定負けで王座獲得成らず。今年1月、ルンピニースタジアムでのONE FridayFightでチョー・スワー・ウィン(ミャンマー)にTKO負けで2連敗中。

初回、アグレッシブな両者だが、睦雅が右ストレート、ボディブローを重ねて主導権支配していく。センタウィーのパンチを躱し、終盤はラッシュ掛けた睦雅。

勢いに乗れば飛びこと多い睦雅は今回も飛びヒザ蹴りを見せた

第2ラウンドはセンタウィーが前進も睦雅は冷静に対抗。多少被弾してもそれ以上に睦雅がセンタウィーの顔を歪ませるようなクリーンヒットを続け、打っても蹴っても睦雅が優っていく。ラストラウンドも一層睦雅がアグレッシブに攻める中、終盤はセンタウィーをコーナーに追い込んで圧倒。ほぼフルマークの判定勝利。連敗を脱出した。センタウィーはしぶとく打たれ強かったが、睦雅がセンタウィーに優るパンチをヒットさせた。

打ち合いでは睦雅のヒットが目立ったがセンタウィーもタフだった

◆第11試合 スーパーフェザー級3回戦

WMOインターナショナル・スーパーバンタム級チャンピオン.馬渡亮太(治政館/ 58.9kg)
46戦33勝(17KO)11敗2分
        VS
タイ国Muaysiam中部フェザー級チャンピオン
ジョーンビックペット・ギャットペット(タイ/ 57.5kg)76戦50勝23敗3分
勝者:馬渡亮太 / KO 1ラウンド 2分18秒
主審:勝本剛司

馬渡亮太は上下の蹴りで牽制。ジョーンビックペットも前進し上下の蹴りで馬渡以上に圧力を掛けて来る。ジョーンビックペットの接近した際のヒジ打ちは危なかったが、馬渡が左ボディーブロー一発でジョーンビックペットは悶絶のノックダウン。レフェリーがテンカウントを数えるノックアウト勝利。圧され気味の展開に反省の言葉を残した馬渡だった。

馬渡亮太のハイキックをブロックするジョーンビックペット
馬渡亮太の一発で仕留めたボディブロー。経験値の技である

◆54.0㎏契約3回戦

JKAフライ級チャンピオン.西原茉生(治政館/ 53.9kg)と対戦予定だった乙津陸(クロスポイント大泉/ 55.35→55.2→55.15kg)は1.15kgオーバーで計量失格により試合中止。西原茉央は計量パスしており勝者扱い。

◆第10試合 52.7㎏契約3回戦 

タイ国ジットムアンノンスタジアム・スーパーフライ級チャンピオン.
細田昇吾(ビクトリー/ 52.5kg)27戦18勝(6KO)7敗2分
        VS
ペットセリタイ・ルーククロンタン(タイ/ 52.3kg)84戦61勝21敗2分
勝者:細田昇吾 / 判定3-0
主審:椎名利一
副審:中山30-28. 少白竜30-28. 勝本30-28

初回、ペットセリタイの延びる蹴りが細田昇吾の前進を阻むも、徐々に細田がローキック中心にリズムを作り出して行った。

第2ラウンドには細田がローキックで攻め、ペットセリタイの動きを読み、スピーディーに先手を打つ攻勢を保った。

ラストラウンドも細田が勢いを増して出る。ペットセリタイのスピードは落ち、蹴って出ても細田は怯むことなく攻めて出た。後は倒せるかの勝負も、ペットセリタイの逃げの体勢に阻まれたが、細田が大差判定勝利。

細田昇吾の右ストレートで顔が歪むペットセリタイ

◆第9試合 65.5㎏契約3回戦

ペップンミー・ビクトリージム(タイ/ 65.1kg)
69戦53勝(16KO)16敗
        VS
ピラポン・Re generation(タイ/ 65.4kg)80戦59勝18敗3分
勝者:ピラポン・Re generation / 判定0-3
主審:西村洋
副審:椎名28-29. 中山28-29. 勝本28-29

ピラポンが第2ラウンドに接近戦での左ヒジ打ちでノックダウン奪って攻勢を維持して判定勝利。

◆第8試合 63.5㎏契約3回戦

ジャパンキック協会ライト級2位.菊地拓人(市原/ 63.2kg)10戦6勝(3KO)3敗1分
        VS
折戸アトム(PHOENIX/ 63.5kg)9戦6勝(1KO)2敗1分
引分け 0-0
主審:少白竜
副審:椎名29-29. 中山29-29. 西村29-29

折戸アトムの蹴りとパンチで上下の攻めの勢いがあったが、菊地拓人も前進し要所要所で打ち返した。一進一退の攻防は第2ラウンドがやや折戸が優勢。ラストラウンドは菊地がやや優勢も大差は無い展開となって引分け。

◆第7試合 ウェルター級3回戦

ジャパンキック協会ウェルター級2位.我謝真人(E.D.O/ 66.6kg)18戦6勝(3KO)10敗2分
        VS
ソムプラユン・ヒロキ(DANGER/ 66.3kg)11戦3勝(2KO)8敗
勝者:我謝真人 / KO 2ラウンド 1分50秒
主審:勝本剛司

初回に我謝真人の右ストレートで2度ノックダウン喫したソムブラユン・ヒロキ。第2ラウンドも我謝は連打と右ストレートで3ノックダウン奪ってノックアウト勝利。何度か倒れても立ち上がり頑張ったソムブラユン・ヒロキだった。

KO勝利のひとり、我謝真人は右ストレートでソムブラユン・ヒロキを倒した

◆第6試合 フェザー級3回戦

ジャパンキック協会フェザー級3位.海士(ビクトリー/ 57.0kg)8戦6勝2敗
        VS
同級7位.BANKI(=竹森万輝/治政館/ 56.8kg)4戦3勝(1KO)1敗
勝者:海士 / 判定2-0
主審:中山宏美
副審:少白竜30-29. 勝本29-29. 西村30-29

BANKIは得意の右ハイキックが繰り出されるも、海士の小刻みに動いての蹴りの勢いに圧されてしまった。両者好戦的に鬩ぎ合うも、海士がBANKIのリズム狂わす試合運びで際どいながら判定勝利。

◆第5試合 バンタム級3回戦

ジャパンキック協会バンタム級3位.花澤一成(市原/ 53.4kg)13戦3勝(3KO)7敗3分
        VS
斉藤力毅(武心豪術会/ 52.9kg)4戦3勝(1KO)1敗
勝者:斉藤力毅 / TKO 1ラウンド 2分23秒
主審:椎名利一

開始早々は花澤一成のキレある蹴りがリズム掴みかけたが、接近した際の偶然のバッティングで花澤の左側頭部に当たったダメージが残ってその後、斎藤力毅のパンチ連打にノックダウンし、再開後更に左アッパーから右ストレートフォローで花澤はカウント中にレフェリーストップ。斎藤力毅のノックアウト勝利。

斉藤力毅はバッティングが運命を変えたが、花澤一成をパンチでKO

◆第4試合 ウェルター級3回戦

梅沢遼太郎(白山道場/ 66.1kg)11戦4勝(3KO)3敗4分
        VS
佐藤大稀(湘南格闘倶楽部/ 66.3kg)8戦7勝(3KO)1敗
勝者:佐藤大稀 / KO 2ラウンド 2分2秒
主審:西村洋    

初回、パンチとローキックのアグレッシブな交錯から佐藤大稀のパンチ連打で梅沢遼太郎がノックダウン。第2ラウンドもアグレッシブに攻めた両者だったが、佐藤大稀が連打で3ノックダウン奪ってノックアウト勝利。   

佐藤大稀は連打でノックダウン奪って梅沢遼太郎をKO

◆第3試合 バンタム級3回戦

西澤将太(ラジャサクレックムエタイ/ 53.52kg)3戦3勝(1KO)
          VS
早川曜平(ケーアクティブ/ 53.15kg)5戦2勝2敗1分
勝者:西澤将太 / 判定3-0 (29-28. 30-28. 30-28)

◆第2試合 61.0㎏契約3回戦

日本猿サトルJSK(治政館/ 61.0kg)4戦3勝1敗
        VS
浪岡浩之(ヒロ/ 59.8kg)4戦2勝(1KO)2敗
勝者:日本猿サトルJSK / 判定3-0 (30-26. 30-26. 30-26)

◆第1試合 フェザー級3回戦

西山天晴(治政館/ 57.15kg)3戦1勝(1KO)2敗
        VS
尾島将悟(モリタキックボクシング/ 57.0kg)3戦3勝(1KO)
勝者:尾島将悟 / 判定0-3 (27-29. 27-29. 27-30)

◆オープニングファイト JKAアマチュア・フライ級タイトルマッチ2回戦(2分制)

佐藤紫虎(湘南格闘倶楽部/-50.8kg)vs桜臥(MIYABI/-50.8kg)
勝者:佐藤紫虎 / 旗判定3-0

《取材戦記》

馬渡亮太はプログラム上もリングアナウンスでも“WMOインターナショナル・スーパーバンタム級チャンピオン”という肩書きだった。つまりは昨年7月のWMO世界スーパーフェザー級王座決定戦では、世界王座は奪取していないことになります。WMOが明確な声明を出していないことも不可解な事態です。

西原茉央は乙津陸のウェイトオーバー1.15kgによって協議の結果、試合は中止されましたが、「生前の長江国政会長だったら試合やらせていただろうな!」という業界関係者の声もありました。昭和50年代までなら一階級差(スーパークラスの無い正規階級)があっても試合が組まれた時代でした。

今月よりジャパンキックボクシング協会に二つのジムの加盟が発表されました。
ラジャサクレックムエタイジムは23年前、ラジャサクレック氏が日本に来てから、長江国政会長により沢山の試合出場させて頂いたという縁で加盟に繋がったという発言がありました。

白山道場・萱原秀哉会長は、「これまで20年に渡りフリーの立場で試合参戦して参りましたが、この度この協会に加盟させて頂く理由は只一つであります。“本物のキックボクシング”が存在するからであります。本物のキックボクシングを見せる、ジャパンキックボクシング協会の升席に置いて頂き、これからも貢献して参りますので、白山道場並びに今日敗れましたが、梅沢遼太郎をお見知り置き頂き、宜しくお願い致します。」という力強い御挨拶。

“キックボクシング”と言い切る部分に深い意味がありそうな御挨拶でした。フリーが良いか、団体加盟が良いかの決断もあったでしょう。

ジャパンキックボクシング協会次回興行は5月24日(日)に恒例の市原ジム興行が市原臨海体育館に於いて行われます。3月20日時点でカードは未定。チャンピオンクラスがメインイベントとなるのが恒例の市原興行。昨年はJKAフェザー級チャンピオン勇成(Formed)が務め、一昨年は当時のチャンピオン、皆川裕哉(KickBox)が務めました。市原ジムのエース格、菊地拓人はまだ王座に届かずだが、陣営は来年までに戴冠させたいだろう。

堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
昭和のキックボクシングから業界に潜入。フリーランス・カメラマンとして『スポーツライフ』、『ナイタイ』、『実話ナックルズ』などにキックレポートを寄稿展開。タイではムエタイジム生活も経験し、その縁からタイ仏門にも一時出家。最近のモットーは「悔いの無い完全燃焼の終活」