《鹿砦社特別取材班座談会》M君裁判控訴審判決を経て、舞台は2つの鹿砦社対李信恵訴訟へ さらなる爆弾も!

松岡 お疲れ様です。M君裁判の高裁判決からまだ日も浅いですが、本日はこのかんの動きについて話し合ってみましょうか。

◆M君リンチ事件控訴審判決以後の動き

A  M君控訴審判決は複雑ですね。でも、はっきりしておかなきゃいけないのは、M君が勝訴したという事実ですね。もちろん、判決内容に不満はあるにせよ、賠償金額が113万円超に増額されました。このことはキッチリしておくべきでしょう。

B  しかし判決直後から、判決文にも目を通さないで、東京新聞の佐藤圭記者や、中沢けい、例によって香山リカなどが素っ頓狂な発信をしてましたね。

C  あれは非常に無責任で、知識人(仮にあの人たちがそうだとすれば)には、考えられない行為ですね。

D  彼ら得意の「印象操作」だね。ここ数年もう嫌というほど見せられてきた。嘘を平気で発信する。中学生や子供じゃないんだから、最低限言論のルールは守るべきなんだけど、そのあたりの常識がもはや通用しないのが、彼ら・彼女らだと見ています。

A  判決の日にM君は上告を決めましたね。あの判断は早かったですね。弁護団や支援会の中で議論はなかったんですか?

松岡 それは明かせません。けれど「1%でも可能性があるのであれば最後まで闘おう」と最後は全員一致で決まりました。もちろんM君の意思が最優先されたことは、言うまでもありません。

D  一つ紹介しておきたいんだけど、判決後の報告集会に、凛七星さんが来て発言されたんだ。泣いてたよ。「デジタル鹿砦社通信」でも紹介したけど、そのときに「凜さん、今の心境を短歌に詠んでくれませんか」とお願いしたんだ。凜さんから3首頂いたから紹介します。

過ちも 愚かさもなお 繰り返す 世と縁切れず 酒酌むわれは

情熱と 幻滅の間で 灰色の 街に正義は きょうも闊歩す

十三夜 おもいもよらぬ 声を聴き 月の曇れる 空を眺めり

A  奥深いですね。

B  凜さんには感謝ですね。

◆鹿砦社元社員・藤井正美に「通告書」送付、神原弁護士を代理人として無味乾燥な回答

D  ところで社長、もうあの件は公表してもいいんじゃないですか?

松岡 そうですね。『カウンターと暴力の病理』は事件音声のCD付きで販売して、それが注目を集めましたが、鹿砦社にとっては重大な“事件”についても詳細なレポートを掲載していました。

A  あ、鹿砦社元社員の藤井正美ですね! 業務中にツイッターや私的メールに励み、企業・団体恫喝もしていた…。

松岡 藤井正美さんは、仕事をさぼって膨大な時間、ツイッターをやっていたり、企業・団体恫喝をしていたことは証拠があります。ツイッターに膨大な時間を費やしていたことはわかっていましたが、企業・団体恫喝や、「M君リンチ事件」隠蔽の中心的役割を業務時間中にやっていたことなどは、わからなかったんです。ですから、退職金やボーナスまで支給して会社を辞めてもらいましたが、会社が被った損害が並大抵ではないことがわかりましたので、損害賠償として3千万円支払うように、弁護士を通じて「通告書」を出しました。

B  藤井は誠意ある回答をしてきたんですか? あそこまで証拠が挙げられていたんじゃ、なんの抗弁もできないでしょ?

松岡 ところが、返答の締め切り期間近くになって、ある弁護士から連絡がありました。

A  ある弁護士って、まさか神原弁護士じゃないですよね?

松岡 その通りです。

A、B、C  えっ!!

松岡 神原弁護士から、喧嘩を売るような誠意のない回答が鹿砦社の弁護士に届きました。

A  もし、ですよ。もし俺が藤井の立場なら、絶対に神原弁護士にだけは依頼しませんよ。だって「いまだにしばき隊です!」って再宣言しているようなもんじゃないですか。

松岡 私もびっくりしました。こちらとしては、企業恐喝もどきのことが明らかになった以上黙っているわけにはいきませんよね。でも、血の通った人間らしく、ちゃんとした対応をしてくれれば、穏便に済まそうと思っていましたが、神原弁護士が送ってきた文面には、奇妙な決めつけもあり(弁護士法に抵触する可能性あり)、再度弁護士を通じて藤井さんには通告書を送り回答を待っているところです。

B  腰抜かしかけたよ。なに考えてるんだろうね。

C  藤井の行状の数々には「証拠」が山ほどあるんだけどなぁ。

D  まあ、様子見ですかね。でも、いつまでも「好々爺」が続くとは思えないんだよね、俺には。社長「棺桶に半分足突っ込んだ」(藤井にそう評された)身としてはどうします?

松岡 さあ、粛々と処理するだけですね。

A  あえて左翼用語を使うか、黙んまりが常の社長が「粛々と処理」って、かえって怖いな…。

B  いやはやまた注目事件が破裂しそうですね。

◆鹿砦社対李信恵訴訟の1つ(大阪地裁第13民事部)に李信恵さんの出廷が決定! しかし逃げを打とうと画策か!?

松岡 藤井さんの件はさておき、鹿砦社が李信恵さんを訴えた裁判、10月31日の弁論で、てっきり結審になると思っていたら12月12日に、私と李信恵さんの証人調べが行われることが決まったのもニュースですね。このことを当日(31日)夕方、早速ツイートしたところ、当日出廷した上瀧浩子弁護士や李信恵さん自身からは何のリアクションもなく、2日夜になって当日出廷しなかった神原元弁護士から「緊急訂正」として「鹿砦社と李信恵さんの訴訟について、12月12日の法廷に李信恵さんが出廷するということはありません」とのツイートがありました。おかしいですね、裁判所も、3人の裁判官がわざわざ退席し法廷外に出て合議、双方の意見を聞いて期日と尋問の時間配分を設定したにも関わらず、今さら出廷しないなどと言うことに驚きます。出廷しないということなら李信恵さんは不利になるだけですし、李信恵さんもここは堂々と法廷で「鹿砦社はクソ」と主張したらいいでしょう。

D  でもね、これに関してはちょっと気になる部分があるんです。こちら側は証人申請していたでしょ。被告側は上瀧浩子弁護士が「原告の尋問が行われるのであれば、こちらも申請します」と、たしか発言してました。当日神原弁護士は来ていなかったからね。あとになって「証人の申請をしない」という手で逃げる可能性はないか、と。

松岡 もしそうであれば、いったんは法廷で申請すると言ったことの撤回ですし、裁判所もわざわざ尋問するということで期日を入れたわけですから、法的にどうのこうのではなく「逃げた」と見なされて仕方ないでしょう。

D  そう。法解釈はともかく、素人には「逃げた」としか見えないね。

B  社長、被告で尋問されることはたくさんあっても、原告の本人尋問って初めてじゃないですか?

松岡 失礼なこと言わないで下さい。私はこれまでも原告で何度も本人尋問の経験があります。銀行を訴えた、ある裁判では、「(郷里の熊本弁で)なんば言いよっとか!?」と資料を放って大声を出したこともありました。

B  そうでしたか、失礼しました。

C  いずれにしても12月12日は注目ですね。

A  李信恵出廷となると、連中はまた全国動員かけてくる可能性ありますね。50代のネット荒らしや、どうかしちゃった会社役員、その筋の人みたいな外見のあの人も来るかもしれない。

松岡 法廷闘争では今年最後の大舞台になりますね。

D  この裁判は12月12日で結審、来年3月までには判決でしょう。

◆もうひとつの対李信恵訴訟(第24民事部)をめぐる奇妙な転回と今後の方向性

A  それから、もう一つの対李信恵訴訟で、こちらが提出しようとしたリンチ本の原本5冊を裁判長が「邪魔」と言って拒絶し持ち帰らされた一件はひどかったですね。

松岡 私はその数日前に急病が発症し、当日は行けなかったのですが、悔しさとともに、「なにか変だな」と思っていたんですね。その裁判長、実は李信恵さんが在特会らを訴えた訴訟で李信恵勝訴の判決を下した人だということが判明して、「ああ、そうだったんだ」と“得心”がいきました。そのままではまた李信恵勝訴の判決を下すことは火を見るよりも明らかですが、幸いと言おうか、その担当裁判官、増森珠美裁判長は、年度末でもなく、また月の途中(10月22日付け)で京都地裁に異動になりました。100人以上もいるとされる大阪地裁の裁判官の中で、なにか"動き”があるのでしょうか。

D  それはそうと、社長、"あの件“はどうされるつもりですか?

松岡 どの件ですか?

D  ほら、例のいったん“沈没”したあの人の…。

松岡 その公表は、まだ先にしましょう。

A  「まだ弾は残ってる」ってこの間社長書いてましたけど、どれだけ残っているんですか? 

D  秘密に決まってるだろ。俺が代わりに答えよう。こっちが弾を撃って弾倉が空になりかけると、どこからともなく次々に新しい弾倉が持ち込まれるんだ。「弾は尽きない」ってことだよ。李信恵さんにしろ野間にしろしばき隊の連中にしろ、社長を見くびっていたかもしれないけど、このところすっかり相手にしないじゃない(笑)。俺は関係してなかったけど、昔の話とはいえ、一時は「暴露本出版社」として世にその名をとどろかせた鹿砦社。やはりここは「暴露本出版社」として昔の勢いを取り戻してほしいところですね(笑)。

松岡 ノーコメントです(苦笑)。「ペンのテロリスト」などと嘯いていた、あの頃の元気はありませんよ。私はあくまでも、この事件がひどすぎて、人間として許せないということでやってきただけです。私は一貫して言っているように、李信恵さんらがM君に公に心から謝罪して、それ相応の金銭的な償いなどをやってくれるのであれば、和解に向け汗を流させてもらいますよ。それどころか、最近エル金などは、左翼体験者は私しかいないのでおそらく私に向けて言っているものと思いますが、「極左ゴロ」などと詰(なじ)って、この期に及んでも喧嘩売っていますよね。若い頃だったら、「誰に向かってもの言うてんねん!」てなもんですが、もう「棺桶に片足突っ込んだ爺さん」ですからね(苦笑)。

ついでなので、最後に一言。M君リンチ事件は、この国の反差別運動にとっても社会運動全体にとっても最大の汚点です。今のまま反省もなく開き直っていれば、将来陰に陽に悪影響を与えます。今はマスコミタブーとして、また李信恵さん周辺の国会議員やジャーナリスト・大学教員・知識人らによって隠蔽されていても、必ず将来的には歪みが出てきます。それでは遅いんです。私たちの力は微力で、私たちの力では、この5冊の本ぐらいしか出せませんでしたが、それでも理解してくださる方はおられました。

比較の対象として適格かどうかはともかく、ゴルバチョフがペレストロイカ(改革)とグラスノスチ(情報公開)を始めた時、その後のソ連崩壊やベルリンの壁崩壊につながるとは誰も想像しませんでした。蟻の一穴からダムが崩壊することもあるんです。昔風に言えば、「小さな火花も荒野を焼き尽くす」と言おうか、私たちは今は「小さな火花」にすぎませんが、やがては「荒野を焼き尽くす」ことができると信じています。ちょっとアジ調になりましたが…。

C  特別取材班のメンバーが数人入れ替わって、前以上に意思統一が簡単になりましたね。

D  「原則的に行く」と。差別問題でも言論戦でも。おっちょこちょいや、付和雷同はそぎ落としたからね。まあ引き続き頑張りましょう。

松岡 皆さんよろしくお願いします。

(鹿砦社特別取材班)

M君リンチ事件の真相究明と被害者救済にご支援を!!

私の内なるタイとムエタイ〈46〉タイで三日坊主!Part38 我が寺と、帰路で起きていたこと

◆夢から覚めていくような帰路

寝台列車は陽が上る頃になるとベッドは折り畳まれ、普通の座席に替わった。到着まで座って風景を眺めよう。もうドンムアン空港を過ぎた辺りまで来ていた。昔、居候していたチャイバダンジムの近くだ。そのジムの近くの駄菓子屋の可愛かった20歳の女の子に会ってみたいと無性に恋しくなる。会おうと思えば歩いて行ける距離に来ているという切ない想い。早く自由の身になりたいと思ってしまう。

帰った寺で外を見れば、以前と違った風景

◆早速出会うタンブンの朝

終点、フアランポーン駅には6時30分に到着。重い荷物を背負って外に出ると藤川さんが「飯食うか?」と言い、もちろん私は頷く。すぐにブッ掛け御飯のある屋台へ向かい、お店の前で惣菜を指差すと、「目玉焼きは?」と聞かれ、それも頷いて2皿注文し席に着く。こんな自ら店に入る姿は俗人の前では見せたくないものだ。だが旅に出ていては仕方無い場合も発生する。注文したブッ掛け御飯を手で受ける儀式を済ませ、格好だけ短い読経をして食べていると、藤川さんにスープが運ばれて来た。一瞬、「いつ注文したんだろう」と錯覚したが、私にも運ばれてくる。更にカオマンカイ(鶏肉御飯)も2皿置かれる。すぐ「ああこれはタンブン(寄進)だ」と察知した。誰が捧げてくれたのか。申し訳ない気持ちになる。

「この恩をどうやって返していけばいいんだろう」と考えながら、ここはキチンと受けて食べ終えるしかない。でもお腹はいっぱいになった。我々が注文したものだけでも、藤川さんが「タウライ(幾ら)?」と言ってお金を払おうとすると、「全部あのオジサンが払ったよ」と別の席にいたオジサンを指差したお店の人。とてもタンブンしそうに無い、厳つい顔のオジサンだったが、御礼を言う訳にいかない比丘の身、藤川さんは軽く頷く程度の目線を送って、私も笑顔でオジサンに視線を送って出て来た。オジサンも笑顔になっていた。徳を積む行為を拒否は出来ない。だが、こんな愚かな比丘に施される行為には何度体験しても慣れないし、何度も申し訳なく思ってしまう。

出家した頃からすいぶん変わった寺の外

更にバス乗り場に向かおうとしたところで、また若い女性から声が掛かる。今度は普通に、朝の托鉢を待つ信者さんの寄進だった。我々はバーツ(お鉢)を頭陀袋の中に仕舞い込んでいるので用意出来ない。托鉢行ではない状況ではあるが、頭陀袋を開けて、寄進用のビニールに入った御飯とオカズを入れて貰う。更にオジサンからもう一件あり、荷物いっぱいでも早朝に歩けば托鉢僧と同じなのだ、その心構えで歩かねばならない。

青いエアコン市内バスに乗ると、いつものタイ南部に向かうサイタイマイバスターミナルへ向かう。バスでは入口付近の比丘用の席が譲られた。今日の朝だけでどれだけ寄進を受けただろうか。

藤川さんが「ああいう人らが、ワシらに飯くれて何とも思わんか?、ワシは申し訳ない気持ちになる、あの人らが徳を積む為に施した相手は、お経もたいして出来ん未熟なワシやのに、飯食わせてくれて、ワシは詐欺みたいなもんやと思う。そやから、あの人らに返していくのはキチンと修行していくしかないと思うで!」と窘められる。

そんなこと言われるまでもなく、すでに「俺だって申し訳ないと思っとるわい!」とは言い返さなかったが、心の中で叫ぶ。しかし、私が何も感じてないとでも思っているのか、この藤川ジジィは!

◆留守の間に起きていたこと!

サイタイマイに着いて長距離エアコンバスチケットを買うと、8時ちょうどの出発。今回がいちばん切ない気持ちで乗っている。前回と同じ、終点間近の交差点で降ろして貰い、歩いてワット・タムケーウに帰る。境内には誰も見当たらず、「着いたら和尚に挨拶だぞ」と藤川さんが言うが、和尚さんも居ない様子で自分の部屋へまっすぐ到着となった。部屋の中は埃だらけ。外は工事が続いているから、窓を閉めていても砂埃が凄い。

それにしても外の砂利道は舗装が進み、草むらだった空地も区画整理が進んでいた。更に低料金(エアコン無し)バスターミナルまで営業開始している。この周辺も旅に出ている間にかなり発展したものだ。

ブリキのおもちゃ風、安い、遅い、暑い、バスターミナルも営業開始されていた

ようやく和尚さんの姿を見つけて小走りで挨拶に向かう。いちばん先に和尚さんに無事帰って来たことを報告しなければならない。アメリカ人に出会って出家に導いたことで滞在を延期したことも話すも、ほとんど関心が無いようで、「ああ分かった、もういいよ!」といった具合だが、一応帰って来た報告が済んで安心感を得る。

朝、フアランポーン駅前で受けた施しの食材を出して昼飯に向かい、やがて仲間らが徐々に用も無いのに普段あまり話さない奴まで寄って来る。

「ラオスはどうだった?」と聞いてくる周囲の奴ら。ビザ取得に行ったこと、お腹壊したこと、どこの寺も品格が良かったこと、ネイトさんが現れたこと、とても興味を持たせるような語り口を作れないが、何が面白いかが日本人とタイ人では捉え方が違うのだ。ネイトさんとの出会いや、タイ領事館の奴らの遅く態度悪い仕事など、ここの比丘には言っても、日本人目線では伝わらない話題だろう。

ただ、「メコン河がキレイだったとか、パトゥーサイ(凱旋門)がカッコ良かった」とか、適当に言っておいた。「ゴメンね、お土産無くて!」こんな言葉も繰り返し、やっぱり何か買っておくべきだったなあ。

昼食後は、デックワットから留守の間に届いていた郵便物を貰う。春原さんからワールドボクシング増刊号が届いていた。表紙は「ジョー、敗れたり!」の見出し。11月下旬に行なわれていた話題の薬師寺保栄vs辰吉丈一郎戦の結果の掲載だ。今までに無いこの試合の重み、辰吉の去就が注目の内容と伺える。

私らが留守の間に、高津くんが私を訪ねにこの寺に来たらしい。コップくんが彼の置き土産を持って来てくれた。しばらく寺の敷地内を歩いて世話好きな比丘らとお話して帰ったようだった。

アナンさんのジム近くにある、以前から親しくしていた商店(コンビニ)のオバちゃんがお菓子をタンブンしてくれたようだ。あくまで寄進だが有難く頂いた。雑誌は格闘技通信があった。立嶋篤史の試合も掲載されていた。7月にKO負けで全日本フェザー級王座を失って以来の復帰戦に判定勝利した内容だった。それぞれの注目度が分かるだけに、皆それぞれの苦悩と戦っているのだなあと察する。肩透かしを食わせてしまった高津くんにはラオスへ行くこと伝えてなかったことを申し訳なく思う。

更に寺の脇の砂利道は舗装が進んでいく

◆今後の旅は?

ウチの和尚さんは藤川さんの外泊には、いつも渋い顔をしていた。私には関心が無いと見えて、ビザ取得の為のラオス行きは比較的簡単に許可されたが、これ以外に藤川さんと一緒に巡礼の旅に出ることは難しいところだった。

当初の藤川さんの計画では、かつて御自身が回ったタイ国内の寺で、貴重な体験が出来ると思う寺へ私を連れて行くつもりだったらしい。また新たに巡礼の旅をするとしたら、今回の旅先ですでにカンボジア行きの話もあったように、私の還俗後しかないのではないか。せっかくラオスまで行って取得したビザだったが、帰って来たこの時点で、私の仏門生活もやがて終わりに近づくことは間違い無さそうだった。

かつて藤川さんが托鉢で歩いた寺の路地が広くなった

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

格闘道イベント「敬天愛人」11月11日(日)鹿児島アリーナにて開催!鹿砦社取締役・松岡朋彦も出場します! 九州、鹿児島近郊の方のご観戦をお願いいたします!

格闘道イベント「敬天愛人」HP https://ktaj.jp/

入管法改定と移民不認定 〈錯誤の確信犯〉が進める国家破綻前の大バーゲン

政府は11月2日、入管法(「出入国管理及び難民認定法」)を改正し、新たな在留資格を作り出し、単純労働も含めた幅広い分野での、外国人労働者受け入れに本腰を入れ始めることを閣議決定した。その一方で安倍晋三は「これは移民ではない」と本音を述べている。

日本の人口は着実に減っている。ここ数年、政府発表では毎年40万人余りの減少とされているが、民間の調査では「死者数が意図的に低く算定されていて、実際の人口減は100万人に迫るのではないか」との報告もある。どちらにせよ、日本は急激な人口減、そして経済第一主義者たちにいわせれば「労働人口の不足」に直面している。


◎[参考動画]入管法改正案を閣議決定 2種類の新たな在留資格(ANNnewsCH 18/11/02)

◆有効求人倍率が史上最高に近い値を記録した理由

他方で有効求人倍率が史上最高に近い値を記録している。有効求人倍率は「有効求職者数に対する有効求人数の比率」をあらわすが、その数値はあくまでも職業安定所(ハローワーク)で算定された数字である。

お時間がある方は一度最寄りの職業安定所に出向いて、求人にはどのような条件の職業が並んでいるかをご覧になると、「有効求人倍率」がどうしてこのように高いのかがお分かりいただけるであろう。

職業安定所で閲覧できる求人情報のなかに、月収20万円以上の手取りを保証するものは決して多くない。公的機関である職業安定所が紹介する求人情報であるから、最低賃金などはクリアしたものばかりだ。

だが、その中で将来にわたり、家庭を持ち2人の子供(「標準家庭」と政府は定義していた)を育てられる給与を保証する求人は、多数ではない。簡単に言えば「これだけ働いてこれだけの給与では割が合わない」と求職者が感じてしまう求人情報が多いがために、応募へとは至らず、結果として有効求人倍率が上昇する現象を生じさせている、といえよう。

「無職のくせに仕事の選り好みなんてするな」、「そんな贅沢を言っているからいつまでたっても定職につけないんだよ」と求職者を非難する声が、陰に陽に聞こえる。だが、片方ではなんだかわからないカタカナ名の会社で、怪しげな金融商品を右から左に売ったり、企業を売り買い(M&A)して、20代や30代でも身体ではなく、情報と指先で年間数億円の稼ぎを得る人間がいることを、求職者たちは知っている。

◆企業の利益と労働者の利益に連動しない仕組みづくり

また、破格の好景気といわれながら、その好況感の波及範囲は大企業にのみとどまり、中小企業には全く好況感が実感されない。その現実は職業安定所の求人条件を見れば手に取るようにわかる。大企業においてだって、下手をすれば「過労死」に追い込まれかねない。

つまり企業の利益が労働者の利益に、まったく連動しない仕組みが組み立てられてしまい、職業安定所に持ち込まれる求人の多くには、求職者にとって魅力を欠いていることが有効求人倍率上昇の理由である

このようないびつな構造を成立せしめた原因はいくつもあるが、なかでも「社会保障目的税」という嘘八百、当初3%で導入され、嘘の上塗りで現在8%、近く10%に引き上げられようとしている消費税の罪を指摘しなければならない。消費税はほかのどの税金よりも「逆進性」(富裕層には穏やかで、低所得層に厳しい)の強い「悪税」である。

消費税はどんどん引き上げられるのに対して、所得税の累進税率や法人税は著しく引き下げられてきた。

簡単に言えば「大企業や金持ちの税金は減って、低所得層への課税が増している」のが現在の日本税制である。さらに「労働ビッグバン」という名の「雇用ルールにおける労働者の権利排除」により、雇用主はほぼ好き勝手に労働者を、雇用主が希望する形で雇用することが可能となった。言い換えればプロレタリアートはブルジョワジーによって、雇用形態に関する限り、ほぼすべての権利を奪われてしまったのが今日の姿である。

ところが大企業にしたところで、明確な未来図を描くことはできない。差し当たり今期、あるいは来年、もしくは5年程度の将来に対する基本計画しか描けない。なぜならば、おおよそ10年先にはほぼ確実に日本という国家は、財政破綻で破産する(国債の償還が不能になり予算が組めなくなる)からだ。

国家の破綻を前提に企業が将来像を描けるはずはないのだ。「破局」はほぼ確実であるのだが、この重大な事実を凝視しようとするひとが不思議なほど少ない。読者諸氏におかれても、この事実はしっかりと踏まえられておくべきであろう。これまで経験したことのない、経済の大クラッシュは必ずやってくる。

◆破格の入管ハードル下げ

だが、そこまで行く前に、目前の課題となるのは、現状の成長至上主義が放棄しない限り、「圧倒的な(単純)労働力不足」である。「AIの進歩によりこれからは経理事務の人材が大幅に不要になる」などと、相も変わらず「科学技術進歩盲心者」は的を外れた予想の中に、未来を想定せよと迫る。演算速度高速化による「AI」と呼ばれるテクノロジーは社会の諸相に幾分、影響を与えるかもしれないが、もっとも深刻な「労働力不足」への根本的な回答とはなりえない。

そんなことを政権は先刻ご承知であるので、これまで「どうしてそこまで嫌がらせをするのか」と思えるほどに、ハードルの高かった外国人の日本入国ハードルを破格に下げようとしているのだ。「出入国及び難民認定法」はこれまでも何度も改定されてきたが、その節操のなさは関心を持つ人々の間で長年批判されてきた。

ノービザ(実際には入国時ビザ発給)で渡航できる国々の人と、「短期滞在」であっても事前にビザを取得しておかなければ日本に入国できない人との間には、大きな「差別」が存在する。それも国によって「短期ビザ」ですら発給の困難度合いが異なる。たった数日の訪日のために10数種類の書類を用意し、事前に入国管理局や、当該国の日本大使館、領事館にビザ発給を求めなければならない国までもが存在する。

◆「安価で使い捨て可能」な外国人労働に人権や国際主義などの配慮はない

また最近は研修生として多数の外国籍の人々が来日し、実質的には労働に従事している。20年ほど前に同様の減少が大学、専門学校などで学ぶ「留学生」(当時は「留学生」と「就学生」に分かれていた)で発生したことがある。

1980年代に貿易黒字の過多で、国際社会から叩かれた日本は「留学生10万人計画」(2000年までに留学生を10万人受け入れる)を打ち上げた。種々困難はあったものの、「留学生の数を増やす」とのなんとも安直な目標は、文科省による各大学への有形無形の強制や、留学生への奨学金のバラマキなども追い風になり、数自体は増加をみた。

しかしその裏で「留学ビサ」を取得するのには当初相当な困難が伴った。形ばかりの身元保証人を用意し、銀行の残高証明書にはじまり、あきれるほどの無意味な書類を用意してようやく「留学」(あるいは「就学」)ビサ獲得に至る。日本に来る前に「身元保証人」になってくれるような知人・友人がいる人は稀だから、保証人のかなりの数は金で買われた(要請された)人々だった。

そんな人が万一の際に何かの保証をしてくれるだろうか。当時まだ今ほど経済大国ではなかった中国で100万円近い預金残高を持っている人など実在するのか。と思いながら、それでも入国管理局の言う通りに、煩雑なビザ取得作業を重ねていたら、ある日法務省から通達が来た。「以後留学ビザの発給は入学許可書と本人の写真のみでよろしい」という内容だった。業務は楽にはなったけれども、これまで留学生が負っていた、あるいは教育機関関係者が負わされていた負担はなんだったのだろうか、とあきれた記憶がある。

入管行政は、気まぐれで無責任だ。

為政者はこの国への外国人の定住を本音では歓迎してはない。しかし、労働力は欲しい。納税者も欲しい。「日本人は贅沢になって嫌がる仕事でも、貨幣価値の違う国からの人であれば、少々の苦労を厭わず、厳しい職場に安価で利用できる」。これが入管法を改正し「安価で使い捨て可能」な外国人を多数呼び込もうとする真の動機である。そこには人権や国際主義などの配慮は何もない。新自由主義下の「新たな奴隷政策」と言っても過言ではないだろう。見ているがよい、多くの職場や地域で、これから必ず予想を超えたハレーションが発生するだろう。


◎[参考動画]入管法改正案の意味は? 失踪者は半年間で4000人超(ANNnewsCH 18/11/01)

▼田所敏夫(たどころ としお)
兵庫県生まれ、会社員、大学職員を経て現在は著述業。大手メディアの追求しないテーマを追い、アジアをはじめとする国際問題、教育問題などに関心を持つ。※本コラムへのご意見ご感想はメールアドレスtadokoro_toshio@yahoo.co.jpまでお寄せください。

月刊紙の爆弾10月号
『NO NUKES voice』Vol.17 被曝・復興・事故収束 ── 安倍五輪政権と〈福島〉の真実

《緊急報告》対李信恵訴訟2件の現況と大阪地裁/担当裁判官の動き! 李信恵証人尋問決定!(第1訴訟、第13民事部)、証拠資料原本を「邪魔」だと拒絶した不公平な担当裁判官異動!(第2訴訟、第24民事部) 潮目は変わるのか?  鹿砦社代表・松岡利康

 

10月31日は、鹿砦社や私に対する、李信恵さんによる度重なる「鹿砦社はクソ」誹謗中傷発言に対して、株式会社鹿砦社を原告とし李信恵さんを被告とする民事訴訟(大阪地裁第13民事部。以下便宜上「第1訴訟」とします)の弁論期日でした。

本件と無関係の山口の部落解放同盟幹部の陳述書を提出したり訳の分からない動きはあっても、被告からの反論らしい反論もなく、事実関係はハッキリしているので今回で結審かと思っていたところ、次回12月12日に被告・李信恵さんと、原告鹿砦社の代表の私に対する証人尋問が行われることが決まりました。私は原告会社の代表ですし陳述書も提出していますが、李信恵さんは被告として訴えられているにも関わらず1度も出廷せず陳述書も出さないとなると、裁判所が李信恵さんを尋問することは当然だといえます。

12月12日は、昨年12月のM君が李信恵さんらリンチの加害者5人を訴えた訴訟の尋問同様、対李信恵第1訴訟においても大きな山場となります。予想外の展開です。李信恵さんと法廷で直接対決ができます。畏れ多くも神原弁護士との応酬も楽しみです。

多くの皆様方が傍聴に足を運ばれることをお願いいたします。おそらく李信恵支持者らも多く蝟集するでしょうが、これを圧倒的な結集で凌駕しようではありませんか!

◆ 李信恵対在特会訴訟で李信恵勝訴判決を下した裁判長が、李信恵対鹿砦社訴訟(第2訴訟)の担当裁判官に就任、不公平な言動も異動 ◆

もうひとつ、上記第1訴訟において途中から李信恵側が反訴し、それを取り下げ、新たに別訴となった訴訟(大阪地裁第24民事部。以下「第2訴訟」とします)ですが、こちらも重大な事実が判明しました。李信恵側はとうに周知だったと思われますが、私方は迂闊にも今頃になって気づきました。おかしいなとは思っていたのですが……。

第2訴訟は、鹿砦社がこのかん出版した4冊のリンチ関連本(本年5月に発行した第5弾『真実と暴力の隠蔽』は提訴後の出版なので対象外)中の李信恵さんについて記述した部分に対して李信恵さんが原告となり鹿砦社を被告として訴えたわけです。ところが原告李信恵側からは、書籍の原本ではなく一部だけをコピーして証拠として訴状に付け裁判所に提出されていました。

名誉毀損の裁判ですし相手方に大金や販売差止めを求めていることから、本来ならば当然原本を提出すべきなことは常識中の常識です。そこで私方のほうで原本を用意し9月12日の準備手続きに証拠資料として提出しようとしました。ところが担当裁判官は「必要ない」「邪魔だ」として、あろうことか却下し突き返して当方代理人は持ち帰させられました。こんなことがあるでしょうか!? 私は急病で当日欠席せざるをえませんでしたが、私がいたなら押し付けてでも受け取らせたでしょう。あとから聞き悔しかったことは言うまでもありません。「這ってでも裁判所に行くべきだった」と。

そこで、多くの元裁判官や弁護士の意見も聞き、裁判官忌避申立てをしようと思い、申立書を提出しようとした、その日(10月22日)にその裁判官は京都地裁に異動となりました。年度変わりであるまいし思案していたところ、思わぬ事実が判明しました。まずは次の記事をご覧ください。──

増森珠美=大阪地裁裁判長

「ネット上の民族差別発言で精神的苦痛を受けたとして、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)と、元会長の桜井誠(本名・高田誠)氏に対し、フリーライターで在日韓国人の李信恵(リ・シネ)さん(45)が計550万円の損害賠償を求めていた裁判で、一審・大阪地裁の増森珠美裁判長(太字:筆者)は9月27日、人格権の侵害を認め、在特会側に計77万円の支払いを命じる判決を言い渡した。」(2016年9月27日付け産経WEST)

つまり李信恵勝訴判決を下した「増森珠美裁判長」こそ、原本提出を「邪魔だ」として拒絶した担当裁判官だったのです。驚きました。みなさんはどう思われますか? はたして偶然でしょうか? 公平でしょうか?

もし、このまま増森珠美裁判長が本件訴訟(第2訴訟)の担当裁判官(長)を務めていたならば、不公平、不公正ですし、おそらく〈李信恵勝訴=鹿砦社敗訴〉は必至だったでしょう。

今回、裁判所内でどのような動きがあったのか分かりませんが、幸いにも増森裁判長は異動になりましたので本件第2訴訟から外れました。裁判所は、こうした公平性を欠く担当裁判官の配置ははじめからやめるべきでしょう。そうではありませんか?

先のM君が李信恵さんらを訴えた大阪地裁―高裁判決は、いずれも、賠償金は一部勝ち取ったとはいえ内容的には不満の残るものでした。高裁判決では賠償金の増額はあったものの、司法による被害者救済には程遠いものでした。

ジャーナリストの黒藪哲哉さんは、
〈この裁判は、「報告事件」ではないかと推測している。大阪高裁の元判事で現在は弁護士の生田暉雄氏が著した『最高裁に「安保法」違憲判決を出させる方法』(三五館)によると、裁判所の内輪で「報告事件」と呼ばれている事件が存在するらしい。これは最高裁事務総局が暗黙のうちに判決の方向付けをする事件のことで、提訴しても最初から勝ち目がない。いわば原告をペテンにかけている裁判のことである〉
と推測されています。当初、「そんなアホな」と思っていましたが、あながち否定できないものがあるようです。何しろ大阪高裁の元裁判官が実名で告白しているわけですから――。

裁判所が「ファシズムの出先機関」(トロツキー)といえるような事例は数多くあります。原発再稼働反対訴訟や行政訴訟は、よほど心ある裁判官でない限り、まず勝つことはありません。権力の意志を体現し「報告事件」とされる訴訟は、遺憾ながら勝てるはずはありません。私たちは裁判所の前でうなだれている住民の姿を数限りなく見て来ています。裁判所は、まさに“権力の番犬”だと思わざるをえません。

鹿砦社vs李信恵訴訟2件については、先の「報告事件」説を聞き、正直のところデスペレート感を覚えていましたが、第13民事部係属の第1訴訟で李信恵尋問が決定し、第24民事部係属の第2訴訟は不公平な言動を行った担当裁判官が異動になり、少しは私たちに期待感を持たせるようになりました。あまりに不公平感があることに裁判所内の良識派が動き、今回の事態になったのかどうかは知る由がありませんが、裁判所には、あらためて公平、公正な審理に努められることを心より望むものです。

この2件をめぐる動きで、何としてでも私たちのほうに潮目を変えなくてはなりません。

尚、次回期日ですが、第1訴訟は12月12日午後2時から、第2訴訟は11月14日午前11時30分からです。ご注目いただき、ぜひ傍聴をお願いいたします。

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老いの風景〈05〉壁は案外低かった

平均寿命が延び、高齢の親御さんやご親戚家族の健康について、悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。私自身、予期もせず元気で健康、快活だった母の言動に異変を感じたのは数年前のことでした。そして以降だんだんと認知症の症状が見受けられるようになりました。今も独り暮らしを続ける89歳の母、民江さん。母にまつわる様々な出来事と娘の思いを一人語りでお伝えしてゆきます。同じような困難を抱えている方々に伝わりますように。

◆一つ目の壁 お医者さんに診てもらう

一昨年、87歳だった民江さんの異変に気付いて真っ先に思ったのは、「一度専門のお医者さんに診てもらわなくちゃ」ということでした。けれども、問題はどうやって言い含めて連れて行くかです。自分がボケてるなんて全く思っていないプライドの高い民江さんをどんな言葉で説得しよう……当時私はそればかり考えていました。

かかりつけのお医者様にお願いしておいて、先生から本人に話してもらったという人の話を聞きましたが、民江さんにそんな主治医はいません。本人から「心配だから医者に連れて行ってほしい」と頼まれたという人の話も聞きました。その人は自分より母親が先に気が付いたことをとても悔やんでいらっしゃいました。もちろん民江さんにそれは望めません。かわいい孫から言わせた、そんな話も聞きました。さて、何と切り出しましょう。

少し機嫌の良さそうな日、「ねぇ、お母さん。お母さんは若い頃、めまいがして脳のCT撮ったことあったけど、最近は検査してないよね。年齢も年齢だし、一度検査してもらわない?物忘れも時々あるでしょ、それもお薬でよくなるかもしれないらしいよ。ね。」

反応を見ながらゆっくり聞いてみました。すると「そうね、なっちゃんが連れて行ってくれる?」あっさりオッケーの返事がきました。すかさず「じゃあ、伯母さんの通っていた病院に予約を入れておくね。」と言いました。病院が済んだらそのままフランス料理のお店に行き、姉と三人で久し振りのランチまでセッティングして備えていたのに、そんな鼻先に人参のような小細工は必要ありませんでした。

◆二つ目の壁 デイサービスへ行かせたい

こうして無事に認知症専門のクリニックで診ていただき、ついでにフレンチも美味しくいただき、一つ目の壁を越えることができました。今からちょうど一年半前のことです。

2か月ぐらい経った頃、次に私はデイサービスへ行かせたいと考えました。認知症の薬というのは、進行が遅くなるのに僅かでも役立てばいいという程度で、実はあまり当てにはしていません。それよりも、自由気ままに一人で過ごしていることが悪い方に作用しているのではないかと思い、人と接して話をしたり考えたりする機会を増やし、刺激を受けることが大切なのではないかと思ったからです。

以前にも何度か勧めてみましたが、その時は馬鹿にして全く聞き入れてくれませんでしたので、これをまた説得するのは私にとって高い壁です。数年前にハイキングで転倒し腰椎圧迫骨折をした時でも、せっかく頼んだヘルパーさんをたった三回で勝手に自分から断った実績があります。ヘルパーさんに対する文句ばかり聞かされたことを思い出しました。

ところが、その二つ目の壁も案外簡単に超えることができたのです。民江さん自身の口から「デイサービスに行こうかな。」と言ってきました。驚いて聞き返したことを覚えています。

理由を聞いてみると、「○○ちゃんも行ってるらしいから」と。その方は小学生の頃からの友達で元開業医、とても知的な方です。だんだん同級生が減っていく中で、たまに電話でお喋りをしたり一緒に映画に行ったりお食事をしたりできる数少ない友達のお一人でした。おかげで民江さんは自分から行ってみようという気になってくれたのです。早速ケアマネージャーさんに手配をしてもらい、お試しに行きました。するとどうでしょう、大変気に入った様子で翌週から週に三回デイサービスに行くことになり、現在は週に五回も通っています。

受診もデイサービスも私が心配していたよりも案外と壁は低かったのです。二つ目に関しては低いというより壁などなかったということでしょう。不思議な感じです。でもこれが老いというものなのかもしれません。

▼赤木 夏(あかぎ・なつ)
89歳の母を持つ地方在住の50代主婦。数年前から母親の異変に気付く

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どう解釈すれば「リンチはなかった」と判断できるのか? 事実を歪曲しM君リンチ事件を闇に葬ろうとする詭弁と三百代言に反論する! 鹿砦社特別取材班

あきれる。あなたは新聞記者なのか? 人権を守る弁護士なのか? 教養をそなえた大学教員なのか? 10月19日大阪高裁で言い渡されたM君が李信恵ら5名を訴えた控訴審判決が大阪高裁で言い渡された。その後ネット上で上記の人々の発信には、その不埒さにおいて唖然とするしかない。「伊藤さん、李さん、神原さん、おめでとうございます!」、「正義は勝つ!!」、「(誰に対して?)よく耐えたね」……。あなたたちの神経はどうなっているのか?

それら侘しい人たちの発信を吟味する前に、この裁判がとてつもない〈闇の力〉に支配されているのではないか、を判決当日われわれは、またしても体感することとなった。その報告をせねばなるまい。

◆被告席には誰の姿もない。神原、上瀧弁護士らの姿もない

14時からの判決言い渡しは、予定時刻通り行われた。原告側はM君、大川弁護士、瀬川弁護士が出廷。被告席には誰の姿もない。神原、上瀧弁護士らの姿もない。カウンター側の支援者は誰一人来ていない。

傍聴席には15名ほどであろうか。開廷後稲葉重子裁判長は、判決の主文を読み上げる。「ああ、こう来たか」と取材班は判決を聞き、瞬時に評価を頭の中では整理できなかった。主文はどうあれ、高裁がどのような根拠で判断したのか、判決文の全文を読まない限り、軽率に判断はできない。

閉廷後、大川弁護士ら数名は書記官室に、判決文を受け取りに向かった。そして事件はそこで起こった。判決言い渡しのあとに、原告、被告が判決文を入手するのは、極めて常識的なプロセスである。ところが書記官室に判決文を受け取りに行ったところ、職員が「できればきょうではなく後日お渡ししたいんですけれども」、「すぐにはお渡しできないので……」と耳を疑うような言葉を平然と述べた。

「どうして判決言い渡しがあったのに判決文がもらえないのですか」、「ちょっと待て。M君が原告の裁判では、1人も記者が来てはいなかったが、司法記者クラブが記者会見を用意していたら、裁判所は記者たちに判決の要旨を配布するではないか」の問いに職員は「それはそうなんですけど……」とおかしな反応を示す。

「今すぐ判決文を受け取る権利がある。出してください」と要請すると「検討します」と逃げるので「検討ではない、原告の正当な権利として判決文を渡しなさい」とやり取り後、原告側はいったん、廊下で待たされ、約10分後にようやく判決文が原告側に渡された。

◆神原元弁護士はなぜ14時33分に「勝利宣言」をツイートできたのか?

主文は掌握していたが、裁判所の判断などを原告側が初めて目にしたのは、14時17分から14時20分の間だ。

ところが、のちに明らかになったのであるが、神原元弁護士は14時33分に「勝利宣言」をツイートしている。彼はおそらく電話で判決の主文を問い合わせたのであろう(原告、被告の代理人が遠隔地の場合電話で判決主文を問い合わせることは行われているそうだ)。

しかし大川弁護士をはじめとするわれわれは「少し廊下で待ってくれ」と言われ、仕方なく待機を余儀なくされた。判決全文を読まないことには評価が下せないが、神原元弁護士はどうやら、電話での確認だけで、「勝利宣言」を発信したようである。

仮に職員の申し出に「ああそうですか」と引き下がっていたらM君は判決当日判決文を入手できなかったのだ。どなたさんたちとは違い、慎重なM君や弁護団は主文を聞いただけで、判決の総合的な評価は下さないから、当然発信もしない。ネット上では勝手に被告支持者の「勝った! 勝った!」、「おめでとう」という言説が流布される。

東京新聞東京社会部佐藤圭記者の10月19日付けツイート
香山リカの10月19日付けツイート

◆「リンチは判決によって否定され、原告M君が敗訴した」かのような印象操作や鹿砦社攻撃に余念がない人たち

「こんな経験はありません」。廊下で待たされる間に大川弁護士は次から次へと起こる”摩訶不思議”な出来事に、あっけにとられていた。通常の裁判所の事務手続きでは考えられない「翌日に判決文を取りに来い」との物言いに、「裁判所は完全にあちら側に懐柔されているのではないか」と何度も複数の人々が主張した”何らかの力・意志”の存在を認識せずにはいられなかった。

度重なる記者会見申し入れの拒否、一審判決の著しい偏向、そして控訴審判決直後の不自然な対応……。挙げればきりがないが、後日、判決文と周辺事態の感想を複数の弁護士、法律の専門家に尋ねたところ、「最高裁の意を受けたり、政治的な力学で判決が左右されることは常識といってよいほどにある。原発再稼働容認の判断などを見ればわかりやすいだろう」との意見が多数であった。

市民が合法的に民事の争いを持ち込む場所は、裁判所をおいてほかにない。しかし裁判所が「中立」であったり「真摯に事実に向き合う」機関ではないことは、過去あまたの冤罪事件(民事も刑事も)や、「これはおかしいだろう」との判決が山積している事実を見ればわかる。「裁判所に過剰な期待や信頼を置くのは危険だ」と取材班は、もはや断言せざるをえない。そして「M君リンチ事件」の裏には“何らかの思惑”が確実に働いている。

そんな裁判所、大阪高裁判決に対して、東京新聞の佐藤圭記者、法政大学中沢けい教授、そして香山リカ氏……。彼らはそろいもそろって、あたかも「リンチは判決によって否定され、原告M君が敗訴した」かのような印象操作や鹿砦社攻撃に余念がないが、それは全く間違っている。

10月26日付け伊藤大介フェイスブックでの中沢けい(法政大学教授)とのやり取り
東京新聞東京社会部佐藤圭記者の10月26日付けツイート

◆「集団暴行」による賠償は一審に引き続き認定されているにもかかわらず……

そもそも彼らは「リンチ」の定義を勝手に「組織的な集団暴行」と決めつけているように窺えるが、その前提がまず間違いだ。「リンチ」は「私刑」を意味するのであり、法律や条例により定められた刑罰ではない、「私的な制裁」が元の意味である。「リンチ」=「集団暴行」ではなく、正確には「リンチ」の概念の中に「集団暴行」が包含されるというべきである。それでも彼らが主張するように「集団暴行」を「リンチ」と解釈する前提に立てば、高裁判決は「リンチ」を否定したのか? してはいない!

伊藤大介の「幇助」を認定しなかったものの、高裁判決はエル金と凡にそれぞれ損害賠償を命じている。2名の責任を認定しているのだから「個人間」の「暴行」ではなく「集団暴行」による賠償は一審に引き続き認定されており、その額も一審判決よりも増額されている(一審判決79万9,740円から113万7,640円へ)。

そして重要なことは、この裁判は事実を争うことのみが主眼ではなく、M君が受けた心身の被害に対する、当然受け取る権利のある、損害賠償請求が争点の中心であったことである。「集団暴行」が間違いない事実であったことは、本訴訟を待つまでもなく、既にエル金と、凡が罰金刑に処されたことにより確定しており、両者にはこの刑事罰についての異議はないようである。法廷でもエル金、凡は自己の責任を認め、M君に対する謝罪の意思を証言している。また当然のことながら、判決文のどこにも「集団暴行はなかった」旨断定する記載はない。

そしてあまり重視されていないが、伊藤大介が提起した反訴が一審に続き、棄却されている。

この総体をどう解釈すれば、どこかM君に非があったり、「リンチはなかった」、「正義は勝つ」などと判断できるのか。いい歳をして社会的にも地位があり、知識人として名前の売れている方々であまりにも不用意な発信を続けている人々には、上記の事実に真っ当な反論をしていただきたいものだ。「印象操作」は嘘と同等にネット社会では罪深い。それくらいは、だれでも理解できるだろう。(本文中敬称略)

(鹿砦社特別取材班)

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今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている森奈津子さんインタビュー〈5〉

多彩なエロス、SFから児童文学まで縦横無尽な世界観織りなす作家、森奈津子さん。ツイッター上ではM君支援を宣言してくださり、そのためか、しばき隊から現在も集中攻撃を受け続けている方でもある。大好評だった前回までのインタビュー記事に続き、特別取材班は再び森さんに電話でインタビュー。「表現の自由」をはじめ様々な問題についてご意見を伺った。

◆反権力を気取っている人が、治安維持法みたいな法律を作ろうとしている

 
森奈津子さんのツイッターより

── (反差別という点で)その点、われわれは原理主義的にあらゆる差別に反対です。ただしわれわれはあらゆる差別をしていないつもりでも、知らないが故に言葉遣いとか振る舞いで差別を犯しているということがあるかもしれませんので、あらゆる差別を否定するではなくて反対するという表現でいつも統一しているつもりです。今新たにご示唆いただいた議論をするということですよね。何かコードを作ってしまって、レイシストだからとか、差別主義者だからとか、右翼だから左翼だから、とあるカテゴリーにはめて、だからどうのこうのということは非常に短絡的だと感じます。短絡的な人は実際にたくさんいます。それを助長する一つの要因が、適切にツイッターとかSNSを使えない人たちではないかと思います。

森  そうですね。合田夏樹さんが「彼らは反差別というよりは、反差別を言い訳にしていじめをしたいだけのいい歳をした大人だ」と仰っていましたけれども、おそらくその通りでしょう。やはり、叩いてそれで終わりでいいの? というの思いは常にあります。今、LGBT差別解消法という、アウンティングを禁じるとかLGBTに対する差別をなくすための法律を作ろうという動きがありますよね。あれだって「ホモ・レズ・オカマは差別用語です」という主張をする人が出てくる中で、そんな法律作って大丈夫なのかと。それこそLGBTが自分たちの首を絞めることになりかねないし、そんな治安維持法みたいなものを作るために、LGBTを利用しないでくれとも思います。でも賛成している当事者もいて、ちょっと驚きますね。何が差別かどうかという線引きを体制側に任せて、それで大丈夫なのかと。普段は反安倍とか言ってる人が何を言っているのかと思いますよ。反権力を気取っている人が、治安維持法みたいな法律を作ろうとしていて、体制側を信用しているのかと驚きます。

◆左翼リベラルの凋落

── 既にヘイトスピーチ対策法という法律は、理念法ですけれども成立をしています。その成立に関してはしばき隊の人達は非常に熱心に活動されたようです。ところで本来知識人の中に入れてはいけない人が、新たに知識人の中に入ってしまっている。かつて知識人であった人たちがどんどん堕落している。ある意味ではあたっていると思いますが、左翼リベラルというものが凋落している。一面では事実だと思います。それを森さんはどのようにお感じになりますか。

森  本来だったらリベラルと名乗ってはいけない人がリベラルを名乗っているのは驚きですし、多様性多様性と言っている人が何であんなに一生懸命自分と意見の異なる人を中傷して叩いているのか、本当に疑問に思います。なんであのような人達がリベラルと名乗っているのでしょうね。私は自分のことをリベラルだと思っていましたけれども、リベラルと名乗れなくなりました。あのような不寛容がリベラルだなんて、いつの間に言葉の意味が変わったのだろうと疑問に思っています。

── 明らかに変わりましたね。リベラルというのは大雑把にですけど、良い語感でしたものね。

森  そうですね。それが攻撃的で印象の悪い不寛容な人達を指す言葉になりつつあるようです。あの人達が自称しているから言葉の意味が駄目になったのでしょうかね。

◆香山リカは何でリベラルを名乗るのか?

── それもありますが、たとえば80年代頃の香山リカはリベラルの範疇だったと思うんです。かつてリベラルだった人達がどんどん堕落してしまった。書籍はあまり読まれない。本来は書物から得られる多様なものの考え方というところの回路が、通じなくなっているのではないのかなという気もするのですが、どうでしょう。

森  はっきり言って、この人が何でリベラルを名乗ってるの? と思いますけれども、皆さんリベラルと認識しているようですし。また、ツイッター上ではフェミニストを名乗る人たちが平気で男性差別発言をしてるため、フェミニストが男性を差別する差別主義者だと見なされつつあります。それと同じような現象でしょうか。

── 穏健ではない偏狭な人達の意見が目立つから、フェミニズムというのはそういうものだとある意味では実態化しつつあるでしょ。

森  本来は、フェミニズムって人権を基礎とした理論じゃないですか。そして、人権というのは全ての人が持つものですよね。なのに、フェミニストを名乗っている人が男性の人権を侵害したら、フェミニズム自体が崩壊するはずなのに、わかっていない人たちがそれを信じてしまうのか。ああいう人達はフェミニストとは言えないのだ、というちゃんとした反論よりも、「フェミニストって男性差別をする人なんだね」「ミサンドリストのことをフェミニストと呼ぶんだね」という認識の方が主流になってしまって、「フェミニストを名乗る人は差別主義者」みたいなところまで行っていますよね。リベラルに関しても同じかなと思います。(つづく)

◎森奈津子さんのツイッター https://twitter.com/MORI_Natsuko/

◎今まさに!「しばき隊」から集中攻撃を受けている作家、森奈津子さんインタビュー(全6回)

〈1〉2018年8月29日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27255
〈2〉2018年9月5日公開  http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27341
〈3〉2018年9月17日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=27573
〈4〉2018年10月24日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28034
〈5〉2018年10月30日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28042
〈6〉2018年11月8日公開 http://www.rokusaisha.com/wp/?p=28069

(鹿砦社特別取材班)

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民事訴訟で逃れようとする片山地方創生大臣の絶体絶命 第2の口利き疑惑も

◆事務所スタッフの憤懣がリークの発端か?

 
片山さつき氏HPより

「週刊新潮」(11月1日号)によると、「週刊文春」を相手に民事訴訟に踏みきった片山さつき地方創生大臣に、新たな口利き疑惑が生じているという。大阪のパチンコ業者が銀行融資の口利きを依頼し、片山大臣が財務省経由で融資のあっせんを行なったというものだ。そしてその結果はというと、融資工作は遭えなく失敗に終わったという。なんとも頼りにならないセンセイではないか。

それはともかく、同日発売の「週刊文春」には、片山事務所の関係者が匿名を条件で事実関係を語っている。すなわち「実は、X氏と片山氏は携帯電話で何度も連絡を取り合っている」そのやり取りのなかで、100万円の見返りにも言及しているというのだ。さらには、直撃取材を受けたあとに南村博二元秘書に「あなたと私は、会ったことなかったわよね」などと口封じを行なったうえで、週刊文春にリークした下手人を捜したという。

ヒステリックになったら、事務所で荒れるという片山センセイのことだ。事務所スタッフに修羅場が到来したのは想像にかたくない。その意味では、事務所関係者からボロボロと情報が漏れてしまうのは、センセイのガバナビリティの不足としか言いようがないのだ。短気は損気。

◆秘書ではなかったと強弁するも、事実は記録されている

100万円を受け取った事実そのものを否定する片山大臣だが、元秘書の南村氏は受け取りをみとめている。週刊文春が入手した「書類送付状」および福岡銀行大牟田支店の「振込・振替(状況照会)にも「議員名・片山さつき」と「秘書名・税理士南村博二」が明記されているのだ。にもかかわらず、片山センセイは週刊文春への訴状の中で「南村が原告(片山)の私設秘書であったことはない。原告は、秘書として契約したこともなく給与・報酬などを払ったこともなく、原告が指揮・命令する立場にあったことはない」などと、事実を180度ねじ曲げようとしている。まさに語るに落ちるとはこのことだろう。すでに何度となく、片山事務所は文章や音声に「私設秘書・南村博二」は刻印されてしまっているのだから──。

よしんば秘書としての報酬を受けていないなど抗弁ができたとしても、片山センセイが代表をつとめる政治団体や後援会事務所、あるいは「片山さつき政治経済研究所」は、いずれも南村氏の麻布十番のマンションに置かれている。その意味では秘書であるか否かも意味はない。片山センセイの政治活動に南村氏は大きく寄与し、重要な役割りを得ているのだ。

◆訴訟は答弁のがれである

ところで、訴訟をチラつかせるブラフが自民党政治家の特徴だと本欄で指摘してきたが、訴訟はまた事実関係を答えない言い訳でもある。片山センセイは訴訟を提起しましたという記者会見の場で、さっそく「法的措置に入りましたから」「わたしの一存では喋れないんです」と言い放ったものだった。この対応はおそらく、記者会見の場のみならず国会審議でも貫かれることだろう。「ご質問の件につきましては、訴訟中の案件でございますから、わたくしのほうで発言は控えさせていただきます」などと、答弁を拒否するにちがいない。そしてほとぼりが冷めれば、こっそりと訴訟を取り下げるか和解交渉で終わりにするという手順であろう。

だが、いったん訴状を提出したのである。その訴訟要件が根底から崩壊し、このかんの発言がすべて虚偽であったことを明らかにするまで、報道が止まないことを知っておくべきであろう。あたら小手先のはぐらかし戦術として、民事訴訟をもてあそんだことによって火だるまになるのは「片山さんは2人分、3人分の活躍が期待できる女性政治家」と激賞した安倍総理大臣の任命責任もふくめてのことである。


◎[参考動画]片山大臣「記事は事実と違う」 提訴後初めて会見(ANNnewsCH 2018/10/23公開)

▼横山茂彦(よこやま しげひこ)

著述業・雑誌編集者。主な著書に『軍師・黒田官兵衛に学ぶ経営学』(宝島文庫)、『真田一族のナゾ!』『山口組と戦国大名』(サイゾー)など。医療分野の著作も多く、近著は『ガンになりにくい食生活――食品とガンの相関係数プロファイル』(鹿砦社LIBRARY)

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進化するNKB! NJKFと交流開始!

日本キックボクシング連盟(NKB)は12月よりニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)との交流開始を決定した。

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【交流開始のお知らせ】NKBオフィシャルリリース

NKB(日本キックボクシング連盟、K-U)は2018年12月からニュージャパンキックボクシング連盟(NJKF)との交流を開始致します。これに伴い、2018年12月8日(土)、NKB後楽園ホール大会(闘魂シリーズvol.6)では、NKBフェザー級1位 ひろあき(SQUARE UP道場)vs NJKFスーパーバンタム級1位 久保田雄太(新興ムエタイ)の1戦が行われます。
 この交流がキックボクシング界の発展に必ずや寄与するものと信じ、今後も関係各所とより良い関係を築いていく所存でございます。今後ともNKB、そしてキックボクシングをよろしくお願い致します。

NKB代表理事、日本キックボクシング連盟代表 渡邉信久
(日本キックボクシング連盟広報部より発表)


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メインイベント前に、日野実志リングアナウンサーによって、リングサイドに来賓として来場されていた新日本キックボクシング協会、伊原信一代表が紹介されると、伊原氏はNKB・渡辺信久代表理事に歩み寄り、握手しハグする親密さを見せたという。

1996年に伊原氏率いる伊原ジムが離脱した経緯はあるが、元々は1984年の日本キックボクシング連盟発足当時から歩みを共にし、それ以前にも日本系・全日本系の壁はあれど、キックボクシング隆盛期から低迷期にかけて、力を合わせて来た古き仲であった。

7月から始まった新日本キックボクシング協会との交流戦、今回の代表的カードとなったメインイベントは、団体のプライドを懸けた意地のぶつかり合いとなったようです。

◎闘魂シリーズ vol.4 / 10月13日(土)後楽園ホール 開始17:15
主催:日本キックボクシング連盟 / 認定:NKB実行委員会
全12試合 公式記録(主催者発表、計量結果、主審名は不明)

 
今野顕彰vs西村清吾(2018.10.13)

◆第12試合 72.5kg契約 5回戦

NKBミドル級チャンピオン.西村清吾(TEAM-KOK)
VS
日本ミドル級1位.今野顕彰(市原)
勝者:西村清吾 / 判定2-1 (馳49-48. 亀川49-50. 川上49-48)

◆第11試合 フェザー級 5回戦

NKBライト級5位.ひろあき(=安田浩昭/SQUARE-UP)
VS
コッチャサーン・ワイズディー(元・ルンピニー-系スーパーバンタム級7位/タイ)
勝者:ひろあき / 判定3-0 (佐藤友章49-45. 前田49-46. 亀川49-46)

◆第10試合 ライト級3回戦

NKBライト級4位.野村怜央(TEAM-KOK)vs山澤裕介(號志會)
勝者:野村怜央 / KO 1R 0:54

◆第9試合 バンタム級3回戦

NKBバンタム級2位.高嶺幸良(真門)vs同級5位.海老原竜二(神武館)
勝者:高嶺幸良 / 2-0 (佐藤友章30-28. 鈴木30-29. 馳29-29)

◆第8試合 64.0kg契約3回戦

NKBウェルター級5位. SEIITSU(八王子FSG)vs洋介(渡邉)
勝者:洋介 / KO 2R 2:10

◆第7試合 ヘビー級3回戦

山中政信(真正会)vs打田知彦(テツ)
勝者:打田知彦 / 0-2 (鈴木29-30. 前田29-30. 佐藤友章29-29)

◆第6試合 ウェルター級3回戦

雅喜(ReBORN経堂)vs火人(TEAM-KOK)
引分け 0-1 (副審 川上29-29. 佐藤友章29-29. 亀川29-30)

◆第5試合 バンタム級3回戦

古瀬 翔(ケーアクイティブ)vs剣汰(アウルスポーツ)
勝者:古瀬翔 / KO 3R 2:21

◆第4試合 ライト級3回戦

小笠原裕史(TEAM-KOK)vs川畑RYU直輝(NK)
勝者:川畑RYU直輝 / KO 2R 1:10

◆第3試合 バンタム級3回戦

志門(テツ)vsダルシム・ヤイタレー(ReBORN経堂)
勝者:ダルシム・ヤイタレー / 0-2 (鈴木29-30. 佐藤友章30-30. 馳29-30)

◆第2試合 フェザー級3回戦

山本太一(ケーアクティブ)vs松下裕太(マッハ)
勝者:松下裕太 / 0-3 (馳28-29. 佐藤彰彦28-29. 亀川28-30)

◆第1試合 バンタム級3回戦

則武知宏(テツ)vs北田竜汰(光)
勝者:則武知宏 / KO 3R 2:24

◆12月8日闘魂シリーズvol.6(FINAL)の対戦予定カード発表!

12月8日(土)後楽園ホールで開催の闘魂シリーズvol.6(FINAL)の対戦予定カードが発表。

高橋一眞は毎度の危険な打ち合い2度目の防衛戦。

▼メインイベント NKBライト級タイトルマッチ5回戦
チャンピオン.高橋一眞(真門)vs挑戦者1位.棚橋賢二郎(拳心館)

▼セミファイナル NKB-NJKF交流戦 57.0kg契約 5回戦
NKBフェザー級1位.ひろあき(=安田浩昭/SQUARE UP)
VS
NJKFスーパーバンタム級1位.久保田雄太(新興ムエタイ)

▼59.0kg契約 3回戦
野村怜央(Team KOK)vsKEIGO(FLAT UP)

▼56.0kg契約3回戦
WBCムエタイ日本フェザー級5位.大脇武(GET OVER)
VS
NKBバンタム級5位.海老原竜二(神武館)

▼63.0kg契約3回戦
NKBライト級5位.パントリー杉並(杉並)vsちさとkiss Me(安曇野キックの会)

他、7試合を予定。

日本キックボクシング連盟・渡辺信久代表とNJKF・藤田真理事長(当時)は1999年当時に話し合いの場があり、後にアジア太平洋キック連盟(APKF)とK-Uが加わりNKB設立に繋がりました。1年以上かけて2002年4月から王座決定戦に進んだ順調な流れも2004年11月を最後にNJKFが脱退する運命を辿って行きました。NKBは本年12月に本格的にNJKFと再び交流を開始し、すでに7月から新日本キックボクシング協会とも交流戦が始まっており、NKBの2019年はまた新たな挑戦へ突き進むことになります。

古くから囁かれていた、興行数が少なく、交流戦を拒み、ムエタイ第一線級選手の招聘力も無い中では選手は育たず孤立するばかり。それぞれの団体がそこから脱却してきた中、ようやくNKBも動き出した現在。「KNOCK OUT」ばかりが注目されていてはいけない。そんな巻き返しに自然と結束力が働いてきたようなキック業界です。

※筆者の諸事情(母親の永眠)により、この10月13日のNKBには取材に行っておりません。主催者公式発表の試合結果を頂いての掲載で失礼します。

▼堀田春樹(ほった・はるき)[文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

格闘道イベント「敬天愛人」11月11日(日)鹿児島アリーナにて開催!鹿砦社取締役・松岡朋彦も出場します! 九州、鹿児島近郊の方のご観戦をお願いいたします!

格闘道イベント「敬天愛人」HP https://ktaj.jp/

老舗、変革! 交流戦が名勝負を生む! MAGNUM 48

仕留めたのは江幡塁の左ヒザ蹴り、下腹部だが、股間ではないと見える

「華麗な技で倒すのが僕の得意なKOパターン」と言う江幡塁の今回のKOに結びつけるまでの攻防は、“強い”と思わせるテープブリーの蹴りとパンチの返す強さと素早さ、判定までもつれ込むとしたら苦しい攻防となりそうな気配の中、幾つものコンビネーションブローを試しながらKOパターンを掴んでいく江幡塁の戦略は3ラウンド中盤に突然やって来た。

それまでに狙いを定めたか、左ボディーブローから右ローキックでテープブリーを怯ませるとコーナーに追い詰め、パンチ連打から左ヒザ蹴りがテープブリーの下腹部へヒットさせ悶絶、テンカウントを聞かせるKO勝利。

ファールブロー(ローブロー)をアピールするテープブリーと陣営だが、レフェリーは認めず。ボクシングで言えばベルトラインより下となるローブローだが、キックでは直接的にノーファールカップに当たらなければ反則とはならない。

「ラジャダムナン王座へいつでも挑戦できます。そして獲ることができます」と伊原代表に、いつでもいける臨戦態勢をアピールする江幡塁。2013年の初挑戦の敗戦から、勝利を重ね再挑戦を待ち続けてもう5年。来年こそは実現させたいだろう。

江幡塁のローキック、序盤は素早く蹴り返すテープブリーが厄介だった
喜多村の右ヒジ打ちがT-98の顔面をカット、勝負をほぼ決めた一発

T-98 vs 喜多村誠戦は、初回から両者の重いローキック、ミドルキック、パンチへと相手の出方に応じた打撃が交錯する。主導権を握って圧倒したい、その意地の競り合う攻防が第4ラウンドに入るまで続き、一瞬の喜多村の右ヒジ打ちがT-98の顔面を捕らえると流血したT-98。ドクターは続行可能と判断するが、再開直後の喜多村のヒジ打ちが軽いながらもまたヒット、ややパンチの打ち合いと組み合ってもつれた中、T-98は流血激しくなり、レフェリーが試合を止めたTKO。

喜多村陣営、大勢の応援団が静止出来ないほどドッとリングになだれ込む。日本統一果たしたかのような興奮醒めぬ歓声と祝福の応援団。タイトルは何も懸かっていないが、それに値するプライドが掛かった密度の濃い試合だった。

喜多村の右ストレートがT-98の顔面にヒット
最後も左フックをヒットさせ完全に倒しきった勝次

 

勝次は再起戦3連勝。今回も初回から早くも左ボディーブローでダウンを奪い、連打の後、左フックが顔面を捕らえると沈み込むように倒れたオートー。

レフェリーが止めるTKOで豪快に仕留めた勝次は、次なる目標がWKBA世界タイトルと言う。

来年3月に挑戦が内定しているが、その前に12月の藤本ジム興行でインパクトある勝利を掴まねばならない。またKO勝利で見せるパフォーマンス“1、2、3、ハッピー”が見られるか。

勝次のボディーブローでオートーを怯ませる

9月2日のTITANS NEOSに於いて、NKBとの交流戦で田村聖(拳心館)に敗れ、「負けたままで終われません。明日にでも再戦したいぐらいです」と語っていた斗吾がヨードプーパーをローキックからパンチ連打、左ボディーブローから右フックで圧倒、うつむき気味に怯むヨードプーパーに追撃し、あっけなく35秒でレフェリーが止めたTKO勝利。悪夢から醒めた開放感か、マイクで興奮気味に嬉しさを表現するも、早口で声も響かず、何を言っているのか聴こえないマイクアピールだったが、応援団に向かって感謝の言葉を述べていたことにはその観衆から拍手喝采を浴び、喜びを分かち合っていた。

斗吾の連打でヨードプーパーを一気に倒した

リカルド・ブラボがデビューから9戦目で初黒星。トリッキーなUMAの繰り出す前蹴りで前進を止められるだけでなく、ボディーも効いたかのようなブラボは、次第にリズムを狂わされてしまう。

蹴り返しやパンチはリカルド・ブラボの方が重く強い技を持っているが、この欧米パワーで勝ち上がって来た新人クラスと違い、チャンピオンとして総合力が試される今、UMAに主導権を握られ、終了間際にもパンチ連打を受け劣勢のまま判定負け。

いろいろなタイプの選手がいるものだと試練の壁にぶつかっているようなデビュー1年半、18歳のリカルド・ブラボ。対戦可能なトップクラスと戦い、経験を積めばまた新たな強さが見えてくるだろう。

UMAの前蹴りがリカルド・ブラボのリズムを狂わせた

MAGNUM 48 / 10月21日(日)後楽園ホール17:00~
主催:伊原プロモーション / 認定:新日本キックボクシング協会

◆56.0kg契約 5回戦

WKBA世界スーパーバンタム級チャンピオン.江幡塁(伊原/55.6kg)
VS
テープブリー・オー・デットポン(元・ルンピニー系フライ級2位/タイ/56.0kg)
勝者:江幡塁 / KO 3R 2:00 / 10カウントアウト / 主審:椎名利一

◆70.0kg契約 5回戦

T-98(=今村卓也/元・ラジャダムナン系スーパーウェルター級チャンピオン/クロスポイント吉祥寺/69.85kg)
VS
喜多村誠(前・日本ミドル級チャンピオン/伊原新潟/69.5kg)
勝者:喜多村誠 / TKO 4R 0:45 / レフェリーストップ / 主審:少白竜

KO勝利のポーズを再現してくれた勝次、1、2、3、ハッピー!

◆62.5㎏契約3回戦

日本ライト級チャンピオン.勝次(藤本/62.5kg)
VS
オートー・オー・デットポン(タイ/62.1kg)
勝者:勝次 / TKO 1R 2:12 / カウント中のレフェリーストップ / 主審:仲俊光

◆73.5kg契約3回戦

日本ミドル級チャンピオン.斗吾(伊原73.5kg)
VS
ヨードプーパー・オー・デットポン(タイ/70.7kg)
勝者:斗吾 / TKO 1R 0:35 / カウント中のレフェリーストップ / 主審:宮沢誠

◆67.0kg契約3回戦

日本ウェルター級チャンピオン.リカルド・ブラボ(アルゼンチン/伊原/67.0kg)
VS
UMA(=ゆうま/元REBELS65kgC/K&K BOXING CLUB/66.6kg)
勝者:UMA / 判定0-3 / 主審:桜井一秀
副審:仲28-30. 宮沢29-30. 少白竜28-30

◆65.0kg契約3回戦

石井達也(元・日本ライト級C/藤本/64.9kg)
VS
MA日本ミドル級3位.竹市一樹(二刃会/65.0kg)
勝者:石井達也 / TKO 3R 2:59 / レフェリーストップ / 主審:椎名利一

◆67.0kg契約3回戦

日本ウェルター級1位.政斗(治政館/66.6kg)
VS
レック・エイワスポーツ(WMC世界SW級1位/タイ/66.7kg)
勝者:レック・エイワスポーツ / 判定0-3 / 主審:少白竜
副審:椎名28-30. 宮沢29-30. 桜井29-30

◆ライト級3回戦

髙橋亨汰(伊原61.23kg)vs TASUKU(CRAZY WOLF/60.9lkg)
勝者:TASUKU / 判定1-2 / 主審:仲俊光
副審:椎名29-28. 少白竜29-30. 桜井29-30

◆ライト級3回戦

日本ライト級5位.ジョニー・オリベイラ(トーエル/60.9kg)
VS
日本ライト級7位.渡邊涼介(伊原新潟/61.0kg)
勝者:渡邊涼介 / 判定0-3 / 主審:宮沢誠
副審:椎名28-29. 少白竜29-30. 仲29-30

◆フェザー級3回戦

日本フェザー級6位.渡辺航己(JMN/56.9kg)vs FUJIMON(亀岡/57.15kg)
勝者:渡辺航己 / 判定3-0 / 主審:桜井一秀
副審:仲30-27. 少白竜30-27. 宮沢30-

◆70.0㎏契約2回戦

大久和輝(伊原/69.8kg)vs 萩本将次(CRAZY WOLF/69.3kg)
勝者:大久和輝 / 判定3-0 (20-19. 20-19. 20-19)

◆フェザー級2回戦

瀬川琉(伊原稲城/kg)vs 平塚一郎(トーエル/56.9kg)
勝者:瀬川琉 / TKO 2R 0:57 / レフェリーストップ

《取材戦記》

T-98=「ヒジ出すんだも~ん!」
喜多村誠=「狙ってました!」

控室で聞かれた後腐れないサバサバした表情で語り合った両者。業界の総力を結集すればミドル級でも面子は揃うはず。トーナメント戦は「KNOCK OUT」イベントばかりに集中しないで既存の団体興行でも行なって欲しいもの。

健闘を称えあったT-98と喜多村誠

勝次のKO勝利の場合のみ見せる“1、2、3、ハッピー!”は定着するか?拳を突き上げるだけでなく、もう少し決めポーズが欲しいところ。飛びヒザ蹴りポーズでも加えたらどうだろうか。

新日本キックボクシング協会の年内興行は、あと2回。11月11日(日)に新宿フェースに於いて、「KICK Insist.8」が2部制で開催。メインイベンターは第1部(14:00開始)が瀧澤博人(ビクトリー)。第2部(18:00開始)は石原將伍(ビクトリー)。8試合ずつ全16試合が予定されます。第1部終了後、入れ替えとなり、1部と2部のそれぞれのチケットが必要になります。

そして最終興行が12月9日(日)に勝次が所属の藤本ジム主催で、「SOUL IN THE RING.16」が後楽園ホールで開催予定です。

リングに流れ込んだ喜多村陣営と仲間達

▼堀田春樹(ほった・はるき)[撮影・文]
フリーランスとしてキックボクシングの取材歴32年。「ナイタイ」「夕刊フジ」「実話ナックルズ」などにキックのレポートを展開。ムエタイにのめり込むあまりタイ仏門に出家。座右の銘は「頑張るけど無理しない」

格闘道イベント「敬天愛人」11月11日(日)鹿児島アリーナにて開催!鹿砦社取締役・松岡朋彦も出場します! 九州、鹿児島近郊の方のご観戦をお願いいたします!

格闘道イベント「敬天愛人」HP https://ktaj.jp/